バス乗換案内システムとその利便性向上へ向けた試み
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(2) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2017-ITS-70 No.6 2017/8/4. ズに行えるように対応した.詳細は第 6 章で述べる.. 3. 経路探索機能 本章では,バスネットの中心的な機能である経路探索機 能について述べる. 路線バスの利用においては,普段から路線バスを利用し ている利用者であっても,路線バスの経路の組み立てのた めに負担がかかる場合が多い.まず,不適切な経路を選ん でしまった場合に長い待ち時間が発生する場合があるため, よく考えて経路を組み立てる必要がある.また,運行時間 が決まっているために,好きな時に目的地へ行きにくいと 図 1 バスネットサイトの外観. いう問題点がある.時間の無駄を減らそうにも,時刻表を. 線バスの座標を提供するバスロケーションシステムも有し. 精査する必要があり,利用者の負担がさらに大きくなって. ている.. しまう.特に,複数の路線バスを乗り継ぐ場合,バス路線. 経路探索機能とは,出発地と目的地を指定することで,. の経路の把握がしにくいため,料金なども把握しにくい.. 目的地へ移動するための路線バス・鉄道を用いた適切な経. 経路の把握のしにくさに関連して,目的地までの経路で遠. 路を提示する機能である.詳細については,後述の第 3 章. 回りしてしまわないかという不安を利用者が感じることも. で述べる.経路探索機能については,鉄道を対象としてよ. あり得る.これに対処するため,最適な経路を分かり易く. く用いられている,既存の多くの経路探索システムと異な. 提示するシステムが求められる.そこで,バスネットでは. り,路線バスの特性を考慮したものとなっている.時刻表. 必要な条件の指定を行うことで,適切な経路を検出し,利. 検索機能とは,乗車バス停と下車バス停および日時を指定. 用者へ提示する経路探索機能を提供する.. することで,対応する路線の時刻表を表示する機能である.. この経路探索機能では,出発地と目的地を指定すること. 詳細は後述の第 4 章で述べる.バスロケーションシステム. で,目的地へ移動するための適切な経路を利用者へ提示す. とは,運行中の路線バスに搭載している GPS 端末から得ら. ることができる.経路探索の際には,発着日時や利用する. れる座標情報を利用者へ提供するシステムである.詳細は. 交通機関,利用するバス会社などの詳細な条件指定を行う. 第 5 章で述べる.バスネットは,PC,携帯電話,スマート. こともできる.交通機関の選択では,鉄道を利用するか否. 端末以外に,駅,停留所へ多機能バス停と呼ばれる端末を. かの指定が可能であり,鉄道を利用しない路線バスのみを. 設置し,そこから利用することも可能となっている.多機. 利用する経路を条件として経路探索を行う事も出来る.ま. 能バス停端末からは,バスネットサイトと同じく,経路探. た,路線バスの運行会社別に,その会社の路線バスを利用. 索,時刻表検索,バスロケーションシステムの利用が可能. するか否かの指定を行うことが可能となっており,定期券. となっている.ただし,それらの機能を利用していない間. を持つ利用者などが,特定の運行会社の路線バスのみを利. は,鳥取県の PR 映像などのコンテンツを投影し,旅行者. 用したい場合に活用できる.特筆すべき点として,経路探. への情報提供や地元の PR などを行っている.この多機能. 索機能については,一般に普及している鉄道の乗換案内シ. バス停は,バスネットについて知らない人が,駅や停留所. ステムとは異なり,路線バスの特性を考慮に入れたものと. で見つけて利用することを目的として開発した.これによ. なっている[2][3].路線バスの停留所は,鉄道駅に比べて設. って,バスネットを知らない利用者がバスネットを知るき. 置間隔が狭く,路線も複雑に入り組んでいるという特性を. っかけを作るとともに,携帯端末などを持たない利用者が,. 持つ.よって,停留所にとどまり,次の路線バスを待つよ. 外出先でバスネットを利用する事が出来るようになってい. りも,徒歩で別の停留所へ移動した方がより早く目的地へ. る.多機能バス停の詳細については第 5 章で述べる.. 到着する事が出来る場合がある.あるいは,鉄道の乗換の. バスネットのウェブサイトは,当初は PC と携帯電話で. ように下車した駅で次の列車に乗車することを念頭に置く. の利用を前提として開発された.そのため,スマートフォ. 必要はなく,下車したバス停から徒歩異動により別のバス. ンでの利用の際には,携帯電話用のバスネットサイトから. 停まで移動し,そこから次の路線バスに乗車することも可. 機能を利用するという手段を用いていた.しかし,スマー. 能である.例として,徒歩移動を考慮に入れた経路探索を. トフォンやタブレットはほかの端末と比べて操作性が大き. 行うことによって,図 2 のような長距離の徒歩移動を行う. く異なる.そのため,バスネットのウェブサイトの閲覧が. 経路ではなく、図 3 のような徒歩移動距離の少ない適切な. スムーズに行えないという問題が発生していた.この問題. 経路を提示する事が出来る.. を解決するため,バスネットのウェブサイトデザインの改. このような路線バスを利用する上で発生する場面も想. 良を行い,スマートフォンやタブレットでの利用がスムー. 定し,バスネットでは徒歩による移動も考慮に入れた経路. ⓒ 2017 Information Processing Society of Japan. 2.
