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石炭ガス製造工場跡地における土壌・地下水汚染の対策に関する環境地盤工学的研究

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Academic year: 2021

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Title

石炭ガス製造工場跡地における土壌・地下水汚染の対策に

関する環境地盤工学的研究( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

桐山, 久

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 乙第065号

Issue Date

2010-03-25

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/33558

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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沓水 祥一氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与 日 付 専 攻 学位論文題 目 学位論文審査委員 桐 山 久(愛知県) 博 士(工学) 乙第 65 号 平成 22 年 3 月 25 日 生産開発システム工学専攻 石炭ガス製造工場跡地における土壌・地下水汚染の対策に関する環境地盤工学的研究 (ContaminatedSoilsandGroundwaterRemediationatOldCoalGas ManuLhcturingPlantSites) (主査)八 嶋 厚 (副査)本 城 勇 介 佐 藤 健

論文内容の要旨

近年,法規制の強化に加え,不動産鑑定評価時の土壌汚染調査の義務化など,土壌汚染を取り巻く環境 が急激に変化している。それに伴い,工場跡地などにおいて,土壌調査を行った結果を踏まえて汚染土壌 を浄化する機会が増えている。その中には,石炭ガス製造工暑跡地(以下,石炭ガスサイトと称する)で の土壌汚染事例も見られることがある。 筆者の所属する東邦ガス株式会社は,土壌汚染に対する社会的関心の高まり,さらには行政の動きの中 で,土壌問題に対しても自主的な取り組みを展開していくべきとの経営判断に至り,平成11年から土壌問 題への取り組みを開始した。 しかしながら,土壌問題は「負の遺産への対応」であり,浄化を確実に行うことが重要である一方,コ ストダウンを図ることも大きな課摩である。 このような背景から本研究は,石炭ガスサイトにおける土壌浄化の信頼性と経済性の確保を主目的とし て,低コスト浄化技術である原位置浄化工法について,微生物による分解効果の持続性や浄化の不均一性, 難透水性土壌の浄化,低濃度汚染の静的浄化などの課題に対し,その実態解明と対応策をまとめたもので ある。 まず第2章において,石炭ガス製造工程に起因する汚染問題の概要についてまとめた。また近年,注目 を集め採用されるケースも増加している原位置浄化について,その浄化効果が個々のサイトの汚染状況や 土質条件などの影響を大きく受けることも含めた技術的な課題を整理し,第4章以降の開発技術の位置付 けを明確にした。 続く第3章では,国内の石炭ガスサイトのうち,土壌・地下水浄化対策に取り組んでいる一つの事例と して,東邦ガス株式会社港明用地について紹介した。まず港明工場の概要について述べ,調査の経緯と結 果,応急対策の実施について示した。続いて,原位置浄化工法の室内試験とフィールド試験の概要および 結果を説明し,その結果を踏まえて策定した港明用地における土壌浄化対策の基本方針を示した。 そして第4章と第5章では,今回開発した原位置浄化工法の一つ目として,注水バイオスパージング工 法を取り上げた。まず,実汚染サイトにおける実証試験結果を精査し,従来工法と比較して,ベンゼン汚 染帯水層に対する浄化効果が向上することを確認するとともに,設計手法の妥当性についても検討を行っ た。さらに,スパージング工法と注水バイオスパージング工法を組み合わせた工法を実サイトに適用した 結果について述べた。得られた知見のうち主なものを以下に示す。 ・地下水中の濃度が高い浄化初期には,ベンゼンは物理的な気化効果により効率良く除去され,その後の 濃度低下に伴い気化効果は低下し,微生物分解効果により濃度が減少することを確認した。 ・従来では適用できなかった第二帯水層に対してスパージング工法を実施するため,二層式スパージング 井戸とグラベルドレーンを用いる浄化方法を開発し,十分な浄化適用性があることを実証した。 ・当該工法を用いて浄化工事を実施した結果,帯水層中のベンゼン土壌溶出量は,ほとんどの調査地点で 環境基準値を下回り,高いベンゼン浄化率を達成した。 次に第6章と第7章では,今回開発した原位置浄化工法の二つ目として,パルススパージング工法を紹 介した。これまで,ベンゼンに汚染された難透水層の原位置浄化は困難とされてきたが,木工法の室内適 用性確認試験により浄化可能であることを示した。さらに,現地適用性確認試験を行い,ベンゼンに汚染 された実際の難透水層について,木工法による浄化が可能であることがわかった。また,本工法の浄化期 -49・

