Title
ポリα-置換アクリル酸フルオロアルキルの構造と物性に関
する研究( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
清水, 哲男
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(工学) 甲第022号
Issue Date
1995-03-24
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/1743
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏名(本籍) 学位の種類 学位記番号 学位授与年月日 専 攻 学位論文題目 学位論文審査委員 清 水 哲 男(大阪府) 博 士(工学) 甲第 22 号 平成 7 年 3 月 24 日 物質工学専攻 ポリ∝一置換アクリル酸フルオロアルキルの構造と物性に関する研究 (主査)教 授 矢 野 紳 一 (副査)教授川 村 尚 教授塗 師 幸 夫 助教授 宮 田 幹 二
論文内容の要旨
ポリα-置換アクリル酸フルオロアルキルは低表面エネルギー、低屈折率、角帯竜也、
酸素溶解性などの桟能性を有し、各種含フッ素ポリマーの中でも工業的に極めて重要な 位置を占めている。本論文は、ラジカル重合によって合成したポリα一置換アクリル酸 フルオロアルキル;卜(CⅡ2-CX)p一] (ただし、mは1または2、nは1 coo(CE2)れ(CF2)n-Y ∼11、α一置換基のⅩはフ、ソ素、 塩素、メチル、水素の4種、倒錯末端のYはフッ素または水素)について、Ⅹ繰回折・ DSC測定・赤外スペクトル分析・粘弾性試験・誘電緩和測定などを行って得た構造と 物性に関する研究成果をまとめたものである。 まず、倒錯のフルオロアルキル塞が直鎖状の1E,1Ⅱづルオロアルキル基卜C苫2-(CF2)n -Y】について、CF2単位(n)が1∼4の短い側鎖の場合に、α一置換基がメチルまたは 水素であるポリメタクリル酸(およびアクリル酸)フルオロアルキル(PMF、PAF と呼ぶ)が通常知られるように非品性であるのに対して、ポリα-フルオロアクリル酸 フルオロアルキル(PFFと呼ぶ)はラジカル重合で得られたアタクチックなポリマー にもかかわらず、結晶性を示すことを初めて明らかにした。同時に、Ⅹ繰回折に現われ る長周期が主鎖に直角に側鎖が寵位した二層パッキング構造の形成を示すものであるこ と、および、赤外スペクトルにおけるカルポニル領域のダブルピークに関する考察から αC-FとC=0がシスーコンホメーションをなすこと、赤外カルポニル吸収の垂直二 色性からC=0が分子鍬こ垂直であることを示した○半経験的分子軌道法で計算して得 た構造はⅩ繰回折の結果を支持するものであったoPFFの結晶性は、PFF分子の大 きな極性によって分子間の双極子一双極子相互作用が強まり主鎖が秩序化することによ ると考えられる。誘電緩和の測定ではPFFのα吸収の誘電損失がPMFよりもはるか に大きく、PFF主鎖が大きな極性を有することを示していた。 一方、結晶性は側鎖の種類にも依存し、倒錯末端が一CF2Hの場合(Y=H)は-CF3 の場合(Y=F)より結晶性がかなり低下すること、また、倒錯が分岐を有すると非品性-61-になることを見いだした。前者では側鎖末端基の極性や場合によっては水素結合によっ て、後者は立体障害によって、主鎖の秩序化が妨げられるものと考えられる。PFFの 結晶性は、そのホモポリマーは非品性であるα-フルオロアクリル酸アルキルと共重合 することによって効果的に低下させうることも示した。他方、PFFの主鎖結晶性は倒
錯申のアルキレン基にも明らかに依存した。エチレン鎖(m=2)の叩,柑,2H,2E一フルオ
ロアルキル基の場合にはメチレン(m=1)の場合に比べて結晶性が大きく低下した。 っぎに、フルオロアルキル基のnを7以上に長くした場合、PMFやPAFでは主鎖 に直角に酎位した倒錯が結晶化することが知られているが、PFFにおいても同じ側鎖 長さで、同様に結晶化が起こることを明らかにした。しかしPFFでは(特にアルキレ ン塞がメチレンの場合に顕著であるが.)、側鎖結晶に加えて、上述した主鎖秩序化に基づ く結晶性が同時に存在するという特徴を有していた。その影響を受け、PFFの側鎖結 晶はPMFやPAFに比べて結晶性が低いものであった。 長い倒錯を右するポリα-置換アクリル酸フルオロアルキルの側鎖結晶について、4 種のα一置換基の影響をⅩ線的に構造を比較すると、既報告のようにPAFは二層ラメ ラ構造、およびPMFは一層ラメラと二層ラメラが共存した構造を示すが、PFFおよ びポリα-クロロアクリル酸フルオロアルキル(PCFと呼ぶ)では一層ラメラ構造を 示した。PCFはPFFと同様の主鎖秩序化がある程度認められるが、主鎖の剛直惟の 影響が大きいものと考えられる。一方、昇溢Ⅹ繰回折において相転移挙動にも顕著な遠 いを見いだした。PMFやPAFでは側鎖のラメラ構造が融点で等方融体に転移するが、 pFFやPCFはその一層ラメラ構造が倒錯結晶の融解とともに二層構造へ転移した。 特にPFFは融点以上の湿度でもその長周期が残存し、スメクチック液晶惟を示したo PFFにおける主銀閣相互作用の強さを示すものと考えられる。 論文審査の結果の要旨 含フツソアクリル系ポリマーは透明性に優れ、屈折率,表面自由エネルギー及 び透湿性が低い等、特異な性質をもつ機能性フツソ高分子である。工業的にはこ れらの性質を利用して撥水・椿油剤,防湿コート剤,プラスチック系工学繊維の 鞘剤及びポジ型レジスト等に使用きれている。本研究は代表的な含フ、ソソアクリ ル系ポリマーである一連のポリα一置換アクリル酸フルオロアルキルト(CⅡ2-CX-(COO(C廿2)m(CF2)。Y)。-,ここでX=I,CI3,Cl,F,セ=H,F,m=l-2】,特にX=Fのポ リα-フルオロアクリル酸フルオロアルキル(PFF)の構造及び結晶構造さらに相転 移について詳細に検討し、これらがポリマーの特異な諸物性と密接に関係してい ることを明らかにしている。主な成果を以下に示す。 (1)ポリアクリル酸フルオロアルキル(Ⅹ=H)(PAF)及びポリメタクリル酸フルオロ アルキル(‡=CE3)(P肝)はフルオロアルキル側鎖の炭素数(m+n)が7以上の長錦岡族 体では倒錯が配列した結晶が存在することが報告されていも。ここでPAFでは側鎖 の二層ラメラ結晶,P肝では一層と二層ラメラ結晶が共存している。■p肝では湿度-62-ノ l ポ ー転 ノ\ ロ を上昇させると二層ラメラは一層ラメラヘ転移する。申請者はPFFでは倒錯の炭素 数が7以下の短錦同族体でも結晶化していることを発見している。さらにこの結局 では側鎖だけでなく主錦も配列し結晶に組み込まれていることを見出している。 (2)長鎖PFF同族体(m+n〉7)ではPAF及びP吐Ft同様に側鎖による結晶が見られるが、 その結晶は側鎖の一層ラメラ構造である。しかし湿度を上昇すると一層ラメラ配 列の秩序は増加した後、融点で二層ラメラ構造へと変わる。しかし融点より高温 域にも二層ラメラ構造は存在し、これは液晶相であることを指摘している。申請 者はPFFのこのような特異な結晶構造と転移は長銀椚でも側鎖とともに圭鋳の配 列が存在するためであることを明らかにした。(3)PFFについてフルオロアルキル