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Academic year: 2022

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(1)

令和2年度 専門研修課程Ⅱ

第 2 章- 4

入退院時等における医療との 連携に関する事例

豊見城中央病院ケアプランセンター 管理者 高良清健

(2)

【目的】 (P233)

入退院時等における医療との連携に関する事例を用いて講義・

演習を行うことにより、医療との連携に必要な知識および医療 との連携を踏まえた効果的なケアマネジメント手法を修得する。

また、演習等で得られた入退院時等における医療との連携に 係る示唆、留意点等を踏まえ、他の事例にも対応することができ る知識・技術を修得する。

(3)

【本章の修得目標】 (P233)

①入退院時におけるケースの居宅サービス計画等の実践事例に ついて意見交換を通して分析し評価できる。

②分析し評価した内容を受講者間で共有し、アセスメントや居宅 サービス計画等の作成における留意点を判断できる。

③各種統計データを活用する等により、別の類似の事例等への 応用ができる。

④地域の各種統計データを必要に応じて活用することにより、他 の事例へも応用できる。

⑤医療職をはじめとする多職種との連携方法への応用ができる。

⑥地域の社会資源(インフォーマルサービス等)を活用したケア マネジメントを実施できる。

(4)

Ⅰ、高齢者の疾患について (P234

①高齢者に特に多い疾患について

高齢者の疾患に関する理解と現状の把握と適切な分析は、

介護支援専門員にとって支援する上でとても大切です。

介護支援専門員だけでの知識では不十分であることが多い ので、日頃からの医療職との連携が重要です。

(1)廃用症候群

→ 過度に安静することによる二次的障害。

予防的な早期のリハビリテーションが重要。

(2)認知症

→ 種類によって治療や対応が異なるので、それぞれの特徴 を押さえて支援する必要がある。

(5)

3)がん末期

回復の見込みがなく、概ね余命が6ヶ月未満。

短期間で進行し悪化するので、医療との連携が重要。

4)骨折

部位としては大腿部頚部が多くを占める。

骨折をきっかけに廃用、意欲低下、ADL低下が見られる。

5)脳血管障害(脳卒中)

手足の麻痺やしびれ、言語障害などの後遺症が残る事が多 い。急性期、回復期、生活期(維持期)の3期に分類される。

6)パーキンソン病

→ 進行性の疾患。「ホーン・ヤールの重症度分類」と「生活機能 障害度」が用いられる。ヤールⅢ以上、生活機能障害2度 以上で、難病医療費助成制度の対象となる。

(6)

(7)心不全

心臓への負担が大きくなると倦怠感や浮腫が出てくる。

感染症への罹患、塩分、水分管理、過度な運動避ける。

(8)慢性閉塞性肺疾患(COPD

気管支に炎症が起こり、咳や痰が出て呼吸苦が出現する。

在宅酸素療法の管理体制が必要。

(9)糖尿病

高齢者にはⅡ型が多い。口渇、多飲、多尿が出にくい。

低血糖症状の発汗、動悸、手の震えも出にくい。

血糖のコントロールが重要。

10)高血圧症

治療せずに放置していると、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞を 引き起こす。

(7)

ケアマネジメントに必要な2つの視点

介護職

主治医 専門医

ケアマネジャー 連携

連携

ケア的視点

生活を対象にしたアプローチ

医学的視点

病状等を対象にしたアプローチ

・生活歴

・全人的な利用者観

・心身の健康状態

・病状の変化等 医療を必要とする 中重度の要介護者や

認知症高齢者 効果的な

ケアマネジメントには 大きく分けて2つの 視点が求められる

引用:ケアマネジャーのための医療連携ガイド

(8)

2、高齢者に特に多い身体症状とアセスメント (P236

1)痛みについて

急激な痛みは、場合によっては生命の危機につながることもある。

また、慢性的な痛みは進行が緩やかなため軽視されがち。

痛みの状態によっても考えられる疾患も違ってくるため、正しい情報 を医療側へ伝えられるようアセスメントする必要がある。

1)痛みのある部位(腫脹、発赤、緊張、熱感など)

