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10-7 cm/ 50cm 10-6 cm/ 2,4-D 2 ph

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鉱物利用による汚染浄化 1.はじめに  我々の身近にある粘土は天然が作った優れた不透水性物質であり,我々は経験的に粘土の不透水性を 汚染物質の拡散防止に活用してきた.例えばアメリカやカナダの産業廃棄物処分場は厚い粘土層の上に 造成される場合が多いが,これは粘土層の透水係数が 10-7cm/秒と極めて小さいため汚染物質の移動が 限られ,粘土層が汚染物質を地下水に拡散するのを防ぐためである.  平成10年6月に総理府・厚生省の共同命令として「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終 処分に係る技術上の基準を定める命令の一部の改正する命令」が公布・施行されたが,この命令では厚 さ 50cm 以上,透水係数が 10-6cm/秒以下である粘土などの層に遮水シートを敷設したものを最終処分場 の遮水層として認めている.  粘土層の汚染物質拡散防止機能は透水係数という数字によって評価される場合が多い.しかし粘土層 の中にはモンモリロナイトやハロイサイトなどの層状ケイ酸塩鉱物やゲータイトやギブサイトなどの酸 化・水酸化物,アロフェンなどの非晶質アルミノケイ酸塩鉱物,そして様々な有機物などが含まれてお り(第1表),粘土層の透水係数は構成鉱物種と汚染水の化学組成(特に塩濃度)によって変化する. 例えばモンモリロナイトなどのスメクタイト鉱物が粘土の主成分鉱物である粘土層の透水係数は,高塩 濃度の汚染水によって著しく大きくなってしまう(つまり遮水性が低下する,第1図).  粘土層に含まれるモンモリロナイトやハロイサイト,ゲータイトやギブサイト,アロフェンなどは, 様々な過程で鉛や砒素などの有害元素やイオン性有害有機物(例えば 2,4-D やパラコートなどの農薬) を吸着する.従って粘土層自身には有害元素・有害有機物が濃縮するが,有害元素・有害有機物の地下 水への拡散は抑制される.この意味で粘土層は身近な天然遮水層といえる.小論では有害元素・有害有 機物と鉱物との相互作用を紹介し,鉱物利用による汚染浄化をどのように行うべきかについて論じたい. 2.鉱物と有害元素・有害有機物とはどのような相互作用をするか 環境基本法で規制対象物質に指定されている,ホウ素,フッ素,クロム,砒素,カドミウム,鉛など の有害元素と鉱物との間では,吸着,共沈,固溶体形成等の様々な相互作用が存在する.第 2 図はこれ らの相互作用に要する時間と,有害元素の鉱物への結合力の程度(結合性)との関係を定性的にまとめ たものである. クロム,砒素,カドミウム,鉛などの金属元素や,パラコートなどの農薬であるイオン性有害有機物 が,鉱物と相互作用する場合,迅速に起きる反応は,モンモリロナイトなどの層状ケイ酸塩粘土鉱物の 交換性陽イオンのサイトを置換するイオン交換反応や,ゲータイトやギブサイトなどの酸化・水酸化物 やアロフェンなどの非晶質アルミノケイ酸塩鉱物の表面に吸着する反応である. ギブサイトに対するマンガン,コバルト,ニッケル,銅,鉛の吸着特性を第3図に示すが,これらの 元素のギブサイトへの吸着量は溶液の pH の上昇とともに増加する.また,ゲータイトやギブサイトの ような鉱物はコロイド状の極微小鉱物として沈殿することが多いが,この沈殿の過程で重金属は鉱物の 内部に取り込まれる場合がある.しかしコロイド状の極微小鉱物が再結晶し,より安定で大きな鉱物を 構成する場合には一部の元素は結晶から締め出されてしまう. カドミウムや鉛などの一部の有害元素は炭酸塩鉱物やリン酸塩鉱物の中に固溶体として取り込まれる.

