Japanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
Japanese Physioal Therapy Assooiation
理 学 療 法 学
第
32
巻 第4
号309
〜
312
頁 (20D5
年
)褥 瘡 対 策 プ
ロジ
ェク
ト
褥
瘡
に
対す
る
物
理
療 法
の
意義
と
可
能
性
*杉
元
雅
晴
1
〕H
高
正 巳
2
〕嶋
田 智 明
1
] は じめ に縟 瘡は リハ ビリ テ
ー
ショ ン医療を 遂行 する 上 で,
大 き な 阻 害 因 子 と な る。
平 成M
年1
月 に 「診 療 報 酬 改 訂の対 策の評 価 (褥 瘡 対 策 未 実 施 減算
)」とい う項 目が組み込 まれ,
褥 瘡 対 策チー
ムの設 置が強 調 された。 と こ ろが,
褥 瘡 対 策チー
ムの構 成 に 関 する規 定に よ れ ば,
専 任 医 師1
名とfi
−
IT
:看 護 師1
名の計2
名 が規 定 されて い る,
、
ほかの職 種に関 する規定はないが,
薬 剤 師,
栄 養 士,
理 学 療 法 士,
作 業 療 法 士,
ソー
シ ャ ルワー
カー
な どの 多くの医療関連職種が専門能 力を 発 揮 す ること に よ り,
有 効 な ア ブロー
チが 可能になると考 えら れ る。
平 成16
年4
月の改正 で,
入 院 中1
回 の み 褥瘡 管理 加算 〔20
点 /入 院1
が 新 設 さ れ た が,
専 任の医 師ま た は褥瘡
看 護に5
年以 上の経験を有 する看 護 師 により褥 瘡 診 療 計 画 書 を作 成 し実 施 す る、
,
ここでも,
理 学 療 法 士 が褥 瘡 治 療にか か わる光 景 は認 められ ない。
褥 瘡 は 急 性の創 傷 な どの皮 膚 損 傷 とは 違っ て,
多 くの発 生 要因 が関 与し てい る慢 性の皮 膚 疾 患で あ る。
接 触面 か ら受け る 圧迫,
ずれ な ど に よ り,
組織の末梢 血 管 が 閉 塞 し壊 死 を起こ す 病 態である。
褥瘡 対 策で は謝 蒼の発生お よ び治 癒 機転 を 十 分 に 理解し て,
運動練 習 やADL
指 導を す る こ と が 肝 要 で あ る。
近 年,
創傷 治癒過 程 が 研 究 さ れ,
褥瘡
の乾 燥か ら湿 潤 環境を保つ 閉 鎖 療法へ と理論 が 変 遷 して きてい る。
そこで,
創 傷 治 癒 過 程 を 促 進する物 理療 法にも注H
が 集 まる。
磚 瘡 治療 と
理学
療 法
病 院や施 設で積 極 的に褥 瘡 対 策チー
ムに参加 し てい る 理 学 療 法[:が 少 ない のが現 状である。
また,
褥 瘡 を観 察 する機 会は 少 な く,
褥 瘡 を被っ ているガー
ゼや ドレッシング材 (被 覆材〉 し か日に しない で治 療に か か わっ てい る療 法士が ほとん ど であ ろうu こ こ で,
当大 学 附 属病 院での褥 瘡 外 来の診療
手順 を紹介
する (図1
)。
入 院や外 来 患 者で褥 瘡の合 併 もしくは褥瘡
の危串
Significance
alユ
d
PossibilitS
,
ofPressure
U1
じじr Treatmentby
PhysicaL
Agents
D
神 戸 大 学 医 学 部 保 健 学 科1
’
〒654
−
Ul42 兵 庫 県 神 戸 市 領 磨 区 友が 匠7−
10.
2;
Masaharu
Sugimoto
,
RPT
、
Tomoaki
Stti
[nada.
RPT
:Department
of
Physical
Therapy
、
Facu 且匸y of Henlth Scienee、
KebeUniverslty
of
Medicine
2 ) 吉 備 国 際大 学
Masami
Ilidaku
.
RPT
:Department
ofPhysical
Therapy
.
School
nf Hea
,
tthScience
、
KIBI
TnternaLionaL
U
[iiversltyキ
ー
ワー
ド:物 理 療 法,
褥 瘡,
ドレ ッシンダ材一
コンサ ル テー
ション一
.
