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11.農業農村整備事業等におけるアスベスト(石綿)対応マニュアルについて
農振第 270 号 平成 18 年6月 30 日 農村振興局整備部長 から 各農政局整備部長 あて
農業農村整備事業等で造成された各種施設において、維持管理作業等を行う職員、作業者等 がアスベスト(石綿)にばく露されることがないように、当該施設の管理者等が留意しなければ ならない基本的な事項を示した「農業農村整備事業等におけるアスベスト(石綿)対応マニュア ル」を別添のとおり作成したので、業務の参考とされたい。
なお、貴管下関係機関及び各都府県を通し市町村及び土地改良区に対し送付願いたい。
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農業農村整備事業等におけるアスベスト(石綿)対応マニュアル
平成18年9月
農林水産省農村振興局整備部
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農業農村整備事業等におけるアスベスト(石綿)対応マニュアル 目 次
1 . 総 論 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 560(P.2) 1 - 1 マ ニ ュ ア ル の 位 置 付 け
1 - 2 適 用 範 囲
2.石綿含有製品の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・561~565(P.3~P.7) 2-1 石綿含有製品
2-2 石綿含有製品の種類と特徴 2-3 石 綿 粉 じ ん に よ る 健 康 障 害
3 . 石 綿 粉 じ ん ば く 露 防 止 対 策 の 基 本 的 な 考 え 方 ・ ・ ・ ・ ・ 566~ 567(P.8~P.9) 3 - 1 石 綿 粉 じ ん ば く 露 防 止 対 策 の 必 要 性
3 - 2 石 綿 粉 じ ん ば く 露 防 止 対 策 の 基 本 手 順
4.石綿含有製品の使用状況の把握・・・・・・・・・・・・・568~ 573(P.10~P.15) 5.石綿含有製品の劣化・破損状況の把握・・・・・・・・・・574~ 575(P.16~P.17) 6.石綿粉じんばく露防止対策の選定・・・・・・・・・・・・575~ 577(P.17~P.19) 7.石綿含有製品の除去・解体等・・・・・・・・・・・・・・578~ 581(P.20~P.23) 7-1 除去・解体等の工事発注に当たっての留意点
7-2 除去・解体等に当たっての事前調査 7-3 除去・解体等の工事施工上の留意点 7-4 保管、運搬、処分
8 . 石 綿 含 有 製 品 の 「 封 じ 込 め 」 「 囲 い 込 み 」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 582(P.24)
参 考 1 . 石 綿 セ メ ン ト 管 の 事 故 率 か ら 老 朽 度 ラ ン ク を 区 分 し た 危 険 度
・・・ 583~ 584(P.25~P.26) 参 考 2 . 石 綿 含 有 製 品 の 除 去 ・ 解 体 等 の 工 事 と 主 な 関 係 法 令 の 規 定
・・・ 585~ 586(P.27~P.28)
【 参 考 資 料 】
石綿含有製品の除去・解体工事及び囲い込み、封じ込め工事における石綿粉じん へのばく露防止への留意事項
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- 560 - 1.総論
1-1 マニュアルの位置付け
本マニュアルは、農業農村整備事業等で造成された各種施設において、維持管理作業等を 行う職員、作業者等がアスベスト(石綿)にばく露されることがないように、また、使用されている 石綿を含有する製品を、石綿を含有しない製品へ計画的に代替えするに当たって、当該施設の 管理者等が留意しなければならない基本的な事項を示したものである。
(解説)
石綿は、天然に産する鉱物繊維で、日本ではほとんど産出せず、日本に存在するその多くは、
輸入されたものである。石綿輸入量は昭和30年代から増加し、特に昭和45年から平成2年にか けては、年間30万トン程が輸入されている。石綿は繊維の安定性、加工のしやすさ、安さなどの優 れた特性から、その 90%強は建築資材として様々に加工され、使用された。建築資材以外では、
石 綿 セメント管 などに加 工 され、水 道 、工 業 及 び農 業 用 水 等 の配 管 材 として利 用 されている。ま た、機械類の耐熱材、パッキン材、電気機器の絶縁体としても利用されている。
農業農村整備事業においては、用・排水機場の建屋、水管理施設等の管理事務所、子局など の建屋に多く利用されてきた。また、ポンプ機器のパッキン類、電源の操作盤のスイッチ類の絶縁 体、ディーゼル機関の耐熱材などに用いられている。
これら、農業農村整備事業で造成された施設等は、国、都道府県、市町村などが管理するもの の他、大部分は、土地改良区が管理しており、土地改良区の職員等がその作業に従事している。
現在、石綿を含む製品の新規利用は原則として禁止されているが、既に用いられている資材につ いては、今後劣化すると石綿粉じんが空気中に漂い、維持管理作業に従事する土地改良区の職 員等が石綿 粉じんにばく露される危険が予想され、これによる健康被害 を受ける可能性が高くな ることが心配されている。
また、これら石綿を含む製品は、劣 化、破損等 により石綿 粉じんが発生するため、計画的に石 綿を含有しない製品に代替していく必要がある。
本マニュアルは、農業農村整備事業等で造成された各種施設を管理する国、都道府県、市町 村、土地改良区等の管理者及び維持管理に当たる職員等(以下「管理者等」という。)に、石綿粉 じん問題に対処するための基本的な知識と、対処方法の概要を周知するために作成したものであ る。
1-2 適用範囲
本マニュアルは、農業農村整備事業等で造成された各種施設のうち、石綿を含有している製 品を使用している施設・設備において適用する。
(解説)
(1)適用施設
農村振興局が平成17年11月段階で農業農村整備事業等における石綿を含む製品の使用 状況を調査したところ、建築用資材関係では用・排水機場を始めとして、水管理施設等の管理
(事務)所、農業集落排水処理場、農村環境改善センター等の施設で約5千カ所(うち、吹き付 け石綿が確認されたもの156カ所)、農業用用排水路で約 6,800kmの石綿セメント管が使用さ れている。
また、調査には含まれていないが、上記各種の施設では、石綿を含有する製品を使用した電 気・機械設備も数多く設置されている。
本マニュアルは、このように石綿を含有している製品を使用している施設・設備に適用する。
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(2)適用に当たっての留意点
本マニュアルは、石 綿 による健 康 障 害 の防 止 のために制 定 されている各 種の法 令 や指 導 通 知等の規程から、関係部分をわかりやすく解説した参考資料であり、適用に当たってはこれらの 関係法令等を遵守しなければならない。
なお、現時点での関係法令等では、石綿を含有している製品のうち、石綿の含有量が0.1%
(重量比)を超える製品が規制の対象となっている。最近の各分野での議論はより厳しい規制を 求める傾向もあり、今後の動きに留意しつつ適用する必要がある。