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どの程度取り込まれるかは鉱物の構造に起因するが,リン酸塩鉱物は炭酸塩鉱物に比べて許容性が高い. 3.鉱物による有害元素のイオン交換・吸着を支配する要因  ホウ素,フッ素,クロム,砒素,カドミウム,鉛などの元素が鉱物とどの程度イオン交換するか,あ るいは吸着されるかを予測する上で大切なことは,これらの元素がどのような形態で溶液(一般に言う ところの土壌水や間隙水)中に溶存しているかを把握することである(第2表).例えばカドミウムの ような元素の場合には溶液が酸性であってもアルカリ性であっても2価の陽イオン(Cd2+)として存在 する場合が多く,モンモリロナイトなどの層状ケイ酸塩粘土鉱物の交換性陽イオン(例えば Ca2+)を置 換して層間に入ることが可能である(第4図).しかし3価クロムの場合にはアルカリ性では Cr(OH)4 -という陰イオンとして存在するためにモンモリロナイトの層間に入らないと考えられる. アロフェンなどのように表面電荷が溶液の pH によって変化する鉱物の場合には話がもっと複雑とな る.モンモリロナイトの場合には溶液の pH に関係なく層間がマイナスに帯電しているため,広い pH レンジで陽イオンを吸着できるが,アロフェンなどの非晶質アルミノケイ酸塩鉱物の表面は,溶液が酸 性の場合には表面の電荷はプラスが卓越しているため陰イオンを吸着し,溶液がアルカリ性の場合には 表面の電荷はマイナスが卓越しているため陽イオンを吸着する(第5図). 従ってアロフェンが多量に含まれる風化火山灰は溶液が酸性(pH<6)の場合には六価クロム(CrO42- や砒素(AsO43-)のような陰イオンの吸着が卓越し,溶液がアルカリ性(pH>9)の場合にはカドミウ ム(Cd2+)などの陽イオンの吸着が卓越する.すなわち土壌水や間隙水の pH が 6 以下になると,カド ミウムの多くはアロフェンの表面には吸着されずに風化火山灰の下に流されてしまう.土壌水や間隙水 の pH が 9 以上になると陰イオンとして挙動する六価クロムや砒素の多くが移動してしまうことになる. しかし実際の風化火山灰の pH が 6 以下になることは少なく,ましてや 9 以上になることは人為的な操 作を施さない限りほとんどない.従ってアロフェンを多量に含んだ風化火山灰は,陰イオンとして挙動 する六価クロムや砒素も,また陽イオンとして挙動するカドミウムも吸着する. ホウ素のような元素の場合には,溶液の pH が9以上であると B(OH)4-として存在し,それより pH が 低い場合には電荷を帯びていない B(OH)3として存在する.従って溶液の pH が9以下ではホウ素は電 荷を帯びていないため,鉱物への吸着はより困難となろう.溶液の pH が9以上になるとアロフェンな どの非晶質アルミノケイ酸塩鉱物の表面電荷はマイナスが卓越しているため B(OH)4-があまり吸着され ないことが予想される.溶液の pH が9以上の場合には,以下の反応式に示すようにホウ素は芳香族や 脂肪族の有機物と結合していると考えられる. 4.重金属の鉱物への吸着に対する土壌有機物の影響 粘土層などの中には芳香族や脂肪族を含む様々な溶解性・不溶性有機物(以下ではこれらを土壌有機

