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開閉口運動の速度解析に関する研究

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

開閉口運動の速度解析に関する研究

築山, 能大

九州大学歯学研究科歯学臨床系専攻

https://doi.org/10.11501/3070032

出版情報:Kyushu University, 1993, 博士(歯学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

開閉口運動の速度解析に関する研究

築山 能大

九州大学歯学部歯科補綴学第2講座 (指導:末次恒夫教授)

A Study on the Speed Analysis of Jaw Opening and Closing Movement Y oshihiro Tsuki yama

Prosthetic Dentistry II,

Faculty of Dentistry, Kyushu University (Director: Prof. Tsuneo S uetsugu)

(4)

次 回一口

1 . 緒言

11 . 研究方法

1 . 測定方法

2. 基準座標系と解析点 3. 被験運動

4. 被験者 5. 解析法

1 )速度パラメータの解析 2 )速度パターンの解析

111 . 結果

1 . 速度パラメータ

1 )速度パラメータの個人内安定性 2 )平均値の算出と性差の検討 3 )解析点聞の関係

4 )最大移動量と最大速度との関係

5 )最大速度と開口相時間および閉口相時間との関係

6 )開口相と閉口相との比較 2. 速度パターン

1 )速度パターンの分類 2 )各解析点、の速度パターン

3 )頼頭点開口相の速度パターンについて IV. 考察

1 . 研究方法について

1 )運動について 2 )解析点について 3 )解析法について 2. 結果について

1 )速度パラメータについて 2 )速度パターンについて v. 結語

参考文献

p1 p3

p14

p47

p64

p65

(5)

I . 緒言

顎口腔系は顎関節、筋、靭帯などの様々な解剖学的要素より構成され、顎運 動はこれらの要素の作用の結果として観察される。 したがって、顎運動の解析 は、顎機能の評価の際に極めて重要な役割を果たす。

1

8 8 9年Luce1)は生体 について顎運動を測定することの重要性を主張し、

初めて生体で顎運動を測定した。 以来補綴学の分野では、顎口腔系に調和した 補綴物を作製するという観点および顎口腔系の機能の解析という観点 から、顎 運動の解析が行われて きた2-5)。 こ のことと相ま って顎運動の再現装置として の佼合器も発達を遂げ、同時に顎運動測定装置の開発も急速に進行した。

顎運動の測定法には、写真法lA,7), 描記法89),磁気センサを用いた方法1O,ll),

光センサを用いた方法12-14), 各種トランスデューサを用いた方法15,16)など多 様な方法がある。 また、測定能力も切歯点部での開口量のみが測定可能なもの 17)から、切歯点部での3次元運動が測定可能なもの10,11)、下顎上の任意点の運 動が解析可能なもの12,16,18-21)まで様々である。 近年、電子工学の発達により、

高精度な3次元6自由度の顎運動測定装置が開発され14,15,22-27)、下顎上の多 点および下顎全体の運動解析が、限界運動28), 側方滑走運動26,29),後方運動25),

開閉口運動30) 岨噂運動31)などについて詳細に報告されるに至っている。

1 979年Farrar32) は3 4名、 4 4関節に対して下関節腔造影および頼頭運

動の観察を行い、reciprocal clicking, lockingの患者について、造影像と頼頭運動 との関連性について詳細に報告した。 これを期に、顎関節内障の概念, 病態,

診断法, 治療法などが詳細に報告されるようになってきた33-37)。 この疾患の定 義は、顎関節内部に限局した, 円板の位置異常を伴う関節構成体の機能的ない

(6)

し器質的障害とされている37,38)が、臨床的にはしばしば顎関節部の尽痛, 顎運 動障害, 顎関節雑音などの症状を呈することが多い34,37)。 また疫学的にも、潜 在的な顎機能異常者が存在すること39,40)や、近年顎機能異常患者が増加傾向に あること41 )などが報告されている。 これらのことを背景に 、あらためて顎機能 の評価の重要性が強く認識され、顎機能の解析に関する研究が顎運動42-44), 筋 電図45,46), 顎関節音47,48)など様々な観点から行われている。

顎関節内障を顎運動論的に評価する際、 病変の存在部位である頼頭部の運動 を観察することは有効な方法である。Isberg-Holm ら49,50)はX線映画法を用い てクリックを伴う患者の開閉口運動を観察し、 クリック発生時前に穎頭 運動の 停滞が起こりクリック発生時には頼頭運動速度の増加および両側頼頭の協調運 動の欠落が生じることを、 Farrarら 32,34)も、reciprocal clickingの症例ではクリッ ク発生に一致して、頼頭の運動速度と位置が急激に変化することをそれぞれ報 告している。 Willig en51)もまた、光センサを用いた顎運動測定装置を用いて頼 頭運動を矢状面で観察し、Farr訂らと同様の報告をしている。

これらの報告は主に関節円板前方転位に関するものであるが、円板の位置異

常は前方転位の他にも後方転位, 協調失調, 内方転位, 外方転位などがあるこ とが報告されている52-54)。 これについて、豊田らお)は関節円板の各種転位症例 について頼頭の3次元運動経路および速度の解析を行い、全症例でクリック発 生時に穎頭の運動速度には急激な変化がみられるものの、頼路の著明な変化は みられる症例とみられない症例とがあったと報告して いる。 これらのことから、

顎関節内障の顎運動論的な診断に際して、頼頭の運動軌跡と同時に速度を解析 することは極めて有効だと考えられる。

(7)

速度解析は運動軌跡の解析とともに顎機能の評価に用いられるが、 切歯点部 での解析48,56,57)がほとんどであり、 穎頭部の速度解析においても、 穎頭部のみ

の矢状面内での解析51), 顎機能異常者の症例報告58), クリックの発生位置の同

定に速度変化を用いた解析59)などがみられるのみで、 切歯点のみならず頼頭、を も含めた解析の報告はほとんどない。 また、 これらの報告は異常像についての 解析に重点がおかれており、 正常像については十分に明らかになっていない。

さらに、 切歯部, 臼歯部, 頼頭部の同時解析およびそれらの関連についての報 告や、 頼頭の速度を視覚的パターンにより解析した報告は全くない。

そこで本研究では、 速度を用いた顎機能評価のための基礎情報を得る目的で、

正常有歯顎者の開閉口運動を計測し、 切歯部, 臼歯部, 頼頭部の速度の動態お よびそれらの関連等について詳細に解析した。

注)この論文の一部は下記の論文に報告した。

速度パラメータを用いた下顎運動解析, 開閉口運動時の速度パターンの解析.

築山能大, 古谷野潔, 末次恒夫

下顎運動機能とEMG論文集, 7: 109 '"'-' 112, 1 989.

