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「敬語表現」の使用様相

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Academic year: 2021

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(1)

「手 紙 文 』 と 「ス ピ ー チ 」 か ら見 た 敬 語 接 頭 辞 「お ・こ」 を 用 い た

「 敬 語 表 現 」 の使 用 様 相

金 東奎

キ ー ワ ー ド

「お ・ご 」 ・「改 ま っ た 場 面 」・「直 接 尊 重 表 現 」 ・「間 接 尊 重 表 現 」・「丁 寧 さ」

1,問 題 提 起

日 本 語 を 馬 い た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に お い て 、 「待 遇 表 現(中 で も 「敬 語 表 現 」〉」 は 、 人 問 関 係 を適 切 な もの とす る た め に 必 要 不 可 欠 な 要 素 で あ る 。 そ の 「敬 語 表 現 」 の 形 式 の な か で 、 質 的 に も量 的 に も中 核 を な し て い る の が 敬 語 接 頭 辞 「お ・ご(御 〉」(以 下 「お ・ ご」〉 を用 い た 「敬 語 表 現 」 で あ る 。 しか し、 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 」 と 「敬 語 表 現 」 に 関 し て は 、 日 本 語 母 語 話 者 の 使 用 が 必 ず し も 一 定 だ と は 言 え な い た め 、 日 本 語 の 事 実 (現 状)を ど の よ う に捉 え る か と い う 点 や 、 日 本 語 教 育 ・学 習 に お い て ど の よ う に 扱 う か と い っ た 点 な どが 間 題 に な っ て い る 。

特 に そ の な か で 、 「改 ま っ た 場 面 」・に お け る 「敬 語 表 現 」 に つ い て の 考 察 は 、 日本 語 の 使 用 実 態 お よ び 日本 語 教 育 に お け る 重 要 な 項 目 に な る と 思 わ れ る 。 先 行 研 究 に お い て も記 述 が 試 み られ て い る が 、 そ の 使 用 様 相 に 関 す る 考 察 は 、 十 分 と は 言 え な い で あ ろ う。 「お ・

ご」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 に 関 し て は 今 ま で 多 数 の 研 究 が 行 わ れ て き た が 、 「お ・ご 」 の 付 け 方 や 「語 ・文 」 レベ ル で の 使 用 様 相 に 集 中 し た 研 究 が 多 か っ た た め 、 実 際 の 使 用 の 場 面 一 「文 話 レベ ル 」じに お け る 使 用 様 相 に つ い て は 明 ら か に さ れ て い な い 点 が あ る と思 わ れ

る。

そ こ で 、 本 稿 で は 、 実 際 の 使 用 場 面 一 「改 ま っ た 場 面 」 に お け る 「お ・ ご 」 を 用 い た

「敬 語 表 現 」 の 使 用 様 相 に つ い て 考 察 す る た め 、 日 本 語 を 用 い た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 模 範 例 と して 存 在 し、 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 が 比 較 的 多 く使 わ れ る 「手 紙 文 文 例 集 」 と 「ス ピ ー チ 用 例 集 」 を テ キ ス トと して 用 い た 。 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 の 一 部 に対 す る 分 析、 考 察 で は あ る が 、 そ の 使 用 様 相 を 窺 う こ と が で き る と 思 わ れ る 。

(2)

IIL稲田 大 学 日本 詰 教 育研 究

2.敬 語 接 頭 辞 「お ・ご」

2.1,敬 語 接 頭 辞 「お ・ご 」 2,1,1,「 お 」

辻 村(1991)に よ る と 、 「お 」 は 尊 敬 ・謙 譲 ・美 化 の 接 頭 辞 で あ り、 「お ほ み 」 一 「お ほ む(ん 〉」 一 「お ん 」 → 「お ・お ん 」 → 「お 」 の よ う に 転 移 して き た と して い る 。 「お 」 は 、 本 来 、尊 敬 の 接 頭 辞 で あ る が 、女 房 詞 か ら 、丁 寧 の 接 頭 辞 と して も 使 わ れ る よ う に な っ た 。 ま た 、 話 し手 側 の 物 事 で あ っ て も 、 そ れ が 及 ぶ 相 手 に 敬 意 を 表 す 場 合 に は 謙 譲 語 と し て の 用 法 も あ る 。 接 続 の 面 に お い て は 、 体 言 に 付 くが 、 用 言 に も付 く よ う に な っ た 。 ま た 、 和 語 に 付 くの が 一・般 的 で あ る が 、 漢 語 ・字 音 語 で も 「お 」 の 付 く も の が あ っ て 、 外 来 語 に 付

く こ と も あ る と し て い る 。

2.1.2.「 ご」

辻 村(1991)に よ る と、 「ご」 は 尊 敬 ・謙 譲 ・美 化 の 接 頭 辞 で あ り 、 本 来 、 中 国 語 起 源 敬 語 接 頭 語 で あ る と して い る 。 基 木 的 に は 、 漢 謡 に付 く が 、 ま れ に 和 語 に 接 続 す る こ とが あ る と して い る 。 ま た 、 意 味 、 用 法 の 面 に お い て は 「お 」 と共 通 す る 部 分 も あ る が 、 「お 」 が 物 事 を 「き れ い に ・や さ し く」 表 現 す る に 対 し 、 「ご 」 は 「立 派 に 」 表 現 す る と い う性 質 が あ る 。

2.1.3.「 お ん 」 「み 」 「ぎ ょ 」

テ キ ス トに お い て は 、 そ の 使 用 例 は 少 な い が 、 「御 」 の 他 の 使 用 と し て 「お ん 」 「み 」

「ぎ ょ」 が あ る 。 しか し、 そ の 使 用 例 は ご く限 ら れ た こ とば で しか 確 認 で き な い ・ し た が っ て 、 本 稿 に お い て は 「お ・ご 」 の 使 用 を 中 心 と し て 分 析 、 考 察 を 行 っ た 。

2.2,敬 語 接 頭 辞 「お ・ご 」 の 先 行 研 究

「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 に 関 して は 、 今 ま で 多 数 の 研 究 が 行 わ れ て き た 。 柴 田 (1957)は 『日 本 語 ア ク セ ン ト辞 典 』 か ら 系 統 的 無 作 為 抽 出 法 に よ っ て 得 た4830語 に 対 し、

接 頭 辞 「お 」 を 付 け て お か しい 場 合 に はx、 お か し く な い 場 合 に は ○ を 記 入 して も ら い 、 そ の 結 果 を 集 計 ・分 析 した 。 田 中(1972〉 は 国 立 国 語 研 究 所 の 「新 聞 の 語 彙 調 査 」 の 資 料 に つ い て の 調 査 、 分 析 し た 。 菊 地(1994〉 は 「先 生 に お 手 紙 を さ し あ げ た 」 と い う 言 い 方 を どの よ う に 思 う か に つ い て ア ン ケ ー ト調 査 を 笑 施 した 。 上 に 提 示 し た 研 究 以 外 に も 数 多 くの 先 行 研 究 が あ る が 、 ほ と ん ど が 「語 ・文 」 レベ ル に お け る 「お ・ご 」 の 付 き 方 に 関 す る 研 究 で あ る 。 本 稿 で は 「語 」 レベ ル に お け る 「お ・ご」 の 付 き 方 の 研 究 に と ど ま らず 、 実 際 使 わ れ て い る 単 位 と し て 考 え ら れ る 「文 話 」 を視 野 に 入 れ 、 「お ・ご」 の 使 用 様 相 や そ の 「敬 語 表 現 」 の 「表 現 」 「理 解 」 に つ い て 考 察 す る 。

特 に 、 「お ・ご 」 を 用 い た 「直 接 尊 重 表 現 」 「問 接 尊 重 表 現 」 の 使 用 に つ い て 分 析 ・考 察 を行 な う が 、 「尊 重 」(「直 接 尊 重 」 「間 接 尊 重 」)の 概 念 ・用 語 は 蒲 谷 ・川 口 ・坂 本(1998) か ら取 り入 れ た も の で あ る 。 蒲 谷 ・川 口 ・坂 本 は 「尊 重 」 の 概 念 に つ い て 次 の よ う に述 べ て い る 。

(「お っ し ゃ る 」 「お 書 き に な る」 な ど は 〉… あ る 人 物 を 〈高 くす る 〉 と い う 「敬 語

(3)

「手 紙 文 」 と 「ス ピー チ」 か ら見 た 敬 語接 頭 辞 「お ・ご」 を用 い た 「敬 語 表 現 」 の使 用 様 相

的 性 質 」 を 持 ち 、 そ う し た 「敬 語 的 機 能 」 を 果 た す 、 と い う点 で 最 も 「敬 語 ら し い 敬 語 」 と 言 え る か も し れ ま せ ん 。 そ の 意 味 で 「尊 敬 語 」 とい う名 称 で も よ い の で す が 、 現 在 の 「敬 語 表 現 」 に お い て は 、 「尊 敬 」 と い う言 葉 が 必 ず し も 適 切 で な い 場 合 も 多 い た め 、 「尊 敬 」 で は な く、 す べ て の 人 の 人 格 を 「尊 重 」 す る と い う意 味 で 、1尊 重 語 」

とい う 術 語 で 呼 び た い と 思 い ま す 。

現 代 社 会 に お い て は 「尊 敬 」 と い う 術 語 よ り は 、 す べ て の 人 の 人 格 を 「尊 重 」 す る 意 味 の 「尊 重 語 」 と い う 術 語 が 最 も適 切 で あ る と 考 え ら れ る 。 さ ら に 、 蒲 谷 ・川 口 ・坂 本 (1998)に よ る と 、 「敬 語 」 の 概 念 の 部 分 に 「直 接 」 関 る 動 作 主 体 を 「高 く す る 」 と い う

「敬 語 的 性 質 ・機 能 」 を 持 っ て い る 表 現 を 「直 接 尊 重 語 」(従 来 の 分 類 で は 「尊 敬 語 」 に あ た る)、 概 念 の 部 分 に 直 接 関 る 動 作 主 体 は 「高 く し な い で 」、 そ の 動 作 に 間 接 的 に 関 る 人 物 を 「高 くす る 」 と い う 「敬 語 的 性 質 ・機 能 」 が あ る 表 現 を 「間 接 尊 重 語 」(従 来 の 分 類 で は 「謙 譲 語 」 に あ た る)と 、 位 置 付 け て い る 。

