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九州大学学術情報リポジトリ

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

高強度コンクリートの力学的性質に及ぼす粗骨材品 質の影響に関する基礎的研究

鶴田, 浩章

https://doi.org/10.11501/3180555

出版情報:Kyushu University, 2000, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

4. 4

高強度コンクリートの静弾性係数に及ぼす粗骨材品質の影響

4.4.1 使用材料

(1)高炉スラグ微粉末未使用の高強度コンクリート セメントは普通ボルトランド

セメント (密度3.15g/cm3、 比 表面積3,300cm2/g)、 細骨材は 海砂(比重2.56、粗粒率 2.74)、

粗骨材は表-4.17に示す9種類

表-4. 1 7 使用した粗骨材の物性値一覧

記 吸水率すりへり 400kN破砕値 粒形判定

骨材岩種 比重 実積率

(G. max=20mm)を使用した。なお、

減水剤はポリカルボン酸エーテ ル系高性能AE減水剤を使用し た。

τにヨ

a b

C

d

e

g h

安山岩 2. 71

結品片岩 2.80

閃緑岩 2.73

ひん岩 2.78

硬質砂岩 2.73

硬質砂岩 2.73

硬質砂岩 2.73

石英斑岩 2.72

硬質砂岩 2.69

(2)高炉スラグ微粉末を使用した高流動コンクリート

(%) 0.76 0.62 O. 61 0.46 0.46 0.56 O. 36 0.50 0.78

減量(完) (%)

(出)

11. 8 13 57.8

17. 6 19 55.4

12. 8 15 57.5

11. 4 12 56.8

12. 0 14 56.5

10. 7 1 7 58.8

10. 2 13 61. 1

11. 6 14 58.2

13. 0 1 7 58.5

セメントは普通ボルトラン 表-4. 18 使用した粗骨材の物性値一覧 ドセメント(密度3.15g/ cm3、

比表面積 3, 300cm2 / g)、 細骨 材は海砂(比重2.58、粗粒率 3.08)、 粗骨材は表-4. 1 8に示 す6種類(G.max=20mm)を使用 した。 なお、 混和材として高 炉スラグ微粉末(比重2.90、

下仁7

k

m n

骨材岩種

硬質砂浩 安山岩 結晶片岩

角閃岩 軽量骨材 硬質砂浩

比重 æbJ<率

(活) 2. 73 0.56 2. 73 O. 72 2.81 O. 52 2. 73 1. 00 1. 46 12.6 2. 73 O. 35

すりへり 破剛直 粒形判定 減量(先) (先) 実積率(%)

10.7 17 58.8

10.0 57. 1

15.7 13 59.4

21. 6 17 59.0

36.5 36 55.0

12.4 12 56.8

比表面積6,070cm2/g) をセメント質量に対して置換率50%で使用し、 減水剤は減水剤1 (ポリカルボ ン酸エーテル系高性能AE減水剤)及び減水剤2 (リグニンスルホン酸系AE減水剤) を使用した。

図-4.22は上記(1)と(2)で 50 使用した粗骨材のすりへり減

量と400kN 破砕値の関係を図 -3.6中にプロットし、今回使 用した粗骨材の物性値が調査 した全粗骨材の中でどのよう な分布を持つかを示したもの である。 このように、 回帰線 に近い分布を持つ平均的なも のであることが分かる。

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すりへり減量(児)

. 全粗骨材 く〉 表-4. 15の

粗骨材 ム 表-4.16の

組骨材 回帰線 一-既往の 回帰線

図-4.22 使用した粗骨材の分布状況

(3)

4.4.2 コンクリートの配合及び供試体作製方法

(1)高炉スラグ微粉末未使用の高強度コンクリート

W/C=28.0%で供試体を作製した。 その配合例及び使用した骨材について表-4.19に示す。 目標空気 量は4%とし、 混和剤の使用量はセメント質量の 1.5%とした。 各配合とも粗骨材種類による違いを 明確にするため、 粗骨材以外の単位量は一定としモルタルの配合を各配合で一定とした。 コンクリー トの練混ぜは、 強制練りミキサを使用し3分間行った。 練り上がり後、 スランプ、 空気量を測定し型 枠内に打設し突き棒で締め固めた。圧縮強度測定用供試体はφ10X20cmの円柱とし各粗骨材種類毎に

3体ずつ作製した。

使 用 粗骨材 表4.14中

のa'""-'i

表-4.19 コンクリートの配合及び使用骨材

(2)高炉スラグ微粉末を使用した高流動コンクリート

混和剤 8.56

普通強度コンクリートとの比較も考慮して、 W/B=28、 50%の2 種類の配合で 供試体を作製した。 そ の配合例及び使用した骨材について表-4.20に示す。

各配合とも粗骨材種類による違いを明確にするため、 粗骨材以外の単位量は一定としモルタルの配 合を各配合で一定とした。 また、 目標空気量はW/B=28%の場合2%、 W/B=50%の場合5%とした。 な お、 混和剤はW/B=28%については減水剤lを、 W/B=50%については減水剤2を使用し、 使用量は減水 剤lが結合材質量の1%、 減水剤2が結合材質量100kgあたり250mlとした。

コンクリートの練混ぜは、 二軸強制練りミキサを使用し3分間行った。 練り上がり後、 スランプフ ローもしくはスランフ、 空気量を測定し円柱供試体用型枠内へ打設し突き棒で締め固めた。 圧縮強度 測定用供試体はφ10X20cmの円柱とし各配合各粗骨材種類毎に3体ずつ作製した。

使 用 粗骨材 表4. 15中

のj'""-'o

供試体の養生は、 高炉スラグ微粉末の使用・未使用にかかわらず、 脱型までは湿潤養生とし、 材齢 1日で脱型した後は圧縮試験材齢まで水温20tの水中養生を行った。 なお、 供試体端面を平滑にする

ために、 試験直前に 研磨機により研磨仕上げを行った。

4.4.3 静弾性係数の測定方法

供試体の静弾性係数の測定は、 圧縮強度試験の際に材齢7, 28日時点でJIS A 1108 コンクリート の圧縮強度試験方法にしたがって耐圧試験機を使用して行い、 同条件で作製した3本全ての供試体に

(4)

対して耐破壊型コンフレッソメータ(検長: 100mm)を用いて、 供試体が破壊するまで供試体の縦ひず みを測定した。 なお、 高炉スラグ微粉末未使用の高強度コンクリートに対しては材齢3日における測 定も行った。 測定の結果よりコンクリートの静弾性係数Ecは土木学会規準のコンクリートの静弾性 係数試験方法(案)(JSCE-G 502・1988)にしたがって、 単調増加載荷により求める方法で式-4.1より 求めた。

(式-4.1) E唱 =- Sl - S2

ê1 -50xl0-o

ここで、 E1 :単調増加載荷により求めた静弾性係数CN/mm2) Sl :最大荷重の113に相当する応力CN/mm2) S2 :ひずみ50X10・6のときの応力CN/mm2)

