• 検索結果がありません。

光化学スモッグに関する基礎研究 : ヨウ化カリウム水溶液と窒素酸化物の間の反応性(4)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "光化学スモッグに関する基礎研究 : ヨウ化カリウム水溶液と窒素酸化物の間の反応性(4)"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

3

5

7

光 化 学 ス モ ッ グ に 関 す る 基 礎 研 究 一 一

ヨウ化カリウム水路液と窒素酸化物の聞の反応性(

4

)

佐 野

f

'

f

太田

*

*唱さ

9

中 村 善 之

A Basic Study o

f

Photochemical Smog-

一一一一一

t

h

e

Chemical R

e

a

c

t

i

v

i

t

y

o

f

Nitrogen Oxides t

o

Aqueous KI (

4

)

Isamu SANO

Hiroshi OHTA

Yoshiyuki NAKAMURA

筆者らはヲ前報1)の通り,ヨウ化カリウム溶液l乙対す る二酸化窒素の反応性lこ関して報告したが,一酸化窒素 の反応性についてもJ定時売を行なったので以下にその知見 の一部を報告する。 実験万法は二円量化窒素の場合と同様に試験管振備法で, 試験管のサイズ,伝言霊の条件などもすべて前報と同様で ある。ヨウ化カリウム係液の濃度もやはり

1%

であるが, 二酸化窒素の場合と違l"さらにヨウ素が溶かしである。 その15mlずつを若干本の試験管に入れ,窒素ボンベの窒 素*1で各試験管内の空気を置換し,テフロン シリコン 衿で封じた後,窒素で稀釈しである一酸化雫素を注射器 から注入し,それぞれ,反応をスタートさせる (25'C)0 一般化窒素は硫酸中に硫酸第一一鉄を府かした溶液に亜硝 酸ナトリウムを加え,熱して得たものである。反応の進 行を追跡するために15分, 30分などの経過時間毎 lこ次次 と試験管内の気相中のー骸化望素の濃度および溶液中の ヨウ素の濃度を分析した。分析の方法は次の如くで,気 桁部分については,その20mlをアンモニア水(O.lN)10 ~15ml を入れた注射器内に吸出してー酸化窒素を亜硝 i峻 アンモニウムに変え (2NH.OH十2NOートすO2→ NH N02+N,十3H,Oんこれをスルファニルアミド熔液 *2 とナフチルエチレンジアミン裕液によって発色させ,光 *3 電分光光度計で吸光l豆を読み(波長:545nm),検車千泉

*

環境工学研究所 **応用化学科

*

1 徴誌の酸素を含む

*

2 尚北ミ色。詳細については二酸化窒素の反応性に関 する部分(前報1))を参照の乙と キ3 前報 11の凶 1を参照(横軸をNOIこ読替えればよL、) から一酸化窒素の濃度を求める。一方,試験管中の裕被 についても9 やはり,光百分光光度計で吸光i支 を 読 み ( 波 長 :352nm),検世線利からヨウ素の濃度を求めた。 実験結果の数例を示すと表1および凶 1の通りである。 図のな~I く,遊離ヨウ素の濃度は時間の経過とともに減少 するが,その割合は最初jの15分頃まで緩かで,次lこ早ま り,やがて45分頃から再び緩かになることが見られる。 最初の15分頃までは系内(C含まれる微量の椴素によって 一酸化窒素が二酸化窒素lこ酸化され,このためにヨウ素 の析出が伴なわれる部分であり, 15分頃から以降がー酸 化窒素のヨウ素(C

X

J

する反応性の現われている部分料で 表1 実 験 結 果 売元:(/~乙 1.8L1 1 1

( ; : : : ; │ 0 1 2 0

O.田5 0.212 0.266 0.29 1.83 1.83 i 10.81 1.76 10,40 I 1.63 I 9.64 I 1.53 I 9 .06 1.45 8.59 1.84 川 84I 10.87 1.74 i 10.28 町60I 9.-<1ブ ー 1 1.49 8.82 1.47 I 8.71 4 4 7 0 7 8 5 3 0 1 2 3 0 0 0 0 0.092 0.214 0.243 丘三三 ネ a,ぬの~記号玄 f主o{ヲつれ孟っ τ 4.., .I~ 01司 る 務 滝 口 昭 事 "討 議1わ れ r;rT¥'予三 ギb 若手足15m1中 ポC ニ伺 Z易舎,~のイ亙 τ,10出"仔日ゆ 10.87 - 10.05 ~,~ 10.87 - 9.1ワ = 0.12", 一一一一一一一一一一一. 0町20, 6.82 8.19 " ピ