手術療 法 形 成 外 科・
皮 膚 科媛
患 者
褥 瘡 評 価
1.
創 部評 価 (ロESIOM2、
発 生 要 因 鮃 価・
身体・
環填/ ケ ア 3.
全 身 状 態 評 価患
煮
家
保 存療 法族
お
指
導
治 癒 予 防 \冫ノ
\ルz
〜 灘
鵲
: 二「
「
邑
八
N
し’
、
(栄養・
免 疫・
循 珥 冫 標準ケアス
キン
ケァ
・
体圧分 融 栄 養 補 給 オ プ ショナルケア 運動 指導 姿勢 櫓導 図1
神 戸 大 学 医 学 部 附属 病 院で の褥 瘡 外 来 (診療 手 順・
臨 床 チー
ム〕 険 リスク要 因 を保 有 してい る患 者 を対 象に相 談コー
ナー
を 開設 してい る。
褥 瘡 評 価 とし て,
創 部 評 価
,
発 生 要因 評価 (危 険 要 因
・
警 戒 要 閃),
全 身 状 態 評 価 を 実 施し てい る。
評 価の 結 果,
最 も 適 切 な 治療を 選 択 し てい る。
当 院 で は.
保存 療 法を 中 心 に 指 導 し てい る。
保 存 療 法 に は,
標準ケアと オ ブ ショナル ケアが あ る。
標準ケアに はスキンケア,
体圧分 散,
栄養 補 給が あ り,
オ プ ショナ ル ケアに は姿勢 や 運 動 指導が あ る。
時に は.
形 成 外 科や皮膚 科によ る手 術 療 法が選 択 され ることもある。
患 者や家 族へ の予 防 指 導 は 重 要である。
残 念 な が ら,
臨 床チー
ム に 理学療 法 士が参 加し てい ない のが 現状で あ る。
看護
師か ら褥
瘡 診療に おける理 学 療 法に期 待さ れ る役 割は,
体圧分 散用 具の 選定と姿 勢・
運 動 指導で あ る。
理 学 療 法 士 は 従 来 か ら 褥 瘡 予 防 や 治 療 に か か わっ て き てい る が,
明確な 治療・
予 防メカニ ズ ムに 基づ く 理 学 療 法 で は な か っ た。
今後 は,
運 動 療 法,
ADL
指導,
物 理 療 法の予 防・
治 療 の根拠 に 基づい て,
個々 の患 者の 治 療 方 針 に参画 す ること が 必 要で あ る (図2
)。褥
瘡
治 療に貢 献で き る 理学 療 法に は,
ADL
指導
.
運 動 療 法,
物理療 法があるeADL 指 導 及び運 動 療 法は,
褥 瘡の発生要 因 の除去により予 防に貢献 する。 また,
物 理 療 法は,
逸 脱 した治 癒 週 程 を 自然 治癒 過 程に軌 道 修 正 する こと がで きる。
つ ま り,
理学 療 法は予防,
治療の両 面か ら貢 献できる (図3
)。
目本 褥 瘡 学 会 で
の検 討 事項
褥 瘡 治 療ガイド ラ イン策 定にむ けて
,
治 療ガイ ド ラ イン策 定 委 員 会に よるコ ン セ ンサス シ ンポ ジウ ムが2
Od
年9
月に開 催 されたt]、
,
文 献の検 索 と評 価は,
外用薬
,
ドレッ シ ング N工 工
一
Eleotronio LibraryJapanese Physical Therapy Association
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31
理’
;::療ij
{t’
?・
第
32
巻 第4
号 検討 疑問文の設 定 物理 療 法 は従来の湿 潤 環 境 維 持 目的の創 管 理 法 と比 べて褥 療 治 療 を促 進 す るか? 文 献 検 索r
/980〜
2003 /Atl
EBM
ReVt
θ
w Keyveord Pfessure utcer Ltmit te Systemebc reVlewMedltne
Kθyworiメpressure
utcer end therapy ρreSS“re“
ic
θr∂ ηゴtre∂tmen鳴Ltmit
to
Abstract
.
