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(1)

腫瘍特異的分子イメージング

九州大学大学院工学研究院応用科学部門(分子)

特任助教

姜 貞勲

片山佳樹

2009年2月27日

Polymer-peptide conjugate responding to intracellular signal

for cancer-specific molecular imaging

(2)

研究背景

疾病細胞選択的送達システムの開発

疾病細胞選択的イメージングと治療が同時に可能なシ

ステム。

幅広い疾病に応用可能なシステム。

各疾病の重要シグナルの追跡が可能な分子イメージン

グシステム。

特に創薬における薬効評価やスクリーニングにも有効

(3)

九州大学,2009

システムの戦略

病変細胞

マーカー分子

病変細胞表面には種々のマー

カー分子(受容体)が存在する。

マーカー分子を認識するリガンド

を修飾

病変細胞選択的なイメージング

を狙う。

マーカー分子は正常細胞

表面にも存在

(4)

G protein-coupled

receptor

Tyrosine kinase

receptor

Ser/Thr kinase

receptor

Cytokine

receptor

G

AC

cAMP

PKA

CREB

PLC

G

Ca

2+

CaM

CaMK

DAG

Sos

Grb2

Ras

Raf

MEK

ERK

PKC

C-Myc

ELK

PI3K

PKB

FAK

Smad

STAT

JAK

Cyt-c

Apaf-1

Casp-9

Casp-3

Bcl-2

Bad

GSK3

P P P P P P P P P P P P P

Transcription

Protein Kinase

Other Protein

Protease

病変細胞の場合は、各疾病特有の亢進されたシグナルを 有している。

(5)

九州大学,2009

細胞内シグナルを制御する反応

1. プロテインキナーゼによるリン酸化反応

プロテインキナーゼの制御不能:癌

2. プロテアーゼによる切断反応

プロテアーゼの制御不能:アルツハイマー型認知症

P OH O O P OH OH O O P OH OH O O OH

アミノ酸残基

アミノ酸残基

(6)

癌細胞とプロテインキナーゼ

C(PKC)α

皮膚癌

PKC

α

, PKCδ↓, PKCζ↓

乳癌

PKC

α

, PKCδ↓, PKCη↓

肝臓癌

PKC

α

, PKCδ↓, PKCζ↓

脳腫瘍

(グリオマ)、大腸癌、前立腺癌、甲状腺癌、

など

PKCαの過剰発現

キーポイント

: PKCα選択的基質ペプチドの探索

(7)

九州大学,2009

PKCα選択的基質ペプチド

0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000 180,000 α β I β II γ δ ε η θ ζ ι/λ Isozymes CP M

基質ペプチド設計のためにコンセンサンス配列

アイソザイムによる基質ペプチドの

リン酸化

B

F/V/ G +4 Carboxyl-terminal → ← Amino-terminal +5 +3 +2 +1 0 -1 -2 -3 -4 -5 K/A S F/I F/M/ K F F/G K/Q/ E K K/A R

C

F/K +4 Carboxyl-terminal → ← Amino-terminal +5 +3 +2 +1 0 -1 -2 -3 -4 -5 K/G S F/L/ M F/M/ A F/K F/K K/Q K K/F R/F/ L K +4 Carboxyl-terminal → ← Amino-terminal +5 +3 +2 +1 0 -1 -2 -3 -4 -5 K/G S F/M R/K R/K K K/Q K/F K/F R/F/ L

A

B

F/V/ G +4 Carboxyl-terminal → ← Amino-terminal +5 +3 +2 +1 0 -1 -2 -3 -4 -5 K/A S F/I F/M/ K F F/G K/Q/ E K K/A R F/V/ G +4 Carboxyl-terminal → ← Amino-terminal +5 +3 +2 +1 0 -1 -2 -3 -4 -5 K/A S F/I F/M/ K F F/G K/Q/ E K K/A R

