Journal Club
COPD急性増悪の治療において HFNTはNIVに劣らないか
国際医療福祉⼤学成⽥病院 救急科
井桁⿓平
2021.3.30
1
本⽇の論⽂
Introduction
• COPD急性増悪 (AECOPD) の定義、病態、重症度分類
• AECOPDでの酸素療法の選択
• NIVの位置付け
• HFNTの位置付け
3
COPD急性増悪
Acute exacerbation of chronic obstructive pulmonary disease(AECOPD)
【定義】 急激な呼吸器症状の悪化 (咳、喀痰の増加、呼吸苦など) と、
それにより追加の治療が必要になる状態のこと
【誘因】 最多は呼吸器感染症
⼤気汚染や温度変化でも起こりうる
【疫学】 AECOPDで⼊院した患者の5年⽣存率は
50%と低い。
AECOPDの重症度分類
• 軽症 Mild
短時間作⽤型β刺激薬(SABA)吸⼊のみで治療
• 中等症 Moderate
SABA吸⼊に加え、抗菌薬 and/or ステロイド
• 重症 Severe
⼊院や救急外来受診が必要 急性呼吸不全となる
GOLD 2020 REPORT 5
AECOPDにおける酸素療法
Conventional oxygen therapy COT HFNT
High flow nasal therapy
Non-invasive ventilation NIV IMV
Invasive mechanical ventilation
AECOPDにおける酸素療法
GOLD 2020 REPORT
• 呼吸性アシドーシス(PaCO 2 ≧45mmHg)、pH≦7.35)
• 呼吸筋の疲労、呼吸仕事量の増加を伴う重度の呼吸困難
(呼吸補助筋の使⽤、腹部の奇異性運動、肋⾻間隙の後退など)
• COTでも低酸素が持続する
NIV
IMV
• NIVに認容性がない、NIVが失敗した
• 呼吸停⽌もしくは⼼停⽌
• 意識レベルの低下
• 鎮静薬ではコントロールできない 不穏状態
• ⼤量の誤嚥、持続する嘔吐
• 取り除くことができないほどの分泌物が持続
• 輸液や昇圧薬に反応がない重篤な循環動態不安定性
• 重篤な⼼室性、上室性不整脈
• NIVに認容性がない致命的な低酸素⾎症
HFNT
AECOPDに関しては 記載はあるものの 使⽤の推奨はない
7
AECOPDに対するNIV
通常の酸素療法と⽐較して、
• 死亡率を減少させた 7.1% vs 13.9%, RR 0.54, 95%CI 0.38-0.76
• 挿管率を減少させた 12% vs 30.6%; RR 0.43, 95%CI 0.35-0.53
• ⼊院期間を平均2.88⽇短縮した 95%CI 1.17-4.59days
• ICU滞在⽇数を平均4.99⽇短縮した 95%CI 0-9.99days
• 治療の合併症を減少させた 15.7% vs 42%; RR 0.39, 95%CI 0.26-0.59
• 1時間後のpHは変わりなかった 平均差0.02, 95%CI 0.01-0.06
Eur Respir J. 2017 Mar 15;49(3)
AECOPDによる急性2型呼吸不全患者に対して、
NIVの使⽤を推奨する
AECOPDに対するNIV
通常の酸素療法と⽐較して、
• 死亡率を46%低下させる
RR 0.54, 95%CI 0.38-0.76; N=12 studies;
NNTB 12, 95%CI 9-23, I 2 =0%
• 挿管率を65%低下させる
RR 0.36, 95%CI 0.28-0.46; N=17 studies;
NNTB 5, 95%CI 5-6, I 2 =0%
quality of evidence ʻmoderateʼ(GRADE)
Cochrane Database Syst Rev. 2017 Jul 13;7(7)
9
NIV失敗に関するデータ
• NIVの成功率は80-85%と報告される。
• NIV不耐症の患者は挿管率が⾼く (44% vs 25.8%, p=0.008) 、
• 死亡率が⾼くなる傾向があった (34% vs 22.4%, p=0.08)。
GOLD 2020 REPORT
Respir Care. 2016 Mar;61(3):277-84.
苦 痛 の 増
呼 吸 苦
フ ロ
* 圧 強 す ぎ る
息 切 れ
頻 呼 吸
咳 胸 部 圧 迫
⿐ 腔 の 痛
頭 痛 不耐症患者のNIV失敗までの時間
中央値 2.4時間、IQR 1.8-4.8時間
Respir Care. 2016 Mar;61(3):277-84. Figure1
NIV失敗に関するデータ
Immediate
数分~1時間
Early
1~48時間
Late
48時間以降
BMC Pulm Med. 2014 Feb 13;14:19.
