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ロ シ ア 語 は ど こ が む ず か しい の か ?
堤 正 典
私 はロシア語学 を専攻 し、 ロシア語文法 を研究 対象 としている。 また、授業では、 ロシア語 を教 えている (言語以外 のロシアや東欧 (中欧)に関 す る諸々の話 もす るが、厳密 には専 門分野 とは言 えない
)
。ロシア語 をや っていると言 うと、「珍 し いですね」 とか、 「むずか しいで しょう」 と言 わ れることがある。 日本の人 口をはるかに超 える話 し手 を有 し、国連の公用語で もあるこの言語 に日 本でかかわっている人は、研究者だけで も相 当数 いる し、 もっ と少数の人がかかわるだけの言語 も た くさんあることを知 っているので、私 自身は珍しい とは思わない。 しか し、平均的な 日本人の感 覚では珍 しいのか もしれない。
むずか しいか どうかについては、勿論 むずか し くない とは思わない。 しか し、他の言語 に比べて むずか しい とか とい うと、一概 に比較で きない。
日本人が外 国語 として学ぶ には どの言語 に もそれ な りのむずか しさがある ものである。ただ し、い くつかの部分 に分 けてみ ると多少の ことは言 うこ とがで きる。 ロシア語 は 日本人 にとって どこがむ ずか しいのあろうか。
ロシア語 の発音で、個 々の音 は、子音 のい くつ か を除いてそ うむずか しくはない。英語 と比べ て も、子音 はや さ しいか、せいぜ い同 じくらいむず か しいかであ り、母音 はロシア語 の方がはるかに 簡単である。語のアクセ ン トも発音 の面か らは大 変 なことはない。それ に対 して、文 におけるイ ン トネーシ ョンは多少 の練習がいる。疑問文である ことをイン トネーシ ョンだけで示す場合があ り、
これについては耳 と口の慣 れが必要である。
文字 は、 ラテ ン文字 にない ものや、あって も英 語 な どとは表す音が異 なる文字があって、大変だ .lh∴.;;日..日三三A;!1..1H;1111∴ liltl:!∴Hl.il亡tE
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本来習わなければ読めない ものである。音声言語 と異 な り、 このことは母語話者であって もそ うな のである。ロシア語の文字数33はそんなに多い方 ではない (大文字 ・小文字があるが、大 きさが違 うだけの もの も多 い)。読み方 は きわめて規則 的 である。ただ、実際 に文字 をす らす ら読むには、
結局 どの言語であって も単語 をた くさん知 ってい ることが必要である。
語嚢、すなわち単語 については、それな りの数 を覚 えなければな らないのは どの言語 も同 じであ る。それで も、英語 な どは外来語 として 日本語 に 入 って きている語が多いので、その分有利であろ うか (その中には実際の英語 の使 い方 と違 うもの もあるか ら、かえって紛 らわ しい場合 もある)。
学習者 を一番悩 ませ るのは文法であろ う。文法 は大 きく分 けて、語形変化 をあつか う形態論 と語 による文の成 り立 ちをあつか う構文論 (統語論 ) とに分かれる。ロシア語 の教科書 で中心 となる文 法項 目は形態論であ り、変化表がた くさんでて く る。ロシア語 は、正 しい変化形 を組み合 わせて用 いることが主たる構文論上の規則 であるか ら、語
形変化 を覚 えれば文法上 はなん とかなる言語であ る (それ以外 に構文論・上の規則がないわけではな い)。語形変化 を覚 える とい うのは、単 に変化 の しかた (語尾)を覚 えるだけでな く、いかなる変 化形があ り、いかなる場合 に変化す るのか も覚 え ることが必要 になる。 したが って、変化形が多 け れば多いほ ど変イヒす る場合分 け も多 くな り、個 々 の変化語尾 とあわせてさらなる記憶の負担 となる。
形態論が複雑 な言語 はい くらであるが、やは りロ シア語 におけるこの負担は小 さくはない。 しか し、
語形変化が多い とい うのに も利点があって、それ を身につけて しまえば文の係 り受 け関係が誤解 の しょうが ないほ どよ くわかることになる。
中学か ら学ぶ英語 とは異 な り,通例大学以降で 始めるロシア語お よび他 の言語 は、授業の進み方 もより速 く、 よ り短い期 間で一定の レベルに到達 す ることが要求 される。勉 強す る時間が同 じな ら ば、 ロシア語の ように文法 に負担がかかる と語嚢 数 に しわ よせがい くことになる。文法や語菜の効 率の よい理解 と記憶 には、学習者の努力 とともに、
優 れた教材 を用 いることを含 めて教 師の役割が大 きいのである。
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