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ITアーキテクト育成ハンドブック

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Academic year: 2021

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ITスキル標準® プロフェッショナルコミュニティ® ITサービスマネジメント委員会 2009年 7 月6日 Ver1

ITスキル標準

®

改善提案報告書

(中間報告)

(2)

● 本報告書に記載されている「ITスキル標準®」および「プロフェッショナルコミュニテ ィ®」は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の登録商標です。また、社名およ び製品名は、それぞれの会社の商標です。なお、本文中では「TM」、「®」は省略して います。 ● 本報告書に記載されているWebページに関する情報(URL等)については、予告な く変更、追加、削除(閉鎖)等される場合があります。あらかじめご了承願います。

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はじめに

独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) IT人材育成本部 ITスキル標準センターでは、第一 線で活躍しているハイレベルのスキルを持つ者同士が、社内や組織の論理に捕らわれずに建設的に情報 交換や議論が行えるような場を通じて、ITスキル標準の改版、人材育成のあり方等、次世代ITサー ビスビジネスを担う後進人材のスキルアップに貢献するための諸活動を行う、「ITスキル標準プロフ ェッショナルコミュニティ」を創設しました。 ITサービスマネジメント委員会は 2005 年 5 月に、オペレーション委員会として設置された委員 会であり、職種:ITサービスマネジメントに係わるITスキル標準の改版、人材育成のあり方等、次 世代ITサービスビジネスを担う後進人材のスキルアップに貢献するための諸活動を行なっています。 2008年度の活動は、「如何に活用してもらえるか」・「各種定義書の改善・充実」をテーマに掲 げ、「IT スキル標準・職種 ITSM 知名度・認知度の向上」、「利用者の声の収集・反映」や、「ITSM に係わる動向調査・研究」、「各種定義書の見直し、充実」、「試験制度との整合性検討」などに取り 組みました。 本書は、上記取り組みの中で、「ITSM に係わる動向調査・研究」、「各種定義書の見直し、充実」 に係わる討議内容から、「ITIL Ver.3 対応について」、「AP運用・保守の定義」、「ヘルプデスク、 サービスデスク、コールセンターの定義」の案件につき中間報告としてとりまとめたものです。今後、 他職種の委員会とも歩調を合わせて、ITスキル標準の改善に向けた活動をしていく所存です。 ・ITサービスマネジメント委員会メンバ: 2009年6月現在におけるメンバ及び所属は以下の通りです。(五十音順、◎は主査、○は副主査) 上野う え の 耕司こ う じ 新日石インフォテクノ株式会社 應和お う わ 周一しゅういち 野村総合研究所 木屋き や尾お 良よ し明あ き 株式会社JALインフォテック 佐薙さ な ぎ 俊士し ゅ ん じ ○ NECネクサソリューションズ株式会社 塩田し お た 貞夫さ だ お 日本ヒューレット・パッカード株式会社 島田し ま だ 洋之ひろゆき ◎ 東京海上日動システムズ株式会社 武 たけ 直行なおゆき 日立電子サービス株式会社 中山 なかやま 孝一こ う い ち ○ 富士通エフ・アイ・ピー株式会社 松本 ま つ も と 邦佳く に よ し パナソニック株式会社 コーポレート情報システム社 ITサービスマネジメント委員会URL http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/activity/ITSM_com.html

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目 次

はじめに... 1 1. ITIL Ver.3 対応について... 3 1.1 ITIL v2 とv3 の位置付け... 4 1.2 ITサービスマネジメント職種のITIL v3 への対応方針... 4 1.3 ITサービスマネジメント職種へITIL v3 を対応付ける上での課題... 5 2. アプリケーション運用・保守の定義 ... 6 2.1 「アプリケーション運用」の実態とその課題 ... 6 2.2 「アプリケーション運用」の定義の必要性... 6 2.3 「アプリケーション運用」(案)の定義について... 7 2.4 職種としての「アプリケーション運用」の取り扱い... 7 3. ヘルプデスク、サービスデスク、コールセンターの定義... 8 3.1 ヘルプデスク、サービスデスクとコールセンターの違い ... 8 3.2 機能(Function)としてのサービスデスク... 9 3.3 サービスデスクの業務イメージ...10 3.4 まとめ:機能としてのサービスデスクの定義 ...11 4. 今後に向けて ...13

