『マツヤ・プラーナ』所収の「ヴァーラーナスィー
・マーハートミヤ」について (川崎信定教授退任記
念号)
著者名(日)
宮本 久義
雑誌名
東洋学論叢
号
31
ページ
200-181
発行年
2006-03
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00003233/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja『マ ツヤ ・プ ラ ー ナ
』所 収 の
「ヴ ァー ラ ーナ ス ィー・マ ーハ ート ミ ヤ」につ い て
1は じ め に
宮
本
久
義
ヒンドゥ ー教のプラ ー ナ 聖典群 の 多 く に は、聖地信仰に関 連 す る「マ ー ハー トミ ヤ」(威 光書)と総称さ れる章 が 含まれ る。そ れ ら の「マーハー ト ミ ヤ」に はそ れ ぞ れの 聖地 の 特 色や 縁起 と 巡礼 作法 が 主 として記 述さ れ てお り、 ヒンドゥ ー 教 信 仰 の 展 開 を 解明 す る た めの重要 な資料を 提供 し て い る。プ ラーナ聖 典 はさ ら に、 インド 古 代・ 巾 世の 文化全般を伝え る 貴 重 な宝庫で あるが、日 本 で は そ の研究 や 翻 訳 があ まり進 ん でい ない のが現 状 で ある。本稿 で は 、 そ れ ら の う ちヒ ンドゥー 教 最 大 の 聖地 とい わ れる ヴァ ー ラ ーナス ィ ー(別名カー シ ー、 バナー ラ ス 、 ベ ナレス ) に つ い て 記 述 した『マ ッヤ ・プ ラーナ』所収の「ヴ ァ ーラーナ ス ィー ・ マーハートミヤ」を 中心 に、主 要 部分の 和 訳 を 試 み、それ に 基 づ い て 聖 地 信 仰が ど の ように醸成さ れ 定 着して 行 く か を 考 察する。『マ ツ ヤ・プ ラーナ』の[ヴァーラ ーナ スィ ー・ マーハートミヤ ] の 年代 は 研 究 者 に よ ってか な り異 なるも の が 与 え ら れ て い るっR.C.Hazra (pp.45-46)は そ の シャイヅ ア的 性格 からして700A.D. より後 、ま た『ク ールマ・プ ラーナ 且30-34 に 類似の記述 があ る が『マ ツ ヤ・プ ラ ー ナ』のもの に比 べ る と 新 し く13 世 紀 半ば を 下 るこ と は ないっそ れ ゆ え1200年よ り 以 後 という こと は な い。さ ら に他文献への引 用 を考慮して1075A.D. よ り前と す る。し か しL.Rocher (p.l99 )はHazra を 含 め た何人 か の研究 者の 説を挙 げ る が 、 結 論 を 出 す に至っ てはい な いっ最 近 発 見され た 写 本 に基づくH.T.BakkerandH.Isaacson 編の『ス カ ン ダ・プ ラ ー ナ』に も『マツヤ・プ ラ ーナ』 の当該 箇 所 と パラレルの記 述が 含まれ、年代に関 し て も編者 が言及 して い る。それに よると丿 スカンダ・プラーナ』所収 の「ヴァ ーラーナスィー・ マーハ ートミヤ」は8 世紀 頃 に 成 立 し た と 考 え られ ており 、 ま たその 他(2 ) のプ ラー ナ聖典中のいくつ かあ る「ヴ ァ ー ラーナ ス ィ ー・ マ ー ハ ー ト ミ ヤ」に先 行 す る ものと も考えられて い るっそうする と 本 稿 で扱 う『マ ツ ヤ・ プラ ーナ』の 「 ヴ ァーラー ナス ィー・マ ーハ ー トミ ヤ」は8 世 紀以 降 の 成 立と考 えられ る。。 『マツヤ ・プ ラ ー ナ』の中 で「ヴ ァーラ ー ナ ス ィ ー・マ ーハ ー ト ミ ヤ」 は 第180 ∼185 章 が あ て られてい る。そ れぞれの 詩節 数は第180 章が100if 節 、 以 下第181 章32 詩 節 、 第182 章27 詩節 、第183 章106 詩 節、 第184 章63 詩節、 第185 章69 詩 節 を 数 え る。紙 幅の関 係 で 、 本 稿 で は 第180 ∼182 章を訳出 し 、原文のロ ー マ ナイスは重要 と思われる 箇所 の み 註 に 記 し た。後半 の 訳と 考察 は別 稿 に譲 り たい。
2.
『
マツヤ・プラーナ
』
第180-185 章主要部 分和訳
第180 章 [こ の 章 は 全100 詩 節 か ら な り 、 聖 仙 た ち が 語 り 部 で あ る ス ー タ に 聖 地 ヴ ァー ラ ー ナ ス ィー の 威 光 ( 魅 力 ) を 説 く よ う 懇 願 し 、そ れに 対 し て ス ー タが 、ヤ ク シ ャ( 夜 叉 )で あ る プ ー ル ナ バ ッ ド ラ の 息 了 ハリ ケ ー シ ャ (別 名 ピ ン ガ ラ ) が 何 故 こ の 聖 地 を 護 る 番 人 に な っ た の か を 答 え る 形 式 に な っ てい る。そ の 人 枠 の エ ピ ソ ー ド の 間 に 、 ヅ ア ー ラ ー ナ ス ィ ー の 聖 地 とし て の 魅 力 が 語 ら れ る。] 1 2 。 3. 聖仙た ち が 言 っ たっ アン ダカの殺 戮につい ては、あ なたが その ように 語った ま まにお 聞 きし まし た、 スー タよ。そこ で今、 ヴァー ラーナ ス ィーのマ ーハー ト ミヤ (威 光)につい てお聞 きし たいと願っ ており ます。 大い に輝 ける 者であ る 聖ピ ンガ ラは どう して 春族 (ガ ナ) とな り、 ヴァ ーラ ーナ スィーにおいて 食物の施与 者になっ たのです か。 どの ように して聖 域の守 護者になっ だの です か。愛 される 者にどの よう にして なっ たのです か。ブラ フマ ー神の息子 よ。あ なた によっ -199 −4 。 5 。 6. 7 8 。 9 。 10. 11 て そ れ が 語 ら れる の をお 聞 き し た く 願 っ て お り ます 。 