卿 5んHaman
Cmahi
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o广
ゴρ厂
es5vre uieer∂
nd tんeraρx ρ ressure uice厂
sn ゴdθ
∂
θ
砿Ltmit te Abstracc Engtish
,
Human⇒ 表題てピッウアップした33 件 医学中央 雑誌 褥 瘡 性 潰 瘍.原 著 会 議 録 を 除 く ⇒タイ トルより理 学 療 法 に関 するものをピックアップ
15
件 日 本褥瘡 学 会 コ ンセンサスシンボジ ウ ム の 轅 告 よ り「
?004S 図4
日本 褥 癒 学 会での物 理 療 法 文 献の検 索 基 準 図2
褥瘡 治 療 于段と専1iV
職aig
國
垂皮剥離■
.
筋膜を越えない耜 織壌死 、層
!\
!▽
h 広 範 な 組 縫 壌 死
瘡
ゆ ’褥
開
闘
朋
闢
.
レ♂
闘
ノ・
.
.
闘
11
E
「 嚇「
圖
△
/
\
ノ
し
、
台癒 〔白 色 期 〕[
鷺嬲
表1
各 種理学 療 法のエ ビデ ン ス レベ ル 物理療 法 名 x ビデン ス レヘ ル 該 当 論 文 数RCT
論 文 数 メ◎
曹
.
o■
・
ゆ
。
。
感染・
炎症鹽
・
・
…
リレ 〔黄 色 期 ) ロ コ 粗織 壊死儒 色 期♪ 電 気 刺 激 療 法水
治療法
陰
rF
閉鎖療
法 光 線 療法 高圧酸 素 療 法 超 斉 波療1
去 電 磁 波療 法 非接 触性 常 温瞭 法1H
工H
、 ⊥II
lll12112
91210323
図3
褥 瘡 治 療 と 理 学 噺 丿、
材.
3
外 利的 治 療.・
1 物 理 療 法 のサブ グルー
ブ に 分 か れ て行わ れ た、
検 討 疑 問 文は,
一
物理療‘去 は 従 来の 湿 潤 環境 維 持目的の 創 管 理 法と比べ て,
褥 瘡 治 療を促進 す る か1
で あ る、
文 献 は,
1980
年
〜
2003
年に掲 載さ れ たエ ビデ ン ス レヘ ル の高い論之 が 集め ら れ た デー
タベー
ス 〔(]tX’
hrane
Ubrar
郵
勃.
Medllne
,
(:IN
八HL
,
医 学中央 雑 誌 な どの 文献デー
タベー
ス で ヒ トを 対象
と し た褥
疳 治 療に 関する論 文.
参 考になる診療ガイ トライン,
クリニ カル パ スか ら 倹 索 す る 推 奨度の決 定は.
エ ビデ ン ス の レベ ル,
Z ビ デンスの 数 と 結 論のは らっ き,
臨 床 的 有 効性.
臨 床ヒの適 用件,
害・
コ ス ト に 関 す る x ビデン ス等 を考 慮 して,
ガ イ ドライン 策 定 委 貝 会 で 討 議 し て 決定し た 〔図4
:・ その結 果,
エ ビデ ン ス レヘ ル が 高 く.
有 効性か高い と確 認された物 理 療 法は.
地 気刺 激療 法.
水 治 療法,
光線療法
.
非接 触性 常 温 療 法であっ た 1表1
).
物
理療 法 と褥 瘡 治 癒
メカニ ズ ム の検 討
米国で の創 傷ケ アチ
ー
ム で は.
理学 療 法i
:が物理療 法や 運 動療 法 を 駆 使し,・
1
曼性 化して 自然冶 癒過 程を 逸 脱し た軌 道 を修 正する働 きかけを 実 践して い る。
そこ で活 用さ れてい る物理 的 于段と し て,
水 冶療 法,
電 気 刺 激療 法.
超昔 波 療 法,
光 線 療 法 な ど が あ るr 目 本褥 瘡 学 会コ ンセンサス シンポ ジ ウムの
報
告よ り 1:2004
】 ユ,
電 気 刺激療 法 創 部の周 囲に電 極を貼 付し,
創 部に直流 〜定 電流・
微 弱宣 ;朮}.
高 電圧パ ル ス波 電流.
交 流 を 通 電 す る技 法が あ る2/
,
直 流 を 使 用 する場 合,
炎症期 〔3
一
一
5
凵) は 陽極の関電極を創部
に置 き,
不 関 電 極 を創 部か ら離し た位 置に置き電流 を 流 す、
肉 芽 増 殖期に か か る1
週 問 以降は,
逆に陰 極の関電極 を 創 部に置 き,
不関 電 極 を創部 か ら 離 れ た位 置に置くことに より創 傷 治 癒 を促 進 する、
その メカニ ズ ムは,
褥 瘡 部の浸 出液
中の好中球や マ クロ フ ァー
シ が 陰極帯電 し てい るの で、
創 部に置か れた陽 極 付 近に遊 走を促 進させ る こ と が で き る.
