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Powered by TCPDF ( Title 政治改革以降の政党の集票構造と地域特性に関する実証分析 Sub Title Party realignment and regional features in Japan : Author 森, 正

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(1)

Title

政治改革以降の政党の集票構造と地域特性に関する実証分析

Sub Title

Party realignment and regional features in Japan : 1996-2019

Author

森, 正(Mori, Tadashi)

Publisher

慶應義塾大学法学研究会

Publication year

2020

Jtitle

法學研究 : 法律・政治・社会 (Journal of law, politics, and

sociology). Vol.93, No.1 (2020. 1) ,p.139- 159

Abstract

Notes

小林良彰教授退職記念号

Genre

Journal Article

URL

https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00224504-2020012

8-0139

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政治改革以降の政党の集票構造と地域特性に関する実証分析

政治改革以降の政党の集票構造と

地域特性に関する実証分析

        

一   政治改革と野党再編   一九九四年一月、政治改革関連四法案が成立し、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に選挙制度が改めら 一   政治改革と野党再編 二   先行研究 三   分析   (一)分析手法   (二)分析Ⅰ ―― 集票構造の時系列的分析   (三)分析Ⅱ ―― 二〇一九年参院選における各党の集票構造   (四)分析Ⅲ ―― 得票率変動の分析 四   おわりに

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れた。同法案の成立には竹下登内閣以来、細川護煕内閣に至るまで実に五つの内閣の登場を要したが、自民党の 分裂、非自民連立政権への政権交代、政党システムの再編と日本政治に大きな転換をもたらすトリガーとなった。   選挙制度改革から四半世紀が経過した。この間、大小数十の政党が結成、離合集散、退場を繰り返し、未だに 政党システムの再編は続いている。特に野党では、一九九四年の新進党結成、解党 (一九九八年) 、民主党の結成 (一九九六年) 、自由党との合併 (二〇〇三年) と相次いだ。二〇〇九年に民主党は政権交代を果たしたが、日本未 来の党などに分裂し (二〇一二年) 、野党転落後も民進党 (二〇一六年) 、さらに希望の党への合流、分裂に伴う立 憲 民 主 党 の 結 成 ( 二 〇 一 七 年 ) と 野 党 第 一 党 は 頻 繁 に 再 編 を 繰 り 返 し て い る。 一 方 で、 五 五 年 体 制 下 で 長 ら く 野 党第一党を占めてきた社会党はいまや小政党に転落している。五五年体制時から、名称もそのままに、継続して 議席を有しているのは自民党と共産党の二党のみである。選挙制度改革後の政党システムの再編劇は自民党に対 峙しうる野党再編の歴史とも言えるだろう。   本 稿 で は、 こ の 四 半 世 紀、 政 界 再 編 ( 特 に 野 党 再 編 ) や 二 〇 〇 九 年、 二 〇 一 二 年 と 二 度 に わ た る 政 権 交 代 を 経 て、各政党がどのような地域に集票基盤を置いているか、その時系列的な変化を明らかにする。具体的には、分 析Ⅰとして、一九九六年以降の国政選挙 (衆・参各八回の計一六回) を対象に市区町村別にデータを収集し、各市 区町村の地域特性と各政党の得票率との関係を時系列的に示す。つづく分析Ⅱでは、直近の二〇一九年参院選に おける政党の集票構造を示し、その相違点を明らかにする。最後に分析Ⅲでは、各政党が大きく勢力を増減させ た時期の選挙を取り上げ、その変動がどのような地域で生じたか、得票率の変動と地域特性との関係について考 察する。   本 稿 の 狙 い は 大 き く 二 点 で あ る。 第 一 が 選 挙 に お け る 集 票 構 造 か ら み た 政 党 シ ス テ ム 再 編 過 程 の 描 出 で あ る。 先述したように、政党システムの再編は、特に選挙過程で自民党に対抗しうる野党勢力をいかに結集、協力しう

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政治改革以降の政党の集票構造と地域特性に関する実証分析 る か ( そ し て 失 敗 し た か ) 、 の 繰 り 返 し で あ っ た。 こ の 間 の 与 野 党 含 め た 各 政 党 の 集 票 構 造、 各 政 党 の 配 置 図 を 析 出することで、選挙をめぐる与野党の「相互作用の枠組み」を明らかにすることを試みる。第二に政治改革以降、 衆参計一六回の選挙結果を地域特性という視点から分析することで、各政党の伸長や後退の要因、各選挙の特徴 を明らかにすることにある。 二   先行研究   有権者の社会的属性と投票行動との関係については、コロンビアグループの研究以来、数多くの研究蓄積があ る。 各 地 域・ 各 選 挙 区 に 特 定 の 社 会 的 属 性 を 持 つ 有 権 者 が 多 い ( 少 な い ) 場 合 に は、 各 地 域・ 各 選 挙 区 と 政 党・ 候補者の獲得する得票との間にも強い関係が生じることとなる。ターナーはアメリカの各カウンティにおける人 種 や 識 字 率 等 の 分 布 と 二 大 政 党 の 勢 力 分 布 と の 関 係 を 示 し た )1 ( ( Turner, 1958 ) 。 大 統 領 選 で は、 各 州 の 地 域 特 性 と 両 党 の 集 票 構 造 と の 間 に 明 確 な 関 係 が あ る こ と か ら、 共 和 党 が 強 い「 赤 い 州 」、 民 主 党 が 強 い「 青 い 州 」 と い っ た表現がしばしば用いられ、大統領候補者は「紫の州」と呼ばれる接戦州に選挙運動や資源を集中させることは よく知られている ( Hopkins, 2017 、松本 二〇〇九) 。   その他の国でも、大韓民国における与野党間の対立構図は、長らく慶州道と全羅道との間の地域間対立、地域 主 義 を 反 映 し て い る こ と が 知 ら れ て い る ( 大 西   〇 〇 〇、 浅 羽   〇 〇 九 ) 。 ま た ヨ ー ロ ッ パ 各 国 で も、 イ ギ リ ス の 各 小 選 挙 区 レ ベ ル で 産 業 人 口 比 と 政 党 の 得 票 率 に 関 す る 分 析 を 行 っ た 梅 川 ( 二 〇 〇 八 ) や フ ラ ン ス 大 統 領 選 に お い て 各 県 レ ベ ル の 社 会 経 済 的 変 数 や 教 会 に 通 う 頻 度 と 各 候 補 者 の 得 票 率 の 関 係 に つ い て 明 ら か に し た 増 田 ( 二 〇〇一) などの諸研究がある。