ス ー タ が 言 っ た。 かのピ ンガラが どの ようにし てガ ネーシ ャ性 を獲得 したの か、人 々 の食物 施与者 になっ たか、こ のヴ ァーラー ナス ィー が居所 になった か、お 聞 きなさい。 プ ー ルナ バッド ラ の息子 で、 幸運 と威力 を持 っ たヤ クシ ャ(夜 叉) かお り まし た。[ 彼は] ハリ ケ ー シャ とし て 名が 知 ら れ、篤 信 で、 法を遵守す る者であり ました。 ま さ に 生 ま れ た 時 か ら 、彼 は シ ヴ ア神 に 無 上 の 帰 依 を し 、彼( シ ヴ ア) に 敬 礼 し 、 彼 を 尊 崇 し 、 彼 に 専 心 し てお り ま し た。 座っ ている時 も、横に なっ ている時 も、歩いてい る時 乱 立 ち止 まっ てい る時 も、つ き従っ てい る時 も、 食べ ている 時 も、また 飲んでい る時 も、 ルッド ラ( シヴ ア神)のこ とのみを 考えており ました。 彼 (シ ヴ ア)にこ のよ うに専心 している 者(息 子) に 父のプ ー ル ナバ ッド ラ は言 い まし た。「 私はお 前を 息子 と は思 わない 。お まえ は不 幸に生 まれた者である。 何 故 な ら 、 い は な い。 の だ。 ヤ ク シ ャ の 家 系 に 属す る 者 た ち に は、 こ の よ う な振 る 舞 お 前 た ち は グヒ ヤ ■fノ七あ り 、 本 性 上 残 忍 な心 を 持 つ 者 な まさに肉 を喰らう 者であ り、悪し きもの を喰 らう者 であ り、殺 生を 性 とする 者たちで ある、 息子 よ。 その ようにす るな。お 前の生 き方 はブ ラフマ ーに よってその ように決め られた ものではない。 自生 者 ( ブ ラ フ マ ー ) に よっ て 定 め ら れ たこ と が 捨 て ら れ る べ き で
(4) 12. 13. 14. な い な ら 、 マ ( 行 為 ) 家 住者 たちは他 の住期 (アー シュ ラマ) か ら生じる カ ル をなす べきでは ない。 様 々な カ ルマと とも に 人間の 感情 を捨 てて、 振る 舞 え。[もし] お 前が その ように道 をはず れた者 ならば、 まさに 人間 から生 まれた者 である [と私は 考える]。 お 前にとっ て、そ の( 人間の)出 自に依 拠した 様々 の行為があ る よ う に、 私に よっ ても、 見よ、 カルマ が定 めら れてい る。こ れは疑う こ とができ ない。」 ス ー タ が 言 っ た。 か の 息 子 に こ の よ う に 言っ た か の 威 力 あ る プ ー ル ナ バ ッ ド ラ は 、「息 子 よ 、 お 前 の望 む よ う に す ぐ に 出 て 行け 。」 と 厳し く 言 っ た。 15. そ こ で彼( ハリケ ー シ ャ ) は 家 と 親 族 を 捨 て て出て、ヴ ァ ー ラ ーナ ス ィ ー に 居 を 定 め 、 堅 固 な 苦 行 を 修 し た。16. まは た き もせ ず 、 乾 い た 木 や 石 の よ う に 不 動 と な り、諸 感 官 を 制 御 し て 、 じ っ と 動 か な か っ た。17. さ て 、ま さ に か の 偉 人 が 苦 行 に 専 心 し た 結 果 、神 々 の1 千 年 が 過 ぎ た。18 −19. 蟻 塚 に 覆 わ れ 、 蟻 に 喰 わ れ 、 さ ら に ま た 鋭 い 金 剛 針 の口 を 持 つ も の ( 蜂 ) に よ っ て 刺 さ れつ つ 、 肉 や 血 や 皮 を 失 い 、 ジ ャ ス ミ ン の花の よ う に 匂 う 、 月 の よ う に[白い]ほ ら 貝 の よ う に 輝 く骨 の み と な っ た 者 は 、 シ ヴ ァ 神 の み を 念 じ 続 け て い た。20ab. しばら く す る う ち に 、女 神 ( シ ヴ ァ神妃 )が シ ヴ ァ神にお 願い し た。 女 神 が言 った。 -197 −
21. 22. 23, 「 今 ま さ に 再 び 苑 を い つ も の よ う に 見 た く 思 い ま す。神 よ 、私 に と っ て 興 味 深 い 聖 地 の マ ー ハ ート ミ ヤ をお 聞 き し た く 思 い ま す。なぜ な ら 、 こ こ は あ な た に と っ て 愛 し い とこ ろ で あ り 、 ま た 至 上 の 果 報 を も た ら す とこ ろ だ か らU この ように妻 に懇 願され た最高神 は、全て の質問 にあ りの ままに答 えた。 神 々 の 神 シ ャ ン カ ラ ( シ ヴ ア神 の 別 名 ) 出 し た。 ピ ナ ー カ ( シ ヴ ア神 の 弓 の 名 ) 苑 を 見せ た。 24−44. ㈲ ): 苑 の 自 然 の 情 景 の 賛 美 45. 46. は パ ー ル ヴ ァ テ ィ ーを 連 れ を 持 つ 神 は 妻 を と もな っ て 「 神 よ、至 上 の壮 麗 さ をそ な えた 苑 を見 せて い た だ きまし たの で、 今 度は 聖地の 全て の美徳 をここ にお話し 下さい ませ。 なぜ なら、こ の聖 地アヴィムクタの威光(マーハート ミヤ) をその よう に聞い てさえ も、私は満足で き ませ ん。それ故さらに 私に お話 し下さいませ。」 神々 の中の神が言 った。47. 「ヴ ァ ー ラーナ ス ィ ー は、私 に とっ て常 に もっ と も秘 密 の 地で、 ま さ に 全 ての生 類 に とって 、 常 に解脱 の 原囚と なってい る。48-49ab. こ こ に は、女 神よ、常 に私を崇拝す る ス ィッダ{I 戊就 者) た ち がお り 、 様 々 の徴 を 身に帯 び た 者 たちが 、いつ も 私 の 天界を 懇願 している。[ 彼らは]、最高の ヨ ー ガ を 修 し 、感 官 を 制 御し 、心 を解 放 さ せてい る。