15% 68% 17%
咳が弱い、分泌物が多い CO 2 ナルコーシスによる 意識障害 不寛容、不穏
機械との⾮同調
⾎液ガスの基礎値が低い (P/F<150,pH<7.25)
重症度が⾼い(SAPSⅡ>35) ARDS/肺炎/敗⾎症/多臓器不全 呼吸数の上昇
睡眠障害 ⼊院前の機能障害
⾼⾎糖
11
High Flow Nasal Therapy (HFNT)
酸素流量計
AIRVO TM 2 加温加湿器搭載型 フロージェネレーター インターフェイス
Optiflow TM
• ⾼流量システム (3~60L/min)
• 正確な吸⼊酸素濃度
• ⾼い加温性能 (37,34,31℃)
• ⾼い加湿性能
(絶対湿度44mgH 2 O,相対湿度100%)
• 結露予防の熱線⼊り回路
• 多彩なインターフェイス
(S,M,L,⼩児,気切)
HFNTの呼吸不全に対する効果
1. 粘液繊⽑クリアランスの向上 2. 呼吸仕事量と酸素化への効果 3. 呼吸パターンへの効果
4. 快適性
Trends in Anaesthesia and Critical Care,Volumes 26–27,2019.22-29
13
HFNTの呼吸不全に対する効果
1. 粘液繊⽑クリアランスの向上
繊⽑⾃体の動きと、粘液中の適切な⽔分量に依存する。
通常は上気道で加湿されるが、呼吸不全の患者は呼吸数の上昇と⼝呼吸 の増加により上気道で適切な加湿が⾏えず、クリアランスが低下する。
適切な加湿を⾏うことで“気道脱⽔ airway dehydration”を防ぐ。
Trends in Anaesthesia and Critical Care,Volumes 26–27,2019.22-29
HFNTの呼吸不全に対する効果
2. 呼吸仕事量と酸素化への効果
①気道内圧の上昇 「PEEP効果」
開⼝か閉⼝かでも差が出る
5cmH 2 O以下の微々たる効果ではある
Respir Care. 2011 Aug;56(8):1151-5.
Trends in Anaesthesia and Critical Care,Volumes 26–27,2019.22-29
INTENSIVIST VOL.10 NO.2 2018-4
15
HFNTの呼吸不全に対する効果
2. 呼吸仕事量と酸素化への効果
②酸素流量を上げて死腔のウォッシュアウト
HFNTは呼吸不全患者の⾼い吸気流量に⾒合う流速を提供できる。
死腔をウォッシュアウトすることでFiO 2 を増加させ、再呼吸の リスクを最⼩化する。
J Appl Physiol (1985). 2017 Jan 1;122(1):191-197.
Trends in Anaesthesia and Critical Care,Volumes 26–27,2019.22-29
HFNTの呼吸不全に対する効果
2. 呼吸仕事量と酸素化への効果
③気道抵抗の減少
上気道、特に⿐咽頭は伸張性があるため強い吸気が⽣じると収縮して気道抵抗が増加 する。HFNTは持続的な流量を保つことと、上唇⿐翼挙筋を刺激し気道を虚脱させず、
その結果気道抵抗の減少に寄与する。
④加湿 ⽣理的な換気(TV500ml、RR 12/min)を加温・加湿するためには 156cal/minの消費 があると推定される。呼吸不全の患者は頻呼吸で⼝を開けて呼吸しているのでさらに 消費が激しい。
HFNTで加温加湿された酸素を供給することで呼吸仕事量を減少させる。
https://ruhaku.jp/Page/columndetail38.aspx
Respir Med. 2009 Oct;103(10):1400-5.
Trends in Anaesthesia and Critical Care,Volumes 26–27,2019.22-29
17
HFNTの呼吸不全に対する効果
3. 呼吸パターンへの効果
呼吸回数を減少させ、苦痛を和らげ、死腔を減少させることで換気量を増加させる。
4. 快適性
①加温と加湿
適切な加温加湿がないと忍容性が低下し、治療失敗につながる。
②インターフェイス
NIVと⽐較して機器のデッドスペースはほぼなく、フィッテイングも緩く快適であるこ とが最⼤の利点。快適性を向上させ、鎮静薬の必要性が減ることでせん妄のリスクが 減少する可能性がある。
Trends in Anaesthesia and Critical Care,Volumes 26–27,2019.22-29
HFNTの現在の推奨
Intensive Care Med. 2020 Dec;46(12):2226-2237.Figure.1 19
⼼不全やAECOPD
は除外されている
HFNTのhypercapnic COPDに対する効果
• 平均気道内圧の上昇や死腔換気の減少、呼吸仕事量の減少など 2型呼吸不全の病態にも⽣理学的にメリットがあると考えられ る。
• さらにNIVで問題となる認容性も、HFNTは改善させる可能性 が⽰唆される。
Intensive Care Med (2020) 46:2238–2247
Stable COPD患者へのHFNT
著者
デザイン 患者数 対象 評価項⽬ 期間/デバイス 結果
Bräunlich et al.
2015 Interventional 11
Stable hypercapnic
COPD
ガス交換 6週間
NHF vs NIV pCO
2の変化に 差はない
Bräunlich et al.
2016 Interventional 54
呼吸パラメーター ガス交換
120分 NHF
NHFはpCO
2,呼吸 数,MV,RSBIを低下させ た。TV,呼吸苦,平均気道
内圧を改善させた。
Fraser et al.
2016 Randomized
cross-over 30 LTOT / NHF 2×20分 TcO2,TcCO2,RR,
I:E⽐はNHFで低下 TV,EELIは上昇 Pisani et al.
