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この研究 目的を達成す るための研究組織 は次の通 りであった。

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(1)

は しがき一研究活動報告 をかねて

この報告書は、平成 17年度〜平成 19年度 日本学術振興会科学研究費補助金 ・基盤研究 (B)

(一般)の支援 を うけた 「20世紀東アジアにおけるメディア産業 と地域社会の変容 に関す る国 際共同研究」に関す る共同研究の成果を報告す るものであるO

平成 17年度の科研費の採択の時に掲げた研究 目的は次のようなものであった。

【研究 目的】

(‑)本共同研究で何 を どこまで明 らかにす るのか。

本研究は、研究分担者清水賢一郎が代表 を務 めた 「基盤研究 C・企画調査」・平成 13年度 (研 究経費 3500千 円)研究課題一束アジア放送史構築のための国際共同研究 と 「萌芽研究」 ・平成

14年度〜平成 16年度 (研究経費 3200千円)研究課題 :東アジア ・ラジオ放送史の構築の研究 成果 を基礎 として、 これ を発展 させ るための国際共同研究である。従来の企画調査 と萌芽研究 を通 し、東アジアのラジオ放送史研究のための基礎的な史料調査 と個別的な研究蓄積 を してき たが、本科研では、20世紀東アジアにおけるメデ ィア産業の形成 と地域社会の変容 との関連を、

メデ ィア産業 と技術 とい う側面か ら解明す ることに焦点を当て、21世紀のメデ ィア社会が直面 している諸問題 を考 える手がか りを獲得 したい。

(二)なぜ メデ ィア産業の形成 と地域社会の変容 なのか。

従来の地域研究 と歴史学の分野では、東アジア各国におけるメディア媒体の登場 と発展に関 す る個別研究は進 んでいるものの、メディア産業 と地域社会の変容 の関係 については未解 明の 部分が多 く残 されてい る。例 えば、ラジオ放送の分野においては東アジア各地域 における聴取 者の対応が どのよ うな変容 を見せたのか、ラジオ受信機 の生産 と製造販売は各地域で どのよう

な発展 をな し遂げたのか、映画分野では地域社会 における映画館 の機能や映画製作 と配給会社 の分布 が地域社会 に与 えた影響、そ して、音楽 レコー ド分野では レコー ド制作 と消費網 な ど多

くの分野が研究史上の空 白として残 されている

本共同研究は東アジアにおけるメディア産業が どのよ うに形成、発展 し、地域社会の変容 に 関連す るのか、その実態 を解明す ることを 目的 とす るが、それ と同時に欧米のメデ ィア産業が 東アジア地域 に与 えた影響や事業の展開過程 について も分析 を進 める。本研究はこれ らの点に 留意 しなが ら中国、 日本、満州国、韓国な どのメディア産業関連の雑誌や工業協会の雑誌、映 画 と写真 関連の各種画報 (『良友』画報、 『北洋画報』、 『写真週報』 な ど)に掲載 されてい るメデ ィア とライ フスタイルの関わ りについて検討 を加 え、その誕生か ら トランスナ シ ョナル 的な要素を秘 めていたメデ ィア産業の分析 を‑国史的な歴史叙述ではは く、東アジア地域の相 互関係やネ ッ トワー ク論な どの視点か ら捉 えなおす新たな視点を提示す ることである。本共同 研究によって獲得 されたメデ ィア産業 と地域社会の変容 に関す る成果 を基礎 に、現代の東アジ

ア地域 のメデ ィア と社会の変容 を とらえなおす提言 を試みたい。

(三)国内外の研究における位置づけ

本共同研究はいままで東 アジアのラジオ ・メデ ィア史研究において多 くのケースス タデ ィや 史料状況の発掘、紹介な どの面で先駆的な役割 を果た し、山本武利が主催す る 20世紀 メデ ィア 史研究会 とも連携 しなが ら 『アジア遊学』、 『Intelligence』 な どの雑誌 に多 くの成果 を明 ら

ー1‑

(2)

か に してきた。また、当該分野 を リー ドす る欧米のアジア研究者 とも連携 し、数 回の ワー クシ ョップ を開催 し、研究者 のネ ッ トワー クを構築 してきた。本共 同研究は これ らの成果 を継承 し つつ、国内外 の歴史学、科学史、メデ ィア史な どの各分野 とも活発 な意見交換 を図ってい く。