2)痛みの性状(ズキズキ、ピリピリ、刺すような痛みなど)

3)痛みの長さ(いつ、どれくらい、楽になるのはいつかなど)

4)痛みのある時の表情(しかめ面、目をつぶる、うなるなど)

5)痛みのレベル(数値評価尺度、フェイススケールなど)

(9)

2)排便について

高齢者の下痢は受診が必要な場合が多い。食事が減ったり、

痩せてくると生命の危険につながる場合がある。

便秘も多い。便秘による食欲低下がある。

1)便の性状(色、量、におい、形、血液混入、消化状況など)

2)便失禁(腸の異常、機能低下、感染症、褥瘡など)

3)排便状況(排便回数、最終排便日、腹部膨満感、腹痛など)

4)排泄方法(介助の有無、おむつ使用、排泄場所など)

3)発熱について

高齢者は水分貯蔵量が減少するため、脱水症も起こしやすい。

1)発熱の原因(誤嚥性肺炎、尿路感染、インフルエンザなど)

2)発熱による苦痛(悪寒、発汗、寝具の湿潤、汚染、体力低下など)

3)発熱への対応(安静、冷却、薬物療法、衣類寝具調整、口腔 ケア、清拭や足浴など)

(10)

4)かゆみ(掻痒感)について

高齢者の痒みは全身性の疾患を背景とする場合もある。

色々な角度からアセスメントを行い、原因を理解した支援が必要。

1)痒みが起こる原因(気温、湿度の低下、衣類の締付、感染など)

2)ドライスキン(皮脂膜の低下により、僅かな刺激でかゆみ)

3)皮膚の保湿と乾燥予防(スキンケア)

入浴ケア、塗薬

(11)

利用者・家族

相談 代弁機能

ケアマネジャー 医師・看護職

引用:ケアマネジャーのための医療連携ガイド

・医師に遠慮して何も言わなかった

・よく分からないけど、とりあず返事した

・普段の様子を伝えなかった

・医療職へ普段の様子をしっかり伝える

・難しい専門用語を分かりやすく説明してもらう

・夜間の状況など、普段の生活の様子をしっかりと伝える

(12)

③医療に繋がりにくい高齢者への支援 (P238

利用者の中には、病院に行くことを拒否する高齢者がいます。

介護支援専門員だけで悩まず、多職種や主任介護支援専門員、

地域包括支援センターに相談し、助言を受けて一緒に関わる。

④平時からの医療との連携

利用者が医療系サービスを利用する場合は主治医等から意見を 得て、ケアプランを交付する必要がある。(運営基準十九の二)

また、訪問介護事業所等から伝えられた情報や介護支援専門員 がモニタリングの際に把握した情報は主治医や歯科医師、薬剤師 へ情報提供する。(運営基準十三の二)

(13)

・薬が大量に余っているまたは複数回分の薬を一度に服用している

・薬の服用を拒絶している

・使い切らないうちに新たに薬が処方されている

・口臭や口腔内出血がある

・体重の増減が推測される見た目の変化がある

・食事量や食事回数に変化がある

・下痢や便秘が続いている

・皮膚が乾燥していたり湿疹等がある

・リハビリテーションの提供が必要と思われる状態にあるにも 関わらず提供されていない状況

(14)

Ⅱ 入院時の連携 (P239

① 入院時の連携先

介護支援専門員として疾患を抱えた利用者を支援するために どの機関とどのように連携をするのか押さえておく。

1)入院時の連携先

入院先にはこれまでの在宅生活の様子を情報提供し、退院時の 連携を円滑にするため、相談員や看護師等との連携が重要。

2)退院時の連携先

入院前と同じように生活できるかどうか、退院前から見通しを立てて 準備を進める。利用者や家族は今後のことについて不安を抱えて いるので、具体的に相談しておく。

(15)

