一般財団法人 日本モーターサイクルスポーツ協会
プロモーション委員会
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GENERAL INFORMATION
モーターサイクルロードレースの発祥は、オートバイが登場したばかり の20世紀初頭に遡ります。当時は公道(ロード)で競われていたことから ロードレースと呼ばれるようになりました。その後、オートバイの進化と共 に、安全に、より高度な走りが可能な専用サーキットが建設され、1949年か らはロードレース世界選手権(世界グランプリ=現在のMotoGP)が開催さ れるようになりました。 国内では、数多くのオートバイメーカーが群雄割拠していた終戦直後の 1950年代に浅間火山レース(群馬県)が開催されましたが、当時は舗装され たコースではありませんでした。その後、ホンダが1959年、当時ロードレー ス世界選手権の一戦だったイギリスのマン島TTレースに挑戦し始めると、 ヤマハ、スズキ、カワサキも続き、その活躍と共に本格的なサーキットの必 要性が高まったことにより、1962年三重県に鈴鹿サーキットが国内初の国 際サーキットとして建設されました。 それに先立つ1961年、日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)が設立 され、1962年に誕生したばかりの鈴鹿サーキットにおいて全日本ロード レース選手権を初開催。続いて1963年には日本で最初のロードレース世界 選手権が鈴鹿で開催されました。一時中断はありましたが1987年より毎年 ロードレース世界選手権の一戦が日本グランプリとして日本で開催されて います(現在は栃木県・ツインリンクもてぎで開催)。 モーターサイクルロードレースは、技術開発の場として、レースのみなら ずオートバイの発展・普及に大きな役割を果たしてきました。 現在では環境や省資源、安全性などの観点も幅広く取り入れられ、安全 に、より高度な走りができるように常に進化を重ねています。
モーターサイクルロードレースについて
写真上: 1962年 完成間近の鈴鹿サーキット 写真下: 1964年 世界選手権 第2回日本グランプリロードレース全日本ロードレース選手権は1962年に初開催され、1967年から全国の サーキットを転戦するシリーズ戦となり今に至っています。現在は全国に ある6つのサーキット(スポーツランドSUGO、ツインリンクもてぎ、筑波 サーキット、鈴鹿サーキット、岡山国際サーキット、オートポリス)を使い、3 月下旬∼11月上旬の間に年間9戦で争われています。 国内最高峰のJSB1000を始め、ST600、J-GP2、J-GP3の4クラスに全日 本選手権のタイトルが懸かります。それぞれ魅力のあるクラスとなってお り、世界的に見てもレベルの高い国内選手権と言えます。それは全日本ロー ドレース選手権から世界選手権に挑戦し、世界チャンピオンとなる選手を 多く輩出していることからも証明されています。 また、2002年からはシリーズ全戦に対して文部科学省より後援をいただ き、JSB1000の年間シリーズチャンピオンには「文部科学大臣杯」が授与さ れます。また、2011年からは観光庁より「スポーツ観光」の一環として全戦 ご後援をいただいています。
全日本ロードレース選手権∼MFJ SUPERBIKE
写真上: 1962年 第1回全日本選手権ロードレース大会(鈴鹿サーキット) 写真下: 2012年 全日本ロードレース選手権シリーズ第2戦鈴鹿2&4FIM(国際モーターサイクリズム連盟) FIMは、世界的にモーターサイクルスポーツを管理し、普及・振興を図り、 ユーザーの便宜を図る支援団体として創立された国際組織(1904年パリで 創立。現在の本部はスイスのミース)。加盟国は現在101カ国。世界のモー ターサイクルスポーツ全ての競技運営を統括するとともにIOC(国際オリ ンピック委員会)から2000年9月に認可され、モーターサイクルスポーツを オリンピック競技種目とすべく、積極的な活動を行っています。 <FIMの統括する主なロードレース> MotoGPロードレース世界選手権(もてぎ日本GP)、スーパーバイク世界選手権(SBK)、世界耐 久選手権(WEC・鈴鹿8耐)など。この他、モーターサイクルスポーツにはモトクロス、トライア ル、エンデューロ&クロスカントリー、トラックレース等がある。 