11. 研究方法

1 . 測定方法

下顎運動の測定には、 下顎上の任意の点の運動が解析可能な九州大学式非接 触三次元精密変位計測システム25)を用いた(図1, 2)。

-3-

(8)

図1 計測システムの全景

ψ

X-Yレコーダ

磁気ディスク

図2 計測システムのブロックダイヤグラム

(9)

被験者の上下顎歯列に各3伺、計6伺の目立社製近赤外線発光ダイオード(L

E D) HLP60RB をクラッチを介して固定し、 互いに直交するように配置した 浜松ホトニクス社製半導体位置検出素子S-1880内蔵の2台のカメラによりLE Dの2次元座標値をとらえ、 AD変換後、 ティアック社製データレコーダDR- 10ωに記録した。 記録された2次元座標値を日本電気社製パーソナルコンピュ

ータPC9801を用いて補正、 3次元座標値を算出し、 解析を行った。

クラッチは被験者の佼合, 口唇の閉鎖および自然な顎運動を妨げないように コバルトクロム合金にて可及的に小さく製作し、 GC社製パターンレジンにて 前歯部唇側歯面2ないし3歯に密着するよう修正を加えた後、 シアノアクリレ ートにて前歯部唇側歯面に固定した。

なお、 本研究では一辺が1 2 Omm の立方体を測定視野としてデータの補正 をおこなったが、 この測定視野内で何れの解析点に おいても、 測定誤差はo.

lmm以下であった。

2. 基準座標系と解析点 1 )基準座標系

水平基準面にはカンペル平面を採用した。 左右の皮膚上の平均的頼頭点(耳 珠後縁から外眼角にむかつて前方へ13mm、 その点よりさらに下方へ5mmの 点)と、 鼻翼下縁にとった前方参照点を含む平面を水平基準面とし、 水平面と 直交し平均的頼頭点を結ぶ直線とも直交する平面を矢状面、 水平面と直交し平 均的頼頭、点を結ぶ直線を含む平面を前頭面とした(図3)。

2 )解析点

図3に示すように、 解析点として切歯点, 左右第1大臼歯点, 左右頼頭点の 5点を設定した。 歯列上の点として、 切歯点には左側下顎中切歯近心切縁隅角

戸、J

(10)

を、 第1大臼歯点には左右第l大臼歯遠心頬側佼頭頂を採用した。 また頼頭点 には、 河野6)の方法に準じ、 被験者ごとに矢状面内限界運動より試行錯誤的に 求めた全運動軸上で、 左右の形態的頼頭中央点を採用した。 なお形態的穎頭中 央点は、 各被験者ごとにさきに求めた平均的頼頭点上に鉛の標点を貼付して撮 影した軸位方向頭部X線規格写真をもとに決定した。

Z

平均的穎頭、点

Y

図3 基準座標系と解析点

(11)

3. 被験運動

各被験者について、 岐頭厳合位からの 開閉口運動を計測した。 被験者に生理 的範囲内で、 できるだけ大きくかっ速く 開閉口運動を行うよう指示し、 連続1

0ストロークを行わせて記録した。 計測時には、 被験者を簡易歯科治療椅子に 直座させ、 ヘッドレスト以外には特に頭部固定を行わず、 可及的に自然な運動 を行えるよう留意した(図1 )。

4. 被験者

以下の1 )から5)の条件を満たす正常有歯顎者で、 年齢1 8 2 9歳まで (平均22.4+2.4歳) の男性2 0名, 女性2 0名, 計4 0名を被験者とし

た。

1 )第3大臼歯以外に欠損歯がない0 2 )明確な佼頭最合位 を有する。

3 )上下顎歯の被蓋関係に異常を認めない。

4 )歯周組織に異常を認めない。

5 )顎機能に自覚的, 他覚的に異常を認めない。

なお、 被験者には事前に実験内容について十分に理解を得たうえで計 測を行 った。

5. 解析法

各被験者について、 運動開始後の3ストローク目から7ストローク目までの 5ストロークを解析対象とし、 速度の定量的な評価のための数値解析と、 定性 的な評価のための図形解析の両側面から解析を行った。 また、 第l大臼歯およ び頼頭、については左右を別々で とら え、 4 0名の被 験者の左右計8 0側を対象

ー7-

(12)

とした。 解析に用いたパラメータのうち、 切歯点および第1大臼歯点の移動量 には上下的移動量(2方向)を、 頼頭、点の移動量には前後的移動量(X方向) (図3)を、 そして各解析点の速度には3次元的運動速度を用いた。 なお解析 には、 筆者がC言語60)を用いて独自に開発した、 速度解析プログラムを用いた。

1 )速度パラメータの解析

関口相および関口相の最大速度に関する指標として、 図4, 5, 6, 7に示 すようなパラメータ(以下、 速度パラメータとする)を設定し、 各被験者の5 ストロークについて各パラメータの値を算出した。 この値について、 以下の解 析を行った。

( 1 ) 速度パラメータの個人内安定性

各パラメータについて、 各被験者ごとに5ストロークの変動係数(C v値) を求め、 被験者4 0名の平均値および標準偏差(S D)を算出した。

-300

IMov

。 300 (mm/sec)

ミi

IPkCl

IMov:最大移動量 ISpOp:関口相最大速度 ISpCl:閉口相最大速度

IPkOp:関口相最大速度発現時移動亘 IPkCl :閉口相最大速度発現時移動量

IPkOp/IMov X 100 :関口相最大速度発現位置 IPkCI/IMov x 100 :閉口相最大速度発現位置

図4 速度パラメータ( 1 ) 切歯点 左側:切歯点運動経路の矢状面投影 右傾Ij :切歯点の速度曲線

(13)

IMov

\\

� 1 .