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1. ITIL

Ver.3 対応について

ITサービスマネジメント委員会では、ITサービスマネジメントの役割と定義を検討してゆく過程で、 規範(基本的な考え方や業界標準的なフレームワーク)として COSO,CobiT,ITIL&ISO20000 を参照していま す。育成ハンドブックで、ITサービスの提供のためのプロセスの整理例として、ITIL&ISO20000 で定義さ れているプロセス群を基に、下表 1 のように纏めています。2007 年に規範として参照した ITIL は改訂され、 最新版が ITIL v3 として公開されました。育成ハンドブックで参照した ITIL は、現在では ITIL v2 と呼ば れる版です。

ITサービスマネジメント委員会では、ITサービスマネジメントの役割と定義を検討してゆく過程で、 規範(基本的な考え方や業界標準的なフレームワーク)として COSO,CobiT,ITIL&ISO20000 を参照していま す。育成ハンドブックで、ITサービスの提供のためのプロセスの整理例として、ITIL&ISO20000 で定義さ れているプロセス群を基に、下表 1 のように纏めています。2007 年に規範として参照した ITIL は改訂され、 最新版が ITIL v3 として公開されました。育成ハンドブックで参照した ITIL は、現在では ITIL v2 と呼ば れる版です。 委員会では、ITIL が v2 から v3 の改訂に伴い、ITサービスマネジメント職種の ITIL v3 への対応に関す る基本方針をまとめました。 委員会では、ITIL が v2 から v3 の改訂に伴い、ITサービスマネジメント職種の ITIL v3 への対応に関す る基本方針をまとめました。 表 1:ITサービスマネジメント・プロセス 表 1:ITサービスマネジメント・プロセス

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1.1

ITIL v2 と v3 の位置付け

ITIL v2 と v3 のフレームワークを図 2 に示します。ITサービスマネジメント職種では、主として ITIL v2 のサービスサポート、サービスデリバリの 2 冊のプロセス群を参照しています。ITIL v3 では、v2 のプロセ スアプローチからサービスライフサイクルアプローチへと転換していることが、大きな変更点です。 プロセスの数では、サービスサポート、サービスデリバリでは 10 のプロセスと 1 つの機能を扱いますが、 v3 では 27 のプロセスと 4 つの機能が定義されています。 図 1:ITIL v2 と v3 のフレームワーク

1.2 ITサービスマネジメント職種の

ITIL v3 への対応方針

ITIL v3 はプロセスアプローチからサービスのライフサイクルアプローチを取ることで、大幅な改訂となり ましたが、ITIL v2 において述べられている基本原則とプロセスは ITIL v3 に包含されています。したがっ て、ITIL v2 を参照して策定した、ITサービスマネジメント職種における該当プロセス群はそのまま利用 することが出来ます。ITサービスマネジメント委員会では、ITサービスマネジメント職種の ITIL v3 へ の対応に関する基本方針を次のように決定しました。 ¾ 現行のITスキル標準V3 2008 には ITIL v3 のサービスライフサイクル アプローチで追加された機 能・プロセス群は反映しない。 ¾ ITIL v3 で新規に制定された機能・プロセス群において、参照可能なものについては、今後の検討課題と してゆく。(例:イベント管理、要求実現 など) ¾ 国内外におけるITIL v3 事例がある程度普及した時点で、ITスキル標準と ITIL の整合性を検討してゆ く。

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1.3 ITサービスマネジメント職種へ

ITIL v3 を対応付ける上での課題

前述のように、ITIL v2 のプロセスアプローチに対して、ITIL v3 はサービスライフサイクルアプローチを 取り入れています。ITスキル標準のITサービスマネジメント職種に ITIL v3 を対応付けることは、基本 概念の変更となります。また、ITIL v3 のサービスライフサイクルの観点で整合性を取るには、ITサービ スマネジメントにおける戦略・設計までを抱合することになり、他のITスキル標準職種との協調・連携が 必要となることが想定されます。 ITIL v3 ではプロセス数も大幅に増加し 27 プロセスあり、機能も 4 つになっています。現行のITサービ スマネジメント職種では、プロセスとして 16 プロセス、機能は1つです。ITIL v3 に対応するには、プロセ スの大幅な追加が必要になります。