2.石綿含有製品の概要 2-1 石綿含有製品
石綿は、耐熱性、耐摩耗性等に優れ、価格も安価であったことから、建築資材、電気 製品等に広く使用されている。石綿含有製品は、農業農村整備事業等で建設された用・
排水機場等の吸音材・断熱材、内・外装材として、また、農業用用排水用の配管材等と して広く利用されてきたが、現在は、石綿の健康への有害性から、これら製品の製造、
使用等は禁止されている。
(解説)
石綿は、耐熱性、耐摩耗性、対薬品性、絶縁性、耐久性等に優れ、価格も安価であった ことから、耐火用吹き付け材、内・外装材、床・天井材等の建築資材、電気製品の絶縁体、
クラッチ、ブレーキ等の自動車部品、配管用の保温材、機械室の吸音材、水道管あるいは 農業用用排水用の配管材等の繊維素材として幅広く使用されてきた。
本マニュアルでは、これら石綿を含む資材・製品を「石綿含有製品」と呼ぶ。
石綿は、天然の繊維状の鉱物で非常に細いものであることから肉眼では見えず、石綿を 吸い込んだことによる肺ガンや中皮腫等の健康障害の恐れが指摘され、昭和50年には吹 き付け石綿が原則禁止された。その後、平成7年には、石綿のうち有害性が高いアモサイ ト(茶石綿)及びクロシドライト(青石綿)の製造、輸入、使用等が禁止され、平成16 年には、クリソタイル(白石綿)を含めて、石綿含有率が1%(重量比)を超える石綿セ メント円筒、押出成形セメント板、住宅屋根用化粧スレート、繊維強化セメント板、窯業 系サイディング、クラッチフェーシング、クラッチライニング、ブレーキパッド、ブレー キライニング及び接着剤の製造、輸入、使用等が禁止されている。また、平成18年9月 の法令改正により、規制の対象が石綿含有率1%超から0.1%超へと見直しされたところである。
(写真:大阪府立公衆衛生研究所 HPより)
農業農村整備事業等で建設され、現在使用されている用・排水機場等の施設でも建築材 料として多く使われている。また、農業用用排水用の配管材として、石綿セメント管が多 く用いられている。今後、このような施設が耐用年数をむかえ、更新整備を必要とする施
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- 562 - 設の急増が予想されているところである。
さ ら に は 、 施 設 の 使 用 ・ 管 理 状 況 に よ っ て は 、 耐 用 年 数 経 過 前 で あ っ て も 、 石 綿 含 有 製 品 の 劣 化 ・ 破 損 に よ っ て 、 石 綿 粉 じ ん が 空 気 中 へ 飛 散 す る 危 険 性 が 増 加 す る こ と も 考 え ら れ る 。
2-2 石綿含有製品の種類と特徴
石綿含有製品は、吹き付け石綿等の「飛散性石綿含有製品」と、石綿スレート、石綿 セメント管等の「非飛散性石綿含有製品」に大別できる。
(解説)
石綿含有製品には、石綿にセメント等の結合材と水を加えて、撹拌混合し、吹き付け機 を用いて吹き付けた、吹き付け石綿及び石綿含有吹き付けロックウール等、劣化にともな い石綿繊維が空気中に飛散する危険性を有しているものと、セメントやケイ酸カルシウム 等の原料に、石綿を補強繊維として混合し一体的に成形された、石綿セメント板、スレー ト、石綿セメント管等通常の使用では石綿繊維が空気中に飛散する可能性は極めて小さい と考えられるものがある。本マニュアルでは、前者を「飛散性石綿含有製品」と呼び、後 者を「非飛散性石綿含有製品」と呼ぶ。
(1)飛散性石綿含有製品
飛散性石綿含有製品には建築材料としての吹き付け石綿、石綿含有吹き付けロックウ ール、吹き付けひる石、パーライト吹き付け、発泡ケイ酸ソーダ吹き付け石綿等があ る。
また、飛散性はやや低いものの、比重が小さいことから飛散性に準じた取り扱いが 求められている石綿含有製品としては石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材、石綿含 有断熱材等がある。
これら飛散性石綿含有製品は、多くのメーカーで、多くの製品が作られている。代 表的な飛散性石綿含有製品である吹き付け材等の製品を表―1に示す。
(建物天井への飛散性吹き付け石綿の状況)
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- 563 - 表―1 代表的な飛散性石綿含有製品
種類 製品名 備考
吹き付け石綿
(耐火被覆材、断熱材)
ブロベスト オパベスト サーモテックスA トムレックス リンペット
昭和 50 年まで製造
石綿含有吹き付けロック ウール
(耐火被覆材、断熱材)
スプレーテックス スプレーエース スプレイクラフト サーモテックス ブロベストR
平成元年まで製造
石綿含有ひる石・パーライ ト吹き付け
(化粧塗材)
アロック ダ ン コ ー ト F ジュラックスB ミ ネ ラ ッ ク ス ミクライト
平成2年まで製造
(2)非飛散性石綿含有製品
非飛散性石綿含有製品には、建築材料としてスレートボード等の成形板、配管材料 として石綿セメント管、強化プラスチック複合管(㈱クボタ製造の一部)、機械部品 としてパッキン、ガスケットや排気管の断熱材、電気部品として電磁開閉器や変圧器 が挙げられるほか、自動車のブレーキ等がある。このように、非飛散性石綿含有製品 には多種多様のものがあり、これらを表-2に示す。非飛散性石綿含有製品は、石綿 がセメント等で固化あるいは密閉されていることから通常の使用では石綿が飛散する ことは起こりにくいが、破損、解体、改修等により飛散する可能性があるので、日常 の管理等に気をつけておかなければならない。
(スレートボード)* (ビニル床タイル)** (配管接合用ガスケット)***
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- 564 - 表ー2 代表的な非飛散性石綿含有製品
種類 石綿含有製品名 製造期間
建築材料 スレート波板 スレートボード*
ケイ酸カルシウム板第1種 ケイ酸カルシウム板第2種 パーライト板
スラグ石こう板 パルプセメント板 窯業系サイディング 押出成形セメント板 住宅屋根用化粧スレート ロックウール吸音天井板 ビニル床タイル**
石綿セメント円筒
平成16年まで製造 平 成 1 6 年 ま で 製 造 平 成 1 1 年 ま で 製 造 平成9年まで製造 昭 和 4 9 年 ま で 製 造 平 成 1 3 年 ま で 製 造 平 成 1 5 年 ま で 製 造 平成16年まで製造 平 成 1 6 年 ま で 製 造 平 成 1 6 年 ま で 製 造 昭和62年以降石綿は未使用 昭和62年以降石綿は未使用 平成16年まで製造
配管材料 石綿セメント管 昭和60年まで製造
強化プラスチック複合管 ㈱クボタで過去に製造した種類のみ該当
①昭和47~61年製造(管長4m)
φ400、450、500、600、700mmの管
②昭和60~61年製造(管長6m) φ1000、1200、1500、2000mmの管 機械部品
ポンプ
バルブ
電動機
エンジン
減速機
その他
ケ ー シ ン グ 接 合 面 の ガ ス ケ ッ ト グ ラ ン ド パ ッ キ ン
ケ ー シ ン グ 接 合 面 の ガ ス ケ ッ ト グ ラ ン ド パ ッ キ ン
電 動 操 作 機 の 接 合 面 ガ ス ケ ッ ト
コ イ ル 絶 縁 部
配 管 接 合 用 ガ ス ケ ッ ト * * *
機 関 本 体 ラ ギ ン グ 材
機 関 各 配 管 接 合 部 の ガ ス ケ ッ ト 付 属 品 用 ガ ス ケ ッ ト ( ク ー ラ 、 温 度 計 等 )