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物,soil organic matter ということにする)が含まれているが,これらの有機物のうちフミン酸などの不 溶性有機物はギブサイトと類似した重金属吸着特性を有する(第6図).従ってギブサイトがフミン酸 と共存する場合には,重金属はいずれにも吸着される. またフェノールなどの溶解性の有機物は重金属と結合して有機金属化合物となって溶液中に安定して 溶存している.特に銅やニッケル,鉛などの元素はポリフェノールなどの溶解性の有機物と結合し有機 金属化合物になりやすい.以下の式は銅イオンがフェノールと結合する場合の反応式であり,溶液の pH が上昇するほど銅イオンがフェノールと結合しやすいことを示している.  実際,銅イオンがアロフェンを含んだ風化火山灰に存在する場合,溶液の pH が高いほどアロフェン の表面電荷はマイナスが卓越して銅イオンを吸着しやすいはずである(逆に溶液の pH が低いとアロフ ェンの表面電荷はプラスが卓越して銅イオンを吸着できない)が,フェノールなどの有機物が存在する と銅イオンは有機金属化合物となってアロフェン表面には吸着されずに溶解している.従って溶液中の 銅イオン濃度は溶液の pH が低くても高くても高くなり,アロフェンを含んだ風化火山灰には吸着され づらくなる(第7図) 5.鉱物による有害有機物の吸着  2,4-D などのイオン性有機物農薬は以下に示すような形でゲータイトなどの鉄酸化・水酸化物の表面 に吸着されている.  溶液の pH が高いとゲータイトの鉄酸化・水酸化物の表面電荷がマイナスになるため,ゲータイトは 解離して陰イオンとなった 2,4-D はゲータイトの表面に吸着されなくなる.溶液の pH が低くなるとゲ ータイトの表面電荷がプラスになるため,陰イオンが吸着されやすくなるはずであるが,pH が低いと 2,4-D の解離が押さえられてしまうために陰イオンとして挙動する 2,4-D の量が減少し,2,4-D のゲータ イト表面への吸着量は減少する.従って 2,4-D のゲータイトによる吸着は第8図のようになる.

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パラコートなどの農薬は以下のように解離するために,モンモリロナイトなどの層状ケイ酸塩粘土鉱 物の交換性陽イオンのサイトを置換して層間に吸着される(第9図).  土壌有機物は溶液の pH が低くても表面電荷がマイナスであるためパラコートを吸着できるが,その 吸着量はモンモリロナイトほどではない.従ってパラコートは選択的にモンモリロナイトなどの層状ケ イ酸塩粘土鉱物の交換性陽イオンのサイトに入ってしまうことになる. ベンゼンやトルエン,四塩化炭素,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン,ダイオキシンな どの非イオン性有機物は電荷を持たないために鉱物表面には吸着されない.しかしモンモリロナイトな どの交換性陽イオンを Al13O4(OH)283+のように柱のような大きな陽イオンで置換すると層間が広がり, また大きな陽イオンの柱の設計をうまくすると様々な有機物分子を捕まえることができるようになる. さらに界面活性剤を陽イオンの柱に結びつけると活性剤の疎水基にダイオキシンや塩素化フェノールな どが捕獲できる(第10,11図). 6.鉱物内部にどのように有害元素を封じ込めるか 鉱物表面に有害元素を吸着させたとしても,それが長期間安定であるためには,有害元素を安定な 鉱物の内部に封じ込めることが必要となる.そのためには有害元素が他の元素とともに沈殿してコロイ ド状の極微小鉱物を構成し,さらにこのコロイド状の極微小鉱物が再結晶し,より安定で大きな鉱物を 構成しなくてはならない. 有害元素が鉱物内部に取り込まれるためには,鉱物を構成する主要成分元素を有害元素が置換する 必要がある.第12図は方解石へのカドミウムイオンの吸着と固定のメカニズムをしめしたものである. 溶液中のカドミウムイオンが高くなるとカドミウムは拡散により水和炭酸塩の中に浸透し,やがて水和 炭酸塩が再結晶して方解石になる過程で固溶体としてカドミウムを鉱物内部に封じ込めることができる リン酸塩鉱物ではかなりのカルシウムがカドミウムや鉛によって置換しえる.PH が7以上の中性な いしアルカリ性の土壌にリン酸を流した場合,以下の式に示すようにカルシウムリン酸塩である Ca3(PO4)2が沈殿するが,このときにカルシウムを置換してかなりの量のカドミウムや鉛が固定される.

