【論 文】 UDC :624
.
0ア2:624.
04 :516.
3 日本 建 築 学会構 造 系 論 文 報 告 集 第 397 号・
1989 年 3月増 分
摂動
法
を
導
入
し た
一
次 元
複 合非線
形
有
限
要素
法
正 会 員 正 会 員石
森
田迫
修
清
= * 里 ** 貝 §1.
序鋼 骨 組が静 的 あるい は動 的に崩 壊す る 過程 を 追 跡する 数値解析法と し て
,
中 村・
石 田ら が1973
年に提 案し た一
次 元複合非 線形 有 限要素 法2)−
5 )ta,
要 素にお ける剛 体 運 動 座 標の採 用と要 素の直 列 性に着 目し た伝達行列 法の 導人に よっ て特徴づ け られ る。
筆 者ら は,
近年,
こ の数 値解 析プロ グラム を その特徴に ちなんで,
FERT (Einite
Element
method with 旦igid・
body−
motion coordinates andTransfer
matrix technique )と呼んで いる6 )・
7)。
これ ま でFERT で は増 分 載 荷 段階をか な り小さ く と ることを前 提 として
,
接 線 剛性係 数法 を採 用し てきた。 そ こでは,
あ ら か じ め規 定 する増 分 長が,
解析 精 度 を 支 配し,
増 分長の決定が重 要な問 題と な る。 ま た, 要素の 材 料の履 歴 経 路に お ける除 荷の 予 測を行うこと は で き ず, そ の意味で履 歴 経 路 を正 確に とらえる こと は困難で ある。
弾 塑 性 問題 を扱う増 分 解 析では,
ある増 分ス テッ プで履 歴 経 路の選択を誤ると,
その後の挙 動 予 測の信 頼 性が低下 する こと は当然であ り, また,
後の ス テ ッ プに おい て,
ひずみ の進 行 方 向と整合性のある剛 性 行 列を作 成 す ることが で き な いとい う問題 を 引き起こす原 因にか か わっ て くる とも考え られ る。 筆 者ら は,FERT
を 用 い た重層K
型 筋かい付 鋼 骨 組の静 的 解 析で, こ の整 合 剛性 行列 を作成 で き ない と いう事 態を幾度か経験してい る。弾 塑性 材料の履歴 経 路 上にお ける除 荷を予 測す る問題 は
,
1972年に上 谷 が,
既 知の状 態を基 準と して塑性法 則 を時 間パ ラメー
ター
に関し て摂 動 展 開す る とい う ア イ デア で解 決しS〕,
中村・
上 谷らに よっ て増 分 摂 動 法とい う名称で提 案さ れて いるy )”
tl)。
こ の 増 分 摂 動 法を用いる と, 増 分 長の決 定は自動 化さ れ, かつ 解析 精 度 も制 御す るこ と がで きる。
塑 性 法 則を摂動 展開 す るとい う手 法は,
1973 年に Hutchinson に よっ て も独 立に提 案さ れ,
弾塑 性 分 岐 問 題に用い ら れてい る]2)。
本 論 文では,
FERT の基本骨 格で ある要 素に おける 剛体運 動 座 標の採 用と伝達行列 技法を生か し て,
中 村・
上谷らの増分摂 動 法を導入 し た定 式 化 を新たに行い, 骨 組 構 造物の解 析 プログ ラム の開発 を試み た成 果を報告す る。 以下,
今 回 作 成 し た解 析 プロ グラムをFERT−
P (P
は Perturbation を意 味 す る)と 呼 ぶ。
こ こ で は,
FERT −P
の ベ ンチ・
マー
ク・
テス トの対象の一
つ と し て,
特に,
2層K
型 筋かい付 鋼 骨組の繰り返 し物 理実 験を採り あげた。
こ の 問 題は,
筋かいの座 屈 と梁の塑性 化 現 象が絡む問 題で, 従 来の FERT で は, 極めて解析制
御が困 難であ り,
筆 者らは いま だ満足 のい く解析 結 果 を得た ことの ない問 題で ある。
また,
他の研 究者によっ てもほとん ど発表さ れてお らず, こ の よ う な形 状を有す る任意 骨 組の挙 動 解 析に使用可能な解 析 法が提 示さ れ て い る とは言い難い状 況で あ る。
こ こ で提 示する解析 結果 は,FERT
−P
がそ の ような問 題に対して も 非 常に信頼 性の高い解 析 法で あること,
ま た,
増分 長の自 動 決 定に より,
計算効率の上で も有 利と な るこ と を例 証し て い る。
FERT
−P
は, 骨 組 構 造 物の物 理実験を支援する ため の高 精度 数値シ ミュ レー
シ ョ ン システムと し ての利 用な どに十 分 使 用で き る もの であり,今後,
筆 者ら以外の人々 にもこ の プロ グラ ム そ の ものが 利 用で きるよう な ん らか の か た ちで公 表す る予 定であ る。
§
2.FERT −P
の摂 動 方 程 式の誘 導 2.
1 有 限 要 素 基 礎 式の速度 表示 妻 旻 線 料 材 コー
.
−
.
.
−
:’
中一
’
・
’
集ノ
TI1411r
’
I−
−
−
↓ ”.