ε1 応力Slによって生ずるひずみ

モルタル供試体の静弾性係数及びポアソン比の測定も行 さらに、 骨材混入の影響を調べるために、

った。 その際使用した供試体はφ50X 100mmの円柱供試体で供試体側面2ヶ所にひずみケージ(検

コンクリートの静弾性係数は粗骨材や 母材マトリックスの静弾性係数、 骨材容積の関数 で表されることが多く、 母材マトリックスや骨材 容積が一定であれば、 粗骨材の静弾性係数が支配 的になる。 図-4.23は検討に使用した9種類の粗

を貼付してコンクリートの場合と同様の測定方法で測定した。

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50

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45

主張

同毛

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30

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50 55 60 65 70 75 80 85

粗骨材母岩の静弾性係数(kN/mm2)

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V

一口・

V

し・一

一V口・

材齢3日 材齢7日 材齢28日

-口V

静弾性係数は材齢3, 7, 28日で圧縮強度試験 を行った際に測定したもので、 表-4.21 にそれぞ れの粗骨材毎に作製した3体の供試体から得た静 弾性係数の平均値をまとめて示す。

4.4.4 実験結果及び考察

(1)高炉スラグ微粉末未使用の高強度コンクリ ートの検討

長: 20mm)

一般に、

図-4.23粗骨材母岩の静弾性係数とコンクリートの 静弾性係数との関係

平均静弾性係数一覧

記号 粗骨材 平均静弾性係数CkN/mm2)

I-U 種 材齢3日 材齢7日 材齢28日

a 安山岩 37.3 40.4 42.3

b 結品片岩 33. 6 36.3 39.3

C 閃緑岩 33.4 36.6 42.0

d ひん岩 39. 6 42.3 47.0

e 硬質砂岩 37.7 39.0 44. 1 硬質砂岩 40.5 44. 1 45.0

g 硬質砂岩 39. 3 43. 3 46.9

h 石英斑岩 35. 1 38.6 41. 1

硬質砂岩 35. 6 37. 5 39. 2

表-4.21 骨材のうち母岩の静弾性係数が測定できた4種類

についてコンクリートの静弾性係数との関係を示 したものである。 図に示されるように、 プロット 数が少ないが、 母岩静弾性係数が大きくなるとコ ンクリートの静弾性係数も大きくなる傾向が見ら れる。 これに対して、 粗骨材の他の物性値とコン クリートの静弾性係数とがどのような関係にある のかを表-4.21をもとに図-4.24--4.27に示す。

(5)

|

十材齢3日ー一口-材齢7日

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30

門 2.68 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8

粗骨材の吸水率(%) 図-4.25 粗骨材の吸水率とコンクリートの静弾性

係数の関係

2.72 2.76 2.80

粗骨材の表乾比重

粗骨材の表乾比重とコンクリートの静弾性 係数の関係

図-4.24

20

--e←-材齢3日 一司一一材齢7日 __.一一材齢28日

18

(%)

12 14 16

粗骨材の400kN破砕値

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10 11 12 13 14 15 16 17

粗骨材のすりへり減量(%) ま話*

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8 35

よご\,"'"

n

粗骨材の400kN破砕値とコンクリートの 静弾性係数との関係

図-4.27 粗骨材のすりヘり減量とコンクリートの

静弾性係数との関係 図-4.26

図-4. 24に示した粗骨材の表乾比重はコンクリートの圧縮強度との関連から表乾比重が大きくなる コンクリートの静弾性係数も大きくなる傾向が見られるようであるが、 ぱらつきが大きく明確な 傾向は判りにくい。 一方、 図-4.25�4. 27に示される吸水率とすりへり減量、400kN破砕値はそれぞれ

と、

コンクリートの静弾性係数は小さくなるという傾向を示している。 なかでも、 すり

へり減量が最もばらつきの少ないはっきりとした分布である。 これら3つの物性値はいずれもコンク リートの圧縮強度に影響を及ぼすと言われている物性値であり、 コンクリートの静弾性係数は圧縮強 度と関連が深いため、 このような結果が見られたものと考えられる。 ただし、 粗骨材のすりへり減量 が最も明確な傾向を示した点については粗骨材表面の堅さ、 あるいはモルタルとの界面における付着 が影響していることも予想できるが、 現段階では明確には結論づけられない。 なお、 表-4.22には図 が大きくなると、

(6)

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表-4.22 吸水率、 すりへり減量及び400kN破砕値と コンクリートの静弾性係数との関係を示す回帰式

X 材齢 回帰式 相関係数

3日 Ec=41. 6-8. 26x 0.44

吸水率 7日 Ec=45. 5-9. 99x 0.48

28日 Ec=51.7-15.4x 0.73本

すりへり 3日 Ec=47. 6-0. 87x 0.72キ

7日 Ec=52. 2-1. 01x 0.75本

減量 28日 Ec=55.0-0.97x 0.71キ

400kN 3日 Ec=48.0-0.79x 0.76キ

破砕値 7日 Ec=52.4-0.90x O. 81本

28日 Ec=55. 5-0. 84x 0.66 は言えないと判断されたことを示してい

る。したがって、 吸水率は 若材齢時に相 関が低くなり、400kN 破砕値については

28 日において若干相関係数が低くなっている。しかし、材齢の経過にともなう回帰直線の変化につい てみると、 すりへり減量と400kN破砕値の場合に傾きの変化が最も小さく、 材齢毎の相関係数の変化 も小さい。 吸水率の場合は3日及び7日における相関係数が低く、 若材齢時においてばらつきが大き いことが判る。 このことより、 すりへり減量と400kN破砕値は材齢にかかわらず静弾性係数と密接な 関係にあり、 コンクリートの静弾性係数の評価指標になりうると考えられる。

(2)高炉スラグ微粉末を使用した高流動コンクリートの検討 表-4.23に測定した静弾性係数のデータについて示す。

表-4.23 コンクリートの静弾性係数測定結果一覧(単位; kN/mm2)

長己 粗骨材 W/B=28% W/B=50%

下Eコ7 岩種 材齢7日 平均 材齢28日 平均 材齢7日 平均 材齢28日 平均

39. 5 41. 0 33. 9 38.8

硬質砂岩 40. 5 39.2 43.0 41. 9 33. 2 33.5 38.0 38. 9

37. 5 41. 8 33.4 40.0

38.0 43.5 26. 8 34.3

k 安山岩 38. 6 38.7 42.4 43.3 27. 5 27.8 35.7 35. 2

39. 5 44. 0 29. 2 35.6

38. 3 44. 1 29. 3 35.6

37.5 44.2 28.4 37.8

結晶片岩 36. 8 37.6 42.9 43.4 28.5 30.9 35. 1 36.4

37. 2 43.8 32. 7 36.8

38. 3 43. 2 33. 2 35. 2

37. 5 42.3 33. 2 38. 1

31. 9 35.7

30.6 35. 5 22. 9 29.4

m 角閃岩 30. 7 31. 3 36.9 36. 2 22.0 22. 1 29.9 30. 1

31. 9 36.6 21. 5 30.9

31. 6 36. 5

24. 6 38.8 17. 6 20.3

n 軽量骨材 29. 6 28.7 30.7 33.8 18. 1 17.8 21. 6 21. 3

31. 9 32.0 17. 8 22. 1

42. 2 44.2 35. 2 33.8

硬質砂岩 41. 1 41. 6 43.8 43.9 35. 1 35.5 39.3 36. 7

41. 5 43.8 36. 3 36.9

(7)

