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史料紹介 : 不破光雄家史料

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Academic year: 2021

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史 料 紹 介

史料紹介 不破光雄家史料

史料館では、このたび滋賀県彦根市高宮町の不破光雄氏から寄託された史料の整理と目録化作業 を行いました。高宮町は、江戸時代には高宮村と呼ばれていましたが、先に彦根城博物館で開催され たテーマ展歴史シリーズ「江戸時代の高宮―在郷(ざいごう)町(まち)の歴史―」でも明らかにされてい た通り、行政上は村として把握されながらも実態としては都市的機能を備えていた「在郷町」でした。高 宮村は中仙道六十七次のひとつ・高宮宿がおかれた宿場町であり、また全国的に知られた「高宮布 (たかみやぬの)」といった特産品を産出するなど、地域の経済的な中心地としても栄えていました。 不破家は、そうした高宮村に居を構え、江戸時代には「永楽屋」を屋号として手広く商いを営んだ、い わゆる「近江商人」のひとりでした。初代・弥三郎〔安永二年~嘉永四年(1773~1851)〕は信州(長 野県)を拠点として、積極的に行商に努めて一代で財を成した人物です。彼は晩年になって、家業を跡 取りに譲った後は、練り薬を販売して過ごしたようですが、史料館には「御免神済帰脾丹調合所 江州 高宮駅 永楽堂 法橋不破浄順」と記された、十二弁の菊の紋入りの立派な看板も寄託されています。 「浄順」は弥三郎の法名ですが、「法橋(ほっきょう)」とは僧侶の位のひとつで、天保九年(1838)に綸 旨によってこの位を授けられています。 初代弥三郎以降の、近代の不破家の様子について見れば、たとえば寄託史料の中には明治三〇年 代以降に株取引に積極的に関わっていたことを示す葉書や書状などが数多く含まれています。この頃 になると、東京・大阪などの相場情報を、郵便や電信を活用して地元にいながらにして仕入れることが できていたわけです。不破家史料は、地域の中での経営活動のありかたが時代によって変遷するさま を我々に教えてくれる点でも貴重と言えるでしょう。 (史料館 青柳周一)

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