‘
一
’
r
一
’
一
’
1
嚠
111111
」 の 面 化 断 ル 素 デ 要 モ/
州1L
「
本論文の概 要は文 献 1 )で発 表し た。
拿 京 都工芸 繊 維 大 学 教授・
工博 # 京 都工芸 繊 維大学 助手・
工修 〔昭 和 63 年8月31日原 稿 受理} ua 要 素 基 準座 Vb一
一
一一費
x,
x oー
Rb≡
旧b P va Y,
y o/
leqbb
θb一
〇R、
θ ∂ eaR=
ma a P ン 4 α d a硲
\
qa 熱 局腱 髀る (サ セPt ほ ) 図
一
1 要 素の モデル化と要素座標一 73 一
図
一
1に要 素の モ デ ル化を示す。 有 限 要素な らびに座 標系の設 定に関し て は, 文 献13〕 に示し たもの と全く同 じ である。
平 面 骨 組の面 内挙 動の みを扱うものと し, 面 外 座 屈 等は考 慮 しない。
部材は,
材 軸 方 向に直列に並ぶ n 〔≧1
)個の 「単 純 梁 柱要 素」に よっ て構 成さ れて い る と 考える。
また,
各 要 素は,
材 軸 方 向に並 列に並 ぶm (≧2> 個の 「集 中 材料線 要素」に よっ て形 成さ れて いる と考え る。 材 軸 方向の 弾塑 性境 界は要 素端のみに生 じ るもの と し,
各 材 料線要 素の降 伏お よ び除荷は,
その線 要 素の 中 央の ひずみ値で判 定さ れる。
な お,
要 素の材 軸 方 向の分 割は,
要素両端の上下 縁の ひずみの進展に伴っ て 自動的 に行わ れ る。
分 割さ れる側の要素を母 要 素, 新たに生じ た要素を子 要 素 と呼ぶ。
要素端変位および要 素 端 力につ いて,
以 下,
次の記号 を 用い る :(基 準 座 標で の要素端 変位 )
iD
}=
尠Ua
Va
ea
Ub
v
,e
,} T (基 準 座 標で の要 素 端 力 ){Pl=
IP
αQaRaP
。Q
,R
,} 「(局 所 座標変位 )
ldi
=lu
、θb副 τ(局 所 座標力)
i
ρ}=IPa
7nbinaF変形前の要素材 軸 上の x 点の 局所座標枠に お ける x 方 向
,
y 方 向お よ び回 転 方 向変位 成分をそれぞ れ u(x},
v(X),
θ(x )で表 記する。
x 方向 変 位,
y
方 向 変位をそ れぞ れ X の 1次 式,
3次 式で表す慣 用の変位 関 数 を採 用 す る と,
;
碧
一
[
xOx−
xsO
/L2
xt−
O
x’/L
Ol −
3x2/L22
コじ一3
コc2/L
]
ii
………・
……・
…・
………・
…・
・
(1 ) と書ける。
こ こ で,
lal
=1
α、 a, a“ T は変位 関 数の未 定係 数ベ ク トル であ る。lal
をldl
で表し,
その速 度 表 示を書 くと,16
ト[r
]utid
}…………・
・
…一 …・
…・
……一 ・
(2 ) とな る。
こ こ に,
r
−
[
1
i
L
.
1
∴
]
一
・
……・
・
… で ある。ひずみ変 位関係は
,
FERT の特 徴の一
つ で あ る剛 体 運動 座 標の採 用と, 材料 非 線 形へ の対 処か ら分割後の子 要 素 長が十 分 短く かつ母要 素も含めて各 要 素の変 形その もの が小さいと して,
微 小 変 形に関する もの を採用す る]4,・
ts )。
材 軸か らの距離が y」で ある第 ノ番 目の材料線 要 素の伸びひずみ速度 酬」じ,
yJ)は,
b
(…y
・)一
警
L
認
謬
≡lb
・ird
トー
(・) こ こ に,
州
16
音
・・一
(
・一
・f
)
y・1
「……一
(・)一
74
と書け る。
次に, 要 素の第 」番 目の 材料線 要素に属 する集 中 断 面 積 をαJと す る と
,
要 素 局 所 座 標枠で の速度 型 仮 想 仕 事 式は, 次の よ うに な る。
1
・姻
一
茎
・・f
, ” ・(・,
・,)・・(・,
・・J)dx− …
(・) また, 各 材料 線要 素の応 力ひずみ関係式の速 度 表 示は,
∂(X
,
宝ん}=
E7〈3ん)を(x,
31丿)・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(7 ) と書け る
。
こ こ に, EKyi )は,
そ れまで の ひずみ経 路 と ひずみ 速度の符 号によっ て決ま る係 数である。
式 (2 >および (4) を 式 (6)に代入 し,
1
δ訓
の各々 が独 立であ ることに着目 す る と,
要 素 局 所 座 標に お け る 速 度 型つ り合い式 が 次の よ う に導か れる。
lbl
一
幾
・・∬
1
・・}・幅 }・x…一 一 ……・
(・) こ こ に,
{B」
1
;
([1−’
]置
t)flb
,1
・
r・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
… 一・
…
(9 ) で あ る。 こ の
iB
,1
を用いる と,
式 (4)の ひずみ速度一
局 所 座 標 変 位 速 度 関係式は次の ように書け る。b(x,y丿)
=
IBA
円d
}・
…・
・
・
・
………・
・
(10)要 素局 所 座標と要 素 基準座標の要素端 変 位 および要素 端 力の速度量 は
,
そ れ ぞ れ文 献6L7L13 ) に示し た要素拡 大 回転 行 列 〔T ]を介し て次式で関 係づ け ら れ る。
同
=
[τ]ID
ト…・
・
…・
…・
…・
…………・
………
{11
)Ipi
=
[T
]TI創十[T
]TIP}…・
………・
・
……・
・
……
(12 ) こ こ で,
・T・
一
[
1
;
に
ill
l
三
;
1
調
・
一
・13
・ c= cos θ , , s=
sin θ,,
t=L
十 Ua・
・
…
(14
a−
c) で あ り,
θ,は要 素 剛体回転 角と呼ばれ, 幾何 学 的 関 係 か ら次 式で表され る。
e・
・
=
・・n−
1黠
・
一 ・
…・
・
………・
・
…
(15) 式 (15 )お よびL
+U。= (Ua− U
、+L
)COS θR+(Va
− Vb
)sin θR……・
…一 ……・
(16 ) か ら,
麟 と要 素 基 準 座 標変位との 速度 関 係式は,θ丑
=
IR
巨11
)}・
・
一・
一・
…
7P・
マ
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(
17
){・
→
1
−
・ …一
・ ・ド・
…・
・
一 ・
(18
) と書け る。式 (8 )を式 (12)に代 入 す る と, 次の基準座標で の 速 度型つ り合い式 を得る
。
lPi
・・【T ]・憾
・・XL
IB
,lo
(x.
