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落 ち つ き の な い 子 ど

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Academic year: 2021

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(1)

落 ち つ き の な い 子 ど

T .M.

女 子

8

6

か月 小学校五年生

。 主 訴 落 ち つきなく 注意敬慢である。

家庭深境

実 父 工 員 小 金 校 卒

33

才 実 母 農 業 小 学 校 卒

3 2

才 弟 保 育 園

5

管 は

f

大 家 さ ん 」 と い っ て , 農 地 を も ち 豊 か な 暮

L

だ っ た ら し い が , 終 戦 後 の 農 地 解 放 と 家 業 の 失 敗 の た め .生活はやや苦しし、。 家は昨年の台・風でひどい被害をうけた ので,家を新築した。祖父母は健在だが家事誌に失敗して以来父母と仲がじっ〈りせず別居している。

生育歴

誕生前 母体は健康で ,とれ といっ た疾病にはかからなか っ たが,感阻が強か っ た 。との当時は姑と 同居。

出生期 母子ともに異常はなかった。出生時の子どもの体重は

3750g

弱。

乳児期 母乳で育てた。発育は普通であ ったが . お し めの践が うまくいかなかった

n

養育上{; 罰 だ っ たととは , 有熱│母f こ吐乳するとと,夜驚のあるとと であった。

幼 児 期 発 育 ・ 知恵づきとも脅通だ ったが

a

人にぎらわれる性質で.保育鋼へ行っても友だちとあ吉

b

遊ばなかった。夜尿は

4

才まであり . 保育園へ行っ た時は一晩に

4 ‑5

回もあ った。 姑と 同 居していた頃夜驚もあった。

児童期入学当初は学校へよろとんでい っ たが相変らず友だち が少なかった。

2

年生の き学期頃から 時間中に用使令訴えるようにな)J. ひど い時は

1

時閣 に

2 ‑ 3

度と いうとともあ ったが最近 遠 くなって来た。

身体状況

発 熱 しやす く, 風邪にかか

b

やすい。しかし学校は風邪で一 目しか休んでいない。身体的姉危 ・身 体的障簿はないが姿勢が少 し 必ぃ 。

性絡特徴

陰気 ・ ふさ き ' 込む・ あきっぽい・ 落 ちつき不足 ・ イライラしている・世話ずき・面倒くさが)J. っか れやす い・自分を守るために

i

姐をつく

ζ

とあ.b

.C

以 上 母親所見)

。 学留成綬 ・学 習態度

1

年の頃は母親がよく 堂留をみていたので上の部であったが . だんだん怠けがちにな.t .成績 も 少 しずつ下 って来た。現在はタラスの中位。母親はひ じ

z

うに

IL

'

し ているが . 本 人はふさ

b

気にかけ ている機子がない。き党笛態度は注意散慢.我鐙で, 行儀も感 〈 注意をうけるととがしば し ばある 。明 らかに自分に落度があって注意された場合でも , ぐっと教師や友だちをにらみつけ , 反省する態度が みられない。他の子どもとなじまない。

;9雨宮テスト

学校で突悔 し た検査 田中

B

式 知 能 検 査 知 能 偏 差 値

49

,‑

2

5

学期に実施一 当相談室で

5

回目の来所時に実施 し た

W ISC

知能検査結果は次のとおりである。

1

(2)

1

一 般 的 知 識

一 般 的 理 高 年 務

5

算 数 問 題

5

単 諮 問 題 査

( 数 唱 問 題 )

動 作 検 査

7

絵 閥 完 成

8

絵 画 副 列

9

積 木 稜 傑

1

口 組 合 せ 問 題

11

符 号 問 題

1

( 迷 路 問 題 ) 言語検査

1 1 

プ ロ フ ィ ー ル

1 2 3 4 S 6 7 8 91.1 1114 11.6 17 18 19 20 

動作検査

全検査

プロフィールの検討

~ 3

で 釘

fjg

閤箸は正常上知である。

下位倹査の平均点 は

10

点、であるが,だいたい平均点以上であ!:> .下位検資聞に甚だしい凹 ー凸がなく問題がない。一般的知識・単語 ・ 問題がやや劣る。

言語性

I Q

と動作性

IQとの聞に少しの差がみられるが, ζ

の程度の差は問題にならない。

言語性工~~比較して動作性 IQ が低いといっても正常の段階にあ.!?

. 身体的 ・ 生理的欠陥が あるとか働問商にむかないなどとはいえなし、。

観 嬬

E録

E

霊的な発言が少な く, テスタ ーに促されるととがしばしばである。

算数問題では .早 のみとみをするととがあ.!?. 答を後から訂正して言いなおすととが多い。

迷路問題では,あわてて線を交叉さぜたため点数が やや低い。

。 親子関係、診断テス ト

とのテ ストは第三回目のカ ウンセりングの時聞に突悔したものである。 との結果をダイア・グラフ によって表わすと次のようになる。

母親は ・干渉・厳格 ・積盤的拒否 ・ 消極的拒否・不一致などの傾向がひじ

z

うに 強いばか

b

でなく 期待 ・ 不 安 ・ 矛噴などの項目にも問題がふ.!?. 危険な状態にある。とのよ うにいろいろの簡で親の態 度に

H

騒があれば.子どもの陪髄も起とるのは当然といえよう。

治療

専門医の診断によれば,身沫に別状はなく精神的な問題であるとのととであ]1 .当相談室としても 母親の干渉過剰な態度や拒否的な態度が . 母親と子どもの聞に感

1

符のみぞをつくJ? . とれが家庭生活 や学校生活において子どもの問題行動をひきおとしたものと考え , 母に はカウンセリング,子どもに

4 2

(3)

....<1"J

L手歩昔話1

",‑‑

(盲従1!)