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  日本では、特に一九八九年参院選以降、いわゆる一人区の帰趨が全体の勝敗に影響を与えるとして注目されて きた。一人区は人口の少ない県が該当することから、定数不均衡と相俟って、地方や農村部の過剰代表が問題と なっている。一方、衆議院では小選挙区比例代表並立制導入以降、二〇〇〇年総選挙では県庁所在地を含む各県 の 一 区 で 野 党 が 議 席 を 得 る「 一 区 現 象 」、 二 〇 〇 三 年 総 選 挙 で は〝 保 守 王 国 〟 と 呼 ば れ た 千 葉 県 で も ベ ッ ド タ ウ ンを多く含む一区から八区までを民主党が、農村部を中心とする九区から一三区は自民党が議席を得る「千葉現 象」がそれぞれ指摘された。その後、二〇〇五年の郵政選挙、二〇〇九年の政権交代、二〇一二年の政権再交代 と、自民、民主いずれかが地滑り的な勝利を収める状況が続いている。   日本における地域特性と投票行動との関係を分析した研究として、小林良彰や蒲島郁夫らの研究が挙げられる。 小 林 は 東 京 都 下 の 市 区 町 村 別 の 地 域 特 性 と 各 党 の 得 票 と の 関 係 を 明 ら か に し ( 小 林   九 八 五 ) 、 有 権 者 の 投 票 行 動の変化を時系列的に把握するために一九五五年体制成立以降の衆議院選挙における中選挙区別の地域特性を析 出 し、 地 域 特 性 の 変 化 と 各 政 党 の 集 票 基 盤 の 変 化 に つ い て 時 系 列 的 な 分 析 を 行 っ て い る ( 小 林   九 九 七、 小 林・ 堤   〇 〇 〇 ) 。 蒲 島 は 一 九 八 九 年 参 院 選 に お け る 自 民 党 大 敗、 社 会 党 勝 利 の 選 挙 結 果 を 市 区 町 村 レ ベ ル の 得 票 率 データから把握を試み、同選挙の結果は地域特性要因の相違を超えて、全国的に得票の変動が生じたことを示し た (蒲島   一九九二) 。   ま た、 加 藤 は 小 林 の 手 法 を 援 用 し て、 二 〇 〇 〇 年 総 選 挙 に お け る 各 小 選 挙 区 の 地 域 特 性 を 類 型 化 し た ( 加 藤   二 〇 〇 二 ) 。 森 は 二 〇 〇 一 年 参 院 選 に お け る、 い わ ゆ る「 小 泉 ブ ー ム 」 の 大 き さ や ブ ー ム の 担 い 手 を 市 区 町 村 別 の レ ベ ル の デ ー タ を 用 い て 明 ら か に し た 他 ( 森   〇 〇 二 ) 、 愛 知 県 内 の 市 区 町 村 レ ベ ル の デ ー タ か ら 愛 知 県、 名 古屋市における地域政党の集票構造を分析した (森   二〇一二)

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政治改革以降の政党の集票構造と地域特性に関する実証分析 三   分析 (一)分析手法   先述したように、本稿では政治改革以降の各政党の集票構造を地域特性の観点から明らかにすることに目的を 置く。小林による地域特性に関する研究、手法を手掛かりとして、全国の各市区町村レベルの得票率データ、地 域特性データを収集し、分析を行う。   分析対象は衆議院で小選挙区比例代表制が導入された一九九六年から直近の二〇一九年参院選に至る衆参各八 回、計一六回の国政選挙である。分析には比例区における各市区町村別の比例区の得票データを用いる。比例区 を 用 い た の は 衆 参 の 各 選 挙 区 特 有 の 事 情 ( 政 党 数、 候 補 者 数、 定 数 な ど ) の 影 響 を で き る だ け 排 除 す る た め で あ る。 もっとも衆議院はブロック式比例代表制を採用しており、小政党では比例区候補を擁立しないブロックがあるこ とやブロック間の当選基数の違いなど、地域差を〝完全に〟排除することはできない。さらに二〇〇一年参議院 からは政党名だけでなく、候補者名でも投票が可能となる非拘束名簿方式が導入され、タレントなどの著名人や 元衆議院議員、地方政治家など特定の地域に強固な地盤を有する候補者を擁立する戦略を採る政党も現れた。そ の結果、比例区の得票が〝純粋に〟政党の地盤や有権者による政党への評価を表すとは言い難いものの、より適 切かつ操作的な変数はないと考えられることから、比例区の得票データを用いることとする。   また、分析対象となる一九九六年から二〇一九年の間に市区町村合併が進んだため、時系列の比較を行うため には分析単位を揃える必要がある。そこで、この間に合併した自治体については、合併前の時期に行われた選挙 であっても有権者数や各党の得票数を合算し、合併後の市区町村単位に得票率を集計し直している。   次 に 地 域 特 性 デ ー タ で あ る。 小 林 ( 一 九 九 七 ) の 手 法 を 参 考 に、 全 国 の 各 市 区 町 村 の 社 会・ 経 済 的 な 統 計 指 標