(2)

3

5

8

佐 野 保 @ 太 田 洋 @ 中 村 善 之 ¥h百

~

1 .

7

r

な ¥ 実験l ::;_ :製創 u _____ 可 1 世怯T ~' HH4 d

実 験2 実 験3 卜 実 験4 ~ 実験5

L

L

一 一 」 ー 経過時間Cmin) 図1 沃素濃度の時間的変化 *4 ただし, ζの部分には,乙の他l乙,一酸化窒素と ヨウ化カリウムの聞の反応によるヨウ素析出の可能 性が含まれている。なお,一酸化窒素とヨウ素の反応 についてはヨウ化水素酸および硝醗が生成されると の報告21がある。後節「附記)を参照のこと

*

5 一酸化窒素が水中 lこ単純に溶解するものとして残 存濃度(Bppm)を次式 (A-B)X 10-6 Xマg= 1 X あろうと考えられる判。 とれらの各部分について表1から反応比を算定すると 表2の通りでフ第一段階の反応比が他の 3段階にくらべ, 、J~外れて小さく得られている。これは一酸化窒素の反応 tITが大きししかもヨウ素の遊船長が小きいために他な らない。 表2 15分間反応比

;!O

1Rl0~

(王:同:下割問)

2 9 2 G 3 8 5 5 6 5 5 5 1 2 3 A 5 ー 2 3 7 i 8 5 4 4 0 0 0 0 5 2 4 0 0 2 3 ぺ O O G O -1 1

一三工

I

4

_

O

J

L

4

1

1

9.52

-

I

L

9.6.-1 9.00 8.94 CJ.00 0.82 7.22 0.41 C 3 5 0 G 0 1 4 5 一 川

L

U

u

8.01 S.59 3.59 8.71 c;,46 0.30 I 0.5ι 以上の結果を踏まえて,さらに 9 下の þ~ く考察を進め Tこ 或る時間(ムt)門のー酸化窒素反応、量をムp(モノレ)と し,ヨウ素反応量および遊離泣(存在~~Iを,それぞれ, ムq(モノゆおよび司(モル)とすればlムq/ejl/ムpはζ の問の, イ唆化窒素の反

k

、誌に対応するヨウ素反応率を 意味するが,表1Iζ従ってPとlogqの間の関係をプロッ トすると,関 2の通り,直線関係が成立するのでその勾 配から計算するとヨウ素反応一本としてムョ/司、/ムp= 0.094Rが得られる。 従ってヨウ化カリウム溶液 (1

%l

中l乙, I~とる時間 (ム刊の間,窒素酸化物(二酸化窒素および一酸化窒素) を含

I

Y

空気を通じたときの反応域を,それぞれ, aN02お よびbNOと す る と , 対 応 す る ヨ ウ 素 析 出 量 は 0.13判 (BX10-16) XαXv, (A:一酸化窒素の出発濃度 (ppm) , Vg:反応系内の気相体積(60ml), v, 反 応系内の液相体積(15ml),

α

:

一酸化窒素のへンリ一定 数)に従って概算すると (A=40,α=0.04),B =39.6 ppmとなるのでこれからも一酸化窒素の濃度減少は単純 な溶解によるものではない乙とか察せられる

*

6 前報1)参照

(3)

光化学スモッグ1[.関する基礎研究

3

5

9

1

5 px10'モル 函2 ー酸化窒素反応量 (p)と沃素 遊離量(q)の聞の関係 X aNO,-O.095XhNOによって与えられ (250C),従って次 式が成立する。 CNO. V. . ~ ~~_" -" CNO. V肉 ムQo=L'>Q〆 ー0.13X

ー 止 守 +

0.095X(iX,2とL今 24

10 乙生X10' ムQo 真オキシダント:rtt乙相叶する,ヨウ素析出 計(モル) L'>Q' :見かけオキシダント :[(1こ相当する,ヨウ素析 出

:

r

t

(モル)

V

.