図-4.28-"4.39にそれぞれの粗骨材の物性値とコンクリートの静弾性係数との関係について配合毎

『I

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(NEE\豆)議縫製法権QムlEQ

W/B=28%1:

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2.7 2.8 2.8

粗骨材の表乾比重

粗骨材の表乾比重とコンクリートの静弾性 係数の関係(W/B=50児, 砕石のみ) 図-4.29

2.8

粗骨材の表乾比重

粗骨材の表乾比重とコンクリートの静弾性 係数の関係(W/B=28先,砕石のみ) 図-4.28

:1W/B=50%

材齢7日 材齢28日

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3

1.8 2.2 2.6

粗骨材の表乾比重

粗骨材の表乾比重とコンクリートの静弾性 係数の関係(W/B=50%,全骨材) 図-4.31

1.8 2.2 2.6 3

粗骨材の表乾比重

粗骨材の表乾比重とコンクリートの静弾性 係数の関係(W/B=28%,全骨材)

1.4

図-4.30

まず、 使用した粗骨材のうち軽量骨材を除く砕石についてのみ対象にすると、 図-4.28、 4.29に示

されるように、 同じ表乾比重であってもコンクリートの静弾性係数の分布幅が大きく、 明確な傾向は つかみづらい。 さらに、 軽量骨材も含めた全骨材を対象にすると、 図-4.30、 4.31に示されるように、

極端に表乾比重が小さい粗骨材を使用すると、 コンクリートの静弾性係数も小さくなるという傾向は 確認できるが、 全骨材を対象として表乾比重とコンクリートの静弾性係数の関係を論じるにはデータ が不足している。

(8)

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0.4 0.6 0.8 1 1.2

粗骨材の吸水率(%)

15 0.2

1.2

粗骨材の吸水率(%)

図-4.33 組骨材の吸水率とコンクリートの静弾性 係数との関係(W/B=50先,砕石のみ) 粗骨材の吸水率とコンクリートの静弾性

係数との関係(W/B=28先,砕石のみ) 図-4.32

ー哩/B=50%

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材齢7日 材齢28日

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(羽田\宣)紙隆起慾権Q十定八円

14

粗骨材の吸水率(%)

14

粗骨材の吸水率(%)

組骨材の吸水率とコンクリートの静弾性 係数との関係(W/B=50%,全骨材) 図-4.35

組骨材の吸水率と3ンクリートの静弾性 係数との関係(W/B=28児、 全骨材) 図-4.34

粗骨材の吸水率とコンクリートの静弾性係数との関係は、 砕石だけを対象とすれば図-4. 32 及び 4.33より吸水率が大きくなるとコンクリートの静弾性係数が小さくなる傾向を示している。図中に示 した実線はプロットを直線回帰したものであるが、それからも判るようにW/B=50%の場合は材齢の違 いにより回帰直線の傾きに違いが生じており、W/B=28%の場合と比較してばらつきが若干大きい。 ま た、図-4.34及び 4.35に示されるように、 軽量骨材を対象に加えた場合軽量骨材の吸水率の高さが影 響して分布が極端に偏る形になっているが、W/Bの違いによる分布傾向の差違はほとんどない。 そこ で、 粗骨材に砕石のみを使用した場合の回帰直線の回帰式及び相関係数を表-4.24に示す。 各相関係 数に添えられている “*" は相関係数の有意性の検定を行った結果を示しており、 有意水準5%で有 意(相関がないとは言えない)であることを示している。

(9)

組骨材の吸水率とコンクリートの静弾性係数との 関係についての回帰式及び相関係数 表-4.24

表より粗骨材を砕石のみに限った場合には、 粗骨材の吸水率とコンクリートの静弾性係数の相関は かなり高い。 また、 W/B=28%の場合がW/B=50%と比較して材齢による相関係数の差も小さく、 ばらつ きが小さい。

次に図-4.36及び4.37に粗骨材のすりへり減量とコンクリートの静弾性係数との関係について示す。

両図中の点線はコンクリート供試体を作製した際にウエット・ スクリーニングによって作製したモル タル供試体の静弾性係数の平均値を示すものである。

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35 40

(%)

10 15 20 25 30

粗骨材のすりへり減量

15 5 40

粗骨材のすりへり減量(%)

粗骨材のすりへり減量とコンクリートの 静弾性係数との関係(W/B=50児) 図-4.37

粗骨材のすりへり減量とコンクリートの 静弾性係数との関係(W/B=28児) 図-4.36

上図のようにすりへり減量が大きく 粗骨材のすりへり減量とコンクリートの静弾性係数の聞には、

なるとコンクリートの静弾性係数が小さくなるという関係が認められ、W/B=28%及び50%の両方で直線 で回帰することができそうである。 その回帰式についてまとめて表-4.25に示す。

粗骨材のすりヘり減量と3ンクリートの静弾性係数の 関係についての回帰式及び相関係数

表-4.25

回帰式

|

係委

7日I Ec=44. 4-0. 47x I 0.86本 28日I Ec=49. 2-0. 51x

I

0.90本 7日I Ec=38. 3-0. 57x I 0.83本 28日I Ec=44. 2-0. 61x I 0.93キ Ec:コンクリートの静弾性係数(kN/mm2)、x:粗骨材のすりへり減量(児)

28 50

(10)

表中の相関係数に添えられている * は相関係数の有意性の検定を行った結果を示しており、 有 意水準5%で有意(相関がないとは言えない)であることを示している。 相関係数を見ると、 どちら のW/Bにおいてもかなり高いことが判る。 また、 材齢による違いも小さく、 分布傾向に著しい違いは 認められない。 また、 砕石と軽量骨材を同一図上にプロットしでもすりへり減量とコンクリートの静 弾性係数の間には非常に高い相関があることが判る。 さらに、 本検討においてはモルタルの配合は同 一で、粗骨材種類のみを変えており、図-4.36及び4.37中に示したモルタルの静弾性係数とコンクリー トの静弾性係数を比較することにより、粗骨材の影響で静弾性係数が大きく異なっていることが判る。

また、 軽量骨材を使用した場合が常にモルタルの場合より小さい静弾性係数を示すことも特徴的な点 であり、 どちらもコンクリートの静弾性係数がモルタルの静弾性係数より大きいか小さいかの境界は すりへり減量が20'"'-'25%辺りとなっている。

図-4.38及び4.39は粗骨材の400kN破砕値とコンクリートの静弾性係数の関係について示したもの である。 すりへり減量と同様に400kN破砕値が大きくなると、 コンクリートの静弾性係数は小さくな るという傾向が認められる。 その傾向はW/Bが異なってもほぼ同様である。 すりへり減量と比較する と若干ぱらつきは大きくなるが、 砕石と軽量骨材を同一図中にプロットしでも粗骨材物性値とコンク リートの静弾性係数との関係が把握しやすいことが判る。 なお、 図中の回帰式については表-4.26に 示す。表中の相関係数に添えられている“*"は相関係数の有意性の検定を行った結果を示しており、

有意水準5%で有意(相関がないとは言えない)であることを示している。

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10 15 20 25 30 35 粗骨材の400kN破砕値(%)