(6 ) 49cd-51ab. 様 々 の木 々 が 生 い 茂 り、 様 々 の 鳥 が さ え ず り 、 紅 蓮 や 青 蓮 の 花 に 満 ち た 池 に 飾 ら れ 、 ア プ サ ラ ス ( 天 女 ) と ガ ン ダ ル ヴ ア [ ]天人 ) た ち が 常 に 住 まう 吉 祥 な る と こ ろ に 、 私か 好 んで 住 む そ の 理 由 を 聞 き な さい 。51cd −52ab. 私 を 念 じ 、 私 に 自 分 の 全 て の 行 な い を 捧 げ て い る 私 の 信 者 は 、 ほ か5) の ど んな 所 で も得 ら れ な い 解 脱 を 、 ま さ にこ こ で 得 る。52cd −53. こ こ は 私 の 最 も 神 聖 で 、[ 単 な る ] 秘密 よ り も さ ら に 偉 大 な る 秘 密 で あ る 。ブ ラフ マ ー な ど の 神 々や 解 脱 を 願 う 成 就 者 た ち も 知 っ て い る。 そ れ 故 、 最 も 愛 し い 土 地 ( 聖 地 ) であ り 、 そ し て そ れ 故 に こ こ に は6) 私の 悦 び が あ る 。54. 私は [こ こ か ら] 離 れな い し 、 こ れか ら も 離 れ ない で あ ろ う。 そ れ 故、こ の 偉 大 な 土 地 は ア ヴ ィ ム ク タと 記 憶 さ れ る ( = 言 わ れ る ) べ き であ る 。55 −56ab. ナ イ ミシ ヤや ク ル ク シ ェ ー ト ラ、 あ る い は ガ ン ガ ード ヴ ァ ー ラ 、 プ シ ュ カラ で 休 浴 し た り 住 ん だ り し て も 解 脱 が 得 ら れ な い 者 が 、 こ こ で [ そ れ を] 得 る 。 そ れ ゆ え 、 こ こ は 格 別 な の で あ る 。56cd −57ab. プ ラ ヤ ー ガ で も 解 脱 で き る が 、 こ こ で も 私 の 恩 恵 ( パ リ グ ラ ハ) に よ っ て [ 解 脱 で き る ]。 聖 地 の 頂 点 で あ る プ ラ ヤ ー ガ よ り こ こ こ そ が 偉 大 で あ る と 記 憶 さ れ る ( =言 わ れ る ) べ き で あ る 。57cd −58ab. 偉 大 な 苦 行 者 ジ ャ イ ギ ー シ ャ ヴ ィ ヤ は ヨ ー ガ に よ っ て 最 高 の 成 就 を 得 た 。[ そ れ は ] こ の 上 地 の 威 光 の お か げ と 、 私 に 対 す る 信 愛 の 感 情 に よっ て で あ る 。58cd −59. 偉 大 な る ジ ャ イ ギ ー シ ャ ヴ ィ ヤ は ヨ ー ガ 行 者 の[ 最 高 の ]境 地 を 願 っ た 。[ 彼 は ]そ の場 所 で 常 に 私 を 瞑 想 し 、激 し く ヨ ー ガ の 火 が 灯 っ た。 195 −
60. 61. 神 々 で も得 る の が 難 し い 最 高 の 独 存状 態 に 達 し た。 非 顕 現 の 徴 を 持 ち 、あ ら ゆ る 教 義 を 知る 聖 者 に よっ て も、こ こ で 神 々 や ダ ー ナ ヴ ァ( 悪 魔 あ る い は 半 神 ) た ち に と っ て も 得 る の が 難 し い 解 脱 が 得 ら れ る。 彼 ら に 私 は 至 上 の 享 楽 と 祥1通 力 と 私 白身 と の 合 一 と 望 み の 境 地 を 授 け る。 62. 偉大 な ヤ ク シ ャ で あ り、す べ て の 行 い を[ 私 に ]捧 げ た クベ ー ラ 神 は 、 聖 地 に 住 む こ と だ け で 巻 族 の 長 と なっ た 。63. サ ン ヴ ァ ル タも私 の 信 徒 に な るこ と に よっ て 、 そ う な る で あ ろ う。 ま さ に こ こ で 私 を 崇 拝 す る と 、 女 神 よ 、 最 上 の 成 就 が 得 ら れる 。 腿 。 パ ラ ー シ ャ ラ の 息 子 で ヨ ー ガ 行 者 で あ り 、 偉 大 な 苦 行 者 で あ る 聖 仙 ヴ ィ ヤ ー1 牡、 将 来 ダ ルマ の 実 践 者 、 ヴ ェ ー ダ の 組 織 の 宣揚 者 (顕 現 さ せ る 者 ) に な る が、 偉 大 な 聖 者 であ る 彼 も また 、 蓮 の 限 を 持 つ 者 ( シ ヅ ア神 妃 ) よ、 こ の土 地 に 住 む で あ ろ う。65cd −66. 神 仙 ( デ ー ヅ ア ル シ ) だ ち と と も に、ブ ラ フ マ ー 、ヴ ィ シュ ヌ、ツ ァ ー ユ 、 デ ィ ヴ ァ ー カ ラ ( 太 陽 神 )、 お よ び 神 々 の 長 シ ャ ッ ク ラ ( イ ン ド ラ )、 そ し て デ ィ ヅ ア ウ カ ス [ ]尺住 者 ) た ち 、 マ ハ ー ト マ ン ( 偉 大 な 魂 を持 つ 者 ) た ち もす べ て、 私 を こ そ 崇 拝 す る 、良 き 斎 戒 者 よ。67. そ の 他 の 、 姿 を 変 え た 偉 大 な 斎 戒 者 に し て ヨ ー ガ 行 者 で あ る ス ィ ッ ダ (成 就 者 ) た ち も、心 を専 一 に し て 、私 を こ こ で 常 に 崇 拝 し て い る 。68 −69. ア ラ ル カ 王 も 私 の 恩 恵 に よ っ て こ の 都 を 獲 得 す る で あ ろ う 。 そ し て 彼 は こ れ( 都 )を 、以 前 の よ う に4 つ の 種 姓 に 基づ く 社 会 体 制 に し て、 繁 栄 さ せ 、 人口 を 増 加 さ せ 、 また 信 愛 に よっ て 末 長 く、 私 の上 に 全 霊 を 置 き、 まさ に 私 を 得 る で あ ろ う 。
