山梨英和大学に対する大学評価(認証評価)結果
Ⅰ 評価結果 評価の結果、貴大学は本協会の大学基準に適合していると認定する。 認定の期間は2017(平成29)年3月31日までとする。 Ⅱ 総 評 一 理念・目的の達成への全学的な姿勢 貴大学は、1889(明治 22)年に発足した山梨英和女学校を起源とし、1966(昭和 41)年に設置された山梨英和短期大学を経て、2002(平成 14)年に人間文化学部人間 文化学科の1学部1学科の4年制大学として山梨県甲府市横根町に開学し、開学2年 後には、県内唯一の臨床心理士養成大学院として大学院人間文化研究科臨床心理学専 攻(修士課程)を開設するに至っている。 「キリスト教の信仰に基づく人間形成の教育」を理念とし、「キリスト教的精神を 基礎とする国際性を特色とし、地域社会に貢献するとともに国際的に活動できる人材 を育成する」ことを教育目標に掲げ、教育・研究活動を行っている。 これらの理念・目的、教育目標は、大学案内やホームページなどを通じて周知を図 っているものの、今後も学生や教職員、受験生を含む社会一般の人々が理解しやすい よう、より一層の努力を期待したい。 貴大学では、教員組織と事務組織との連携・協力関係を図り、大学改革に取り組ん でいることがうかがえるが、学部・研究科それぞれのファカルティ・ディベロップメ ント(FD)活動が不十分な点や退学者率が高い点など、今後検討されることを期待 したい。 二 自己点検・評価の体制 開学した 2002(平成 14)年度に、「山梨英和大学自己点検・評価規程」を制定し、 これに基づいて自己点検・評価委員会を組織し、教育・研究活動および管理運営の現 状について自己点検を積極的に進めている。特に、2008(平成 20)年度には今回の大 学評価受審を前提として、改善すべきところは改善の努力をしていることが、各所に うかがえる。2009(平成 21)年7月 24 日付けで「山梨英和大学自己点検・評価規程」 を改定し、委員会の構成・任務、結果の公表および改善への取り組み、外部評価等の 項目が新たに盛り込まれており、第三者的立場(外部有識者)からの検証が実現できるよう改善している。今後も、大学全体で自らの組織について点検・改善を促すよう な組織作りに向けて努力することを期待したい。 三 長所の伸張と問題点の改善に向けての取り組み 1 教育研究組織 貴大学が目指す「人間文化学の充実と発展」のために、個々の専門が相互に開かれ た学問として展開できることを目的に、1学部1学科を開設し、建学の精神からキリ スト教関連行事および諸活動を行うチャペルセンター、地域社会に開かれた生涯学習 を運営するエクステンションセンター、国際交流に関連した活動を行う国際交流セン ターなどを整備している。また、貴大学の研究科は県内唯一の臨床心理士養成大学院 として開設され、特に心理臨床センターは、大学院学生の臨床教育組織の一端である と同時に、地域に開かれた相談援助活動の場として活用されている。 2 教育内容・方法 (1) 教育課程等 人間文化学部 建学の理念を核とし、「キリスト教的精神を基礎とする国際性を特色とし、地域社会 に貢献するとともに国際的に活動できる人材を育成する」という教育目標のもと、「共 通教育科目」と「専門科目」からカリキュラムを編成している。また、「人間文化学」 という1学部1学科の中に3つの異なる学問分野(心理カウンセリング、情報メディ ア、表現文化)を配置することで、専攻の枠に縛られることなく横断的に広く学ぶこ とができるようになっている。 2009(平成 21)年度からの新カリキュラムでは、従来の「共通教育科目」「専門科 目」を、初年次教育・導入教育実施のための「基礎科目群」、専門に向けてのベースと なる「基盤科目群」ならびに「専門科目群」の3種類に大別したことは、留学生や基 礎学力差がある多様な学生に対し、専門教育への導入を円滑に行う上で適切である。 また、7コース(「総合人間文化コース」「心理臨床コース」「心理社会コース」「情報 システムコース」「ビジネス・コミュニケーションコース」「英語・英語圏文化コース」 「日本語・日本文化コース」)を設け、履修モデルの提示やガイダンスによってコース 選択を指導しているが、学生にコース履修の方針を周知徹底することが望まれる。 なお、2009(平成 21)年度編入学生が同年度新入学者用の新カリキュラムの授業を 受講していることについては、体系的学修の観点から、改善が望まれる。 人間文化研究科 「キリスト教の信仰に基づく精深な学識を授け、専攻分野における研究能力または