2017 Interventional 14 呼吸様式,ガス交換 横隔膜内外圧較差 NHF 5×30分 vs NIV どちらも改善したが、 差はなし
Nagata et al.
2018 Randomized
cross-over 32 ガス交換,QOL LTOT vs NHF 2×6週間 NHFの⽅がQOLの改善
と、pCO
2が低下した
Longhini et al.
2019 Randomized
cross-over 30 Persistent hypercapnia after AECOPD
ガス交換,呼吸数,
横隔膜機能,快適度 5×30分 LTOT/NHF/NIV
LTOT:横隔膜肥厚機能, 呼吸数が⾼い NIV:PaO
2が⾼い NHF:快適度が⾼い Bräunlich et al.
2019 Randomized
cross-over 102 Stable hypercapnic
COPD
pCO
2変化,⾎ガス 肺機能,QOL
6分間歩⾏
2×6週間
NHF vs NIV NHFはpCO
2低下でNIV に⾮劣勢。QOLは同等 Pisani et al.
2020 Interventional 50 呼吸数,pCO
264.5±10.5時間
NHF COPD患者では呼吸数低下 COPD/OSAは変化なし
Intensive Care Med (2020) 46:2238–2247. Table3より作成
LTOT: long-time oxygen treatment, OSA: obstructive sleep apnoea, Tc(C)O2: transcutaneous oxygen (carbon dioxide) tension, RSBI: rapid shallow breathing index, MV: minute volume, HR: hearth rate, RR: respiratory rate, VT: tidal volume, EELI: end-expiratory lung-impedance
21
AECOPDに対するHFNT
2つのRCT、3つのCross-over randomized trialをReview
• ガス交換効果 は1つの研究でCOTと⽐較してわずかにPaCO 2 の低下があったが、
他の研究では有意な差はなかった。
(MD -1.4mmHg; 95%CI -2.2~-0.6; p=0.001)• 呼吸数の変化 はCOT、NIVと⽐較しても差はなかった。
(HFNT 21.4/min, COT 21.4/min, NIV 21.7/min)• 呼吸仕事量 はCOTと⽐較してHFNTが改善していた。
• 快適度 はCOTと⽐較してHFNTが騒⾳、⿐腔の乾燥、呼吸のしやすさなど改善した。
• 臨床的なアウトカム (挿管率,死亡率,ICU⼊院⽇数など)は COT/NIVと⽐較して有意な
成果はなかった。
HFNTの現在の⽴ち位置
• 1型呼吸不全に関してはエビデンスが蓄積してきている。
• 2型呼吸不全に対する治療としては、⽣理学的な有効性がある と⽰唆されつつも、まだエビデンスは確⽴されていない。
• Stable COPD患者に対しては呼吸数の減少、pCO 2 の低下のア ウトカムに対してCOTより優れ、NIVに劣らないと⾔う結果を 出す研究が2015年以降続いている。
• AECOPD患者に対してのエビデンスはまだ不⾜している。
23
本⽇の論⽂のPICO
P AECOPD患者(GOLD基準 軽症~中等症)
動脈⾎液ガス pH 7.25~7.35、PaCO 2 ≧55mmHg
I HFNTでの酸素療法 C NIVでの酸素療法
O ベースラインからの2時間後のPaCO 2 の変化
筆者らの仮説
軽症~中等症のAECOPD患者において、HFNTはNIVと⽐較
して短期間(2時間)のCO クリアランスは劣らない
Methods
25
Study design
• 医師主導型臨床試験
• 多施設 ⾮盲検 無作為化 ⾮劣性 ⽐較試験
• 期間︓2018年2⽉15⽇〜2020年3⽉25⽇
• 場所︓イタリア9施設の救急外来、ICU、呼吸器病棟
• Comitato Etico Sezione Area Centro倫理委員会に承認を得た
• 患者または法的代理⼈から書⾯による同意を得た
• 研究プロトコルは事前にClinicalT rial.govに登録し公開された
(NCT03370666)
Patients –inclusion criteria–
• 18歳以上の成⼈
• GOLD基準によりCOPD急性増悪の軽症~中等症と診断
• 動脈⾎液ガス分析でpH 7.25~7.35かつPaCO 2 ≧55mmHg
GOLD基準によるAECOPDの重症度分類
• 軽症 Mild
短時間作⽤型β刺激薬(SABA)吸⼊のみで治療
• 中等症 Moderate
SABA吸⼊に加え、抗菌薬 and/or ステロイド
• 重症 Severe
⼊院や救急外来受診が必要、急性呼吸不全となる
Am J Respir Crit Care Med. 2017 Mar 1;195(5):557-582.