(8 ) 70 −71ab. 彼 ら を は じ め と し て 、美 し い 肢 体 の 持 ち 主 ( シ ヴ ア鐘 妃 ) よ、[こ の] 土 地 に 住 む 、 家 住 者 や 出 家 で 、 私 に 信 愛 を 置 き、 私 を 崇 拝 す る 者 だ ち も、 私 の 恩 恵 ( プ ラ サ ー ダ ) に よっ て 、 非 常 に 得 難 い 解 脱 を 得 ら れる で あ ろ う。71cd −72ab. 現 世 の 享 楽 に 心 を 奪 わ れ 、 正 し き 行い を 捨 て た う っ け 者 で さ え 、 こ の 土 地 で 死 ね ば 、 再 び 輪 廻 に 入 るこ と は な い。72cd −73. さ ら に、 す べ て の 利 己 的 で な く 、 賢 く ( 堅 固 で )、 心 を 純 質 に 保 ち 、 感 官 を 制 御 し 、 ま た 斎 戒 し 、 隠 棲 し 、 私 に 専 一 し 、 知 性 を 持 ち 、 貪 欲 を 離 れ た 者 た ち は 、 身 体 が 消 滅 す る と 、 私 の 恩 恵 に よっ て 最 高 の 解 脱 に 到 達 す る 、 良 き 斎 戒 者 よ。74. 何 千 年 も の 転 生 の あ い た ヨ ー ガ を 修 行 し て 得 ら れ る も の 、 そ の 最 高 の 解 脱 を ま さ に こ こ で は 死 ねば 得 ら れ る 。75. 76. 77 78. 79. こ れ が 、女 神 よ 、こ の 土 地 の [ も た ら す ] 偉 大 な 果 報 で あ り、私 に よっ て 汝 に ア ヴ ィ ム ク タの 至上 の 秘 密 が 簡 潔 に 説 か れ た 。 そ れ故、 シヴ ア杵妃 よ、それより上の 成就や 秘密 はない。 ヨ ーガを 知る 者や 、こ の世におけ るヨ ーガの 神た ちは 、そ れを知っ てい る。 こ れこそが 最高の 場所 であ り、こ れこそが 最 高の吉 祥であ る。 こ れ こ そが最高のブ ラフマ ンであ り、こ れこ そが最 高の境地であ る。 ヅ アーラ ーナ スィーは三界の精髄 で、常 に我が 憩いの 都である、ヒ マ ーラヤの娘 よ。様 々の悪 事を 働い た 者で も、こ の地 に来 た者は悪 が消滅 して汚 れなき人とな る。 こ れ が 、 女 神 よ、 素 晴 ら し い 木 々 や 茂 み や 蔓 草 の 中 の 花 で あ り 、 私 −193 −
の 常 に 最 も 愛 し い 土 地 で あ る。こ こ で 死 んだ 人 間 は 、また 愚 か な ア ー ガ マ ( 聖 典 、 伝 承 ) を 持 だ な い 者 た ち も 、[ 最 高 の ] 境 地 を 得 る こ と は 疑 い な い 」 ス ー タ が 言 っ た。 80. そ の 後 、 シ ヅ ア神 は 、 山 の 神 より 生 ま れ た 女 神 に 、 信 徒 で あ る ヤ ク シ ャ に恩 恵 の 約 束 を 与 え たこ と を 語っ たっ「 輝 く 女 性 よ 、81. 私 の 信 徒 は 、 符 部 豊 か な 女 性 よ ( 夫 に 腰 掛 け る 女 性 よ )、 苫 行 に よ り 罪 障 が 滅 し 、 私 か ら こ の 約 束を 受 け る に ふ さ わ し い 、 世 界 の 主 宰 神 の 妻 よ 。」82. こ の よ う に 言 っ て 、 世 界 の 主 で あ る 神 は 女 神 と と も に や せ 衰 え や つ れ た ヤ ク シ ャ の い る とこ ろ へ 行 っ た。83-84ab. そ し て 、 女 神 が か の グヒ ヤ カ に 視 線 を 落 と し 、 腱 に 繋 が れ た骨 が 骸 骨 [ さ なが ら に ] 白 く 輝い て い る の を 見 て 、そ の 時 、女 神 は [ シ ヴ ァ] 神 に グ ヒ ヤ カ を 示 し て 言っ た 。84cd −85ab. 「 実 に あ な た は 神 々 に よ っ て 恐 ろ し い 人 と 言 わ れ て お り ま す 、 シ ャ ン カ ラ ( 吉 祥 な る 者) よ 。[ な ぜ な ら 、] 彼 ( ヤ ク シ ャ ) の こ の よ う な苦 行 に 対 し て ヴ ァラ ( 約 束 、 恩 恵 ) を 与 え な い の で す か ら 。85cd −86. 偉 大 な る 神 よ 、こ の 神 聖 で 崇 め ら れ てい る 土 地 で 、どう し て ヤ ク シ ャ の 息 子 は こ の よ う に 苦 難 に 耐 え て い る の で す か 。 最 高 の 神 よ 、 恩 恵 ( 恩 情 ) か ら 直 ち に 彼 に ヴ ァ ラ を お 与 え 下 さ い 。87 −88ab. 神 よ 、 マ ヌ を は じ め と す る 最 高 の 聖 仙 た ち は 、[ シ ヴ ァ 神 が ] 怒 っ て い て も あ る い は 満 足 し て い て も、 両 方 か ら 願 望 成 就 は 得 ら れ る 、 と 言 っ て お り ま す 。 世 俗 的 な 喜 び で も 、 王 国 で も、 最 期 の 解 脱 で も、 常 な る 吉 祥 を 与 え る 者 ( シ ヴ ァ 神 ) か ら で あ る と。」