y,)dx1
+[T
] ’lpi
”鹽
…
r・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(19 )2.
Z
状態変 数の摂 動 展 開 文 献8)−
11 } に従っ て,
すべ ての状態変 数 を既 知の [刀状 態で次の よ うに摂 動 展 開 する
。
以 下,t
は変形 を記述 する た め の パ ラ メ ター
で,
[刀 状 態でt
= 0で あ り , 0≦t≦t。.
の区間で, すべて の状態変数は tに 関して解 析 的一
価 関 数である と す る。tcr
につ い て は後述す る。
lD
( 叫,
lpc
°)i
等は [刀 状態の既 知 量 を表す。 (要素基 準 座 標に関す る状態変 数)eo
{P
(の}=
Σ 眇ω }置M,
Ip
{t
)}= Σlp
〔桝〆 N=
O N=
D’
’
”『
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
”tt’
’
’
’
”・
(20a,
b
) (要 素 局 所 座 標に関する状 態 変 数)m
m
ld
(t
)1
=
Σldcn
°ltM
,IP
(t
)}=
Σ1
ρ CMItN M−
O N=
O”鹽
’
……’
tt’
t’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
”ttt
(20c,d
) (応 力ひずみ関 係に関 する状 態 変 数)co
oo
σ」{t}=
Σ σ胸 鮒 , eノ(t
)=
Σ θ野 酎…・
…
(20e,f
> M=
O M−
O こ こ に,
の,
e」は そ れ ぞ れ σ(x,
Y丿〉, e(x,
y」)を略 記し た もの で ある。
式 (7 )で応 力と ひずみ を関係づ け る係 数EKyi
)は,
こ こで は区 分 線 形 化さ れ た も のを 対 象と する ことと し,
摂 動展 開 は行わ ない。
し た がっ て,
E,∫≡ EKy 」)は, 各増分段 階の初 期値を と り,
その増 分 段 階を通じて一
定値で あ る。
(要 素基 準 座 標と要 素 局 所 座 標 を 関 係づ ける状 態 変 数 ) co co [T
(t
)]=
Σユ[T
[m ]tN
, θ.(t
)=
Σ θkma
t
” M≡
O M=
Oの
IR
(t
)1
一
Σ {Rlian
}置” MiO…・
…………・
…………・
(21a−
c) 要 素 拡大回転行 列 [T
]は要 素剛体回転 角 θ,と局所座 標 変位 Ua の 関数であ るの で,
その 展 開 式の係 数行列は 次の よ うに 書 き 表 され る。
[T
[m ]==
[7’
(θ饗1,
岨 )][
T
・・
, ]一(
∂9e
,[T
])
θ接・+(
菰
[T
])
岨[
T
・m ]一
(
螽
[T
])
θ留+(
孟
[T
])
・留・
1
(
識
[T
])
θ穿・
θ留・
(
∂θ譲
ら
。。 [T
])
θ呈・靦・
去
磁
[T ])
・留・
・留 す なわち,
[T{o] ]=
[T(θ肆,
t4豊1)] [T[m ]=
[T,
θ.]θ贈十[T,
ualu ‘ . M+[T〔m ] (M=
1,
2,
…
)………・
・
(22) と書け る。
こ こ に,
表 記 法 [T,
v〕は [T ]の v に関 する 1次 偏 導 関 数 行 列を表 し,
[T
(m ]は そ れ以上の 次 数の 剰 余 項を示 して い る。 [丁門 は (M −1
)次 以 下の 摂動係数だ け で計算で き る。 な お, [T
“)];
[0
]で あ る。
ま た,
[T
[m ]に含ま れ る [T
]のe
,,
Ua に関す る高 次 の偏 導 関 数 行 列は,
2次まで の偏 導 関数行列 を記憶 して おけば,
そ れ らを 利 用して容 易に計算さ れ る。 式 (2
ユc) のIR
}もθ, とUa の 関 数であり,
そ の展 開 式の係 数 行 列 も 同 様に書き表す こと がで き る。IR
「 桝の 1次 以一
ヒの摂 動 係 数ベ ク トル は,
同 次の [T[M ]の第 2行あ るい は第 3行の符 号 を換え た もの に等し い。
式 (20a−
f), (21 a,b
)を tで微 分 すれ ば, それぞれ の変 数の速 度 量が次の ように表され る。co
co
lD
(t)i
=
z
MIDfMltM”
’ .lp
〈t)1
=
Σ Mlp 〔MltM−
1 M=
1 胛一
1co
ab ヨ
d
ω }=
Σ 酬d
砌 }tN−
L,
ゆ(t)ト Σ MIP[MltM−
’ H=
l M=
lm
tn
∂丿ω= Σ 〃 σ野 鯉一
1,
乙 丿ω= ΣMeSM
tM−
’ 層=
1 層=
1ロ
m
θ陀ω=
ΣM
θ胸 封一
[T
{t
)]=
ΣM
[T
[M ]tM
−
1 制己
I M己
1……・
一
・
・
…・
……・
…・
一
(23a−h
) こ こ で は,FERT
の特 徴の一
つで ある移 動 座 標の 採 用の た め, 式 (20
)に見ら れ る よ う に二つ の座標そ れ ぞ れでの状態変数の摂動 展 開と,
式 (21
)の座標変換に関 係す る状態変数の 摂動 展 開が 必要と な る。 しか し,
ひず みと変位を関 係づ け るベ ク トル1B
ボは状 態 変 数を含ま ず,
摂動 展 開に は無 関 係であ る。 2,
3 状態変数の関係を与える基 礎 式 式 (20),
(21} お よ び (23)の状 態 変 数の関 係 を 与え る基 礎 式は,
2.