粗骨材の400kN破砕値とコンクリートの 静弾性係数との関係(W/B=28先)

40 10 15 20 25 30 35 粗骨材の400kN破砕値(%) 40

粗骨材の400kN破砕値とコンクリートの 静弾性係数との関係(W/B=50先) 図-4.39

図-4.38

400kN破砕値とコンクリートの静弾性係数との 関係についての回帰式及び相関係数

W/B (完) 材齢 回帰式 相関係数

28 7日 Ec=42.9-0.42x 0.73キ

28日 Ec=48. 6-0. 51x 0.84本

50 7日 Ec=37.1-0.52x 0.72キ

28日 Ec=43.4-0.59x 0.85本

表-4.26

Ec:コンクリートの静弾性係数(kN/rnm2)、 x:粗骨材の400kN破砕値(出)

(11)

表より粗骨材の400kN破砕値とコンクリートの静弾性係数との聞にもすりへり減量の場合と同様に 高い相関が認められることが判る。 また、 その相関はW/Bの相違によってもほとんど変わらず、 同程 度であり、 普通強度及び高強度のどちらの強度領域においても静弾性係数との間に高い相関が認めら れる。

また、図中の点線は図-4.36及び4.37で示したものと同様にモルタルの静弾性係数を示しており、

回帰直線との交点はすりへり減量の場合と同様400kN破砕値が20'"'-'25%となっており、 モルタルの静 弾性係数を利用してコンクリートの静弾性係数を予測する際の一つの目安となりそうである。

以上の検討より、 粗骨材の吸水率、 すりへり減量及び400kN破砕値とコンクリートの静弾性係数問 の回帰式及び、相関係数を表一4.27 にまとめて示す。 表中の相関係数に添えられている “*" は相関係 数の有意性の検定を行った結果を示しており、 有意水準5%で有意( 相関がないとは言えない)であ ることを示している。

表-4.27 粗骨材の吸水率、 すりへり減量及び400kN破砕値とコンクリートの 静弾性係数との関係に関する回帰式及び相関係数一覧 指物標性と値な(xる

) 粗骨材 材齢 回帰式W/B=28% 相関係数 回帰式W/B=50% 相関係数 吸水率 砕石のみ

278 日日

Ec=46.4-14.4x 0.91本 Ec=42.5-20.3x 0.92キ Ec=49. 5-12. 3x 0.89本 Ec=42. 5-11. 2x 0.76キ 砕石のみ 278 日日

Ec=48. 1-0. 74x 0.88本 Ec=39.8-0.69x O. 62本

すりへり Ec=50.3-0.58x 0.80本 Ec=42. 9-0. 52x 0.69本

減量 全骨材 278 日日

Ec=44.4-0.47x 0.86キ Ec=38. 3-0. 57x 0.83本 Ec=49. 2-0. 51x 0.90キ Ec=44. 2-0. 61x 0.93キ 砕石のみ 278 日日

Ec=47. 3-0. 74x 0.59本 Ec=34. 3-0. 31x O. 19 400kN Ec=52. 3-0. 78x O. 71本 Ec=38. 0-0. 18x O. 16 破砕値 全骨材 278 日日

Ec=42.9-0.42x 0.73本 Ec=37.1-0.52x O. 72本 Ec=48. 6-0. 51x 0.84本 Ec=43.4-0.59x 0.85本

粗骨材物性値とコンクリートの静弾性係数との関係について検討した結果、 まず、W/B=28%において 砕石だけを使用した場合に着目すると、 吸水率の場合が最も高い相関を示し、 次いですりへり減量が 高かった。 しかし、 軽量骨材の場合を含めた全骨材に着目すると、 すりへり減量が最も高い相関を示 した。 吸水率については軽量骨材を含めた場合、 線形回帰することが妥当ではないと考えたため、 こ の表には記載していない。 このように 、 吸水率が砕石のみの場合と軽量骨材を含めた全骨材の場合で 相関の高さに大きな違いがある理由は、 次のように推測される。 3章で示した粗骨材物性値の分布特 性にも現れてい たように、 吸水率は軽量骨材と砕石の違いにより著しい影響を受ける指標であるのに 対し、 すりへり減量及び400kN破砕値はそれほどまでに影響を受ける指標ではないことによるもので あると考えられる。 次にW/B=50%で砕石を使用した場合に着目すると、 吸水率が最も高い相関を示し たが、 すりへり減量及び400kN破砕値は相関が低かった。 しかし、 軽量骨材も含めた全骨材で考える と、 どの物性値の相関も高くなり、 なかでもすりへり減量の相関が最も高くなった。 特にW/B=28%の 高強度領域の場合と異なる点は、 すりへり減量や400kN破砕値の砕石のみの場合の相関が著しく低下 していることである。 この ことより、 まず軽量骨材を使用した場合については、 W/B=28%の場合では

(12)

モルタル強度と軽量骨材の強度の差が大きいために、 吸水率の影響よりもモルタルと骨材の関係の影 響が大きくなるのではないかと考えられる。 したがって、 W/B=50%の場合にはモルタル強度と軽量骨 材の強度の差が小さくなるために、 強度差より吸水率の影響が顕著になる。 また、 砕石を使用した場 合については、W/B=28%と50%ではすりへり減量と400kN破砕値の相関係数が大きく変化しているこ とから、 粗骨材とモルタルの境界部の影響が反映されていると考えることができる。 この影響は骨材 自体や骨材表面の強固さを示すすりへり減量や400kN破砕値が小さい粗骨材の場合、 粗骨材とモルタ ルの境界部が強固となり、 境界部にボンドクラックが発生するのを抑制することに起因するのではな いかと考えられる。 W/B=50%では粗骨材の影響が顕著にならないために、 粗骨材とモルタルの境界部 の影響も大きくないが、 高強度領域になると粗骨材の影響が顕著になりそれらの境界部の影響が大き

くなった結果、 すりへり減量や400kN破砕値の相関が高くなったと考えられる。

高炉スラグ微粉末の使用・未使用も含めて総合的に考えると、 最もコンクリートの静弾性係数と相 関が高いのは粗骨材のすりへり減量である。 すりへり減量の大きい粗骨材を使用するほどコンクリー トの静弾性係数は低下し、すりへり減量が1%増大すれば材齢28日時点のコンクリートの静弾性係数 の低下は1kN/rnrn2程度であった。 特に高強度領域では粗骨材種類によらず、 高い相関を示し、 普通強 度領域に限定すると、 吸水率の方がやや相関が高いことが判った。 400kN 破砕値は本実験の範囲では 他の物性値と比較してやや相闘が低く出たが、 第3章の検討よりすりへり減量との相関が高いことよ

り400kN破砕値も静弾性係数と相関関係にあると考えることができる。

4. 5 まとめ

本章で得られた知見を以下にまとめて示す。

(1)高強度コンクリート及び高炉スラグ微粉末を使用した高流動コンクリートの圧縮強度と使用した 粗骨材物性値との関係を調べた結果、 400kN破砕値が最もコンクリートの圧縮強度への影響が大き