'

�r『

MMov

Lよ- 可;;

(mm)

200 (m m/sec)

IMov:切1某1/,(故大移動f12 MMov:妓大移動計 MSpOp:開r 11f1 ffi[大速度 MSpCI: 1羽r 1キ11M:大速度

MPkOp: IÆr 1キr!�立大速皮発現時移動;量 MPkCI:閉IIキIl"irl大速度発刻H守移動;t

目(: MP刊此kOp/MMo仰vX 10∞o : I}刷;封刻I'JIハl 十初相I日Ih依主大j迷主j皮i長支it:づ発E;刻fり 弘別� 礼 H位)丘幻引i"'I':工

乱f伊PkCαl/MMo仰vX10∞o : r防閃九1羽!j[ ハl叶半相相11段大i速虫)皮文発現イ杭玩川i山y汽{ MI印PkOp: 1;)闘;剤fJ 1け1半相111凶i

MI印PkCαlじ:閉|ハl吋キ相相11t以l泣立入大」迷反発刻H寺切的}.',(移動揺;

MIPkOp/IMov X 100 : 1羽11相最大速度発現時七以前点位?I�

MIPkCl/IMov X 100 :閉11相|最大速度発現H寺切簡},':J:位向:

図5 速度パラメータ(

2 )

第1大臼歯点

cmop

i

: CIPkCl

20

左側:切歯点運動経路の矢状面投影

中央:第1大臼歯点運動経路の矢状面投影 右側:第1大臼歯点の速度曲線

/も、

+

100

IMov:切l満点最大移動量 CMov:故大移動E:

CSpOp: 1刻11相最大速度 CSpCl: 1羽11相最大迷j交

CPkOp:開11州最大迷反発.g.�II:'J移動詰 CPkCl : I�j 1 1キ11最大述j支発現時移動景 (mm)

CPkOp/CMov X 100 :開11相最大速度発尉位置 CPkCl/CMov X 100 : 1羽11相以大速度発.g�1v:in CIPkOp : 1Jf1 r 1相!最大速度発現Il:;JtJJ椅点移動揺: CIPkCl : 1羽口相最大速度発刻H一、防U.l均l(移動足

CIPkOp/IMov X 100 :開円相l 最大速度発現時切断1,'.(位置 CIPkCl/IMov X 100 : 1羽r 1キlIiti大速度発現時切体1}

,';( 1 \J� iilt

図6 速度パラメータ(

3 )

頼頭点 左側:切歯点運動経路の矢状面投影 右側上方:頼頭点運動経路の矢状面投影 右側下方:頼頭点の速度曲線

-9-

(14)

...

Cコ

切歯点移動量

切歯点速度

第1大臼歯点移動量

第l大臼歯点速度

頼頭点移動量 頼頭点速度

片OpPhl→戸CIPh向

;IPkTrop i /

一一一一-_;.---+-'--

I

:

IPkTCl

図7

トーー一--t

200msec

速度パラメータ

( 4 )

OpPhT :開口相時間 CIPhT :閉口相時間

IPkTOp :切歯点開口相最大速度発現時間 IPkTCl :切歯点閉口相最大速度発現時間

IPkTOp/OpPhTX

100

:切歯点開口相最大速度発現時間%

IPkTCljCIPhT X

100

:切歯点閉口相最大速度発現時間%

MPkTOp:第l大臼歯点関口相最大速度発現時間

MPkTCI:第1大臼歯点閉口相最大速度発現時間

MPkTOp/OpPhT X

100 :第l大臼歯点開口相最大速度発現時間%

MPkTCljCIPhTX

100 :第I大臼歯点閉口相最大速度発現時間%

CPkTOp:頼頭点関口相最大速度発現時間 CPkTCI :頼頭点閉口相最大速度発現時間

CPkTOp/OpPhTX

100

:穎頭点関口相最大速度発現時間%

CPkTCl/CIPhT X

100

:頼頭点閉口相最大速度発現時間%

時間に関する項目

(15)

( 2

)平均値の算出と性差の検討

各パラメータについて、 5ストロークの平均値を伺人の代表値とし、 男女各

2

0名および合計4 0名の平均値, 標準偏差(S

D)

, 最大値, 最小値, 変動 係数(C v値)を算出し、 '1:-1:差について検討した。 なお、 性差の検 討は、 男JI�I:

と女性との間で平均値の差につ いてt検定を行い、 有意差が認められた場合に 性差があると判定した。

( 3

)解析点聞の関係

解析点問の関係について検討するため、 以下の解析を行った。

a. 最大移動量 最大速度 移動量比および速度比

最大移動量, 最大速度について、 第1大臼歯点お よび頼頭点と切歯点との聞 の相関係数を算出した。 また、 切歯点最大移動量に対する第l大臼歯点および 頼頭点の最 大移動量の比(移動量比)と、 開口相と 閉口相それぞれについて切 歯点最大速度に対する第l大臼歯点および穎頭点の 最大速度の比(速度 比)を 算出した。 さらに、 移動量比と速度比との相関係数を算出した。

b. 最大速 度発現位置 最大速度発現時切歯点移動量, 最大速度発現時 切歯点 位置, 最大速度発現時間および最大速度発現時間%

最大速度発現位置 最大速度発現時切歯点移動量, 最大速度発現時切 歯点位 置, 最大速度発現時間および最 大速度発現時間%について、 解析点間で平均値 の差についてt検定を行った。

( 4 )最大移動量と最大速度との関係

最大移動量と最大速度との関係について検討するため、 各解析点の最大移 動 量と関口相および閉口相の最大速度との相関係数を算出した。

-1 1-

(16)

( 5

)最大速度と関口相時間および閉口相時間との関係

最大速度と関口相時間および閉口相時間との関係について検討するため、 最 大速度と関口相時間および閉口相時間との聞の相関係数を算出した。

( 6

)開口相と閉口相との比車交

各パラメータについて、 関口相および閉口相の平均値の差についてt 検定を 行った。 また、

(

1 )で求めた変動係数 について、 関口相と閉口相との間で平 均値の差についてt検定を行った。 さらに、 特に最大速度に着目して、 各解析 点の関口相最大速度/閉口相最大速度の値を算出した。

2 )速度パターンの解析

まず図8のごとく速度表示を行った。 切歯点および第l大臼歯点では上下的 移動量を縦軸、 速度を横軸に、 また、 頼頭点では前後的移動量を横軸、 速度を 縦軸にとり、 速度曲線のグラフイツク表示を行った(図8)。 得られた 速度曲 線の開口相、 閉口相それぞれについて、 速度曲線上の 速度ピークの数に着目し、

速度パターンの視覚的な解析を行った。

(17)

| Right Condyle I Left Condyle I

|Sagittall

(mm) 20

ハリハU噌EI

ハUハU4EEA

(mm) 20 |Velocity I

ハUAV 噌E'・A nu ハU-aEA

-200

(mm/sec) mm ハ‘面白しVF3 IIf

l Right Molar I Left Molar I

-200 10 200(mm/sec)

3O(mm)

|Sagittal I I Velocity I

3O(mm)

|Sagittal I I Velocity I

一比 一o -rl-ハU - i l -- } 一O一 一 一 DE一 ー 一a一 一 向、V-1 -pu-

-nH一 ー

300 (mm/sec)

ハU'EEA

20 30

(mm)

|Sagittall l Frontal I

図8 速度表示

-13-

(18)

111. 結 果

1 . 速度パラメ一夕

lυ)速度パラメ一夕のイ伺同人内安定t

表1, 2に、 各パラメータについて、 各被験者ごとに求めた変動係数の平均 値および標準偏差を示した。 表1, 2に示すように、 変動係数の 平均値は関口 相の最大速度発現時間で比較的大きな値を示した ものの、 ほとんどの項目で1