27
Patients –exclusion criteria–
1. 試験登録前にHFNTまたはNIVを受けていた 2. ⻑期の家庭内NIV使⽤者
3. 循環動態不安定(⾎管作動薬が必要、ACS、致死性不整脈) 4. 治療拒否
5. 不穏(RASS≧2)、協調性の⽋如(Kelly Matthay score≧5) 6. 2臓器以上の急性不全
7. ⼼停⽌
8. 即座に挿管を必要とする呼吸停⽌
9. 最近の顔⾯・頸部外傷、熱傷、⽪膚⽋如 10. 妊娠
11. 同意の撤回
Interventions
Intervention group Control group
Optiflow & MR850 HFNT
or AIRVO TM 2
Fisher & Paykel Health care
oro-nasal mask / total full-face NIV
機器は特に指定なし
PSV mode
PEEP 3~5 cmH 2 O
吸気圧 TV 6~8ml/kg(IBW)になるように調整 初期流量 60L/min
温度 37℃
不快なら適宜調整
29
Interventions –共通のプロトコル–
• 呼吸器以外の治療マネジメントはGOLD2017に則り⾏われた。
• 鎮静は患者の快適性、忍容性の改善ために必要に応じて⾏われた (⽬標RASS 0~-2)。
• FiO 2 はSpO 2 が88~92%を保てるように調整した。
• 研究中は持続的にSpO 2 、ECG、⾮観⾎的⾎圧測定でモニターを
⾏った。
GOLD2017における治療マネジメント
• 初期の気管⽀拡張薬として、SABA吸⼊±短時間作⽤型抗コリ ン薬を使⽤する。 (Evidence C)
• ステロイド投与は肺機能(FEV1)・酸素化の改善、回復期間を早 め、⼊院期間の短縮をもたらす。治療期間は5~7⽇を超えない。
(Evidence A)
• 抗菌薬は適応がある場合に使⽤し、回復期間の短縮、早期再 発・治療失敗のリスク軽減、⼊院期間の短縮をもたらす。治療 期間は5~7⽇。 (Evidence B)
• メチルキサンチン類(テオフィリン)は副作⽤が増加するため推 奨されない。 (Evidence B)
Am J Respir Crit Care Med. 2017 Mar 1;195(5):557-582.
Table8. Key Points for the Management of Exacerbationsより 31
Study endpoint
【Primary endpoint】
ベースラインから無作為化2時間後のPaCO 2 の平均差
【Secondary endpoint】
1. 無作為化から6時間後におけるPaCO 2 は HFNTがNIVに対して⾮劣勢か
2. 治療変化率(もう⼀⽅の介⼊・IMVへの 変更、サポート不要、変化なし)
3. 呼吸困難スコアと改善しなかった割合 4. 不快感スコアと忍容性のなかった割合 5. PaCO 2 がベースラインからの増悪または
変化が10mmHg以下の割合、呼吸苦の
6. 呼吸数
7. 動脈⾎液ガス分析の変化
8. 機械的換気の時間(IMV,NIV両⽅) 9. ⼊院期間
10. 病院での死亡
Data collection
• 患者の⾝体的、臨床的データ
• SAPSⅡ, Kelly-Matthay score, Charlson index, RASS, Borg scale
• 無作為化後2時間、6時間での動脈⾎液ガス分析
• NIV、HFNTの設定
• インターフェイスに関する不快感はNRS10点で記録
• 治療中断とまではならないが患者が不快に感じたもの
• 流量、温度、騒⾳、閉所恐怖症、発汗、締め付け感、気道の乾燥、
嘔吐・胃部不快感、⽬の刺激、⽪膚障害
33
Kelly-Matthy score(KMS)
Grade1 意識晴明、複雑な3つの指⽰に従える Grade2 意識晴明、単純な指⽰に従える
Grade3 無気⼒だが、覚醒可能で簡単な指⽰に従う
Grade4 昏迷、⽬覚めさせようとしても簡単な指⽰に断続的にしか 従わない
Grade5 昏睡状態、脳幹機能は保たれる Grade6 昏睡状態、脳幹機能不全
• Kelly-Matthy score
Hypercapnic encephalopathy syndrome(HES)の精神神経学的 評価ツールの1つ。NIVを⾏った患者のHES評価において、GCS より治療転帰を予測する感度が⾼いという報告もある。
• Borg scale
COPD患者に⼀般的に使⽤する呼吸困難の指標。運動中の⾝体機能 評価の指標としてよく⽤いられる。
Respir Med. 2011 Aug;105(8):1109-17.
