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<シンポジウム04―2>パーキンソン病の分子病態機序のブレークスルー孤発性パーキンソン病の遺伝子:common disease-common variants

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Academic year: 2021

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50:864

<シンポジウム 04―2>パーキンソン病の分子病態機序のブレークスルー

孤発性パーキンソン病の遺伝子:common disease-common variants

戸田 達史

佐竹

(臨床神経 2010;50:864) Key words:パーキンソン病,疾患感受性遺伝子,一塩基多型,ありふれた多型 症例的には大多数(95%)の孤発性パーキンソン病(PD)は, 数十の遺伝因子と環境因子によってなり,その総和が,ある閾 値を超えたとき発症するという多因子疾患であると考えられ ている.家族性 PD の原因遺伝子としてα-synuclein や parkin, DJ-1,PINK1,LRRK2 遺伝子などが発見されたが,孤発性 PD ではほとんどあきらかではなく,最近になりゲノム解析技術 の飛躍的な進歩によりその病因の研究が発展している.多く の患者に関係する頻度の高い多型 common variants(いわゆ る SNP)と,頻度は低いが発症への Effect size の大きい多型 rare variants の両者が重要である. 我々は候補遺伝子アプローチにてα-synuclein をはじめて の確実なパーキンソン病(PD)感受性遺伝子として同定し (p=5.0×10−10),報告してきた. さらに孤発性パーキンソン病の感受性遺伝子を網羅的に同 定するため,全ゲノム全遺伝子をほぼ網羅した 56 万 SNP を 搭載したイルミナ社 HumanHap550 アレイをもちいて,日本 人の PD 2,011 検体,対照 18,381 検体により,ゲノムワイド関 連解析(GWAS)と 2 つの再現研究をおこなった. まず患者 988 検体,コントロール 2,521 検体で 438,886SNP の関連解析をおこない,有意な SNP 上位 337 個を,2 つの独 立した患者・対照検体セットをもちいて,再現研究をおこ なった.われわれは,1q32 に,新しい PD 感受性遺伝子座を 同定し(P=1.52×10−12), この領域を, PARK16 と命名した. また,第 2 の,新しい PD 感受性座として,4p15 に位置する BST1を同定した(P=3.94×10−9).さらに,疾患との強い関 連 を,常 染 色 体 優 性 遺 伝 性 PD の 原 因 遺 伝 子 で あ る, α-synuclein(4q22,P=7.35×10−17)と LRRK2(12q12,P=2.72× 10−8)の領域に検出した.ヨーロッパ起源の集団の関連解析の 結果と比較することにより,我々は,人種間で共通した PD リスク遺伝子座として,PARK16,SNCA,LRRK2,人種差を示 す遺伝子座として,BST1 と MAPT をみいだした. 今回 PD 発症にかかわる,2 つの新しい遺伝子座を同定し た.また,常染色体優性遺伝性 PD の原因遺伝子の,孤発性 PD への関与を証明した.さらに,人種差が,PD の遺伝的不 均一性に,寄与していることを示唆している.GWAS からさ らなる遺伝子の解明,そこから新たな疾患パスウェイとそこ からの治療薬開発が期待される.また今後全ゲノム的に薬剤 効果に関与する多型が数多く同定され,それらをミックスで 搭載したカスタムの薬剤効果判定チップの臨床応用が期待さ れる. Abstract

Gene for sporadic Parkinson s disease: Common disease-common variants

Tatsushi Toda, M.D. and Wataru Satake, M.D.

Division of Neurology, Kobe University Graduate School of Medicine

(Clin Neurol 2010;50:864)

Key words: Parkinson s disease, susceptibility gene, SNP, common variants

神戸大学大学院医学研究科神経内科!分子脳科学〔〒650―0017 神戸市中央区楠町 7―5―1〕 (受付日:2010 年 5 月 21 日)

参照

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