(10) 88cd −89ab. この ように言 われた 世界の主 である 神は、女 神と ともにや せ衰 えや つ れた ヤクシャのいる とこ ろへ 行っ た。89cd −90ab. 牡牛を 旗印 とする 者(シヅ ア神)は、 信愛の 情か ら敬礼 してい るか のハリ ケー シャを 見て、彼 に、そ れに よっ て彼が シャ ンカラを 見た 神聖な 眼を与えた。90cd −91ab. さて、 ヤ クシャは その時、 彼(シ ヴ ア神) の命令 で、 ゆっ く りと両 眼を開 くと、牡牛 を旗印とす る神が春族 とともに居 るのを 見た。 神 々の中 の神が言っ た。91cd −92ab. 「汝 にヴ ァラを 授け よう。 まず 三 界を 見ら れるこ と、 さら に身 体が[ 私、シヴ ア神と] 同じに なることをう 奥悩 を離 れた者は 私を見 よ。」 ス ー タ が 言 っ た 。92cd −93ab. そ こ で 彼 ( ヤ ク シ ャ ) は ヴ ァ ラ を 得 て 、 不 壊 に な っ た 身 体 で 両 足 に 敬 礼し 、 頭 の 上 で 合 掌 し て 動 か な か っ た 。93cd −94ab. さ て 、 彼 ( シ ヴ ァ ) に よっ て 「 私 は 与 え た 」 と 告 げ ら れ た と き、Lヤ ク シ ャ はト 言っ た 。「 神 よ 、私 に 他 で も な い 堅 固 な [あ な た に 対 す る] 信 愛 ( バ クテ ィ ) を お 授 け 下 さ い 。94cd −95. 人 々 に 食 物 を 施 与 す る 者 で あ り 、 不壊 の指 導 者 で あ り 、 ま た、 あ な た の 聖 地 ア ヴ ィ ム ク タを 常 に 見 て い ら れ る よ う に、 神 々 の 主 宰 神 よ 、 あ な た か ら そ れ ら 最 上 の ヴ ァ ラ を 戴 き たい と 願 い ま す 。] 96. 神 々 の 中 の 神 が 言 っ た。 「 老死 を 捨て、あ ら ゆる 病 から 離れ、群 れ の長、 財 の施 与者、 すべ −191 −
97 98. 99. 100. て の 者 に崇 め ら れる 者 に 成 る で あ ろ う 。 あ ら ゆるもの に負けず 、ヨ ーガの超 能力 を 具え、人 々に 食物を 施与 する 者であ り、 聖地の 警護 者(クシェー ツト ラ パーラ) に成るであ ろう。 さ ら に 、 偉 大 な 力 を 持 ち 、 偉 大 な 正 義 感 で あ り 、 敬 虔 で 、 る 者 で あ り 、 三 眼 を 具 え、 警 杖 を 持 つ 者 ( ダ ン ダ パ ーニ ) な ヨ ー ガ 行 者に [ 成 る で あ ろ う ]。 私 の 愛 す で 、 偉 大 ウ ド ブ ラ マ( 攬 乱 )と サ ンブ ラ マ(混 乱 )と が 汝 の 手 下 の 答 族 と な り 、 汝 の 命 令 で 人 々 を 攬 乱 し た り 混 乱 さ せ た り す る で あ ろ う 。」 ス ー タ が 言 っ た 。 こ の よ う に か の 神 は そ こ で ヤ クシ ャ を群 れ の 長( ガ ネ ー シ ュ ヴ ァ ラ ) にし 、 親 愛 なる 不 死 の 神は 彼 を 伴 っ て 行 っ た。 第181 章 [ス ー タ が 聖 仙 た ち に 、 ナ ン デ イケ ー シ ュ ヴァラ が サ ナ ッ ト ク マ ー ラ に 語 っ た こ と を 説 く。そ れ は か つ て シ ヴア神 が メ ー ル 山 で パ ー ル ヴ ァ テ イー に 聞 か せ た 話 で あ る。] ス ー タが 語 っ た。1. こ の 善 を 生 じ 悪 を 滅 す る 素 晴 ら し い 話 を 、 清 浄 で 苫 行 を 積 ん だ す べ て の 聖 仙た ち は 、 聞 か れ た い。2. 神 々 し く ル ッ ド ラ( シ ヴ ア神 )に等 しい 勇 猛 な ナ ン デ ィ ケ ー シュ ヅ ア ラ に 、 尊 者 サ ナット ク マ ー ラは 尋 ね た。、3. あ ら ゆ る生 類 に と っ て の 偉 大 な る 魂 、最 高 の 魂 で あ る バ ヴ ア( シ ヴ ア 神 ) が 、 常 に 堅 固 に 居 る と こ ろ(聖 地)の 秘 密 を あ り の ま ま に 語っ
に2 ) 4 。 5. 5. 7 8 。 9 。 10. 11 て く だ さ い。 神々や ダー ナヴ アたちには とるのが 難しい恐 ろしい 姿 をとっ て、世 界還滅時 まで不動 なままでい るシヴ ア神が。 ナ ンデ イケ ー シ ユ ヴ ァ ラ が 語 っ た。 かつ て(シ ヴァ) 神に よっ て最 も善なるプ ラ ーナ(古 譚) が語ら れ たが、 そのすべ てを シヴァ神に敬礼して から語ろ う。 そ のあ と、 満足 し たシ ヴ ア神 によって、 ウマ ー(シ ヴ ア神 妃パ ール ヅ アテ ィーの別 名)を 喜ばす ために語 られた話 が、常 にご 自身が居 る 世界に知 れ渡ったの だ。 シヴ アの半身 に座し、 栄光を 持つ女神 (シ ヅ ア神妃 )は、 メー ル山 の町 頂で シヴ アに 敬礼 してから尋 ねた。 女 神 が 語 っ た。 「 尊者よ、神 々の 中の神 よ、三日月 を額にい た だく者よ、 この 世におけ る死す べ き人々お よび修行 者たちの ダルマ (義務)I ついてお話 下さい。 [そこ において] なさ れた朗詠、行 われた供 養、修さ れた 苦行、瞑 想 読誦は、 どうし て不滅になる のですか。 何千 年 もの転 生のあ い た に蓄積 さ れた罪が ど うし て消 滅す るの か、 私にお話 下さい、 シヴ ア神 (シャ ンカラ)よ。 そ こ に お い て 、 信 愛 に よっ て な さ れ 、 シ ヴ ア 神 よ 、 あ な た が 満 足 す る 誓 戒、 規 則 、 振 る 舞 い 、 そ し て 法 と は [ ど の よ う な も の で す か ]。 -189