0%以下であった。

2 )平均値の算出と'It差の検討

表31 1に、 各パラメータの値および性差の検討結果を示した。

( 1 )最大移動量

表3に示すように、 最大移動量については、 切歯点およびぴ、第1大臼歯点でで、↑

差がみられそれぞぞ、れ男i性注の方が有意に大きかつたが、 穎頭点では性差は みられ なかった。

( 2 )最大速度

表4に示すように、 最大速度については、 関口相では、 全ての解析点で性差 がみられ、 それぞれ男性の方が有意に大きかった。 閉口相では、 全ての解析点 で性差はみられなかった。

( 3 )最大速度発現時移動量

表5に示すように、 最大速度発現時移動量については、 関口相では、 切歯点 および第1大臼歯点で性差がみられともに男性の方が有意に大きかったが、 頼 頭点では性差はみられなかった。 閉口相では、 第l大臼歯点で性差がみ られ男 性の方が有意に大きかったが、 他の2点では性差はみられなかった。

( 4 )最大速度発現位置

(19)

最大移動量

N

切歯点 40 第l大臼歯点 80 頼頭点 80

表1 個人内の変動係数( 1 )

N 開口相

1.67+1.10 1.35士0.87 1.42 + 1.49

単1<{

:

%

閉口相

最大速度 切歯点 40 5.96+3.64 5.02 +2.97

第1大臼歯点 80 5.95+3.52 4.98+3.11

有意差

頼頭点 80 5.52+3.22 3.89+2.78 村合

最大速度発現時 切歯点 40 8.57 +4.90 5.07 +2.85 ***

移動量 第l大臼歯点 80 9.10+4.59 5.82士3.49 ***

頼頭点 80 10.00+9.98 6.06+3.20

最大速度発現位置 切歯点 40 8.19士5.01 4.76土2.98 **貴 第1大臼歯点 80 8.83+4.68 5.49+3.59 ***

---顎頭去-ー"ーー・・ー__・ーー__ 8_0 _ー__ _ _ _ _

l O

_. _

lJ

_ � �三位ーーーーーーーーゑ��主�:J_�__ _ー・・ーーー竺竺ーーーー・

最大速度発現時 第l大臼歯点 80 9.28 +4.61 6.37 +3.90 村女

切歯点移動量 頼頭点 80 8.27 +7.49 5.22 +3.25

最大速度発現時 第1大臼歯点 80 9.03 +4.63 5.97 + 3.94 材会

切歯点位置 頼頭点 80 8.60士7.23 5.49 + 3.36 ***

ー__毘口_{�J民間J一ロオ�_�寺-ーーー---_._-ーー・・"'--AQ--ーーーーー・_

&

4�_�三þ_7__ーーーーーー

7

.

96主8

.2

α

最大速度発現時間 切歯点 40 10.12+8.20 13.61土13.79

第1大臼歯点 80 10.38士7.95 13.14+12.93

ーーーーーーーーーー-顎頭点ーーーーーーーーーーーーー_8_

0

_ーーーーーーー_9_J_8_

1

._38___ー____

1

3!9_Q土J�._�9__ーーーーーー

竺竺

最大速度 切歯点 40 9.19 + 6. 17 8.40 + 6.12

発現時間% 第1大臼歯点 80 9.55 + 5.39 8.22士5.29

頼頭点 80 10.18 +6.02 9.01 + 5.87

単位: %, 合合:P< 0.01,禽**: P< 0.001

表2 個人内の変動係数( 2 )

- 15-

(20)

N平均値 SD 最小値最大値 cv値 '

I�!

:

切歯点最大移動量(mm) 男性 20 42.39

3.41 36.89 51.65 8.04

女'It 20 38.98

2.91 35.38 44.10 7.46

**

合計

40 40.68 3.57 35.38 51.65 8.78

第l大臼歯点最大移動量 男性 40 26.82

2.60 22.49 33.23 9.71 (mm)

女'1:-1:

40 24.65 2.11 20.93 29.87 8.56

*.負

合計

80 25.74 2.60 20.93 33.23 10.09

頼頭点最大移動量(mm) 男性 40

15.95 2.81 11.18 22.05 17.64

女性 40

15.40 2.45 9.78 19.95 15.91

合計

80 15.67 2.64 9.78 22.05 16.82

**: P<

0.01

表3 最大移動量

N 平均値

SD

最小値 最大値cv値{均 性差 切歯点最大速度 関口相 男性

20 272.80 58.73 172.59 381.53 21.51

(mm/sec)

女性

20 233.86 24.60 186.00 300.37 10.52

* 合計

40 253.42 48.66 172.59 381.53 19.20

関口相 男'I�

20 320.39 56.86 212.34 443.04 17.75

女性

20 303.45 36.56 235.93 353.90 12.05

合言士

40 311.92 47.96 212.34 443.04 15.38

第l大臼歯点 関口相 男性

40 185.85 36.12 116.17 263.11 19.44

最大速度(mm/sec) 女性

40 160.44 19.02 130.24 215.20 11.86

***

-・・ー・・---会計__ー長0・ー_lZ3_._1_4_ _ _ _

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_ _ _ _1_l 6_._1_7_ _ _

26JJ _l_

_ _ _l

8_

.

_l_

4_ _ _

頼頭、点最大速度

(mm/sec)

関口相 男性

40 204.34 35.20 137.87 280.45 17.23

女性

40 190.66 25.89 132.58 233.40 13.58

合言士

8_Q 197.50 3lA6 l32_._5__8 280.45 l.5__._23

関口相 男性

40 97.53 31.08 49.26 170.73 31.86

女性

40 86.11 16.41 52.37 121.66 19.05

ー・回全_�t___&O__ー・・9_t_��_ _ _Z)_J�_ _ー・_4�)Þ_ _

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_

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閉口相 男性 40 162.35 34.68 107.46 245.26 21.36

女性 40 152.12 24.25 100.25 206.60 15.94 合計 80 157.24 30.17 100.25 245.26 19.19

*

*: P<

0.05,

***: P<

0.001

表4 最大速度

(21)