さらに、本共 同研究 に参加す る研究分担者 はいずれ も 日本 を含む、東 アジア地域 の公文書館 の 調査 に関わった経験 を もち、現地の研 究者ネ ッ トワー クと密接 な交流 を継続 している。 この よ

うな特徴 を活用すべ く、 日本 国内だけではな く、上海や ソウル、台北な どで国際シンポジ ウム や ワー クシ ョップを開催 し、各国の関連分野の研究者 とも活発 な交流 を図る。

この研究 目的を達成す るための研究組織 は次の通 りであった。

【 研究組織 】 ( 平成

17

年 の所属 と職名 ) 研究代表者

研究分担者 研究分担者 研 究分担者 研究分担者 研 究分担者

孫 安石 並木頼書 川 島真

佐藤卓 己 貴志俊彦 清水賢一郎

( 神奈川大学 ・外 国語学部 ・助教授)

( 東京大学 ・大学院総合文化研究科 ・教授) ( 北海道大学 ・大学院法学研究科 ・助教授) ( 京都大学 ・大学院教育学研究科 ・助教授) ( 島根県立大学 ・総合政策学部 ・助教授) ( 北海道大学 ・言語文化部 ・助教授)

活動経費 として

、3

年 間にわた り、以下の通 り研究費の交付 を受 けたO

【交付決定額】 (金額単位 :円)

直接経費 間接経費 合計

平成

17

年度

2,800,000 0 2,800,000

平成

18

年度

4,600,000 0 4,600,000

平成

19

年度

3,300,000 990,000 4,290,000

以下

、3

年 間の 【 研究活動報告 】を記す。

く2005

年度〉

科研 が採択 された平成

17

年度の共 同研究は 『戦争 ・ラジオ ・記憶』 ( 勉誠 出版

、2006

3

月)の刊行 のための出版打 ち合わせ を兼ねた もので あった

。2005

年度 に開かれた研究会 と調査

な どは下記 の通 りで あった0

2005

6

1

1日 科研打合わせ 、 『戦争 ・ラジオ ・記憶』 ( 秦)の刊行計画 について

2005

7

30

日 科研打 ち合わせ、『戦争 ・ラジオ ・記憶』 ( 編集担 当者 との打 ち合わせ)

2005

8

10

‑1

1日 鳥取県米子市南部町 「 祐生出会いの館 」所蔵 のポス ター調査

2005

9

10

‑1

1日 『戦争 ・ラジオ ・記憶』編集作業 と打 ち合 わせ

2005

11

18

日 『戦争 ・ラジオ ・記憶』編集作業 と打 ち合わせ

2006

3

8

‑1

0日 「 函館市 中央図書館」のポスター、 コレクシ ョンの調査

2006

3

20

日 『戦争 ・ラジオ ・記憶』 ( 勉誠 出版社、刊行)

〈2006

年度〉

平成

18

年度の共同研究は

2006

4

2

日に開催 された 『戦争 ・ラジオ ・記憶』の出版記念

‑2‑

(3)

会 を もって始 まった。 同 日の打 ち合 わせ会 で、研究分担者 の佐藤卓 己氏が 日本 においては 自明 な 日時 として認知 され てい る 1945 8 15日とい う終戦記念 日が世界各 国では どの よ うに受 け止 め られ てい るのか、 につ いて東 アジア各国のメデ ィアの動 きを調べ るこ とを提案 し、多 く の方 の賛意 を得た。

その後 、2006 5 13日には科研研 究会が開かれ 、 「中国の電力産業 に関連す る最近 の研 究 と資料 の報告」(金 丸裕 一氏 立命館 大学 ・経済学部)と 「戦後上海 の私営 ラジオ局一娯楽番 組 を中心 に」 (森 平崇文 東京大学大学院 ・博士課程)の二つの報告 が、2006 7 8日の科 研研 究会 には 「満洲 国 ラジオ録音盤 の発 見 につ いて‑ 『音』 とい う非文字資料

(野村優夫 NHK・日本放送協会 アナ ウンサ) と題す る報告 がそれ ぞれ行 われ た。

この間、科研 の研究分担者 を中心 に 2006 12 2日に 「メデ ィアにお け る終戦 ・敗戦 ・解 放」 とい うシンポジ ウムを開催す るこ とが決定 し、9月 にはその予備調査 を兼ねて韓 国の西江 大学 の元容 鎮教授 の協力 を得 て、公 営放送 の KBSMBCな どの放送局 を訪 問す る傍 ら、韓 国の 言論情報学会 の会員 らと韓 国 において