Ca(H

2

PO

4

)

2

+ 2CaCO

3

(soluble) lime

Ca

3

(PO

4

)

2

+ 2CO

2

↑ + 2H

2

O

(insoluble)

またリンの一部は土壌有機物やゲータイトやアロフェンなどの表面に吸着したりする.第13図はカ ルシウムリン酸塩の形態で存在する土壌中のリンと,土壌有機物やゲータイトやアロフェンなどの表面

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に存在する土壌中のリンの割合がどう変化するかを示したものである.時間の経過とともにカルシウム リン酸塩の形態で存在する土壌中のリンの量は減少するが,それでもこの Ca3(PO4)2とその中に閉じこ められたカドミウムや鉛などの元素はアルカリ性の土壌の中で極めて安定であり,数千年は溶解せずに 土壌中に存在しつづける. 一方,PH が7以下の場合には,以下の式に示すようにアルミニウムリン酸塩である Al(OH)2H2PO4 や鉄リン酸塩の Fe(OH)2H2PO4が沈殿する.従って酸性環境ではカルシウムリン酸塩の生成は抑制され る.

Al

3+

+ H

2

PO

4

+ 2H

2

O

(soluble)

2H

+

+ Al(OH)

2

H

2

PO

4

(insoluble)

第14図はリン酸塩が土壌中でどの程度固定されるかを示したものである.PH が5∼7の時にはリ ンの固定量が最も少なく,それよりも酸性側ではアルミニウムリン酸塩や鉄リン酸塩が沈殿し,アルカ リ性側ではカルシウムリン酸塩が沈殿する.従ってリン酸を使って有害元素を固定する場合には,PH が5∼7のときにはリン酸塩の沈殿が少ないため有害元素の固定効率が低下することに留意する必要が ある. ゲータイトやフェリハイドライトなどの鉄酸化・水酸化物やマンガン酸化物,アルミニウム水酸化 物が再結晶する場合,これらの酸化物・水酸化物鉱物に吸着された有害元素はそのイオン半径によって 選別される傾向にある.例えば鉛イオンはギブサイトなどのアルミニウム水酸化物によって吸着される が,イオン半径が大きすぎるために構造内部に浸透することができない.従って微細なギブサイトが再 結晶して大きくなる場合には鉛は締め出される可能性が高い.一方,クロムやマンガン,バナジウムの ようにイオン半径の小さな元素のイオンの場合には,再結晶の際に締め出されることなく結晶内部に取 り込まれる. 7.天然鉱物のカドミウム吸着特性  いままでの議論では,鉱物と有害元素・有害有機物との相互作用について触れてきたが,ここでは天 然鉱物であるアロフェンやハロイサイトへの有害元素の吸着特性について言及する.  火山国である日本の国土の約14%は火山灰質土壌によって覆われている(Nagasawa, 1976).これ らの火山灰質土壌に含まれる火山ガラスの多くは天水との化学反応(いわゆる風化現象の一つ)により アロフェンやイモゴライト,ハロイサイトなどのアルミノシリケート鉱物に変化している.こうしたア ロフェンやイモゴライト,ハロイサイトなどが火山灰質土壌の主成分であるとすると,火山灰質土壌の 重金属吸着能は主にこれらの鉱物の重金属吸着能によって決定されると考えられる.  北海道,東北地方,関東地方,及び九州地方に分布する幾つかの火山灰や軽石を調査・採取し,水ひ によりアロフェンを主体とする2μm以下(ストークスの法則から予想される平均粒径)の粒径の粒子 を抽出・分離した.これらのアロフェンやイモゴライトなどの極微細アルミノシリケート鉱物にはOH− 基とOH2+基とが存在するため水溶液中に分散させた場合、その鉱物表面は部分的にプラスとマイナス

(6)