治療内容変更の判断
• 主治医の臨床的な判断に委ねられるが、以下のような基準に則り⾏われた。
• HFNT→NIVへの変更
• 呼吸不全症状、⾎液ガスが改善ないもしくは悪化している場合 (i.e. , PaCO 2 >20% and /or pH<7.25)
• 気管挿管の判断
• 呼吸停⽌、意識障害を伴う無呼吸、重度の不穏、意識障害を伴う徐脈 (HR<50/min)、収縮期⾎圧<70mmHgで⾎⾏動態不安定、⾎液ガス 上の悪化(pH<7.25)、喀痰の増加、インターフェイスへの不耐性(変 更も含む)
35
Randomization
• 試験に関与しない研究者が、コンピューターで作成された無作 為化配列を⽤いて⾏った。
• 割り付けは1:1で、置換ブロック法を⽤いた。
• 割り付けの隠蔽は不透明な封筒に⼊れることで保たれた。封筒 の中には対照群(NIV)または介⼊群(HFNT)のいずれかが記載さ れていた。
• 研究デザイン上、治療内容の割り付けは盲検化できない。
Sample sizeの設定
• 下記計算のもと、サンプルサイズを56⼈に設定した。
• αエラー5%(⽚側)、検出⼒80%
• 主要アウトカムの標準偏差が15mmHg
• ⾮劣性限界が10mmHg
• ⾮劣性限界は過去の研究と試験責任医師の判断で決定した。
• 脱落者の可能性(30%)と、ノンパラメトリック解析のための サンプルサイズの増加(15%)を考慮した結果、最終的に80⼈
(各群40⼈)となった。
37
Statistical analysis
• 1⼈の統計家が治療内容を盲検化した状態で評価した
• Per-protocol解析
(治療変更した患者を除外して、2時間・6時間時点での解析)
• Intention-to-treat解析
(ランダム化した患者全てを含んで解析)
• 連続変数︓Mann-Whitney U検定、Student t検定
• カテゴリー変数︓χ 2 検定、Fisherの正確検定
• 各群の連続変数のタイムポイント間の⽐較はpaired sample t testかpaired sample Wilcoxon testを⽤いた
• 経時的変化は測定間の⾮独⽴性を考慮して、ランダム切⽚と
Slope(時間)を⽤いた線形混合効果回帰を⽤いた
Statistical analysis
• PaCO 2 値は時間(ベースライン、2時間、6時間)、治療群(HFNT、
NIV)、群間の相互作⽤ごとの時間で回帰分析を⾏った
• Primary outcomeについては⾮劣性マージン(10mmHg)を考 慮して、⽚側2標本Student t検定を⾏い、HFNTによるPaCO 2 減少がNIVと⽐較して⾮劣性であるかどうかを検定した。
6時間後のPaCO 2 減少においても同様に評価した。
• p値<0.05で有意差ありとした。
• 統計解析はSAS software, version9.4とR version3.5.2を⽤い た。
• データのモニタリングは2⼈の研究者が登録施設から症例報告 書を収集した後、最終的にデータベースを照会することで⾏わ
れた。
39Results
n=235⼈
Inclusion Criteria
COPD, 動脈⾎ガス pH 7.25~7.35, PaCO 2 ≧55mmHg
Exclude=155⼈
•53 登録前にHFNTかNIV使⽤済
•23 ⻑期の在宅NIV
•9 臨床的に不安定
•15 不穏、同意得られず
•14 2臓器以上の急性臓器不全
•6 緊急挿管が必要
•14 治療拒否
•5 他の研究に登録されている
•7 機器が⼿に⼊らない
•9 無作為化されない
n=80⼈
Randomized
HFNT 40⼈ NIV 40⼈
41
HFNT 40⼈ NIV 40⼈
NIV 37⼈
95%
2時間後の無作為化登録
HFNT 34⼈
85%
6⼈:NIVに変更 1⼈:同意の撤回
1⼈:HFNTに変更 1⼈:挿管
HFNT 24⼈
60%
2⼈:HFNTに変更 6⼈:サポートなし 1⼈:挿管
7⼈:NIVに変更 2⼈:サポートなし
NIV 29⼈
74.4%
6時間後の無作為化登録
5⼈:悪化/改善なし
1⼈:認容性なし
HFNTへの変更:認容性低下のため 挿管への変更:呼吸状態悪化のため
NIV,IMVへの変更
︓悪化/改善なし
病態が回復したため
Patientsʼ characteristics
• 年齢は⽐較的⾼齢者(74歳 vs 77歳)
• 体重、BMIから肥満患者が多い(HFNT群の⽅がその傾向がある)
• ⼊院病棟はERとICU/呼吸器病棟は⼤体6:4
43
Patientsʼ characteristics
• SAPSⅡは優位差は ないがHFNT群で低め
• バイタルサインはほぼ 差はない
• 精神状態、呼吸苦 スケール、RASS、
分泌物の量などは
変わりない
Patientsʼ characteristics
• PaCO 2 はどちらも70mmHg以上の⾼⼆酸化炭素⾎症
• P/Fは200-220程度
• 乳酸値上昇なし
• 6時間の治療期間でプロトコルに従い鎮静剤を投与された のはHFNTで3⼈(7.5%)、NIVで3⼈(7.7%)
45
Characteristics of interventions
HFNT [n = 40]
Flow (L/min), median [IQR] 50 [45 – 60]
Temperature (C°), median [IQR] 37 [34 – 37]
FiO
2, median [IQR] 0.36 [0.30 – 0.44]
Cannula size, n (%)
Small 4 (10)
Medium 31 (77.5)
Large 5 (12.5)
Device, n (%)
AIRVO 39 (97.5)
OPTIFLOW 1 (2.5)
Brief treatment interruption
a1 (4)
NIV [n = 39]
Pressure Support (cmH
2O),
median [IQR] 14
[12 – 16]
PEEP (cmH
2O), median [IQR] 6 [5 – 6.5]
FiO
2, median [IQR] 0.30 [0.28 – 0.37]
Interface, n (%)