な お 、 本 稿 に お い て は 、 分 析 ・考 察 の 対 象 は 必 ず し も 「語 」 レ ベ ル で 切 り取 る の で は な く、 「お ・ご 」 の 「敬 語 表 現 」 と い う 点 を 重 視 し 、 や や 広 め に 切 り取 っ て い る 。

3.調 査 対 象

3.1,「 手 紙 文 」

3,1,1,「 手 紙 文 」 の 定 義

木 稿 に お い て は 「手 紙 文 」 の こ と を 、 一 定 の 書 式(た と え ば 、 前 文 、 本 文 、 末 文 、 後 付 、 副 文 で 構 成 さ れ 、 前 文 に は起 首 、 時 候 の 挨 拶 、 安 否 の 挨 拶 な ど を 入 れ 、 末 文 に は 結 び の 挨 拶 、 結 語 な ど を 入 れ て は じめ て 完 成 さ れ る とい う 書 式 〉 に よ っ て 書 か れ た 「文 章 」 だ け で な く、 特 別 な 形 式 の な い 略 式 の 手 紙 、 は が きや メ モ な ど も 含 め て 考 え る 。 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の た め に 〔一 定 の 「表 現 章 図 」 を 叶 え る た め に 〉 一 定 の 「相 手 」 に 向 か っ て 書 か れ た もの を 「手 紙 文 」 と し て 考 え る3。

3,1.2,「 手 紙 文 」 「手 紙 文 文 例 集 」 の 性 質 ・特 徴

「手 紙 文 」 は 、 他 の 「文 章 表 現 」 と は 違 っ て 「相 手 」 と の 関 係 が 明 確 で あ る と い う 特 徴 が あ る 。 「相 手 」 との 関 係 が 明 確 で あ る た め 、 「相 手 」 が 「自 分 」 よ り上 位 者 で あ る 場 合 は そ れ に 従 っ て 「敬 語 表 現 」 が 多 用 さ れ る 。 ま た 、 「手 紙 文 」 と い う 「文 章 表 現 」 の 性 質 上 、

「柑 手 」 が 必 ず し も上 位 者 で は な く と も 「丁 寧 に 」 表 現 す る よ う に な る と い う 特 徴 も あ る 。

「手 紙 文 」 に お い て 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 が 多 用 さ れ る 点 は 上 記 の よ う な 特 徴 に起 囚 して い る と 考 え ら れ る 。

「手 紙 文 文 例 集 」 は 「手 紙 文 」 を 集 め た も の で 、 「手 紙 文 」 に お け る 「表 現 」 「理 解 」 の 模 範 例 と して の 性 質 を 持 っ て い る と 考 え る 。

3.1.3.「 手 紙 文 文 例 集 」 の 種 類

本 稿 に お い て は 以 下 の よ う な 市 販 の 「手 紙 文 文 例 集 」 か ら の 「手 紙 文 」 を テ キ ス ト と し て 用 い た 。 「手 紙 文 文 例 集 」 選 定 の 際 、 現 代 日本 語 の 使 用 事 実 に で き る だ け 接 近 す る た め 、 1990年 以 降 に 出 版 さ れ た も の を 選 ん だ 。 ま た 、 著 者 、 縮 者 の 言 語 的 な 「癖 」 に よ る 影 響

(4)

1早 一 湘一 一

を 最 小 に す る た め 、 複 数 の 「手 紙 文 文 例 集 」 を 用 い た 。

○ 現 代 文 ・書・研 究 会 編(1990)「 そ の ま ま使 え る 手 紙 の 書 き 方 全 書 』 池 田 書 店(「 そ の ま ま」

と 略 称 。 以 下 、 同 様 〉

O輪 辻 潔(1997〉 『す ぐ に 役 立 つ 大 沽 字BOOKlsわ か っ て い る よ う で わ か ら な い 手 紙 の 書 き 方 』 三 省 堂 出 版 社(「 大 活 字 」)

○ 木 庭 久 美 子(1999)『 す ぐ書 け る お 礼 の 手 紙 ・は が き の 手 帳 』 小 学 館(「 お 礼 」)

○ 講 談 杜 編(2001〉 『あ い さ っ ・ス ピ ー チ と手 紙 の 事 典 』 講 談 祉(「 あ い さ つ 」) O主 婦 の 友 祉 編(200n「CD‑ROM付 手 紙 ・は が き ・文 書 文 例 大 事 典 』 主 婦 の 友 社

(「CD」)

以 上 の 「手 紙 文 文 例 集 」5冊 か ら500例 の 「手 紙 文 」 を 調 査 対 象 と し た 。

3.2.「 ス ピ ー チ 」 3,2.1.「 ス ピ ー チ 」 の 定 義

本 稿 に お い て は 「ス ピ ー チ 」 の こ と を 、 一 定 の 形 式 に 従 っ て 行 わ れ る 「談 話 」 だ け で な く一 定 の 形 式 が な く て も ・、 式 辞 、 祝 辞 、 冠 婚 葬 祭 や 各 種 の 集 会 に お け る あ い さ つ な ど 、

「改 ま っ た 場 面 」 に お い て 、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンの た め に(「 表 現 意 図 」 を 叶 え る た め に) 一 定 の 「柑 手 」 に 向 か っ て 発 せ ら れ た も の と し て 考 え る

。 ま た 、 「ス ピ ー チ 」 は 「手 紙 文 」 と 違 っ て 、 「音 」 「音 声 」 を そ の 「表 現 形 態 」 と し て い る が 、 本 稿 に お い て は 、 「音 」 「音 声 」 に よ る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン上 の 働 き や 影 響 に つ い て 考 察 す る の で は な く、 「ス ピ ー チ 」 に お け る 「敬 語 表 現 」 を 主 な 考 察 対 象 と し て い る た め 、 音 声 化 す る 前 の 段 階 で あ る 「ス ピ ー チ 」 の 原 稿 を研 究 対 象 とす る ⊃。

3.2.2.「 ス ピ ー チ 」 「ス ピ ー チ 用 例 集 」 の 性 質 、 特 徴

「手 紙 文 」 は 「相 手 」 と の 「人 間 関 係 」 を 考 え 、 「丁 寧 に 」 表 現 す る と い う特 徴 が あ る が 、

「ス ピ ー チ 」 は 「相 手(聞 き手)」 と の 「人 間 関 係 」 だ け で な く、 「場 」 を考 え 、 「丁 寧 に」、

「改 ま っ た 」 表 現 を す る と い う 特 徴 が あ る 。 「ス ピ ー チ 」 の 場 合 、 「手 紙 文 」 と違 っ て 、 不 特 定 多 数 の 「相 手 」 を 持 つ 場 合 が 多 い 。

ま た 、 「ス ピ ー チ 」 は 形 式 的 に は 「談 話 」 の 形 を と っ て い る が 、 普 段 の 日常 生 活 で は あ ま り使 わ な い 「敬 語 表 現 」 や 構 成 と い う特 徴 を 持 っ て い る と 考 え ら れ る 。 そ れ は 上 に お い て 確 認 した よ う に 、 「ス ピ ー チ 」 が あ る 程 度 、 特 別 な 使 用 の 「場 面 」 で 使 わ れ て い る か ら だ と考 え ら れ る 。 そ の よ う な 面 か ら 考 え る と、 「ス ピ ー チ 」 は 「文 章 」 に 近 い 、 「文 章 表 現 」 的 な 性 質 を 持 っ た 「談 話 表 現 」 で あ る と言 え よ う 。

「ス ピ ー チ 用 例 集 」 は1'ス ピ ー チ 」 を 集 め た も の で 、 「ス ピ ー チ 」 に お け る 「表 現 」 「理 解 」 の 模 範 例 と し て の 性 質 を 持 っ て い る と 考 え る 。

3.2.3.「 ス ピ ー チ 用 例 集 」 の 種 類

本 稿 に お い て は 以 下 の よ う な 市 販 の 「ス ピ ー チ 用 例 集 」 か ら の 「ス ピ ー チ 」 を テ キ ス ト と し て 用 い た 。 「ス ピ ー チ 」 選 定 に お い て は 、 「手 紙 文 」 と 同 じ 点 を 考 慮 し た 。

○ 永 田 書 店 編 集 部(1995〉 『す ぐ に 使 え る 式 辞 ・あ い さ つ 実 例 百 科 」 永 田 書 店(「 式 辞 」)

(5)

「手 紙 文 」 と 「ス ピー チ」 か ら見 た敬 語 接 頭 辞 「お ・ご 】 を用 い た 「敬 語 表 現 」 の使 用 様相

○ 藤 村 英 和(1998)『 葬 儀 ・法 要 の あ い さ つ 』 西 東 社(「 葬 儀 」〉

○ ブ ラ イ ダ ル ス ピ ー チ 研 究 会(1998〉 『新 郎 ・新 婦 の ス ピ ー チ 実 例 集 』 日 本 文 芸 社(「 新 郎 」)

O講 談 杜 編 〔2001〉 『あ い さ つ ・ス ピ ー チ と手 紙 の 事 典 』 講 談 社(「 あ い さ つ 」)

○ 成 美 堂 編 集 部(2001)『 短 い ス ピ ー チ 大 事 典1000』 成 美 社 〔「大 事 典 」) 以 上 の 「ス ピ ー チ 用 例 集 」5冊 か ら500用 例 の 「ス ピ ー チ 」 を調 査 対 象 と した 。

3.3.テ キ ス トの 意 義

本 稿 は 「改 ま っ た 場 面 」 に お け る 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 の 使 用 様 相 を 主 な 分 析 ・考 察 の 対 象 と し て い る 。

「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」 は 、 「改 ま っ た 媒 体 」(「 手 紙 文 」〉、 「改 ま っ た 場 」(「 ス ピ ー チ 」) に お け る 「敬 語 表 現 」 と い う性 質 を 持 っ て い る と 考 え ら れ る 。 「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」 は コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 「主 体」 が そ の 「媒 体 」 「場 」 を(「 媒 体 」 と 「場 」 を 総 合 し て 「場 面 」)