く、400kN破砕値が小さいほどコンクリートの圧縮強度が大きくなるという直線関係が確認できた。

(2)コンクリートの圧縮強度に対して400kN破砕値の影響が大きくなる理由については以下のよう に考えられる。 一般に、 400kN破砕値は粗骨材の強さを示す指標といわれるが、 母岩の圧縮強度と の相関は明確ではない。 400kN破砕値を求める試験方法から考えて、 これは粒子の集合体としての 強さを示しているのではないかと考えられる。 すなわち、 試験時の粗骨材の詰め込みとコンクリー ト中への粗骨材の詰め込み状態が似たような状況であることから、 圧縮強度との相関が高くなった のではないかと考えられる。

(3)同一水結合材比の配合においては粗骨材の400kN破砕値が及ぼすコンクリートの圧縮強度への影 響は、 高強度領域ほど大きく、 400kN破砕値が10%以下の領域では著しく大きくなった。

(4)異なる水結合材比の配合においては結合材水比と圧縮強度の関係を示す直線の傾きが高強度領域 と通常強度領域とで異なり、 2直線で近似される関係が認められた。

(5)結合材水比が大きくなる(高強度領域になる)につれて、 モルタルの圧縮強度に対するコンクリ

(13)

ートの圧縮強度の比が低下する傾向が認められ、 高強度領域ほど粗骨材混入の影響による強度低下 が著しいことが確認できた。

(6)高強度コンクリートの圧縮強度が粗骨材の400kN破砕値との相関性が高 いことより、 材料の選定 に当たり要求される圧縮強度に対して粗骨材を高品質なものに変えることで水セメント比を大きく し経済性を改善したり、 高品質の粗骨材が入手で、きない場合に強度発現の不足を水セメント比を小

さくすることで補うなどの手法が考えられることが明らかとなった。

(7)高強度コンクリート及び高流動コンクリートの静弾性係数に対する粗骨材物性値の影響について 調べた結果、 吸水率、 すりへり減量、 400kN破砕値が静弾性係数と直線近似できる傾向にあり、 相 関が高いことが判った。 特に、 すりへり減量が大きくなればコンクリートの静弾性係数が低下する 傾向が認められ、すりへり減量が1%大きくなれば材齢28日時点のコンクリートの静弾性係数の低 下は1kN/mm2程度であった。 この相関の高さは骨材自体や骨材表面の強固さを示すすりへり減量や 400kN破砕値が小さい粗骨材の場合、 粗骨材とモルタルの境界部が強固となり、 境界部にボンドク

ラックが発生するのを抑制することに起因するのではないかと考えられる。

(8)粗骨材物性値とコンクリートの静弾性係数の近似曲線から考えると、 モルタルの静弾性係数より もコンクリートの静弾性係数の方が小さい値をとるのは、 すりへり減量及び400kN破砕値の値が 20

"-'25%より大きい粗骨材を使用した場合であると推定される。

(9)粗骨材物性値とコンクリートの静弾性係数の相関について相関係数を求めて検討した結果、 粗骨 材として砕石を使用した場合、 通常強度領域では吸水率とコンクリートの静弾性係数の相関が高か ったが、 高強度領域ではすりへり減量との相関が高かった。 ただし、軽量骨材も含めて検討すると、

どちらの強度領域でもすりへり減量との相関が最も高く、次いで400kN破砕値との相関が高かった。

参考文献:

1) 園府勝郎、 飛坂基夫;高強度コンクリートと骨材、 コンクリート工学Vo1.28,No.2, pp.14-22、

1990.2

2) 例えば、 真野孝次、 阿部道彦、 桝田佳寛;高強度コンクリート用骨材の品質判定規準に関する研 究(その1 :コンクリートの圧縮強度による品質判定)、 日本建築学会大会学術講演梗概集、

pp.167-168、 1989.1,

柳井修司、 大野俊夫、 瀬戸謙一郎、 アグス・サントーサ・スジョノ;高強度コンクリートの粗骨 材の品質判定法に関する研究、 コンクリート工学年次論文報告集、Vol.18, NO.1 、 pp.255-260、

1996.6

3) セメント協会コンクリート専門委員会;粗骨材の品質がコンクリートの諸性質におよぼす影響、

セメント・コンクリート、 NO.395、 pp.45-53、 1980.1

4) 迫田恵三;骨材の品質がコンクリートの性質に及ぼす影響、 コンクリート工学年次論文報告集、

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5) 飛坂基夫、 沼沢秀夫: 1600種類の試料からみたコンクリート用骨材の品質特性、 セメント・コン

(14)

クリート、 NO.386、 pp.10-17, 1979.4

6) 園府勝郎、 飛坂基夫;高強度コンクリートと骨材、 コンクリート工学、 Vol.28 No. 2、 pp.14-22、

1990.2

7) 竹村和夫、 阿部康倶;粗骨材の最大寸法の影響に関する一考察、 セメント技術年報33、 pp.230- 234、 1979.5

8) 本郷 靖;コンクリート技術者のための統計的方法手引き、 日本規格協会、 p.72、 1999 9) 日本コンクリート工学協会編パンクリート便覧(第二版)、 技報堂出版、 pp.455-464、 1996

(15)

第5章

高強度コンクリートの自由収縮ひずみに及ぼす粗骨材品質の影響

5. 1

序説

第4章に続いて、 硬化コンクリートの力学的性質に粗骨材の品質が具体的にどのような影響を及ぼ すのかという点について検討を行っていく。 本章では特に有効プレストレスや収縮ひび割れに影響を 及ぼす自由収縮ひずみに着目し検討を行う。

一般に、 コンクリート構造物は外力が作用する状態で供用されており、 外力の作用によりひび割れ が生じるが、 コンクリート表面の乾燥による水分逸散により収縮が生じ、 それが拘束されることによ り乾燥収縮ひび割れが生じるとともよく知られていることである。 一方、 最近、 コンクリートの高性 能化が進み、 高性能減水剤や高炉スラグ微粉末、 シリカフューム等の粉体系混和材の使用により、 極 めて小さな水セメント比でもコンクリートの流動性を確保できるようになり、 それに伴いコンクリー トが高強度化するケースが多く見られるようになってきたに これが、 “もう一つの収縮"、 いわゆる 水分の蒸発による逸散や温度変化による収縮とは別の自己収縮2)への関心を高める要因となった。 自 己収縮が原因で生じるひび割れは、 特に水セメント比が小さい高流動コンクリートや高強度コンクリ ート、 温度応力が発生しやすいマスコンクリートにおいて非常に重要な問題であり、 日本コンクリー

ト工学協会の研究委員会での検討をはじめとして、 国外でも関心が高まっている。

コンクリートの収縮は、 ペーストの収縮を主要因とするもので、 その他のわずかな要因としてその 収縮を拘束する骨材の影響が挙げられる。 しかし、 乾燥収縮と同様に自己収縮においても骨材の拘束 の影響についての検討はほとんど行われていない。 そこで、 本章では高炉スラグ微粉末を混和材とし て用いた高強度コンクリートの自己収縮と乾燥収縮について、 それらを拘束する働きのある粗骨材に 注目して粗骨材の品質が及ぼす高強度コンクリートの自己収縮ひずみ及び乾燥収縮ひずみへの影響に ついて明らかにすることを目的に検討を行った。