N 平均値

SD

最小値最大値cv値(0/0) 性差659502一219

-804一063053

-

f

b

2

f

b8β一ヱブ后

9

44

9

9ユ37

7 6 0a212一657

-424一87

8loo­

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一333222

-

535545一737一858一01054弓晶373757一343-040一868351首969303一202-202一222321111333一Ill

- 2 2

2一

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ll-

-33616一777

・7 2 2700866]」ユ3ユ一188Jフフ一3332.058一999ι999一655

・2 1 1

222644-

11

11 1111

-

290弘068一153049一712904-59A4927325

一592898999-

2.L

乙1ZLL1.LZLZ一ZZ乙1.L1 231767一983

一936一7

7 2 54晶32.28nM9一2・

9 422652978・656一7 fb一fbβJ一3β231ュ-

7 7 99Q-111J222一-Ill-

ハUハUハUハUハVハU一ハUハUハU

・ハu nUハU一ハUハUハυハUハUハV22A224一448448一448448-

性性武性性計一性性計一性性計一性性註性性五男女会男女合一男女合一男女合一男女金男女牟

口HH

-

口HH

門口H

,口HH口HH

口HH

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一口

一口

一口開一

間関一関

、り

度川速量

m

速量

大動

ο

動 (

最移

最移

点時

点時

歯現頭現切発穎発

第1大臼歯点 最大速度

発現時移動量

(mm)

**

**トセ

*

*: P< 0.05, 女大: P< 0.01, ***: P< 0.001

表5 最大速度発現時移動量

N 平均値

SD

最小値最大値cv値(%)性差 切歯点最大速度 関口相 男性 20 33.65 4.58 26.02 43.61 13.62

発現位置(%) 女性 20 31.28 3.61 25.30 37.98 11.

4 合計 40 32.46 4.25 25.30 43.61 13.08 閉口相 男性 20 63.37 5.86 46.99 74.16 9.25 女性 20 64.12 3.73 54.58 69.34 5.81 合計 40 63.75 4.86 46.99 74.16 7.63

第1大臼歯点 関口相 男性 40 34.63 4.57 25.46 45.57 13.19 申�*

最大速度発現位置 女性 40 32.27 3.45 25.38 39.78 10.70

(%)

ー- -司ーーーーーーー喧ーーー-ーー・ーーー帽-帽『ー・・ ・・ー骨『ーーーーーーーー---司ーーーーーーーーーー・ーーーーーーーーーーーーーーーー国ーー『ーーーーーーーーーーーーー昌司ー曲・・ーー合計 80 33.45 4.19 25.38 45.57 12.54 閉口相 男性 40 62.19 6.57 50.26 82.78 10.56

女性 40 63.34 4.95 54.48 78.36 7.82 合計 80 62.76 5.81 50.26 82.78 9.25 頼頭点最大速度 関口相 男性 40 45.49 14.93 19.52 75.59 32.83 発現位置(%) 女性 40 49.03 15.51 22.72 72.31 31.64 合計 80 47.26 15.23 19.52 75.59 32.23

閉口相 男性 40 58.43 4.14 50.94 67.51 7.09 女性 40 58.83 4.63 49.70 67.05 7.87 合計 80 58.63 4.37 49.70 67.51 7.45

**: P< 0.01

表6 最大速度発現位置

ー17-

(22)

第1大臼歯点 最大速度発現時

切歯点移動量(mm)

N 平均値

SD

最小値最大値cv値(0/0)性差 開口相 男性 40

女性 40

13.13 11.34

2.04 1.53

8.86 8.36

17.71 15.57 14.91 13.47

合計 80 12.24 2.01 8.36 17.71 16.40 閉口相 男性 40 24.82 3.77 18.03 32.86 15.20 女性 40 23.32 2.97 18.30 29.69 12.73 合計 80 24.07 3.46 18.03 32.86 14.36

***

頼頭点最大速度 関口相 男性 40 24.63 7.49 9.57 42.24 30.40 発現時切歯点移動量 女性 40 24.11 6.58 10.82 33.45 27.32

(mm)一一一一会主t_ _ _ RO

_ _ _ _

2生37_

_ _ _

_7 ..O_l_ _

_

_ _ _ 9__57_ _ _ _ A224二__28...幻一一一一

閉口相 男性 40 27.94 4.25 17.67 35.84 15.20 女貴女

女性 40 24.50 3.13 15.85 30.55 12.79 合計

80 26.22 4.09 15.85 35.84 15.61

***: P<

0.001

表7 最大速度発現時切歯点移動量

N 平均値

SD

最小値最大値CV{@(向性差 第1大臼歯点 関口相 男性 40

30.90 3.55 24.00 38.93 11.47

* 最大速度発現時 女性 40

29.07 3.08 22.64 36.58 10.5S

切歯点位置(%) ーーーーーーー・・ー喧ーーー司ーーーーー司ー・ーー司Fーー『ーーーーーーーーーー-合計 80 29.99 --ーーーーーー司ーー『ーーー『ーーーー『骨ーーー・・ーーーーー』ーーーー晶画圃ー直司ーーーー喧喧ー曲ー・ー3.42 22.64 38.93 11.42 閉口相 男性 40

58.45 6.88 46.99 78.91 11.76

女性 40

59.72 5.15 46.23 71.64 8.63

合註 80

59.08 6.07 46.23 78.91 10.28

頼頭点最大速度 関口相 男性 40

58.15 16.97 21.80 94.01 29.19

発現時切歯点位置 女性 40

61.76 16.62 28.99 88.80 26.91 (%)

合計 80 59.96

16.79

21.80 94.01 28.00 閉口相 男性 40

65.86 8.17 42.67 85.18 12.41

女性 40

62.99 7.67 42.05 77.13 12.17

合計 80

64.43 8.00 42.05 85.18 12.42

実: P<

0.05

表8 最大速度発現時切歯点位置

N

平均値

SD

最小値最大値cv値(向性差 関口相時間 男性

20 453.7 199.2 244.3 1172.6 43.90

(msec)

女性

20 395.7 75.7 321.6 644.9 19.13

合計 40 424.7 151.6 244.3 1172.6 35.69

ーーー ーー田ーーー・ーーーーーーー』ー司曲・・ーーー四- - -曲骨骨ーーーーーーーーーーー--ーーー曲 ーーーーーーーーーー喧 恒ーーーー晴早『四ー・ーーーーー--- ーーーー・ーーーー司押ー帽'暑ーーーー- ----司ーー--ーーー・ーー

関口相時間 男相 20

344.8 83.0 191.4 578.2 24.09 (msec)

女性

20 315.7 75.8 223.9 588.7 24.01

合計 40

330.2 79.8 191.4 588.7 24.18

表9 関口相時間司 閉口相時間

(23)

活一一d

J, F

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5 1 4+自--ニ969575 一989

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一959

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日付ぜ 日目Hド、、,ノ

キ寸冗円HHH1巾

点現

m

歯発(臼度大速 第最 1大

切歯点最大速度 発現時間(msec)

頼頭点最大速度 発現時間(msec)