「改 ま っ た も の 」 と し て 認 識 し て い る と い う共 通 点 が あ り、 ま た 「手 紙 文 」 一 「文 章 表 現 」、

「ス ピ ー チ 」 一 「談 話 表 現 」 と い う 性 質 を 持 っ て い る の で 、 本 稿 に お い て 目指 し て い る

「改 ま っ た 場 面 」 一 「改 ま っ た 文 話 」 に お け る 「お ・ご 」 を用 い た 「敬 語 表 現 」 の 使 用 様 相 に 接 近 しや す い と 思 わ れ る 。

本 稿 は 「改 ま っ た 文 話 」 に 対 し て の 部 分 的 な 分 析 、 考 察 と な る が 、 「改 ま っ た 場 面 」 に お け る 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 の 使 用 様 相 を 探 る ひ と つ の 試 み と な る と 考 え ら れ る 。

3,4,分 析 の 方 法

5冊 の 「手 紙 文 文 例 集 」 と5冊 の 「ス ピ ー チ 用 例 集 」 か ら500例 ず つ 収 集 し た1000例 の

「手 紙 文 」 と 「ス ピ ー チ 」 を資 料 と し て 扱 っ た 。

「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 の 判 定 や 数 値 は 次 の よ う な 方 法 に よ る も の で あ る ・ 以 下 は 「手 紙 文 」 の 用 例 で あ る 。 「ス ピ ー チ 」 に お い て も 同 様 な 方 法 を 適 用 し た 。

【 用 例1「 手 紙 文 」 】

「 表 現 主 体 」:結 婚 祝 い を も ら っ た夫 婦(杉 村 夫 婦)

「 表 現 主 体 」 の 「 表 現 意図 」:上 司 か らの 結 婚 祝 い へ の お 礼

「 理 解 主 体 」:結 婚 祝 い を くれ た上 司(高 山)b

拝啓

秋 た け な わ の候 、皆 様 には い よい よ ご清 祥 の こ と と、 お よろ こ び も う しあ げ ます 。 この た び 、私 ど もの 結 婚 に 際 し ま して は 、 匡巫[錘 な らび に結 構 な 圏 まで ち ょ うだ い い た しま して 、 あ りが と うご ざい ま した 。

お贈 りい た だ き ま した1美 しい ペ ア の ワ イ ン グ ラ ス は 、 さす が に 匡璽 亟]豊 か な 高 山 様 薩 の匡画 を しのばせ る もの と・ 感 激 して お ります 。 終 生 ・私 ど もの記 念 品 と し て 大 切 に使 わ せ て い た だ きます 。

未熟 な二 人で はござい ますが 、匡一]選 をひとつ ひ とつかみ しめ

(6)

早 手、自田 大 学 「1本語 教 育研 究

なが ら、心 温 まる家庭 をつ くってい きたい と思 ってい ます。 今後 とも変わ らぬ翻 の

ほど、籔 .

改めて匝 に参上するつもりでお りますが・ とりあ えず書面にて巫 団 。

敬 具 十 月五 日

杉 村 実 絵 里 高 山 義 雄 様

(rお礼 」、P.59)

圃 の ようにー に入 っている表現がr直 接 尊重表 現」、一

の ようにEニ ニ]に入 っている表現が 「間接尊重表現」 を表 している。「 表現 」の分類 にお い て は 「 文 話 」 にお け る 「 人 問 関 係」 「 内 容 」 「 方 向 性 」1待 遇 意 識 」 な どの 観 点 か ら総 合 的 に考 えて 判 断 した 。

例 え ば、 匡璽 亟 司とい う表 現 は 、 こ の 「手紙 文 」 に お い て の 「 相 乎 」 で あ る高 山 に属 し て い る 。 尊重 して 表 現 しよ う とす る 「 相 手」 に属 して い る物 事 に対 して 「 お ・ご」 を付 け て 「 敬 語 化 」 一 「 敬 語 表現 」 と して使 って い る。 「敬 語」 の 概 念 の 部 分 に1直 接 」 関 る動 作 主 体 を 「 高 くす る 」 とい う 「 敬 語 的性 質」 を持 って い る た め 、 「 直 接 尊 重 表 現 」 と して 判 断 した 。1お贈 りい た だ きま した は概 念 の 部 分 に直接 関 る動 作 主 体 は 「 高 くしな い」 で 、 そ の 動 作 に 問接 的 に関 る 人物 を 「 高 くす る」 とい う 「 敬 語 的 性 質 」 や 「 敬 話 的 機 能 」 が あ る と考 え られ る た め 、 「 問接 尊重 表 現 」 と して判 断 した 。

4.「 改 ま っ た 媒 体 」 お よ び 「改 ま っ た 場 」 に お け る 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 の 分 析 ・考 察1一 「手 紙 文1「 ス ピ ー チ 」 の 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 の 使 用 に お け る 共 通 点

4.1.全 体 の 構 成 に 関 す る 分 析 ・考 察

「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」 とい う 「文 話 」 の 全 体 の 構 成 と い う 観 点 か ら 、 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 の 使 用 様 相 を 分 析 し た 結 果 、 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 は 「文 話 」 一 「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」 に お い て 「相 手 」 と の 関 りが あ る と認 定 で き る 部 分 に 使 わ れ る

とい う こ と が わ か っ た 、 特 に 、 最 初 と 最 後 の(形 式 的)あ い さ つ 、 お 礼 の 部 分 に 多 く 用 い ら れ て い る 場 合 が 多 か っ た 。

以 下 は 、 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 が 、 「相 手 」 と の 関 り の あ る 部 分 、 特 に 、 最 初 と最 後 の(形 式 的 〉 あ い さ つ 、 お 礼 の 部 分 に 用 い ら れ て い る 用 例 で あ る 。

【 用例2「 手紙 文 」】

「表現 主 体」1小 学 校 に入 学 した子 供 の両 親(豊 田)

「表現 主 体 」 の 「 表 現 意図 」1次 男 健次 郎 の小 学 校 入 学 祝 い へ の お礼

「 理.解主 体 」:小 学 校入 学 祝 い を贈 っ て くれ た 目上 の 人物(秋 山)

・ 昏

(7)

「予紙 文 」 と 「ス ピーチ1か ら見 た敬 語接 頭 辞 「お ・ご」 を用 い たr敬 話 表現1の 使 用 様 相

拝 啓

桜 前 線 北 上 の便 り も聞 か れ る こ ろ とな りま した。

皆 様には、匿 で匪麺]の こ とと、匪一]『 。

このたびは、次 男健次郎の小学校入学 に際 し、國 こもる匡垂 塾1に、お祝 いの文具券

ま で い た だ き ま し て 、 ま こ と に あ りが と う ご ざ い ま し た 。

さ っ そ く 、 ち ょ う だ い した 文 具 券 で 、 筆 箱 や ノ ー トな ど の 学 用 品 を 求 め さ せ て い た だ き ま し た ・ 健 次 郎 は 大 喜 び で 、 机 か ら 出 し た り し ま っ た り して 眺 め て お り ま す 。

お か げ さ ま で 、 つ い こ の 問 生 ま れ た よ う に 、巴 っ て お り ま し た の に 、 も う小 学 生 で ご ざ い ま す ・ 昨 日 も姉 の 恵 子 に 小 学 校 の 様 子 な ど い ろ い ろ 質 問 し た り し て 、 入 学 式 を 待 ち か ね て お り ます 。 な に ぶ ん に も の ん び り育 て て お り ま す の で 、 親 と し て は 多 少 不 安 も ご ざ い ます が 、 な ん と か が ん ば っ て ほ し い と願 っ て お り ま す 。

近 い う ち に子 供 た ち を 達れ ま して 、 國 か た が た うか が わ せ て い た だ きた い と存 じて

お り ま す 。

末 筆 な が ら 、 奥 様 に も ど う ぞ よ ろ し く お 伝 え く だ さ い 。

花 どきのならいで とか く気候不順の折 から、匝 には くれ ぐれも璽 匿].

まず は 、 お 礼 の み に て 失 礼 い た し ま す 。

敬 具 三 月 二 十 四 日

豊 田 修 陽 子 秋 山 清 一 様

(「お 宇L」、P.46)

【 用 例3「 ス ピー チ 」 】

「 表 現 主 体 」:新 婦 の母 親

「 表 現 主 体 」 の 「 表 現商 図」:結 婚 披 露 宴 の 客 にあ い さつ をす る

「 理 解 主 体 」:結 婚披 露 宴 の 客

「 場 」:結 婚披 露 宴場 。 不 特 定 、 複 数 の 「 相 手 」 が 集 ま って い る

皆 さ ま 、 私 は 新 婦 の 母 、 伊 藤 幸 枝 で ご ざ い ま す 。 本 日 は 田 中 俊 夫 、 和 枝 の 結 婚 披 露 宴 の 宴 に お 集 ま りい た だ き ま して 、 ほ ん と う に あ りが と う ご ざい ます 。

巨霊[司 の よ う に 、新 郎 は早 くご両 親 を亡 く され 、 新 婦 の 父 もあ い に く病 床 に あ ります

の で 、 私 が 両 家 を 代 表 して 、 ひ と言 お 礼 を 申 し上 げ た い と 存 じ ます 。

本 日 は 二 人 の 門 出 を この よ う に 盛 大 に 一 う え 、 匡亟 凋 あ ふ れ る匪亟 の数 々 を ち ょうだい い た し ま して、 まこ とにあ りが と う ご ざい ます 。

圃 の とお り、二 人 ともふ つ つ か者 で ご ざい ます 。 今 後 と も皆 さ まの 匡亘團 をた ま

わ り ま す よ う 、 お 願 い 申 し上 げ ま すb

な お 、 新 婦 の 父 は 、昨 日まで な ん とか 皆 さ ま に匡巫 だ け で 革)申し上 げ る つ も り

で い た の で ご ざ い ま す が 、 ど う して も ま い る こ と が で き ず 、 皆 さ ま に お 詫 び 申 し上 げ る

(8)

早稲 田 大 学 日本 語教 育研 究

よ う に 申 し て お り ま し た 。 よ ろ し く ご 理 解 く だ さ い ま す ぱ う 、 併 せ て お 願 い 申 し上 げ る 次 第 で ご ざ い ま す 。