5. 1. 1 本章の概要

コンクリートの収縮は、 セメントペースト硬化体の収縮によるものであり、 その収縮の大きさには セメントペースト硬化体の影響が最も大きく、 骨材の拘束の影響はそれほど大きくない。 しかし、 骨 材の種類が異なれば、 その拘束度も異なり、 それが骨材の違いによる収縮量の違いに影響することに なる。 つまり、 骨材種類の違いによる収縮量のばらつきには骨材の拘束度の違いが影響していると考

(16)

えることができる。 このばらつきの考え方は、 収縮ひずみの推定値を求める場合に重要となる。 なぜ なら、 どんなに精度の良い収縮ひずみの予測式を作ろうとしても、 それには限界があり、 ぱらつきの 概念を予測式に採り入れることでかなり実用的となると考えられるからである。 そこで、 本章ではそ の収縮ひずみのばらつきの原因の一つである粗骨材種類による拘束度の違いに着目し、 その評価指標 として粗骨材物性値が適用できないかどうかを検討することにした。 ここで、 評価指標として粗骨材 物性値に着目したのは、 一般に、 コンクリートの収縮に対する粗骨材の影響のーっとして、 粗骨材母 岩の静弾性係数が挙げられるが、 粗骨材母岩の静弾性係数を測定するには、 非常に多くの手間と時間 が必要であり、 もっと簡便な方法で得られる指標で評価できないかと考えたからである。

本章では、 収縮として高強度コンクリートの自己収縮と乾燥収縮を対象とした。 高炉スラグ微粉末 を混和材として使用し、 細骨材は海砂に統一し、 粗骨材種類だけを9種類に変化させて作製したコン クリートの自己収縮ひず、み及び、乾燥収縮ひずみの測定を行なった。 その結果に対して、 収縮ひずみの 大きさと使用した粗骨材の物性値との関係を調べて、 収縮ひずみと関連の深い粗骨材物性値を明らか

にすることを試みた。

その結果、 粗骨材母岩の静弾性係数と同様に自己収縮ひずみや乾燥収縮ひずみと最も明確に関連付 けられた粗骨材物性値は吸水率であり、 次いで表乾比重であることがわかった。 また、 自己収縮ひず み及び乾燥収縮ひずみにおいては、 粗骨材種類が変化することにより平均ひずみに対して最大で20%

程度のばらつきが生じることが明らかとなった。

5. 2

自己収縮ひずみ及び乾燥収縮ひずみの定義

検討にあたり、 自己収縮ひずみ、 乾燥収縮ひず、み及び、逸散水率についての定義を示しておく。

自己収縮ひずみ

本研究における自己収縮ひずみは、 「自己収縮により生じるコンクリートのひずみのことで、脱型後 直ちに供試体を封織し封繊養生を施し、 外部との水の出入りがない状態で生じるひずみからコンクリ ートの熱膨張成分を除去したひずみ」と定義した。 なお、 自己収縮ひずみの基点はモルタルの凝結始 発時とした。 これは自己収縮をコンクリートのひび割れ検討の要因とするため、 流動を伴うフレッシ ュコンクリートの体積変化は除外するのが適切と考えたためである2)。

乾燥収縮ひずみ

乾燥収縮ひずみは、 「脱型後、 または所定材齢まで水中養生した後、恒温恒湿室内に保管し気中養生 を施した状態で生じるひずみJと定義した。 なお、 乾燥収縮ひずみの基点は脱型時、 または所定材齢 までの水中養生後とした。 したがって、 乾燥収縮ひずみには測定開始時以降に生じる自己収縮ひずみ も含まれることになる。 なぜなら、 自己収縮は物質の浸入や逸散、 温度変化、 外力や外部拘束 によら ず生じるからであり、 質量や温度の変化する条件下でも生じている。

図-5. 1は、 本研究における収縮ひずみの概念図を示している。 本研究では、 乾燥収縮ひずみ=全収 縮ひずみとして、 乾燥収縮ひずみの中に自己収縮ひずみが含まれており、 単純な重ね合わせの原理が 成り立つものとした。 しかし、 自己収縮ひずみと乾燥収縮ひずみの基点が異なるため、 全収縮ひずみ

(17)

の中に占める自己収縮ひずみの割合 (自己収縮ひずみ/全収縮ひずみ)について検討する際には、 自 己収縮ひず、みの基点を乾燥収縮ひず、みの基点に合わせて、脱型時を基点にしたデータで考察を行った。

図ー5.2は、 実際に測定した収縮ひずみの一例である。 自己収縮ひずみはコンクリート打設直後から 測定を始めて、 打設と同時に開始したモルタルの凝結試験における凝結始発時辺りから収縮ひずみが 測定され始めた。図中の縦軸は収縮ひずみを示すが、基点を凝結始発時とした場合のひずみであって、

負の領域が膨張を示すものではない。

4w'いめ護区『縦割誠永町'bbm提出て山但

凝結 脱型時 時開

始発時

図-5.1 収縮ひずみの概念図

白0 00 00 0O AHV OO AO A0 00 0υ AO AO AO AO AO F3 4守 司3 句右 咽A

'A 司,占

(U12〉〈)必'」ro譲与 -自己収縮ひずみ

一一一一 乾燥収縮ひずみ…,

凝結始発時1:

-300

-2 0 2 4 6 8 10

脱型時からの経過日数(日) 図-5.2 実際の収縮ひずみ測定例

(ひずみの基点を脱型時とした場合 粗骨材:硬質砂岩)

5. 3 高強度コンクリートの自己収縮ひずみへの粗骨材品質の影響

まず、 自己収縮ひず、みへの影響について検討するために、 高強度コンクリートの配合中の粗骨材種 類だけを変えて供試体を作製し自己収縮ひずみを測定した。

5.3. 1 使用材料

セメントは普通ボルトランドセメント (密度 3. 15g/cm3、 比表面積3, 300cm2 / g)を使用し、 細骨材 は海砂を使用した。 なお、 海砂は細砂(比重2.59、 粗粒率2. 66)と粗砂(比重2.55、 粗粒率2. 78) の2種類とした。 混和剤には高炉スラグ微粉末(比重2.89、 比表面積6,070cm2/g)を、 混和剤はポ

リカルボン酸系高性能AE減水剤(比重1.04)を、 練り混ぜ水は水道水を使用した。 なお、 粗骨材は 表-5. 1に示す9種類を使用した。

表中の母岩静弾性係数は、 なるべく岩石の節理が含まれないよう配慮して粗骨材の母岩からφ5X 10cmの円柱を数本抜き出して、 JSCE-G 502-1988 コンクリートの静弾性係数試験方法(案)にしたが って測定した値の平均値である。

(18)

表-5.1 使用した粗骨材の物性値

記 粗骨材 比重 吸水率 すりへり

下Eヨ 岩種 (先)

aひん岩①

2. 79 0.42

硬質砂岩①

2.70 O. 82

c安山岩

2. 71 0.76

d石英斑岩

2. 72 0.50

e硬質砂岩⑤

2. 73 0.46

f閃緑岩

2.74 0.74

g

硬質砂岩③

2. 69 0.78

h

結品片岩

2.84 0.72

iひん岩②

2.79 0.38

5.3.2 コンクリートの配合及び供試体作製

(1)コンクリートの配合

減量 (完) 11. 4 13.0 11. 8 11. 6 12. 0 14.0 13.0 14.9 10. 5

400kN 破砕値(先)