高度の専門性を要する職業等に必要な能力を養い、併せて国際的視野に立つ指導者と してのよりよき社会人を育成することを目的とする」ことを教育目標として、基幹科 目群、臨床科目群、研究科目群に分けてカリキュラムを組んでいる。また、幅広い領 域における臨床心理士を養成するため、「教育現場心理職」「福祉現場心理職」「医療現 場心理職」「臨床心理学研究職」を履修モデルとして挙げている。2009(平成 21)年 度からは「企業現場心理職」において必要とする技法を学ぶ科目「心理療法特論Ⅳ(来 談者中心療法)」および「心理療法特論Ⅴ(行動療法)」が新設されており、臨床心理 士の各職域に配慮した開講科目となっている。 しかし、社会人学生が多数在籍しているので、これらの学生に配慮した取り組みの 検討が望まれる。 (2) 教育方法等 人間文化学部 履修指導については、新入生対象および在学生各学年別対象の一斉オリエンテーシ ョンを実施し、導入教育を行う「教養演習」は専任教員が行っている。さらに、留学 生には留学生対象のクラスを編成している。 1年間に学生が履修できる単位の上限は 40 単位に設定し、学生による授業評価は、 毎年度前期と後期の2回、全授業科目を対象に実施し、その集計結果を学生に公表し ている。 シラバスの記述項目は統一されているが、全体的に授業計画などの情報量が絶対的 に少なく、成績評価基準が明示されていないので、客観性や厳格性を確保するために も、改善が望まれる。また、定期試験を行わず代替レポートで評価する授業が7割も あることやセメスター制を導入しているにも関わらず、学生への成績通知が遅いこと は改善が望まれる。 人間文化研究科 財団法人日本臨床心理士資格認定協会による「臨床心理士養成新Ⅰ種指定大学院」 の認定を受け、臨床心理士資格認定試験合格者を多数輩出し、修了生の多くが心理関 連職として地元の病院や企業に就職しており、地域に貢献している。履修指導は入学 時から組織的に実施され、修士論文の研究指導および実習中のスーパービジョンとも に個別指導で行われ、学生に対する指導はきめ細やかである。 また、厳格な成績評価を行うため、複数の評価指標をシラバスに明記し、多面的観 点からの成績評価を行っている。さらに、複数の教員が担当するオムニバス形式の科 目にあっては、原則として各教員が出した成績評価の平均値を採用するが、必要に応 じて合議を実施している。しかし、シラバスに1年間の授業および研究方法や計画を
明示していない点について、改善が望まれる。 なお、大学院独自のFD活動は 2009(平成 21)年度から始まったばかりで、研究発 表にとどまっており、授業および研究指導の内容・方法の改善の場になるよう工夫が 必要である。 (3) 教育研究交流 人間文化学部 国内交流は、2008(平成 20)年度から山梨県内の5大学および2短期大学で構成す る「大学コンソーシアムやまなし」主催の単位互換事業に参加している。 国際交流は国際交流センターが担当し、海外 14 校と相互交流に関する協定書を締結 している。留学生受け入れのための夏期研修プログラムや留学生サポートのための宿 泊を伴った学外研修会を行い、2008(平成 20)年度からは中国籍および韓国籍の留学 生対応のため、それぞれのネイティブ教員を採用して支援教育体制の充実化を図って いる。また、相互交流協定校への短期(2週間)・中期留学(15 週間)や認定留学制 度(協定校以外への留学)を設けて留学生を派遣している。 しかし、貴大学が掲げる「本学院のルーツであるカナダ並びにアジア地域を中心と した教育機関との学生及び教員の相互交流を一層展開し、国際社会において活動でき る人材育成に貢献する」という教育目標に対し、受け入れ留学生の人数に比べて、留 学する学生が少なく、学内での留学生と学生の交流機会、授業も少ないので、今後の 改善が望まれる。