点 検 窓 部 の ガ ス ケ ッ ト 附 属 品 用 ガ ス ケ ッ ト
天 井 ク レ ー ン ブ レ ー キ ラ イ ニ ン グ
平成17年頃まで製造
平成12年頃まで製造
平成17年頃まで製造
平成16年頃まで製造
平成16年頃まで製造
平成17年頃まで製造
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- 565 - 電機部品 MCCB(ブレーカ)
電磁開閉器 スペースヒータ 高圧ヒューズ 集合表示灯
ACB(気中遮断器)
変圧器 補助リレー ブレーキモータ 電磁接触器 真空遮断器 流量計 水位計 濃度計 濁度計 圧力計
平成16年まで製造 平成12年まで製造 平成14年まで製造 平成4年まで製造 平成17年まで製造 平成7年まで製造 平成5年まで製造 平成2年まで製造 平成16年まで製造 平成13年まで製造 平成10年まで製造 平成17年まで製造 平成9年まで製造 平成17年まで製造 平成10年まで製造 平成11年まで製造
その他 自動車のブレーキ、クラッチ 接着剤
2―3 石綿粉じんによる健康障害
石綿粉じんを吸引すると、肺ガンや中皮腫等の重大な健康障害が発生するおそれがあ ると指摘されている。これら石綿粉じんによる健康障害には吸引から発症までの潜伏期 間が長いものもある。
(解説)
建築物や工作物に用いられている石綿含有製品が劣化し飛散する状況になると当該施設 及びその周辺が石綿粉じんに汚染される。
石綿粉じんを吸入することにより、次のような健康障害が発生するおそれが指摘されて いる。
① 石綿肺(じん肺の一種)
肺が繊維化するものでせき等の症状を認め、重症化すると呼吸機能が低下する。
②肺癌
肺にできる悪性の腫瘍である。
③ 胸 膜 、 腹 膜 等 の 中 皮 腫 ( 癌 の 一 種 )
肺 を 取 り 囲 む 胸 膜 等 に で き る 悪 性 の 腫 瘍 で あ る 。
こ れ ら の 疾 病 は 、 石 綿 粉 じ ん を 少 量 吸 入 し て も 発 症 す る 可 能 性 が あ り 、 ま た 石 綿 粉 じ ん の ば く 露 か ら 発 症 ま で の 期 間 が 相 当 長 い も の も あ る 。
さ ら に 石 綿 を 直 接 取 り 扱 っ て い な い 場 合 で も 、 例 え ば 、 維 持 管 理 作 業 等 に 従 事 す る 職 員 等 が 、 用 ・ 排 水 機 場 の 建 屋 内 に お い て 、 石 綿 含 有 製 品 の 劣 化 ・ 破 損 に よ っ て 発 散 し た 石 綿 粉 じ ん を 吸 引 し て し ま う 可 能 性 が あ り 、 注 意 が 必 要 で あ る 。
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- 566 - 3.石綿粉じんばく露防止対策の基本的な考え方 3 ― 1 石 綿 粉 じ ん ば く 露 防 止 対 策 の 必 要 性
石綿含有製品を使用している施設を使用・管理する組織の管理者は、石綿による職員 等の健康障害を防止するため、石綿含有製品を石綿を含有しない製品に計画的に代替え するよう努めなければならない。また、石綿含有製品の劣化、損傷等により石綿粉じん の発散の恐れがあるときは、除去、封じ込め、囲い込み等の石綿粉じんばく露防止対策 を行わなければならない。このため施設の管理者は、管理する施設での石綿含有製品の 種類、使用状況等を適切に把握する必要がある。
(解説)
「 石 綿 粉 じ ん に よ る 健 康 障 害 」 を 回 避 又 は 防 止 す る た め 、 「 石 綿 障 害 予 防 規 則 」
( 以 下 「 石 綿 則 」 と い う 。 ) 第 1 条 及 び 第 1 0 条 で は 、 事 業 者 の 責 務 と し て 次 の こ と が 規 定 さ れ て い る 。
第1は、「事業者は、石綿による労働者の健康障害を防止するため、石綿含有製品の使 用状況等を把握するとともに、石綿含有製品を計画的に石綿を含有しない製品に代替えす るよう努めなければならない(石綿則第1条関係)」である。第2は、「壁・柱・天井等 に吹き付けられた石綿等が損傷、劣化等で粉じんを発生させる恐れがある場合は、その石 綿等の除去、封じ込め、囲い込み等を行わなければならない(石綿則第10条関係)」で ある。
この場合の事業者とは、労働安全衛生法では「事業を行う者で労働者を使用するもの」
と定義されており、農業農村整備事業で造成された施設等の管理を業務内容とする土地改 良区の組織に例えれば、事業を行う者は土地改良区であり、労働者は土地改良区の職員で あって、土地改良区が事業者として石綿則第1条及び第10条を遵守しなければならない ことになる。
「除去」、「封じ込め」、「囲い込み」の定義は以下の通りである。
「除 去」:吹き付けられた石綿等をすべて除去し、他の石綿を含有しない代替品と 交換することをいう。この方法は、吹き付けられた石綿等からの粉じん発散 を防止する方法としてもっとも効果的な方法であり、損傷や劣化により石綿 の脱落、繊維の垂れ下がりがある場合、基層材との接着が悪く吹き付け層が 浮き上がっている場合、振動や漏水部で使われている場合等では原則として この方法による。
「封じ込め」:吹き付けられた石綿等から、石綿粉じんの飛散を防止するために固化す ることをいう。吹き付けられた石綿の表面に固化剤を吹き付け塗膜を形成す る方法や、吹き付けられた石綿等の内部に固化剤を浸透させ、石綿繊維の結 合力を強化する方法がある。
「囲い込み」:吹き付けられた石綿等を石綿を含有しない製品で覆い、石綿粉じんが発 散しないようにすることをいう。
3-2 石 綿 粉 じ ん ば く 露 防 止 対 策 の 基 本 手 順
施設の管理者は、石綿含有製品の使用状況を把握し、使用されている場合には、その劣化、
破損状況に応じた、適切な石綿粉じんばく露防止対策を講じなければならない。
(解説)
石綿を含有 する製品を使用している施設の管理者は、その管理している諸施設 に、どのような 石綿含有製品が、どのような場所に、どのような形で利用されているかをまず把握し、次にその劣
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化、破損状況を把握するとともに、石綿粉じんの飛散のおそれに応じた、適切な粉じんばく露防止 対策を講じなければならない。
石綿粉じんばく露防止対策の基本的な手順を次に示す。
①石綿含有製品の使用状況の把握
石綿含有製品が使用されているか否か、また使用されている場合はその場所及び範囲、
さらにそれら製品が飛散性石綿含有製品か非飛散性含有製品かを把握する。
②石綿含有製品の劣化、破損状況の把握
飛散性石綿含有製品については、劣化、破損又は飛散の状況、及びその程度等を把握 する。
非飛散性石綿含有製品については、劣化又は破損の状況、及び飛散のおそれを把握す る。
③石綿粉じんばく露防止対策の選定
①、②の調査結果に基づき、「除去・解体」、「封じ込め」、「囲い込み」、「製品
・部品交換」等の対策のうちから適切な方式を選定する。劣化又は破損がなく安定して いる場合は定期的に「監視・記録」を行うようにする。
④石綿含有製品の除去、解体等の対策工事の発注
選定した防止対策に応じた工事の施工を発注する。なお、設計等の発注は必要に応じ て行う。
① 石 綿 含 有 製 品 の 使 用 状 況 の 把 握
② 劣 化 ・ 破 損 状 況 の 把 握
③ 石 綿 粉 じ ん ば く 露 防 止 対 策 の 選 定