(「}ヒ舌辛」、pp.118‑119)

【用 例2,31は 主 に 「椙 手 」 と の 関})の あ る部 分 に 「お ・ご」 が 使 わ れ て い る 用 例 で あ る 。

「手 紙 文 」 「ス ピー チ 」 と い う 「文 話 」 自 体 が 「相 手 」 と の 関 りが あ っ て 初 め て 成 立 す る と い う 性 質 を持 っ て い る が 、 そ の な か に は 、(形 式 的)あ い さ つ や 、 お 礼 の 部 分 の よ う に

「相 手 」 と 密 接 な 関 係 の あ る 部 分 と 「自 分 」 の 計 画 、 抱 負 な ど を 述 べ る 部 分 の よ う に 「相 手 」 と の 関 係 の 認 定 が 難 し い 部 分 が あ る 。 そ の な か で も 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 は 「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ」 と も に 「相 手 」 と の 関 りの あ る 部 分 に 多 く使 わ れ る 傾 向 が あ る 、 も ち ろ ん 、 他 の 「敬 語 形 式 」(例 え ば 、 「レ ル 」 「ラ レ ル 」 な ど)の 使 用 に お い て も 同 様 の 点 一 主 に 「相 手 」 と の 関 り の あ る 部 分 に お い て 使 用 さ れ る と い う 点 が 確 認 で き る が 、

「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」 の よ う な 「改 ま っ た 文 話 」 に お け る 「敬 語 形 式 」 の 使 用 の 面 か ら 分 析 した 結 果 、 他 の 「敬 語 形 式 」 よ り 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 形 式 」 の 使 用 が 多 い と い う 点 が 確 認 で き た 。 特 に 、(形 式 的 〉 あ い さ つ 、 お 礼 の 部 分 、 つ ま り比 較 的 固 定 し た 性 質 を 持 っ て い る 部 分 に お い て 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 を 用 い て 表 現 し て い る こ と が 確 認 で き た が 、 そ れ は 、 他 の 「敬 語 形 式 」 と 比 べ て 「お ・ご 」 を 使 っ た 「敬 語 形 式 」 の ほ う が 「敬 慧 度(あ る い は 待 遇 度 〉」 が 高 い とい う 点 が 働 い た か らで は な い だ ろ う か 。 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 は 他 の 「敬 語 表 現 」 に 比 べ て 「敬 意 度 」 が 高 い た め 、 決 め ら れ た 表 現 で あ り、 「質 の 高 い 敬 語 表 現 」 が 要 求 さ れ る 部 分 で あ る(形 式 的 な)あ い さ つ や お 礼 を 述 べ る の 部 分 な ど に よ く使 わ れ る と 考 え ら れ る 。 ま た 、 こ の よ う な 現 状 は 「文 章 」 「談 話 」

とい っ た 異 な る 「媒 体 」 の 性 質 よ り 、 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 の 性 質 、 つ ま1〕、

形 式 的 で あ る 点 、 「改 ま り 度 」 が 比 較 的 高 い 点 、 「固 い 感 覚 」 を持 っ て い る 点 、 「敬 意 度 」 が 高 い とい っ た 点 な どが 働 い た 結 果 で あ る と も 考 え ら れ る 。

「相 手 」 と の 関 りの あ る 部 分 に つ い て は 「丁 寧 に 」 表 現 し よ う とす る 意 識 が 働 い た 結 果 、

「お ・ご」 を川 い た 「敬 語 表 現 」 を 多 用 す る よ う に な っ た と 考 え ら れ る 。

4.2.「 表 現 形 式 」 に 閥 す る 分 析 ・考 察

4.2.1.名 詞 の 「直 接 尊 重 表 現 」 お よ び 動 詞 の 「間 接 尊 重 表 現jと し て の 使 用 様 相 に 関 す る 分 析

「手 紙 文 」 「ス ピー チ 」 に お け る 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 は 次 の よ う な 「表 現 形 式 」 で 現 れ て い た 。

お ・ご 名 詞:直 接 尊 重 表 現(+〉 ・ お ・ご 動 詞:問 接 尊 重 表 現

以 下 は 「手 紙 文 」 「ス ピー チ 」 か ら の 表 現 例 で あ る 。

【「手 紙 文 」】

(1)師 走 の折 、 貴 社 の ます ます の 匡頸 を亟 、 心 よ り 御 礼 申 し上 げ ま 団.(rお 礼 」、P,96)

(2)そ こで 先 輩 、 そ して奥 さ まの 國 を巫 の で すが 、先 輩 の会 社 は 女 性 が

半 分 以 上 と聞 い て お り ま す 。(「大 活 字 」、p.83)

(9)

「手 紙文 」 と 「ス ピ ー チ」 か ら 見 た敬 語 接 頭 辞 「お ・ご」 を用 い た 「敬 語 表 現 」 の 使 用 様 相

(3)何 か支 障 がお き ま して は 匡蚕]を 亟 こ と に な る と思 い ます 。 せ っか くの

お 言 葉 で す が 、 …(「 大 活 字 」、p.120)

(4)先 般 は ゴル フの匡亜]を 亟 、家 業 に追 われて ご辞退 申 し上 げ 、失

礼 い た し ま し た 。(「 そ の ま ま 」、p.172〉

(5)つ きま しては、先 生の 國 を一]の です が、この身勝手 なお願 い

を お 容 れ い た だ け ませ ん で し ょ う か 。(「そ の ま ま 」、p.184〉

(61ま た 、 ス ピ ー チ の 唾]を 受 け て お り ま し た が 、 そ ち ら に 関 し て も璽 を 巫 こ とに な り、 ま こ と に心 苦 し く存 じます 。(「CD」、p。338)

【「ス ピ ー チ 」】

(7)な に しろ北 海 道 は 初め て の 経験 です の で 、 皆 さん の 國 を巫]、 璽 を 巫 しな け れ ば な ら ない こ と も多 い こ とで し ょう。(「式辞 」、p.394) (8)ど うか これ まで 同 様 、ふ た りに 匡翻 と匡癒 を匡画]。(「 新 郎 」、p.

159〉

(9)本 日は皆 様、画 の ところを麺]、 まことにあ りが とうございま

す 。(「 あ い さ つ 」、p.170)

(10〉 田 畑 さん 、 こ れ を機 に今 後 い っ そ う の 亟 を 亟 と と も に、 い つ まで も ご 壮 健 で 、 そ し てA町 袖 の 伝 統 を継 承 す る 後 進 へ の 匿 硬 と 育 成 を重 ね

て お 願 い 申 し上 げ ま す 。(「あ い さつ 」、p.217)

(1Dど うか生前の故人にお寄せい ただきま した 團 、團 を今後 も変 わ らず ご

遺 族 の 方 々 に 賜 りま す よ う 、 切 に お 願 い 申 し 上 げ ま す 。(「葬 儀 」、p.87)

資 料 と して 用 い た 「 手 紙文 文 例 集 」 の用 例 、500用 例 を対 象 と して 調 べ た 結 果 、 次 の よ うな事 が確 認 で きた 。

【表1】 「=手辛氏文 」 に お け る 「II笠才奏婿〔『E表現 」 と 「問 接1享.重 表 現 」 σ)品1刈別f吏 用 才莱打1

「手 紙 文 」

r直接 尊重 表 現 」

「間 接 尊 重 表 現 」

名 詞 17639(82.89%) 432(28.00%)

動 詞

364(17,119る) 1111(72,001殉

2127(100.00守 も)

1543(100,00%)

【表1】 は500用 例 の 「手 紙 文 」 の 中 の 「敬 語 表 現 」 を 調 べ た 結 果 で あ る 。

名 詞 に 「お ・ご 」 を付 け て 「直 接 尊 重 表 現 」 と し て 使 用 し て い る 例 の 数 が1763例(「 直 接 尊 重 表 現 」 全 体 の82.89%)、 動 詞 に 「お ・ご 一 い た だ く」 「お ・ご一 申 し上 げ る 」 な ど の 形 式 を用 い て 「間 接 尊 重 表 現 」 と し て 使 用 し て い る 例 の 数 が1111例(「 問 接 尊 重 表 現 」 全 体 の72・00%)が あ っ た 。 こ れ は 、 「手 紙 文 」 に お い て 「お ・ご 」 を用 い た 「敬 語 表 現 」 が 、 名 詞 に は 「直 接 尊 重 表 現 」 と し て 、 動 詞 に は 「問 接 尊 重 表 現 」 と し て 使 わ れ る 傾 向 が 存 在 して い る とい う こ と を 示 し て い る と 考 え ら れ る 。

次 は 「ス ピ ー チ 」 の 用 洌500に お け る 分 析 結 果 で あ る が 、 「手 紙 文 」 と 同 様 、 「お ・ご 」 を用 い た 「敬 語 表 現 」 が 、 名 詞 に は 「直 接 尊 重 表 現 」 と して(85.74%)、 動 詞 に は 「問 接 尊 重 表 現 」 と して(75.7996)使 わ れ る 傾 向 を示 し て い る こ と が 確 認 で き る 。

(10)

【ノ《2】 「ス ビ ー チ 」1こ 才3け る 「II!才身[浄亘 ニノ」 見」 と 「1司ぞ麦 【浄 重 ノミ王見」 σ)llLI】li[ll》∫r∫i吏月1{口ii

「ス ピ ー チ 」 r直接 尊 重 表 現 」 r問 接 尊 重 表 現 」

名詞 2068(85.749(})

323(24.21り も)

動 詞

344(14.261路)

1011(75.79%)

2412(100.00(}{〕

1334(100.00%)

「手 紙 文 」 と 「ス ピ ー チ 」 とい う 「媒 体 」 の 異 な る 「文 話 」 に お い て も 、 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 が 名 詞 に は 「直 接 尊 重 表 現 」 と し て 、 動 詞 に は 「問 接 尊 重 表 現 」 と し て 使 用 さ れ て い る こ と は 、 「改 ま っ た 場 面 」 に お け る 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 の 使 用 様 椙 に は 共 通 す る 点 が あ る か らで あ ろ う 。 以 下 に お い て は 、 そ の 使 川 様 相 に お け る 共 通 す る 認 識 に つ い て 考 察 した 。