Oronasal 24 (61.5)
Full-face 15 (38.5)
Brief treatment interruption
b2 (8)
a
6時間の間に短時間の治療中断(<10分)となった患者数。
6時間までHFNTを継続した総患者数(n=22)での割合。
b
6時間の間に短時間の治療中断(<10分)となった患者数。
6時間までNIVを継続した総患者数(n=26)での割合。
47
HFNT 40⼈ NIV 40⼈
NIV 37⼈
95%
2時間後の無作為化登録
HFNT 34⼈
85%
6⼈:NIVに変更 1⼈:同意の撤回
1⼈:HFNTに変更 1⼈:挿管
HFNT 24⼈
60%
2⼈:HFNTに変更 6⼈:サポートなし 1⼈:挿管
7⼈:NIVに変更 2⼈:サポートなし
HFNT 29⼈
74.4%
6時間後の無作為化登録
ITT解析
Per-protocol解析 2h
Per-protocol解析 6h
5⼈:悪化/改善なし 1⼈:認容性なし
HFNTへの変更:認容性低下のため 挿管への変更:呼吸状態悪化のため
NIV,IMVへの変更
︓悪化/改善なし
病態が回復したため
Per-protocol analysis at 2h
2h Mean PaCO
22h ΔPaCO
22時間後のΔPaCO 2 は
HFNT -6.8 vs NIV -9.5と有意差はなかった 絶対値の差は2.7mmHgであった
6時間後のΔPaCO 2 は
ΔT 2h -T 0 は有意差はないが、NIV群の⽅が⼤
Per-protocol analysis at 6h
6h Mean PaCO
26h ΔPaCO
26時間後のΔPaCO 2 は
HFNT -11.3 vs NIV -14.2と有意差はなかった 絶対値の差は2.9mmHgであった
PP2hの患者群と⽐較すると差が縮まっている 傾向にあった
49
Intention-to-treat analysis
Figure S2: Changes in PaCO2values during time (intention to treat analysis).
Mean PaCO
2ΔPaCO
2両群ともに有意にPaCO 2 を低下させた
6時間後のΔPaCO 2 は
HFNT -9.7 vs NIV -13.9と有意差はなかった
絶対値の差は4.2mmHgであった
Primary outcome
• PaCO 2 の差は2.7mmHg(⽚側95%CI -∞;6.1)
• 上限が⾮劣性マージンの10mmHgに達していないためNIVに対して⾮劣性 を⽰した(p=0.0003)
• 6時間後も同様の結果であった (power不⾜ではあるが)
power is 76.2%
Per-protocol / ITT at 2h Per-protocol / ITT at 6h
51
Secondary outcome
• HFNTからNIVに変更になった患者
2時間で6⼈(15%)、6時間で13⼈(32.5%)
• 6時間時点での治療認容性低下はNIV群で 多い(35% vs 74%)
• 不快感の訴えはNIVで多い(1⼈ vs 5⼈)
• 6時間時点でのPaCO 2 の悪化、10mmHg 未満の低下率はHFNTで多い傾向(57.5%
vs 35.9%)
• NIV装着時間はHFNTからNIVになった患者 で⻑い傾向(70h vs 48h)
• ⼊院⽇数、死亡率、院内死亡率は差はな
かった
HFNT群内での⽐較
HFNT 40⼈
HFNT 34⼈
85%
6⼈:NIVに変更
HFNT 24⼈
60%
1⼈:挿管
7⼈:NIVに変更 2⼈:サポートなし
HFNTのまま or
サポートなしへ変更 IMV or NIV
へ変更 p値
N 26 14
BMI (kg/m
2), mean ± SD
29.2 ± 8.3 33.1 ± 9.30.1442
SAPS II, mean ± SD
28 ± 9 33 ± 90.1256
Systolic blood pressure
(mmHg), mean ± SD 138 ± 25 119 ± 26
0.0379Respiratory rate (per min),
mean ± SD 27 ± 8 27. ± 6 0.7894
RASS, n (%)
0.0242Light sedation (-2) 0 (0) 2 (14.3)
Drowsy (-1) 8 (30.8) 5 (35.7)
Alert and calm (0)
17 (65.4)4 (28.6)
Restless (+1) 1 (3.8)
3 (21.4)PaCO
2(mmHg), mean ± SD 71.7 ± 10.5 77.4 ± 16.0 0.4438
Arterial pH, mean ± SD 7.30 ± 0.03 7.28 ± 0.04 0.0540
PaO
2(mmHg), mean ± SD 68.8 ± 18.1 56.0 ± 13.8
0.0040SpO
2(%), median [IQR] 92.1 [90.0-96.0] 87.0 [82.9-88.0]
0.0009HCO
3-(mmol·L
-1),
mean ±SD33.9 ± 5.9 35.0 ± 5.9 0.5873
PaO
2/FiO
2, mean ± SD 211.5 ± 49.8 187.9 ± 32.7 0.1193
Table S7より抜粋 53
5⼈:悪化/改善なし 1⼈:認容性なし
NIV,IMVへの変更
︓悪化/改善なし
Discussion
Discussion
• 初めての多施設⾮劣性無作為化⽐較試験
• 軽症~中等症のAECOPDを対象としている理由は以下の通り。
①AECOPDに対するHFNTの有効性・安全性はまだ確⽴されていない
②NIVはAECOPDに対する呼吸器サポートとして⾼いエビデンスレベルで
⽀持されている
• NIVに認容性がない患者で、挿管までは考えない場合の選択肢と してHFNTが有⽤か検討した。
• HFNTがNIVと⽐較して⽣理学的なアウトカムが⾮劣性であるこ とを確認するための最初の試験として今回の研究の意味がある。
55
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Jun 5;14:1229-1237.