12 17 13 14 14 16 1 7 19 12

膏若圧縮 母岩静弾

強度 性係数 (N/mm2)

(GPa)

156 73.8 225 56.0 240 62. 1 247 72.6

202 80. 5

80 57. 2

225 56.0

289 72. 6

156 73.8

粗骨材だけが異なる条件の下で検討を行うためにモルタルの配合は一定となるようにしたため、 コ ンクリート供試体は表一5.2の配合を基に粗骨材の比重の違いを考慮、して粗骨材の単位量を求めた。粗 骨材品質の影響について検討するためには、W/B=28%の配合を用い数種類の粗骨材を使用したが、、水 結合材比の変化にともない自己収縮ひずみの大きさがどのように変化するのかを把握するために 水結 合材比を23, 28, 33, 43 %と変化させた場合には表-5.1中の硬質砂岩②(e)を使用した。 なお、配合I には細骨材に粗砂を、配合Eには細砂を使用し、 目標空気量を配合Iでは2.5%、配合Eでは2.0%と した。

表-5.2 コンクリー卜の配合

配合No. W/B (完) (先)s/a スうグ置換率(先) 単位粗骨材量(l!m 3) 水 セメント 挙位量(kg/mJ)スラグ 細骨材 混和剤 粗骨材使用

1 -1 23 41. 5 348 348 604 6.96

e

1 -2 28 45.0

50 286 286 713 5.72

a

e

1 -3 33 47.5 344 160 242 242 787 4.84

e

1 -4 43 50. 3 186 186 881 3. 72

e

1 -5 28 45.0 572 72 5.72

e

II -1 23 41. 5 348 348 629 6.96

e

II -2 28 45.0

50 346 160 286 286 735 5.72 C�l

II -3 33 47.5 242 242 812 4. 84

e

II -4 43 50.3 186 186 908 3.72

e

スうク:

r笥炉ス フ グ微f

サ末、 使用粗骨材:表-4.1中の粗骨材の記号で表示

(2)供試体作製

供試体は、10XI0X24cm の角柱とし、型枠は打設後初期のコンクリートの膨張、収縮を妨げないよ うに、木製の型枠の底面及び側面に4 cm厚の発泡スチロール板を配置し、その全ての面にテフロンシ ートを貼ったものとした。 さらに自己収縮ひずみ測定用の埋込型ひずみ計(標点距離100mm、見かけの 弾性係数約40 N/mm2)を供試体中央に配置してコンクリートを打設した。 図-5. 3に供試体形状及び埋 込型ひずみ計の配置を示す。

(19)

「ー一一

埋込型ひずみ計

\ 14 標点距離 , 1泊四n .. J

埋込型ひずみ計 Egoo-

24Q百n

1αk百n 民

yhl

a咽JtfHりノカノンコ 一一一一一一二l

アルミ箔粘着テープ 一、

コンクリート

図-5.3 自己収縮測定用供試体形状及び埋込型ひずみ計の配置

5.3.3 供試体の養生方法及び自己収縮ひずみの測定方法

(1)養生方法

供試体は打設直後から室温20::t 20C、 湿度50::t 5 %一定の室内に静置し、水分の蒸発を防ぐため に打設面を湿布及びビニールシートで覆い、打設から24時間後に脱型した。水分の浸入及び逸散を防 ぐため、 脱型直後に供試体をアルミ箔粘着テープで封繊し、 室温20::t 2 oC、 湿度50::t 5 %一定の室 内に静置して測定を行った3)。 写真-5.1は供試体の封滅状態を示すものである。

写真ー5. 1 自己収縮測定用供試体の封紙状態

(2)自己収縮ひずみの測定方法

自己収縮ひずみの測定は、 図-5.3のように供試体内にセットした埋込型ひずみ計を用いて、十了設直 後から測定を開始した。 なお、 使用したひずみ計は測温機能付きであり、 ひずみの測定とともに供試

(20)

体内の温度変化も測定した。 埋込型ひずみ計がコンクリート供試体に定着し同じ動きをすると考える と、 温度による影響を受けたコンクリート供試体のひずみは、 温度補償のないひずみ計の測定値と同 ーである。温度補償ひずみ計では、 この値に対して温度補正を行った値が測定値として出力されるが、

その温度補正を行うときの線膨張係数は埋込型ひずみ計の値が用いられる。 しかし、 コンクリートの 線膨張係数は正確にはひずみ計のそれとは異なるため、 出力されたひずみはコンクリート供試体にお ける温度変化以外の要因によるひず、み量とは異なった値となる。

本実験では、 温度補償ひずみ計(KM-100B)を使用したため、 上述のような線膨張係数の違いによる ひずみの差が生じる。 そこで、 式一5.1 を用いてひず、み値の変換を行い、 コンクリート供試体における 温度変化による熱膨張成分を除去して自己収縮ひずみを求めた。

é=Cα Xéi +Cβ×ムt -y Xムt

ここで、 é 自己収縮ひずみ(X10-6)

Cα :ひずみ計の校正係数(X 10-6/1 >く10-6) éi: 0点からの指示値の変化

Cß:温度変化に対するひずみ計の補正係数(x 10-6 /oC) ムt 温度変化

y:コンクリートの線膨張係数(10.5 x 10-6 /oC)

(式一5.1)

また、 温度補正に用いるコンクリートの線膨張係数は、 使用セメント種類等により異なるが、 本検 討では全ての条件において設計時に用いられる 10. 5 x 10-6 /oCを線膨張係数として用いることにした。

また、 自己収縮ひずみのデータの整理にあたっては、 自己収縮ひずみの原点をモルタルの凝結始発 時に合わせるため、 供試体作製時にコンクリートをウエットスクリーニングして得たモルタルに対し てJISA6204 コンクリート用化学混和剤の附属書1に示されているコンクリートの凝結時間試験方法 に準じて水結合材比毎に凝結時間の測定を行った。その結果を配合別に表一5.3に示す。この結果をも とに、 水結合材比毎に凝結始発時を原点として自己収縮ひずみを整理した。写真一5.2は測定状況であ る。

表-5.3 凝結試験結果一覧 水結合材比 スラグ置換率

(%) I (%) 23

28 50

33 43

28

配合I 凝結始発時間

(時:分) 3:05 4:20 4:55 4:30 4:20

配合E 凝結始発時間

(時:分) 3:05 4:20 4:55 4:30

(21)

写真一5.2 自己収縮ひずみの測定状況(アルミ箔粘着テープを除去した後)

5.3.4 水結合材比の変化にともなうコンクリートの自己収縮ひずみの変化

自己収縮ひずみに対する組骨材品質の影響について検討を行う前に、 まず水結合材比の変化により 自己収縮ひずみがどのように変化するかを把握するために、 水結合材比を変化させて自己収縮ひずみ の測定を行った。 その結果を図-5.4--5.8に示す。 図-5.4は配合Iをモルタルの凝結始発時を原点と して、 4種類の水結合材比におけるコンクリートの自己収縮ひずみの経時変化を表したものである。