弓.2.2.動 詞 の 「間 接 尊 重 表 現 」 と し て の 使 用 様 相 に 関 す る 考 察

【「手 紙 文 」】

(12)そ の折 の 感 想 な どを、 十 一 月三 十 日 まで に四 百 字 詰 原 稿 用 紙 十 枚 前 後 に 匝 「 匠亟 幸 い で ご ざい ます 。(1そ の ま ま」 、pp.167‑168〉

(13)な お 、 さ ら に お 許 し い た だ け れ ば 、 帯 、 小 物 、 草 履 、 バ ッ グ も 含 め 、 一 式 借 用 で

きた らと存 じます。 ほん とうに厚 か ましいのですが、匿魎 遜 」よ

う 、 お 願 い 申 し上 げ ま す 。 〔CD、p.259)

(14)ど う ぞ お 気 軽 に お 越 し い た だ き 、 ご 歓 談 い た だ け れ ば 両 人 に と っ て も こ の う え な い 喜 び と な る こ と と存 じ ます 。(「あ い さ っ 」、p.481)

【「ス ピー チ 」】

(15〉 季 節 の お り に で も、 お 立 ち 寄 りい た だ け る・と 、 故 人 も 喜 ぶ と 思 い ま す 。(「葬 儀 」、

p.133〉

(16)本 日 は お 忙 し い な か を ご 無 理 い た だ き 、A市 都 市 防 災 課 長 の 秋 山 様 に ア ドバ イ ザ ー と して 匡 亜 た だ い て お り ます。(「あ い さ つ 」、p.266)

(17)行 き 届 か ぬ と こ ろ が ご ざ い ま し た ら 、 ど う か お 許 しい た だ き た い と 存 じ ま す 。 (r式 辞 」、P.112)

「問 接 尊 重 表 現 」 は 、 そ の 表 現 自 体 の 性 質 上 、 「自 分 」 の 行 為 が1目相 手 」 に 関 係 ・影 響 の な い 場 合 は 成 立 し な い 。 そ れ で 、 「自 分 」 の 行 為 が 「相 手 」 に 関 係 す る 動 作 を 表 現 し て い る 動 詞 に 対 し 、 敬 語 化 して 表 現 す る こ とに よ っ て 「丁 軍 さ」 を確 保 して い る と考 え ら れ る 。

「行 動 展 開 表 現 」 に お け る 「丁 寧 さ 」 の 原 理 の 一 つ と し て 、 「自 分 」 が 「行 動 」 す る と い う の が あ る1・。 「相 手 」 を 動 か す の で は な く 「自 分 」 が 「行 動 」 す る こ と に よ っ て1丁 寧 さ 」 を 確 保 す る の で あ る 。 こ れ に は 実 際 に 「自分 」 が 「行 動 」 す る 場 合 も あ る が 、 実 際 に

「行 動 」 す る の は(「 行 動 」 し て も ら う の は)「 相 手 」 で あ っ て も 、 表 現 上 の 工 夫 に よ っ て 一た と え ば 、 「お ・ご一 い た だ く」 の よ う な 「間 接 尊 重 表 現 」 を 作 る 形 式 を 使 う こ と に よ っ て 、 「自 分 」 が 行 動 す る か の よ う に 表 現 す る 場 合 も あ る11。 つ ま り 、 「自 分 」 が 「行 動 」 す る か の よ う に 表 現 す る こ と に よ っ て 、 ま た 、 そ の よ う な 「行 動 」 が 「相 手 」 に 関 係 す る

「問 接 尊 重 表 現 」 を 敬 語 化 の 手 段 と して 使 う こ と に よ っ て 「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」 に お け る

(11)

「手 紙 文 」 と 「ス ピー チ」 か ら見 た敬 語 接 頭 辞 「お ・ご」 を用 い た 「敬 話 表 現1の 使 用 様 相

「丁 寧 さ 」 を確 保 し て い る の で あ る 、

さ ら に 、 他 の 「敬 語 形 式 」 で は な く、 「お ・ご 」 を 用 い た 「間 接 尊 重 表 現 」 で 表 現 さ れ て い る が 、 そ れ は 、 「お ・ご 」 が 持 っ て い る 性 質 一 他 の 「敬 語 表 現 」 に 比 べ て 比 較 的 「敬 度 」 が 高 い 点 や 、 「(一〉 い た だ く」 「(一〉 申 し上 げ る 」 が 持 っ て い る 「自分 」 の 「行 動 」

や 「自 分 」 に 対 して の 「利 益 」 を ほ の め か す よ う な 感 覚 が あ る と い う 点 が 、 「手 紙 文 」 「ス ビ ー チ 」 の 「敬 語 表 現 」 と し て 働 い た 結 果 で あ る と考 え ら れ る 。

動 詞 に 「お ・ご 一 い た だ く」 な ど の 「問 接 尊 重 表 現 」 を 用 い る こ と に よ っ て 、 実 際 は

「相 手 」 の 「行 動 」 で あ る が 、 そ れ が あ た か も 「自 分 」 の 「行 動 」 の よ う に 表 現 す る こ と に よ り、 「改 ま っ た 場 面 」 にお け る 「文 話 」 一 「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」 に お い て の 「丁 寧 さ 」 を 確 保 し て い る の で あ ろ う。

4,2,3.名 詞 の 「直 接 尊 重 表 現 」 と して の 使 用 様 相 に 関 す る考 察

名 詞 に 「お ・ ご 」 を 付 け て 「直 接 尊 重 表 現 」 を 作 る の は 、 「相 手 」 に 属 す る 物 事 に

「お ・ご 」 を 付 け て そ の 「相 手 」 に 対 し て の 「尊 重 」 の 意 識 を 表 現 す る と い う 性 質 に 適 っ た 「敬 語 表 現 」 で あ る 。 そ の な か で 、 本 稿 に お い て 注 目 した の は 、 「動 詞 の 連 用 形 一 名 詞 化 さ せ た 表 現 」 に 「お ・ご 」 を 付 け た 「直 接 尊 重 表 現 」 が よ く使 わ れ て い る と い う 点 と 動 作 ・行 為 ・状 態 を 動 詞 で な く名 詞 で 表 し、 そ れ に 「お ・ご 」 を付 け た 「直 接 尊 重 表 現 」 が

よ く使 わ れ る と い う 点 の2点 で あ る 。

次 は 「手 紙 文 文 例 集 」 「ス ピ ー チ 用 例 集 」 か ら の 表 現 例 で あ る 。 共 通 す る 表 現 の 一 部 を

【表31と し て ま と め た 。

【表3】 「手 紙 文 」 と 「ス ピーチ 」 にお け る 名詞 の 「直 接 尊 重 表現 ゴ

表現

「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」

「お誘 い」

先般 は ゴル フの匡更 を お受 け し

エ ク サ サ イ ズ の あ と の ビ ー ル の な が ら、 家 業 にお われ て ご辞 退 申 し 匿 函 も お 忘 れ な く 。(「新 郎 」、p.74) 上 げ 、 失 礼 し ま し た 。(「 そ の ま ま」、

P,172)

「お持 ち」 名 古屋 支 店 は、 卓 抜 し た行 動 力 と的 山 下 君 は 辛 抱 強 い 研 究 巷 で あ る と 確 な判 断 力 を匿巫 の 山 岡 様 に は 、 同 時 に、 統 率 力 に も 非 凡 な 資 質 を 最 適 の職 場 か と存 じ ます 。 〔「そ の ま 匡巫 で し た 。(「式 辞 」、p.275) ま 」、P.%〕

「お 住 ま い 」 以 前 、 ご 友 人 が ペ ナ ン にお 住 まい よ り暮 ら しや す い環 境 の 団 地 に、 ま と{弓い ま した が 、 そ の 方 を ご紹 介 し

た匡硬 の 皆様 方 々の 視睦 が い

て い た だ け ま せ ん か 。 〔「CD」 、p、235) ま ユユ.1二に1果 ま る よ う 、1版 力 な カごら も 精 一 杯 努 力 を い た し ま 『柔、、(「あ い さ つ 」、P ,264)

「お 詐 し」(「お ゆ る し 」1

ど うぞ 万事巫 の うえ、 本 年

ど う 力麩 亘]を 願 い ます 昌(rあ い も 旧 に 倍 し て ご好 誼 の ほ ど、 ひ た さ つ 」、P,218)

柔 ら お 願 いlllし.L̀デ ま 『

。(「 実 川 」、

P、測

「お あ り」 い ず れ,当 地 の △ ム デ パ ー トで 個 展 皆 さん に も、 そ れ ぞ れ の懐 か しい 思 を 開 か れ る予 定 も匪璽]と の こ と。 い 出 力魎]だ と思 い ま す 。(「エt (rそ の ま ま 」、P.1⑰ 辞 」、P、533)

(12)

早稲 田大学 日本語教育研究

「お 忘 れ 」〔「お わ す オLj) も しや「麺 で は な い か と存 じ、 エ クサ サ イ ズ の あ と び)ビ ー ル の お 誘 ご 通 知 申 しLげ ますD(「 あ い さ つ 」、 い も隔 忘 オtiなく、、(噺 朗 、P.割

P.503)

「お 越 し 」 な お 、 ノ【こ記 の 仕 所 に 新 居 を 構 え ま

木 目匝 の吉 田先 生 のお かげ で

「お い で 」 し た の で,お 近 くへ 匡虹 の 節 は す 。,(r大 事 典1、P.74〕 故 人 も 、 皆 ぜ ひ お.』とち よ り く だ さ い 。(「CDj、 さ ま の匿亜 を さ ぞ か し喜 ん で い p.146〉 こ ち ら に 匪巫]の 節 は お 立 る こ と と 存 じ ま すG(「 葬 儀 」、p301

ち 寄 り く だ さ い ませ 。 〔r実用 」、P.30)

「お 勤 め 」〔「お つ と め 」)

つ きま しては、伯父勧 遜 のF

園 部 さつ き さ ん は 、 外 資 系 のB株 テ レ ビ に 就 職 が で き た ら と,思い 、 採

式 会 社 に通 訳 と し て砺 で い

用 試験 に加 わ っ て い た だ き た く、お ら っ し ゃ い ま す 。(「 あ い さ つ 」、

願 い 申 し一ヒげ る 次 第 で す 。(「 あ い さ pl82) つ 」、P裾7)