は遊戯治療を実抱した 。

ζ

れは

5

固にわた

b

実路されたが.次にその治療伍&を略述する。

第 一

7

回 カウンセリング

との受理面接で母親の語ったととは

fM

子は ,なぜか落ちつきなく . 頻尿で専門医に診察してもら いましたが.身体には奥状なく神経性泌尿だといわれま した。 担任の先生とも連絡をと っているので すが.家では遊びゃテ レビ に熱中して宿題も しま せん。字も。 榔 笹 で 困 り ま す 。 服 装 問 調 に お し ゃ れ であり.用便が近いのでズボンをはかせてお くの ですが.スカー トを はきたが

b

きず。またきま っ た 時間に登校できません。 乳幼児期の撲がおくれたのだと思います。神経質でよく腹痛を訴えます

J

1¥

どで,次から次へと

M

子の欠点を並べた。

遊 戯 療 法

M

子は入室すると,無表情で部屋をく・るっと見まわし.おもちゃ{人形・電話・空全ごと道具など) にふれて,すぐ手を引込める。察、の外をじっと眺める。治療者が「とんな吉

i

畳 の な か に い る よ り . 外 で遊んだほうが楽しいと思、っているの」と話 しかけると治療者をち ょっと 見たが,なにか堅い表情。

えのぐをいじ

b

始めたので

t

治療者が [ 使ってもいいのです よ

J

というとユッコリ笑って寵の松を写 生する。時前いっぱい描き続ける 。

表情に変化なく , なにか堅い殻に閉じともっている感じがする。

第 二 回 カ ク ン セ リ ン グ

‑ 43

(4)

父と母とは撲の方法に相違があ!J. 

M

子が両親の聞にはさまるとともある。ととにテレピ・宿題の 問題で両親の間で口争いがでるととが多い。オシッコ は遊びゃなにかに熱中している時とか乗物に乗 っている時には行かたい。家庭ではあ主

b

めだたないが授業申は行くらしい。医者は病気ではないと いうレ・・……と考えとむ。

M

子 i

:tJ

中聞 はずれになると いって毎日朝早 ・ く登校する。

遊 戯 治 療

勢とともに入室するp 「との部屋におもしろいものがいっぱいあるよ。」と弟に話しかけ

.5

持がピス トルをもっと,その弾の入れ方・打ち万などを教える。

姉弟で

L

ばらくピストル遊びをしていたが,それぞれ一人遊びにかわる。ピアノ・木琴を奏する

M

子の表情は,だんだんほ

ζ

ろびてくる。治療者に電話を手渡し,治療者にお客の役割をさせ

.M

子は ソパ屋きをする程,遊び治ヰ奔成的にな

T

.思いのををに行動する。

また来ようという弟の言葉に

M

子がうなずく。

第三回 カウンセリング

親子関係診断テストを実抱する。終了後カウンセ リング。

参観呂があ っ て , 先生は用便の回数は少なくなったという。学留ぶ

b

を見ていると,授雲在中に椅子 をがたつかぜハラハラする。本人は「ぜっかく勉強していってもかけてくれなくてつまらな

E

、。」とい う

a

先生は特定の子ばか!J

~をかけるのだろうか.えとひいきのない先生だという評判ですが……。

難 しい 払鳴を解いてびっく

D

するとともゐる

J

といって母親が ほほえむ。

遊 戯 治 療 W 工

sc

知能検査実抱。詳細は前述。

第 四 国

家事の都合で業所でぎなかった。

第五回 ヵウンセ日ング

本人はオシッコは直ったという。先生が身講をなおし,勉僚ができるよ

5

になった入には賞状を出 すととにし,一番にもらったといってよろとんでいた。

宿題も忘れずにし , 家事の手伝いをしたがる 。 掌絞であったととも話し,よ い先生だよという。先 生も大勢の子ども相手でたいへんですね……わたしばか

b

気をもんで・…日本人はだいじようぶといっ

ている。

遊 政 治 療

弟 とともに入室する。弟が物につをずくと「なんともないの

d

などといろいろ気をつかうほどの姉 機ぶり。

との日は一時間中人形遊びをし. 楽 しそうに一人遊びをしたが.かなり細かく人形に動作さ栓る。

遊びはきわめて構成的で入形の家族 ( 母と子ども)の洗濯・おやつ

e

食事 ・デパートへの貨物の場面 をするョ食事はつねに子どもを接先させ,親子

2

人 で

i

きを歩くときは.母がつねに道路側に立つ程の 心のくぼりょう。治療者の問いかけにもいつもニッ コリして答える程のあかるい態度がでている。

遊び時間の終了を告げるときちんと後始末をする。 ( 相談終了後デパートへ行く予定の旨母親から 話があった。)

との事例は母親の意向で五回で中止されたが.もつ之継続 し たい相談であった。保護者が現に当面し

‑.d..d.‑

(5)

ている問題

(子ども

σ

滞 ち 苛 な さ ,オシッコ ・有効強・母の教師への期待など〉は深刻でああが, そ れに関して母親みずから自分の問題解決を促進 し た意義を重視したい。

親子関係に問題がある場合,学校生活上の問題は親子関係へ親 ・ 子別々の形で投射される。子ど もの 素質 , 能力 . 希望を無視して . 両親が子どもに過大な期待をよせ , 子どもをよ

b

ょく しようと細 々とし

た世話をやくととは . 子どもに掌業その他の訓練に抵抗さぜるととが多 い.また愛情があってもその表 現に欠陥があ

b

子どもに伝わらな い拒否型 は ,子ど もに注目索引 ・説 ゑ攻撃などの問題を起とさせる。

との事例においても.前述のような親子のみぞが,学校封苫に但任教師に投射されたものともいえる。

親の教師 への 信頼・先勝寺は ,わが子の成績の低下. 着ちつきのなさなどの問題を通じ て不安をかもし.

先生が材提の子どもに目をかけて,わが子の世話をしてくれないのでは郎、かと考えるようになる反面,子 どもは親への抵抗から担任教師を自己防護需のためになんとな〈利用していたことが(たとえば先生が.

勉 強 し ていってもかけてくれないから て 司 ま らないなど) 実際に毎日起とっているか の ような錯覚に陥る

ようになる。 ~た頻尿も教師への索引的行動であったがそれよ b もむしろ母親への抵抗であった。

とのように親子関係のみぞは.しばしば掌習・性行上の強硬な問題(;官、掌・登校拒否など)に発展す るとともある。

l

知 能 の 低 い 子 ど も

A . A

男 子

?才5?"

