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先ほどトラックの運転者の高齢化が進んでいるというお話がありましたが 高齢者のドライバーが退職した後には若いドライバーを確保しなければなりませんが それが十分にできていないという状況が続いているということです 輸送量と輸送力の需給バランスは輸送力の方が大きい時代が続いていましたが 直近では その需給バ

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Academic year: 2021

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1 【労働力不足の現状について】 杉山:これからパネルディスカッションを始めます。今回のパネルディスカッションには、各方 面からの方にご参加いただいておりますので、それ ぞれのお立場から、労働力不足の現状や対応策につ いていろいろなご意見を頂戴して、議論を深められ ればと考えています。 それでは、まずは物流と労働力問題の専門家である ㈱日通総合研究所の大島さんから労働力不足の現 状や要因についてお話を頂きたいと思います。 大島:㈱日通総合研究所の大島と申します。本日はよろしくお願いいたします。 さて、すでに物流現場において募集をかけても人が集まらないという声を聞くようになっ て久しいと思います。特に、昨年の年末・年度末、消費税増税前の駆け込み需要などがあ って輸送力が確保できないという状況が発生しました。しかしながら、物流全体における 労働力不足を示す明確なデータは実はありません。 そこで、物流においては、鉄道においても、船に おいても、末端の輸送はトラックで行われている ので、労働力不足の現状をトラックドライバーに ついてを代表として関連するデータから説明した いと思います。 労働力不足の現状を示すデータの一つに有効求人 倍率があります。ここに自動車運転者(タクシー・バス・トラックを含むがトラックドラ イバーが大半を占めている)の有効求人倍率を示したグラフがあります。「1」を超えてい ると不足していることを示していますが、北海道から九州までどの地域をみても「1」を 超えていることが分かります。そして、消費税増税前の駆け込み需要の後も、有効求人倍 率はそれほど下がっておらず、現状も労働力不足が続いていることを示しています。 また、全日本トラック協会のトラック運送事業者の雇用状況の推移を示したグラフは、年々、 ドライバーが集まりにくくなっている状況を示しています。

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2 先ほどトラックの運転者の高齢化が進んでいるというお話がありましたが、高齢者のドラ イバーが退職した後には若いドライバーを確保しなければなりませんが、それが十分にで きていないという状況が続いているということです。輸送量と輸送力の需給バランスは輸 送力の方が大きい時代が続いていましたが、直近では、その需給バランスが逆転している と言えます。鉄道貨物協会が試算したトラックドライバー需給の将来予測では、2020 年度 には10 万人の不足、2030 年度でも8万5千人が不足するとしています。 それではなぜこのような状況がおきているのか代表的な要因をお示ししたいと思います。 まずは労働条件が厳しいということです。道路貨物運送業の現金給与総額の推移のグラフ を見ると、全産業平均に比べて道路貨物運送業の平均給与が低いことが分かります。逆に、 労働時間を見ると、全産業平均に比べて道路貨物運送業が長くなっています。長時間労働 で賃金が安い職場に人が集まりにくい状況は容易に想像できると思います。実際、ドライ バーに聞いたアンケート調査でも、ドライバーが集まりにくい要因の上位に「賃金が安い」、 「労働時間が長すぎる」などがあげられています。