1項の式 中 (材 料 線 要 素の応 力 速 度一
ひずみ速 度関係 式}式 (7) (要 素 局 所 座 標に お け る速 度 型つ り合い式)式 (8
) (ひずみ速 度一
要 素 局 所 座 標 変 位 速 度 関 係 式 )式 (10
) (要 素 局 所 座 標 変 位 速 度一
要 素 基 準 座 標 変 位 速 度 関 係 式) 式 (11
) (要 素 剛 体回転 角 速 度一
要素基準座標 変位速度関係式) 式 (17 ) (要素基 準座標に お け る速度型つ り合い式 )式 (19
) であ る。 これ らの基 礎 式は区 間0≦t≦t。 。の あらゆ る時 刻におい て成立 し な け れ ば なら な い。 こ れ ら の式に, 式 (20),
(21)および (23) を代 入 し,
tに関する共 通 項 を ま とめ て整 理する。
こ れらの式はt
の 任 意の値につ い て成り立つ 必 要が ある ことか ら, tの各次の係数がそ れ ぞれ独 立に等 式 を満 足し な け れ ば な ら ない。
こ の よ う な操 作を経て,
各 基 礎 式に対する摂 動 式の組が次の よ う に求め られる。
瀚
(
[・糊犠
・・ズ
凪i
・岡
+[T・k・
r1P
・・←in })
一
{P
・麟 } (M =
1,
2,
…
)・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
r・
…
(24)一
75
−一
・塑一
乙
藷
IB
・} i [T[”−
M ]IDI
・・ } (M =1,
2,
。
・
→・
・
tS・
・
・
・
・
・
…
t…
(25
)θ鯉
一
意
か
R・牌 円D1
(M=
ユ,
2,
…
)一
・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt…
(26
)id
・・1
一
嵩嵜
[r・H−
・・ ]ID
・k ・i
(M=
1, 2,…
)・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(27 )1
…1
一
窰
・’∬
1
・・蹠 (M 一
1s2,
…
)………・
・
(28> σSM
=
ErjlBA旺T(°)]」Dtm}+ ∂野 (M =
1,
2,
…
)・
・
tt・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(29 ) こ こ に, ∂野は (M −
1) 次 以 下の係数 だ けで計 算で き る 項で あ り,M
次の摂 動方 程 式の中で は既 知の項と して 取り扱わ れ る。
す な わ ち,
∂屮=O
aL・
一
冨吉
剛 B,肛丁 一 ]ID
・・D
(M=
2,
3べ・
・
)・
・
・
・
・
・
…
t−・
・
・
…
(30
) であ る。
ま た,
式 (24
)の左 辺 第 2項は,
式 (22 ), (23 ) を用い て次の よ うに書き換える こと がで き る。
禽畜
[τ ]Ti ρIN−
・1
−
[Tlm
]9P
・・II +溟
藷
[T
]Tlpl・’
・1
=
([T,
θ,] 「 θ轡十[T ,
uα] Tu 響)ipCOI
}+
窘
姦
[Tde
]rlP・M−
k・1
+[i
・m ]rlpc・ll=
([T,
θ,]『P
[o]HR
(o]IT
十【T,uti]Tlpc°〕 }ll
O O}[T{o )]}ID
}+
溟
畜
([T,θ・] ・IP
・・IMR‘
・一
・ 円酬 十[T ,
ual『p〔o )M
o ol [T
〔M−
n]iDch
)} 十[T(M]「IP
{M−
Ml )十[T〔m]腎p働}・
……・
……・
・
(31 ) 式 (24)に式 (25>,
(29}お よ び (31>を代入 し,
t の 同 次項 を整 理 すれ ば,
次の よ うな摂 動 方 程 式が導 ける。 [K{ ) ]IDcanl
=
lp
[an}−
lpcm
}・
…………・
・
…・
・
…・
…
(32> こ こ に, [鯏一
[T・・1
鴬
・’∬
{B’}E・’IB
’ドdx
][T ・ ] 十[T
,θ,]『P 〔o,llRl
°} }「 十[T ,
Uoi]Tlpc 叫目l o ol[T
[OI]・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(33 ) {P
叫=
io
ト1
画 一
黠
(
[世叫洳 ∬
1
易}・Vk
’・x}
十[T,θ,] ilP (o ’HR
楜一
it }TIDCM } 十[T,
Ua]刊p{o 〕Hloo
}[丁尉“
} ]{p
}一
76
一
+[
Tua
]・IP
・M−
・ })
・[・・ ]・
{
鶏
・’∫
L 躍 ・・}
十[TEAV]「1P
〔Ol } (M=
2, 3,…
)・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(34 ) である。
摂 動 演 算は, 式 (34)に見ら れ る よ う に剛体運 動 座 標の座 標 変 換に関 係 する計 算に集 約さ れ る。
また,
式 (33 )の [K 別 は [刀 状態での接線剛 性 行 列であ り,
増分摂 動 法 を導入 す る以前のFERT
の要素基準 剛 性 行 列に対 応す る もの であ る。
[κ別 は,
[」]状態で の既 知量を用いて計算で き,
次の よ うに表さ れ る。 [κ馨} ]=
[T
{o) ]「[h
匸o 「[T
(叫 ]十[K
男』]・
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
r・
(35) こ こ に,
・
h
・・) ・一
躯
[
譱
離
霧
ト
お よ び,
[κ,と]=
f
,flSYM
.