小学 校

4

年 生

。 主 訴

知能測定

。 家庭環境

実 父 公 務 員 旧 制 中 学 佼 半

44

実 母 無 職 ! 日 制 女 学 校 卒

40

兄 高 校 在 挙 中

6

家庭は住宅街にあ!J , 住宅はかな

b

広く ,

A児i

は自分の部屋 . 専用の勉強仇をもち , 比較的に環境は ととのっている。肉親自身 「 父・母・兄の五人に可愛がられて . よい努囲気のなかにいると思う。 」 と

'

家庭の努囲気を語っている 。

生育歴

誕 生 前 母体は健康で , 妊娠中とれという心血ごとはなか っ た。

出生駒 熟産で出血専の体重は

28 1'g

あ . ! ? ,身体的な臭状はなかった。

乳児期 母乳で育て.

1

年位で離乳 した。 お し めの犠は

6

か月で完了し.ひじ

t

う に う まくいった。

歩きはじめは

1

5

か月を経てからである。育てるに気がかりなと之はなかった。

幼児期発育はよく幼縫園へ

2

年いったが, はじめの半年くら いは母親が送っていった。近所の友だ ちとはよく進んだ。

児重量期学校へはよろとんでいったが成績がふるわず.クラ スで申 下の位置にいる 。好きな学科は.

算数 ・ 体育で国語・音楽が鎌いである 。運動は特に好きで,得意なスポーツは野球,走

D

競 争などでふるー

。 身体状況

視力は左右それぞれ

0

5

. , 日

7

で少し低いが,

ζ

れ以外に身体障轡,伺砲はない。しか し 学校でたき に身体が絢から腹にかけてだるくなるととがある 。

‑45

(6)

性絡特徴

短 気 ・ あきっぽい ・ 落ちつきf不足・商倒くさが.!?. , 乱暴・わが宣言 ( 以 上 母 親 所 見 〕

。 掌習成績・学習態度

体育は優れているが.国籍、音楽・図工が劣る。他は普通。学習医学問申落ちつきなく.一世にあきや すい。発表力がな< . 知 識 ,理解も 浅 く確実性がない。字はいつも小さく霞くが ,ノート の使い方は 乱暴.きま変である。

性絡特徴

わがま吉勝手で . 自己の主張をとおそうとする。負けず鎌いで誰とでも争う。(以上.担任教師所見)

知能テスト

2

年 五 学:期に学絞で突砲した教研玉突掌年別知能検査の結果.偏差値

61

であ った。 知能測定という主 訴に答えるため に .2 回目の来所時に

W IS C

知施検査を突悔し , 知能構造の杉備も詳しく検討した

結果は次のとお

b

である。

プ ロ フ ィ ‑ I

1 2 3  4 5 6 7 8 9 111  113  14 15  16  17  18  19 20 

̲' ̲ ̲  ̲ ̲  , 

,  , 

吾̲1

一 般

的 知 識

I , , 

, 

, , 1 

2

一 般 的 理 解

語。

3

j 車 数 問 題

1 , , 1 

,ト

1 ー‑‑‑ '

4

類 似 問 題 査

5

単 語 問 題

J

イ イ

1

1

プ ナ で 士 ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 亡

4

, , し。

〆 ー

絵 画 完 成

.  ト J i

作 絵 画 配 列

1/ 1 1 

T

口 組 合 せ 問 題

I11 

符 号 問 題 〆手

( 1

(迷路 問 題 ) , ̲ ̲ ‑

言語検査

1 1 1 

動作検査

1

全検査

r1 2 2  プロフィール の 検

M

IQ

122擾秀の段階に属している。

動作検査では下位検査に甚だしい凹凸がないが.言語検査では単諮問題.数唱問題の係点が 低く類似問題には強い傾向を示している。

言穏性

IQ

は動作性

LQ

に比較して

7

点低い。一般に精神薄弱児は動体性

1Qo

,言語性

IQ

b

高いといわれるが, 言語性

IQ

が尚止の段階にあ

t

. 精神薄弱の心配は安ったくない。

CA

' l ' 性絡検査

.自己p

位 置 役割を卑下した.!J. 逆に無浅されるととを回避するような反応が多い。

親子関係診断テス

(7)

知能指数が正常上知で問題がないとすると . 母親がなぜ嫡防品噛にしたか . その原因を追求す る必袋がでてくる。 さまざをの人間関係のなかで.性裕形成に長も大きな役割を来すのは . 子ども の生活の中核とな

t

. 心のよ

b

どとろとなる親と子の相互関係にほかならない。したがって子ども を正しく理解するためには . 単にその性格を探

̲b能力を測定するだけでは不じゅうぶんで .かれ

らがどのような親子関係の申で生育 してきたか , きた現在どの ような交流関係をも っ てじるか解明 する必授がある。との解明から知能の問題がと

b

あげられた背景がある程度

tE

慢できるものと考え る 。

テスト結果のプロフィールは次のようになる。

(;f.í~裂}

母親は厳俗 ・ 積極的拒否・不安 ・教育上の矛盾・不一致などが著 しく,干渉・ 消僚的姫否 ・盲従な どの傾向もかな

b

みられる。このような母親吋晶度の厳格.拒否 ・ 不安などが , 子どもと母親との開に 問題を生みだ し ていると考えられる。

治療

第一回

カ ウ ン セ リ ン グ

知人から紹介されて

.A

児の知古湖リ定を依頼してきた母親は , 相談日に

A

児とともに来所し.いき

47

. . 