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( 人 口 密 度、 人 口 増 加 率、 D I D 人 口 比 率、 六 五 歳 以 上 人 口 比、 一 五 歳 未 満 人 口 比、 第 一 次 産 業 人 口 構 成 比、 第 三 次 産 業 人 口 構 成 比、 第 二 次 産 業 人 口 増 加 率 ) を主成分分析により合成し、各市区町村の地域特性を求めた。   主 成 分 分 析 の 結 果、 三 つ の 主 成 分 が 析 出 さ れ た )2 ( 。 第 一 主 成 分 ( バ リ マ ッ ク ス 回 転 後 の 寄 与 率 三 八 ・ 一 %) を 構 成 す る 変 数 を 見 る と、 第 三 次 産 業 人 口 構成比、DID人口比、人口密度と正の相関、第一次産業人口構成比とは 負 の 相 関 を 示 す こ と か ら「 都 市 ― 農 村 」 と、 第 二 主 成 分 ( バ リ マ ッ ク ス 回 転 後 の 寄 与 率 三 三 ・ 四 %) は 一 五 歳 未 満 人 口 比、 人 口 増 加 率、 第 二 次 産 業 人 口増加率と正の相関、六五歳以上人口比とは負の相関を示すことから「活 性 ― 停滞」の軸とそれぞれ解釈し、小林、加藤の先行諸研究と同様の結果 を得た (表 1)   分析Ⅰでは、こうして主成分分析の結果得られた「都市 ― 農村」 、「活性 ― 停滞」の各主成分に基づく市区町村別の主成分得点と各政党の相対得票 率との相関係数を求めることとする。さらに各政党別に時系列でどのよう に地域特性と得票との関係が変化したかを明らかにする。   分析Ⅱでは、直近の二〇一九年参院選を取り上げ、政党間の集票基盤を 比 較 検 討 す る。 さ ら に 分 析 Ⅲ で は、 大 き な 議 席 変 動 が あ っ た 選 挙、 小 泉 ブームが生じた二〇〇一年参院選、郵政民営化をめぐる二〇〇五年総選挙、 民主党への政権交代が生じた二〇〇九年総選挙、さらに自民党が政権に復 都市―農村 活性―停滞 第 3 次産業人口比(%) 0.861 0.121 DID 人口比(%) 0.830 0.286 人口密度(人 /km2) 0.793 0.094 第 1 次産業人口比(%) −0.761 −0.259 15 歳未満人口比(%) 0.047 0.904 人口増加率(%) 0.447 0.787 65 歳以上人口比(%) −0.448 −0.785 第 2 次産業人口増加率(%) 0.080 0.666 寄与率 38.1% 33.4% 表 1 地域特性の構造係数(主成分分析)

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政治改革以降の政党の集票構造と地域特性に関する実証分析 帰した二〇一二年総選挙を取り上げ、それぞれの選挙でどのような得票変動が生じたか、二選挙間の相対得票率 の差分を被説明変数に、各市区町村別の地域特性を表す「都市 ― 農村」 、「活性 ― 停滞」の主成分得点、投票率の 差分を説明変数とした重回帰分析を行った。 (二)分析Ⅰ――集票構造の時系列的分析   図 1~ 図 5は 各 政 党 ( 自 民 党、 旧 民 主 党 の 諸 政 党、 公 明 党、 共 産 党、 日 本 維 新 の 会 ) の 相 対 得 票 率 と 析 出 さ れ た 各 市区町村の「都市 ― 農村」 、「活性 ― 停滞」と解釈される第一、二主成分得点との相関係数を求め、プロットした ものである。各党がそれぞれどのような特性を持つ地域に依拠し、集票基盤を置いているかを表している。グラ フの右上の象限は「都市+活性」地域、左上が「農村+活性」地域、左下が「農村+停滞」地域、右下が「都市 +停滞」地域となる。 ①自民党   自民党は一九九六年以来、二〇〇五年総選挙を除いて、一貫して左下の象限である「農村+停滞」型に位置し て い る ( 図 1) 小 林 ( 一 九 九 七 ) の 分 析 結 果 と も 符 合 し、 自 民 党 は 選 挙 制 度 改 革 後 も 依 然 と し て「 農 村 + 停 滞 」 型に位置している点で共通している。第一主成分「都市 ― 農村」との相関係数はマイナス〇 ・ 三からマイナス〇 ・ 六の間を、第二主成分「活性 ― 停滞」との相関係数もマイナス〇 ・ 二からマイナス〇 ・ 三の間を変動している。   例外的な事例となる二〇〇五年総選挙は、小泉純一郎首相が郵政民営化の是非を問うとして解散に踏み切った ものである。郵政民営化法案に反対した候補者を公認せず、対立候補を送り込むなどの選挙戦術が奏功して、大 勝 を 博 し た ( 森   〇 〇 九 ) 。 二 〇 〇 五 年 総 選 挙 で は 従 来 の 集 票 構 造 と は 全 く 異 な り、 第 一 主 成 分「 都 市 ― 農 村 」