なお、中期留学制度において、15 週間の語学研修とボランティアで 20 単位を認定していることは、単位制の趣旨に照らして、改善が望まれる。 人間文化研究科 ほとんどの大学院学生が日本心理臨床学会に入会し、年次大会やワークショップ、 心理臨床研究集会および心理臨床研修会に参加している。教員同士での研究交流は積 極的に行われているが、大学院学生も入れての研究活動や交流がより活発になること を期待する。また、大学院学生の研究活動は国内が多いので、今後は留学や国際学会 を視野に入れた研究活動や交流も望まれる。 (4) 学位授与・課程修了の認定 人間文化研究科 学位授与基準や研究指導体制については、「大学院学生便覧」に明示されている。修 士課程の修了要件は「大学院に2年以上在学し、30 単位以上を修得し、必要な研究指 導を受けた上、修士論文の審査及び最終試験に合格すること」と大学院学則に明記さ れている。修士論文の審査では、複数審査体制のもとで行う査読および口頭試問なら
びに合議制による最終決定を経て審査するシステムとなっている。しかし、「学位審査 の客観性をより高めるべく、査読のある学内紀要に修了生全員の論文を毎年度掲載し、 学外への発表を通じて評価を受ける環境作りを実現する。」という貴研究科が掲げる到 達目標は、学生に明示されていない。また、査読の結果、紀要に掲載された論文数は 学位授与数より少ないので、研究科全体の課題として検討することが望まれる。さら に、学位論文審査基準の学生への明示が不十分であるので、改善が望まれる。 3 学生の受け入れ 大学・学部および研究科はその理念・教育目標に応じて多様な学生募集活動や入学者 選抜方法を行い、学生の受け入れのあり方は入試委員会および教授会において検証さ れている。 入学者選抜結果の公正性・妥当性を確保するために試験結果および合否判定基準を すべて点数化するシステムを導入しているものの、受験生への成績開示および合格判 定基準の公表は実施されておらず、早急な改善が望まれる。 人間文化学部の過去5年の入学者数は定員を満たしておらず、退学者数も6%前後 と高いため、在籍学生数も収容定員を下回っている。担当教員による「アドバイザー 制度」を設けているが、「教員間の役割に対する共通理解が不十分」にならないよう改 善が望まれる。 人間文化研究科における過去5年の入学定員に対する入学者数比率、収容定員に対 する在籍学生数比率は充足している。また、2008(平成 20)年度から内部からの進学 希望者についても一定の基準を定めて、特別入学試験を課し、2008(平成 20)年度の 内部進学率は 21%であった。 4 学生生活 特待生制度、奨学金制度および外国人留学生授業料減免制度の3種類の経済的支援 があり、学部生および大学院学生の健康管理体制として保健室、心理相談体制として 学生相談室が設置されている。また、セクシュアル・ハラスメント防止およびアカデ ミック・ハラスメント防止に関する規程、委員会、窓口があり、広報も適切に行われ ている。 進路支援室が中心となり、「進路登録カード」「キャリアデザインノート」など具体 的な進路支援で学生の就職支援を行っている。全般的に学生の経済的支援、生活支援、 進路支援に努めている。 5 研究環境 「キリスト教的精神に基づく国際的視野に立つよりよき社会人としての人間形成」
を教育目標に掲げながら、教員における国際的な教育交流に関する基本方針は未策定 の状況である。2003(平成 15)年度に「山梨英和大学共同研究規程」を制定し、在外・ 内地研究員制度や研究費が保証されているのにも関わらず、過去5年間の業績では、 それぞれの分野での研究発表があるだけで、学際的な研究成果は上げられていない。 また、提出された資料によると、研究活動が低調な教員が散見されるので改善が望ま れる。 科学研究費補助金の採択も十分とはいえず、在外・内地研究員制度の活用や 2008(平 成 20)年度から開始したFD研究会の活性化を期待したい。 