(8)

b

大声で「との子はどうしてとうなのか.馬鹿で して……

J

と子ども をかえりみて訴えるなり苦笑 した。をた「割に良い環境なのに.最近乱暴で落ちつきがなくて… …」ととぼす。生育歴・既往症 身体状況などに問題はみあたらない。しかし,母親は児には好意的である。

遊 戯 治 療

おもちゃを棚から取りだし . すぐもとの位置にもどす。その時治療者の顔色をうぞ かがう。無口で絶 えずうつむいている。終了 { 約

5 5

分後 ) を告げると遊戯申でもないのに.離れにくいようす。

r

う時聞か。

J

とつぶやく。

第二回

母親には親子関係、診断テス ト を.子どもには

WISC

知能険査を爽抱した。この臼,知能検査結果は 母親に伝えなかった。

第 三 国 カ ウ

γ

セロソグ

今宮でおとなしい兄ばかりに自をかけ . 弟の面倒をみてやら なか ったように患、う.父は無口だが.

本人と一緒に遊んだ

b

して可愛が っているので,私よ

b

父親になついているなど身近な話題が多い。

遊 戯 治 療

CAT

性格検査を突抱する。

第四国 ヵウソセリング

Z

題も家族の一人一 人から親類にまで およぶ。

r

私のおじさんが一人新 潟 に いますが.その人は と の子が好きで.可愛がってい吉す。そしてガミガミ言わないようにと訟に言いき主

J

などと諾しなが ら母親自身の払鳴にふれ.きめつけるような辞句もなくなり「訟が感いのかしら.とれ からは自分自 身のととも考えてみなくては……

J

ともらす。

遊 戯 治 療

固い表情もほぐれ,おもちゃをじようずに使って遊ぶ。クレヨンで絵を紙いっばいにかき治療者に みせる。父親 . 友だちの名前や遊んだようすをとをかく請す。小さくて聞きと

b

ずらかった声も大き くな.!1 . 言葉もは っきり してくる。

第五回

急に家事の者

s

合で来所できない旨電話あり。

第六回 カウンセ日 ング

新全期初めての象観日がお って.授業をみる。ゆと

b

をもって子どもをみているととができる。新 担任教師から . 落ちつきがでてきた し. 学習態度にも意欲がみられるとほめられる。

r

とれからあた たかく子どもに疾しをす。本当にほっとしました。

J

と諾す。

遊 戯

.

治 療

自転車に乗ってくる。相談が終ったら自転車でお使いに行くのだといって元気に遊ぶ

α

ときどき冗 談もいう。数日来の家庭.学校のできごと安とまとまと話す。

との事例は,第六回目の相談日に

A

児の知能.性絡検査の結果を示し . 母親の意向によって相談を終 了した。当教育相談室では単なる知能測定の問題でも . 知能測定結果や診断を説明するばかりでなく

「 なぜそれが払暗視された治づ 「 その背景にひそむ現実生活の諸問題はな肘づ を重視し.その{瑚と

治療を行なっている。

(9)

との場合でも母の兄への偏愛 . 本人への過度の厳絡・不安.拒否的な態度は.母子聞に情緒が

1

感情的 問題を生じさせ , 相互の理解を妨げ,積子関係の安定した調和をゆがめ . 母親は焦慮し

A

児は落ちつき をなくし,ほとんど口をきかない状態

Itjt

てし叱。さらにとのとと限

.A

児の知能発遂に影響し.学君主成 績に大きなマイナスになった。しか し 母親自ら教育相談を受け

.A

児のために献身的な努力をし.熱心

に継続的治療を・うけたととは.とれらの問問解決にひじように有効であった。

また担任教師の適切な協力が得られたと

k

も 主 主いした。 教育相談に関する担任教師の理解と協力 . 全 校之家庭の窓志の疏通は教育相談の効果を左右する。

保護者が気づいていない子どもに対する過度の期待.保護 , 盲従,禁止などはいろいろた親子間のみ ぞを深めるととになりやすく . 保護者も教師も子どもの問題の早期発見に努め ,とれを放置するととな く適切な指導処置をとるとと

IJ;'

皇される。特に人間関係の偽 緒的障容は幼児 ・ 児童の知的発達に影響 し 学業師友に低下をもたらすととが多いからである 。

肢 体 の 不 自

I

由 な 子 ど も

S. K.

男子

1 2

6

か 月 小 学 被

6

年生

。 主 訴 社会性を養ぃ.集団生活ができるようにしたい。

家庭環境

祖 父 酪 造 業 小 学 校 高 等 科 卒

5

才 実 父 醸 造 業 小 笠 校 高 等 科 卒

9

実 母 家 事 旧 制 女 学 校 卒

6

才 妹 小 学 校 在 学 中

1

才 妹 づ 母 校 在 全 中

P

才 生活程度は中流のよ (担任紺市の所昆 ) 。 祖父は民生委員であって , 教育?で. 理解があるばか

b

でな く.児童福祉にも貢献している。父は口数は少なく気が短かい。子どもの教育は母親にまかせている。

母は教育熱心で , 学校に協力的である。兄妹仲は翫置だが . 年子の妹は

.M

児 が

1

年就き詮猶予でお く れているので , 同じ学校であ

.!?K

児の後過症について気に して口 出 しするら しい。

E

児は犬を飼育 し ている。

生育歴

誕生前 母体は健康であり . 妊娠中は別に心毘どともなかった。

出生期 お産は順調・で,出生時の体重は

347011

。泣き万,吸乳力ともに強かった。

乳児期 母乳はじゅうぶんあり ,人工栄養は用いなかった。離乳の時期は不明だが ,おしめの撲は 普通で発育はよかった。

12

か月ぐら いで歩きはじめた。

ζ

の頃祖母が結核性腎炎をわずら

。ていた。

K

児はとの姐母にかわいがられていた。

幼児期 満

1

才を過き'た頃脳脊髄膜炎を発病。

K

児が治癒した頃祖母は腎炎で死亡した

ε K

児の

UB:

症はかな

b

ひどく,発育や知恵づきに犬きな障務を与えた。保育所に

1

年行ったが . 身 体 障 筈のため友だち主遊べなか った。

児童期 身体障得のため.