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と の 相 関 は 〇 ・ 一 四、 第 二 主 成 分「 活 性 ― 停 滞 」 と の 相 関 は 〇 ・ 〇 八 と「 都 市 + 活 性 」 型 に 大 き く 移行し、都市部の票を獲得することに成功したこ とが見て取れる。   一 方、 小 泉 内 閣 の 発 足 直 後 の「 小 泉 ブ ー ム 」、 空前の高支持率の下で行われた二〇〇一年参院選 では自民党が圧勝した。従来の自民党の集票基盤 で あ る「 農 村 + 停 滞 」 型 に 位 置 し た ま ま で あ る。 前年の森喜朗内閣時の二〇〇〇年総選挙に比べて、 第一主成分「都市 ― 農村」との相関係数を見ると 都 市 型 へ の 移 行 は わ ず か に 留 ま る。 第 二 主 成 分 「 活 性 ― 停 滞 」 と の 相 関 で は よ り 停 滞 部 か ら 集 票 している。このことから、二〇〇一年参院選にお ける「小泉ブーム」は従来の「農村+停滞」型の 集 票 基 盤 に 依 拠 し な が ら、 地 域 特 性 に 関 係 な く、 全国的に得票を伸ばしたことがわかる。   政権復帰を果たした二〇一二年総選挙でも、従 来の「農村+停滞」型のままである。政権転落か ら復帰までの自民党の比例区得票数 (相対得票率) 0.6 活性 0.4 0.2 05 0 -0.2 -0.4 -0.6 停滞 都市0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 14 17 09 13 12 07 01 10 04 16 03 96 19 00 98 農村 図 1 自民党相対得票率と地域特性の相関の変遷

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政治改革以降の政党の集票構造と地域特性に関する実証分析 を 見 る と、 二 〇 〇 九 年 総 選 挙 で は 一 八 八 一 万 票 ( 二 六 ・ 七 %) 、 二 〇 一 〇 年 参 院 選 で は 一 四 〇 七 万 票 ( 二 四 ・ 一 %) 、 二〇一二年総選挙では一六六二万票 (二七 ・ 六%) と得票を減らすものの、低投票率のために相対得票率はほぼ横 ば い と な っ て い る。 二 〇 一 二 年 の 政 権 復 帰 は 従 来 の 集 票 構 造 を 維 持 し た 中 で、 民 主 党 の 分 裂 や 第 三 極 の 登 場 に とって相対的に自民党が浮上した構図が窺える。 ②旧民主党系諸政党(民主党、民進党、希望の党、立憲民主党、国民民主党)   自民党とは対照的に、一九九六年に結党、新進党の解党を経て一九九八年に結集した新・民主党は、政権交代 を果たした二〇〇九年総選挙に至るまで、一貫して「都市+活性」型に位置しており、これらの地域を集票基盤 と し て い た こ と が わ か る ( 図 2) 先 述 の 二 〇 〇 一 年 参 院 選、 二 〇 〇 五 年 衆 院 選、 さ ら に 政 権 獲 得 後 の 二 〇 一 〇 年 参 院 選 と 同 党 が 議 席 を 大 幅 に 減 ら し た 選 挙 で は、 相 対 得 票 率 と 第 一 主 成 分「 都 市 ― 農 村 」 と の 相 関 係 数 は ( 依 然 と し て 正 の 相 関 で は あ る も の の ) 若 干 低 く な っ て い る。 こ れ ら の 選 挙 で は、 民 主 党 は 基 盤 と し て い た 都 市 部 で 苦 戦したことがわかる。   様相が一変したのは、政権の座を失った二〇一二年総選挙である。相対得票率と第一主成分「都市 ― 農村」と の相関係数はマイナス〇 ・ 一二、第二主成分「活性 ― 停滞」との相関係数はマイナス〇 ・ 一三とこれまで同党が集 票 基 盤 と し て き た「 都 市 + 活 性 」 型 か ら「 農 村 + 停 滞 」 型 に 大 き く シ フ ト し て い る。 こ れ は 言 う ま で も な く、 「 農 村 + 停 滞 」 地 域 の 支 持 を 集 め た た め で は な い。 同 年 の 選 挙 で は 小 沢 一 郎 元 代 表 を 中 心 と し た グ ル ー プ が 野 田 佳彦内閣の社会保障と税の一体改革を巡って離党、日本未来の党を結成した。さらに二〇〇九年に自民党から離 党したみんなの党、地域政党を母体とした日本維新の会といわゆる第三極と呼ばれる新党が登場した。これら三 党 と 第 一 主 成 分「 都 市 ― 農 村 」、 第 二 主 成 分「 活 性 ― 停 滞 」 と の 相 関 係 数 は、 み ん な の 党 ( 〇 ・ 三 六、 〇 ・ 二 六 ) 、

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日 本 未 来 の 党 ( 〇 ・ 一 三、 〇 ・ 一 六 ) 、 日 本 維 新 の 会 ( 〇 ・ 四 九、 〇 ・ 二 七 ) と い ず れ も「 都 市 + 活 性 」 部 に集票基盤を置いている。従来、支持を集めてい た都市部の票をこれら三党に奪われた結果、民主 党は大きく「農村+停滞」型に集票基盤を移した ( 譲 ら ざ る を 得 な か っ た ) こ と が わ か る。 そ の 後 も 依然として民主党は失地を回復できず、二〇一三 年参院選、二〇一四年総選挙ではさらに農村型に 移動している。   二〇一七年総選挙直前、民進党は小池百合子東 京都知事率いる希望の党への合流の是非、可否を めぐって対立、合流しなかった枝野幸男らを中心 に立憲民主党が結成された。図 2を見ると、希望 の党と立憲民主党とでは集票基盤が大きく異なっ ていたことがわかる。二〇一六年参院選における 民進党と比較すると、希望の党の相対得票率と第 一主成分「都市 ― 農村」との相関はより農村型に、 第二主成分「活性 ― 停滞」との相関はより活性型 にシフトしている。一方、立憲民主党は「都市+ 0.6 活性 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 停滞 都市0.6 0.4 0.2 0.0 -0.2 -0.4 -0.6 農村 19 国民 17 希望 16 民進 05 01 10 07 09 03 04 98 00 17 立憲 19 立憲 96 13 14 12 図 2 旧民主系各党の相対得票率と地域特性の相関の変遷