6 社会貢献 大学の施設を市民へ開放するほか、音楽会やクリスマスツリー点火祭への地域住民 の参加を呼びかけたり、チャペルセンターとともに企画運営を担う2つの学生グルー プがボランティア活動および慰問活動を行っている。また、エクステンションセンタ ーは「メイプルカレッジ」(有料全 50 講座)を実施し、「表現文化講演会」「臨床心理 講演会」を毎年度主催している。山梨県が実施する市民向け講座「県民コミュニティ ーカレッジ」に協力し、「大学コンソーシアムやまなし」の生涯学習事業にも参画して いる。特に大学院は、心理臨床センターによる相談援助活動(有料)のほか、臨床心 理学領域の活動がさらなる連携やプロジェクトにつながっている。 7 教員組織 専任教員数は、大学設置基準を満たし、専任教員1人あたりの学生数との関係から も、教員組織を適切に整備しているが、年齢構成に偏りがあるので、今後の採用計画 などにおいて、改善の努力が望まれる。なお、教員の任免、昇格の基準と手続きは明 文化されている。 教員の授業負担に偏りがみられるが、情報処理関連の科目には、ティーチング・ア シスタントとしてクラスごとに2名の大学院学生を配置し、また、「心理学実験演習 1・2」では、助教2名がサポートを行っている。 8 事務組織 「教学組織と事務組織がそれぞれの特性を生かしつつ、連携協力関係を相乗効果的 に強化できるシステムを構築し、効率的な運営を目指す」という到達目標のもと、教 学組織と事務組織が連携して業務を遂行しているが、事務職員数が少なく、学生サー ビスや教育・研究支援の低下が見受けられる。「教学に関わる事務組織体制は、専任職 員の数と習熟度からみても決して十分であるとはいえない」と貴大学も問題を認識し ているので、今後の改善に期待したい。
9 施設・設備 校地面積および校舎面積は大学設置基準を満たし、バリアフリー化に向けて現在も 取り組んでいるが、視覚および聴覚障がい者に対するハード面での配慮はまだ十分で はない。 施設管理の責任体制、衛生確保のシステムについては、日常対応しているスタッフ の専門性が未熟であること、不測の事態への迅速かつ的確な対応が不備であること、 夜間および休日時の有事対応が十分でないなど課題が散見される。 また、大学院学生の人数に比し、共同研究室のパソコンの台数が少ないこと、イン ターネットへの接続が不自由なことなど、大学院学生の研究環境の改善が望まれる。 10 図書・電子媒体等 貴大学附属図書館は、国立情報学研究所のGeNiiやほかの図書館とのネットワ ークも整備され、2008(平成 20)年度から新図書館管理システムNeoCILIUS によって管理されており、利用者へのサービスは充実している。また、利用者教育と して新入生へのガイダンスなども実施されている。さらに、図書館は県内の住民およ び就業・就学者を対象に開放を実現している。 図書館の閲覧座席数は全学収容定員の 12.7%にあたり、図書館の開館時間は月曜か ら金曜の午前9時から午後8時までであり、最終授業終了後も学生は図書館で学習す ることが可能であるが、土日・祝日の開館や情報機器、蔵書の充実については今後、 検討が望まれる。 11 管理運営 「大学学則」「大学教授会規程」「大学院学則」を整備し、「学部教授会」の他に、「大 学運営委員会」「大学運営協議会」および「大学院研究科委員会」を設置し、それぞれ の規程に基づいて管理・運営を行っている。 しかし、組織の意思決定において、構成員が複数の諸会議に重複して参集し審議す るプロセスをとることが合理的であるかを検討するとともに、意思疎通を図りながら 適切に運営するよう、今後に期待したい。 12 財務 貴大学においては、2002(平成 14)年度に短期大学から4年制大学に改組転換し、 さらに 2004(平成 16)年度には大学院を設置し、教育・研究体制の整備が図られた。 その影響から、借入金返済とそれに伴う基本金組み入れ負担が大きくなり、ほぼ毎年 度消費支出超過の状態が続いており、帰属収入に対する翌年度繰越消費支出超過額の 割合が漸増傾向にある。また、「要積立額に対する金融資産の充足率」も同様の傾向で