f
,/10f
,/10
0一
fi
/1 −
f2
/10
−
f2
/Z −
fi
〃0
0 0 0f
,/1f
,/10fs
/l o O・
・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(37) こ こ で,
fi
=
s2P 曹十2sc
σ雪lf2
=−
Scp 麗,十 (Sz−
C2>q胃]t−’
一
’
’
”…’
t・
(38a−
d) 丿Z
=
c2P聟1−
28c σ曽〕 σ雪1=一
(7π21
十 ηL詈〕 )〃 で あ り,
[Tt
°1 ]は式 (13 >に与え ら れて いる。 式 (13
), (38>に現れ る s お よ び C は,
θ饗1につ い て計 算さ れ,
‘ は 耀 につ いて計 算され る。 2.
4 摂 動 方 程 式の部 材 座 標へ の変 換 式 (32)は各 要 素ごとの摂 動 方 程 式で あ り, 要 素 両 端 に系座標を設け る通常の有 限要素法であれば, 直 接, 系 の摂動 方程式を誘 導す るこ と は容 易で あ る。
しか し,
解 くべ き 連 立 方 程 式の元 数 は,要素数に比例 して多く なる。
そこ で,
系座標が要素数に か か わ らず一
一
定と な る よ う に, 従 来の FERT で採 用 して き た伝達行列 法の 技法をこ こ での摂 動 方 程 式 に も 適 用 す る。
部 材の 右 端か ら r 番目の要素に関す る摂動 方 程 式 を 次の よ うに表 示す るこ とにす る。
[K
醫〕 ]rl1) エMlr=lpua
}r−
lpmolr
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(39) 上 式をt その要素の右 端に関す る状 態変数の摂 動 係 数 と 左 端に関 す る もの とに分 けて表 現する と,[
1
黜
罰
嬲
厂
躍
厂
翻
∴
・
(・・) と書ける。 こ こ に,
添字 R お よ びL
は そ れ ぞ れ要素の右端
,
左端を意味して いる。
ま た,
[KRR
],
[KRL
]などは,
[K罰 の部 分 行 列で ある。
式 (40) を 次の よ うな r 要 素の摂 動 係 数ベ ク トル囲
踟
囲
夥
1
レ
…一 ・
’
・41
・a… の関係に表 現 し直す と,
次の形の 摂 動 方 程 式 が 得 ら れ る。
牌禦ir
=
[丁孚伽 ]71S 卿}r−
IS
(M }r・
・
…………
………
(42
) こ こ に,
[Ti
門r−
[
[KLR]il餐
:
:
器
1
[欄 [議
愉
昆
:
1
詠
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(43 )風
一亅
、K
,,[]、矯
票
τ
1
}
雛
曲
.
・
…………
・44・ で ある。
式 (42)の [鯉 ]。 は,
従 来の FERT で第 r 番 目の要 素の伝 達 行 列と呼ば れて いるもの に等 しい。 とこ ろ で,
r 要素の左 端に 関す る状態 量 速 度ベ ク ト ル1S
虚=
1
砂 剥P
認 と (r+1)要 素の右 端に関 する状 態 量 速 度ベ ク トル 熔 宀+ 、=
11D
,HP
,e
}掃 に は次の 関 係があ る2トη。
ISRIr
+匸=
[W
]{S
,1
.