1

年就学猶予してもらった 。 学校はほとんど休まなかったがぬけ遊びを し たととがある。小掌校

3

年の?月から

4

年の

5

月をで , はまぐみ学園に入国した。その後,

前の小金校にもどったが.入園前のように団体生活ができなくなった。成績は

1

年生以期ぎ か ば か し く な い が , 掌 佼 へ よ ろ と ん で 登 校 す る。友だちはみな保護者的な関係にある。

‑49

(10)

既往症脳脊髄膜炎をわずらう以前に申耳炎にかかって い る。

身体状況

脳脊髄膜炎の後退症と して そ右半身麻知事している。右手は上校全体を局内高さぐ らいまでようや く 上がる稼度 . 手首から先は全 然きかない。右足はピッ コをひく程度だが.膝から下は麻枠がひどく,

靴をはく時は手ではかせなければならない。そ の他視覚障鰐.聴覚障簿 .を伴っている。体の右側

j

麻 枠のため運動

J

B

障害は当然であり . 左手で箆手その他の用をたしている。夜尿は

9

才砕詮でみられ た 。

i'1:裕特徴

続 女 . あきっぽい,落ち つき不足 .簡倒くさが.!'J .わが主主.依存的.っかれやすい{以上母親所見) ひじ ようにわが空会な点があり.他人が自分を世話してく れるのは当然と いった態度がみ られる。

独立して闘難にぶつか

b

それをやりめとうという気持がない.感情が激変 し,ち主っ としたととにも 泣いた

b

笑 った

b

する。注意されるとすぐむくれる。11uく叱られるとすぐに泣考だすが圭た 同じ過失 をくりかえすの

1‑2

年生には威張る反面かわいがるというという

ζ

ともある。物の取りあっかいが 粗雑で設惑である。 ( 以上教師所見 )

学習

E

会教科にわたり基礎的知抜(J

i

不足し,

6

年生の教科需はほとんど理解できない。したがって学醤意欲

も低い。国語は 4~程度の本がやっと読める 作文はやっと判前できる程度。算数は 1位数の加法が

できる。時々周

iVWl

に掌校内を放浪する 。教師にはなれたれしい不作法な態度 ・ 言葉

(i)!

いをすると と がある。

知施テス ト

学校で爽協 した鈴木ピネ 一般査では

7 6

であった。一五年時に実権一 当相験室で突抱 した

WISC

の 結果は次のとお

b

である。

:

( 1

2

般 的 知 識 般 的 理 解

5

算 数 問 題

I4

類 似 問 題

I5

単 諮 問 題

l. 

( 数 唱 問 題 )

7

絵 画 完 成

8

絵 画 配 列 作 j

9

僚 木 模.機

e

I1

口 組 合 せ 問 題 査 I

11

符 号 問 題

12 

( 迷 路 問 題 )

プ ロ フ ィ ー ル

1 2 5  4  5 6  7  8 9 10 11  12 15  14 15  16 17 18 19 2

8 I  ,  I  I  I  I  I  I  I 

言語検査

I Q 8 5  

動作検査

6 6 

全検査

(11)

フロアィールの 検討

全検査

1 1

で劣の知能段階にあ!:J.精神境界線児である。

言語絵査

IQと動作検査1

l:の聞には

17

点 、のひらきがある 。とれは右学身麻砕をいう身 体障害事によるもめである。言語検査

IQ

は正常下知の知能関箸にある

d

動作検査の下位検査に凹凸が著るしい。とれは手で記入するというととがことに医難'である ためであん1)

n

。 親子関係診断テス ト

テスト結果は次のダイア・グラフに示すとおりである

a

( 激

4昏音量}

;弱~型)

との事例の母親の K 児に対する態度で,問題となる点 1 1 過保護{干渉.不安〕・支・既的(厳絡)など である

0

また拒否しすぎる

a

溺愛 しすぎる.父母の脹万が一致 しないなどという函もみられる。

。 医掌的診断

小児科医 脳脊髄膜炎は結核性のものである。右上版下肢のまひの具合.顔面神経障害などからみて 脳底に陣容があると思われる。したがって脳の障害を検査王し,場合によっては入院手術を 必嬰とする。難聴はストレプトマイシンの後遺症によるものである。発芦障害はある程度

‑51

(12)

自信をつければ回復する 。 脳障容の程度によ っ ては

.K

児の抑圧の解放を通じて . 今後教 育指導 ( 趨朱→犠業訓練)の可能性もあろう 。 母親の問題も併行して解決したければなら ない。

精神科医 脳の険査を裂する。 脳障害には薬物療法を実悔し.劣等感 ・ 抑圧たどの治療には心理療法 を必華きとする。母親: 自身の生活態度も

i

司時に反省を嬰する。

治療

遊戯治療 { カウンセリング併用 )

佼初の数回は入室すると.いろいろの昆具に手を触れ ,いたずらをする程度で .捌からおろして遊 ぶと いうととはなか った。時にはクレヨンで絵を描く とともあったが .茶色を

iii

に塗りつぶし . 登 場する人物 , 事物は紙の隅に小さく描き,主題・構成もはっきりしないものであ ったが .いつも自分 勝手な説明をつけていた。

回を追う毎に椅子に腰をおろし治掠者に話をするとと

1;;

多くなり.ついには一時間中話 し 合うよう になった

n

話の主題は . かわいがって いる犬 ・ 昆虫 ・ 歴史・動物 ・ 掌絞生活 ・ 妹たち・逐

mt

企 ・ 遠足

. 自作の小説・小遣い・家庭生活 自己の病気など.一貫性なく,思いつ〈ままに話し:t~話に登場寸る

人物は母 ・ 担任教師 ・ 妹が主体で.話の内容

111

湘的.攻掛句で,時には残忍なとともあった。小 説のなかでは自らを月光仮面 , 明智小五郎のようた子どものあとがれる万能な英雄にしたてていた。

自己の病気については 「おれそん しちゃった。も

o

とおそく生まれればよか っ た。今の子どもが僧内」

とく

b

返 し. fJLをたた く のがつねであった

言葉ぞ児島臨?と.I;tt 島野でわがままな面カみられTと~U>'>l治療者と の関係は回を追うごと応かな

b

深められた。そして , 来所するととを 「 す ごく 楽 しい

J

といっていた。

カウンセリング

母親の

K

児に対する苦悩は深刻なものであって,カウンセリングの初期では・極めて問題に対して否 定的感情態度であった。自らを

S

ぜいに して もよいと思う反面 . 締めにも似た感情の葛藤があ

b

b

と 諮の中でうかがえた。時には.現実の問題{主に人間関係が多かった)に立ち帰

D

. 時には空想の批界 にのがれ , あを

b

一貫した話 し 合いはなかった。小掌校卒業後のととについては・割に数回のカウンセ リ

γ

グにわたって話題とな った。

ζ

の事例は . 不幸な子どもをもっ保護の情緒朕疫定をめざして行なわ れたものである。 付、母校卒後

. M

中学校の特妹学級へ入学 し. 現在在掌中である 。 )