遊 走 し て き た好 中 球や マ クロ フアー
シが活 性 化し,
壊死 組 織 を貪
食し,
サ イ ト カ イン {VEGF
,
bFGF
)を放出 し,
線 維 芽細胞を刺
激 する.
また.
膠 原 線 維を 生 成 す る線 紐 芽細胞は 陽極帯 竃 し て お [},陰 極 刺 激 に より線 維 芽 細 胞が活性 化す る。
こ の よ う な 機 序 に よ り,
肉芽の 増 殖や上皮 化を促進 す ること が考え ら れ る 咽5
:、
有 効 と 判 定 され た か,
9
件のRCT
論丸 をレビ⊥一
し た 粘 果,
患 汀の 背 景 因 子.
感 染,
血行な どの因子に不そ るい か あ るので 冉 訐 価 が 必要 であると報 告 して いる。
2
.
水 冶 療 法 褥瘡の 感 染T・
防には異 物 や壊 死 組 織の 除 去 を すべきである。
その ために は,
温水で沈 浄 すること が重 要である一
水 治療 法に は.
浸 水 法 と 非 浸 水法が あ る.
そこで使用 さ れる水 温は不 感温 度 1:34
〜
36
℃} で あ る、
浸水 法の治 療H
的に は,
静 水ff
,
循 環の改 善,
熱 伝導が あ り,
褥瘡周 囲の循環動 態の改 善が得ら れ る が,
周 辺皮 膚の浸軟 化 を 防 ぐこ とは でき ない・
代 表 的 な 浸 水 N工 工一
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褥瘡に対 する物理 療 法の意 義とU]
’
能性311
斬 三 血 管 作 冉一
5 日 noundCare.
・
Csr厂
,
.
eSussmen
−一 一
図5
電 気 刺 激 療 法の 肉芽 増 殖 促 進メカニ ズム 図6
水 治 療 法の
肉
芽増 殖 促 進メ カニ ズ ム 表2
超 音 波 療 法の適 応と実 施 方 法 (米 国〕 適 応 と 効 果 温 熱 非 温 熱 炎症 期 実 施 方 法・
疼痛の轢減・
血 行の増 加・
特 定 部位の血 管 拡 張・
体 液の吸 収 促 進・
成長 因.
壬 と サ イ ト カ イン を 放 出・
線維
芽細 胞の 刺激・
創 傷 部位 深い倉E」傷 :lMHz
浅い創 傷 :3MHz
水泡 が あ る 場 含・
照射 時間率CDuty
Factor
:1温 熱 :
・
強 度温熱 :
・
時間温熱は 叢低で
1
分 /CmZ・
頻 度3
−
7
回/週 増 殖 期.
.
ヒ皮 組 織 形 成 期・
蛋 白 質生成を促し,
線 維 を組 織 化・
ヒ皮 増 埴 を促 進・
脈 管 形 成と創 収 縮一.
・
栄 養と酸素 供 給 を改 善・
脈管形 成 と線 維 芽細 胞を刺 激・
血管の透 過 性 を増 加・
創の収 縮 を 促 進・
増 殖に関係 する細 胞の放 出 を刺 激・
線 維 組 織 生 成 を促 進 創に直
接及 び周囲 創に直
接 周 囲の み 弖三竒売3h
趾熱 :20
−・
5D
%り
1
.
O
−−
2
.
OW
〆Cm−
Jl
…温 熱:D
.
1
〜
0
.
8W
/Cm一
.
,
非 温 熱は最 高で15
分 程 度を限 度.
.
.
.
小倉
秀予理学 療 法
18
巻1
{}号より
一
部 改 変 引 用 法に よ る治 療は,
渦 流 浴 療 法,
ハ バー
ド浴 療 法で あ る tt 従 来 か ら,
水 治療 法としてハ パー
ド浴 療 法が最 も活用 さ れ てきた、
ま た,
近 年では.
人⊥ 炭 酸 泉 浴療 法や 海 洋ll
罘 層 水 療 法 に よ る 褥 瘡 治 療 報 告 も認め ら れ るが.