(3) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2017-ITS-70 No.6 2017/8/4. 図 2 徒歩による乗換を考慮しない経路. 図 4 経路探索結果. 図 3 徒歩による乗換を考慮した経路 の探索を行うように設計されている.また,路線バスの停 留所には,場所を知らせる道路標識などがないだけでなく, そのバス停にどのような路線バスが停まり,どのような運 行状況であるかの把握が困難である.そのためバスネット においては,停留所を直接指定することなく,任意の座標・ ランドマークを出発地・目的地として指定することにより 解決を図った.これによって,目的地付近の停留所を直接 把握せずとも,目的地を指定するだけで経路探索を行う事 が出来る.加えて,路線バスの運行には,道路の混雑状況. 図 5 路線バス接近情報. に左右されやすく,既定の時間とのずれが発生しやすいと. 考えられる.バスネットでは,目的地となる停留所を指定. いう特性もある.これに対応するため,バスネットでは第. し,そこに至る路線バスの発着時刻のみを抜き出した時刻. 5 章で後述するバスロケーションシステムを実現し,それ. 表を表示する機能を提供する.時刻表検索機能では出発地. から得られた現在運行中の路線バスの位置情報をもとに,. と目的地のバス停を指定し,利用日時を選択することで,. 路線バスの運行の遅れを算出し経路探索に反映することに. 時刻表を表示する事が出来る.出発地を指定すると,自動. よって,路線バスが定時運行していない場合にも対応した. 的にそこから乗り換えを行わずに到達することが可能な停. 経路探索を行う事が出来るようにしている.バスネットは,. 留所一覧が提示され,その中から目的地を選ぶ事となる.. 経路探索結果として,図 4 のような画面を出力する.. 時刻表を表示する機能は経路探索結果画面からも利用する. 経路探索結果画面からは,利用するバス停留所の時刻表や,. 事ができ,移動経路上にある停留所の時刻表を直接確認す. 利用する路線バスが通過する停留所の一覧,路線バスの乗. ることも可能となっている.バスネットは,時刻表検索結. り場情報などを確認することもできる.また,経路探索結. 果として,図 6 のような画面を出力する.時刻表検索結果. 果として表示される経路で利用される路線バスについては,. においては,必要な路線が過不足なく表示されるようにな. 運行中の路線バスである場合に限り,その位置情報を直接. っており,目的地へと至らない路線が除外されるだけでな. 参照し,地図上に表示して確認することもできる.路線バ. く,利用者が把握していない路線であっても,目的地へ至. スの位置の確認画面を図 5 に示す.. る路線であればすべて表示される.. 4. 時刻表検索機能. 5. バスロケーションシステム. 本章では,バスネットの時刻表検索機能について述べる.. 本章では,バスネットのバスロケーションシステムにつ. 路線バスの時刻表には,その停留所から発車するすべての. いて述べる.バスロケーションシステムとは,運行中の路. 路線バスの発車時刻が記されている.しかし,必要な情報. 線バスの座標を取得し,利用者へ提示するシステムである.. のみに絞り込んで見る事が出来ればより利便性が高まると. 路線バスは,道路状況に左右されやすく,運行予定との. ⓒ 2017 Information Processing Society of Japan. 3.