C

F/K +4 Carboxyl-terminal → ← Amino-terminal +5 +3 +2 +1 0 -1 -2 -3 -4 -5 K/G S F/L/ M F/M/ A F/K F/K K/Q K K/F R/F/ L F/K +4 Carboxyl-terminal → ← Amino-terminal +5 +3 +2 +1 0 -1 -2 -3 -4 -5 K/G S F/L/ M F/M/ A F/K F/K K/Q K K/F R/F/ L K +4 Carboxyl-terminal → ← Amino-terminal +5 +3 +2 +1 0 -1 -2 -3 -4 -5 K/G S F/M R/K R/K K K/Q K/F K/F R/F/ L K +4 Carboxyl-terminal → ← Amino-terminal +5 +3 +2 +1 0 -1 -2 -3 -4 -5 K/G S F/M R/K R/K K K/Q K/F K/F R/F/ L

A

コンセンサンス配列に基づき、1772種類のペプチドの合成

PKCα選択的基質ペプチド

FKKQGSFAKKK

(8)

基質ペプチドの基礎検討

ライセートによる基質ペプチドのリン酸化

阻害剤による阻害効果

Ro-31-7549

:

PKCα特異的阻害剤

Rottlerin, H-89

:

>80% 阻害

PKA、 MAPKAP-K2、

PRAK、 GSK3、MAPKAP-K1b、MSK1、

PKBα、SGK、S6K1、ROCK-II、CHK1、および

AMPK)。

PKCα に対する阻害効果は< 30%

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

A431 A549 B16 HeLa HepG2 HuH-7

Neuro-2a

A431 B16

HepG2 HuH-7 brain heart kidney liver lung muscle pancreas skin spleen phosphoration ratio / % normal tissue tumor tissue tumor cell

(9)

九州大学,2009

PKCα応答型ナノ分子(ポリマー)素材

PPC(S): FKKQG

S

FAKKK-NH

2

(m=94.5, n=5.5)

PPC(A): FKKQG

A

FAKKK-NH

2

(m=93.5, n=6.5)

O

N H

2 O p e p t i d e m n

C/A

Diameter (nm)

Zeta potential (mV)

PPC(S)

PPC(A)

PPC(S)

PPC(A)

0.5

168 ± 3

169 ± 2

-23.9 ± 2.0

-20.0 ± 5.2

1.0

170 ± 4

158 ± 4

-15.1 ± 2.7

-13.6 ± 1.7

2.0

210 ± 9

175 ± 4

+22.5 ± 4.6

+24.8 ± 3.1

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 Control (0) 5 10 20 30 40 ポリマー 濃 度 (µg/ml) 生存率 (% )

ポリマーの細胞毒性

ポリマー/DNA複合体のサイズと

zeta potential

ポリマー構造

(10)

PKCα応答型ナノ分子素材によるイメージングの戦略

P

-2

ポリアクリルアミド主鎖 ペプチド側鎖  ・PKCα特異的ペプチド  ・カチオン性 Phosphorylation reaction by activated PKCα リン酸基がペプチドに導入されることで、 カチオンが相殺される

O

NH

2

m

n

O

peptide

転写因子

--

-5+ 5+ 5+

--

-5+ 5+ 5+

転写因子

--

-5+ 5+ 5+

--

-5+ 5+ 5+ -2 -2 -2 5+ 5+ 5+ -2 -2 -2 5+ 5+ 5+

PKCαによるリン酸化

転写因子

--

-5+ 5+ 5+

--

-5+ 5+ 5+

転写因子

--

-5+ 5+ 5+

--

-5+ 5+ 5+ -2 -2 -2 5+ 5+ 5+ -2 -2 -2 5+ 5+ 5+

PKCαによるリン酸化

(11)

九州大学,2009

リン酸化に伴う複合体の崩壊

0

40,000

80,000

120,000

160,000

CP

M

PKCα

-

+

+

+

C/A

(-)

(-)

(-)

1.0

2.0

Polymer

-

+

+

+

+

+

2.0

(-)

+

(-)

-+

PPC(S)

PPC(A)

+

+

0

40,000

80,000

120,000

160,000

CP

M

0

40,000

80,000

120,000

160,000

CP

M

PKCα

-

+

+

+

C/A

(-)