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2. アプリケーション運用・保守の定義

2.1 「アプリケーション運用」の実態とその課題

ITサービスを提供するために、アプリケーションを開発し、追加開発等の保守作業を行います。ITス キル標準においてもそれらの役割を実施する職種として、「アプリケーションスペシャリスト」が定義され ています。しかし実際にITサービスを提供するためには、アプリケーション開発終了後に「アプリケーシ ョンに関する問い合わせの対応」や「バッチジョブアベンドの原因調査」等アプリケーションに関わる運用 業務、言いかえると「アプリケーション運用」を行う必要があります。そのアプリケーション運用は多くの 場合、明確な業務として位置付けられておらず、アプリケーション開発・保守の担当者が他業務の合間を縫 って実施しているのが現状です。 SIer やアウトソーサ系企業が、顧客と開発契約のみ締結し、明確にアプリケーション運用に関わる契約の 締結を行っておらず、なし崩し的に対応を実施せざるを得ない場合が多く、仮に SIer やアウトソーサが契 約を盾に、アプリケーション運用の実施を拒否した場合、ITサービスの提供に大きな支障を来します。ユ ーザ系企業においても、アプリケーション開発・保守に隠れてアプリケーション運用の業務内容や量が明確 にならないままブラックボックス化し、業務改善を行う上でのボトルネックになっています。 人材という視点でも、アプリケーション運用の実態に関する課題が存在します。担当者は、アプリケーシ ョン運用という明確に定義されていない業務を実施していることになり、キャリアパスや人材育成の進め方 が不明確になることや、モチベーション・コントロールも難しくなるリスク・課題を抱えています。

2.2 「アプリケーション運用」の定義の必要性

前述の状態でありながらITスキル標準の職種定義から抜けている(下記資料参照)ため、ITサービス マネジメント委員会は、アプリケーションスペシャリストの領域として、もしくはITサービスマネジメン トの領域として、「アプリケーション運用」の職種定義が必要と考えています。

アプリ

ケー

ション

開発

保守

運用

基盤

構築

保守

運用

開発

運用

フェーズ

・・

・C

・・

ここの議論が抜 け落ちている

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2.3 「アプリケーション運用」(案)の定義について

「アプリケーション運用」の定義及び達成目標と役割の案は下記の通りです。 z アプリケーション運用の定義 既に稼働しているアプリケーションに関する問い合わせや障害の対応や作業依頼対応等の各種運 用業務を実施する z 達成目標 ユーザ/顧客へのITサービスを提供する一環として、アプリケーションを正常稼働させることや、 ユーザ/顧客からの作業依頼への対応を行うことで、ユーザ/顧客の事業を支援する z 役割 問い合わせ対応 アプリケーションの仕様確認や操作上の問い合わせ等を受付け、回答する 障害対応 ITサービスの停止、バッチジョブのアベンドや処理遅延等のアプリケーションに 関わる障害に関して、切り分けを実施し担当部門への対応指示又はエスカレーショ ンを行い、障害内容によっては原因調査及び復旧作業までを行う 作業依頼対応 データ照会や収集、マスタメンテナンス及び臨時ジョブ実施等の定期又は不定期に 発生する作業依頼の対応を行う 報告 アプリケーションに関する障害、問い合わせ及び作業依頼に関する取りまとめ、報 告を行う

2.4 職種としての「アプリケーション運用」の取り扱い

ITサービスのライフサイクルの視点においては、ITサービスマネジメントとして位置付けが可能です が、機能としてアプリケーションスペシャリストとして見ることも出来ます。上記定義は、ITサービスマ ネジメントとして位置付けた定義になり、アプリケーションスペシャリストとしての見解を加味する必要が あるため、今後さらに検討を行い、職種定義に反映する予定です。

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3. ヘルプデスク、サービスデスク、コールセンターの定義

ITサービスの提供において、ユーザあるいは顧客からの問い合せに迅速に対応することは、重要な要素 です。問い合せの内容は、製品説明、トラブル、クレーム etc…と多岐にわたりますが、問い合せ先となる 組織の名称は各社各様であり、厳密な定義がなされていないのが現状です。主な呼称として、ヘルプデスク、 サービスデスク、コールセンター、サポートセンター、コンタクトセンター等があげられます。 IPA のITサービスマネジメント委員会では、ITサービスマネジメントに係る職種・専門分野として四つ の専門分野(サービスデスク、オペレーション、システム管理、運用管理)を挙げています。本資料は、職種・ 専門分野の一つである“サービスデスク”について、各社各様の呼称で表現されている“問い合せ窓口”を 整理し、サービスデスクを定義するための基本的な考え方を提供することを目的としています。