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt・
・
…
〔45
> こ こ に,
・剛
一
[
階
}
、]
……・
・
………一 ・
…・
・46・ で あ る。 式 (45 )の速度量 を摂動 展 開 し, r 要 素の左 端に関す る摂動係数ベ ク トルIS
劉r と (r十1)要素の右 端に関す る摂動係 数ベ ク トルIS
劉用 の 関 係 を求め る と,
次の よ うに な る。 {S
劉丁 + [=
[Ψγ]{S
野}ド・
………・
………・
…・
……・
(47
> 部 材の右 端の状態変 数の摂 動 係 数ベ ク トル を1S
躙 で 表し,
これ が部 材 最 右 端 要 素のIS
跳 と等 しい こと,
お よび式 (42),
(47)を順 次 用い て,
IS
野}.と 亅S
翻との関 係 を記す と次の ように な る。
{S
野}r=
[C
〔m]γ{S
騾一
{P野}厂・
…・
………・
・
……・
・
(48) こ こに,
[cw
) ]1=
[71
撃1]1 [ctm
]r; [τ撃 〕M
咽 [ctelr
一
匸 (r=2
,3
.…
, n)・
−s・
t・
・
・
…
−stt
・
tt・
t・
…
t・
tt−s・
t・
一
(49) で あ り, ま た, {P
卿』=
1s
閲 』lp
劉r; [丁撃 1 ]r[w
]{P
喫レー
1十{s
例T (r; 2 , 3ド・
・
tn )・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(50 > で あ る。部 材の最 左端の n 要素に おい て式 (48
)を書き,1S
割π竺 {S
賜と す る と,
18
盟篇 [CP1
ηIS
蹄トlp
‘ ギ}n・
………・
……・
……・
(51
) と な る。 これ は部材の左右の状態変数を関係づ け る摂動 方 程 式であ る。
is
劉 お よ びIS
剛 を部 材 左 右の 材 端 変 位 摂 動 係 数 の劉,
IP
跚ならびに材 端 力摂動係 数 嬲,
跚 で表現 す ると,li
駲
1
:
:
:
i
ll
:
:
IL
{
;
黜
鳳
・
・
…
・… と な るe こ こ で,
[Cll
]な ど は [C
,2]な ど は[C
門π の 部 分 行 列で あり,
1P
鼎 お よ びIP
留はIP
判。の部 分ベ ク トル で あ る。 これ を材 端 力 摂 動 係 数1P
劉と材 端変位 摂 動 係 数 の劉の関 係に変 換 する と,
[K 別IP
鯉i
=
{P 劉一
IP
禦1
・
・
…………・
・
……・
…・
(53 ) こ こ にg [κ唱〕 ]一
[
一
[C12
]一
置 [CH
] [Ci2
]−
1 [Cal
]一
[C2t
][C
、2]−
1 [C11
][σ22][Cit
]−
1]
…
・54・囲
嬲
繝一
綴
t
…………
・55・a・
・b
) で あ り,
ま た1
酬
[Cai
][lll
欄
,」・
・
・
・
…
一・
・
一
(56
) で ある。 式 (53)は部 材の摂 動 方 程 式で ある。 [鵡 ]は [」] 状 態で の部 材の接 線 剛 性 行 列で あ り,
[刀 状 態で の既 知 量 を用いて計 算で きる。
式 (53 )か ら系の摂 動 方 程 式は,
通 常の剛性 法に従っ て容 易に導け る。
こ のと き,
解くべ き連 立 方 程 式の元数は,
要素数にか か わ らず 部 材 の両 端の系の節点数の み に依 存 し, 式 (32 )の要 素の摂 動 方程式か ら,
直接.
系の摂動 方程式に拡張 す る場 合よ り,
元数を格 段に減ら すこ と がで き る。
2.
5 増 分 長の 決定 すべ て の状 態変数は,2.
2節で 0≦t≦tcrで解析的一
価 関 数であるとし て,
摂 動 展 開され た。 し たがっ て,
解 析 性,一
価 性の 条 件が満た さ れ る範 囲に tを限 定し な けれ ば ならない。
これ らの条 件が犯さ れ る要 因と して は,
a)材料線 要 素の 降 伏 (こ こ で の区 分線形 応 力ひずみ関 係にお け る ひずみ硬 化 係 数の変 更 〉な らびに除 荷の発 生,
b
)分 岐 点の存 在, が挙 げられ る。
§3で は増 分 長t,
r の 打ち 切 り要因 と し て,
a>は当然 採 用さ れ る。一
方,b
) につ いて は あ る程 度の不整を導入 す るこ とを前提とし て,
採用 さ れて い ない。
a)の他,
文 献9)−
1/に従っ て, 増 分 摂 動法の利点で あ る誤差の管理 を, い くつ かの指定 変数につ い て行っ ている。
さ ら に,
要素の自動分割に お け る 母要素の 4隅の ひずみの指定も打ち 切 り要因 と し て 採 用さ れ る。 具 体 的な増 分 長 tc.の計算方法につ い て は文 献 9)”
ll) を 参照さ れ たい。 §3
.
数 値 解 析 例 まず,
幾 何 非 線 形 問題 を対 象と して, 打ち切り誤 差 限 界 を 設定する ことで, 増分長の選 択が自動 的に 行わ れ る こ とを示す。
次に, 材 料の履 歴の追 跡 精 度が そ の挙 動の一
77
一
予 測に影 響を及ぼす と思わ れ る弾 塑 性 座 屈 を含む問題を 扱う
。
いずれ の例 題も摂 動 係 数は3次まで計 算 を行っ た。 ま た,
代 表 座標 変位 制御法le}・
IT ) を採 用し て い る。
数 値 計 算 は,
京 都 大 学 大 型 計 算 機セ ンター
FACOM−
VP 200を 使用し た。 た だ し,
プロ グラ ム の ベ ク トル化 率 を上 げる た め の工夫は,
特 別に は行っ て い ない。
3.
1 単 純 梁 柱の弾 性 座 屈 後挙動の解析 図一
2は,
エ ラス チカ曲 線18〕 を 対 象と し た単純 梁柱の 弾 性 座屈後 挙 動で あ る。
図中に示し たA
は断 面 積,1
は 断 面2
次モー
メン ト,E
は ヤ ング係数で あ る。 部材は 等価サ ン ドイッチ断面に モデル化して いる。
図 中 実 線 は,
幾 何 非線形問題におい て要 素 数を少な く す る 目的で,
変位関 数に曲げ縮み連 成 項を取り入れ た文 献31のFERT −B
に よ る もので あり,
部材を4要 素とし た もの であ る。
これ は,
接 線 剛 性 係 数 法で解 析さ れて い る。 口 印はFERT−
P の 6要 素に よる もの, ○ 印は 10 要素によるもの で,
荷 重P
と部 材 中 央の横 変位 δκ
の誤 差 限 界をユ% とし たもの である。
ま た ・ 印は10
要 素で 誤 差 限 界 を0.