有 効性 を 確認 す るレベ ルま で に はい たっ
ていない、
、
水 治療法
器械は高 価で,
特定
の場 所に設 置しな けれ ばならない の で,
敬 遠さ れ てい る、
.
非
浸水 法
に は拍
動 性 洗 浄と 吸引 療 法があ り,
創 部の清 潔,
壊死組 織の除 去 を 目的に使用 さ れる。 米 国では理 学 療 法b
が褥 増 治 療に活 用して い るが,
本 邦で は操 作 する ことは で きない 1:図6
).
,
3
.
陰 圧閉鎖療 法 褥瘡 全体を ドレ・
ソ シン グフ で ル ムなどで覆い,
創 面 を陰圧 に 保つ こと に よ[)創 剖三を管理 す る療 法で ある。
文献や ガイ ドラ イン ではVAC
として製 品 化 され た ものを 使 用してい る.
.
本 邦 で は,
使 胴は困 難であ る、
4
.
光 線 療 法 近 赤 外 線と赤 色 光の治療は生理食塩水ガー
ゼ ド レッシン グ 法と 北較し,
有 意 差をもって 有 効 で あ る と 報 告 さ れ てい る.
.
5
,
高 圧 酸 素 療 法 局 所 的 ま た は 全身的 に高圧 酸素 療 法が行わ れてい る。
1970
年 頃 に 褥 瘡 に 適 用 さ れ,
散発 的 に報 告さ れて いた が,
近 年の報 告 は 少 ない。
症 例集 積研究であ る た め,
効 果 判 定は困 難であ り,
有 効性が確 認 され ていない/
.
/
6
.
超.
音波療 法 米国では,
超 音 波療 法が 温熱・
非温 熱作用の 両 面 か ら 実 施 さ れ てい るtt非 温 熱 作 用 は 炎 症 期 後 半 よ り積 極 的 に 使 用 さ れ.
温熱 作用 は肉 芽増 殖 期 に活用 さ れ てい る (表2
}:1〕
.
,
非 温 熱 作 用の超 音波パ ル ス波 照 射メ カニ ズ ムは,
亜 急 性 期 のマ クロ フ 7一
ジか ら放 出さ れ る サ イ トカイン (VEGF
,
bFGF
〕 が 血管 内 皮 細 胞の増 殖や線椎
芽細胞の増 殖を促進 し,
創 傷 治癒を促 進す る)1∫能性があるtt ま た,
超 音 波パ ル ス波
照射
は.
線維
芽細 胞を直 接 刺 激L
,
肉芽 増 殖過 得を促 進す る と考え ら れ ている 〔:図71
)− s/。 とこ ろ が、
超音
波療
法 甲独 で の治 癒促
進効 果は ない と報 告さ れ てい る。
7
.
電 磁 波 療 法 褥 瘡部 に 電 磁波を照 射 するが,
治 療の有 効 性は認め ら れな い:
N工 工一
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312
理学療 法 学第
32
巻 第4
号 図7
超音 波 療 法の肉 芽 増 殖 促 進 メ カニ ズム4 陶
8
.
非 接 触性 常 温 療 法褥 瘡 部 を 湿 潤 環 境 に 保 ち な が ら
,
1
時 間の加 温38
℃を2
〜
3
回/日行う が,
ホv トパ ッ ク療 法ではない。
製 品‘
’
Warm
upfi”
を使用 す る が,
現 在 製 造 が 中IE
さ れ ている。
ハ イドロコロイド・
ドレッシング材 ドレッシ
ン グ材
と超音
波 療 法 図8
物理療 法と ドレッ シング材の検 討一
創 傷 管 理 は
,
治 癒 を 阻 害 する環 境を排 除し,
治
癒 を促 進 す る環 境 を整 え,
合 併 症 が 発 生 した場 合に即 座に対応 で き る管
理 を行 うことが原 則である.
そ れゆえ,
治 癒 阻 害 因 子,
治 癒促
進 因子 は 創 部の局 所 環 境 因 子 で あ り,
ドレッ シ ン グ材 (創 傷 被 覆 枷 に よ り創 部 環 境 が 調整さ れ る。
ドレッ シ ング材は創 部を覆
う医療用 具,
医 療 衛 牛 材 料 をい い,
汚 染・
感 染の防 止,
物 理 的 損 傷か らの防御,
創面 か らの浸 出 液の吸 収
,
鎮 痛 効 果,
軟 膏・
薬 剤の途 布,
止血,
(言
::創を覆
い 隠 す等
の効果 が得
ら れ る.
