平成27年度
事 業 計 画
1. はじめに 司法制度を取り巻く変化、特に弁護士人口が3万5千人を超え、司法書士人口も2万 2千人を超えている現状において、司法書士制度が存続し、発展するために必要なこと は何でしょうか。司法書士制度の根幹を見つめ、これを正しく理解し、着実に誠実に事 業展開を図っていかなければならないと考えます。 2.歴史から学ぶもの 司法書士制度が140年を超える歴史を刻むことができたのはなぜでしょうか。国家 制度の合理的運営という観点からは、司法書士制度の存続は否定的に捉えられる時期も あったに違いありません。また、現在、弁護士人口が増加している状況下で司法書士制 度が存続している根拠はどこにあるのでしょうか。 私たちが、今の仕事や個々の生活に満足し、過去の歴史や将来あるべき姿を思い描く ことなく時間を費やしていくと、いつか司法書士制度はその存在意義を見失い、国家制 度の大きなうねりの中に埋没してしまうことになりかねません。 私たちが取り組むべき事業は、全て、司法書士制度の存在とその機能をいかんなく発 揮し、市民社会の中で役立つ存在であり続けるための事業です。私たちは、制度の維持 発展のために、会員一人一人が等しく平等にコストを負担する必要がある、と考えます。 3.総合相談センター事業の展開 現在、総合相談センターが実施している相談事業は、金曜相談会、山交デパート、富 士急デパートなどでの定期的な相談会だけでなく、十士会の合同相談、宮城県司法書士 会での相談事業への援助、甲府合同庁舎内での法務局・土地家屋調査士との合同相談会 など多角化し、会員一人一人が負担する相談回数も増加しています。相談会の多角化、 増加は、今の仕事に満足している会員にしてみれば、余計な仕事が押し付けられるもの として受け止められかねません。 しかし、私たちはまず、司法書士制度が担えることを地域社会にアピールする必要が あります。司法書士制度の存在とその役割を地域社会により広く知ってもらうことはこ れからますます必要になるものと考えます。司法書士にとって「地域社会に打って出る」 歴史は、まだ始まったばかりです。試行錯誤を続けながら、相談事業の多角化、回数の 増加はこれからの司法書士制度にとって不可欠なものと考えます。相談事業への積極的 な参加は、「負担」ではなく、司法書士制度の維持、発展に欠かせない「コスト」であ るというべきでしょう。4.支部との連携・・・研修事業のあり方 平成26年度の研修受講実績によれば、山梨県会の単位取得率が低迷していることが 判ります。単位を全く取得していない会員も多数存在します。いかなるところにその原 因があるのでしょうか。研修内容に関するもの、研修開催場所、開催日時など多くの要 因が考えられますが、27年度は、まず支部研修との連携を図りつつ研修事業を実施し ていきたいと考えます。できるだけ会員の自宅に近い場所で、研修受講機会を設けるこ とを企画します。また、会員の受講意欲を高めるために、研修内容についても検証し、 実施していきたいと考えています。 自分の今の仕事には関係ない、と言って受講しないのではなく、一人でも多くの会員 が司法書士制度を担うための素養を身につけるため、是非とも受講され、所定の単位取 得を目指して頂きたいと考えます。 5.調停センターの活用 山梨県司法書士会調停センターが、平成27年1月23日付をもって法務大臣の認証 を受けました。会の中に紛争解決機関を持ったことは、極めて大きな意味を持っていま す。裁判上の手続ではなく、ADR機関で紛争の解決を諮ることが適当であると思われ る事件にはどんなものがあるのでしょうか。調停センターにおいて検証し、会員の皆様 にお伝えする機会を持つ必要があると考えています。真に紛争解決機関として機能する ためには、会員の日々の実務の中での取り組みが不可欠なものとなるはずです。対外的 な広報に加え、対内的な説明会の開催を企画します。 6.家事事件への積極的な取り組み 司法書士法改正の最重要論点である「家事代理」の動向は別にして、私たちは、現在 の業務範囲の中で「家事事件」への取り組みを強化していくべきであると考えます。先 の法改正における付帯決議は、私たちの取り組みの拡大によって一層重みを増すことに なります。 相続財産管理人、不在者財産管理人の仕事は、一部単位会においては司法書士に期待 される業務として定着しつつあります。研修部において研修を企画しています。多くの 会員の皆様のご参加をお待ちします。 7.関係団体との連携 山梨県司法書士会には、公嘱協会、リーガルサポート、青司協、政治連盟など関係団 体が存在し、それぞれの活動を行っています。その活動の一つ一つが、司法書士制度の 役割を担い、制度の維持、発展に寄与しています。本会の事業も、これら関係団体と有 機的に連携し、進めていくことでより効果的な事業目的を果たせるものであると考えま す。