K

児についての相談治療は,本人の器質的陣容や知能の低さのため,はかばかしい進展はみられ

なか った。とのように器質的障害のある場合 , 当相談室で は治療はひじ 主うに困難である 。

無 気 力 な 生 徒

NK

女子

14

6

か月 中学校

5

年生

主訴

さ詮校へ行ぎたがらない。ととに三学期 i まいってから は一週間に

2

回くらい しか登校せず . 勉強もち っ ともしない。

家庭環境

実 父 機 械 商 l 日制高専卒

42

才 実 母 家 事 I U制

l

女学校卒

38

(13)

妹 小掌校在掌中

11

才 妹 小掌校在掌中

9

才 通いの庖員

5

父は子どもの撲にはあき b 関与せず放任している。母も家事; その他で忙しく子 どもの世話はゆきとど いていない。姉とl:

t

鮫して妹たちは活発である。

家は商底街に位置し . 夕方かな

b

の喧県をともなうが . 専用の子ども部屋を設け.各自に勉強机を与 えておく。

生育歴

誕生前妊娠中母体に呉伏はなかった。

出生期 安鐙で出生時の体重三

15 090

泣き方,字し の吸いつきは普通であった。

乳 児 期 母乳の量が少なく.母乳とミルク混合で育てた。

10

か月頃 に離乳,おし めの撲は普通

ρ

し かし発育やや感< ,はいはじめる"1でに

15

か月を饗した。との頃はし

z

っちゅう泣いてい て育てるのに苦労した。

幼児期 やや標準に近い成長で.知恵づきは早かった。しかし幼稚園をいやが

t• 近所の子どもとあ j t

遊ばず団体生活の経験をへずに学校生活を迎えてし.まった。 家庭では神経質・ー自己中心 的・わがさをなどが心固な点であった

a

児童期 はじめは母親が送らない主学校へ行かなかった。小学校の成績は中位であったが.中学校で は中下にさ点 。ている。しいて好きた学科といえば・数学・理科で.厳いな科目は体操であ る。学校では友だちがなく孤会である。

IJ

母校入学前にはピアノ,舞踊を .

IJ

、掌校時代史は 誹義・置字を.中学生になって英語・珠算などをならいに通ったが.いずれも長続きせず,

あさ

b

上遠しなかった。家の中にとじともっているととが多い。

既往症 特記する程の病気はしていない。しかし小さい頃から薬を飲むのをいやがり , 現在も薬を拒 否しがちである。

身 体 状 況

病的けつべきさが弘る。

性絡特徴

白 短気,あきっぽい,強

1

脊,きちょうめん . 涙もろい.はずかしが

t

( 以上母親所尼 )

治療

本人は一度も来所しなかったので母親にだけカウンセリングを実陥した。

第一回 カウ

γ

セリング

「 せめて高校ぐらいあげたいのに . さっぱ

b

勉強しないので困っている。との先どうしたらよいか 考えると暗くたる。下の妹たちは元気に喜んでき芝校へ出かけるのに,との子は草月になる主〈・ずるーす ると妹たちにひやかされてをす設す行く気持がなくなり . 自分の部屋へひっとんでしまう。小さい頃 はききわけのよい子どもだったのだが……

J

と 盛んに愚痴をとぼす。

第二回 カウンセリング

「あの子とはちっとも馴染めなくて.. ・ .

H

・なにか気があわないというのでしょうか。主人も我鐙で 自分のしたいようにしています。でも不思議にあの子は主人になついていきす。主人の留守中にかぎ

って頭 b司高いといって争絞を欠席L 主す。~るで私が監視されているみたいで………。何のお稽古ご

とをならわせても長続きしないし,体には

b

がみ

l

られないんですね。たをにl':

t̲ 

o.茨の手伝いでもして くれるといいのですが,ほんとうに闘った子どもです。友だちが時々迎えに来てくれます。先生が気

‑53‑

(14)

をもペ

J

で迎えによとすのかもしれません。

J

と主人や子どもの批難が多い。

第三 回 カウ

γ

セリング

主人はお前のぜいで,とんな子になったのだと責める。私も反発したいのだが口にだせないし…。

幼ない頃はとても気のきく良い子だったのだがどうしてとうなったので しょ う。勉強の万はもうあき らめている。でも家の恥になるから.せめて高校ぐらいは入れたいとも息う。

第四国 カウンセリング

先日小学校にいっている子どもに,ち

z

うど良い服があったので買ってやった。 との子はたくさん 衣 服、 を買 ってもらっているのだが.だだを とねて「ちっともかまって くれない

J

といってひどく強情 そはって闘った。中掌を卒業するというのにいつをでも子ど込ぼ

o

くてよいものでしょうか。……で も何か不満があるのでしょうか。怠島Eはわからない。勉強や仕事院は無気力なのに,とんな時にしっ と く 殉情をはる。どうしたらよいのでしょう。 ( 愚痴.質問も多いが . やや反省もみえる )