「お ガ 添 え 」 これ も、 ひ とえ に 品 長 は じめ 職 場 の 皆 さ ま に は 、 生 前 賜 り ま し た

皆 様の匪亜 が あ った か らこ そ 匡塑 」とご厚 誼 にあ らため て感

と 、深 く 感 謝 い た し て お り ます 。(「お 講 い た し ま すp(「 轟 儀 」、p34}

礼 」、P」18)

「お 喜 び 」 お 兄 さ ん もお 義 姉 さ ん も、 さ ぞ

ご主人 もさそ匝 の こ とと思 い

慶 の こ とで し ょ う。(「そ の ま ま す 。(「 式 辞 」、PP.187・188)

ま 」、P93)

【表3】 は 、 「相 手 」 の 動 作 ・状 態 を 表 現 す る 際 、 動 詞 を 使 う の で は な く一 動 詞 に 「お ・ ご 」 を付 け た 「お ・ご 一 に な る 」 「お ・ご一 くだ さ る 」 な ど の 形 式 を 使 う の で は な く 、 そ の 動 作 ・状 態 を 表 現 す る 動 詞 の 連 用 形 を 用 い て 、 名 詞 化 させ 、 あ る い は 名 詞 で 表 現 して 、 そ れ に 「お ・ご 」 を 付 け た 形 の 表 現 を 使 っ て い る 例 で あ る。

【表31で 確 認 で き るが 、 「誘 う」 の 場 合 、 「お 誘 い く だ さ る 」 や 「お 誘 い い た だ く」 な ど の よ う な 動 詞 を そ の ま ま 用 い た 表 現 で は な く、 「お 誘 い 」 と い う名 詞 化 さ れ た 表 現 を 使 っ て い る 。[誘 い 」 と い う 表 現 に 「お 」 を 付 け て 表 現 す る こ と に よ っ て 、 「相 手 」 の 「誘 い 」

と い う こ と を 表 し 、 さ ら に 、 そ の 「誘 い 」 は 「自 分 」 が 尊 重 す る 「相 手 」 の 「行 動 」 一

「誘 い 」 で あ る 点 を 表 現 し て い る 。

同 様 の 観 点 か ら考 え る と 、 「お 持 ち 」 は 「持 っ て い ら っ し ゃ る 」、 「お 住 ま い 」 は 「住 ん で い ら っ し ゃ る 、 生 活 し て い ら っ し ゃ る 」、 「お あ り」 は 「い ら っ し ゃ る 〔あ る)」、 「お 越 し、 お い で 」 は 「い ら っ し ゃ る(来 る 〉」、 「お 勤 め 」 は 「勤 め て い ら っ し ゃ る 」、 「お 力 添 え 」 は 「お 力 添 え くだ さ る 」 な ど の 代 わ り に 使 わ れ て い る と考 え ら れ る。

さ ら に 、 こ れ は 動 詞 の 連 用 形 だ け で な く 、 名 詞 で 表 現 し て い る 例 も あ る 。

【「手 紙 文 」1

(18)次 回 圃 の 際 にお 持 ちい た だ き ます と、 謝 礼 とい た し ま して 、千 円相 当 の 当 店

商 品 券 と お 引 き換 え い た し ま す の で 、ど う ぞ よ ろ し く お 願 い 申 しあ げ ま す 。(1'CD」、

P.265)

(19)つ き ま して は 、 安 全 な 指 導 と 健 康 管 理 の た め 、 お 子 さ ま の 心 身 状 態 を 伺 う 調 査 票

の 匡副 をお願 い 申 しあ げ ます 。 〔 「CD」、p.267〉

(20)急 場 の お 役 に 立 てず 、ふ が い な兄 だ と思 うで し ょうが 、 ど うか 悪 しか らず 匡劃

を お 願 い い た し ま す 、(「あ い さ つ 」、p.517)

(13)

「手 紙 文 」 と 「ス ピ ー チ 」 か ら 見 た 敬 、1吾接 頭 辞 「お ・ご 」 を 用 し・た 「敬 話 表 現}の 使 用 様 相

(21)日 ご ろ は、 当 会 の活 動 に 巨 理劃 圃 を賜 り、 ま こ と に あ りが と う ご ざい ます 。

(「あ い さ つ 」、p.476)

(22)今 後 と も よろ し く匡璽[鰯 を賜 ります よ うお 願 い 申 し上 げ ます 。(「お 礼 」、

P.62)

【「ス ピ ー チ 」】

(23〉 皆 さ ま の 匡 魎 を お 待 ち し て お り ま す 。(「式 辞 」、p.445)

(24)匡 璽]の よ う に 、 営 業 部 で は 毎 年 、 部 と して の 目 標 の ほ か 、 各 自が そ の 年 の 目標 を 自 己 申 告 す る こ とに な っ て い ま す 。(「式 辞 」p.341)

(25)皆 さ ま方 の か わ らぬ 匡 翻 、 匡璽 を心 か らお願 い 申 し上 げ ます。(「あ い さつ 」、

P.343)

(26)本 日 は 匡 圃 、 あ りが と う ご ざ い ま し た 。(「新 郎 」、p.215)

(27)保 護 者 の 皆 さ ま の 匡璽 も よ ろ し く お 願 い い た し ま す 。(「大 事 典 」、p.125)

動 詞 の 連 用 形 一 名 詞 化 した 表 現 と同 様 に 解 釈 す る と 、 例 え ぱ 、 「ご 容 赦 」 の 場 合 、 「ご 容 赦 く だ さ る 」 「ご容 赦 い た だ く」 あ る い は 「お 許 し くだ さ る 」 「お 許 し い た だ く」 の よ う な 動 詞 の 概 念 を 残 し た 表 現 で は な く、 「容 赦 」 と い う 名 詞 に 「ご 」 を 付 け た 「ご 容 赦 」 と い う表 現 を 使 っ て い る こ と が 確 認 で き る 。 「ご 容 赦 」 と い う 表 現 を 用 い る こ と に よ っ て 、 そ の 「容 赦(許 し)」 は 「自 分 」 が 尊 重 す る 「相 手 」 か ら の 「容 赦 」 で あ り、 そ れ に 対 して

「丁 寧 に」 表 現 し て い る 。

名 詞 に 「ご 」 を 付 け た 表 現 を 動 詞 の 連 用 形 に 「お 」 を 付 け た 表 現 と 同 様 に 考 え る と 、

「ご 来 店 」 は 「店 に い ら っ し ゃ る 」 「店 に 来 て く だ さ る 」、 「ご 理 解 」 は 「ご 理 解 く だ さ る 」

「理 解 し て く だ さ る 」、 「ご 承 知 」 は 「知 っ て い ら っ し ゃ る 」、 「ご 指 導 」 は 「ご 指 導 くだ さ る 」 「指 導 し て く だ さ る 」、 「ご 出 席 」 は 「出 席 して くだ さ る 」 「出 席 し て い た だ く」 な ど の 代 わ り に 使 わ れ て い る と言 え よ うD

た だ し 、 こ の よ う な 表 現 は 全 て の 「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」 に お い て 使 わ れ て い る の で も な く 、 全 て の 「お ・ご」 を用 い た 「敬 語 表 現 」 に 使 わ れ て い る の で も な い 。 「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」 に お け る 「お ・ご」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 の 一 部 と し て 、 「敬 語 表 現 」 に お け る 一 つ の 工 夫 と して 使 わ れ て い る の で あ る

し か し 、 上 で 確 認 し た 表 現 が 「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」 で 頻 繁 に 使 わ れ て い る の は 事 実 で あ る 。 動 詞 の ま ま で も 表 現 で き る 事 柄 に つ い て 、 そ れ を あ え て 名 詞 化 し た 形 に 「お ・ご 」 を 付 け た 表 現 が 使 わ れ て い る の は な ぜ だ ろ う か 。

使 用 の 意 識 と し て 、 「尊 重 」 す べ き 人 物 に 関 す る 物 事 ・動 作 ・状 態 な ど に 対 し て は 、 そ れ を 直 接 的 に一 動 詞 を 用 い た 動 作 ・行 動 ・状 熊 の 「描 写 」 で 一 表 現 す る の で な く、 問 接 的 に一 動 詞 の 連 用 形 、 名 詞 化 した 形 で 、 あ る い は 名 詞 で 一 表 現 す る の が 「丁 寧 」 で あ る と い う 意 識 が 働 い て い る の で は な い だ ろ う か1』。 白 〔1996〉 に よ る と 、 「一 般 的 に 上 位 者 に 関 す る 行 為 を叙 述 す る に は 、 直 接 的 な 表 現 よ り 問 接 的 で 迂 回 した 表 現 を す る 必 要 が あ る 」 と して い る13。 そ の 「迂 回 的 な 表 現 」11の一 つ と し て 、 「尊 重 」 す る 「相 手 」 の 動 作 ・行 為 ・ 状 態 を 、 そ の ま ま 動 詞 一 「お ・ご 」 を 用 い た 「お ・ご 一 に な る 」 な ど の 「動 詞 の 敬 語 化 」 で 表 現 す る の で は な く、 「迂 回 的 に」 そ れ を 名 詞 化(連 用 形 を 用 い る こ と に よ っ て 名 詞 化 〉

し た り 、 名 詞 に した り して 表 現 す る の で は な い か と考 え ら れ る 。

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早 稲 田 大 学 日本 語教 育研 究

っ ま り 、 動 詞 の 連 用 形 や 名 詞 に 「お ・ご 」 を 付 け た 「敬 語 表 現 」 に は 、 「相 手 」 の 動 作 ・行 動 お よ び 状 態 は 「一 す る(動 作 、 動 詞)」 で は な く、 「相 手 」 自 身 が 動 い て か ら 展 開 さ れ る の で な く、 「相 手 」 が 「動 い て な く て も 、 動 か な くて も 」 そ う な っ て い る と い う 待 遇 に 関 し て の 配 慮 を 表 そ う と す る 意 識 が 働 い て い る の で は な い だ ろ う か 。「相 手(あ な た)」