空気吸引世 (m司 CNO,二酸化窒素濃度 (ppm) CNC ・一酸化窒素濃度 (ppm) 空気吸引時間(ムt)の聞の裕液の平均ヨウ素濃度を CNO.V.

q

=L'>Q' -0 .13X ー担~τ 十ム K( ム K: 補正Úl'() とす 24X10' れば下式 C"ハVa L'>Qn = (L'> Q'-0.13X一山!:"^~1

+

K)x (1

+

0.095 υ 2 4 X 1 0 " C"oVo 二 "u斗-,)-L'>K 24XlO' が得られるが, L'>K が小さい場合には,さらに,次の如 く書下すことができる。 CNO

V. ¥.

{

_j_ f¥ f¥("¥"V CNO V. L'>Q。キ(ムQ'-0.13X一一一」γ)24X0'J ・(1十 0.095X一一一一) ,~

V . V v V J ' 24X103 従って乙の場合lζは次式が成立する。

*

7

ボンベの窒素からピロガロール溶液によって酸素を 除いた窒素 C"内V. C

ニ子 (C'ー

o

.13XCNo,)・(1

+

0.095Xー~ ~~~~ '^4~ ) 24X103 Co 真オキシダント濃度 (ppm) C' 見かけオキシダント濃度 (ppm) 乙乙で,一例として, CNO::::数10ppm,V.二102m3を想 「… Va 定すると,0.095X;:'~~J:~' uλ10 0瓜であるからー酸化窒 了 素l乙原因する濃度補正は無視してよいことが知られる。 なお,以上の考察

K

際し,二酸化窒素やー酸化窒素は ヨウ化カリウム溶液に迅速に吸収され反応するとの仮定 が

i

泣いてある。 附記 上記のムKは補正偵であるが,乙れにはー酸化窒素とヨ ウ化カリウム溶液の閣の反応性が関係している可能性が あるので,乙の点を解明するために,乙の反応について も実験を行なった。文献2),ζはー酸化窒素はヨウ化カリ ウム溶液と反応しないと記されているが,これは数10年 前の結果であり, ミクロ化学的には検討の必要があろう と考えられる。 実験方法は殆ど上と同じである。煮沸,冷却後の蒸留 水を使って調製したヨウ化カリウム溶液(1%)を若干 本の試験管 lζ20mlずつ入れ,これらを窒素*1雰囲気中 lζ 置き,試験管内の気相および液栢中 l乙「純窒素J*7を通 じて酸素を除いた後,テフロンーシリコン衿で密衿し, 「純窒素j稀釈のー酸化窒素を注射器で各試験管l乙注入 する(反応開始)。 試験管の振重量条件,気相中のー酸化 窒素や溶液中のヨウ素の濃度の測定などすべて上l乙倣っ て実施した。 表 3,こ実験結果 (200C)が示してあるが,反応時間 0 表3 実 験 結 果 実卜反応I HO │ら{叫阻害司趣向 "1帽旬│瑚佐穂稽│脅@穆市│夜 見 量 │ 盤 血 骨 ... f"制,I(ppm) I (ロロm)I p(包 レ ) [q(.etザ20m1) 引 … │ 一 x10-81 x10-8 '10 0.605 15 28.0 16,8 2.56 0.815 30 27.5 20.2 1.67 0.815 45 27.0 14.8 2.79 0.015 60 26.6 11.2 3.52 0.846 0.574 15 25.9 11.2 3.36 0.745

4

;

:

:

:

30 29.5 18.7 2,47 0.776 45 29.0 14~ 2 3.39 0.846 60 26.5 13.2 3.50 0,776 0.605 15 23.9 9.0 3.41 0.776 30 23.5 11.1 2.84 0.776 45 23.1 '.8 3.27 0.807 60 22.7 9.2 3.09 0.807 0.605 15 27.3 14.8 2.86 0.745 30 26.8 16.2 2.43 0.776 45 26.4 0.776 60 25.9 11.9 I 3.20 0.652

(4)

3

6

0

佐 野

f

果 。 太 田 洋 @ 中 村 善 之 ( ふ ヘ 印 B 門

ち自盟十

/レー十一一。一一一

レ/

実験1 、./0母 EL,

盟 │

i

!