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3 それでも今までは、車が好きだからという理由でドライバーになりたいという若者も多か ったのですが、最近は、若者の車離れも進んでいるということもドライバー不足の一つの 要因になっていると思います。これまでも3K(危険・きたない・きつい)と言われてき た業種ですが、今でもそれが払拭されていないことなどもあり、物流において労働力不足 が深刻になっていると思います。 杉山: ありがとうございました。現場では何が起きているのか、何が問題なのかについて総括的 にお話を頂きました。それでは、次に実際の物流事業者の方から労働力不足のより生のお 話を頂きたいと思います。日本通運㈱の辻さんからお話を頂ければと思います。 辻 :日本通運㈱の辻でございます。よろしくお願いいたします。 具体例に入る前に当社の従業員の推移についてお話しますと先ほどのお話とまったく同じ 状況で、ドライバーを中心とした技能職の従業員数は、この20 年くらいの間に 30%以上減 少しています。また、より問題なのはその年齢構成で、高齢化が進んでおり完全な逆ピラ ミッド型となっています。これから一定数の若年労働力を確保していかないとますますこ の状況が深刻になっていくことは明白な事実です。 次に具体的な現場の状況ですが、当社は陸・海・空 と多岐にわたる現場をもっていますが、まずトラッ クの運用現場について言いますと、都市部にトラッ クが集まってこないという状況があります。これま で、地方から大きなマーケットの都市部にトラック が集まり、そのトラックを利用して地方へ貨物を輸 送するという仕組みで運用してきましたが、それができなくなってきており、当社の自前 のトラックだけでは到底対応しきれない状況になっています。地方で何が起きているかと いうと、地方の人口減少に加え、景気の上昇もあり、より賃金の高い仕事にドライバーが シフトしているという声を聞きます。また、高い技術を持った高齢者については退職後に 再雇用したいが、より条件のいい職場へ行ってしまうという話も聞いています。 そうした中でとりわけ特別積合輸送では、発着の貨物量の偏差が大きく、トラックの確保 が難しいという実態があります。 次に鉄道貨物の現場についてですが、より高齢者集団になっています。鉄道コンテナ荷物 はバラ積みが多く、若年層には嫌われる傾向があるからです。また、鉄道貨物輸送の主要 な輸送品目として青果物がありますが、市場への納入など夜間作業が多いため、ドライバ ー確保が難しいということも聞いております。 海運の現場ですが、たとえば東京港では、コンテナヤードからのコンテナの搬入・搬出に 6~7時間待たされるという実態があり、若者のなり手が少なく、50 歳代・60 歳代のドラ イバーが支えているという状況です。 また現金輸送の分野では、業法上、すべて自社社員で行わなければならないことになって いますが、警乗員、ドライバーとも高齢化が進んでいます。 以上、当社の労働力不足の現状について少しご紹介させていただきました。

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4 杉山:ありがとうございました。続きまして、佐川急便㈱の林さんよろしくお願いいたします。 林 :佐川急便の林と申します。はじめに皆様に日ごろご愛顧頂いていることにつきまして高い 席からではございますがまずはお礼申し上げます。 労働力不足の現状ですが、基調講演や日本通運の辻さんの発言にありましたとおり、我々 3K と呼ばれる業界においてなかなか人の確保が難しいという状況は確固たる事実でござ います。2015 年危機ということで確か 14 万人ほど必要なドライバーが不足するという試 算があったかと思いますが、そのとおり昨今の状況は極めて厳しいということは間違いな いと思います。 我々は、宅配便を中心とした事業を展開しておりますが、宅配便は、お客様との間の集貨・ 配達業務と中継基地を結ぶ幹線の部分に分かれます。このうち幹線の部分については、ダ イヤ等パターン化して協力会社さんに依頼しております。先ほどからお話がありますよう に、協力会社さんにはいろいろな悩みがあると思い ます。個別・具体的な内容になりますので本日は控 えます。 当社の集貨・配達業務の部分についてですが、集配 車両を中心に24,000 台ほど動かしており、その中で 日々の皆様方の細かい要求にお応えしております。 特に基調講演にもありました e コマースの増加に伴 い、ニーズが非常に細かくなっており、その結果、就業時間が延びているという状況もあ ります。 また、我々は、B to B の取引を主体としており、お客様は販売系が多かったのですが、昨 今、今まで取引のなかった製造業様からのB to B の引き合いやこれまでは他社様が行って いたような輸送ニーズがあり、世の中でトラックが不足しているということをひしひしと 感じます。 さらに、我々が主体としている宅配事業につきましても、新聞報道もされましたが、消費 税増税前の3月に、荷物が増えて少し輸送が滞ってしまうという事態が発生しました。ま た、先日、台風で鉄道貨物輸送が止まった時も、遠隔地の集貨をお断りしなければサービ ス水準を維持できないというぐらいぎりぎりの作業戦力で対応している現状です。 今後はこのあたりを克服しながらお客様とお約束したサービスを確かに提供していくこと が課題であると思います。 杉山:ありがとうございました。続きまして、JR貨物の真貝さんよろしくお願いいたします。 真貝:JR貨物の真貝でございます。いつもお世話になっております。 まず弊社において労働力不足問題が起きているかどうかというお話をする前に、労働力不 足がモーダルシフトを進めているという状況についてお話しさせて頂きたいと思います。 こちらの折れ線グラフと棒グラフですが、折れ線グラフが対前年同月比の輸送量の伸びを 示したもので、赤い棒が月別の輸送量ですが、昨年の11 月くらいから鉄道の利用が非常に 増えております。それから3月にピークを迎え、4月以降は消費税増税後の反動というこ とがありましたが、それでも前年比100%を上回るという状況になっておりまして、直近の