(4) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2017-ITS-70 No.6 2017/8/4. たバス停と通過予定のバス停及び通過予定時刻を表形式で 表示することも可能となっており,地図上だけでなく文字 情報としても路線バスの遅れ具合を把握することが可能と なっている.. 図 7 運行中バス 図 6 時刻表検索結果 ずれが発生しやすい.さらに,鳥取県は積雪が多く,冬の. 6. 多機能バス停 本章では,バスネットの多機能バス停について述べる.. 期間は路線バスの運行の遅れが発生する場合も多い.路線. バスネットは前章で説明したように,PC やスマートフォン. バスの遅れは,利用者に不安を感じさせる.これによって,. からアクセスすることで利用可能なシステムである.しか. 路線バスの利便性が損なわれ,利用者の減少につながると. し,PC やスマートフォンのバスネットは,このような機器. 考えられる.バスロケーションシステムによって路線バ. を使用しない人や,初めて鳥取県に来た人など,バスネッ. スの運行の遅れ状況をリアルタイムに把握し,定刻通りに. トの存在を知らない人は利用することができない.そこで,. 路線バスが到着するのか,遅れたとしても,どの程度待て. PC,スマートフォンに次ぐ屋内設置型の端末の役割を果た. ば路線バスが到着するのかを確認できるようにすれば,利. すのが多機能バス停である[5].この多機能バス停は,バス. 用者の不安を低減し,路線バスの利用者増加につながる.. ネットの存在を知らない人がバスネットを利用するきっか. 路線バスの座標の取得は,路線バスに搭載したスマートフ. けになると同時に,バスネットを知っていても携帯端末を. ォン端末から行う[4].このスマートフォン端末には,バス. 持たない利用者が外出先でバスネットを利用できるように. ロケーションシステムのための機能が実装されており,運. することが可能となる.バスネットは検索や表示などすべ. 転手が登録した路線情報と共に,内蔵されている GPS から. ての処理をサーバ側で行うが,多機能バス停は検索のみを. 取得した座標情報をバスネットのサーバへ送信する.これ. サーバで行い,表示は端末側で行うという違いがある.加. によって,どの路線の路線バスがどこを走行しているのか. えて,この多機能バス停は,タッチスクリーンによるタッ. を把握することが可能となる.鳥取県内の約 300 台の路線. チ操作を行うようになっており,端末の操作が不得手な利. バスに搭載しており,それらの路線バスの座標をリアルタ. 用者でも簡単に利用できるようになっている.経路探索機. イムに取得することができる.経路探索の際には,バスロ. 能は基本的にはバスネットで使用されているものと同じで. ケーションシステムで取得した路線バスの座標情報から運. ある.しかし,インターフェースはバスネットのものとは. 行状況の遅れを算出し,それを考慮に入れた経路を導き出. 異なるものを使用する.具体的には,項目ごとに画面を遷. す事が出来る.例として,定時運行であれば最も早く目的. 移していく,大きなフォントを使用しているなど利用者が. 地へ到着する事が出来る路線バスであっても,遅れが出て. 使いやすいようになっている.出発地はその多機能バス停. いるためにほかの路線バスを利用したほうが早く目的地へ. の設置場所となっているが,変更することもできる.目的. 到着する事が出来る場合がある.このような場合は,利用. 地は主要なものはあらかじめ用意されているほか,名前や. 者へ遅れが出ていない方の路線バスを使う経路を提示する.. 地図から入力することもできる.時刻表検索機能もバスネ. 利用者へ運行中の路線バスの座標を提示する際には,地図. ットで使用されているものと同じように利用でき,また,. 上にバスのアイコンを描画する.これによって,視覚的に. PC から閲覧可能なバスネットサイトと同様に,バスロケー. 路線バスの位置を把握できる.運行中の路線バスを地図上. ションシステムによって取得した路線バスの座標情報を,. に表示する様子を図 7 に示す.アイコンの描画は 20 秒間隔. 地図上にバスアイコンを表示することで利用者へ提示する. で更新される.また,特定の路線バスに注目して,通過し. ことが可能.また,多機能バス停にはコンテンツを配信す. ⓒ 2017 Information Processing Society of Japan. 4.