2 L

レ~勝。

I _~o 0

レ/

実験4

どっ

J

7

7

1晶 30 46 60 経過時間Cmin) 図3 沃素遊離量の時間的変化 分のヨウ素遊離量はパックグラウンド値判である。実験 技術上,色々の障害場9があるためヨウぷ遊艇はにバラツ キが見られるが,これらの結呆をグラフにすると凶3の 通りで,これから大体の綾子をまLIることができるであろ フ。 文献21によると3 一酸化窒素はヨウ化カリウム俗波と 直接 lこは反応しないが水IC溶けて次亜硝酸と司王硝般を生 じ(4NO+2H,O→H,N,O,ート2HNO,), 次rJl!iiドH竣は ヨウ化カリウム溶液から3即座l乙ヨウ素を遊出

H

すること はないけれどもョウ化カリウム浴液と泌合して放ilせする と,やがて,ヨウ素を遊離する。一万,次止]i{i門機 lこはヨ ウ素を脱色する性問があると云われているが, 俗化窒 素についても水中懸濁状のヨウ素と!のんしてヨウ化水素 酸と硝酸を与える件:?'lのあるととが観察されている。こ

*8

吸光度を測定すると対照より高し、ffl't;6;得られるの で乙の茅 lζ相当する分を検社線から読み,ヨウ素!?J: として求めたが3 ζれが果たしてヨウ素の存在によ るものか否かについては明らかでない

*

9 一酸化窒素や窒素の純度, fYJ~; 前後における溶液 透過率の主主が小さいことに原因する測定例。7精度な ど れらの両過程が拾坑する結果であろうとJ忠われるが9 あ るいは酸素が微lえながら残存していたためかも知[れない が9 ヨウ素遊離ほは反応開始後15分前後を経過すると殆 ど一定相l乙落着く傾向にある(凶3)。 知見は,現在のところ9 以上の通りで, ζれによると, 一酸化窒素とヨウ化カリウム俗液の問lこは多少ながら反 応性があるかの如くにも思われるが,筏存-:1唆素の ij(~~品!fか も知れず,佐長することはLt~難である。この点について は,日下,研究継続中であり,その結果をまって結論す ることにしたし、。 文 献 1)佐野 J限9 太田 洋3 中村汗之・愛仁大研報, No.13 (1978), 349.

2) J.W. Mellor : A Compreh. Trcatise on Inorg. Theoret.Chem., VoL.凹(1958),407~ 433

参照

関連したドキュメント

⑴調査対象 65 歳以上の住民が 50%以上を占める集落 53 集落. ⑵調査期間 平成 18 年 11 月 13 日~12 月

9 時の都内の Ox 濃度は、最大 0.03 ppm と低 かったが、昼前に日照が出始めると急速に上昇 し、14 時には多くの地域で 0.100ppm を超え、. 区東部では 0.120

9 時の館野の状態曲線によると、地上と 1000 mとの温度差は約 3 ℃で、下層大気の状態は安 定であった。上層風は、地上は西寄り、 700 m から 1000 m付近までは南東の風が

条例第108条 知事は、放射性物質を除く元素及び化合物(以下「化学

発するか,あるいは金属が残存しても酸性あるいは塩

一酸化二窒素(N 2 O) 、ハイドロフルオロカーボン(HFCs) 、パーフルオロカーボン(PFCs) 、六フッ化 硫黄(SF 6 )の 6

「二酸化窒素に係る環境基準について」(昭和 53 年、環境庁告示第 38 号)に規定する方法のう ちオゾンを用いる化学発光法に基づく自動測

1. 液状化評価の基本方針 2. 液状化評価対象層の抽出 3. 液状化試験位置とその代表性.