は 偉 い か ら 、 別 に 行 動 しな く て も そ う な っ て い る と い う 待 遇 に関 して の 表 現 上 の 配 慮 が 働 い て い る の で は な い か と も 考 え ら れ る 。 「相 手 」 を 「尊 重 」 し、 「高 く す る 」 と い う こ と は 、

「相 手 」 の 持 っ て い る 能 力 ・力 な ど を 拡 大 し て 表 現 す る と い う 「敬 語 化 」 「待 遇 」 の 根 本 的 な 性 質 や 配 慮 の 表 し方 の 面 か ら 考 え る と、 動 詞 を使 わ ず に 、 動 詞 の 連 用 形 一 名 詞 化 した 表 現 、 あ る い は 名 詞 に 「お ・ご 」 を付 け た 表 現 の 使 用 の 一 部 が 説 明 で き る よ う に な る の で あ ろ う 。 動 詞 を 直 接 に 用 い る の で な く、 動 詞 の 連 用 形 一 名 詞 化 し た 表 現 、 あ る い は 名 詞 を 用 い る こ と に よ っ て 、 「尊 重 」 す る 、 「高 く」 す る 「相 手 」 の 行 為 ・動 作 ・状 態 を 「迂 回 」 し て 表 現 す る 効 果 も あ る と思 わ れ る 。

ま た 、 そ の 使 用 の 意 識 に は 動 詞 の 連 用 形 一 名 詞 化 し た 表 現 、 あ る い は 名 詞 は 、 比 較 的 簡 単 な 形 で 敬 語 化 す る こ とが で き る 、 「お ・ご一 に な る 」 「お ・ご一 く だ さ る 」 を 用 い た 複 雑 な 形 式 に 比 べ て す っ き り し た 表 現 を作 る こ とが で き る と い う 点 、 洗 練 され た 書 き方 の よ う に 感 じ ら れ るL5と い う点 な ど も働 い て い る の で は な い だ ろ う か 。 「お ・ご 一 に な る」 「お ・ ご一 く だ さ る 」 の よ う な複 雑 で 、 使 用 に 関 し て の 制 約 の 多 い ・b表現 形 式 を 使 う よ り は 、 動 詞 の 連 用 形 一 名 詞 化 した 表 現 、 あ る い は 名 詞 に 「お ・ご 」 を 付 け れ ば 良 い と い う 比 較 的

「簡 単 な 」 形 式 を 使 っ た ほ う が 良 い 、 あ る い は 便 利 だ と い う 意 識 も働 い て い る の で あ ろ う 。 そ の よ う な 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 に 対 す る 意 識 が 「改 ま っ た 場 面 」 に お け る

「文 話 」 一 「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」 に 反 映 さ れ て い る と考 え ら れ る 。

4.2.4.「 表 現 形 式 」 に お け る 傾 向 一 名 詞 に お け る 「直 接 尊 重 表 現 」 と 動 詞 に お け る

「間 接 尊 重 表 現 」 の 使 用

分 析 、 考 察 の 結 果 、 「改 ま っ た 場 面 」 で 使 わ れ る 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 の 使 用 様 根 の 傾 向 と して 、 次 の よ う な 「敬 語 文 」 が 多 数 存 在 し て い る こ と が 確 認 で き た 。

お ・ご名 詞1「 直 接 尊 重 表 現1一 「相 手 」 の 物 事 ・動 作 ・状 態 に 対 して 「敬 語 化 」 す る 皇

「相 手.1の 行 為 を 迂 回 的 に 表 現 す る 。(+)お ・ご 動 詞.「 間 接 尊 重 表 現 」 一 「相 手 」 に 関 係 す る 「自 分 」 の 動 作 を 「敬 語 化 」 す る 。 「相 手 」 を 動 か さ な い よ う な 表 現 を す る 。

5.「 改 ま っ た 媒 体 」 お よ び 「改 ま っ た 場 」 に お け る 「お ・ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 の 分 析 ・考 察II一 「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」 の 「お ・ご 」 を用 い た 「敬 語 表 現 」 の 使 用 に お

け る相 違 点

5,1.「 直 接 尊 重 表 現 」 の 使 用 様 相 に 関 す る 分 析 ・考 察 一 「ス ピ ー チ 」 に お け る 「直 接 尊 重 表 現 」 の 多 用 の 問 題

「ス ピ ー チ 」 は 「手 紙 文 」 と 比 べ 、 比 較 的 「直 接 尊 重 表 現 」 の 使 用 が 多 い 傾 向 が あ っ た 。 文 字 数250字 か ら500字 の 「手 紙 文 」 と 「ス ピ ー チ 」、 各230用 例 を 対 象 と し 、 「直 接 尊 重 表 現 」 の 数 を 調 べ た 。

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「手 紙 文」 と 「ス ピーチ ∫ か ら見 た敬 語 接 頭 辞 「お ・ご」 を用 い た 「敬 語 表 現 」0)使 用 様相

【表41「 手 紙 文 」 と 「ス ピーチ 」 にお け る 「直 接 尊 蔵表現1の 品詞 別 使 用 様 相

「手 紙 文 」(用 例 数=230) 「ス ピー チ 」(用 例 数=230)

名 詞

17713 905

動詞

160 188

「文 話 」 一 「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」 の 分 量 が 変 わ る と 、 「お ・ ご 」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 の 数 も 変 わ る た め 、 文 字 数250‑300字 程 度 の 「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」 を 「直 接 尊 重 表 現 」 の 使 用 様 相 を 調 査 対 象 と した 。 ま た 、 「文 話 」 一 「手 紙 文 」 「ス ピ ー チ 」 の 内 容 や 「表 現 主 体 」 の 言 語 的 習 慣 な ど に よ る 「敬 語 形 式 」 の 使 用 に お け る 変 化 と い う面 は 注 意 し な け れ ば な ら な い 問 題 で あ る た め 、 本 稿 に お い て は 、 そ の よ う な影 響 を最 小 化 す る た め 、 あ ら ゆ る 種 類 と 内 容 の 「手 紙 文 」 「ス ピー チ 」 を 調 査 の 対 象 と した 。

そ の 結 果 、 「手 紙 文 」 よ り 「ス ピ ー チ 」 の ほ う に 「直 接 尊 重 表 現 」 の 使 用 が 多 い と い う こ と が 確 認 で き た(【 表4】 参 照 〉。 特 に 「ス ピ ー チ 」 に は 名 詞(動 詞 の 連 用 形 か らの 表 現 も 含 め て 〉 に お け る 「お ・ご」 を用 い た 「直 接 尊 重 表 現 」 の 使 用 が 「手 紙 文 」 と比 べ 、 比 較 的 多 い こ と が 確 認 で き た 。

名 詞 だ け で な く動 詞 に 関 し て も 幅 広 く使 用 さ れ て い る 点 が 【表4】 か ら 確 認 で き る が 、 そ れ は 「ス ピ ー チ 」 と い う 表 現 形 式 に そ の 理 由 が あ る の で は な い か と考 え ら れ る 。 「ス ピ ー チ 」 は 「手 紙 文 」 と 違 っ て、 「相 手 」 と 直 接 、 面 と 向 か っ て 表 現 す る こ と を そ の 表 現 形 式 と し て い る た め 、 そ の 表 現 を 聞 い て い る 「相 手 」、 そ の 表 現 に 関 係 す る 「相 手 」 が 「表 現 主 体 」 の 目 の 前 に い る.そ の た め 、 目 の 前 に い る 、 そ の 場 で 聞 い て い る 「相 手 」 に 対 し て の 配 慮 、 意 識 が 働 い て 、 こ の よ う な 傾 向 が 見 ら れ る よ う に な っ た の で は な い か と考 え ら れ る 。

ま た 「ス ピ ー チ 」 は 、 表 現 す る 内 容 の な か に 、 目 の 前 に い る 「相 手 」 に 直 接 関 係 す る こ とが 多 い と い う 点 も 「お ・ご 」 を 用 い た1‑直 接 尊 重 表 現 」 の 多 用 に つ な が る の で は な い か と考 え ら れ る 。

さ ら に 「ス ピ ー チ 」 に お い て 「直 接 尊 重 表 現 」 一 【表4】 で 確 認 で き る よ う に 名 詞 に

「お ・ご 」 を つ け た 名 詞 の 「直 接 尊 重 表 現 」 一 が 「手 紙 文 」 に 比 べ 比 較 的 多 用 さ れ て い る こ とが 確 認 で き る 。 そ れ は 、 上 の4,2,3.名 詞 の 「直 接 尊 重 表 現 」 と し て の 使 用 様 相 に 関 す る 考 察 の 項 目 で 確 認 した よ う な 意 識 が 「手 紙 文 」 と比 べ 、 比 較 的 積 極 的 に 働 い た 結 果 で は な い だ ろ う か ㌔

5.2.「 問 接 尊 重 表 現 」 の 使 用 様 椙 に 関 す る 分 析 ・考 察 一 「表 現 形 式 」 の 問 題

「お ・ご 一 巾 し 上 げ る 」 「お ・ ご一 い た だ く 」 を 中 心 と し た 「問 接 尊 重 表 現 」 に お け る

「表 現 形 式 」 の 問 題 に つ い て 考 え る 。 「お ・ご 一 申 し上 げ る 」 「お ・ご 一 い た だ く 」 の よ う な 「お ・ご 」 を 用 い た 「問接 尊 重 表 現 」 は 、 「一 」 の 部 分 に 動 詞 の 連 用 形 が 入 っ た 「ひ と ま と ま り」 の 「敬 語 形 式 」 と し て 存 在 し て お り 、 上 で 確 認 し た よ う に 、 「改 ま っ た 場 面 」 一 「手 紙 文 」 「ス ビ ー チ 」 に お け る 「お ・ご」 を 用 い た 「敬 語 表 現 」 の 使 用 の 一 部 を 担 っ て い るD

し か し 、 「ス ピ ー チ 」 に お け る ひ とつ の 「敬 語 形 式 」 と し て 「申 し 上 げ る 」 「い た だ くゴ の 前 に 「を 」 「に」 な どの 助 詞 を入 れ た 用 例 が あ っ た 。次 は 「ス ピ ー チ 」 か らの 表 現 例 で あ る 。