除 去 ・ 解 体 封 じ 込 め 囲 い 込 み 製 品 ・ 部 品 交 換 監 視 ・ 記 録
④ 対 策 工 事 等 の 発 注 ( 廃 棄 物 処 理 を 含 む 。 )
図 ― 1 石 綿 粉 じ ん ば く 露 防 止 対 策 の 基 本 手 順
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- 568 - 4.石綿含有製品の使用状況の把握
農業農村整備事業等で造成された各種施設には石綿含有製品が数多く使用されている が、これら石綿含有製品のすべてを目視のみによって確認することは困難であり、設計 図書等でも確認するとともに、必要に応じて、施設造成時の関係者への聞き取りやメー カーへの確認を行うことが望ましい。また、使用状況の調査結果は保存しておくことが 必要である。
(解説)
農業農村整備事業で造成された各種施設には石綿含有製品が数多く使用されている。
これら、石綿含有製品の使用場所の事例をあげることは容易であるが、実際に土地改良 区等で管理している諸施設で具体的にどこにどのようなものが使用されているのかを特定 することは、造成時から長期間が経過していることが多く極めて困難である。また、造成 時の図面等が入手できたとしても、材料名が商品名であったり、単に工法が記されていた りするケースも多く、メーカー名や製作年月日を知ることは困難なことが多い。施設を目 視して疑わしい場所が分かる場合もあるが、天井裏や壁裏など若干の作業を伴わなければ 目視できない場合も多い。さらに、石綿セメント管の使用状況などの目視は、大口径管で は管内部から行えるものの、小口径管では管の埋設深度まで掘削を行う必要がある。
このように、石綿含有製品の使用状況のすべてを、正確に確認することには困難な面も 多いが、造成時の図面等の設計・施工資料を収集するとともに、必要に応じて当時を知る 関係者への聞き取り、メーカーへの確認、除去、解体等を専門とする事業者等への意見聴 取を行うことが望ましい。
なお、これら石綿含有製品の使用状況の調査結果は、石綿含有製品の除去、解体等を建 設業者等に依頼する場合に、工事の発注者として請負者に通知しなければならないため、
適正に保管しておく必要がある。
用・排水機場で使用されている主な石綿含有製品とその使用場所を図―2に示す。
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図―2 用・排水機場で使用されている主な石綿含有製品 石 綿 セ メ ン ト
【盤類】
変圧器(ガスケット) スペースヒータ(断熱材)
電磁開閉器(サーマルヒータ絶縁紙) 電磁接触器(スロスバー成型材料) 補助リレー(リレー内部の接着剤)
内装材 (石膏ボード)
床材
(ビニル床タイル、フリーアクセスフロア)
・仕切弁軸封部:(グランドパッキン)
・仕切弁ケーシング合わせ面:(シートガ スケット)
・ 仕 切 弁 駆 動 部 ギヤケース合 わ せ 面
:(シートガスケット)
・逆止弁ケーシング合わせ面:(シートガ スケット)
・ポンプ軸封部:(グランドパッキン)
・ポンプケーシング合わせ面:((シートガスケット)
・配管フランジ接合面:(シートガスケット)
・電動機:(絶縁材) 内装材
(吸音断熱材)
ホイスト (ブレーキライニング)
天井材
(吹付け石綿、
吹付ロックウール)
シートガスケット シートガスケット
グランド パッキン ガスケット
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(1)目視による調査
建 築 物 等 の 石 綿 含 有 製 品 の 使 用 の 有 無 を 目 視 だけで判断することは非常に困難であるが、飛散
性の吹き付け石綿等については、その外見上から 表 ― 3 に 示 し た 特 徴 を 勘 案 し て 概 ね の 判 断 が 可 能である。
(天 井 へ の 飛 散 性 の 吹 き 付 け 石 綿 の 状 況 ) 表―3 吹き付け石綿等の外見上の特徴
種類 外見上の特徴
吹き付け石綿 表面は、青色、灰色、白色及び茶色に仕上がっている。2層吹 き付け(下吹きが青色又は灰色、上吹きが白色)になっている 場合もある。
針で突いてみると容易に貫入する。
吹き付けロックウール 吹き付け石綿に酷似している。上段の吹き付け石綿の特徴でな い場合はこの吹き付けである可能性が高い。
吹き付け石綿同様、針で突くと容易に貫入する。
吹き付けひる石
(バーミキュライト)
黄金色で光沢のある雲母状の鉱石が確認できる。
針で突いても容易に貫入しない。
(2)設計図書等での調査
建築物等の設計図(施工図)及び仕様書(以下「設計図書」という。)で石綿含有 製品の使用状況を調査する。ただし、発注時の設計図書で石綿を含有する商品名が記 載されている場合でも、実際の施工においては同様の性能を持った石綿を含有しない 商品が使用されている場合や、同一商品名でも石綿が含有しているものと、含有して いないものがあるので、不明な場合は製造元に確認する必要がある。
石綿セメント管については設置時期が相当古いものが多いため、配管図等の設計図 書の収集に困難が予想されるが、当時の工事の関係者等に聞き取りを行う等の努力が 必要である。また、劣化の程度等を知るため、調査地区での破裂、漏水事故等の記録 を収集し、設計図書と重ね合わせて劣化の程度を調査することも必要である。
石綿含有製品は、前述の通り製品の製造、使用時期が制限されていることから、建 築物等の施工時期を確認し、設計図書での調査を行うと効率的である。
(3)分析による調査
目視及び設計図書等で調査しても石綿含有製品の使用が確認できない場合は、当該 製品から試料を採取し、石綿含有量等の分析を行わなければならない。
石綿含有量の分析方法等は、「建築物の耐火等吹き付け材の石綿含有量の判定方法 について」(平成8年3月29日付け労働省(現厚生労働省)労働基準局長通知)及 び「建材中の石綿含有率の分析方法について」(平成17年6月22日付け厚生労働 省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長通知)で示されているが、高度な技術を要 するので、専門的な分析機関に依頼することが必要である。
( 4 ) 建 築 材 料 の 留 意 点
農 業 農 村 整 備 事 業 等 に お い て は 、主 に 用・排 水 機 場 、管 理 事 務 所 及 び 機 材 置 場 、 車 庫 等 の 付 属 建 物 、 子 局 、 あ る い は 孫 局 等 、 水 管 理 施 設 の 建 屋 等 が 調 査 対 象 と な る 。 石 綿 の 使 用 量 の 約 9 0 % は 建 築 材 料 と 言 わ れ て お り 、 こ れ ら の 施 設 で は P.12
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石 綿 含 有 建 築 材 料 が 多 数 使 用 さ れ て い る と の 認 識 が 必 要 で あ る 。 表 ― 4 に 主 た る 使 用 例 を 示 す 。
表 ― 4 建 築 材 料 と し て の 使 用 例
使 用 部 位 石 綿 含 有 建 築 材 料 の 種 類 製 造 期 間 内 壁 、天 井 ス レ ー ト ボ ー ド
け い 酸 カ ル シ ウ ム 板 第 一 種 パ ー ラ イ ト 板
ス ラ グ せ っ こ う 板 パ ル プ セ メ ン ト 板
平 成 1 6 年 ま で 製 造 平 成 1 4 年 ま で 製 造 昭 和 4 9 年 ま で 製 造 平 成 1 3 年 ま で 製 造 平 成 1 5 年 ま で 製 造 内 壁・天 井