P AECOPDによる中等度Ⅱ型呼吸不全患者
pH 7.25-7.35, PaCO
2>50mmHg
E HFNT (39⼈) C NIV (43⼈)
O 治療失敗 (挿管,もう⼀⽅のデバイスへの変更) Secondary outcome︓28⽇死亡率、看護師の気道看護 ケアの介⼊率、呼吸回数、24時間後のP/F⽐、呼吸サ ポートの⽇数、ICU滞在⽇数、⼊院⽇数
n=82 治療失敗率は有意差なし (p=0.268)
HFNT 11/39 (28.2%) vs NIV 17/39 (39.5%)
HFNT→IMV (8⼈) 、→NIV (3⼈)
NIVの⽅が認容性が低かった (47.1%,p=0.026)
28⽇死亡率も有意差なし (p=0.824)
HFNT 15.4% vs NIV 14%
HFNTの⽅が、治療24時間以内の看護師の気 道看護ケアの介⼊率は低く、装着期間が⻑
かった。⽪膚障害はNIVの⽅が多かった。
【結論】 HFNTをNIVと⽐較して使⽤しても、治療失 敗率の増加はせず、NIVより快適性と認容性 が⾼く、新たな中等度のAECOPDの呼吸療法 としての可能性がある。
中国の単施設後ろ向き観察研究
Clin Respir J. 2018 Jun;12(6):2046-2056.
P AECOPDによる中等度Ⅱ型呼吸不全患者
FiO
2>50%の酸素マスクを15分しても奏功せずNIVが必要な患者 P/F⽐<200mmHg、PaCO
2>45mmHg、pH 7.25~7.35
I HFNT (44⼈) C NIV (44⼈)
O 挿管率、30⽇死亡率
n=88 平均年齢は73歳、BMIは21.2と痩せ型 P/F 135、PaCO 2 55mmHg程度の患者群 挿管率HFNT25.0% vs NIV27.3% (p=0.857) 30⽇死亡率
HFNT15.9% vs NIV18.2% (p=0.845) pH, PaO 2 , PaCO 2 は差はなかった
【結論】 HFNTをNIVと⽐較しても挿管率や死亡率は 変わりなかった。
韓国の単施設前向き観察研究
57
Int J Clin Exp Med 2019;12(8):10863-10867
P AECOPDによる呼吸不全患者
中国のガイドラインによる診断、重症でICUに⼊って呼吸器サポートが必要
I HFNT (84⼈) C NIV (84⼈)
O 動脈⾎液ガス (12時間後、5⽇後)
Secondary outcome︓呼吸器サポート時間、⼊院⽇数、
合併症、快適度・看護満⾜度(病院が質問表を作成)
n=168
HFNTとNIVどちらも介⼊後のPaO 2 、pH、
SpO 2 を上昇させ、PaCO 2 を低下させ、両群 の効果に有意差はなかった。
合併症発⽣率、快適度、看護満⾜度はHFNT の⽅が有意に良い結果だった。
【結論】 HFNTはNIVと⽐較しても効果が劣らず、合 併症発⽣率、快適度、看護満⾜度は有意に良 い。
中国の単施設単盲検RCT
Discussion
• SAPSⅡ scoreはわずかにHFNT群で低かった (30±9 vs 33±10) にも関わら ず、患者の32%が治療が奏功せずNIVへ変更されていた。
• HFNT群の⽅が酸素化が悪くなっていた。 (P/FΔ2h-baseline -17.2 vs 6.8 ;p=0.0504)
• HFNTからNIVに変更した群は元々NIVで加療していた群よりNIV 装着期間が⻑かった。 (70h±14~142 vs 48h±18~75)
以上から HFNTが臨床的にNIVに劣らないと宣⾔するには注意が必要。
59
内的妥当性
ランダム割り付けされているか されている
割り付けは隠蔽化されているか 隠蔽化されている
Baselineは同等か SAPSⅡがNIV群でやや⾼い BMIがHFNT群でやや⾼い 全ての患者の転帰がoutcomeに
反映されているか ITT解析とPP解析の両⽅がされている
⇨ HFNTから脱落してNIVに変更された患者群がいる ためITT解析の解釈にも注意が必要
マスキング(盲検化)されてるか ⾮盲検
症例数は⼗分か 事前に⾒積もられ、⼗分な症例数を組み
込んでいる
外的妥当性
• 多施設での研究デザインであることは良い点
• 機器の使⽤⽅法、設定、AECOPDの治療プロトコルなど専⾨性 の違いによって結果が変わる可能性はある。
• 今回全例継続的なモニタリング、⾎液ガスチェックなど⾏われ ていたため医療レベルの異なる施設で同様の結果となるかはわ からない。
• 研究施設が⼤学病院やそれに準ずる総合病院の救急外来、ICU、
呼吸器ケアユニットであり、⼀般病院への適応ができるかはわ からない。
61
AECOPDのHFNT vs NIV 今後の研究
• Nasal High Flow Versus Non-Invasive Ventilation in Patients With Acute Exacerbation of Chronic Obstructive Pulmonary Disease