にそれぞれ帯電し部分が存在する.  アロフェン・イモゴライトやハロイサイトのカドミウム吸着量は溶液のpHが高いほど増加し,5mg/l の硝酸カドミウムを含む水溶液では溶液のpHが4.1∼4.7ではカドミウム吸着量が10∼100mg/kgであるが, pHが5.7∼5.9では吸着量が800∼7,000mg/kgに達した(第15図).今回分析した試料のうち,最も優れ た吸着特性を有するものは赤城鹿沼テフラの軽石粒子の境界を充填するゼリー状のイモゴライト(一部 はイモゴライト質アロフェン)であり,吸着量が7,000mg/kgに達した(丸茂,2000). 8.鉱物利用による汚染浄化例 アロフェンやハロイサイトは良好なカドミウム吸着特性を有するが,こうした天然素材の特性を有 効に使った汚染対策処理技術の例としてシーリングソイル工法が挙げられる.シーリングソイルはアス テック(株)が様々な汚染土壌地帯で施行している工法であり,汚染土壌や最終廃棄物処分場からの有 害元素の拡散を防止するため,関東ロームなどの火山灰質粘土と天然ゼオライト,それに石灰などを混 ぜて遮水壁を築くことを目的としている.第16 図はシーリングソイルに使われている混合粘土が重金 属をいかに効率的に吸着できるかを示したものである. また,大成建設(株)は最終処分場の建設に伴う現地土にベントナイトを混ぜて遮水壁を作る技術 を開発している.これも天然鉱物を利用した汚染防止技術である.さらに最近は鉄酸化・水酸化物を含 む火山灰土壌を用いて産業廃棄物から発生する硫化水素を固定する技術の有効性について厚生省の「廃 棄物最終処分場における硫化水素対策検討会」が報告を行っている. 引用文献

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(7)

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鉱物(英名) 化学式

①結晶性粘土鉱物

a. 1:1型鉱物

カオリナイト(kaolinite)

ハロイサイト(1.0nm )(halloysite)

Si2Al2O5(O H )4 Si2Al2O5(O H )4・2H2O

b. 2:1型鉱物

 雲母様鉱物(illite)

バーミキュライト(verm iculite)

モンモリロナイト(m ontm orillonite)

K(Si7Al)(Al,M g,Fe) 4∼6O20(O H )4 M g1.2(Si6.8Al1.2)(M g,Fe,Al)4∼6O20(O H )4 N a0.67Si8(Al3.33M g0.67)O20(O H )4・nH2O c. 2:2型鉱物 3八面体型緑泥岩(clinochlore) (M g10Al2)(Si6Al2)O20(O H )16 ②非晶質・準晶質粘土鉱物 a.非晶質鉱物  アロフェン(allophane) b.準晶質鉱物

 イモゴライト(im ogolite)

(1∼2)SiO2・Al2O3・(2.5∼3)H2O (O H)3Al2O3SiO H ③その他の鉱物 a.酸化物・水酸化物  ギブサイト(gibbsite)  ベーマイト(boem ite)

 赤鉄鉱(hem atite)

 針鉄鉱(goethite) 鱗鉄鉱(lepidocrocite) フェリハイドライト(ferrihydrite) b. 硫酸塩・炭酸塩・リン酸塩 石膏(gypsum ) 方解石(calcite) ストレンジャイト(strengite)

バリスカイト(variscite)

Al(O H )3 γ-AlO O H α-Fe2O3 α-FeO O H γ-FeO O H 5Fe2O3・9H2O C aSO4・2H2O C aC O3 Fe(O H )2 H2PO4 Al(O H )2 H2PO4 第1表 土壌中の主な粘土鉱物