の 吸 音・断 熱
石 綿 含 有 ロ ッ ク ウ ー ル 吸 音 天 井 板 * 吹 き 付 け 石 綿
石 綿 含 有 吹 き 付 け ロ ッ ク ウ ー ル 石 綿 含 有 ひ る 石 ・ パ ー ラ イ ト 吹 き 付 け
昭 和 6 2 年 ま で 製 造 昭 和 5 0 年 ま で 製 造 平 成 元 年 ま で 製 造 平 成 2 年 ま で 製 造 天 井 の 結
露 防 止
屋 根 用 折 板 裏 断 熱 材 平 成 元 年 ま で 製 造 床 ビ ニ ル 床 タ イ ル * *
フ ロ ア 材
昭 和 6 2 年 ま で 製 造 平 成 2 年 ま で 製 造 外 壁 、軒 天 窯 業 系 サ イ デ ィ ン グ * * *
押 出 成 形 セ メ ン ト 板 ス レ ー ト ボ ー ド ス レ ー ト 波 板
け い 酸 カ ル シ ウ ム 板 第 一 種 石 綿 発 泡 体
平 成 1 6 年 ま で 製 造 平 成 1 6 年 ま で 製 造 平 成 1 6 年 ま で 製 造 平 成 1 6 年 ま で 製 造 平 成 1 4 年 ま で 製 造 不 明
鉄 骨 の 耐 火 被 覆
吹 き 付 け 石 綿
石 綿 含 有 吹 き 付 け ロ ッ ク ウ ー ル 石 綿 含 有 耐 火 被 覆 板
け い 酸 カ ル シ ウ ム 板 第 二 種
昭 和 5 0 年 ま で 製 造 平 成 元 年 ま で 製 造 平 成 1 2 年 ま で 製 造 平 成 9 年 ま で 製 造 屋 根 ス レ ー ト 波 板
住 宅 屋 根 用 化 粧 ス レ ー ト * * * *
平 成 1 6 年 ま で 製 造 平 成 1 6 年 ま で 製 造 煙 突 石 綿 セ メ ン ト 円 筒
石 綿 含 有 煙 突 用 断 熱 材
平 成 1 6 年 ま で 製 造 平 成 4 年 ま で 製 造
(天井 吸音材)*
(ビ ニ ー ル 床 タ イ ル )* *
P.13
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( 5 ) 配 管 材 料 の 留 意 点
石綿セメント管は農業農村整備事業等において、昭和20年代後半から昭和40年代前半 にかけて用・排水施設の管路(パイプライン)やサイホンに主に使用されている。製造期間や 使 用 条 件 に つ い て は 表 ― 5 に 示 す と お り で あ る が 、 口 径 は φ1000mm 以 下 、 静 水 圧 が
0.75MPa 以下の管路が多い。また、設計図書では、石綿セメント管、石綿管などの名称のほ
かに、記号で ACP やAPなどと記載されていることも多い。
強化プラスチック複合管は、FRPM管などとも呼称されるが、石綿を含有している製品は昭
和61年までに(株)クボタで製造された表―5に示す一部の口径のものに限られる。
表―5 石綿セメント管と石綿含有強化プラスチック複合管の製造期間と使用条件
石綿含有製品名 製造期間と使用条件
石綿セメント管 昭和 60 年まで製造
昭和 7 年~昭和 60 年 日本エタニット(株) 昭和 13 年~昭和 54 年 秩父セメント(株) 昭和 29 年~昭和 50 年 久保田鉄工(株) (社名は当 時のもの)
口径 φ50~φ1500mm
最大使用静水圧 1種 0.90MPa 2種 0.65MPa 3種 0.50MPa 4種 0.30MPa 呼称の例 石綿セメント管(パイプ)
石綿管(パイプ) アスベスト管(パイプ)
アスベストセメント管(パイプ) ACP
AP
エタニットパイプ(エタパイ)
強化プラスチック複合管 ㈱クボタ(旧社名:久保田鉄工(株))で過去に製造した以下の 種類のみ該当
①昭和 47~61 年製造(管長 4m) φ400、450、500、600、700mm の管
②昭和 60~61 年製造(管長 6m) φ1000、1200、1500、2000mm の管
最大設計水圧 1 種 1.3MPa 2 種 1.05MPa (静水圧+水撃圧) 3 種 0.7MPa 4 種 0.5MPa 5 種 0.25MPa
呼称の例 強化プラスチック複合管 FRPM 管
FW 管(パイプ)
(住 宅 屋 根 ス レ ー ト )* * * * (サ イ デ ィ ン グ )* * *
(石綿セメント管とその継ぎ手) P.14
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小配 管 フラ ン ジ用 ガ スケ ッ ト
ハン ド ホー ル 用 ガス ケ ット
2 つ 割 り 面(ひ も 状 ガス ケ ット)
グ ラ ン ド パ ッ キン
固 定 子 コ イ ル(メ ー カ によ り 異な る)
( 6 ) 機 械 、 電 気 部 品 の 留 意 点
機 械 に つ い て は 、 主 と し て 、 ポ ン プ 設 備 の パ ッ キ ン 、 デ ィ ー ゼ ル 機 関 本 体 及 び 配 管 ( 排 気 管 、 冷 却 水 等 ) の 保 温 ・ 断 熱 材 と し て 使 用 さ れ て い る 。 電 気 部 品 に つ い て は 、 ポ ン プ 機 械 の 配 電 盤 、 各 種 制 御 機 器 の 絶 縁 関 係 へ の 使 用 が 中 心 で あ る 。
こ れ ら の 使 用 状 況 の 把 握 に つ い て は 、 ユ ー ザ ー で あ る 管 理 者 で は わ か り に く い も の が 多 い の で 、 必 要 に 応 じ て メ ー カ ー へ の 確 認 を 行 う か 、 あ る い は 修 理 ・ メ ン テ ナ ン ス に 当 た る 専 門 技 術 者 の 助 言 を 受 け る 必 要 が あ る 。
変圧器
配 管 フ ラ ン ジ 部 の パ ッ キ ン 及 び バ ル ブ軸部のシールガスケット
気中遮断器 消弧室
パワーヒューズ ヒューズ管(スペーサ)
スペースヒータ 断熱材
P.15
- 574 - 5.石綿含有製品の劣化、破損状況の把握
石綿含有製品の劣化、破損状況は、当該製品の使用場所等に応じて、目視その他の方 法で把握する。
(解説)
非 飛 散 性 石 綿 含 有 製 品 は 、 当 該 製 品 に 含 ま れ る 石 綿 が 飛 散 し な い 「 封 じ 込 め 」 の 状 況 に あ る と の 認 識 が 必 要 で あ る 。 ま た 、 飛 散 性 石 綿 含 有 製 品 で も 、 当 該 製 品 が 、 石 綿 を 含 有 し て い な い 製 品 で 覆 わ れ て い る 場 合 は 、 「 囲 い 込 み 」 に よ る 対 策 済 み と 同 様 と 判 断 さ れ る 。
こ の た め 、 石 綿 含 有 製 品 の 劣 化 、 損 傷 状 況 の 把 握 は 、 主 に 露 出 し て い る 石 綿 含 有 製 品 を 目 視 す る 方 法 で 行 う こ と に な る 。
た だ し 、 振 動 を 発 生 す る 施 設 に お い て は 、 飛 散 性 石 綿 含 有 製 品 が 囲 い 込 み 状 況 で あ っ て も 損 傷 し て い る 場 合 も 考 え ら れ る こ と か ら 、 空 気 中 の 石 綿 濃 度 測 定 に よ り 石 綿 粉 じ ん の 発 生 状 況 を 確 認 す る こ と が 望 ま し い 。
(1)飛散性石綿含有製品の劣化、破損の程度
飛散性石綿含有製品は、劣化、破損状況の程度で、石綿が飛散する可能性が大き く違うので、飛散防止対策も、その状況に応じて行う必要がある。