19 そこ に お い て あ ら ゆる も の を 成 就 さ せ 、不 滅 の 解 脱 を も た ら す も の、 私 か 最 も知 り た い と思 っ て い る そ の 全 て を お 話 下 さ い。」 シ ヴ ァ神 が 語 っ た。 13. 「女 神 よ、 秘密 の巾の 最 高 の秘密 を 闘きな さい。あ らゆ る 聖 地 の 中 で 最 も有 名 で 、 私にとっ て 愛しい ア ヴ ィム ク タのこ と を。14.68 の 聖地が 以前述べられたが、そ の中 で[ アヴィムクタ が]最 高 の 聖地で あ る。そ こに は ルッドラ( シヴ ア)白 身 が クリッティ ヴァー サス(獣 皮 を ま と う者=シ ヴ ァ) そ の も のと して 居 るの を 目 の 当た り にできる。15. [私か ]常に ず っ と 居 る ア ヴ ィム ク タ、その 土 地 は私 によって捨 て られない。そ れ故ア ヴ ィムク タと言 われる のであ る。16 −17ab. アヴィ ム クタ に は 最 高 の 成 就 があり、ア ヅ イ ムクタには 最高の 解脱 が あ る。 [ そこ に お い て]なされ た 朗詠 、行われた供養、修され た苦 行 、瞑 想、 読誦 、 布 施の すべ ては 不 滅に なる。17cd −18. 何千年 もの 転生の あ い だ に蓄積された罪は、ア ヅ イ ムク タに 入った 者にとって 、ア ヅ イム ク タの 火 によっ て、 火に入 れられ た 綿のよう に 焼 か れ て 、そ の す べてが消滅する。19 −21. バラモ ン 、クシ ヤ ット リ ヤ 、ヴ ァ イ シ ヤ、シュ ードラ、種 姓 の混じ っ た 者 た ち、虫 、 種 姓 外 者、ま た 異 種 姓 者 ど う し の 結婚で罪 深 い 母 胎 から生まれ た 者 、昆虫 、蟻 、また 獣 、鳥が、時至 ってアヴ ィ ムク タ で 死 を迎え れ ば 、愛し き者 よ、 聞き なさい。頭 上 に 半月 を 置き、 額 に 日 を 持 つ 牡 牛の 旗印 を持 つ 者(シ ヴ ァ)に な る。、私 の吉祥 な る 都 に お い て 、 人 問 たちは喜 ぶ。
(14) 22. 望 ま な く と も、 あ る い は 望 ん で も 、 あ る い は ま た 下 等 動 物 で も、 ア ヴ ィ ムク タで 命 を 捨 て る な ら 、 私 の 世 界 に 入 る 。23. ア ヅ イ ム ク タヘ 行 っ た ら 、 い か な る と き で も 時 間 の 尽 き る まで 、 石 で 両 足 を 砕 い て 、 ま さ に そ こ で 死 ぬ が よ い 。24. ア ヅ イ ム ク タに 行 っ た な ら 、 女 神 よ 、 そ こ か ら 去 っ て は な ら ない 。 そ の よう な 人 は 私 の 境 地 を 得 る 。 こ の こ と に つ い て 考 え る 必 要 は な い 。25 −26. ヴ ァ ス ット ラ パ ダ 、 ル ッド ラ コ ー テ ィ、 聖 地 ス ィ ッ デ ー シ ュ ヴ ァ ラ 、 ゴ ー カ ル ナ 、 ル ッ ド ラ カ ル ナ 、 そ し て ス ヴ ァ ル ナ ー クシ ヤ、 アマ ラ 、 マ ハ ー カ ー ラ 、カ ー ヤ ー ヴ ァロ ー ハ ナ 、こ れ ら の 浄 き 場 所 に [ 私 は] 二 度 のサ ン デ ィ ヤ ー 時 (「│昇 、 剛 剣作」 に 現 れ る で あ ろ う 。27. さ ら に ま た カ ー リ ン ジ ャ ラ ヴ ァ ナ 、 シ ヤ ン ク カ ル ナ 、 ス タレ ー シ ュ ヴ ァ ラ、 こ れ ら の 浄 き 場 所 に 現 れ る で あ ろ う 、 我 が 愛 し き 者 よ。 [ し か し 、] ア ヴ ィ ム ク タで は 、美 し き腰 の 女 よ 、三 度 の サ ン デ ィ ヤ ー 時 ( 日昇 、 南 中 、 日 没 時 ) に [ 現 れる ]、 こ れ は 疑 い ない 。28 −30. 最高 の 秘 密 た る ハリ シュ チ ャ ンド ラ 、 秘 密 の ア ー ム ラ ー タケ ー シ ュ ヴ ァ ラ 、 最 高 の 秘 密 た る ジ ャ ー レ ー シ ュ ヴ ァ ラ、 そ し て 秘 密 の シ ュ リ ー パ ル ヅ ア タ、 ま た 秘 密 の マ ハ ー ラ ヤ 、 素 晴 ら し い ク リ ミ チ ャ ン デ ー シ ュ ヅ アラ 、 秘 密 の中 の 秘 密 で あ る ケ ー ダ ー ラ 、 そ し て マ ハ ー バ イ ラ ヴ ァ。 ア ヅ イ ム ク タに お け る 八 つ の こ れ ら の場 所 に 、 我 が 愛 し き 者 よ 、 三 度 の サ ンデ ィ ヤ ー時 に 現 れ る で あ ろ う 、 豊 か な 腰 の 女 よ、[ こ れ は] 疑 い ない 。31. 戒 を 良 く 守 る 者 よ、 三 界 に お け る こ れ ら の 聖 地 は 常 に ア ヅ イ ム ク タ の足 もと に あ る の だ 。 −187 −
32. ア ヅ イ ム ク タ の 神 聖 な 話 の 続 き と 、 素 晴 ら し き 女 よ、 将 来 の 偉 大 な る 魂で あ る 聖 仙 た ち の マ ー ハ ート ミ ヤ は、ス カ ン ダが 語 る で あ ろ う。」 第182 章[ ス カ ン ダ が 聖 仙 た ち に カ イ ラ ー サ 山 で 語 る。] スー タが語った。1 −2. カ イラ ーサ山の 頂上 に座し、ブ ラフマ ンを知 る者たちの中 の最 上の 者であ るス カンダに、サナ カをはじめ とする 苦行 を修する あら ゆる 聖仙だち と、シヴ ア神に帰依するあ らゆる王仙たちが尋ねた。 スカ ンダよ、この地上 におい て、常にシヴア神が住むところについ て・語って下さい。 ス カ ン ダが 語 っ た。3 −4. 偉 大 な 魂 で あ り 、 あ ら ゆ る 生 類 の 魂 で あ り、 永 遠 な る 神 々 の 神 は 、 神 々や ダー ナ ヴ ァ に と っ て と る の が 難 し い 恐 ろ し い 姿 を と り 、 生類 が 滅 亡 す る ま で 主 は 不 動 の 姿 で 留 ま る。ア ヅ イ ム ク タは 秘 密 の 中 の 最 高 の 秘密 で あ る と 知 れ。5 −6 ア ヴ イム ク タ に は 常 に 成 就 が あ り 、常 に [ シ ヴ ァ 神 が ] 居 る 。 そ の 聖 地 の マ ー ハ ー ト ミ ヤ は シ ヴ ァ神 に よ っ て 、 最 高 の 清 浄 な 場 所 であ り 、 聖 地 で あ り 、 斎場 で あ り 、 火 葬場 を 具 え 、 宮 廷 で あ り 、 神 聖 で 隠 さ れ た と こ ろ で あ る と 語 ら れ た。7. [ そ こ は ] 地 上 と 結 び 付 き、 空 中 に は シ ヅ ア の 世 界 ( シ ヴ ァ ー ラ ヤ) が あ る 。 専 心 し て い な い 者 た ち に は 見 え ない が 、 専 心 し て い る 者 だ ち は 心 で 見 る 。8 −9. 禁 欲 の 戒 を 守 り 、 ヴ ェ ー ダ の 奥 義 ( ヅ エ ー ダ ー ン タ) を 知 る 成 就 者