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政治改革以降の政党の集票構造と地域特性に関する実証分析 活性」型に位置しており、政権獲得前の旧民主党とほぼ同じ位置に戻った格好である。旧民進党の支持層、政党 支 持 な し 層 を 奪 い 合 っ た 両 党 だ が、 日 本 労 働 組 合 総 連 合 会 ( 連 合 ) や 強 固 な 後 援 会 な ど の 組 織 票 は 希 望 の 党 が、 逆に都市部の支持なし層は立憲民主党が獲得した結果として解釈できる。さらに二〇一九年参院選では、立憲民 主党、さらに希望の党の大部分の議員が移行した国民民主党は二〇一七年総選挙とほぼ同様の集票基盤を有して いることがわかる。   他党と比べると、民主党さらにはその後継政党にあたる立憲民主党、国民民主党に至るまで集票基盤の変動が 極めて大きいことが指摘できる。同党が強固な支持層を構築することができず、郵政選挙における自民党や第三 極の新党の進出によって都市部や活性地域の票を奪われると、集票基盤が変動せざるを得ない状況が見て取れる。 ③公明党   一九九七年に新進党が解党し、公明党単独としては一九九八年参院選から国政選挙に再参入している。一九九 九年には自民党との連立政権に参画し、民主党政権を挟みながらも二〇年間、協力関係にある。相対得票率と第 一主成分「都市 ― 農村」との間の相関係数を見ると一九九八年から二〇〇一年参院選まで相関係数は〇 ・ 二~〇 ・ 三 と 正 の 相 関 と な っ て お り、 都 市 部 で 票 を 得 て い る こ と が わ か る ( 図 3) し か し な が ら、 僅 か ず つ で あ る が 時 代を追うごとに相関係数は小さくなっていき、ほぼ原点に近い位置に移行し、二〇〇九年総選挙にはついにマイ ナス側、左側の象限に移行していく。つまり、都市部に地盤を置いていた公明党がだんだん農村部に集票基盤を 移していったことがわかる。また、第二主成分「活性 ― 停滞」との相関をみると、二〇〇一年、二〇〇七年の参 院選を除けば、弱い負の相関となっており、やや停滞している地域から集票している。   小 林 ( 一 九 九 七 ) に よ る と、 五 五 年 体 制 に お い て 公 明 党 は 強 い「 都 市 + 活 性 」 型 を 示 し て お り、 本 稿 の 分 析 結

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果とは違いが生じている。この違いは中選挙区制 の下で、公明党は立候補者を当選が見込まれる六 〇人程度に絞り込んでいたことと、全国すべてを 対象とする比例区との違いに拠るものと思われる。   図 3を 見 る と、 原 点 よ り 左 側、 「 農 村 」 型 に 位 置しているのは二〇〇九年、二〇一二年、二〇一 四年、二〇一七年のいずれも衆院選であることが わかる。公明党は連立政権のパートナーである自 民党との間で広範な選挙協力を結び、小選挙区で は自民党候補を推薦する代わりに比例区ではバー ターで自民党からも支援を仰ぐといった比例区に 重点を置いた戦略を採っている。これは参院選の 一人区、二人区でも同様ではあるものの、各選挙 区レベルで接戦度が高い衆院選の方が両党間の選 挙協力の実効性が高まり、公明党比例区票に占め る自民党支持層の票の比率が高まるためではない かと考えられる。 07 01 10 04 98 00 13 19 03 05 16 09 12 14 17 0.6 活性 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 停滞 都市0.6 0.4 0.2 0.0 -0.2 -0.4 -0.6 農村 図 3 公明党の相対得票率と地域特性の相関の変遷

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政治改革以降の政党の集票構造と地域特性に関する実証分析 ④共産党   共産党は第一主成分「都市 ― 農村」との相関係 数 は 一 貫 し て 〇・ 三 か ら 〇・ 六 の 間 に あ る ( 図 4) ま た 二 〇 〇 一 年 参 院 選、 二 〇 一 二 年 総 選 挙 を除けば、第二主成分「活性 ― 停滞」との相関も い ず れ も プ ラ ス で あ り、 「 都 市 + 活 性 」 型 に 集 票 基盤を置いていることがわかる。また、各党の中 でもっとも選挙ごとの変動が小さいことも指摘で きる。 ⑤日本維新の会   第 一 主 成 分「 都 市 ― 農 村 」 と の 相 関 係 数 は 〇 ・ 四 か ら 〇 ・ 五 の 間 に あ り、 第 二 主 成 分「 活 性 ― 停 滞 」 と の 相 関 も プ ラ ス と な っ て い る ( 図 5) 二 〇一二年総選挙の国政進出以来、一貫して「都市 + 活 性 」 型 に 位 置 し て い る。 同 党 は 大 阪 府 議 会、 大阪市議会における地域政党「大阪維新の会」を バックグラウンドに持っているが、二〇一二年に は石原慎太郎東京都知事との連携もあり、主要政 96 00 98 07 09 16 04 01 19 12 17 05 031412 10 0.6 活性 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 停滞 都市0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 農村 図 4 共産党の相対得票率と地域特性の相関の変遷

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党の中でもっとも都市部に集票基盤を置く政党で あった。その後、次世代の党との分党、さらにみ ん な の 党 か ら 離 脱 し た 結 い の 党 と の 合 併 ( 二 〇 一 四 年 ) 、 再 分 裂 ( 二 〇 一 六 年 ) と 選 挙 の 度 に 離 合 集 散を重ねているが、集票基盤に大きな変化はない ことがわかる。同党には強固な支援組織こそない ものの、根強い維新支持層が存在することに加え て、金城湯池である大阪府の他は兵庫県のごく一 部を除くと全国的な支持の広がりに乏しく、集票 が期待できる地域が偏在していることが影響して いるものと考えられる。 (三)  分 ―― の集票構造   分析Ⅱでは、分析Ⅰと同様の手法を用いて、二 〇一九年参院選比例区で議席を獲得した各党の集 票基盤を明らかにする (図 6)   自 民 党 は 第 一 主 成 分「 都 市 ― 農 村 」、 第 二 主 成 分「活性 ― 停滞」の双方ともに負の相関となって 12 13 14 17 16 19 0.6 活性 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 停滞 都市0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 農村 図 5 日本維新の会の相対得票率と地域特性の相関の変遷