3.1 ヘルプデスク、サービスデスクとコールセンターの違い

一般的には、社内のIT機器に対するサポートや、ITに関連する業務の問い合せに対応する役割あるい は組織をヘルプデスクと呼んでいます。社外のユーザあるいは顧客からの問い合せやテクニカルサポートは コールセンターと呼ばれることが多いようです。 ヘルプデスク及びサービスデスクとコールセンターの主たる違いは、問い合せを発する対象が社内か社外で あると言っても良いでしょう。 ITIL 用語集におけるヘルプデスク、サービスデスクとコールセンターは表 2 のように定義されています。 ITIL v2 用語集においては、ヘルプデスクとサービスデスクは同一のものとして扱われていますが、ITIL v3 用語集では、同義語として使用されることが多いとしながらも、サービスデスクが単一窓口であることを定 義して、ヘルプデスクと区別しています。

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表 2:ITIL v2&V3 用語集における定義 ITIL v2 用語集 ITIL v3 用語集 ヘルプデスク [SPOC:単一窓口]とも呼ばれる ITとユーザのインターフェー ス。中心的なプロセスはインシ デント管理とユーザ要求の管理 で、コールやインシデントが失 われないこと、忘れられないこ と、無視されないこと、および 可能な限り迅速にサービスが返 されることを確実にする。 ユーザからのインシデントを記録するた めの窓口。ヘルプデスクは、通常、サービ スデスクより技術に焦点を合わせている。 すべてのやりとりに対する単一窓口では ない。ヘルプデスクという用語は、サービ スデスクの同義語として使用されること が多い。 サービスデスク ヘルプデスクの別名。他のサー ビスマネジメント・プロセスと の連携が重要とみなされる場合 によく使用される。高い割合で 初回の遠隔解決を行うことによ って価値を高めている最前線の サポート・グループに付けられ ることが増えている名前。 サービス・プロバイダとユーザ間の単一窓 口。典型的なサービスデスクでは、インシ デントおよびサービス要求を管理し、ユー ザとの連絡も処理する。 コールセンターを参照。 コールセンター 商 品 の 電 話 に よ る 販 売 サ ー ビ ス、問い合せ、苦情など、電話 をベースとしたやり取りを大量 に取り扱うことを主目的とする 事業/顧客間のインターフェー ス。 大量の電話の発着信を処理する組織また は事業部。 サービスデスクを参照。

(出典:ITサービスマネジメント用語集 2003 年 7 月 itSMF Japan 刊、ITILv3 用語集 OGC WEB サイトより)

3.2 機能

(Function)としてのサービスデスク

ITIL では、ITサービスマネジメントを支えるプロセスとして多くのプロセスを定義していますが、サー ビスデスクはプロセスとして定義されていません。サービスデスクを機能(Function)としています。 機能はプロセスを実行するための手段(人や組織)を意味しています。論理的な概念であり、自動化による 結果で、実行される手段も機能に含まれていると考えて良いでしょう。 1 つの機能を幾つかの組織に分けて実行しても良いですし、単一の組織の中で実現することも可能です。組 織構造が必要ということではなく、どのような部門の組み合わせでも、あるいは、部門に分割しても機能が 実現できるということを意味しています。

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3.3 サービスデスクの業務イメージ

サービスデスクはヘルプデスクの進化した形として捉えることが可能です。サービスデスクに特徴的な役 割としては次の2 つがあげられます。

— 単一窓口(SPOC:Single Point of Contact)を提供する — インシデントをコントロールする サービスデスクによる利用者に対する単一窓口の提供は、ヘルプデスクにない機能であり、利用者との間で 双方向のコミュニケーションが生じることが大きな特徴です。ITサービス提供者からサービスデスクを通 じて発信される情報としては、障害通知、リリース状況、顧客満足度調査結果などが考えられます。表3 で は、ヘルプデスクとサービスデスクの特徴を比較し、サービスデスクを実現する業務イメージを図2 に示し ます。 表 3:ヘルプデスクとサービスデスクの比較 特徴 名称 目的 評価基準の例 窓口 業務範囲 ヘルプデスク イ ン シ デ ン ト の 迅速な管理 ○○時間内の回答提供率 制約なし 問合せ・依頼等限られ た業務 サービスデスク 価 値 の 高 い サ ー ビスの提供 広い意味での顧客満足度 単一 問合せ、申請、依頼等 の全ての要求 ユーザ サービスデスク 問合せ、障害 申請・依頼 運用部門 障害・復旧通知 リリース通知 企画部門 顧客満足度 調査書発行・回収 開発部門 SPOC (単一窓口) インシデント管理 障害・復旧情報 リリース情報 顧客満足度 調査書 図 2:サービスデスク業務イメージ