• Comparison of High Flow Nasal Cannula and Noninvasive Positive Ventilation(NPPV) in Moderate Chronic Obstructive Pulmonary Disease Exacerbation(AECOPD)
• High Flow Nasal Cannula Versus Non-Invasive Ventilation in Exacerbations of Chronic Obstructive Pulmonary Disease
NCT03033251
NCT03014869
NCT03466385
Strengths
• 前向き多施設無作為化⽐較試験のデザインであること
• ⾮劣性試験に対するCONSORTの推奨事項に沿って、
per-protocol解析とITT解析の両⽅が⾏われたこと
63
Limitations
1. 介⼊の性質上、盲検化は不可能であった。
2. アウトカムが⽣理学的転帰(PaCO 2 )の変化であったため患者関連 転帰に関しては不確実性が残る。
3. 治療のエスカレーションの必要性に関する因⼦を⼗分に評価でき ていない。
4. 患者群が⾼齢で、BMI 30kg /m 2 程度であり外的妥当性が制限さ れる可能性がある。
5. 肥満低換気の関連を除外することはできていない。
6. NIV群において⼀回換気量を記録していないため、圧サポートの レベルが患者の認容性に影響を与えた可能性がある。
7. NIVのPEEP設定値もプロトコルの設定値 (3~5cmH
2O) よりわずかに⾼
Limitations
8. 今回は短期評価の⽐較研究のため、治療法を継続して使⽤した場合の 有効性や安全性は評価できていない。
9. 6時間の時点で無作為化された患者の数(n=53)は、2時間のPrimary outcomeのために計算した数(n=56)とわずかに少ない。6時間の時 点でのPer-protocol解析のパワーは76.5%であり、この時点での⽐較 の解釈には注意が必要。
10.AECOPD⾃体の臨床的な不均⼀性を考慮していない。今回は短期評価 の⽐較研究のため、治療法を継続して使⽤した場合の有効性や安全性 は評価できていない。
65
COPDのphenotype
Pink puffer type
PP、⾚やせ Blue bloater type
BB、⻘太り 気腫型COPD
(肺気腫病変優位型) ⽇本の
ガイドライン ⾮気腫型COPD (末梢気道病変優位型)
痩せ型 体重 正常~過体重
残気量の増加、弾性⼒
の低下、拡散能の低下、
⾎管破壊によるV/Qミ スマッチ
肺機能
肺活量は正常~低下、
Air trappingによる 残気量の増加
滴状⼼ ⼼機能 右⼼不全、⼼肥⼤
代償性過換気により
正常に近い ⾎液ガス所⾒ PaO 2 の低下と PaCO 2 の上昇
⽇本で多い 疫学 欧⽶、欧州で多い
ステロイド ABx ステロイド+ABx
AECOPDの不均⼀性
67 Lancet Respir Med. 2015 Sep;3(9):729-734.
• AECOPDはいくつか異なる原因がある
• biological(炎症、浮腫、感染)
• clinical(⼼不全、肺塞栓、病識の変化、コンプライアンスの低下)
• social(家族サポートの⽋如、低い社会経済的地位)
• 原因により当然、治療反応性は異なる 膿性痰の有無→抗⽣剤
喀痰・⾎液中の好酸球の上昇→ステロイド 他バイオマーカーなども参考になる
• 右図は重症度と病態から4つに分類したもの
• 治療は病態に応じて個別化すべきという意⾒も
Conclusions
筆者らの結論
• AECOPD患者において、HFNTはNIVと⽐較して、2時間後のPaCO 2
減少は10mmHgの⾮劣性マージンとした場合に統計学的に⾮劣性で あった。
• しかしHFNT群の32%が6時間後までにNIVが必要になった結果を加 味すると臨床的に⾮劣性と結論づけるのは尚早である。
• よりハードアウトカムに対する有効性、安全性を評価した研究を⾏
う必要がある。
69
批判的吟味
• 治療内容 (ステロイド、抗⽣剤など) が明記されていないため施設間で 治療が異なっていた可能性がある。
• AECOPDの原因が明記されていない。
• 肥満患者が多く⽇本の患者層とは違う印象である。
• HFNTからNIVにスイッチした患者がITTに含まれてしまうので、
ITT解析で差が出にくくなっている。
私⾒
• AECOPDに対してはNIVがやはり第⼀選択。
• HFNTでも乗り切れる患者群は⼀定数いるとは考えられるが、
その選択をより正確にするためには体格や急性増悪の原因など の因⼦を加味して検討した研究が今後必要と考える。
• インターフェイスや閉塞感が原因でNIVに認容性がない軽症~
中等症の患者にはHFNTをトライしても良いかもしれない。
71