このため、劣化、破損の程度を次の3つの区分に分類する。
区分1:劣化、破損の程度が大きく、
吹き付け面等にくずれ、垂れ 下がりが見られたり、床面に 製品の一部の飛散、基盤面と の剥離等が見られる等、石綿 の 飛 散 の お そ れ が 大 き い も の
区分2:製品の一部に、劣化、破損は 見られるものの、その程度は
小さく、石綿の飛散のおそれ (天井への吹き付け石綿の劣化状況) が小さいもの
区分3:製品に、劣化、破損は見られず、安定しているもの
(2)非飛散性石綿含有製品の劣化、破損の程度
非飛散性石綿含有製品は、前述のとおり、一般的に安定しており、破損等が生じ た場合でも、当該破損箇所等の部分的な補修や囲い込み等で、石綿粉じんの発生を 一時的に防止できる場合も多い。このような場合は、飛散性石綿含有製品の区分2 に分類することで足りると考えられる。しかし、相当激しく破損していたり、耐用 年数を超えて破損している場合にあっては、石綿の飛散のおそれが大きいことから 区分1に分類することが必要である。
なお、石綿セメント管及び電気、機械製品は、いずれも非飛散性石綿含有製品で あるが、地下埋設及び部品の一部として使用されており、通常の目視では劣化、破 損の状況を確認することは困難であることから、次に述べる点に注意する必要があ る。
① 配管材(石綿セメント管)の場合
配管材として使用されている石綿セメント管は、一般に土中で安定した状態にあるが、
管の補修・更新の工事の際に飛散のおそれがあるため、注意が必要である。また、供用の 長期化による老朽化にともない、管継ぎ手パッキンの劣化や道路状況の変化等による管体
P.16
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の破損によって漏水事故が発生している。さらに、酸性土壌や遊離炭酸等の多い地下水な どにより中性化が進行し、セメント分が溶出することにより強度が低下する場合もある。
劣化の判定方法は、「水道用石綿セメント管診断マニュアル」((財)水道管路技術セ ンター、平成元年)に詳細に記されている。しかし、現在では先述のマニュアル刊行当時 から 20 年近く経過しており、既存の石綿セメント管の大半が耐用年数 25 年を経過してい る。したがって、石綿セメント管はほぼすべてが代替えすべき時期に至っているものと考 えられる。ただし、その中でも更に代替の優先順位を付ける場合は、管路の呼び径 300mm 以下を対象とした「石綿セメント管の事故率から老朽度ランクを区分した危険度推定法」
を参考1(p.25)に示しているので参考とし、また、管路の重要性とあわせて判断すること が考えられる。
② 電気部品の場合
電気部品に使用されている石綿含有製品には、変圧器のパッキン、ガスケット、スペー スヒータの断熱材等があるが、これらは電気部品の1材料として組み込まれており、また、
これらに含まれる石綿も、ゴム、レジン、セメント等により固化あるいは密閉されており、
目視のみで石綿含有の有無、劣化状況の判断を管理者等が行うことは一般に困難である。
さらに、石綿を含まない部品への代替化が完了した時期は部品メーカーによりまちまちで ある。このようなことから、使用されている電気部品が石綿含有部品であるか否かは、部 品名、製造記号・番号等を基に、発注したプラントメーカーに対し問い合わせることが望 ましい。
なお、配電盤等に使用されている電気部品を、石綿を含まない製品に交換する場合、こ れら電気部品は年々小型化、高機能化、集約化されており、古い機器においては製造中止 等により簡単な交換では対応できず、場合によっては、改造又は更新が必要となることも あり、点検整備を通じて更新計画を策定するなど、計画的な非石綿含有製品への代替化を 進めることが必要である。
③ 機械部品の場合
用・排水ポンプ設備に使用されている石綿を含有する機械部品には、ポンプ本体のガス ケット、グランドパッキン、小配管用フランジガスケット・保温材、エンジン本体断熱材、
エンジン排気用断熱材、天井クレーン用ブレーキ等がある。
これらは、電気部品と同様に、固化あるいは密閉等の加工がなされており、管理者等が その劣化の程度等を目視のみで判断することは一般に困難である。また、機械部品の非石 綿含有製品への代替化も、機器や部品等の各メーカーによりまちまちであるため、用・排 水ポンプ設備の請負業者に対し、工事単位での石綿含有部品について問い合わせすること が望ましい。
なお、電気部品と同様、使用されている石綿含有部品は飛散性ではないので、破損等の 状況に注意し、点検整備等を通じて、更新計画を策定するなど、計画的な非石綿含有製品 への代替化を進めることが必要である。
6.石綿粉じんばく露防止対策の選定
石綿粉じんばく露防止対策は石綿含有製品の劣化、破損等の状況に応じた対応が必要 であり「区分1」と判断される場合は「除去」、「区分2」と判断される場合は「除去」、
「封じ込め」及び「囲い込み」の石綿粉じんばく露防止対策のうちから適切な方法を選 定する。
また、「区分3」の破損・剥離等が見られず安定している状態と判断される場合は、
継続的な「監視・記録」を行う必要がある。
(解説)
P.17
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石綿粉じんばく露防止対策は、石綿含有製品の劣化、破損等の程度等により、その対策 を選定する必要がある。
飛散性石綿含有製品は、衝撃や振動等による破損、剥離等により石綿粉じんが発生する とともに、劣化によっても同様の状況が生じることに留意して石綿粉じんばく露防止対策 を選定しなければならないことから、原則として劣化、破損の程度等に応じて適切な対策 を選定する。
① 現に、破損、剥離等が見られ、飛散の 恐れが大きい「区分1」の場合は、直ちに 立入禁止等の措置をとるとともに、原則と して「除去」する。
② 破損、剥離等が一部に見られるものの、
飛散の恐れは小さい「区分2」の場合は、
「封じ込め」又は「囲い込み」を行い、そ の後は監視・記録を継続する。
② 破損、剥離等は見られず、安定している
「区分3」の場合は、現状維持としてその 状況を記録し、その後は監視・記録を継続 する。
(石綿除去作業(手作業によるかき落とし))
なお、除去以外の方法で対応したものは一時的な対策であり、最終的には石綿含有製品 は除去しなければならないこと、また、封じ込めや囲い込みで使用した材料等も新たな石 綿含有製品となることから、②又は③の場合でも①の方法を選定した方がよい場合もある。
石綿粉じんばく露防止対策の選定手順を図―3に示す。
非飛散性石綿含有製品は、現に破損等を生じている場合には、当該箇所を囲い込み等の 対策を行う必要があるが、通常の使用においては石綿粉じんが発生することはないため、
目視又は設計図等で使用場所、設置時期、使用状況等を確認しておき、その後の使用状況 等を監視・記録することで、施設や設備等の更新に併せて除去を行う方法が選定できる。
なお、囲い込み等の対策を実施した場所は、その後の監視・記録を行わなければならな い。
P.18
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飛散 性,非飛 散 性の判 断
劣化 、破 損、飛 散状 況の把握 劣化 ,破 損状 況 の把握
劣化 、破 損、飛 散の有 無、程度
封じ込め 又は囲い込み
監視・記 録
(飛散のおそれ)
除去・解体
監視・記 録
除去・解体
有り、程度 小 劣化 、破 損小 飛散のおそれ小
「区分2」
飛散 性 非飛 散 性
無 「区分3」
有「区分2」
監視・記 録
飛散のおそれ
おそれ大