(-)

(-)

1.0

2.0

Polymer

-

+

+

+

+

+

2.0

(-)

+

(-)

-+

PPC(S)

PPC(A)

+

+

PKCα

-

+

+

+

C/A

(-)

(-)

(-)

1.0

2.0

Polymer

-

+

+

+

+

+

2.0

(-)

+

(-)

-+

PPC(S)

PPC(A)

+

+

[γ-

32

P]ATP を用いた実験

(12)

リン酸化に伴う複合体の崩壊

側鎖ペプチドのリン酸化により複合体が崩壊

複合体の崩壊挙動

0

20

40

60

80

100

0

2

4

6

8

10

Time (min)

Relative scattered i

n

tensity

(%

)

PPC(S)

PPC(A)

リン酸化反応

(coupled enzyme assay)

-0.4

-0.3

-0.2

-0.1

0

0.1

0

2

4

6

8

10

Time (min)

Abs340

Alphatomega alone

PPC(S)

PPC(A)

複合体の崩壊挙動をDLSのCount rate

変化のタイムコースから検出

リン酸化反応の進行をNADHの

吸光度減少量から検出

(13)

九州大学,2009

マイクロインジェクション実験

B16メラノーマ細胞

HepG2細胞

GFP

Texas Red

Phase-contrast

GFP

Texas Red

Phase-contrast

(C/A)

DNAの み

ポジティブポリマー

[PPC(S)]

+1.0

+2.0

+2.0

PPC (S) + inhibitor ネガ ティブポリ マー [PPC(A)]

+1.0

+2.0

0

B16メラノーマ細胞

HepG2細胞

GFP

Texas Red

Phase-contrast

GFP

Texas Red

Phase-contrast

GFP

Texas Red

Phase-contrast

(C/A)

GFP

Texas Red

Phase-contrast

(C/A)

DNAの み

ポジティブポリマー

[PPC(S)]

+1.0

+1.0

+2.0

+2.0

+2.0

+2.0

PPC (S) + inhibitor ネガ ティブポリ マー [PPC(A)]

+1.0

+2.0

ネガ ティブポリ マー [PPC(A)]

+1.0

+1.0

+2.0

+2.0

0

(14)

癌細胞での分子イメージング評価

トランスフェクション実験

0.0E+00 1.0E+08 2.0E+08 3.0E+08 4.0E+08 5.0E+08 6.0E+08 7.0E+08

Naked DNA PPC(S) PPC(A) PPC(S) PPC(S) +

inhibitor PPC(A) L

L

uc

if

era

se

ac

tiv

it

y (

R

L

U

/m

g/

p

ro

te

in

)

P < 0.05

P < 0.01

P < 0.01

0.0E+00 1.0E+08 2.0E+08 3.0E+08 4.0E+08 5.0E+08 6.0E+08 7.0E+08

Naked DNA PPC(S) PPC(A) PPC(S) PPC(S) +

inhibitor PPC(A) L

L

uc

if

era

se

ac

tiv

it

y (

R

L

U

/m

g/

p

ro

te

in

)

P < 0.05

P < 0.01

P < 0.01

1. 細胞:B16 melanoma

2. トランスフェクション時

間:

24時間

3.PKC inhibitor:

Ro31-7549

(15)

九州大学,2009

モデルマウスでの分子イメージング評価

B16 メラノーマ組織

PPC(S)

PPC(A)

正常皮膚組織

PPC(S)

PPC(A)

60000 50000 40000 30000 20000 10000 60000 50000 40000 30000 20000 10000

0/6

0/6

6/9

0/7

0

2

4

6

8

10

PPC(S) PPC(A) PPC(S) PPC(A)

Luc

if

eras

e

ac

tiv

ity

(X10

5

RL

U

/m

g

pr

ot

ei

n

)

B16 melanoma

Normal skin

0

2

4

6

8

10

PPC(S) PPC(A) PPC(S) PPC(A)

Luc

if

eras

e

ac

tiv

ity

(X10

5

RL

U

/m

g

pr

ot

ei

n

)