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747ご373818一5

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男女

金 男女

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円円

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相 男性 40 女性 40 合計 80

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ハU 11

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285 A斗今/-司、〕

1i Il --

*: P< 0.05

表, 0 最大速度発現時間

817837384118一227

一2

6340・0以/91・474

一597

一837931360一ι仏4 259

6917弘8

1

2 1 2111211一11一222一111

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595←34司2979-888

一737←

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J

45一4345434 Ofぷu00一A斗今ム00//今ムO一/11司31J一1《O

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5一777二355

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3 6 3676797一070232959 636777 一02

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一 7

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- 111u勺343ウんフ-今ノ臼

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272

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564一869一139111847一937223一118一4

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5一745

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142一153576 0 9

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07804二397047

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978100一777

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2一142

一0

00222←444222・444一444L444

ハUハUハU一ハUハUハU一ハUハVハU一ハUハ

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ハU一ハUハu

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性 性 計一性

計一性

性 計 一性 性

計一

性 性

計一

性 性

男女

合一

男女

合一 男女

合一 男女

合一

男女

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一口

開 一関

開 一関

一閉一

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一日。同日H件

i/土すm百円HHH〆,‘、、点現歯発臼度大速 第最 l大

切歯点最大速度 発現時間% (0/0)

頼頭点最大速度 発現時間%(0/0)

N 平均値 SD 最小値最大値cv値(0/0)性差

表, , 最大速度発現時間%

-19-

(24)

表6に示すように、 最大速度発現位置については、 関口相では、 第1大臼歯 点で性差がみられ男性の方が有意に大きかったが、 他の2点ではみられなかっ

た。 閉口相では、 全ての解析点で性差はみられなかった。

また、 頼頭点関口相の変動係数は大きく、 他の解析点の2.5"--4.2倍、 特 に頼頭点閉口相の4.3倍 であり、 頼頭点開口相のみが被験者間 でばらつきが 大きいという傾向があった。

( 5 )最大速度発現時切歯点移動量

表7に示すように、 最大速度発現時切歯点移動量については、 関口相では、

第1大臼歯点で性差がみられ男性の方が有意に大きかったが、 頼頭点で は性差 はみられなかった。 閉口相では、 頼頭点で性差がみられ男性の方が有意に大き かったが

l

大臼歯点では性差はみらなかった。

( 6 )最大速度発現時切歯点位置

表8に示すように、 最大速度発現時切歯点位置については、 関口相では、 第 1大臼歯点で性差がみられ男性の方が有意に大きかったが、 穎頭点では性差は みられなかった。 関口相では性差はみられなかった。

( 7 )開口相時間、 閉口相時間

表9に示すように、 開口相時間, 閉口相時間ともに性差はみられなかった。

( 8 )最大速度発現時間

表1 0に示すように、 最大速度発現時間については、 関口相では、 全ての解 析点で性差はみられなかった。 閉口相では、 切歯点および第1大臼歯点で性差 がみられ、 それぞれ男性の方が有意に大きかった。

( 9

)最大速度発現時間%

表1 1に示すように、 最大速度発現時間%については、 関口相, 関口相とも に全ての解析点で性差はみられなかった。

(25)

3 )解析点聞の関係

表12---20に解析点聞の関係についての検討結果 を示した。 なお、 以下の 全項目の値および相関等について男性および女性で同様の傾向がみられたため、

男女を合計して検討した。

( 1 )最大移動量, 最大速度 移動量比および速度比

表1 2, 1 3に最大移動量 最大速度について、 第l大臼歯点および頼頭点 と切歯点との相関係数を示した。 また、 表1 4に移動量比 と速度比の値を、 さ らに、 表1 5に移動量比と速度比との相関係数を示した。

a. 最大移動量

表1 2に示すょっに、 最大移動量について、 第l大臼歯点および穎頭点で切 歯点との有意な正の相関がみられた。

b. 最大速度

表1 3に示すように、 最大速度について関口相 関口相ともに、 第l大臼歯 点および穎頭点で切歯点との有意な正の相関がみられた。

c. 移動量比, 速度比

表1 5に示すょっに、 第1大臼歯点 頼頭点で関口相 閉口相ともに、 移動 量比と速度比との聞に有意な正の相関がみられた。

( 2 )最大速度発現位置, 最大速度発現時切歯点移動量 最大速度発現時切歯 点位置, 最大速度発現時間および最大速度発現時間%

表16---20に最大速度発現位置, 最大速度発現時切歯点移動量, 最大速度 発現時切歯点位置, 最大速度発現時間および最大速度発現時間%について、 解 析点間における平均値の差の検定結果を示した。

-21-

(26)

第l大臼歯点最大移動量 穎頭点最大移動量 切歯点最大移動量 0.794 **脅 0.454肯付

N=80, 骨骨骨:P< 0.001

表1 2 切歯点と第1大臼歯点および頼頭点の最大移動量の相関

N 第1大臼歯点最大速度 額頭点最大速度 切歯点最大速度 開口相 80

閉口相 80

0.959肯肯肯 0.890 **肯

4

口川

V八

「人74fkfbfb四F

-同・・

ハUハU-世

表1 3 切歯点と第1大臼歯点および頼頭点の最大速度の相関

N 第1大臼歯点/切歯点 穎頭点/切歯点

移動量比 80 63.30+3.88 38.56+ 5.84

速度比 関口相 80 68.52 + 3.49 36.42士7.66

閉口相 80 63.42土4.64 50.64士7.33

�t位:%

表1 4 移動量比および速度比

N

第l大臼歯点 80 頼頭点 80

関口相 関口相

0.868 村肯 0.745 “食

0.903 **肯 0.670村合

肯肯肯:P< 0.001

表1 5 移動量比と速度比との相関

(27)

a. 最大速度発現位置

表16に示すように最大速度発現位置 については、 関口相では、 切歯点およ び第l大臼歯点は関口路の前半に、 頼頭点は関口路の中ほどにみられ、 頼頭点 が第l大臼歯点および切歯点よりも有意に大きかった。 特に切歯点と頼頭点の 関係に注目すると、 切歯点よりも大きな値を示した頼頭点は8 0穎頭、中、 男性 3 1頼頭, 女tt 3 0穎頭, 合計61頼頭、であった。 閉口相では、 穎頭点が第l 大臼歯点および切歯点よりも有意に小さかったものの、 3点ともに閉口 路の前 半部にあった。

b. 最大速度発現時切歯点移動量, 最大速度発現時切歯点位置

表17, 1 8に示すように最大速度発現時切歯点移動量および最大速度発現 時切歯点位置については、 開口相では、 各解析点間で有意差がみられたものの、

穎頭点のみが切歯点開口路の後半部にあった。 特に切歯点と頼頭点の関係に注 目すると、 切歯点よりも大きな値を示した頼頭点は8 0頼頭中7 9頼頭、であっ た。 閉口相では、 第l大臼歯点が切歯点および頼頭点よりも有意に小さかった ものの、 3点ともに切歯点閉口路の前半部にあった。

c . 最大速度発現時間, 最大速度発現時間%

表1 9, 2 0に示すように最大速度発現時間, 最大速度発現時間%について は、 関口相では、 頼頭点が第l大臼歯点および切歯点よりも有意に大きく、 頼 頭点のみが他の2点よりも時間的に遅れて最大速度が出現した。 特に切歯点と 頼頭点の関係に注目すると、 切歯点よりも大きな値を示した頼頭点は8 0頼頭 中77頼頭であった。 閉口相では、 解析点聞に有意差はみられなかった。