8.綱紀案件の全件調査委嘱について 綱紀調査委員会に外部委員を招き、綱紀案件の全件について単位会の綱紀調査委員会 が調査するという、全件委嘱制度が始まりした。処分内容のばらつきを排し、除斥期間 がないことからくる不合理な処分を回避する上で画期的な改正です。山梨県会において も、綱紀調査委員会の活動が適正、円滑に行われるよう引き続き努力を進めてまいりま す。その一方で、会員の皆様におかれましては、自らの執務のあり方を不断に見直し、 適正な執務を実現されるよう切にお願いを申し上げます。 9. 東日本大震災の被災会支援について 本年度も、被災地支援事業が実施されます。山梨県会としても日司連災害対策本部、 関東ブロック協議会と連携し、この事業に参加していく所存です。当面、宮城県会の相 談事業の支援が、山梨県会に託された事業です。近時、「風化」を懸念する声が聞こえ ていますが、司法書士制度にとって支援事業の展開は、制度の維持発展に欠かすことの できないものであると考えます。財産管理業務、未成年後見への取り組みは、単に被災 会だけでなく、制度全体に課せられた、司法書士一人一人に課せられた試金石であると 考えます。
第1 総 務 部
1 厚生委員会 ①司法書士会館の適正な運営を図る。 ②会員相互の親睦を深め、情報交換を密にするため、新年会、懇親会等を企画、実 施する。 親睦旅行については、会員からの要望(日帰りか一泊か)等を加味し企画、実 施を検討する。 ③人間ドック助成制度の一層の普及を図る。 現在の「会員通信」を媒体にした方法以外の方法での普及活動を検討する。 ④司法書士賠償責任保険の保険料(全員加入部分)の低減を検討する。 2 登録調査・表彰等選考委員会 ①登録等の申請者の審査 ②各種表彰者の選考 3 事故処理委員会 司法書士賠償責任保険の請求があった場合、迅速に対応する。第2 総 務 部
1 総務委員会 総務部が、山梨県司法書士会で果たす役割の重要性を認識し、関係規定に沿って、 迅速・丁寧に対応する。 2 苦情対応窓口 ① 平成26年度と同じく、一般の企業と同様に、苦情に対しては、すばやい対応 が求められる。チームワークをもって、その体制作りを行なっていきたい。 ② 苦情申立人の気持ちに配慮し、懲罰を求める感情をできる限り和らげ、問題の把 握に努めて、臨機応変に対応する。 ③ 苦情の内容が、複雑化及び深刻化してきているので、慎重な対応が必要。電話で 受けるだけでなく、苦情申立人と直接会って聞くことも、苦情を深刻化させない方 法である。 ④ 言いがかり的な苦情には厳正に対処する。 3 紛議調停委員会 毎年願うことですが、紛議調停委員会が開催されることがないことを期待する。た だ、開催された場合は、厳正、中立、公平に行う。 4 非司排除委員会 前年度と同様に、非司行為をする者及び疑いのある者、又はそれらの者に依頼する 一 般の方々に、司法書士法73条(非司行為の禁止)を広報していくとともに、更なる 非司の告発及び告訴等を行なうため、関係機関との協力を推進していく。
経 理 部
不安定な世の中にあって会員の事件数も減少傾向にあり、会員の収入も思うにまかせ ぬ現状にあることを認識しながら、次のことを今年度の目標に掲げて努力する。 ①予算執行にあっては、適正を旨とし可能な限り節約につとめる。 ②重要且つ緊急な支出に対応するため予備費の充実を図る。③各月の会計書類を毎月監査することにより会計処理の適正を確保するとともに各 種事業活動への支援のあり方の適正及び迅速性を図る。
業 務 部
1 法令業務推進委員会 (1)民法改正案について司法書士業務の視点から理解を深めるため研修会を開催する。 (2)重要な法改正があった場合、山梨県会の意見集約の窓口として対応する。2 登記業務推進委員会 会員が登記業務を適正、円滑に行うための支援をする。そのため会員の意見を適宜求 める。 3 裁判業務推進委員会 司法書士が日常関わる可能性のある一般民事事件について取り上げ、基本的な理解を 深めるとともに、実務に結びついた研修、情報提供を行う。
研 修 部
1.事業計画 (1)単位制研修会について 次のとおり開催ないし開催予定 ① 農地法研修会(平成27年4月4日午後2時~5時30分開催済み) 講師 新潟県司法書士会・八田賢司 先生 同・川嵜一夫先生 ② 商業登記規則等一部改正、改正会社法の概要と実務に与える影響について (平成27年5月9日(土)午後2時00分~午後5時00分) 講師 茨城司法書士会 野中英樹先生 以下③以下については、平成27年度研修部への研修会開催要望提案 ③ マイナンバー制度導入と司法書士の実務への影響(仮題) 講師 ㈱ベルコンピューター 高尾周太郎 氏 ④ 登記と税務 ⑤ 法人登記実務 ⑥ 登記のオンライン申請の申請率向上のための研修会(甲府地方法務局による要 請) ⑦ 戸籍等抄本等の職務上請求の理論的根拠と実務 ⑧ 裁判業務研修会(裁判業務の受任活性化を図る) ⑨ 財産管理業務 ⑩ 不動産登記実務研修会 (2)年次制研修会の開催 例年は11月に開催 (3)法律教室の実施 青司協との共同事業。来年度も児童養護施設等で社会人の第1歩を踏み出す子供たちに初歩的な法律知識を身に付けられるように法律教室を開催する。 青司協と打ち合わせて具体的な日程を決定