(16 ) 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17 18. た ち は 、肉 体 の 滅 び る まで 、 そ の 土 地を 離 れ ず 、 禁 欲 の 戒 に よっ て 、 最 高 の 望 み の も の が 生 ず る ( 一 部 意 味 不 明 )。 祭 祀 を 遵 守 す る 者 た ち に と っ て は 、常 に 罪 な きこ と を 本 質 と す る 解 脱 が あ る と 言 わ れ る 。 心を専一にするバラモ ンがそこに住めば、三度の食事を享受し、風 を喰らう 者( 行者)と同 様になるであろ うっ ほんのし ばらく でも アヴ ィムク タにい る帰 依者は、 禁欲者と同 様に なり、最高 の苦 行[の 果報]を 得られるであろ う。 平 静で、 食事を 少なく摂 り、 感官 を制 御した 者が1 か月の 間そこ に 住めば、 彼によっ て、神聖 で偉大 なパー シユパ タ の誓戒 が完全 にな されたこ とになる。 生死の恐 れを 超越し て、最 高の解脱に 到達す る者 は、至福 の善 き解 脱とヨ ーガの終極 (解 脱)に 赴くであろ う。 数百 回の転生 によっ ても[ 得られない] 神聖 なヨ ーガの 終極 も、聖 地の威 光 (マ ーハ ート ミヤ )と、 シヴ ァ神 の威力 (プ ラ バ ーヴ ァ) によって [得ら れるで あろ 列 。 バラモ ンを 殺しか 者で も、い つか アヴ イム クタに 入っ たならば 、彼 にはその 聖地の威 光によって、 バラモ ン殺しL の罪] が消滅す る。 肉 体の滅 びる まで 聖地 を 離れない 者 は、 バラ モン 殺しの みならず 、 以 前に なしたもの (罪)も消滅 する。 心を専一 にし てア ヅ イムクタを離 れない 者は、 ヴ ィシユヴェ ー シユ ヴァラ の神 を得て、再 び生 まれるこ とがない。 常に満 足し てい る 神は彼 にあ ら ゆる望 みのもの を与 える。サ ー ンキ ヤ・ ヨーガの門であ るかの 神はそこに住 む。 −185 −
19 一20ab. シ ヴ ア神は 巻族 とと も に、帰 依 者 た ち へ の慈悲 のゆ えに に こ に い る]。 ア ヴ ィ ム クタは 最高 の聖 地で あ り 、 アヅイム クタ に は 最 高 の 解 脱 が あ る。アヴィム ク タ に は 最高の 成 就 があり、 アヴィ ム クタに は最高 の 境 地 が ある。20cd. −21ab. 天孫 の 聖 仙(デ ーヅアルシ ) たちが 住むア ヴ ィム クタに 居 住 す べ き で あ る。、臥 慮ある 人 間 は もし 望 め ば 、再 び生ま れ 変 わるこ と はない。21cd. −22ab. メール 山 のまわり にあ る 島 々 やすべ て の 海 の 美 点は 語るこ と が で き る が、 アヴィム クタにつ い て は[そのす べ て の 美 点 を 語るこ とが] で きな い。22cd. −24cd. 人々が 死 ぬと き に 諸 々 の 急 所 が切ら れると、風に促され た者た ち の 、 記 憶は[再 び]生 じ な い。[し かし]アヴィム クタで 最期 を 迎える帰 依者た ちに は、自在 神自ら が カ ルマ に 促 さ れ た 者 た ち の、 耳に囁 き を り え る。マ ニカル ニ ー(=マ ニ カ ル ニ カ ー)で身 体を捨て る者 は 望 み の 境 地 に 赴 く。25 −26. 自 在神に 促 さ れ た 者 は 、 悪 人に は到 達し が た い 所 に 行 く。こ れ に の 世)は 無 常であり、 人 間は 罪深い も の であ ると 知って 、 輪 廻 の 恐 怖か ら解放 し 、 生計 (ヨー ガ・クシ ェーマ)を 与 え 、神聖 で 、多 く の障 害を 破 壊す る ア ヴ ィ ム ク タに 住 む べきで あ る。27. 諸 々 の障害に か き 乱 さ れ た 者 も 、アヴ ィ ム ク タを離 れな いな らば 、 老 い や 死 、そし て 誕生 を、こ れらは 永遠 でな い とし て、離 れ る。ア ヴ ィ ムク タにお け る恩寵により 、シ ヴア神 と の合一が得ら れるであろ う。
(18) 〈註 〉1) 聖 地 ヴァ ーラ ー ナスィー の宗 教的背 景 全般に つい て は 小1几i・ 宮 本 編r イ ン ド ・ 道の 文化誌Jpp.106-122, 宮 本(ヒ ンドゥー 聖地 思索 の旅Jp.l49ff.参照。2)guhyaka. 原義 は「隠 れ た 者」 といった意味 で あ る が、yaksa( 夜 叉 ) と ほ ぼ 同 義 に 扱 わ れる。3 )avimukta. ヴ ァ ー ラ ーナスィ ーの別名。4
)idamguhyataniamksetramsadavaranasimama,sarvesamevabhutaiiamheturmoksasyasarvada.5
)nianinanamamabhaktaScamayisarvarpitakriyah,yathamoksamihapnotihyanyatranatathakvacit.6
)etanmamapai^a 印divyamguhyadguhyatara 印mahat ,brahmadayastujanantiye'pisiddhamumuksavah,atahpriyatamamksetramtasmaceeharatirmama.7
)vimuktainnamayayasmanmoksyatevakadacana,mahatksetramidamtasmadavimuktamidamsnirtam.8