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早 稲 田大 学 目 本語 敦 ずゴ研 究

(28〉 皆 さ ま 、 本 日 は ご 多 用 の と こ ろ 、 父 裕 次 郎 の 古 希 の 祝 い に 、 こ の よ う に お 集 ま り

くだ さ り、厚 く國 亙 里 雌 。(「式 辞」、p.157〉

(29)清 水 様 ご 夫妻 にあ らた め て 匿璽]』 皇 里⊥」L壁 立。 〔 「新郎 」、p.72)

(30)皆 様 に ご報 告 い た します と と も に、 あ らた め て 匪]を 里LL堕 。(「あ

い さ つ 」、P.192)

(31)今 日 こ こに め で た く成 人 式 を迎 え られ た皆 さん に、 心 よ り塵]丘 里 堕

豊 。(r式 辞 」、P.410)

(32〉 ご両 家 の 皆 さ まに も心 よ り匡慶]圭 塑上 上 げ ます 。(「式 辞」、p.51)

(33)研 究 開 発 部 を代 表 し ま して 、心 か ら 翻 を 旦遮 。 〔 「あ い さっ 」、

p.222)

(訓〉遺族 を代表 いたしまして、謹 んで皆 さまに亜 を 里雌 。(「 葬

儀 」、P.46)

(35)ひ と言 お 礼 の 亜 亙 里』 し上 墜 。 〔 「 新 郎」、p・86〉

(36〉 本 日 は この よ う なめ で た い席 に 匡垂 塗]亙 い た だ き、 たい へ ん うれ し く思 っ て

お り ま す 。(「 大 事 典 」、p.120)

(37)本 日は お忙 しい なか 、 た くさん の 匡亜]を 竺 な だ き、 まこ とにあ りが と う

ご ざ い ま す 。 「あ い さ つ 」、p.298)

(38)ま た 、諸 先 輩 か ら は何 事 に も厩]窒 壁Lと い う力 強 いお こ とば もあ

り ま し た 。(「式 辞 」、p.545)

(39)そ れ 以 来 、 私 の結 婚 後 の 一 時 期 を 除 い て 、 ず っ と親 し く して い た だ き、 い ま も 家

族 ぐる み の 塵]童 い た だい て お ります 。(「式 辞 」、p.163〉

(40)PTA活 動 の 目的 や 意 義 に[…璽 璽]亙 い た だ く.とと も に 、 前 向 き か つ 積 極 的 な 圃 皇 一 よ う 、 この 場 をお 借 り して お 願 い 申 し上 げ ます 。

(「あ い さ つ 」、p.281)

(4Dき っ と ま た お 目に か か っ て 、 匡魎 皇 遮 ≦Lこ と もあ ろ うか と思 い ます 。

(「式 辞 」、p.391)

(42〉こ の よ うに大 勢 の 方 々 に 匿 血 い た だ き、ま こ と にあ りが と う ご ざい ます。

(「新 良匡」、P.72)

【そ の 他 】 二「ご 助 力 を い た だ く」 「ご 出 席 を い た だ く」1ご 推 薦 を い た だ く」 「ご 厚 誼 を い た だ く」 「ご 愛 顧 を い た だ く」 「ご 支 援 を い た だ く」 「ご 出 席 を い た だ く」 な ど の 例 が あ る 。

「お ・ご+動 詞 の 連 用 形+申 し上 げ る 、 い た だ く」 の 「敬 語 形 式 」 で 表 現 で き る が 、 そ れ を 分 離 した よ う な 「敬 語 形 式 」 の 「お ・ご 名 言可」+「 助 詞 〔を 、 に)」+「 申 し上 げ る 、 い た だ く」 の 「敬 語 形 式 」 を 用 い て い る 例 で あ る 。 こ の よ う な 「敬 語 表 現jは 主 に 「ス ピ ー チ 」 に お い て 確 認 さ れ 、「手紙 文 」 にお い て はそ の 使用 数が 非 常 に少 なか った 。 つ ま り、

「手 紙 文 」 に お い て は 「お ・ご+動 詞 の 連 用 形1唱1+申 し上 げ る 、 い た だ く」 の 「間 接 尊 重 表 現 形 式 」 を 用 い て 表 現 し て い る の に 対 し 、 同 じ 事 柄 を 表 現 す る の に 「ス ピ ー チ 」 で は

「手 紙 文 」 と は 異 な る 「敬 語 形 式 」 を用 い る 場 合 が あ っ た 。

本 項 目 で は 、 こ の よ う な 「ス ピ ー チ 」 に お け る 「お ・ご 名 詞 」+「 助 詞(を 、 に)」+

「申 し上 げ る 、 い た だ く」 の 「敬 語 形 式 」 一 「お ・ご+動 詞 の 連 用 形+申 し上 げ る 、 い た だ く」 の よ う な 「ひ と ま と ま り」 の 「問接 尊 重 表 現 」 と して も使 用 可 能 な 表 現 に つ い て 考 え る 。

(17)

「手 紙 文 」 と 「ス ピー チ」 か ら見 た 敬語 接 頭 辞 「お ・ご1を 用 い た 「敬 話 表 現ゴ の 使 用様 相

ま ず 、 「敬 語 形 式 」 か ら の 分 析 を 行 う 。 「申 し上 げ る 」 の 前 に 来 る 「お ・ご 名 詞 」 は 、 内 容(文 脈)に お い て は 「自分 」 の こ と を 述 べ る 場 合 が 多 い の で 、 「間 接 尊 重 表 現 」 と し て の 機 能 を 持 っ て い る と 言 え よ う 。((28)〜(35)を 参 照)同 じ観 点 か ら 分 析 す る と 、 「い た だ く」 の 前 に 来 る 「お ・ご 名 詞 」 は 、 「相 手 」 の 動 作 や 働 き か け を 表 現 す る 場 合 が 多 い の で 、

「直 接 尊 重 表 現 」 と して の 働 き を して い る と言 え る 。((36〉 〜(42)を 参 照)し か し、 下 の 例 で 確 認 で き る よ う に 、 「ひ と ま と ま り」 の 表 現 に 戻 した 場 合 は 、 「申 し上 げ る 」 と 「い た だ く」 の 前 に 来 る 表 現 は 、 両 方 、 「ひ と ま と ま り」 の 「間 接 尊 重 表 現 」 と な る 。 こ の よ うな こ と は 以 下 の 表 現 例 に お い て 確 認 で き る 。

(28)皆 さ ま 、 本 日 は ご 多 用 の と こ ろ 、 父 裕 次 郎 の 古 希 の 祝 い に 、 こ の よ う に お 集 ま り

くだ さ り、厚 く圖 皇 血 遮 。(「式 辞」、p.157)

⇒ 皆 さ ま 、 本 日 は ご 多 用 の と こ ろ 、 父 裕 次 郎 の 古 希 の 祝 い に 、 こ の よ う に お 集 ま り くだ さ り 、 厚 く お 礼 申 し上 げ ま す 。

(34)遺 族 を代 表 い た し ま して 、 謹 ん で 皆 さ ま に匡麺 を 里⊥雌 圭す 。(「葬

儀 」、p.46)

⇒ 遺 族 を代 表 い た し ま して 、 謹 ん で 皆 さ ま に ご あ い さ つ 申 し上 げ ま す 。(「 葬 儀 」、

P、46〉

(36)本 日は この よ うなめ で た い席 に 匡雇]童 い 畠 だ き.、たい へ ん うれ し く思 っ て

お り ます 。(「大 事 典 」、p,120)

⇒ 本 日 は こ の よ う な め で た い 席 に お 招 き い た だ き 、 た い へ ん う れ し く思 っ て お り ます 。

(41)き っ と また お 目にか か って 、 國 亙 幽 こ と もあ ろ うか と思 い ま す 。

(「式 辞 」、p.391)

⇒ き っ と ま た お 目 に か か っ て 、 ご 指 導 い た だ く こ と も あ ろ う か と思 い ま す 。

こ の よ う な 「敬 語 形 式 」 は 「ス ピ ー チ 」 全 般 に 渡 っ て 使 わ れ て い た 。 そ の 使 用 に 関 す る 意 識 に つ い て 考 察 し たD

D「 文 話 」 一 「ス ピ ー チ 」 全 体 に お け る 「敬 語 レ ベ ル 」 調 整 の 面

「お ・ご一 い た だ く、 申 し上 げ る 」 な ど の 「お ・ご 」 を 用 い た 「ひ と ま と ま り」 の 「敬 語 表 現 一 間 接 尊 重 表 現 」 は 、 比 較 的 「敬 度 」 の 高 い 「お ・ご 」 を 用 い た 表 現 で あ る 上 、 動 詞 と 一 体 化 させ た 表 現 、 比 較 的 形 式 に 充 実 し た 表 現 で あ る 。 し た が っ て 、 形 式 の 面 を 重 視 す る 「手 紙 文 」 に お い て は 多 用 さ れ る が 、 「手 紙 文 」 よ り形 式 の 面 に お け る 制 約 な ど が 比 較 的 少 な い 「ス ピ ー チ 」 に お い て は 、 分 離 し た 形 で 使 わ れ て い る と 考 え ら れ る 。

ま た 、 「ス ピ ー チ 」 の 全 体 の 構 成 な ど を 考 慮 し、 全 体 的 に 重 い 、 文 章 的 な 表 現 に 偏 っ て し ま う こ と を 避 け る た め 、 「お ・ご 」 と動 詞 の 部 分 を 分 離 し た 表 現 を 使 っ て い る と い う面 も考 え られ る 。 「文 章 」 で あ る 「手 紙 文 」 と違 っ て 、 「ス ピ ー チ 」 は 「談 話 」 と い う性 質 を 持 っ て い る の で 、 比 較 的 形 式 か ら離 れ た 表 現 、 口 語 的 表 現 を 用 い る こ と に よ っ て 「談 話 」

と し て の 性 質 を 確 保 して い る と 言 え よ う 。 つ ま り 、 形 式 か ら 多 少 離 れ た 表 現 を 用 い る こ と に よ り 、 「ス ピ ー チ 」 と い う 「談 話 」 が 「文 章 」 の よ う に な る こ と や 重 苦 し く な る こ と を 避 け る とい う 効 果 を 得 て い る の で は な い か と 考 え ら れ る 。

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