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政治改革以降の政党の集票構造と地域特性に関する実証分析 お り、 「 農 村 + 停 滞 」 地 域 に 集 票 基 盤 を 置 い て い ることがわかる。   第一主成分「都市 ― 農村」に注目すると、自民 党 に 準 じ て、 国 民 民 主 党 が 農 村 部 寄 り に 位 置 し、 原点近くの農村部寄りに社民党、都市部寄りに公 明党が、さらに野党第一党の立憲民主党はやや都 市部に集票基盤を置いている。もっとも都市部に 集票基盤を置いているのは、比例区で二議席を獲 得したれいわ新撰組であり、次いでNHKから国 民を守る党、日本維新の会、そして共産党の順と なっている。   「 活 性 ― 停 滞 」 を 表 す 第 二 主 成 分 と の 相 関 係 数 では、NHKから国民を守る党が際立って高い相 関 を 示 し、 次 い で れ い わ 新 撰 組、 国 民 民 主 党 と なっており、その他の野党はほぼ原点近くとなっ ている。公明党は弱い負の相関を示している。   また、立憲民主党と国民民主党はもともと同じ 旧 民 主 党 ( 民 進 党 ) に 起 源 を 持 つ が、 立 憲 民 主 党 は都市部に、国民民主党は「農村+活性」部を中 公明 立憲 共産 維新 れいわ N 国 社民 国民 自民 0.6 活性 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 停滞 都市0.6 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 農村 図 6 2019 年参院選における各党の相対得票率と地域特性の相関

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心に得票しており、両党が異なる集票基盤を有していることがわかる。旧民主党の最大の支持基盤であった連合 に加盟する産業別労組は、両党それぞれ五人ずつに分かれて戦う分裂選挙を余儀なくされた。両党の比例区得票 数は立憲民主党が七九一万票、国民民主党は三四八万票であるが、さらに各産業別労組の組織内候補の個人票に 注目すると、自治労や日教組などを出身とする立憲民主党の五候補者がそれぞれ一〇~一五万票台であるのに対 し、UAゼンセン、自動車総連、電力総連などを出身母体とする国民民主党の候補者はそれぞれ一四~二六万票 を得ており、国民民主党の方が労組票に依存していることがわかる。立憲民主党は労組票の依存度が国民民主党 に比べて低い代わりに、都市部の無党派層を取り込んだ結果が両党の集票基盤の違いとして表れたと考えられる )3 ( 。 (四)分析Ⅲ――得票率変動の分析   分 析 Ⅲ で は、 大 き な 選 挙 結 果 の 変 動 が 起 こ っ た 四 回 の 選 挙 ( 二 〇 〇 一 年 参 院 選、 二 〇 〇 五 年 総 選 挙、 二 〇 〇 九 年 衆院選、二〇一二年衆院選) を特に取り上げ、前回選挙との相対得票率の変動を被説明変数に、各市区町村の主成 分得点「都市 ― 農村」 、「活性 ― 停滞」および二選挙間の投票率変動を説明変数とした重回帰分析を行った )4 ( 。   「 小 泉 ブ ー ム 」 の 下、 自 民 党 が 大 勝 し た 二 〇 〇 一 年 参 院 選 で は、 自 民 党 の 得 票 率 変 動 の 要 因 を 見 る と「 都 市 ― 農 村 」 を 表 す 地 域 特 性 が プ ラ ス に、 「 活 性 ― 停 滞 」 は マ イ ナ ス に 働 い て い る。 二 〇 〇 〇 年 総 選 挙 で は い わ ゆ る 「 一 区 現 象 」 と 呼 ば れ た よ う に、 自 民 党 は 都 市 部 選 挙 区 で 苦 戦 を 強 い ら れ た が、 二 〇 〇 一 年 参 院 選 で は 逆 に 自 民 党が不利とされる都市部で得票を増やしたことを示している。ただしモデルの適合度を示すR二乗値が極めて低 いことから、自民党の得票増が市区町村の地域特性にあまり影響を受けず、全国的な規模でブームが起きていた こ と が わ か る。 ま た、 民 主 党 は「 都 市 ― 農 村 」、 「 活 性 ― 停 滞 」 を 表 す 地 域 特 性 が と も に マ イ ナ ス に 働 い て い る。 さらに投票率変動がプラスに効いていることは、投票率の低下が民主党の得票減をもたらしたことを示している