)い ずれも 聖地名。9)Prayaga. ウ ッ タ ルプラ デ ー シュ州 に あ る 聖 地。現在の ア ッラ ー ハーバード。10)Jaigisavya. ジャ イギ ー シ ャ ヅ イヤ は『ヨ ーガ ス ート ラ』の 註 釈 書 『 ヨ ー ガ ス ー ト ラ ・バーシ ヤ』3.18に も 出 てくる ヨーガ 行 者 で、 プ ラ ーナ聖典 で は、 ヴ ァ ー ラー ナ ス ィーにお い て シ ヴ ァ神lの恩 恵 を受 け てそ の修行 を完 成 さ せたこ と で 有 名。ディヴ ォ ーダ ーサ王が支配 して い るとき に、 シ ヅアは マ ン ダ ラ 山 に 行 っ て しまった。ジ ャ イ ギ ー シ ャ ヴ ィ ヤ は、 シ ヴァが 帰 還 す る まで飲 食 しない と い う 誓 い を 立て た。、彼 は│ルI肢 が 萎 縮す るまで 瞑 想 に ふ け っ た。シヅアは 北 か ら 都 に 帰還 す ると 、 すぐ に彼のとこ ろ に向かい 、恩恵を与え た。「ニ ル ヴァ ーナ の 手 段で あ るヨ ー ガシャー ストラ とい う 知 恵 を授 け る。彼が す べて の ヨーガ 行 者 の 師に な る ように。汝 は す べ てのヨ ー ガ の知 識 を 知 る で あ ろう。恩 恵 に よ り、 ま たその 知 識 に よ り, 汝 は 解 脱を 得 る であろ う。」(『カ ー シ ー ・ カ ン ダJ40.162,; 『カー シ ー・ ラハ ス ヤI34 −5 ) 現在 、 ヴ ァーラ ー ナ ス ィーの 北 西 部 に ジ ャ イ ギーシ ャ ヴ ィエ ー シュヅアラ を 祀 る寺院 が あ る。オ ー ン カーラ 巡礼 路 にあ り、 ヨ ー ガ の達成 を 祈 願 す る 者 だ ち が 訪 れる。(Eck.p.357)11 )Samvarta.梵 仙(ブ ラ フマー神 の 子孫)アン ギ ラ スの8 人の息子の う ち の一一人。 三 男。 183 −
12)Vyasa. 『マ ハ ーバーラ タ』の 編 者 と 伝 えられ る 聖仙 で 、そ の他 に ヅ エ ー ダ の編 者 と も プ ラ ー ナ の 編者と も 言われる。( 菅 沼p.87)『マ ツ ヤ ・ プ ラ ー ナ』185.13 −42.に は 、 ヴ ィ ヤ ーサ がこの 地 に来て 乞食 を し た が 得 ら れず 、 怒っ てこ の 都 に 住 む 人 々を 呪岨 し たエピ ソード が 説 か れて い る。!3 )Marka. ヴァー ラ ー ナスィーの 工。正直 者 でヨー ガ を 修す る。か つ て 、 五 感 を 制 御 する ため 、心で 眼 、耳 、舌 、身 、意に 矢 を放った。しか し 五感 は 従 わなかっ た。そ こで、彼 が瞑 想 を すると、従ったと言う エ ピ ソード が[マハ ーバ ーラ タ] (ア ヌ シ ヤ ーサ ナ・パルヴ ァン)にあ る。ま たr ラ ーマー ヤ ナJU ア ヨ ーデ ィ ヤ ー・ カ ー ン ダ)に は 、か つ て、バ ラ モ ン の 少 年 に 願い 事をか な え る約 束 を し た 時、 少年が 眼を 所 望 し たので、彼 が そ れ を 与 え た と言う エピソ ード が 知られる。(Mani.pp.26-27)J4)Pa §upata. シヴア 派 の 一派 で 獣主派 と訳 さ れ る。開祖 は ラ クリ ー シ ヤで 『 パー シュ パ タ・スート ラ』を 著 し た と さ れ る。シヴ ア神と 個我 の 今一の た め、 わ ざ と 人々の 嫌悪 す る行為を し、誤 解 か ら 生 ず る 功徳を自 分に蓄 積 する とい う 特 異な 修 行法で 知ら れ る。15 )Vi§veもvara.現 在 ヴァー ラ ー ナ スィ ー の旧 市 街にあ る ヴィシュヴ ァ ナ ート(世 界 の上ト剔 院の・i身 の か院 の ご 神 体'llj 。こ の 寺 院 の 前 身は5世 紀 に は 建立 されて い た よ う で 、12 世 紀に は ヴ ィ シ ュヴェー シュ ヴ ァ ラ(│ll:外の 上 宰紳ト 万 院 と し て繁 栄していた。し か し12 世 紀 末 か ら17 世 紀 に か け て 、イスラー ム教 徒に よる 少な くとも6回の 破 壊を被 り、何度 か 移 転 を 余 儀 な く された。現 化 あるも の は1777 年 に イ ン ド 巾 内 部 イン ダウルの女上 ア ハリ ヤー・ バ ー イーの 寄 進 に よっ て再建 さ れ た ヴィシ ュ ヴァ ナー ト 寺院で あ る。尖 塔 の 金 箔は 、1839 年 に 北 西 インドの ス ィ ク 圃]五ラ ン ジ ー ト ・スィ ン に 寄 進 さ れ た 約790 キロ の純全て 茸 か れてい る ので、通 称 黄 金寺 院 (ゴー ルデ ン・ テ ンプル)と呼 ば れてい る。 《テ ク ス ト》Matsyapurana.AnandaAshramaSanskritSeries54.Poona,1981.( 底 本)Ka 辺khanda.KarunapatiTripathKed.).(1-3parts)Varanasi:SampurnanandaSanskritUniversity,1991-96.Ka 気朋oksan・irnaya.AmbikaDa 狸aUpadhyaya(ed.),Gorakhpur,1931.K 己sirahasya.WithacommentarybyNTlakhanthaSarasvati.GurumandalaGranthamalaNoXN,Vol. 皿Calcutta:GurumandalaPrak 飴ana,1957.Skandamahapurana.Delhi:NagPublishers,1986.
(20 )
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