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5 9月では109.5%となっています。お客様からお聞きすると全国各地でトラック運転手不足 ということで鉄道にシフトして頂いているということです。 次に弊社の輸送を支える労働力についてですが、貨 物鉄道は全国ネットを有し1日で約 11 万tの輸送 力を持っておりまして、10 トントラックで1万1千 台分ということです。それを社員6,000 名、うち運 転士、駅の従事員、検修・保全関係という現業部門 で4,500 名が支えています。たとえば弊社の最長の 路線である札幌貨物ターミナル駅から福岡貨物ター ミナル駅まで全部で2,130 ㎞あるわけですが、これを運転士 15 名が交代でたすきを渡して、 37 時間で運行しております。こうした中で弊社において労働力不足が起きているのかどう かということですが、運転士、駅の従事員、検修・保全関係で要員不足にはなっていませ ん。今後も社員をきっちり確保・採用して、急速に進んでいるモーダルシフトの受け皿と して万全の対応をとっていきたいと思っています。 杉山:ありがとうございました。続きまして、オーシャントランス㈱の辰巳さんよろしくお願い いたします。 辰巳:オーシャントランスの辰巳です。どうぞよろしくお願いします。 私どもは、オーシャン東九フェリーというサービス名で東京、徳島、北九州でフェリーを 運航しています。それと 199 トン,299 トン、499 トンという小型貨物船(社船・傭船含 む)で主に紙・塩などを運んでいます。 内航船員不足ということは、過去何回も叫ばれて きましたが、今回本当に大きくなったと感じていま す。若者が敬遠しているということで、職住一体で 帰りに一杯飲めない、バリバリのタテ社会、乗船期 間が長い、フェリーの場合は16 日間乗って8日間 休み、8日間乗って4日間休みなどがありますが、 内航船の場合は2~3か月乗って休んでまた乗る ということで家庭から離れると、携帯もメールも通じないということで若い人が敬遠して います。

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6 今、船員の有効求人倍率は、1.71 と全産業に比べて相当に不足している状況です。特にタ ンカー、ケミカル船等では引き抜きが横行しており、3か月乗って1か月とか休んでいる うちに他の船に行ってしまうということがあります。やはり給料の問題、待遇の問題、住 環境ということが原因だと思います。 あと高齢化が進んでおり、表に示しているとおり、2012 年において 55 歳以上が 36.5%、 60 歳以上が 18.5%となっており、それから2年経っているので高齢労働者の割合はもっと 増えていると思います。タンカーだけについて言いますと、55 歳以上が完全に 50%を超え ているという状況です。 次のスライドですが、1990 年代は、プラザ合意の後の外航船の船員の受け入れや遠洋漁 業の衰退による船員の受け入れなどをしてきましたが、現在、こういう方々が一斉に引退 する時期になってきています。 これに対して国土交通省では、航海当直が可能な船員の資格を短期で取得できるような対 策をとっており、私どもフェリーの方も、全日本海員組合と合意して、船上でインターネ ット利用できる環境整備や内航船の居住区ももう少し広く快適にする等の、若年船員の確 保対策を講じています。 ただ女性、外国人などの活用は現状では難しく抜本的な打開策を見いだせない状況です。 杉山:大変ありがとうございました。通運、トラック、鉄道、フェリーということで、それぞれ に立場が違いますが、辻さんと辰巳さんのところでは、労働力の引き抜きの問題であると か、高齢化の問題であるとかの話を伺えましたし、林さんからはトラックが不足して集貨 をお断りしているような状況、真貝さんからは鉄道へのシフトが現実に起きているという ことをお話頂きました。全体としては、物流事業者サイドでは今後について危機感を持っ ているということが伝わったと思います。 それでは今度は、荷主さんの立場でどのような影響が出ているかということで、逆側から のお話を頂きたいと思います。味の素㈱の魚住さんよろしくお願いいたします。 魚住:味の素物流企画部の魚住でございます。よろしくお願いいたします。荷主の立場からと言 いましても食品業界に偏った話になると思いますがご了承ください。 私から4点ほどお話させて頂きます。今、皆さんに見ていただいている写真ですが、12f tコンテナに手積みをしている写真です。 私どもも、細かな単位で幹線輸送する場合には、通運業者さんに無理を言って、いわゆる