第五回 カウンセリング

主人が風邪をひき床についた時冗談に「もしお父さんが死んだらどうする。

J

と聞いたらあの子が

「お母さんはどうするの。 」と 反駁した。今主 人に死なれては困る し.そんなとと考えてもみなかっ た。

r

子どもって仲々うがったととをいうものですね。困るのは二人とも閉じ

ζ

とです

7

から。どんな 場合でも,もし自分がそういう立場に立たされたらと考えてみるととは難しいですけど……。」

第六回 カウンセリング

本人と母親来所 ( : 本人 は 教育相談室とはどんな ととろ か見に来たといってすぐ帰る。)

どういうわけかとの一週間 .遅刻はするようだが学校を休をない。今日学校から帰ると弘も行。て みたいと言ったのでつれて来た。考えてみ九ば . あの子と一緒に町へでたのは久し..C;

tでしたわ。た 1

主に連れだすとよいのですね。

第 七 回 カ ウ ン セ リ

Y

先週とちらから帰宅してみたら 「 お父さんが食べたいといったおかずを寅ヮて味た。」といい,お 血を出してみんなに分けてくれた。珍しくその日は食卓の後始末をしてくれた。手伝ってくれたとと は今までに数える稜しかないのだが……。 ( おかずについては支は知らないといっている。)

との事例は母親の意向で七回の相談で打切られた。後日母親が当室をたずねて

ζ

られ本人は家業を手 伝うかたわら,洋裁を包いに休まず通っているととを諾された。

なにか無気力で,いくら言っても勉強しないという子ども,とういう子どもは掌 習の聞だけではなく 性行上問題があった.IJ .あるいは感情不安があって落ちつきがなく,よく強情をはった

b

反抗をすると いう特徴をもっている。それは.学習意欲に問題があるというととは,情緒障害があるという意味にお いて.性行の不安定とも一致する陥商であるからである。

との事例の子どもは,なぜ無気力にな!J .学事業を怠け,登校をいやがるようになったのだろうか。そ れは.小さい頃多くのお梅吉ごとを1F} "='ているように貌の子ど もに対する

j

lf1l大な学留要求 ,いろいろ な干渉,抹との差別待偶などから無意識のうちに親に対する反抗心がでてきたものと考えられる。との ような場合親の最も関心のある問題を拒否して親に抵抗を示すようになる。とういう親子の心のみぞは まず親が自らの態度の非を目覚して改めるととが必要である。

ζ

の事例jの母親は.第六回のカウンセリ ングで「相手の立場に立って考えるといりととの必裂性

J

を自ら洞察した。ととに教育相談としての大

‑54

(15)

~な意義がある。

H

1

i

惑 に さ い な ま れ る 生 徒

1. T.  女子 B

2ヶ月 高俊三年生

年の暮れ,踊れ

こ来たととのある

S生(高校生)の鯨トでI生 が 訪 か ね 主 訴 は

毎日の生活がう と空

しく

.落ちつかない。Jであるザイとの場合申し込み者が本人で

. 家庭.掌校には内織にしてほ しいと

いう希望で.資料は本人から聴取した程度のものであ.!?

:lJウンセリングの過程で説明する

)

第一回

カウンセリング

長い沈黙の後でぽつぽつとおとなの生活を非難し.話合戦女の属する演劇クラプに及ぶ~ .いかに 演伎が難

しいか熱弁をふるう 。終わりに 「

相談に来たととを内緒に

して……」と念をおす。家族構成

は母・弟の三人

(

:父病死

)

。母乳なくもらい乳長

く特定の人と交遊 し

ている.

ζb性できちzうめん 学業成績.上などと自己診断する。

第二回 ヵワセリング

先生や友人はまじめに相手にな

ってく

れないし,母親は問題にならないでわずらわしい。しかし,

瓦へや家族とともに過ごす時はうれしいa

よく夢をみて 「

自分はとうなのにJ

気付き寝

汗をかいて

目をささず。眠るととがとわくてねつかれたい

話す。

(年賀状に./Y.周にはかならず来所する旨記してあった。〉

第三国

カウンセリ

ング

痛恨毒事は父の死

(

四か月前

)

で進学を断念

た。進学者をうらやま

しく

思うと

とも

あるa

し ,

今の世では勉強しでも意味がない・Ha0 弟と争

。て

も後で寂しくたる。映画などに行っても何か空鹿 で自分を哀れに思う。

r

いっそのとと死にたい。

しかし……

J

第四回 カウンセリン

bの家の人

(

寧しをもらった

)

の万が母親らしくみえる

。夜業する母親の姿にすまないとも思う。

b

へは時々遊びに行く。小学校の頃…隣の人々が一時他ヘヲi越した時にだだをこねたととがあった

おとなは苦労

して

楽しいのだろうか。……わたしだったら……女なんか…川ぜでも母親は本当の事を

してく

れない。J

とい

第 五 回 ヵ ウ ン セ リ γ

「母親は私の気持わかっているのか,わからないのか。誰だ

って一

人ではやりきれないものですね 就職がきを

b

そうなのに…

… 。

M社でよくまあ……。先生がお惟話してくださてたものだわ

J

r と

の間,弟の服を縫ったら母に感謝された.母親の手に触れたのは久

ぶりだ。 Jとい。て舌を出す。

母親を連れて来てもよいかと聞く。

(よく眠れるという

)

第六回

カウンセロング

( M社の探用二次試験(面接

)

があるから来られない旨電話あJJ 第七回 カウンセリング

(親子で来所 ) n

娘からとれ主での話を聞き

.

弘の若い頃の話をしたら……娘に抱きっかれてお母

‑ 55

(16)

さんといわれきした。

J

( 母親の話 ) r 母 はナごくひらけていたの,母は話すのが恥ずかしかった

'

の ですね。

J ( 1

生 の 誇 )

そ の 後

M

位に入社 し た。先

B

駅で軽装した彼女に会。た。

r

とれから友人と登山にいく叫と笑顔で 答えた。

小掌校の申学年以降でも親子聞の情緒的僕

1

係を重視するが .多少ぞれ以前と趣を異?とす る。

J

長一人一八には家躍での生活行動上のわく組みがあり .