ある。 各年度の財務状況を関係比率で見ると、「その他系―その他学部を設置する私立大 学」の平均と比べ、人件費比率、補助金比率、帰属収支差額比率など消費収支計算書 関係比率はおおむね良好である。一方、自己資金構成比率、総負債比率、基本金比率 など貸借対照表関係比率は見劣りする値となっている。 健全な財政基盤の維持を目指して掲げられている学生生徒等納付金、補助金などの 確保策と、人件費、施設設備費などの抑制策について、引き続き留意する必要がある。 なお、監事および監査法人監査は適切かつ客観的に行われており、監事による監査 報告書では、学校法人の財産および業務執行に関する監査の状況が適切に示されてい る。 13 情報公開・説明責任 2003(平成 15)年度から開始した自己点検・評価の結果は報告書として刊行し、外 部にも公表している。しかし、公表対象は限られており、在学生または保護者が学内 で自由に閲覧できず、配布対象になっていない。また、学外の公表対象大学も限られ ている。今回の自己点検・評価の結果は、冊子体に加え、ホームページでも公開する予 定であるので、その実現を求めたい。 財務情報については、学院広報誌『メイプルニュース』および学院ホームページにお いて、収支計算書(資金、消費)および貸借対照表に簡単な説明を加えて掲載し、学生、 保護者、教職員および社会に向けて公開されていることは適切である。貴大学の「点検・ 評価報告書」で述べているとおり、今後は、貴大学に対する的確な理解を得るために、 財産目録、事業報告書および監事監査報告書においても広く公表することが望まれる。 Ⅲ 大学に対する提言 総評に提示した事項に関連して、特に改善を要する点を以下に列挙する。 一 助 言 1 教育内容・方法 (1) 教育課程等 1) 人間文化学部の 2009(平成 21)年度3年次編入学生に対し、2009(平成 21) 年度に改正した新入学生対応の新カリキュラムを受講させていることは、体系 的学修の点から、改善が望まれる。 2) 人間文化研究科において、2008(平成 20)年度の在籍学生のうち、40%が就業 中または就業経験者であることを考慮すると、教育課程や時間割編成上の特別 な配慮がなされていないので、改善が望まれる。
(2) 教育方法等 1) 人間文化学部、人間文化研究科のシラバスは、記載内容に精粗があり、授業計 画や成績評価基準が明示されていないので、改善が望まれる。 2) 人間文化研究科のFD活動が、教員の研究発表にとどまっているので、授業お よび研究指導の内容・方法の改善を図るために組織的に取り組まれることが望 まれる。 (3) 教育研究交流 1) 「国際社会において活動できる人材育成」という目標の達成に向け、留学生の 受け入れだけでなく、双方向での交流となるよう改善が望まれる。大学院にお いても、教員と大学院学生との研究交流が活発になり、大学院学生の研究や研 究交流が国際性を意識した活動になることが望まれる。 2) 中期留学制度(カナダにおける 15 週間の研修とボランティアワークなど)にお いて、20 単位と学修時間に比して過分な単位を認定していることは、単位制の 趣旨に照らして、改善が望まれる。 (4) 学位授与・課程修了の認定 1) 学位論文審査基準の学生への明示が不十分であるので、大学院履修要項などに 明示することが望まれる。 2 研究環境 1) 提出された資料によると、研究活動が低調な教員が散見されるので、研究活動 のさらなる活性化を図り、継続性を確保するよう改善が望まれる。また、在外・ 内地研究員制度が活用できていないので、制度を利用できるよう研究環境を整 えることが望まれる。 3 教員組織 1) 専任教員の年齢構成において、51~60 歳の割合が 34.3%と多いので、全体的な バランスを保つよう、今後の教員採用計画などにおいて、改善の努力が望まれ る。 4 施設・設備 1) 大学院学生用のパソコンの台数が大学院学生の数に比して不足していること、 インターネットへの接続が不自由なことなど、大学院学生の研究環境に問題が みられるので改善が望まれる。
5 財務