,
創 傷 局 所 環 境 因 子の基 礎 的 理 解の下に,
ドレッ ンング材 の選 択が行 われ る6/,
。
こ こで,
ドレッ シング材の効 果である物理 的 損傷か ら 0)防御が
,
物 理 療 法の有 効 な刺 激を阻止するこ と に な る と考え ら れ る。
そこで,
ドレッ シ ング材の超 音 波透 過 率を考 慮して照射し な け れ ば,
超 音 波療 法の有効 性にば らつ き がで る,
、
浸 出 液のあ る 褥瘡を覆っ てい るハ イ ドロコ ロイド・
ド レッ シ ング材は.
支 持 体 フ ィ ル ム と 親 水コ ロ イド粒 子 〔吸 水 性・
弱 酸 陶,
疎 水ポリマー
岐 膚接
着 性 )か ら構
成さ れ てい る,
、
これらの構 成 素材 が 超 音 波を吸 収し,
有効
照射
強 度に達し ない 原 閃にもな る。
こ の こ と を考 慮 しないと,
物理的 刺激 の超 音 波の 有効性につ い てのエ ビ デン ス (科 学 的 根拠 )を論
じ る こ と は で き ない 〔図8
}。
そこ で.
ドレッ シ ング材を販売
してい る 製 薬会 社に音 響インピー
ダ ン スなどの素 材の規格を確認 す る が,
適 切 な 回答は得ら れなかっ た。
ポリエ ンカ ビニ リデン 〔サ ラン ラッ プ)の超 音 波 透 過 率が良い こと は 知 ら れ ている。
今 後,
ド レッ シング材
の超 音 波 特 性につ い て確 認し,
最 も適切な 超音 波出力値
を 同定 することが必 要であると考え ら れ る。
褥 瘡
へ の 物 理 療 法 の 適 用物 理 療 法の作 用メカニ ズムが 予測さ れ てい るの で
,
標 的 細 胞が増 殖して い る 時 期 に 実 施 す る こ と が効果 的 な治 療になる。
褥 瘡の炎症期,
肉芽 増殖 期,
上 皮 化期な どを 臨床 的に簡 便に見 極め る手 段を開発 し.
物 理 療 法 を 適 用 す ること が できれ ば効 果 上 皮 化 期 ▲ ◆ 過 流浩療 法 ★ 拍 動性洗 浄と吸 引療浅(
〆
創 傷 治 癒丶
) ≡炎 症 期i
増 殖期i
疼 痛 ム ■● ● ◇i
i
藝
器
藁
←
・ 。 。贔
_ . ・搬
鞭
黷
尸
1
… …毒
低酸粛顧串の収縮▲. 壊 死 ▲ ■● ◆
i
,
ウ 丶 コラー
ゲ ン 繍 雄 漕 解一一
一レコ
ラー
ゲン線維合成▲ ・ 、↓
、
唱
.
.
,
.
二
・
…
一
・
・
”
』
’
tt
’
鬥
区
ザ
難
ll
濫
● 超 短 波 療 法 t”
_
__
〆’
図9
創 傷治 癒 過 程 と 物 理 療 法 が得 られる であろう,
し か し,
適応であ る物理療 法 手段 で あ る か ら とい うこ とで,
治療の継 続に よ る 悪化も考え ら れ る。
各 創 傷治
癒に お け る時 期での物理 療 法の適 応のH
安 を 図 示 してい る ので,
参 考に し て科 学 的 根拠に関 する解 明 を期 待 す る (図9
)。
おわ
り に褥 瘡へ の集 学的 な 治療の実 践 に 必 要 なこと は
,
各 専 門 職が 知 識と対応 で き る治 療・
予 防 技 術,
臨 床 経 験 を 有 し,
お 互い の 役 割 を認 識して,
病 院や施 設が 実践 機能 を 持ってい ることが重 要である。
こ の厳しい現 状を克服 す る に は,
理 学 療 法 士へ の 物 理療 法 教 育,
消 毒・
感 染 予 防 教 育,
臨床で の実 践 的な指導
が 必 須であろう。
物 理 療 法 を実 践 す る時 に配 慮 しな けれ ばならない 周辺皮 膚 生 理,
軟 膏 な どの薬 剤,
ドレッシ ング材に関する知識 も 必 要 で あ る。
文
献
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