図-5.4にはW/B=28%で高炉スラグ微粉末を混入していない供試体のデータもプロットした。

図よりどちらの配合においても水結合材比が小さくなるにつれて自己収縮ひずみが大きくなること が確認できる。 配合Iと比較して配合IIでは、 測定日数が短いけれども、 自己収縮ひずみの経時変化

800

ハu nu nU ハu nU nu ハu ハU ハu nu nU ハU ハU nu 弓I ro

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1i

(ω12×)吟恥O但供与旧叩 WA nU 、 、 力Je勺/守人 , WAW-'mw--mwmuh quQUつ、uっυ00つωワ'uquAヨワu 一一一一一一 一一一一 nHunnunHUnHunnu ///////I/f wwwwwwwwww :十

0 o 100 200 300 400 500

凝結始発時からの経過日数(日)

図-5.4 W/Bによる自己収縮ひずみの経時変 化

800

nu nU ハu 弓I ハU

p-o-× fo

ー ー ー ーー ー ・ ・ -

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5

400 500 Ó 300

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o 20 40 60 80 100

凝結始発時からの経過日数(日)

図ー5.5 W/Bによる自己収縮ひずみの経時変 化の違い(配合II)

(22)

VAVhNVAVAV品川町、uooqun,tuoovAηLηLnぺUAせワムnu--一-一一一一一一・nDnbnDnpnbhy ////////J/-ブ叩wmwmwwwmw寸八

十十十十十

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PIC-×)必'い6'阿茶当旧国

0.01 0 0.1 1 10 100 1000 凝結始発後からの経過日数(日) 図一5.6 W/Bによる自己収縮ひずみの経時変化

の違い(配合I、 対数表示)

800 F700

o

支600

'-./ 500

5

400

;J 300

200

旧100

0

0.01 0.1 1 10 100 1000 凝結始発時からの経過日数(日) 図-5.7 W/Bによる自己収縮ひずみの経時変化

の違い(配合E、 対数表示)

の傾向はほぼ類似している。 また、自己収縮ひずみの増加は、 ごく初期に著しいことが判るが、 さら に初期の状態及び収縮速度を確認するために、 図-5.4及び図-5.5のX軸を対数で表示したものを図- 5.6及び図一5.7に示す。 図よりどちらの配合におい ても初期の収縮速度が大きいことが確認できる。

また、 自己収縮は10日経過後辺りから収束に向かっていることが判る。 さらに、 図-5.7において初 期の時点で膨張ひずみが生じているが、これは配合Iの場合の打設時温度が200Cであったのに対し、

配合Eの場合が100Cであったことによるものと考えられる。 その結果、配合Eの場合の供試体温度変 化が配合Iの場合の2---3倍程度になっていた。 また、 高炉スラグ微粉末の有無による違いは、高炉 スラグ微粉末の混入により自己収縮ひずみが大きくなること4) 5)が確認できる。しかし、長期材齢では 高炉スラグ微粉末の有無によらずほぼ等しいひずみとなった。

700 nu nu nu nu nu nu nu nu nu nu nu nu ku cJ d斗 司、d

「4 1i

pic-〉〈)吟'いめ鍵当旧叩

25 30 35 40

水結合材比(先)

図-5.8 水結合材比とコンクリートの自己収縮 ひずみの関係(配合1 )

700 nu nu nu nu fhU 戸、J (Ulc

一一・-2日目 一一口-7日目 一一会一一14日目

---0- 28日目

ー亨- 56日目

、、_,/

r令400 い ス()()

;J � ��

鑓200 出旧100

25 30 35 40 45

水結合材比(%)

図-5.9 水結合材比とコンクリートの自己収縮 ひずみの関係(配合II)

(23)

次に、 図一5.4及び5.5に示した自己収縮ひずみの経時変化から2日目、 7日目、14日目、28日目、

56日目及び110日目(配合Iのみ)のひずみ分布を取り出し、 水結合材比の変化にともなう自己収縮 ひずみの変化として表したのが、 図-5.8及び図-5.9である。 図より、 水結合材比が小さくなるにした がって自己収縮ひずみが著しく大きくなっていることがよく判る。 しかも、 2種類の配合のどちらに おいても2日目時点でのW/B=23%の場合の自己収縮ひずみはW/B=43%の場合の約4倍にも及んでい る。 日数が経過して収縮現象が収束するとW/B=23%の場合の自己収縮ひずみはW/B=43%の場合の約 1.7倍程度に落ち着いている。 このように、 高強度コンクリートにおいては通常のコンクリートより も過大な自己収縮ひずみが発生していることから注意が必要であるので、 それらのことに使用する粗 骨材品質が及ぼす影響についての検討を行うことにする。

5.3.5 高強度コンクリートの自己収縮ひずみへの粗骨材品質の影響

次に、 表-5.1に示されるa'"'-'gの7種類の粗骨材を使用した場合に、 コンクリートの自己収縮ひず みにどのような影響が及ぼされるかを明確にするための検討を行った。配合は表一5. 2の配合1 -2及び 配合II -2 CW/B=28%, s/a=45%)を使用した。

まず、 表一5.4に作製したコンクリートのフレッシュ性状について示す。 粗骨材以外の材料及び配合 は等しい条件で作製しているので、 配合iにおいてはスランプフロー、 フロータイムともにほぼ等し い値となっている。 しかし、 配合Eにおいては両者及び空気量にばらつきが認められる。 これはコン クリート温度にも現れているように打設時の気温の影響と考えられる。

表-5.4 コンクリートのフレッシュ性状

配合I 配合E

スランプ。 7日ータイム 空気量 コンクリート スランt 7日ータイム 空気量 コンクリート

粗骨材種類 7口一 温度 粗骨材種類 フロー 温度

(mrn) (秒) (先)

COC) (rnrn) (秒) (完)

(OC)

ひん岩①

565 30 1.9 22.0

ひん岩②

450 15 3.5 20.0

安山岩

570 30 1 .4 22.0

安山岩

520 21 3. 6 21. 0

石英斑岩

540 31 2.0 22.0

石英斑岩

395 12 3. 5 21. 3

硬質砂岩①

580 28 1.6 22.0

硬質砂岩ω

460 16 3.4 21. 9

硬質砂岩②

565 31 1.9 22.0

閃緑岩

705 48 1.4 16. 2

硬質砂芹喜 岩一 ②

435 13 3.5 21. 0

結晶 665 57 1.3 16. 9

図-5.10及び図一5.11は配合1 -2及びII -2におけるコンクリートの自己収縮ひずみの経時変化を、

使用した粗骨材種類別に示したものである。 ほぼ同じ配合であるので、 経時変化の傾向は非常に似通 っているが、 自己収縮ひずみの大きさには粗骨材種類により差違が生じている。 粗骨材以外の材料及 び配合は等しいので、 粗骨材種類が異なるだけでこのよう な差違が生じていることになる。 この図で は自己収縮ひずみが急激に生じる初期段階における差違がわかりにくいため、 図-5.12 及び図ー5.13 に経過日数を対数表示したものを示す。 両図における初期の経時変化を比較すると、 配合II -2の場合 に若干の膨張ひずみが見られる。 これは、配合1 -2の場合の打設時気温と比較して配合II-2の場合の 打設時気温が50C程度低かった影響と考えられる。 しかし、 収縮ひずみが発生し始めてからの経時変

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