(5) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2017-ITS-70 No.6 2017/8/4. るというバスネットにはない機能が存在する.端末が利用. を用いたポインターによる操作を行うのに対し,スマート. されていない間は,時刻表や地域の情報といった路線バス. フォンでは指によるタップ操作によって機能を利用する事. の利用者や旅行者向けのコンテンツを配信し,旅行者への. となる.画面の大きさも大きく異なる.スマートフォン端. 情報提供や地元の PR などを行っている.多機能バス停の. 末を用いた場合,PC に比べて非常に小さい画面で操作を行. 外観は,図 8 のようになっている.現在設置されている多. うこととなり,PC のサイトデザインをそのまま適応した場. 機能バス停は 2 種類存在し,それぞれ 2 画面型,1 画面型. 合,文字サイズの不適合,もしくは,レイアウトの不適合. と呼ぶ.2 画面型多機能バス停は最初に開発された多機能. によって,表示される情報が見にくくなってしまう.以上. バス停であり,42 型の大型ディスプレイと 19 型のタッチ. の内容から,スマートフォンからの閲覧を考慮した,スマ. パネルの 2 画面で構成されている.大型ディスプレイでは. ートフォン専用のバスネットウェブサイトの提供が必要と. 時刻表の表示や地域情報の発信を行い,タッチパネルでは. 考える.スマートフォンでの利用を考慮し,サイトのレイ. バスネットと同様の経路探索機能を提供する.しかし,2. アウトを端末の画面サイズに応じて動的に変化させるレス. 画面型はサイズが大きく,狭い場所には設置できないとい. ポンシブウェブデザインを採用した.また,今後はさらな. う欠点がある.また,2 つのディスプレイを用いるため開. る利便性の向上に向けて,フッターメニューの採用,リン. 発コストがかかり,多数製造できない.そのため,画面を. クボタンの改良,タブメニューによる経路探索結果のメニ. 1 つにし,サイズの小型化,コストの削減をした 1 画面型. ュー表示の 3 点の改良を行う予定である.. 多機能バス停が開発された.1 画面型多機能バス停は 24 型. 7.2 グリッドレイアウト. タッチパネルのみで構成されている.1 画面型多機能バス. PC での大画面から,スマートフォンの小さな画面での表. 停は使用されていない場面では時刻表と地域情報を交互に. 示までを適切に行うため,グリッドレイアウトを採用する.. 表示し,タッチされた場合に経路探索システムを表示する.. グリッドレイアウトとは,ホームページのデザイン手法の. 1 画面型多機能バス停は鳥取県内の 24 箇所,2 画面型多機. 1 つである.画面全体をグリッドラインと呼ばれる格子状. 能バス停は 4 箇所に設置されている.. の線で分割し,その線に沿ってコンテンツを配置すること で,複数のコンテンツを規則正しく表示し,すっきりとし た見やすいレイアウトを実現できる.さらに,幅の変化に 応じてコンテンツの配置を横配置から縦配置へ動的に切り 替えつつ,見やすさを損なわないように整形することもで きる. 7.3 経路探索条件入力フォームの改良 スマートフォンでのバスネット利用時,経路探索結果の 表示画面において,経路探索条件を入力するための入力フ ォームが画面の大部分を占有してしまい,経路探索結果を 見にくいという事態が発生した.これに対応するため,経 路探索結果においては,経路探索条件を入力するための入. 図 8-1. 2 画面型. 図 8-2. 1 画面型. 図 8 多機能バス停. 7. スマートフォン用サイトデザイン 本章では,スマートフォンでの利用を考慮に入れたバス ネットのウェブデザインについて述べる. 7.1 スマートフォンでの利用を考慮したデザインの必要 性. 力フォームは,画面上に配置された再検索ボタンをクリッ クすることで開閉するようにした.これによって,経路探 索結果画面においては,あらかじめ経路探索条件の入力フ ォームを非表示状態としておき,必要に応じて開閉するこ とが可能となった. 7.4 フッターメニュー バスネットでは,現在ヘッダーメニューを採用し,ペー ジ上部に利用できる機能への遷移ボタンが配置されている.. 近年,スマートフォンの大幅な普及に伴って,スマート. しかし,このメニューを利用するためには,その度に画面. フォンからのウェブサイトの利用数が増加している.すで. 上部までスクロールを行う必要があり,操作性の面で適切. に,スマートフォンからのウェブサイトへのアクセス数は. とは言えない状況である.これを解決するため,フッター. PC からのアクセス数を上回っていると言われている.バス. メニューの導入を行う.フッターメニューとは,図 9 に示. ネットにおいても,経路探索機能へのアクセスは,半数以. すようなメニューを常に画面下部に固定し,スクロールを. 上がスマートフォン・タブレットから行われていおり,そ. 行うことなく機能の切り替えができるものである.. の数は今後も増え続けると考えられる.しかし,PC とスマ. 現在,多くのウェブサイトではハンバーガーメニューと. ートフォンには操作性に大きな違いがある.PC ではマウス. 呼ばれる三本線で表現されるメニューアイコンをタップす. ⓒ 2017 Information Processing Society of Japan. 5.