8

15日の解放記念 日が どの よ うに定着 したのか、につ

いて意見交換 した。

2006 11 17日には 12月 のシンポ ジ ウム報告者 の予備報告 が行 われ た。日本 国内の沖縄 、 北海道 と本土 とは、8 15日の終戦記念 日の意味が異 なるこ とが報告 され 、また、中国、韓 国、

台湾 、 ビルマ 、イ ン ドな ど東 アジア諸 国にお ける終戦記念 日の制 定過程 が紹介 され たO

以上 の準備 を‑て、2006 12 2 日に国際 シンポジ ウム 「メデ ィアにお ける終戦 ・敗戦 t 解放」が開催 され たO

シンポジ ウム 「メデ ィアにお ける終戦 ・敗戦 ・解放」プ ログラム

第‑部 司会 並木頼寿 (東京 大学大学院総合文化研 究科)

1

.「 8

15日のメデ ィア神話」佐藤卓 己 (京都 大学大学院教育学研 究科)

2.

「ドイ ツ と 日本 にお ける敗戦 の意 味」サー ラ ・ス ヴェン (東京大学大学院総合文化研 究科 )

3.

沖縄 の終戦 と敗戦」福間良明 (香川 大学経済学部)

4.北海道 ・北方 にお ける終戦」 白木沢旭児 (北海道大学文 学部)

5. 「

『中外 日報』 にみ える戦争 の記念 日」溝 田陽 (帝京 大学短期 大学)

第二部 司会 孫安石 (神奈川大学外 国語学部)

6.

二つ の 占領/一つ の記念 日‑ 南北朝鮮 にお ける

8

15日」小林聡 明 (日本学術振 興会)

7.台湾 の解放 と中華 民国」川 島真 (東京 大学大学院総合文化研究科)

8.

中国の新 聞メデ ィアにお ける 『戦勝』報道」貴志俊彦 (島根 県立大学大学院北東 ア ジア研 究科)

9 ,

韓 国にお ける解放 とメデ ィア

」W o n Yo ngJi m(

韓 国 ・西江大学校)

第三部 司会 佐藤卓 己 (京都 大学大学院教育学研 究科)

10. 「中国の抗戦勝利記念 日とメデ ィア ・イベ ン ト」孫安石 (神奈川 大学外 国語学部 )

ll

.

「ビルマ にお ける 日本 の敗戦 とその意味」根本敬 (東京外 国語大学 ア ジア ・ア フ リカ

ー 3 ‑

(4)

言語文化研究所)

12. 「イ ン ドの解放 とメデ ィア」本 田毅彦 (帝京大学文学部) 13. 「シンガポールか らみた 日本の敗戦 とその意味

く2007年度〉

共同研究の 3年 目を迎 えた 2007年度の活動は、韓国 ・ソウル会議の開催 と佐藤卓 己 ・孫安石 編 『東アジアの終戦記念 日』 (ち くま新書)の刊行、 「戦争 とメディア、そ して生活」 シンポ

ジウム (12月)の開催の三つに要約 できる。

2007年 4月の ソウル会議 は、2006年度のシンポジウムに参加 した元容鎮教授 (西江大学)の 紹介 によるもので、 「アジアにおける 8・15を考 える

(韓国言論情報学会 と共同開催) とい う題で行われた。この会議 には 日本か らは研究代表者孫安石のほか 4名が参加 し、佐藤卓 己 「日 本 と8月 15日の神話」、福間良明 「沖縄 における 8月 15日の意味」、小林聡明 「北朝鮮 と 8 月 15日」声健次 「在 日韓国人がみた 8月 15日」、孫安石 「中国の抗戦勝利記念 日の意味」 と

い う報告 を行 った。

次に佐藤卓 己 ・孫安石編 『東アジアの終戦記念 日』 (ちくま新書)は 2006年 12月 に開催 さ れたシンポジウム報告 を下敷 きに した もので、研究分担者の佐藤卓己氏の全面的な協力 をえた