これらの結果を総合すると、 関口相において頼頭点の最大速度が切歯点およ び第1大臼歯点の最大速度よりも位置的におよび時間的に遅れて出現すること が明らかになった。

-23-

(28)

N

関口相

切歯点最大速度発現位置

40 32.46土4.25

1

fo oo

一4.E士一閉一7司、}/O

第1大臼歯点最大速度発現位置

80

1 頼頭点最大速度発現位置

80

33.45+4.19

-,

γ

47.26士15.23 _J _J

62.76+5.81 -,

58.63 +4.37 _J _j ììí.{:立:%, 実女大:P< 0.001

表1 6 最大速度発現位置の比較

N

関口相 閉口相

切歯点最大速度発現時移動量

40 25.97 + 3.28 --,

第1大臼歯点最大速度発現時 切歯点移動量

80 12.24+2

世世世 24.07士3.46

骨骨 世世肯

頼頭点最大速度発現時

80 24.37 +7.01

J

26.22 + 4.09

J 切歯点移動量

qí心ど:mm,大:P< 0.05,大大:P< 0.01,貴女大:P< 0.001

表1 7 最大速度発現時切歯点移動量の比較

N

関口相 閉口相

切歯点最大速度発現位置

40 山士4 25 「

1

63.75 +4.86 --,

骨骨肯 世肯肯

第l大臼歯点最大速度発現時 切歯点位置位置

80 間+3.42

骨骨骨 59.08+6.07

肯世世

頼頭点最大速度発現時

80 59.96+ 16.79

J

64.43 + 8.00

J 切歯点移動量

ìp.{:立:%,大大大:Pく0.001

表1 8 最大速度発現時切歯点位置の比較

(29)

N

切歯点最大速度発現時間 40

第1大臼歯点最大速度発現時間 80

穎頭点最大速度発現時間 80

関口相 関口相

118.9+49.0

1

136.2+42.8 114M2 「

7

142.7+44.7

骨骨骨

174.6+57.8 ...J 135.4+45.5

r�t N�:msec,

大大大: P<

0.001

表1 9

最大速度発現時間の比較

N 関口相

切歯点最大速度発現時間 40 28.49 + 5.72

1

閉口相

40.77+5.78 42.72+5.89 40.36+6.51

第1大臼歯点最大速度発現時間 80

穎頭、点最大速度発現時間 80

27.45士5.34

世肯肯 E

42.73土12.29....J _j

単イ立:%, 大大食: P< 0.001

表2 0

最大速度発現時間%の比較

N

切歯点 40

第l大臼歯点 80

頼頭点 80

関口相

0.600

***

0.540 **肯

0.682 **肯

閉口相

0.470

**

0.508肯肯肯 0.673貴付

世肯: P<

0.01, 世禽肯:

P< 0.001

表2 1

最大移動量と最大速度の相関

N 開口相時間 閉口相時間

切歯点 40 ー0.523 **肯 ー0.531 **肯

第l大臼歯点 80 -0.489村合 -0.562

***

果責頭点 80 ー0.331世世 ー0.277世

肯: P< 0.05,肯肯: P< 0.01, 骨骨骨: P< 0.001 表2 2

最大速度と開口相時間および閉口相時間との相関

-25-

(30)

4 )最大移動量と最大速度との関係

表2 1に各解析点の最大移動量と開口相および閉口相の最大速度との相関係 数を示した 。 なお、 この項目においても前述と同様に、 男性および女性で同様 の傾向がみられたため、 男女を合計して検討した。

表2 1に示すように、 関口相 関口相 ともにすべての解析点で、 最大移動量 と最大速度との聞に有意な正の相関がみられた。

5 )最大速度と開口相時間および閉口相時間との関係

最大速度と開口相時間および閉口相時間との問の相 関係数を算出した。 なお、

この項目に おいても前述と同様に、 男性および女性 で同様の傾向がみら れたた め、 男女を合計して検討した。

表2 2に示すように、 すべての解析点で有意な負の相関がみられた。

6 )関口相と閉口相との比較

表2 3に各パラメータの関口相および 閉口相の値および平 均値の差の検定結 果を、 表2に変動係数の値および平均値の差の検定結果を示した。 また、 表2

4に各解析点の開口相最大速度/閉口相最 大速度の値を示した。 なお、 関口相 と関口相との比較についても前述と同様に、 男性およ び女性で同様の傾向 がみ られたため、 男女を合計して検討した。

( 1

)平均値について

表2 3に示すように、 最大速度, 最大速度発現時移動量, 最 大速度発現位置,

最大速度発現時切歯点移動量および最大速度発現時 切歯点位置では、 す べての 解析点で関口相より閉口相の方が有意に大きく、 関口相 時間は閉口相時間より 有意に大きかった。 最大速度発現時間では、 切歯点では有意差はなかったが、

(31)

N 関口相 関口相 有意差 最大速度(mm/sec) 切歯点

40 253.42+48.66 311.92+47.96

材育

第1大臼歯点

80 173.14+31.40 197.50+31.46

**禽

穎頭点

80 91.82+25.35 157.24+30.17

***

最大速度発現時 切歯点

40 13.27士2.48 25.97 +3.28

村合 移動量(mm) 第l大臼歯点

80 8.63 + 1.53 16.16 +2.29

***

ー一一ー早EERJ貞一ーー一一ーー一一

8

0 一一__

_?

�2

主�

S_?