B16 melanoma

Normal skin

DNA:pCMV-Luc

polymer/DNA C/A = 2.0

局所注射により複合体を導入

(16)

PPC(S)

C/A=1.0

PPC(A)

C/A=2.0

PPC(S)

C/A=2.0

60000 50000 40000 30000 20000 10000 60000 50000 40000 30000 20000 10000

組織切断

100

75

pPKCα

50

37

Actin

100

75

PKCα

kDa

正常皮膚

B16 メラノーマ

ウエスタン結果

モデルマウスでの分子イメージング評価

(17)

九州大学,2009

ヒト癌組織への応用

DNA:pCMV-Luc

polymer/DNA C/A = 2.0

局所注射により複合体を導入

A549

PPC(S)

PPC(A)

PPC(S)

正常組織皮膚

0/3

U87

PPC(S)

PPC(A)

3/3

0/3

3/3

0/3

(18)

リガンド修飾分子イメージングシステムは幅広く研究されてい

るが、

1.リガンド修飾分子イメージングシステムは癌細胞だけを

認識することは困難である。

2.癌周辺の正常細胞への取り込みはバックグラウンドの

増加、イメージング効果の減少につながる。

3.常に光を出す蛍光物質は細胞内の変化を正確に読み

取ることが困難である。

4.癌細胞表面を認識するイメージングでは、制癌剤の効果

など、癌の機能的変化は捉えられない。

正常細胞では反応せず、癌細胞だけを正確に見分ける生体

従来技術とその問題点

(19)

九州大学,2009

新技術の特徴・従来技術との比較

1.新技術は疾病細胞特有のシグナルを認識するシステムである。

ー正常細胞へ取り込まれても、反応しない。

-癌だけではなく、種々の疾病にも応用可能

2. 細胞機能に直結した疾病細胞特有のシグナルに応答して、光

を放出するので、

より確実に疾病細胞のイメージングが可能

である。

3. 組織選択的ウイルス殻(ベクター)やホーミングペプチドなどの

従来法との融合も可能である。

-組織選択的分子イメージングが可能

4. 近赤外域波長の蛍光を持つ蛍光タンパク質および蛍光物質の

利用も可能である。

(20)

想定される用途

本新技術は疾病細胞を持つ細胞内シグナルの特徴を活かした分

子システムであり、この技術により、

1. 腫瘍および種々の疾病発症にかかわるシグナルの追跡、発

症メカニズムの解明などの研究に応用可能。

2. 治療遺伝子と併用することで、治療とイメージングを同時に

行うことが可能。

3. シグナル変化をイメージングすることで細胞や動物での、抗

癌剤などの薬理効果および新薬の評価にも応用可能。

と思われる。

(21)

九州大学,2009

実用化に向けた課題

現在、蛍光タンパク質産生遺伝子による腫瘍特異的分子イメー

ジングが可能なところまでは開発を済み。

1. 現段階では局所投与による組織内への導入を行っていた

が、全身投与を目指したより安定性高い分子設計が必要で

ある(進行中)。

2. 蛍光物質(プローブ)用のナノ分子素材の開発も行う(進行

中)。

3. 本新技術に使用されたナノ分子素材は細胞に対する毒性

はないが、システムの安全性を一層高めるために、生分解

性ポリマーを利用する。

(22)

企業への期待

1.未解決の複合体被覆については、製剤化の

技術により克服できると考えている。

2.当該技術を持つ、企業との共同研究を希望。

3.また、装置を開発中の企業、製薬における評価

技術、診断分野への展開を考えている企業に

は、本技術の導入が有効と思われる。

(23)

九州大学,2009

本技術に関する知的財産権

発明の名称: ナノ分子素材を融合した腫瘍特

異分子イメージング

出願番号 :出願中

出願人

:国立大学法人九州大学

発明者

:姜 貞勲、片山 佳樹

(24)

お問い合わせ先

九州大学知的財産本部

技術移転グループ

TEL

092-642 -4361

FAX

092-642 -4365

e-mail

[email protected]

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