②入院から退院までの場面に応じた連携 (P240

1)入院前または入院時の支援 1)日程調整

予定入院、緊急入院、どちらの可能性もある事を認識して支援 する。利用者や家族の不安を確認し、入院先の病院と連携する。

また、独居や家族が遠方にいる場合など、どう対応するのかを 確認しておく。

2)状態の把握

入院に至った原因や今後の治療方針など、分かる範囲で利用者 や家族、主治医を通して把握する。

3)入院先の連携担当者との情報共有

入院先の医療機関の機能や特徴、連携窓口を確認し、入院時 情報提供シートを活用して情報提供する。

(16)

平成304月~入院時情報連携加算(Ⅰ)は入院後3日以内、

(Ⅱ)は7日以内に情報提供した場合に算定できる。

4)サービス休止の連絡

入院が決まったら、各在宅サービス事業所へ行ったん休止の連絡 をします。また、入院期間や今後の見通しについての情報も伝え ておきます。インフォーマルサービスへも同様に連絡します。

2)入院中の連携

入院中は利用者が不安を感じています。入院中に面会して様子 を確認したり、病棟看護師から状態を伺うなど、退院後の生活に ついて、利用者や家族とイメージをしておく事が大切です。

1)利用者の心身状況変化の把握

・病状 ・ADL ・認知症状 ・食事摂取状態

・介護量 ・必要なサービスの見直し

(17)

2)介護者状況の把握

家族の心身の状況にも配慮しながら、今後の課題を見据えて ケアプランの作成準備をする。

31)、2)で把握した内容について、利用者や家族の同意を得て 在宅で関わる予定の関係機関に相談して方向性を検討する。

4)退院に向けて、カンファレンス開催の必要性を入院先の病棟 看護師や連携室と確認しておく。

3)退院前の連携(P242

1)退院に向けての再アセスメント

まずは介護支援専門員として利用者の思いを確認することが大切 介護支援専門員一人で判断するのではなく、丁寧に意見を聞き、

医師を始めとした専門職からも助言をもらう。

(18)

2)退院前カンファレンス

【目的】

・スムーズな在宅生活への移行ができる

・在宅の状況に合わせた退院の準備ができる

・医療やリハビリテーションについて、継続できるよう情報提供する

・病状と今後の見通しについて確認する

・医療処置や医療面での注意点について情報共有する

・利用者や家族の不安を軽減する

・自宅へ戻ってからの急変時や緊急時の対応について確認する

・利用者の思い、家族の思い、地域の社会資源、介護力について 共有する

【退院退所加算】

退院、退所するにあたり連携した場合に「退院退所加算」を3回 算定できます。3回算定するためには、そのうち1回は医師も出席 するカンファレンスに参加して退院後の在宅での療養上必要な 説明を受けた上でケアプランを作成することが必要。

(19)

4)退院後の連携(P2431)サービス担当者会議

ケアプラン原案を元に、退院したらすぐにサービス担当者会議を 開催します。各サービス提供機関、地域の支援者なども参加。

2)ケアプランのモニタリング

退院直後は入院前の生活状況とは変わっているので、生活に 慣れるまで頻回にモニタリングを行う事が大切。問題がある場合 は医療や関係機関と情報共有し、速やかに解決の検討をする。

3)通院・服薬状況の確認

退院しても必要な医療を継続して受けられているかどうかを

把握しなければなりません。在宅での様子を医療機関へ報告する ことも大切です。服薬状況については薬剤師とも連携します。

(20)

図表4 入院時の情報提供における課題について(P245) 入院時の情報提供において問題と感じる点

・医療機関に情報提供する機会、タイミングを確保することが難しい

・医療機関から情報提供を求められない

・医療機関の医師とコミュニケーションがうまくとれない

図表5 退院時に医療機関より利用者情報を得ることに置ける課題

・医療機関の都合に合わせた訪問日程調整が難しい

・退院時カンファレンスが行われていない

・医療機関から急な退院の連絡があり、対応が困難

・新規ケースで急な退院の場合、自宅の環境を確認する時間が とれない

(21)