1% とし たもので あ る。FERT −P
に ょる もの の フ ロ ッ トは, い ずれ も5
ス テッ プご とで ある。
FERT −B
の ス テップ 数1900
は,
オイラー
座 屈 荷 重の 1,
01
倍の 荷 重 値ま で増分長 をL
/IG5
と し,
そ れ以 上の 荷 重 値につ いて はL
/102と す るこ とで要し た ス テ ップ数 で ある。 これ らの増 分 長は幾 度かの試 行に よっ て得ら れ た もの であ る。一
方,
FERT−
P で は増 分 長は自 動 的に 決定さ れ,
オイラー
座 屈 荷 重 値 近 傍で増分長は短く な り,
そ れ以 外の範 囲で はある程 度 長 くとっ て計 算を実行して いること が わか る。
従 来の接 線 剛 性 係 数 法で は, こ の問題の よ うにあ ら か じめ増 分 長 を 短く し な け ればな ら ない領 域が予 測でき,
国 籌 頃.
N 0.
田
頃
.
尸
0.
尸
ゆ.
O注
0 0.
0.
1 0.
2 0.
3 0.
4 0.
5 0,
6 δ HIL 図一
2 単 純 梁 柱の弾 性 座 屈 挙 動の解 析78
一
かつ 対 象とす る挙 動が あ らか じ め わ かっ て い る 場合に は, 増 分 長は数 度の試 行で比 較 的容易 に設定でき るで あ ろうが, 予 測で きない場 合は,
解析結 果につ いての精度 が設 定し た増分 長 に依 存する ことか ら, 全 増 分 段 階の計 算が か な り短い増分長で行わ れ る 必要が あ るであ ろ う。 また,
その精 度 を合 理 的に管理をす ること も 困難である。
も ち ろ ん,
この よ う な幾 何 非 線形問題で は,
接 線 剛性 係 数 法を採 用せず,
つ り合い条 件を満 足 するよ うに繰 り返 し計算を行うこ と を前 提に解を求める手 法 もあり,
そ の よ う な手 法で は,
増 分 長を比 較 的 長く する ことも可 能で る。 し か し,
以 下の例 題のよ うに材 料 非 線 形 を含む場 合 は,
幾 何 非 線 形 問 題で採 用され るよ う な繰 り返 し計算は 正当 化さ れ な い1ω.
m。
以1
二の ことか ら,
各増 分 段 階で高 次の摂 動 係 数 を求め る演 算が多 少 必 要であっ て も,
増分摂 動 法を 用い る方が,
精 度という点 も含めて, 計算効率は有利な もの と な るで あろ う。
な お,
各 摂 動 段 階で解くべ き方 程 式は,
式 (32
) ある いは式 (53 )か ら 明 ら か な よ うに,
1次につ いて解 か れ れば,
高 次の係数の計算に は,
ほ と ん ど時 間を要 し ない。 数 値計 算に要し た時 間は,
図一
2の FERT−B
の 4要素の もの で 4.
81秒,
○ 印の FERT−
P の 10要 素の もの は2.
25秒で あっ た。
3.
2 繰 り返し軸 方 向 力を受 ける鋼 部 材の解 析 図一
3は,
若 林・
野 中ら に よっ て行わ れ た実 験19切供 試 体の う ちSR 4 C と 名 付け られた細 長 比40の もの を FERT−P
で解 析し た結 果 を示 してい る。
解 析は対 称 性 を考 慮して部 材 長 を1/2の片’
持ち梁と し, 自由端に横方 向 変 位がL
/loooo
と な る よ う な初 期不整 力を導入 して 行っ た。
要 素数は,
10で,
均等に 分割してい る。
断 面は,
同じ実験を対象と し て,一
次 元 複 合 非 線 形 有 限 要 素 法に よ る解 析を行っ て いる 五十 嵐・
井上・
小 川z°L21}の 4点モ Pl
,
02 幽 ユ1、
・9鰤 ユ , 。ri。 ,,t、1L9し+一
竃ご 昨 ・
雕
覊
£
一
一
屑 嘱丶
芍
獅 6一
蝋一
一酢幅
◎恥 N 畠鮮
熱
」
酵
嚇
1
欝
l o■
’
2辞
m 0.
0,
1 δ 〔cm) V0.
2 l l’
N 1塞1
冥 ρ ρ’
げ
岬瀦
夢
欝
・ 喬沢 蝦一
す’
ぷず
ザ
Y 図一
3 繰り返し軸 方 向 力 を 受ける鉄 骨 部 材の解 析デル を採 用 し
,
以 下の 4つ の諸 量が実 断 面 と等しくな る モ デル化を行っ た。
s
・−fb
{y)dy
−A
s
・−
fb
(y)lyldy
−z
.s
・−
fb
(y
)y
・dy −
・s
・−
fb
(y)lyl
・dy
こ こ で,
b(y)は図心 軸か ら距 離y
の位 置で の断 面の 幅 である。
応 力ひずみ関 係は, 図一
4 に示す柴 畔21の区 分 線 形 化 さ れ た もの を 用 い た。
ヤン グ係 数 は 2100 tonf/cmz,
降 伏 応 力は 2.
33 tonf/cm3 と し た。
打ち 切 り誤差の制御を荷重P
, 部 材中央の横 変位 δH に加えて,
前増分段階で最大ひずみ速度を経験し た材 料 線素のひずみに つ い て も行っ た。
図 中○印 は,
そ れ らの 誤 差 限 界 1% と し た もの, ・
印は0.
