46 血液型を有する疑問の父Aと,0,MN, S,Rh(十) の母との間に0,MS,Rh(十)の児は生れ得る。そ して父権肯定の確率は60%である。 次に松倉の指紋遺伝の法則に従うと,生物学的指紋 価(b.v.)222を有する勇と192を有する母との聞に b.v.282を有する児は生れ得る。叉指紋隆線数178を有 する男と77を有する母との間に,それの175を有・)一る 児は生れ得る。 次に掌紋についでは笠井の研究にもとづいて主線D 線の11,9,7の禺現状態から相似性を見ると,その相 似性は,むしろ母に見出される。次にキャビネ型写真 より,その正面,側面,凸面から相似性を検査した 処,母により多く相似性を見出すが,又Aともその相 似を認める事が出来る。 三二及び判定 以上の諸成績より旧例では,疑問の父Aは,児の父 として否定する根拠ぽない。そとで,最も信頼度の大 なる遺伝形質である血液型による父権肯定の確率をも つて判定した。即ちAの父親らしさは60%である。他 の諸形質は大いに参考として有力である。 、 A氏は60%の確らしさをもって父親であると判定、し でも矛盾を認めない。 (質問) 菊 地 鐘 二 60%のプPバtf iJテ身を以てA氏の子であるという のは小松式のみについての結論ですか。 (応答) そうです。 28.乳幼児に於けるMN式血液型の発育変化 ・ (小児科)笠井 和 森本妙子 藤原京子 MN型物質をその血球の被擬集性の強さからみると 年令的に階段的な変化を示ナ,それは胎児に於では, 妊娠後半に於て,可成りの程度の発育を示すという が,然らば乳幼児でば,いかがかという点を観察する 為出生後2ヵ月より17才迄の子供の血球について,そ の抗M,抗N凝集素についてその被凝集性を検した 所,出生時に可成りの発育を示しているが成入のそれ }⊂比すればまだやや弱い。併しABO式血液型に比し て生後可求りの早い時期に於て成人の域に迄発育する ことを知った。 29.1乳児死亡率と幼児死亡率との相関の地域性 と時代的推移 (衛生)甕「君代森本妙子 乳児期の死亡は多少とも淘汰的なものを含み,その 後の年令の死亡率は乳児死亡の低下を目的とする乳児 保護によってむしろ高められはしないか等の問題が古 くより論議されてきた。私共は幼児死亡と,それにつ つく幼児死亡との地域的関係が時代の推移と共tcan何 に変化してきたかを,明治36年以降の入口静態調査及 び国勢調査年度にっtl府県別の相関による観察をおこ なって次の結果を得た。 1)0才即ち乳児死亡率と1∼4才即ち幼児死亡率と の相関は,明治大正期は順相関でlaあがその度は小さ く有意ではない。地域的にみでも当時乳児死亡:と幼児 死亡とが高低相反する県がかなりみられ,淘汰的因子 の作用によるtとがうかがわれる。しかし昭和に入り 有意の順相関となり戦後はさらに大なる順相関を示 す。即ち乳児死亡の低い地域は:また幼児死亡も低vk』と いう関係が明かにみとめられた。 2) さらに乳児死亡と各オ別幼児死亡とb関係は:, 1才とが最も高いが順相関を示し,有意のこと多く, 年令の増すに従い順相関の度は滅じ逆相関に移行す る。4才とでは有意の逆相関を示す年度も多く,即ち 乳児期の死亡の多い地方では4才幼児死亡は逆に低い という結果をえた。しかし近年に至り有意の順相関を 示す年令が延び戦後は全年令の幼児死亡と有意であ る。 3)新生児死亡と幼児死亡との関係は一般に乳児死 亡の場合に比し順相関の度は極めて小さく逆相関のこ. とが多い。 以上の結果,少くとも本年令層の幼児死亡:を支配す る乳児死亡の淘汰的作用は,近年次第に減少し,特に 戦後の:文化的段階では:乳児死亡率と幼児死亡率の高低 の平行的関係が明らかにみとめられるに至った。 30. lsonicotinyl Hydrazid Methansulfonate (IHMS)の臨床 (海上療養所)申沢喜み子 中村久仁男 松村 康夫 本剤は或る種の薬剤にメタンス・レフオンを結合させ ると,その副作用を軽減し得ると云う事実に基き作ら れたもので,伝研の北本教授等によ噺告されでいる が,未だ予報の域を出ず,更に今後多数の臨床経験を 重ね長期の観察が必要と考えられる。吾々もたまたま 本剤を使用する機会を得たので,回数少く期間も短い 投与経験ではあるが,本剤の紹介臨床的評価決定の一 助にもなればと老え,∼ニヒに報告する。観察例セ柔34例 (PAS其の他との併用9例)で過半が混合型に属し・ 重症例であり,筒この内シ=L−rブに投与したものが11 例ある。投与成績は著効7例,有効13例・軽快8例・無・
効6例で,何れも本剤投与前にSM・PAS・INAHの
投与を受けているがINAH投与時とその効果旧記て 大差なく,SM, PAS無効例にも効果を認めて居 る。投与量及投与方法ぽ,一日量:1,000 mg少く共500 皿g以上の投与を必要とし,「 キ歓的より連日投与の方 が良い様である。が耐性の問題を考えると,一応連日 t一248一
47 投与後閥激的投与に切り替えるのが適当と恩う。臨 床的効果は発熱に対する効果が最も著明であるが,他 の臨床症状も大体平行しで改姜を認める。シ」t一”ブ例 は慢性肺結核症に比し効果が判然と見られる。本剤投 与による1耐性獲i得例が5例あり投与後1∼2ヵ月の問に 見られて居るが,1例をのぞぎ,投与中止後1∼2ヵ月 の中に耐性復帰が見られる。更に実験的にINAHと IHMSとの耐性の関係をみると, IHMSは菌耐性に 関してぽ,INAHと同様に考えて良く,その投与に 関し充分な考慮を払うべきである。.副作用に就ては INAHに比し少い様に見え,特に大量投与に関らず 胃腸障害の少い点は,INAHにより胃腸障碍を来ナ者 又は胃腸の弱い入にも服用が容易と考えられる。肝機 能は皮膚に薬物疹を生じた1例に低下を見たのみ,腎 機能への影響にも変化なく,貧血のあった者でレよ其の 改善を見て居る。皮膚毛細管抵抗への影響もINAH に比べ少い様である。以上吾々の報告は未だ症例少く 観察時閲も短いが,今後更lc観察を進め, erlCPAS 等との併用について研究を行って行く考えであるが, 現在迄の吾々の検索及諸氏の報告をみると,一応本剤 はlPAS−Na塩に対するPAS−Ca塩と同様の立場に あると云bて良いのでは1ないかと考えられる。 31.BCG接種部に於けるツベルクリン反応