1) 今後、学生数の確保による学生生徒等納付金収入の増により、単年度における安 定した財政基盤の強化を図るとともに、繰越消費支出超過額を解消することが求 められる。
貴大学より 2009(平成 21)年1月 15 日付文書にて、2009(平成 21)年度の大学評価(認 証評価)について申請された件につき、本協会大学評価委員会において慎重に評価した結果 を別紙のとおり報告します。 本協会では、貴大学の自己点検・評価を前提として、書面評価と実地視察等に基づき、貴 大学の意見を十分に斟酌した上で、評価結果を作成いたしました。提出された資料(山梨英 和大学資料1)についても、不明な点や不足分があった場合には、直ちに連絡するように努 め、また評価者には、経験豊富な者を中心に正会員より推薦いただいた評価委員登録者をあ てるとともに、評価者研修セミナー等を通じてそれぞれの質の向上を図るなど、万全を尽く してまいりました。 その上で、貴大学の評価を担当する分科会のもとで、本協会が設定している「大学基準」 への適合状況を判定するための評価項目について、提出された資料や実地視察に基づき、慎 重に評価を行いました。 (1) 評価の経過 まず書面評価の段階では、分科会を構成する主査および各委員が、それぞれ個別に評価所 見を作成し、これを主査が中心となって1つの分科会報告書(原案)に取りまとめました。 その後各委員が参集して、大学評価分科会を開催し(開催日は山梨英和大学資料2を参照)、 分科会報告書(原案)についての討議を行うとともに、それに基づいて再度主査が分科会報 告書(案)を作成いたしました。財務の評価については、大学財務評価分科会の下部組織で ある部会で第一次的な検討を行って部会報告書を取りまとめました。その後、8月3日に大 学財務評価分科会を開催し、部会報告書について討議を行い、それに基づいて主査が分科会 報告書(案)を作成いたしました。その後、各分科会報告書(案)を貴大学に送付し、それ をもとに 10 月2日に実地視察を行いました。 実地視察では、各分科会より付された疑問等について聴取し実状を確認するとともに、意 見の交換、学生へのヒアリング、施設・設備の視察などを実施し、これらに基づいて主査が 分科会報告書(最終)を完成させました。 同報告書(最終)をもとに大学評価委員会正・副委員長・幹事会で作成した「評価結果」 (委員長案)を大学評価委員会で審議し、「評価結果」(委員会案)として貴大学に送付しま した。その後、同委員会案については、意見申立の手続きを経て大学評価委員会で「評価結 果」(最終案)とし、その後理事会、評議員会の承認を得、最終の「評価結果」が確定いた しました(「山梨英和大学資料2」は、ご参考までに今回の評価の手続き・経過を時系列で 示したものです)。 なお、「評価結果」は、学校教育法に定める認証評価の結果という性格も有することから、
(2) 「評価結果」の構成 貴大学に提示する「評価結果」は、「Ⅰ 評価結果」、「Ⅱ 総評」、「Ⅲ 大学に対する提 言」で構成されています。 「Ⅰ 評価結果」には、貴大学が「大学基準」に適合しているか否かを記しています。 「Ⅱ 総評」には、貴大学の理念・目的・教育目標とその達成状況等を示した「一 理念・ 目的・教育目標の達成への全学的な姿勢」、貴大学の自己点検・評価のしくみとそれがどの ように機能しているかを示した「二 自己点検・評価の体制」、「大学基準」の充足状況につ いて貴大学の長所と問題点を整理した「三 長所の伸張と問題点の改善に向けての取り組 み」を含んでおります。 「Ⅲ 大学に対する提言」は、「長所として特記すべき事項」、「勧告」、「助言」で構成さ れます。「長所として特記すべき事項」は、大学がその特色ある優れた取り組みをさらに伸 張するために示した事項です。ただし、その取り組みがいかに優れたものであっても、一部 の教員のみによる事例や、制度の設置・仕組みの整備だけで成果が確認できない場合につい ては基本的に指摘から除外しております。 「勧告」は法令違反など大学としての最低要件を満たしていない、もしくは改善への取り 組みが十分ではないという事項に対し、義務的に改善をもとめたものです。