ユ% と し た も ので あり,
いずれも全ス テ ップがプロ ッ トさ れて い る。
x 印 で示さ れ る実 験 値は, 文 献19)に 掲 載さ れ て い たもの を読 み取っ てプロ ッ トし た。
筆 者らは以前に, 文 献1s )で断 面 を等 価サン ドイッチ,
応 力ひずみ 関係をバ イリニ ア と して, 従 来のFERT
に よっ て解析し たもの を 発表し てい る が,
そ れ よ り は る か に 良い予測結 果が得ら れてい る。
ま た,
文献anLzl }の 五 十 嵐・
井上・
小 川の解 析結果に比 して も,
よ り実 験結果に 近い予 測を得て いる。
○ 印内に・
印がプロ ッ トさ れ てい る点は,
応 力ひずみ関 係にお ける降 伏,
除 荷な どの勾 配 変 更 点によっ て増 分 長が決 定 され たス テッ プである。 除 荷に よっ て増 分 長が決 定さ れた ステッ プ も存 在 して い る。
こ こで も, 増分長の 自動 決 定が有効に機能して い る こと が, 理解さ れ る で あ ろ う。
な お, 計算時 間は誤 差 限 界を1% と し た もの が 4.
59 秒,0.
1
% と し た もの が 6,
67
秒で あっ た。3.
3
繰り返 し水 平載 荷を受け る2
層K
型筋かい付鋼 骨組の解 析 K 型 筋かい付 鋼 骨 組の複 合 非 線 形一
次 元 有 限 要素法 に よ る解 析は,
藤 本・
和 田らによっ て実 施さ れ たのが最 σ1σ y 1100,
一
一
r曜 = =.
’ 11
一
厂1「
,
一
一
一
F
「
で 10.
〜
〜
’ : 〆’
1
.
一 .
1
「1
’ : 卩 1 1−
ZOO1P111
r
ε/ε y一
『
.
卩
「 一
卩 卩
「」
’ ’ ♂一
〜 .
「 ’
7「
一 . 一 一
.
泗
⊥一
〜
図一
4 区 分 線 形 化された応 力ひずみ関係FE
り
0N
レ
广一
一一
250cm− 一
「 3 6 9G
≒
1 ↓ 4→
P 2105158 12 丶1L / 1413 8 21 2q 19(
−
1、 鼻 ↓ 、7Z520 2330 解/
1 丶 25 〆蝦 2B29 32(
UAP 〔一
} 22[
N冖
]
冖
N[
]
UB [1・〕、
匚12コ.
轡
1
/
’
\1
身
/巌 郭
・
・
・・
、
[!・L
)
N
)il
ポ
蔘
黜
[12] lt it 、J疂
:湧
1
甃 認 蒹辞 :{
蠻 姦
軸 ) 転 働 鱈.
塾 Z90 筋力
、
L、
BH−
80×
80×
6×
6 (弱軸) (b) 自動 分 割による部 材の (a) 骨組の幾 何 形状と系座標 最 大分割 数 図一
52 層 1ス パン K型 筋かい付 鋼 骨 組 初で あ ろ うz3 ,・
24 }。 そこで,
対 象と さ れた架 構は 1層1ス パ ンの も ので あ る。
同じ架 構を対 象と して,
筆 者らも従 来の FERT に よる解 析 を行い, 藤 本・
和 田らに よる も の とほ ぼ同 レベ ル の解析 結 果を得てい る】5)。
し か し,FERT
に よる重 層K
型 筋かい付 鋼 骨組の解析で は,
§ 1で述べ た よ うに, 適 切な増分 長の選択が困 難で,
場合 に よっ て は整 合 剛 性 行 列 を作成で き ない事態も経験 し た。
し た がっ て,
従来のFERT
をこ う し た解析に使用 す る場 含,
信 頼で き る解 析 結 果を得る た め に は,
か な り の試行解 析が 必要と な る。 こ こ では,
図一
5に示す 2層 1ス パ ンK
型 筋か い付 鋼 骨 組の静 的 繰り返 し挙 動 をFERT−
P で解 析し た結 果 を示 す。 こ の骨 組は,
五十 嵐・
井 上 らによっ て行 われ た 2層 1スパ ン筋か い付 鋼 骨 組の静 的繰 り返 し実 験の供 試 体の一
つ である25)。
解 析で設 定し た系 座標を図一5
(a)に, 自動 分 割に よる各 材の最 大 分 割 数 を 同 図 (b
)に示 す。 25).
.
perlmenta1(
o」
o−一
疊
一
一
⊆ 9 (a レ、
尸
L RT−
P(4 集中 材 料 繰要 素 )」 ど厂
、
L’r−
、
一
一
−
−
一
一
一
、
6 寸一
、
.
.
〔d 〕−11
’
’
厂
〆
’
’
r一
厂
F
一
/
r
”
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’
’
〆
ノ
’
’
7 6κ
.
03−.
D2一
.
01 0,
,
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’
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κ
.
D2.
D,
〆
尸
’
’
’
’
r
r
r
一
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R〈ra のr
ノ
”
尸
’
!
厂
F
〔e}一
一
广
一
π
.
.
、
、
丶
〔c}厂
!
一
‘
一
瓦
『
.
.
6、
(bレ7 亨 、」
.
・
/
6 ? 図一
6 繰り返し水 平 変 位 を 受け るK型 筋かい付 鋼骨 組の解 析 :部 材 断面 を4点モデル トし たと きの水 平 カー
転 倒 角 関 係一 79 一
応 力 ひずみ関 係は
,
こ こ で も図一
4を用い た。
ヤング係 数は2100
tonf/cm1 で あり,
降 伏 応 力は, 梁 材が3.15
〔a〕 R
昌
0.
003140 〔rad ) P=
53.
61〔tonf )〔b) R