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7 バラ積み・バラ卸しをしてもらっています。こういった手作業を伴う業務が非常に嫌がら れるようになってきました。一部の業者さんからは「バラ積み・バラ卸しはお断りします」 ということも昨今言われるようになっています。 納品先様での付帯作業が多い食品の物流という のが嫌がられるようになってきていまして、特に 年末年始・期末といった繁忙期での車両確保が非 常に困難になってきております。業界的にはイン スタントラーメンとか一部の菓子については、大 型トラックでの幹線輸送についてもいまだにバ ラ積み・バラ卸しで、さすがに卸売業の団体から 最近強いパレット輸送化の要求がなされているというような状況にございます。 いずれにしても我々肌で感じるのは物流事業者あるいはドライバーがより楽でより実入り の良い仕事を選ぶようになってきているのではないかなと思います。例えば、建設資材で すとか、砂利ですとか、そういったものはほとんど手作業が伴いませんのでそういった動 きが出ているように思います。ですから私どもはできるだけドライバーの負担を減らす取 組みを納品先の協力を仰ぎながら進めているところでございます。 言い換えれば、物流事業者に好かれる荷主になろうという取組みをしているところでござ います。 次に、2点目は、ドライバーだけでなく、倉庫作業者もかなり不足してきている、人が集 めにくくなっていると思います。私ども今年の春に保管能力90万ケースの比較的大型の 倉庫である久喜物流センターを立ち上げましたが、当初、代わりに閉鎖する館林物流セン ターの要員をあてこんでおりましたところ、久喜に転勤したくないという人が予想を大幅 に上回ってしまい、昨年の秋に急遽、採用活動を行いましたが、なかなか思うように集ま らず、あわてて地元の高校を回って、何とか高卒の新人を10名ほど採用でき、今、即戦 力化して運営しているところでございます。久喜物流センターに行きますとヘルメットの 後ろに初心者マークを貼った作業員がいますがそれが高卒の社員です。 3点目は、時間指定配送への対応が料金化されはじめたということです。これも悪しき商 慣行の一つですが、食品業界では、午前中などの比較的余裕のある時間指定の他に、8時 丁度とか、8時から9時の間とかいうピンポイント時間指定と呼んでいるものがあります。

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8 以前は、よほどのものでなければ無料でやって頂いていましたが、最近は料金化されはじ めてきています。これは本来、当然のことと思いますが、ここにきて料金化されるという のは車両の減少の影響とみております。 4点目は、トラック運賃の値上げです。当社はこの10 月から燃料サーチャージ以外の部分 の値上げを受け入れております。地場配送で数%、長距離のトラック輸送にいたっては2 桁ということでインパクトの大きい値上げとなっていますが、安定運行を確保するために はやむを得ないと考え、他の荷主に比べて早めに値上げに応じた方だと思います。ただ、 コスト上昇は億の単位でありますので、製品価格に転嫁させたいところですが、それは売 り上げにも影響を与えかねないのでできません。つい最近、担当役員から物流費緊急事態 宣言が発せられ、物流部門だけでなくて事業部門、営業も含めて、物流効率を上げる、あ るいは、こちらの方が重要だと思いますが、物流効率を下げているものを排除するという ことに日々取り組んでおり、現在は右下の絵のような苦渋に満ちた顔になっております。

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