「勧告」事項が 示された大学においては、同事項に誠実に対応し、早急にこれを是正する措置を講じるとと もにその結果を改善報告書として取りまとめ、原則として 2013(平成 25)年7月末日まで にこれをご提出いただきたく存じます。 一方、「助言」は、大学としての最低要件は満たしているものの、理念・目的・教育目標 の達成に向けた一層の改善努力を促すために提示するものです。「助言」についても「勧告」 同様、改善報告がもとめられるものの、それらにどのように対応するかは各大学の判断に委 ねられております。この点で「勧告」と「助言」の性格は異なっております。 また、今回提示した各指摘は、貴大学からの申請資料に基づく書面評価に加えて、実地視 察ならびに意見申立といった手続きを踏んだ上で導き出したものであり、可能なかぎり実態 に即した指摘となるよう留意したことを申し添えます。 山梨英和大学資料1―山梨英和大学提出資料一覧 山梨英和大学資料2―山梨英和大学に対する大学評価のスケジュール
資 料 の 名 称 (1) ・2008年度学生募集要項等資料 ①指定校制推薦入学 ②公募制推薦入学、一般入学、センター試験利用入試 ③山梨英和高等学校特別推薦入学 ④AO入試 ⑤各種特別選抜、各種編入学 ⑥大学院一般入試 ⑦大学院内部特別試験 ⑧入試ガイド ⑨オープンキャンパスブック (2) ・大学案内(「Y.E.C GUIDE BOOK 2008」) (3) ・SYLLABUS 2008 ・2008年度大学院学生便覧 ・CAMPUS GUIDE 2008 (4) (SYLLABUS 2008及び2008年度大学院学生便覧内に掲載) (5) 規程集 ・学校法人山梨英和学院規程集 (6) 各種規程等一覧(抜粋) ・学校法人山梨英和学院規程集(抜刷) ① 山梨英和大学学則 山梨英和大学大学院学則 山梨英和大学学位規程 ② 山梨英和大学教授会規程 山梨英和大学大学院研究科委員会規程 学校法人山梨英和学院教学協議会規程 学校法人山梨英和学院経営協議会規程 山梨英和学院予算編成委員会規程 学校法人山梨英和学院組織規程 山梨英和大学運営委員会規程 山梨英和大学運営協議会規程 山梨英和大学宗教委員会規程 山梨英和大学附属図書館運営委員会規程 山梨英和大学紀要委員会規程 山梨英和大学教務委員会規程 山梨英和大学共通科目委員会規程 山梨英和大学教職課程運営委員会規程 山梨英和大学司書課程・学芸員課程運営委員会規程 山梨英和大学日本語教員養成課程運営委員会規程 山梨英和大学学生委員会規程 山梨英和大学進路支援委員会規程 山梨英和大学入試委員会規程 山梨英和大学国際交流委員会等に関する規程 山梨英和大学エクステンションセンター規程 学部、学科、大学院研究 科等の教育内容、履修方 法等を具体的に理解する 上で役立つもの 学部、学科、大学院研究 科の年間授業時間割表 大学学則、大学院学則、 各学部規程、大学院研究 科規程等 学部教授会規則、大学院 研究科委員会規程等
調書
資 料 の 名 称 (1)点検・評価報告書 (2)大学基礎データ (4)自己点検・評価報告書における点検・評価項目記載状況 (3)専任教員の教育・研究業績(表24、25) 資 料 の 種 類添付資料
学部、学科、大学院研究 科等の学生募集要項 大学、学部、学科、大学院 研究科等の概要を紹介し たパンフレット③ 山梨英和大学専任教員採用手続に関する内規 山梨英和大学教員資格審査に関する規程 山梨英和大学教員資格審査に関する規程施行細則 山梨英和大学助教に関する規程 山梨英和大学助手に関する規程 山梨英和大学外国人契約教師に関する規程 山梨英和大学特別任用教員規程 山梨英和大学非常勤講師に関する規程 山梨英和大学客員教員に関する規程 山梨英和大学役職者の選出方法及び任期に関する内規 山梨英和大学大学院人間文化研究科臨床心理学専攻所属教員の 資格認定に関する規則 ④ 山梨英和大学学長選考に関する規程 学校法人山梨英和学院山梨英和大学就業規則 山梨英和大学人事委員会規程 ⑤ 自己点検・評価規程 ⑥ 山梨英和大学ハラスメントの防止等に関する規程 山梨英和大学ハラスメント防止委員会規程 山梨英和大学ハラスメント調査委員会規程 