FIMアジア FIMが分けた世界の6地域(ヨーロッパ・北アメリカ・ラテンアメリカ・オ セアニア・アフリカ・アジア)のうち、アジア圏内におけるモーターサイクル スポーツの普及・発展をテーマに活動を行っています。近年、各国を転戦し てシリーズを戦うアジア選手権が開催されており、日本人ライダーやチー ムも数多く参戦、シリーズの一戦として日本ラウンドもオートポリスで開 催されるなど、目覚ましい勢いのアジア地域との交流が非常に活発です。 <アジア圏内のFIM加盟国23カ国> アラブ首長国連邦、イラン、インド、インドネシア、カタール、韓国、クェート、グァム、シンガ ポール、スリランカ、タイ、※台湾、タジキスタン、中国、日本、ヨルダン、フィリピン、※香港、※ マカオ、マレーシア、モンゴル、バーレーン、サウジアラビア ※印:過去の経緯により国として扱われている。 MFJ(一般財団法人 日本モーターサイクルスポーツ協会) 1961年に創立された日本国内のモーターサイクルスポーツを管理統括 する機関。FIMに加盟する唯一の日本代表機関です。 全日本ロードレース選手権の他に統括するのはモトクロス、トライアル、エンデューロ、スー パーモタードなどがあり、それぞれ全日本選手権が開催されている。
モーターサイクルロードレースの世界
FIM MotoGP SBK J-GP3 J-GP2 世界選手権レース 文部科学大臣杯 MFJ MFJ SUPERBIKE 全日本ロードレース選手権シリーズ FIMアジア ST600 アジア選手権 SS600 JSB1000 WEC 鈴鹿8耐オートバイに限らずモータースポーツ競技は、一見そのパフォーマンス において道具=マシンの占める割合が非常に高いと思われがちです。しか しながら、モータースポーツはそのマシンを操る人間(ライダー、ドライ バー)がいてはじめて成立すると同時に両者が一体となって優劣を競うわ けですから、競技における人間が介在する割合はむしろ大きいものとなり ます。さらに、マシンを作り整備するなど数多くのスタッフも必要なため、 操り手の優劣だけではなく、様々なマネジメント能力が勝敗を左右する総 合チームスポーツとも言えます。 中でもモーターサイクルスポーツは、オートバイという放っておけば倒 れてしまう不安定な乗り物をいかにコントロールし速く走らせるかを競う ため、ライダー自身が上下左右前後あるゆる方向に重心を移動させてバラ ンスをとりながら非常に激しい動きを伴う、まさにリアルスポーツである と同時に極限の速度域でそれらを見せるエンターテイメントだと言えるで しょう。 実際にレースを見れば、それは自ずから理解していただけると思います。
スポーツ&エンターテイメントとしての
モーターサイクルスポーツ(1)
写真上: ストレートから第1コーナー直前でブレーキングによる競り合いを見せる争い。 いずれのマシンもリアタイヤが滑るのを巧みにコントロールしている。 写真下: コーナリング中のマシン。ライダーはマシンをバンクさせると同時に、自らの身体を さらに寝かせる。コーナリング毎にこの動作を繰り返す。START
シグナルがブラックアウトすると約40台のマシンが一斉にスタートし、 第1コーナーを目指します。その迫力は“圧巻”のひと言です。スタートダッ シュを決め、1コーナーまでに有利なポジションにつけることも短期決戦と なるスプリントレースでは重要なポイントとなります。CORNERING
国内最高峰のライダーたちがテクニックを駆使しマシンをバンク(傾け る)させコーナーをハイスピードで駆け抜けていきます。タイヤの進化もさ ることながら、生身のライダーたちが操る様は、簡単に見えるようで実は相 当な体力と集中力が要求されます。そのハードなレースを戦うためにトッ プライダーはトレーニングを欠かしません。TAIL to NOSE
文字通り今にも後尾と鼻先が触れ合うくらい戦後に接近した2台のマシ ン。前車に迫ってプレッシャーをかけたり、後ろにピタリと付き、空気抵抗 は前のライダーに任せて抜きどころを探ったり。勝負どころのコーナーを 控えた長いストレートでは、テールtoノーズからのバトルが必見です。 写真上: JSB1000クラスのスタート。誰が真っ先に1コーナーに飛び込むのか? 緊張の一瞬。 写真下: テールtoノーズでバトルをするマシン。ここまでマシンをバンクさせる。スポーツ&エンターテイメントとしての
モーターサイクルスポーツ(2)
SIDE by SIDE