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3.4 まとめ:機能としてのサービスデスクの定義

サービスデスクでは、サービスの中断が発生した時の、ユーザに対する主な窓口であり、サービス要求や 一部の変更要求までも扱います。サービスデスクは、ユーザとのコミュニケーション窓口であり、複数のI TグループやITプロセスの調整窓口ともなりえます。 サービスデスクを単一の組織で構築・運用することは現実的でないことは、別表の事例からも容易に理解 できます。別表における各々の呼称と、その使い方について区別することは、あまり意味の無いことであり、 役割・達成目標がサービスデスクと同義であるかどうかを、言い換えれば、機能としてのサービスデスクが 実現できているのかどうかを確認することの方が必要であり、重要です。 サービスデスクを定義することは、サービスデスクの機能としての役割と達成目標を定義すること同等と 考えることができるでしょう。サービスデスクの定義として、次のような例が考えられます。 サービスデスクの定義(案) サービスデスクとは、ITサービス提供者が提供するITサービスに対して、社内及び社外のユーザある いは顧客から、様々な手段にて寄せられる問い合せに対して処理する責任を持つ機能を示す。サービスデス クにおける機能は、次の役割と達成目標を持つ。 役割 ITサービスの提供において、日々発生する課題(インシデント/サービス要求/利用者からの問い合せ)に、 1 次レベルで対応し、顧客サービスの改善、ITサービスに対する顧客の認識と満足度を向上させる。単一 窓口の実現により、コミュニケーション及び情報を通じたアクセス性の向上を図る。具体的には、次のよう な役割が含まれている。 — インシデントの受付から解決までの対応履歴を一元的に記録・管理すると共に、ナレッジベースツ ール等を活用し、達成目標で規定するパフォーマンスを自律的に向上させる。 — インシデントの発生傾向、対応・解決状況、その他の関連情報を、ITサービスユーザに定期的に 報告する。 — サービス利用者の声(VOC)を蓄積~分析し、ITサービス提供者へフィードバックすることによ り、品質改善や新サービス開発を支援する。 — 以上により、インシデント状態の可視化と解決の迅速化を促進し、当該ITサービスに求められる サービスレベルの維持・向上に貢献する。 — サービス利用者に向けて情報を発信する窓口となる。情報には障害通知、顧客満足度調査結果、リ リース状況などが含まれる。

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達成目標 可能な限り速やかに、通常のサービス状態に回復させる。通常のサービス状態への回復とは、技術的な障 害から回復することだけではなく、サービス要求の充足や問い合わせへの回答までを含んでいる。ユーザが 再び業務を行えるために必要なことがすべて含まれていると言えるだろう。達成目標の例としては、以下が 考えられる。 — サービスデスクのサービス開始にあたり、当該サービスデスクでの1次解決率及び解決所要時間の 推移目標値等を含む、サービスデスクとしてのパフォーマンスを規定したSLA を策定する。 — 達成度を定期的にフォローアップし、SLA の改善、適正化を行うための、PDCA サイクルの仕組 みを具備する。

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4. 今後に向けて

今後は、以下の課題について他職種の委員会とも協議の上、検討を進めていきます。 ¾ ITIL v3 で新規に制定された機能・プロセス群の中で参照可能なものについての対応(例:イベント管理、 要求実現 など) ¾ 職種としての「アプリケーション運用」の取扱い ¾ 前述した「サービスデスクの定義」に基づき、専門分野「サービスデスク」固有スキルの見直し

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ITスキル標準ITサービスマネジメント

改善提案報告書(中間報告)

2009年 7 月 6 日 初版 著作・監修 ITスキル標準 プロフェッショナルコミュニティ ITサービスマネジメント委員会 発行者 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) IT人材育成本部 ITスキル標準センター 〒113-6591 東京都文京区本駒込 2-28-8 文京グリーンコート センターオフィス 15階 TEL:03-5978-7544/FAX:03-5978-7516 http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/index.html

表 2:ITIL v2&V3 用語集における定義  ITIL v2 用語集  ITIL v3 用語集  ヘルプデスク [SPOC:単一窓口]とも呼ばれる ITとユーザのインターフェー ス。中心的なプロセスはインシ デント管理とユーザ要求の管理 で、コールやインシデントが失 われないこと、忘れられないこ と、無視されないこと、および 可能な限り迅速にサービスが返 されることを確実にする。 ユーザからのインシデントを記録するための窓口。ヘルプデスクは、通常、サービ スデスクより技術に焦点を合わせている。すべての

参照

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