補修 、又は 囲い込み 有り、程度 大
劣化 、破 損大 飛散のおそれ大
「区分1」
無
「区分3」
劣化 、破 損の有 無
おそれ小
「区分2」
除去・交 換
(飛散のおそれ)
監視・記 録 注)
除去・解 体 石綿 含 有製 品の使用 状 況の調 査 ・把握
図-3石綿ばく露防止対策の選定手順
P.19
- 578 - 7.石綿含有製品の除去・解体等
7-1 除去・解体等の工事発注に当たっての留意点
建築物等の除去・解体等を建設業者等に依頼する場合、工事の発注者は工事の請負者 に当該建築物等における石綿含有製品の使用状況の記録を通知するよう努めなければな らない。また、契約条件等で解体方法、費用等について法令の規定の遵守を妨げるよう な条件を付さないよう配慮しなければならない。
(解説)
建築物等の除去・解体等の工事は、特別な場合を除き、施設の管理者自らが直接行うこ とはなく、建設業者等に依頼することになる。
石 綿 則 で は 、 こ の よ う な 場 合 、 工 事 の 発 注 者 に 、 ① 工 事 の 請 負 者 に 対 し て 、 工 事 を 行 う 建 築 物 等 に お け る 石 綿 含 有 製 品 の 使 用 状 況 を 通 知 す る よ う 努 め る こ と ( 第 8 条 関 係 ) 、 及 び ② 石 綿 含 有 製 品 の 調 査 、 解 体 等 の 作 業 方 法 、 費 用 又 は 工 期 に つ い て 法 令 の 規 定 の 遵 守 を 妨 げ る お そ れ の あ る 条 件 を 付 さ な い よ う 配 慮 す る こ と ( 第 9 条 関 係 ) を 求 め て い る 。
これらは、工事の請負者が石綿含有製品が使用されている、あるいは使用されていると 考えられる建築物等の解体等の工事を安全かつ適正に行えるよう設けられたものであり、
工事の発注者として十分考慮しなければならない。
なお、工事の発注に当たっては以下に留意する。
① 石 綿 含 有 製 品 の 使 用 状 況 の 通 知 内 容 は 、 「 4 . 石 綿 含 有 製 品 の 使 用 状 況 の 把 握 」 及 び「 5 .石 綿 含 有 製 品 の 劣 化・破 損 状 況 の 把 握 」で 述 べ た 事 項 を 指 す と 考 え て よ い 。 な お 、 使 用 状 況 を 把 握 し て い な い 場 合 は 通 知 の 必 要 は な い 。
② 石 綿 の 除 去 ・ 解 体 工 事 等 を 建 設 業 者 等 が 行 う 場 合 、 後 述 す る と お り 関 係 法 令 に お い て 各 種 の 届 出 事 項 等 が あ る 。 こ れ ら は 、 建 設 業 者 等 の 責 任 で 行 わ れ る も の で あ る が 、 石 綿 が 飛 散 性 で あ る こ と を 踏 ま え 、 発 注 者 と し て も こ れ ら 届 出 の 内 容 等 を 確 認 し て お く こ と が 望 ま し い 。
・ 特定粉じん排出作業実施届出書
・ 除 去 ・ 解 体 等 の 作 業 計 画 書
・ 石綿作業主任者(特定化学物質等作業主任者技能講習修了者)証
・作業場での注意事項等の掲示状況
7-2 除去・解体等に当たっての石綿含有製品の使用状況調査
建築物や工作物の解体、改修、破砕等を行う事業者は、石綿による労働者の健康障害 を防止するため、当該施設での石綿含有製品の使用の有無を調査しなければならないこ とから、これら建築物等の管理者等はこれに協力する必要がある。
(解説)
建築物や工作物の解体、改修、破砕等を行う事業者(施設の管理者自らが行う場合は、
当該管理者が事業者となる。)は、石綿による労働者の健康障害を防止するために、当該 施設での石綿含有製品の使用状況を必ず調査しなければならない。
これらの工事が請負工事で発注された場合は、発注者が調査した石綿含有製品の使用状 況が通知されるが、この通知内容を含めて工事を行う前に、当該施設のすべてについて石 綿含有製品の有無を確認しなければならない。
P.20
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これらの調査方法は、前述の施設の管理者が行う目視及び設計図書等での確認及び分析 の3段階方式に同じであるが、使用中の施設においては業務への影響も生じる可能性があ ることから、管理者等は、調査の日時、場所、方法等について十分請負者側と調整してお く必要がある。
また、吹き付け石綿等の飛散性石綿含有製品が使用されていないことが明らかな場合は、
非飛散性石綿含有製品が使用されているとみなして、分析調査を行わないこともできるの で、みなしの方法をとることで増加すると考えられる廃棄物処理等に要する費用と分析調 査に要する費用を比較し、経済的な方法を選択することができるので調査に当たっては、
十分打ち合わせをすることが重要である。
7-3 除去・解体等の工事施工上の留意点
除去・解体等の工事施工における関係法令の規定の遵守義務は工事の請負者が負って いるが、石綿含有製品を取り扱う場合は、工事の監督を行う者も石綿粉じんにばく露し ないよう留意しなければならない。
(解説)
請負契約における工事施工上の安全管理は、すべて工事を請け負った建設業者が関係法 令等の規定を遵守して行うよう契約図書等でも規定されているところであり、請負業者が 事業者として労働者の安全を確保する義務が課されている。
一方、工事を発注する施設の管理者は、当該工事が契約の内容で適正な工事施工が行わ れているか、また契約どおりの工事が行われたのか監督及び検査する立場にあり、これら を担当する職員を任命し当該業務を行わせなければならないが、工事内容に石綿含有製品 の取扱いが含まれていた場合、監督、検査を行う職員が石綿粉じんにばく露する危険性が あるので、請負業者が行う石綿粉じんばく露防止対策と同様な対策の下で業務に従事させ なければならない。
なお、このような対策を行うための装備を個々の管理者等が備え付けておくことが困難 な場合は、工事請負契約の中に当該対策を行うことを明記するとともに、必要な費用を計 上し、請負業者に必要な装備の貸与を依頼する方法もある。
石 綿 含 有 製 品 の 除 去 ・ 解 体 等 の 工 事 と 主 な 関 係 法 令 の 規 定 を 参 考 2 (p.27~ 28)に 示 し て い る が 、 石綿作業上の主な留意点として一般的に以下のものがある。
① 吹 き 付 け 石 綿 に 係 る 作 業 を 行 う 場 合 は 、 当 該 作 業 場 所 を プラスチックシート等で覆い周辺との 隔離を行うこと。石綿含有保温材・断熱材に係る作 業を行う場合は、当該作業に従事する労働者以外の 者の立入禁止とその表示を行うこと。その他の石綿 含有製品に係る作業を行う場合は、関係者以外の者 の立入禁止とその表示を行うこと。
② 取り扱う石綿を湿潤なものとする(飛散性石綿含 有製品は薬液により湿潤なものとする)こと。
③ 労働者には、呼吸用保護具(防塵マスク)、作業 衣又は保護衣を着用させること。なお、呼吸用保
護具は、石綿粉じん濃度に応じた機能を持つ機器 (薬液散布による石綿の湿潤化) とすること。
④ 洗眼、洗身又はうがいの設備、並びに更衣及び洗濯の設備を設けること。なお、飛 P.21
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散性石綿含有製品に係る作業を行う場合は、これらに併せ、作業場の出入口に前室を 設けること。