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間の予測を,簡便な理論式により求める設計手法も確立することができた。 検討により得られた知見のうち主なものを以下に要約する。 ・パルススパージングは,一般的なエアスパージングと比較し,同量の空気注入量で地盤内の空気圧力を 高く保持できる工法であり,飽和シルト層に対しても空気注入が可能である工法と判断された。 ・難透水層においても,好気的環境を確保して栄養塩を添加することにより微生物数が増加し,ベンゼン 濃度低下も確落され,微生物の活性化によりベンゼン分解が促進されたものと推定された。 第8章では,注水バイオスパージング工法やパルススパージング工法により浄化した後も含め,地下水

の一部に低濃度ベンゼン汚染が含まれるケースを想定した。室内試験の結果から,過酸化水素などの資材

を用いて微生物活性を図ることにより,浄化促進が可能であることが確認できた。 以上,本論文は,石炭ガスサイトにおける土壌・地下水汚染の対策に関してまとめあげたものであるが, 特に,近年増加便向にある原位置浄化技術の実サイトでの実証的な研究を行ったものである。個々のサイ トにおける条件の影響を受けるものの,この研究の成果が,石炭ガスサイトに留まらず,幅広く原位置浄 化技術の進展に貢献できるものと確信している。

論文事査結果の要旨

液化天然ガスの急速な普及に伴う石炭ガス製造工場跡地の汚染問題が各地で顕在化しつつある。本研究は, 石炭ガス製造工場跡地における原位置の土壌・地下水汚染対策に対し,微生物による分解効果の持続性と浄化 の不均一性,難透水層の浄化に関する実体解明と対応策をまとめたものである。石炭ガス製造工場跡地では,ガ ス製造過程で発生するベンゼン,シアン,重質油,鉛,ヒ素などの重金属による複合汚染が問題になるが,対象物 質毎に浄化方法を選定した組み合わせ浄化工法を本論文では提案しており,地表近くに存在するシアン,ベンゼ ン,重質油などの複合汚染は土壌掘削し加熱処理,地下深部に浸透しているベンゼン,軽質油は栄養剤と空気注 入による原位置バイオ処理,さらに重金属汚染については掘削処理の適用を提案している。本論文の主要部分は, 空気と栄養水の注入による原位置の微生物浄化効果について,室内試験と現地試験の結果を精査し,近年増加 僚向にある原位置浄化技術の実サイトでの実証的な研究を行ったものである。 本論文で示された主要な成果は以下のように要約される。 (1)注水バイオスパージング工法によるベンゼン汚染帯水層の浄化と設計手法の開発 スパージング工法で大切になる空気到達距離を,スパージング影響範囲試験と空気吸引法で利用される既往理 論式から推定し,空気供給量として150U分,影響半径3∼4mが対象の砂礫地盤では最適であることを導出し,ス パージングと注水の併用で,最大で4U分の栄養水を汚染帯水層に供給できることを現地試験結果から確認した。 これは,自然浸透条件に対し8倍の栄養水供給を可能にし,従来のスパージング工法のみと比較し,注水バイオス パージング工法では,200日以上の早期浄化の達成が可能になることを数値シミュレーションによって確かめた。 (2)微生物分解を併用したベンゼン汚染難透水層の原位置浄化工法の開発 ベンゼンで汚染された難透水性土壌に対し,高圧空気注入と栄養塩の添加によるパルススパージング工法の 適用によって,土壌ベンゼン溶出量を環境基準値の12倍から環境基準値以下に浄化できることを実証した。高圧 空気注入は,難透水性土壌から間隙水を押し出す効果があるとともに,土壌中への空気残置による通水阻害を発 生させるので,空気残置抑制のため,パルススパージングの稼働を間欠的に行うことが効果的であることを明らかに した。また,室内試験の結果に基づいて,曝気によるベンゼン除去効果と微生物馴養期間を把握することにより,難 透水性土壌のベンゼン濃度の予測が可能になり,実サイトでの浄化工法の設計が可能になることを明らかにした。 以上のように本論文は,従来,掘削除去に頼っていた浄化対策に対し,掘削除去に較べ浄化期間は比較的長く なるものの,掘削除去と同等の効果が得られ,経済的にも優位である原位置浄化工法に着目し,そのなかでも特に 注目されている微生物分解効果を活用する原位置浄化技術の開発に取り組んだ研究であり,得られた研究成果は 学術上,工業上寄与するところがきわめて大きい。よって,本論文提出者桐山 久君は博士(工学)の学位を受け

るに十分な資格があるものと判定した。

最終試験嶺果の要旨

八嶋厚,本城勇介,佐藤健で構成する審査委貞会は,本論文および別刷りなどを慎重に検討した。本論文 は学位論文として十分に完成された内容を有していること,提出された学位論文及び発表論文は,申請者 により書かれていることを確認した。また最終試験(公聴会)を2月5日に開催し,審査委員会での審査 の結果,合格と判定した。 -50・

参照

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