広 報 部
広報委員会の役割 1.制度広報 ① 「司法書士の日記念相談会」実施 8月3日(月)県立図書館1階イベントスペース ② 新聞による広告 ③ 例年どおりの広報 2.「甲州路」の発行 3.「会員通信」の配信企 画 事 業 部
1総合相談センター 新規事業 昨年度まで地域生活サポート事業として試行開催していた南アルプス市及び甲斐市で の相談会を移行により総合相談センターで開催する なお、具体的な開催日・開催時間・相談担当者数は運営委員会で決定する 南アルプス市相談会 第3木曜日(原則) 13時~16時 甲斐市相談会 第2金曜日(原則) 13時~16時 その他は昨年度と同様の相談会を開催 なお、具体的な開催日・開催時間・相談担当者数は運営委員会で決定する 開催回数の削減の可能性もあります 定例相談会 金曜相談会 第4 18時~20時 甲府市役所相談会 第1水曜日 10時~13時 山交相談会 第1・第3火曜日 13時~16時 笛吹社協相談会 毎月1回程度 13時30分~15時30分 白州相談会 毎月1回程度 10時~13時 富士急百貨店相談会 第4火曜日 13時~16時 都留市心配ごと相談所 第1・第3金曜日 13時~16時 富士吉田市役所 毎月10日 13時~16時 法務局・司法書士会・調査士会合同無料登記相談会
毎週火・水・木 13時~16時 単発の相談会 法の日 (峡北・峡南・甲府・峡東・東部富士五湖) 相続・遺言・成年後見 (峡北・峡南・甲府・峡東・東部富士五湖) 山梨県三多摩支会合同相談会 (小菅村・丹波山村) 有料相談会 各種団体の開催する相談会へ相談員の派遣 1日合同行政相談会(甲府・峡南・大月・峡北など) 法務局休日相談所 十士会合同相談会 多重債務者相談強化キャンペーン 宮城県司法書士会総合相談センター 法律扶助の日無料相談会 2 調停センター 1 認証取得 平成26年度に認証を取得することができましたので、本格的に認証団体として 調停センターの活動を開始します。 一般市民の方から本調停センターを新しい紛争解決手段の選択肢の一つとして 利用してもらえることを目標に致します。 2 事業計画案 (1)調停センターの運営について ①運営委員が関係機関への挨拶・説明及び協力要請を行います。 ②規程類の修正又は運営上の文書類作成のため、また、広報の方法の検討のため に運営委員会を開催します。 ③運営員会の中に、広報担当者及び研修担当者を設け、当該担当者を中心に、広 報活動及び研修を充実させていきます。 (2)案件受託のための工夫 ①パンフレットの配付及びホームページの活用 ② 会 員 が 相 談 を 受 け た 事 案 や 各 相 談 会 場 で 開 催 さ れ る 無 料 相 談 及 び 司 法 書 士 総 合 相 談 セ ン タ ー に 持 ち 込 ま れ た 事 案 に つ い て A D R に よ る 解 決 に 向 い た
も の に つ い て 、 そ れ ぞ れ よ り セ ン タ ー を 紹 介 し て も ら え る よ う 働 き か け を 行います。 (3)研修会の実施及び参加 調停人養成のため、山梨県司法書士会員に向けた研修会を行います。また、 会員を中心とするが、他業種や一般の方も参加できる研修も検討する予定です。 参加者の多様性により研修に深みが増すことに加え、調停センターを知ってもら う広報の機会にもしたいと考えています。また、外部で開催される研修会への積 極的参加を促し、手続実施者名簿の登載者を充実させていく予定です。 (4)事案の積極的受託 より多くの市民の皆様のお役に立てるよう1つでも多くの事案を積極的に受託 します。 3 開業支援司法過疎対策委員会 山梨県司法書士会の会員の高齢化が深刻になってきており、約3分の2は60歳以 上の会員が占めています。現在山梨県内に遍在している事務所が高齢化に伴いリタイ アする会員が増えますと、将来司法書士事務所が中心市街地に偏在することが危惧さ れます。司法書士過疎地域が多く現出すると地域司法の担い手がいなくなり司法が市 民からと遠ざかります。地域司法を担う人材の必要性と事業の継続性を考えますと空 白地域を作らないためにその他後継者を望む会員の為及び経済的不安等から司法書 士登録を躊躇している有資格者や都会の若手司法書士に山梨での開業を促すために、 その対応策として事務所承継システムを策定しました。 1.事務所承継システムのPR ホームページ及び開業支援のPRビデオ又は写真等の作成。 日司連の開業フォーラムにて全国にPRし、優秀な人材を山梨で開業してもらえ るように情報を提供していく。 2.利用者名簿登録者に対し相互の接触の機会を提供する。 3.開業支援金支給規則第5条第4号の検討。想定していなかった問題として、他士 業者が受給申請してきた場合の開業年数を含め検討。