コーナーへの進入では、2台が並びサイド・バイ・サイドでブレーキング勝 負になります。4輪に比べマシン自体がコンパクトなオートバイレースは パッシングポイントも多くなります。そのため、抜きつ抜かれつのバトルが 随所で繰り広げられることも多々あり、エキサイティングなレース展開に 釘付けになります。TOP SPEED
ストレートでの最高速は、最高峰のJSB1000クラス(4ストローク・4気 筒・排気量1,000cc)でサーキットによって約300km/hに迫ります。165kg の車重に200馬力以上のパワーを発揮するエンジンを搭載し、パワーウエ イトレシオでは、4輪のフォーミュラマシンに迫る数字となり、非日常なと てつもないスピードを記録しながら激しいバトルが展開されます。 このように、モーターサイクルロードレースは、車重も軽くコンパクトな 車体ゆえに、レース中随所でテールtoノーズ・サイドbyサイドのバトルが展 開されることも多く、見応えはたっぷりです。 激しくスライドするリアタイヤをコントロールしながらバトルを展開す るライダーたちは、生身の人間。その彼らが極限の速度域で見せるライディ ングは、息を飲む他はありません。 写真上: ST600クラスの激しいバトル。 写真下: コーナーを立ち上がりストレートへ向う。ライダーはマシンと一体になるまで伏せる。 ※国内競技規則により、公認されたフルフェイス型ヘルメット、レーシングスーツ(グローブ・ブー ツ)の他、よりライダーの安全性を高めるため、ヘルメットの脱着をサポートする「ヘルメットリ ムーバー」、胸部を保護する「チェストガード」、脊柱全体を保護する「脊柱プロテクション」の装着 が義務付けられ、エアバッグベスト及びマウスガードの装着が推奨されている。スポーツ&エンターテイメントとしての
モーターサイクルスポーツ(3)
2013 レーススケジュール
2 0 1 3 年 の 全 日 本 ロ ー ド レ ー ス 選 手 権 は 、下 記 の ス ケ ジ ュ ー ル で JSB1000、ST600、J-GP2、J-GP3の計4クラスが、全国6箇所のサーキット でシリーズ全9戦として開催されます。各大会で独特の運営がされており、 第2戦鈴鹿、第3戦オートポリス、第5戦もてぎでは、4輪国内最高峰のスー パーフォーミュラとの併催となる「2&4」レース。ますます盛んになるアジ ア地域との交流としては、2006年から開催されてきたアジア国別対抗ロー ドレースがFIM ASIA CUP日本ラウンドとして第6戦SUGOで開催、また、 第7戦オートポリスではアジアロードレース選手権(ARRC)日本ラウンド が開催されます。全9戦が国内6サーキットで開催!!
●2レース *1 *2 *3 *4 *5 *6 *4 *1 第2戦鈴鹿2&4/JSB1000のみ開催、SF(スーパーフォーミュラ)と併催 *2 第3戦オートポリス2&4/JSB1000・ST600(2レース)開催、SF(スーパーフォーミュラ)と併催 *3 第5戦もてぎ2&4/J-GP2・J-GP3開催、SF(スーパーフォーミュラ)と併催*4 第6戦SUGO/FIM ASIA CUP併催
*5 第7戦オートポリス/J-GP2・J-GP3開催、アジアロードレース選手権(SS600、UB)併催 *6 第9戦MFJ-GP/JSB1000は2レース開催 開催日 サーキット JSB J-GP2 ST600 J-GP3 3月30日(土)∼3月31日(日) 第1戦 ツインリンクもてぎ(栃木) ○ ○ ○ ○ 4月13日(土)∼4月14日(日) 第2戦2&4(SF) 鈴鹿サーキット(三重) ○ −−− −−− −−− 6月1日(土)∼6月2日(日) 第3戦2&4(SF) オートポリス(大分) ○ −−− ● −−− 6月29日(土)∼6月30日(日) 第4戦 筑波サーキット(茨城) ○ ○ ○ ○ 8月3日(土)∼8月4日(日) 第5戦2&4(SF) ツインリンクもてぎ(栃木) −−− ○ −−− ○ 8月24日(土)∼8月25日(日) 第6戦 スポーツランドSUGO(宮城) ○ ○ ○ ○ 9月7日(土)∼9月8日(日) 第7戦 オートポリス(大分) −−− ○ −−− ○ 9月28日(土)∼9月29日(日) 第8戦 岡山国際サーキット(岡山) ○ ○ ○ ○ 11月2日(土)∼11月3日(日) 第9戦MFJGP 鈴鹿サーキット(三重) ● ○ ○ ○ レース数 8 7 7 7 ❻ ❼ ❽ ❾❷ ❺ ❶ ❸ ❹