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多地域応用一般均衡モデルの感度分析に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

多地域応用一般均衡モデルの感度分析に関する研究( はしが

き )

Author(s)

宮城, 俊彦

Report No.

平成13年度-平成14年度年度科学研究費補助金 (基盤研究

(C)(2) 課題番号13650582) 研究成果報告書

Issue Date

2002

Type

研究報告書

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/613

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

はじめに

従来、大規模ブロージュクトの効果分析には、計量経済分析や地域間産業連関分析が用い られてきた。しかし、計量経済分析はモデルのパラメータ推定に膨大なデータを必要とし、 また、説明変数間の重共線性やパラメータの感度などで問題がある上に、経済理論に合致 しない変数などを取り込んだりするため、モデル全体の理論的整合性が問題視されてきた。 また、地域間産業連関分析は、量変数と価格変数が独立して扱われるため、プロジェクト のフロー効果は計測できてもストック効果が計測できないという問題点を有している。し たがって、高速道路等の整備に伴う地域間交易パターンの変化あるいはそれに伴う生産量 の変化や世帯の便益変化等が計測できない。加えて、地域間産業連関表は全国を9ブロッ クに分割したもの.しか整備されていないため、県単位あるいは県を更に分割した地域レベ ルの分析ができないなどの問題点を有している。 本研究の目的は・これまで開発してきた多地域一般均衡(SpatialComputableGeneral Equilibrium:SCGE)モデルの理論的精緻化を主たる目的とし、SCGEモデルの実際分 析への応用に際して直面する問題点の克服に寄与することにある。特に、政策変数や各種の パラメート変化の波及構造を分析するための感度分析手法の開発とキャリブレーションの 収束条件式の誘導を主たる目的にしている。 (2)研究の特色 一般均衡分析の枠組みで産業連関構造を捉えることによって、各種の公共政策や技術変 化あるいはネットワーク整備と地域開発が一体となったプロジェクトが、地域の経済や交 通流動変化に与える影響を予測することができ、その経済効呆を把握することができる。 このとき問題になるのが、キャリブレーション手法の収束条件とモデルに含まれるパラメ ータが変化した場合の推定値の変化である。後者を感度分析と呼ぶ。無論、パラメータ変化 に伴う最終結果の変化はシミュレーションすれば求められが、しかし、一般均衡分析は互 いの変数が複雑に影響しあうため、中間段階で介入する変数の構造的変化を知ることがで きない。これを可能にするためにはSCGEモデルを構造的に分解し、政策変数やモデルパ ラメータの変化がどのように伝播していくのかを求める比較静学分析が必要になる。線 形・非線形計画問題の感度分析は比較的知られているが、一般均衡分析の感度分析手法は確 立されていない。SCGEモデルの感度分析が行えれば、分析者は波及効果のフィード!<ッ クが行え、最終結果の信頼性を確認することができるため、その効果は大きい。また、上位 問題を政策決定問題、下位問題を一般均衡モデルとする、いわゆるMPECの計算法に感 度分析を応用することも可能になる。キャリブレーションの収束条件についてもこれを明 らかにしている論文はまだない。効率的な計算アルゴリズムを開発するためには収束条件 が必要になる。 (3)国内外での本研究の位置付け SCGEモデルは従来の地域経済モデルがもつ欠点の多くを解消する、優れた分析モデルで

(3)

あるにも拘わらず、世界的にもまだ研究例は少ない。その原因の一つは地域間産業連関デ ータが十分整備されてないことにある。その意味では、わが国は地域間産業連関データそし て県レベルの産業連関データが定期的に整備されており、SCGEモデルを研究する素地 がある。ただし、空間あるいは地域を扱わない、いわゆるCGEモデルについては、以前 から世界各国で研究が成され、我が国でも経済学者によって租税問題の分析に使われるよ うになってきた・ところで、SCGEモデルという名称が使われている場合でも、国を分析単 位とし、関税の影響分析を行っている場合がほとんどである○自国内の地域間流動を対象 とするScGEモデルについては、国外でも2,3の例が報告されているのみである.し かも、これらのSCGEモデルは地域間交易係数を一定としているので地域間交通サービ スの変化に伴う地域の経済構造変化を求めることはできず、本研究が対象とするような地 域間流動のパターンをも考慮したSCGEモデルとはなっていない。地域間交易係数が一 定の場合には、SCGEモデルの構造はCGEモデルとほぼ同じになる。したがって、CG Eモデルで得られた成果を直接的に応用することが可能となるが、本研究が対象とするS CGEモデルは生産地価格と消費地価格の2つの価格変数をもつ○その差が交通費である。 このような価格変動型の交易関数を前掛こした理論解析はほとんど行われておらず、その 意味では全く新規の研究分野といえよう。

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