学校法人山梨英和学院セクシュアルハラスメントの防止に関する規程 学校法人山梨英和学院セクシュアルハラスメント対応マニュアル 学校法人山梨英和学院セクシュアルハラスメント相談マニュアル セクシュアルハラスメント防止指針 ⑦ 寄附行為 学校法人山梨英和学院寄附行為 学校法人山梨英和学院寄附行為細則 ⑧ 理事会名簿 学校法人山梨英和学院理事・監事名簿 (7) ・山梨英和大学の現状と課題 (2003年度版、2004年度版、2005年度版、2006年度版) ・学部「授業改善のためのアンケート」集計結果(2008年度前期実施分) ・大学院生による授業評価(自由記述)に対する回答集 (2007年度・2008年度実施分) (8) ・心理臨床センターごあんない (9) 図書館利用ガイド等 ・図書館のしおり (10) ・ハラスメントについての相談ガイドライン (11) ・就職の手引き ・2008年度就職・進学の手引き ・キャリアデザインノート (12) ・学生相談室 相談のしおり (13) その他 ① チャペル活動関係 ・チャペルだより(2008年度版) ② 公開講座関係 ・山梨英和大学公開講座関係資料 (14) 財務関係書類 ①計算書類(各種内訳表、明細表を含む)(平成15~20年度) ②監事監査報告書(平成15~20年度) ③監査法人報告書(平成15~20年度) ④財産目録(平成19、20年度) ⑤事業報告書(平成19、20年度) 学長選出・罷免関係規程 学生へのカウンセリング利 用のためのパンフレット ハラスメント防止に関する パンフレット 附属(置)研究所や附属病 院等の紹介パンフレット 大学・学部等が独自に作 成した自己点検・評価報告 書 ハラスメントの防止に関す る規程等 自己点検・評価関係規程 等 ・山梨英和大学音楽会チラシ及びプログラム、 大学院臨床心理講演会チラシ、表現文化講演会チラシ 就職指導に関するパンフ レット 教員人事関係規程等
(15) 寄附行為 ・学校法人山梨英和学院寄附行為及び同寄附行為細則 分掲載時まで)
⑦財政公開状況を具体的に示す資料(『Maple News』)(第37、39、41、42、 44号)
山梨英和大学に対する大学評価のスケジュール
貴大学の評価は以下の手順でとり行った。 2009 年 1月 15 日 貴大学より大学評価申請書の提出 3月3日 第8回大学評価委員会の開催(平成 21 年度大学評価における評 価組織体制の確認) 3月 12 日 臨時理事会の開催(平成 21 年度大学評価委員会各分科会の構成 を決定) 4月上旬 貴大学より大学評価関連資料の提出 4月 10 日 第9回大学評価委員会の開催(平成 21 年度大学評価のスケジュ ールの確認) 4月 24 日 第1回大学財務評価分科会の開催 5月 18 日 評価者研修セミナーの開催(平成 21 年度の評価の概要ならび ~20 日 に主査・委員が行う作業の説明) 28 日 ~29 日 5月下旬 主査ならびに委員に対し、貴大学より提出された資料の送付 ~7月上旬 主査ならびに委員による貴大学に対する評価所見の作成 ~7月下旬 分科会報告書(原案)の作成(各委員の評価所見の統合) 8月3日 第2回大学財務評価分科会の開催 ~4日 8月 11 日 大学評価分科会第 46 群の開催(分科会報告書(原案)の修正) 9月~ 分科会報告書(案)の貴大学への送付 10 月2日 本部キャンパス実地視察の実施、その後、分科会報告書(最終版) の作成 11 月 18 日 第3回大学財務評価分科会の開催 ~19 日 11 月 25 日 第4回大学評価委員会正・副委員長・幹事会の開催(分科会報告 ~26 日 書をもとに「評価結果」(委員長案)を作成) 12 月 12 日 第 10 回大学評価委員会の開催(「評価結果」(委員長案)の検討) ~13 日 12 月下旬 「評価結果」(委員会案)の貴大学への送付 2010 年 2月3日 第4回大学財務評価分科会の開催 2月 11 日 第 11 回大学評価委員会の開催(大学から提示された意見を参2月 19 日 第 456 回理事会の開催(「評価結果」(最終案)を評議員会に上程 することの了承)