医療・介護連携に係る報酬

院 退

医療側の加算

居宅介護支援側の加算

退

1 2

1

2

退

退

1 2

退

退

退

1

退

退

2

退

退

3

(22)

入院から退院までの連携フロー

①入院時 ②入院中 ③退院調整 ④退院前 ⑤退院~在宅

入院時情報共有 1)病院へ訪問して 面接

2)電話・FAXで連携

入院後病院訪問 退院調整のための 病院訪問

1)アセスメント 2)必要時要介護認 定区分変更

3)試験外泊時の準

退院前カンファレン

サービス担当者会 議開催

連携担当者(退院調 整看護師・MSW・病 棟看護師)

連携担当者 主治医 担当看護師 リハビリ職

連携担当者 主治医 担当看護師 リハビリ職

連携担当者 主治医 担当看護師 リハビリ職 薬剤師 管理栄養士

かかりつけ医(在宅 医)

かかりつけ歯科医 かかりつけ薬剤師 訪問看護

かかりつけ医 かかりつけ歯科医 かかりつけ薬剤師 訪問看護・訪問介護 通所サービス

福祉用具・民生委員 地域包括など

入院時情 報提供書

リハビリ サマリー

看護 サマリー

居宅サー ビス計画 書原案 住宅改修

申請書

退院支援 計画書

訪問看護 サマリー 診療情報

提供書

福祉用具購 入申請書

引用:ケアマネジャーのための医療連携ガイド

(23)

Ⅲ 施設退所時の連携(P250

①入所時の連携

1)在宅から入所

・利用者の入所意志について確認する

・利用者宅を施設職員と同行訪問し、状態を確認する

・施設職員から施設での生活について説明してもらう

・リハビリテーションや医療行為が必要な場合は、担当職種と 同行訪問し、施設でそれらが継続できるか確認する

2)入院先からの入所

・退院後は在宅生活ではなく施設生活になることを利用者と 一緒に決定できない場合は、家族と相談しながら説明する

・入院先に施設職員と同行訪問し、病院側から説明する

・退院時カンファレンスや入所時カンファレンスに参加する

・在宅復帰を目指すことを意識する

(24)

3)虐待が原因での入所(P250

・一時保護のための入所である場合、今後の方向性は施設と 行政との連携が必要

・必要に応じて、警察、保健所等との連携

・これまでの在宅での経過、経緯、入所後の状況は記録しておく

※虐待に限らず、自然災害などでの入所も考えられる

②入所中の連携

在宅復帰 在宅復帰時期を目安に計画

短期利用 入所中の施設生活の過ごし方の検討

③退所時の連携

退所時は事前に情報共有しておく事が大切。利用者が望む 在宅生活の実現に向けてチームで検討する。

治る見込みがない病気になった場合、どこで最期を迎えたいか?

・自宅 54.6% ・病院など医療施設 27.7

(25)

Ⅳ 利用者・家族が継続的に在宅生活を送る上で

必要な資源の把握

①フォーマルな社会資源

生活する地域にはどのような社会資源があるのか把握する 若年性認知症、がんの人、難病の人など

②インフォーマルな社会資源

地域のインフォーマルな社会資源も把握する

③地域ケア会議

社会資源が不足している場合、地域ケア会議を開催し、新しい 社会資源の構築に向けて行政への提案を検討する

(26)

Ⅴ 医療連携におけるデータの活用(P255

データの収集方法としては、地域の要介護認定率や独居、高齢者 世帯のデータ、高齢化率などは介護保険事業計画などを参考に する。

他にも住民のニーズ調査や公的機関で公表しているデータ、受診 率や健康受診率などを参考にする事ができます。

介護支援専門員としてデータから地域の実情を把握し、そこから 地域課題を見出すことも大切な業務の一つです。

(27)

ご清聴ありがとうございました。

今後の皆さんの活躍を 期待しています。

【参考資料】

(一般社団法人日本介護支援専門員協会)

2訂 介護支援専門員研修テキスト 専門研修課程Ⅱ

(中央法規)

ケアマネジャーのための医療連携ガイド

参照

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