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陽イオン 酸性土壌 アルカリ性土壌 N a+ M g2+ Al3+ Si4+ K+ C a2+ C r3+ C r6+ M n2+ Fe2+ Fe3+ N i2+ C u2+ Zn2+ M o5+ C d2+ Pb2+ N a+ M g2+, M gSO4 0 , orga org, AlF2+, AlO H2+ Si(O H )4 0 K+ C a2+, C aSO4 0 , org C rO H2+ C rO4 2-M n2+, M nSO4 0 , org Fe2+, FeSO4 0 , FeH2PO 4+ FeO H2+, Fe(O H )3 0 , org N i2+, N iSO4 0 , N iH CO3 + , org org,C u2+ Zn2+, ZnSO4 0 , org H2M oO4 0 , H M O 4-C d2+, C dSO4 0 , C dC l+ Pb2+, org, PbSO4 0 , PbH CO3 + N a+, N aH CO3 0 , N aSO4 -M g2+, M gSO4 0 , M gC O3 0 Al(O H )4 -, org Si(O H )4 0 K+, KSO4 -C a2+, C aSO4 0 , C aH CO3 + C r(O H )4 -C rO4 2-M n2+, M nSO4 0 , M nC O3 0 , M nH CO3 + , M nB(O H )4 + FeC O3 0 , Fe2+, FeH CO3 + , FeSO4 0 Fe(O H )3 0 , org N iC O3 0 , N iH CO3 + , N i2+, N iB(O H )4 + C uC O3 0 , org, C uB(O H )4 + , C u[B(O H)4]4 0 ZnH CO3 + , ZnC O3 0 , org, Zn2+, ZnSO4 0 , ZnB(O H )4 + H M oO4 -, M oO4 2-C d2+, C dC l+, C dSO4 0 , C dH CO3 + PbC O3 0 , PbH CO3+, org, Pb(CO3)2 2-, PbO H+ 第2表 各陽イオンの酸性環境、アルカリ性環境における溶存状態 Sposito(1989)より引用

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0.001 0.01 0.1 1 101 10-10 10-9 10-8 10-7 10-6 10-5 10-4 10-3 透 水 係 数 k (cm/s) 電解質溶液濃度(M) LiCl MgCl 2 ZnCl 3 CuCl 2 AlCl 3 CaCl 2 第1図 スメクタイトに透水させた電解質溶液の濃度とスメクタイトの透水係数の関係 勝見(1999)より引用 第 2 図 有害元素(ホウ素、フッ素、クロム、砒素、カドミウム、鉛等)が 鉱物と相互作用する際の鉱物への結合性とその反応時間

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第3図 1.25×10-4mol/Lの重金属元素がどの程度ギブサイトに吸着されるかを示す。

Kinniburgh et al.(1975)より引用

(12)

第5図 アロフェン、スメクタイトの pH 変化による陽イオン、陰イオン吸着能力の変化

Mcbride(1994)より引用

第6図 5×10-4mol/Lの重金属元素がどの程度フミン酸に吸着されるかを示す。

(13)

第7図 溶液中に 320ppm の銅を溶かして土壌に流した場合の溶存銅イオン濃度の pH 依存性

Mcbride(1994)より引用

第8図 ゲータイトへの吸着量の pH 依存性

(14)

第9図 パラコートによる層状ケイ酸塩粘土鉱物のイオン交換反応のイメージ図

第10図 界面活性剤 Tergitol 15s-5 を含浸させた Al13 スメクタイトに 水溶液から 3-クロロフェノールを吸着させたときの結果。

(15)

第11図 粘土鉱物をリサイクルしながらする吸着処理

(16)

第12図 方解石へのカドミウムの吸着固定のメカニズム

(17)

第13図 カルシウムリン酸塩の形態で存在する土壌中のリンと、土壌有機物やゲータイトや アロフェンなどの表面に存在する土壌中のリンの割合がどう変化するかを示した図。

Walker & Syers (1976) より引用

第14図 リン酸を固定する鉱物種と pH の関係

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第15図 日本各地のテフラに含まれるアロフェン、イモゴライト、 ハロイサイトに対するカドミウム吸着特性

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第16図 シーリングソイルによる重金属吸着特性 湊秀雄、渋江靖弘(1999)より引用

参照

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