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _

��主L9_4一一一一り竺一一

最大速度 切歯点

40 32.46+4.25 63.75 +4.86

村合

発現位置 (mm) 第1大臼歯点

80 33.45+4.19 62.76+5.81

**合

頼頭点

80 47.26士15.23 58.63 +4.37

**合

最大速度発現時 第l大臼歯点

80 12.24土2.01 24.07 + 3.46

**合 切歯点移動量(mm)穎頭点

80 24.37+7.01 26.22 +4.09

最大速度発現時 第1大臼歯点

80 29.99+3.42 59.08+6.07

**食 切歯点位置(0/0) 頼頭点

80 59.96+ 16.79 64.43+8.00

村女 開口相時間と関口相時間(msec)

40 424.7+ 151.6 330.2 +79.8

**貴

最大速度 切歯点

40 118.9土49.0 136.2 + 42.8

発現時間(msec) 第1大臼歯点

80 114.8 +48.2 142.7 +44.7

**食

ーーーー ・ ー ・ー頴頭点

-

--ー 'ーーーー骨 -

---

ー・ーー司ーー・l7_4(j主 �7!8___ _ _ _ ___ _l 3_5 A_土 15.:5__________�り

最大速度 切歯点

40 28.49士5.72 40.77+5.78

村合

発現時間%(0/0) 第1大臼歯点

80 27.45 + 5.34 42.72 + 5.89

**責

頼頭点

80 42.73+ 12.29 40.36+6.51

合: P< 0.05, 食合合: P< 0.001

表2 3 開口相と閉口相の比較 平均値について

N 開口相最大速度/閉口相最大速度 切歯点

40

第l大臼歯点

80

頼頭点

80

82.23 + 15.74 88.90+ 16.26 59.30+ 15.61

表2 4 開口相最大速度/閉口相最大速度

-27-

単位:%

(32)

第1大臼歯点では閉口相の方が有意に大きく、 頼頭点では関口相の方が有意に 大きかった。 最大速度発現時間%では、 頼頭点では有意差はなかったが、 切歯 点および第1大臼歯点で有意差 がみられ、 それぞれ関口相より閉口相の方が有 意に大きかった。

( 2 )変動係数について

表2に示すように、 最大速度では穎頭、点でのみ、 また最大速度発現時移動量,

最大速度発現位置, 最大速度発現時切歯点移動量および最大速度発現時切歯点 位置ではすべての解析点で関口相 より閉口相の方が有意に小きかった。 時間に 関するパラメータでは、 穎頭点の最大速度発現時間で関口相より閉口相 の方が 有意に大きかったが、 その他の項目では有意差はなかった。

( 3 )関口相最大速度/閉口相最大速度について

表24に示すように、 いずれの解析点でも開口相最大速度/閉口相最大速度 の平均値は100 %より小さかった。 また、 個々の被験者の各解析点について、

関口相最大速度と閉口相最大速度の大小関係の観察を行った ところ、 図9に示 すようになった。

切歯点

(N=40)

第1大臼歯点 (N二80)

図9 開口相最大速度と閉口相最大速度の大小関係 図:開口相<閉口相

図:開口相>閉口相

頼頭点

(N=80)

(33)

2. 速度パターン

1 )速度パターンの分類

各解析点の速度曲 線上の速度ピークの数に着目し、 図10のごとく全被験者 の5ストロークの関口相, 閉口相それぞれについて速度パターンを視覚的に観 察したところ、 速度の増加と減少が1度認められlつの速度ピークを有するl 相性のパターンと、 速度の増加と減少が2度認められ2つの速度ピークを有す る2相性のパターンのみが観察された。 したがって、 速度パターンを、 1相i と2相i性とに分類した(図1

1υ)

0 ただし、 1相性かあるいは2相性かを判断 する際、 視覚的観察のみでは客観性を欠くことがあるため、 図11下段のよう

に加速度表示を行い、 加速度曲線が加速度ゼロの線と交わる回数すなわち zero

crossingの回数で確認を行った。 つまり、 zero crossing 1回の場合は1相性、 3

回の場合は2相性と判断した。

2 )各解析点の速度パターン

1 )の分類法にしたがい、 各解析点ごとに全被験者の5ストロークについて 解析を行った。

( 1 )切歯点の速度パターン

切歯点では、 全ストロークにおいて、 関口相, 閉口相ともに1相性の速度パ ターンを示した。 また、 速度ピークの位置は関口路および閉口路の前半にみら れる傾向があった(図1 0)。

( 2 )第l大臼歯点の速度パターン

第l大白歯点でも、 全ストロークにおいて、 関口相 関口相ともに1相性の 速度パターンを示し、 速度ピークの位置は開口路および関口路の前半にみられ る傾向があった。 また、 第l大臼歯点、の速度パターンは切歯点の速度パターン

-29-

(34)

,\ lNいえ恒例市

口医

安ロE

o

雫ロE

定口E 年ロE

年口E

?'

(35)

加速度

速 度 速度

加速度

図1 1 頼頭点関口相の速度パターンの分類 左側: 1相性の速度パターン

右側: 2相性の速度パターン

の相似形を呈した(図1 0)。

( 3

)穎頭点の速度パターン

頼頭点の閉口相でも、 全ストロークにおいてl相性の速度パターンを 示し、

速度ピークの位置は閉口路の前半にみられる傾向があった(図1 0)。

一方、 穎頭点の関口相では、 図1 0, 1 1のごとくl相性のパターンと2相 性のパターンとが観察され、 同一類頭点においても5ストローク中で両者が混

在する場合もあった。 また、 速度ピークの位置につい ても前後的穎路の前半か ら後半まで被験者間でばらついて出現する傾向があった。

3

)頼頭点関口相の速度パターンについて

以上のように、 頼頭点関口相の速度パターンだけが他とは異なる様相を示し たため、 以下の解析を行った。

-31-

(36)

( 1 )速度パターンの出現頻度

頼頭点関口相の速度パターンの出現頻度について、 全被験者の5スト ローク で1相性お よび2相性のストローク数を集計すると、 1相性が男性1 3 4スト ローク, 女性116ストローク, 合計250ストローク、 2相性が男性66ス

トローク, 女性8 4ストローク, 合計150ストロークであった。

同一穎頭点の5ストロークについてl相性および 2相性のパターンの出現頻 度別に穎頭点の数を集計し、 図12にその結果を示した。 これについて、 同一 穎頭で5ストローク中4ストロ-ク以上同一パターンを示した場合に安定性あ

りと判断しそのパターンを代表パターンとした。 結果は図1 3に示すように、

50

40-1

主義

30 � 1;:::;:1:1;':::1;::;:11;1

氾!部B村守〈

男性

20

ハU唱aA

(N=80)

。 @+囚 ③+回 ②+図 ①+四 回

図1 2 頼頭点関口相の速度パターンの出現頻度

。: 5ストロークすべて1相性

①+回: 4ストローク1相性+1ストローク2相性

①+回:

3ストローク1相性+2ストローク2相性

①+回: 2スト口ーク1相性+3ストローク2相性

①+囚: 1ストローク1相性+4ストローク2相性 回: 5ストロ-クすべて2相性

参照

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