⑤ 石 綿 を 湿 潤化 す る た めに 行 う 散 水そ の 他 の 措置 に よ り 石綿 を 含 む 水を 排 出 す ると きは、ろ過処理その他の適切な処置を講じること。
⑥ 除去作業に使用した工具及び資材等は、付着した石綿を取り除いた後、当該作業場 の外へ搬出すること。なお、飛散性石綿含有廃棄物に係る作業に使用した養生シート 及び保護具等は7-4により廃棄物として処理すること。
⑦ 工事の完了時には、工事現場及びその周辺に、石綿含有製品の破片その他の石綿を 含有するくずが残存しないよう後片付け及び清掃を行うこと。
7-4 保管、運搬、処分
石綿を含む廃棄物の保管、運搬及び処分に当たっては関係法令に基づき適正に行わな ければならない。なお、石綿を含む廃棄物は、飛散性のものと非飛散性のものでは取扱 いが異なるので注意しなければならない。
(解説)
除去、解体等により廃棄物となった石綿含有製品(以下「石綿含有廃棄物」という。)
の保管、運搬及び処分は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下「廃棄物処理法」
という。)の規定に基づき適正に行う必要があり、除去、解体等の工事契約に含めて行う ことが望ましい。
廃棄物処理法 で は 、 石 綿 含 有 廃 棄 物 を 、 吹 き 付 け 石 綿 等 の 飛 散 性 の も の は 「 特 別 管 理 産 業 廃 棄 物 」 、 そ の 他 の 非 飛 散 性 の も の は 「 産 業 廃 棄 物 ( 建 設 廃 材 、 ガ ラ ス く ず 及 び 陶 磁 器 く ず ) 」 と 2 種 類 に 区 分 し て お り 、 そ の 取 扱 い が 異 な る の で 注 意 し な け れ ば な ら な い 。 表 ― 6 に 石 綿 含 有 廃 棄 物 の 保 管 、 運 搬 及 び 処 分 に 当 た っ て の 留 意 点 を 示 す 。
P.22
- 581 -
表-6 石綿含有廃棄物の保管、運搬、処分に当たっての留意点
区分 事項
飛散性の石綿含有廃棄物(廃石綿) 非飛散性の石綿含有廃棄物
廃棄物としての 区分
特別管理産業廃棄物 産業廃棄物
責任者の配置 特別管理産業廃棄物管理責任者 (不要)
保管上の留意点 保管場所には、周囲に囲いを設けること 同左
保管場所の見やすい箇所に縦横60cm以上 の掲示板を設け、廃棄物の種類が「廃石綿」
であること等を表示すること
左記と同じ規模の掲示板を設 置し、「非飛散性石綿」である こと等を表示すること
強度のある耐水性材料で二重に梱包し、仕切 りを設け、他の廃棄物と分別すること
他の廃棄物と分別し、シート等 で覆いをすること
除去作業等に使用した、廃棄する養生シート
、保護具、作業衣等も「廃石綿」として処理 すること
保護具等を作業場から持ち出 す場合は十分粉じんを取り除 くこと
運搬・処理上の 留意点
特別管理産業廃棄物の運搬・処分に係る許可 を得ている業者に委託するとともに、産業廃 棄物管理表(マニフェスト)に必要事項を記 入し、交付すること
産業廃棄物の運搬・処分に係る 許可を得ている業者に委託す るとともに、産業廃棄物管理表
(マニフェスト)に必要事項を 記入し、交付すること
処理の結果を返送されたマニフェストの写 しで確認すること
同左
運搬に当たっては、他の廃棄物と混載せず、
処理施設に直送すること
運搬に当たっては、他の廃棄物 と混ざらないよう中仕切の設 置等を行うこと
運搬車には、車体の外側に産業廃棄物運搬車 であることが表示され、取り扱い上の注意事 項等が記された文書が携帯されていること
同左
都道府県条例で、届出を規定している場合が あるので事前に調査をすること
-
P.23
- 582 - 8 . 石 綿 含 有 製 品 の 「 封 じ 込 め 」 「 囲 い 込 み 」
石綿含有製品を、「除去・解体」以外の「封じ込め」「囲い込み」で処理する場合に あっても、その作業に当たっては除去・解体作業に準じた対応をとる必要がある。また
、これらの方法は、やむを得ず吹き付け石綿等を残す、当面の処置であり、「監視・記 録」を継続する必要があるということ等に留意して対処する必要がある。
(解説)
石綿含有製品はいずれは除去し、石綿を含まない製品に代替えしなければならない。
しかしながら、施設の使用を停止して除去・解体工事をすることが困難であり、かつ施 設の更新までの間吹き付け石綿等を「封じ込め」や「囲い込み」の方法で石綿粉じんの飛 散が防止できる場合は、これらの方法によることが効率的な場合もある。
ただし、前述したように「封じ込め」とは、吹き付けられた石綿等の表面に固化剤を吹 き付けたり、その内部に固化剤を浸透させ、石綿を固化する方法であり、また、「囲い込 み」とは、吹き付けられた石綿等を石綿を含有しない製品で覆い、石綿粉じんが飛散しな いようにする方法である。
したがって、いずれの方法も一時的な対策であり、最終的な除去量が増えることを念頭 におかなければならない。また処置後も「監視・記録」を行い、劣化の状況に注意を払う 必要がある。
なお、石綿含有製品の「封じ込め」「囲い込み」に当たっては、次のことに留意しなけ ればならない。
① 作業実施前に、既存の石綿含有製品の劣化、損傷、下地との接着の状況等を確認し、
必要に応じ石綿が飛散しないよう補修を行うこと。
② 封じ込め作業に当たっては、作業実施前に飛散防止剤の接着性、浸透性等の性能を 確認し、適正なものを使用すること。囲い込み作業において石綿の飛散を防ぐため に飛散防止剤を使用するときも同様とすること
③ 石綿含有製品に、表面の荒れ、剥離した形跡等がある場合には、作業場所の隔離、
フィルターの付いた換気装置による換気等、除去・解体作業に準じた措置をとるこ と。
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- 583 -
参考1
石綿セメント管の事故率から老朽度ランクを区分した危険度推定法
1.方法
診断対象管路の呼び径、過去の事故率を、次の老朽度ランク区分に当てはめ、老朽度ラ ンクを求める。
2.老朽度ランク区分
老朽度ランク区分を事故率(件/km/年)により定めた。
3.留意点
事故率を算出する場合の留意点は次のとおりである。
1)事故件数
管体の事故か、継手の事故かを問わず、また事故の原因の種類を問わずあらゆる事 故の件数を求める。ただし、ボーリング調査による破損等第三者から加えられた被害 は除く。
2)調査期間
短期間での事故率の計算では、偶発性が大きなウェイトを占める可能性があるため できるだけ長期間のデータを基に算出すべきである。少なくとも3年、できれば5年 以上の事故データから事故率を計算することが望ましい。
P.25
- 584 -
危険度推定法による石綿セメント管診断シート 例)
1.事故率(件/km/年)
各管路毎の過去の事故率は次のとおりである。
表1 事故率
2.老朽度ランク区分 表2 老朽度ランク区分
老朽度ランク 事故率 a (件/km/年)
呼び径 50mm 75mm 100mm 125・150mm 200mm以上
Ⅰ a≧8.3 a≧3.7 a≧3.0 a≧1.7 a≧1.3
Ⅱ 8.3>a≧3.3 3.7>a≧2.3 3.0>a≧1.6 1.7>a≧0.7 1.3>a≧0.4
Ⅲ 3.3>a>0 2.3>a>0 1.6>a>0 0.7>a>0 0.4>a>0
Ⅳ 0 0 0 0 0
3.老朽度ランク
表1の事故率を表2に当てはめると次のようになる。
表3 診断結果 管路名または
管路№
呼び径
(mm)
管路延長
(km)
調査期間
(年)
事故件数
(件)
事故率
(件/km/年)
1 2
…
管路名または管路№ 老朽度ランク 1
2
…
P.26