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政治改革以降の政党の集票構造と地域特性に関する実証分析 (表 2)   郵政選挙の二〇〇五年総選挙と民主党への政権交代が生じた二〇〇九年衆院選とでは全く対照的な結果が出て いる。二〇〇五年衆院選で自民党は「都市 ― 農村」 、「活性 ― 停滞」を表す地域特性、さらに投票率の変動もプラ ス に 働 き、 民 主 党 は い ず れ の 変 数 も マ イ ナ ス と な っ て い る。 従 来、 民 主 党 が 集 票 基 盤 を 置 い て い た「 都 市 + 活 性 」 地 域 で 自 民 党 が 票 を 奪 っ た こ と が わ か る。 ま た、 投 票 率 は 六 七 ・ 五 % と 二 〇 〇 四 年 参 院 選 と 比 べ て 一 〇 % 以 上も高いものとなったが、投票率の上昇分がそのまま自民党への投票につながったことがわかる (表 3)   二〇〇九年総選挙では民主党が三つの説明変数全てで正の係数となっており、自民党は「都市 ― 農村」 、「活性 ― 停滞」を表す地域特性が負の係数となっている。二〇〇五年総選挙で自民党に奪われた票を民主党がそのまま 取り返した格好となっている。二〇〇四年参院選から二〇〇九年総選挙にかけての時期は「都市+活性」地域の 票をめぐって、自民、民主両党が獲得競争を行い、その成否がそれぞれの選挙における地滑り的勝利につながっ たと解釈できる (表 4)   自民党が政権復帰を果たした二〇一二年総選挙では、民主党が「都市 ― 農村」 、「活性 ― 停滞」を表す地域特性 が マ イ ナ ス に、 投 票 率 は プ ラ ス に 影 響 し て い る。 つ ま り、 「 都 市 + 活 性 」 地 域 の 票 を み ん な の 党 や 日 本 維 新 の 会 な ど に 奪 わ れ た こ と が わ か る。 さ ら に、 二 〇 〇 九 年 総 選 挙 か ら 二 〇 一 二 年 総 選 挙 で は 投 票 率 が 九 ・ 九 % 下 落 し て いるが、棄権分はそのまま民主党が失った票であると言える。一方、自民党は「都市 ― 農村」のみが弱いマイナ スの係数となっているが、二〇〇一年と同じくR二乗値が低いことから、市区町村の地域特性にあまり影響を受 けていなかったことがわかる (表 5)

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自民党 民主党 B β t 値 B β t 値 都市―農村 .009 .173    7.357*** −.021  −.490  −23.843*** 活性―停滞 −.006  −.119  −5.035*** −.008  −.183  −8.937*** 投票率変動 −.005  −.069  −2.920*** .005 .073 3.547*** 定数項 .111 93.903 −.058  −65.740 調整済み R2 乗値 .048 .278 *** p<.001; ** p<.01; * p<.05; ^ p<.1 表 2 00 衆―01 参の得票率変動の決定要因 自民党 民主党 B β t 値 B β t 値 都市―農村 .044 .576 34.667*** −.021  −.412 −20.007*** 活性―停滞 .019 .254 15.351*** −.008  −.165 −8.051*** 投票率変動 .378 .203 11.696*** −.222  −.179 −8.305*** 定数項 .002 0.552 −.019  −6.970 調整済み R2 乗値 .538 .290 表 3 04 参―05 衆の得票率変動の決定要因 *** p<.001; ** p<.01; * p<.05; ^ p<.1 自民党 民主党 B β t 値 B β t 値 都市―農村 −.031 −.509 −28.114*** .015 .365 17.599*** 活性―停滞 −.023 −.370 −20.400*** .011 .263 12.634*** 投票率変動 −.043 −.015 −0.848 .133 .072 3.452** 定数項 −.080 −54.048 .095 83.306 調整済み R2 乗値 −.393 .205 *** p<.001; ** p<.01; * p<.05; ^ p<.1 表 4 05 衆―09 衆の得票率変動の決定要因 自民党 民主党 B β t 値 B β t 値 都市―農村 −.005 −.187 −8.102*** −.022 −.388 −20.011*** 活性―停滞  .000  .004  0.162 −.023 −.413 −21.530*** 投票率変動 −.031 −.038 −1.625  .100  .062 3.165** 定数項  .011 5.294 −.227 −66.693 調整済み R2 乗値  .038  .321 *** p<.001; ** p<.01; * p<.05; ^ p<.1 表 5 09 衆―12 衆の得票率変動の決定要因

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政治改革以降の政党の集票構造と地域特性に関する実証分析 四   おわりに   最後に分析の結果得られた知見を整理し、本稿の結びとしたい。   小 林 ( 一 九 九 七 ) に よ る 五 五 年 体 制 下 に お け る 地 域 特 性 と 政 党 の 集 票 基 盤 と の 関 係 を 示 し た 分 析 と 同 様、 政 治 改革以降も自民党は依然として「農村+停滞」地域を集票基盤としている。唯一の例外は二〇〇五年総選挙であ り、この時の選挙は郵政民営化の是非を問う争点選挙となったことで、特に「都市+活性」地域を中心とした一 時的なブームが生じたことが窺える。   一 方、 野 党 第 一 党 の 民 主 党 は 地 域 特 性 と の 関 係 は 毎 回 大 き く 変 化 し、 「 都 市 + 活 性 」 地 域 の 取 り 込 み の 成 否 が そ の ま ま 選 挙 戦 の 帰 趨 に 影 響 し た。 二 〇 一 二 年 総 選 挙 で は 同 党 の 分 裂 や 新 党 の 参 入 に よ り、 「 都 市 + 活 性 」 部 の 票 を 奪 わ れ た 結 果、 「 農 村 + 停 滞 」 地 域 に 集 票 基 盤 が 移 る 結 果 と な っ て い る。 ま た、 同 じ 民 主 党 を 源 流 と し な が らも、立憲民主党はかつての民主党に近いが、希望の党、国民民主党は「農村+活性」地域に依拠しており、全 く異なる集票基盤を持っている。   二〇〇五年総選挙、二〇〇九年総選挙では自民、民主両党による「都市+活性」地域票をめぐる競争、投票率 上昇に伴う支持なし層の取り込みの成否が選挙結果に影響した。しかしながら、二〇〇一年参院選では全国的な 規 模 で「 小 泉 ブ ー ム 」 が 起 き た た め に、 二 〇 一 二 年 総 選 挙 で は 自 民 党 の 得 票 率 に 大 き な 変 化 が な か っ た も の の、 野党側の分裂に助けられたために地域特性の影響はあまり見られない。   最後に本稿における分析の課題を示す。第一に、政党研究の観点から、本稿の分析は「政党がどの地域で票を 得 た か 」 と い う 各 党 の 選 挙 運 動 や 選 挙 戦 略 の〝 帰 結 〟 と し て の 選 挙 結 果 を 地 域 特 性 か ら 示 し た も の と も 言 え る。 こうした帰結をもたらした政党・候補者の選挙組織、選挙戦略を今後併せて検討していく必要がある。第二に投