ことに感謝 したい。

ところが、共同研究を進 めるなかで、次のよ うな問題提起がなされた。す なわち、今回の共 同研究が取 り上げたのは、新聞、雑誌 、ラジオな どを主にした もので、その他 に、我々の生活 によ り密接 しているメディアを取 り上げるべきではないか、とい う問題提起である。た しかに、

新聞、雑誌 、ラジオな どのマスメデ ィアが社会 に与 えた影響が大きかったことは間違いないが、

これ らの情報は様 々なメデ ィア媒体 によって再構成 され、複製 され、人々の生活 と記憶の一部 として形 を変 える。

そ こで、これ らの問題提起に答 える と同時に、異分野の研究メンバーが学際的な議論 を展開 す る場 を提供すべ く、関連研究者 に参加 を呼びかけたのが、シンポジウム 「戦争 とメデ ィア、

そ して生活

(12月 1日)である。

このシンポジウムでは、従来のメデ ィア研究では取 り上げ られ る機会が少なかった写真、広 告、伝単、絵 はがき、郵便切手、玩具、着物柄 な どを取 り上げ、メディア情報が どの よ うに複 製 されてい くのか、について活発 な議論が行われた。

また、シンポジウム会場 には乾淑子氏、中尾徳仁氏、貴志俊彦氏、サン トリー ビール博物館 の協力 を得て、戦争図柄の着物、天理大学参考館 の満洲玩具写真パネル、祐生出会いの館が所 蔵す る中国 と清洲 に関連す るポスターな どを紹介す る展示会 を付設 し、シンポ参加者が直接、

資料 を見て感 じることができるよ うに工夫 し、多 くの方の好評 をえた と自負 している。

シンポジウム 「戦争 とメデ ィア、そ して生活」プ ログラム

‑4‑

(5)

「ェ フェメラル ・メデ ィア としての戦時宣伝 ビラ」土屋礼子(大阪市立大学大学院文学研究科教授)

「戦争 と伝単 とい うメデ ィア」一 ノ瀬俊也 (埼玉大学教養学部准教授)

「写真プ ロパガンダ化計画」 白山真理 (日本カメラ博物館運営委員) コメンテー ター :川 島真 (東京大学大学院総合文化研究科准教授)

2.

収集 され るメデ ィアー絵はがき、切手、ポスター

「絵はがきの世界史」細馬宏通 (滋賀県立大学人間文化学部准教授)

「切手 とい うメデ ィアが含蓄す るもの」 内藤陽介 (切手の博物館副館長)

「商業ポスターの見方、読み方、考え方」 田島奈都子(姫路市立美術館学芸員) コメンテー ター :佐藤卓 己 (京都大学大学院教育学研究科准教授)

3.

生活 に刻 まれた時局一着物 と玩具

「着物柄 にみ る清洲 一五色旗 ・地図 ・鉄道 ・薄儀」乾淑子 (北海道東海大学教授)

「日本人が蒐集 した満洲玩具が伝 えるもの」中尾徳仁 (天理大学附属天理参考館学芸員) コメンテー ター :貴志俊彦 (神奈川大学経営学部教授)

総合 司会 孫安石 (神奈川大学外国語学部准教授)

討論の部 並木頼寿 (東京大学大学院総合文化研究科教授)

3年間にわたる共同研究活動の概略は以上である。勿論、 ここに全て書き記 していない共同 研究の副産物 も多い。例 えば、1920年代 に中国の上海で刊行 された総合写真雑誌の 『良友』画

報 を取 り上げた研究会活動 と 『アジア遊学』特集‑ 『良友』画報 とその時代 (2007年 9月)の 刊行 は本共同研究 と密接 なっなが りをもつ ものである。また、戦前の満洲 にお ける 日本のラジ

オ放送の実態 を窺 える資料 として長春市図書館が所蔵す る 『放送番組批判集』、 『放送番組手 続案』、 『放送係主任会議打合事項』、 『第‑回管内局長会議諮 問答案答 申事項』な ど関連資 料 を入手 したが、まだ、活用できずにいるOできるだけ早い時間にその概要 を紹介す る機会 を 作 らなければな らない。最後 になったが、2007年 12月 に開催 されたシンポジ ウム 「戦争 とメ デ ィア、そ して生活」の報告原稿は、『アジア遊学』の特集号 として 2008年度 中には刊行すべ

く企画を進 めている。今後 も多 くの方の協力をえて、東アジアメデ ィア研究を続 けていきたい。

‑ 5 ‑

参照

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