(6) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2017-ITS-70 No.6 2017/8/4. 7.6 タブメニュー バスネットの経路探索結果においては,複数の経路が提 示される場合がある.これらの経路は,1 つのページに縦 に並べて表示される.そのため,利用者は経路を確認する 図 9 フッターメニュー. ためにスクロールを繰り返すこととなり,画面が小さいス. ることによってメニューが開閉する方式が主流である.し. マートフォンにおいては,利用者のスクロール操作の負担. かし,この方式では,三本線のメニューアイコンの意味を. が大きくなってしまう.これを解決するため,タブメニュ. 把握していない利用者にはアイコンの意図を理解する事が. ーによるルート切り替え機能を追加する.画面上部にタブ. 出来ないというデメリットがある.また,フッターメニュ. 状のメニューを表示し,それぞれのタブに 1 つの経路を割. ーの特徴として,常にメニューが開いている状態であるこ. り振る.対応するタブをタップすることで,任意の経路を. とから,タップの回数が少なく,スムーズに利用できると. 表示する.これによって,スクロールを行うことなく経路. いう点.そして,アイコンと併用することで,視覚的に機. を切り替え,比較することができるようになる.タブを用. 能が分かり易くなるという点が挙げられる.これらの理由. いた複数の経路の表示を図 11 に示す.. から,バスネットにおいてはフッターメニューを採用する 事とした.注意点としてフッターメニューは常に画面下部 にメニューが固定されているため,メニュー項目の多さに よっては画面の表示を圧迫したり,メニューアイコンが小 さくなってしまう場合が考えられる.これに対しては,現 状ではバスネットのメニューに表示するべき項目の数は少 ないため,直ちに悪影響はないと思われる.ただし,今後 図 11 タブメニュー. メニューに表示する項目が増加した場合は,ほかの表示方 式の採用を検討する必要がある. 7.5 リンクボタンの改良. 8. おわりに. 現在のバスネットにおけるリンクボタンは,通常のフォ. 本論では,路線バスの利便性向上を目指し,経路探索を. ントに青色の文字色と下線を付加したものとなっている.. 主とした路線バスの利用援助機能を持ったバスネットと呼. しかし,スマートフォンからバスネットを利用する場合,. ぶシステムと,スマートフォン端末における利便性の向上. リンクボタンが小さいためにタップがしにくいという問題. を目的としたバスネットサイトのウェブデザインについて. がある.さらに,スマートフォンのタップによって操作を. 述べた.今後は,今回述べたフッターメニューやリンクボ. するという特徴から,PC のようにマウスポインタを重ねた. タンの最適化などのウェブデザインの実装を行う必要があ. 際のポインタの変化によって,リンクボタンであることを. る.また,スマートフォンには PC に備わっていない多数. 確認することができないため,そもそもリンクボタンであ. の機能を有しているため,スマートフォンならではの機能. ることに気付きにくいという問題もある.これを解決する. を活用した,より利便性を高める機能を考える必要がある.. ため,リンクボタンのサイズの最適化と,リンクボタンで. ている.. あることを示すアイコンの追加を行う.サイズの最適化に ついては,スマートフォンでのタップ操作における,ボタ. 参考文献. ンのサイズ別のタップ失敗率が 5mm であれば 20 回に 1 回, 7mm であれば 100 回に 1 回,9mm であれば 200 回に 1 回 と報告されており,7mm 以上が推奨されている.これに従 い,リンクボタンのサイズが 7mm 以上になるように設定 する.また,リンクボタンであることを分かり易くするた め,リンクボタンの隣にアローアイコンを表示し,リンク であることを視覚的に示す.. [1] “路線バスネット”. http://www.ikisaki.jp [2] “路線バスネットワークのための実用的な経路探索システム”. 情報処理学会論文誌,2,780-790,2007 [3] “徒歩移動を考慮するバス経路探索システム”. 情報処理学会論 文誌,5,1207-1210,2005 [4] “スマートフォンを利用したバスロケーションシステムの開 発”. 電子情報通信学会論文誌, Vol. J96-D, No. 10, pp. 2327-2339 (2013). [5] “スマートフォンを利用したバスロケーションシステムの開 発”. 電気・情報関連学会中国支部第 60 回連合大会講演論文集, 189,2009. 図 10 改良後のリンクボタン. ⓒ 2017 Information Processing Society of Japan. 6.
(7) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 正誤表 下記の箇所に誤りがございました.お詫びして訂正いたします. 訂正箇所 6 ページ 最 後 尾 ” 8 . お わ 右の文を加筆 りにの直 後. ⓒ2017 Information Processing Society of Japan. 誤. 正 謝辞 本研究の一部は JSPS 科研費 JP17K01256,JP17K06600 の助成を 受けたものです..
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