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票行動研究の観点からは、社会経済構造を示す地域特性による分析は、マクロの長期的な変数による選挙結果の 説明に留まっている。例えば「なぜ都市部の有権者は二〇〇五年総選挙で自民党を支持し、二〇〇九年総選挙で 民主党を支持したのか」といった選挙結果や投票行動が変化した原因を地域特性から説明することには限界があ る。   いずれにせよ、本稿は、市区町村別の社会・経済的な変数といったアグリゲートなデータを用いて、政治改革 以降の政界再編に伴う政党の集票基盤の変化と継続を明らかにすることを企図したものである。 ( 1)   地域特性に関する理論とモデルについては、小林(二〇〇〇)第三章を参照。 ( 2)   各 市 区 町 村 の 地 域 特 性 の デ ー タ セ ッ ト 作 成 に あ た っ て は、 愛 知 学 院 大 学 総 合 政 策 学 部 森 正 ゼ ミ・ デ ー タ ベ ー ス パートの諸君の協力を得た。 ( 3)   二〇一九年参院選における連合の組織内候補者は以下の通り(括弧内は出身の産別) 。 【 立 憲 民 主 党 】  岸 真 紀 子( 自 治 労 ) 一 五 七、 八 四 九 票、 水 岡 俊 一( 日 教 組 ) 一 四 八、 三 〇 九 票、 小 澤 雅 仁( J P 労 組)一四四、 七五一票、吉川沙織(情報労連)一四三、 四七二票、森屋隆(私鉄総連)一〇四、 三三九票。 【国民民主党】   田村麻美(UAゼンセン)二六〇、 三二四票、礒崎哲史(自動車総連)二五八、 五〇七票、浜野喜史 (電力総連)二五六、 九三五票、石上俊雄(電機連合)一九二、 五八六票、田中久弥(JAM)一四三、 四九二票。 ( 4)   なお、二〇〇九年総選挙については二〇〇五年総選挙との変動を、同じく二〇一二年総選挙では二〇〇九年総選 挙との変動をそれぞれ被説明変数としている。二〇〇九年総選挙の直前の選挙にあたる二〇〇七年参院選はいずれも 民主党が、二〇一二年総選挙に先立つ二〇一〇年参院選はいずれも自民党が勝利しており、二選挙間の得票率変動が 小さいため、上述の措置を取ることとした。

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政治改革以降の政党の集票構造と地域特性に関する実証分析 参考文献 浅 羽 祐 樹( 二 〇 〇 九 )「 韓 国 に お け る 政 党 シ ス テ ム の 変 容 ― 地 域 主 義 に 基 づ く 穏 健 多 党 制 か ら 二 大 政 党 制・ 全 国 政 党 化 へ ― 」『山口県立大学学術情報』二号、一六 ― 二九頁。 梅川正美(二〇〇八) 『サッチャーと英国政治(三) ― 新保守主義の検証 ― 』成文堂。 大西裕(二〇〇〇) 「落選運動はなぜ成功したのか ― 韓国における圧力団体とメディア ― 」『季刊行政管理研究』九一号、 五三 ― 六七頁。 加藤元宣(二〇〇二) 「小選挙区の地域特性に基づく二〇〇〇年衆院選の分析」 『選挙研究』一七号、一五四 ― 一七〇頁。 蒲島郁夫(一九九二) 「八九年参院選 ― 自民大敗と社会大勝の構図 ― 」『レヴァイアサン』一〇号、七 ― 三一頁。 小林良彰(一九八五) 『計量政治学』成文堂。 小林良彰(一九九七) 『現代日本の政治過程 ― 日本型民主主義の計量分析 ― 』東京大学出版会。 小林良彰(二〇〇〇) 『選挙・投票行動』東京大学出版会。 小林良彰・堤英敬(二〇〇〇) 「一九九八年参院選における投票行動と地域特性」 『選挙』五三巻四号、八 ― 一二頁。 増田正(二〇〇一) 『現代フランスの政治と選挙』芦書房。 松 本 俊 太( 二 〇 〇 九 )「 ア メ リ カ 連 邦 議 会 に お け る 二 大 政 党 の 分 極 化 と 大 統 領 の 立 法 活 動( 一 )」 『 名 城 法 学 』 五 八 巻 四 号、一六九 ― 一九六頁。 森 正 ( 二 〇 〇 二 )「 二 〇 〇 一 年 参 議 院 選 挙 の 分 析 ― 小 泉 人 気 と 投 票 行 動 ― 」『 情 報 社 会 政 策 研 究 』 五 巻 一 号 、 三 九 ― 五 八 頁 。 森正(二〇〇九) 「小泉政権下の有権者意識」 『総合政策研究』一一巻二号、三一 ― 四九頁。 森正(二〇一二) 「地域政党と地方選挙 ― 二〇一一年愛知・名古屋トリプル選挙・名古屋市議会議員選挙の分析 ― 」『公 共選択』五八号、四五 ― 六四頁。 Hopkins, David A., Red Fighting Blue: How Geography and Electoral Rules Polarize American Politics, Cambridge:

Cambridge University Press, 2017.

Turner, Frederick Jackson, The United States, 1830-1850: The Nation and Its Sections, Gloucester, Mass.: Peter Smith, 1958.

参照

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