If!!;f

亡はその枠組み自

I

本に衿凍されて意志の 疏通を欠き,現実の問題に子どもが悩んだり,保護者が子どもの理解を欠く結果となる。良いととは良

いとして,しつけられた幼ない頃からの心情・ ~t員 f:l:

.自我が自ざめるにつれて.それに自らの万向と意 義を付与していかないと,依存し同時に回避するような両節的感情が強"i!J .おのずから注意・不安・

英勝・願望・嬰求などをつごうのよいように合理化して固執する。

しつけの難しきの一つは , 過去によい しつけでもそれなりに青年期に問題を残すととがある。

親子の相

E

の理解 (と 誌に立場

e

役割)には屈託のない諾しあいが重要であって,それにはかな

b

の 心の準備を必嬰とする。心の準 備には ,子どもと伎十る教師 ・ 友人から掌び得たもの , 肌で感じたもの が影響する。親子の問題は学校生活をめさにして考えられなくな:ってくる。

4 ‑ 教 育 相 談 の 今 後 の 課 題

( 1 ) 教 育 相 談

教育相談の実抱上の問題としては,予算僕

1

係 の

rJ

稿 は 別 と し て , 専任相談員の不足である。教育相談 は子どもとその保護者を同時に並行 し て行なうので.

1

ケースをとなすにどうしても

2

人の専任相談員 を必嬰とする。集活来談者の増加にともなって相談員の負担が増力し,教育相談に関する研究に支障を きた している。相談員の確保をめざすとともに,現場の教樹羽係の適当た方の協力を得るよう考えてい る。次に勉設設備の点であるが,猫設については幸い立派役新しい教育相談関係室などの抱設が完備さ れたので.長年の問題は解決された。設備も今後抱設に応じて鐙備 ・ 拡充する予定である。

相談員の増員・確保と関係するが.

r

どうして,こんなにためになる教育相談を

P R

し伝いのか

J

と よく質問 される。新しい庁舎には .同時に

2 ‑ 3

ケース を扱うととができる抱設がふるので

PR

して.

子ども・家庭・学校・位会のために微力でもつく したいのであるが.相談員の不足があレ踏になってい るのが現状である。教育相談と他の医療・社会福祉厚生などの関係はかならず しもうまく行っていた

LL

今後は,それぞれの立場

7

で互に協力し令う

ζ

とを希望し期待している。さらに一段と教駿関係者の教育 相談に関する浬解・協力が得られるととを願うものである。教育相談に関する研究上の問題としては , カワシセロングの評価がある。との分野の研究は最近強く製蔓され,多くの研究がなされてきたが.評 価の規準の不一致,目的と方法の関係のあい全いさなどの問題点があり一致した結論をだすにいたっ ていなし、。

ζ

の評価の研究方法として .カウンセリングの過程研究か ら評価する一つの方法があるが , その過程にあらわれる言葉 ・ 態度の分類の客舘化にまず第ーの困難点、がある。との客観化はカウンセ日 ングの佼術の客観化のためにもぜひ必裂なととである。その他個人遊戯療では得られない独自の治療機

‑56

(17)

銘をもっ鍋~遊戯療援 , 学伎の生活指導 ・道徳指導との結ひ

・っきなどは学校カウンセリングの間聞と関

連してひ

i

じように重裂な問題でゐる。

(2)

学 校カウンセリング

教育相談での カウンセリ

γ

グと掌校カウンセリングは 問 ーには論じられない 。 その立場や役割上の問 題 ・ カウンセラーの問題 ・ 勉設設備の問題 ・管理運営上の問題など も あろうが .ととではカウンセリン グだけにしぼ。て考えてみたい。狭義約な立場でのカウンセ・リングを行なうには大きな困難があるので む し ろ 広 義 的 な 立 場 で の カ ウ ン セ り ン グ が 望 ま し い よ う に 思 わ れ る 。 カ ウ ン セ リ ン グ は , ガイ ダンス とほとんど奥たらない函古事く.今後の伸授が期待される。当教育研究所でも ,やっと待望 の 新 庁舎ができたので .も よ

b

の学校に呼びかけて学校カウンセリ

γ

グや教育相談に関する長期の継続的な 研究 ・ 研修会をもちたいと 考え.近 くとれが実抱をはかる予定である 。さらに.との方面の研究を怠ざ す万は次のカウンセラー研修に関する各径の会合・講 密会に直接参加されても よい。

(~)教首相談に関する理論・技術の研究について

参考文献 ・ 図書によっての自己研修 ・研究は別として ,その機会も少なし)が次に掲庁るような専門的 関係分野にわたって研修されることが望ましむ、。 ょ う よ う 芳 稿 大学教育学部ではカ ウンセI}:/グ の講座ももうけ ら れた。当教育相談室で は教駿員のとの方面に関する研究・多加には常に便宜をはか つ

ている。現在熱心な多くの教駿関係者・学生・その他が研究に来所される。

。 臨床心理学の理論技術習得の段階

{ 教育相談のすすめ方 近畿地区教育研究所連盟教育相談部会編)

理 論 診 断 授 術 治 療 佼 術

心 理 学 知覚 , 制意 . 感 情 , 情緒.要求, 治 ま ‑ 団体知能検査 概 論 志 . 思考などの一般理論を理解する

第 ‑係準学刀検査 ‑カウシセラ

ーの l

教 育 学 教育 についての科学 的 , 突証的理論

助手と して観察

l

続 論 を}jj!解する。

‑ 性格検査 記 録

一 教 育 発達と教育の関係 , 学習研究の教育 { 質 問 紙 法 )‑ 簡単なカ ウンセ への応用 .

11

臥 差 のR

L

噛 な ど 教 育 活 リングの 実習 心 理 学 動に関する基礎的知識を理解する 。

‑ 個別知能倹査 段 発 達 幼児.児 童 . 青年の 心浬的特性及び

(WISC.ピネ

心 理 念 発達を理解するの ー系統 )

, 

児蜜 . 生徒の個性を発見 し, か つ

1

‑ 職業適性検査 階 生 活 指 導 性を建設的に実現 し て.社会の福社

にその分担を寄与さ せるように援助

‑ 事例研究

する計画について理解する。 . 

臨 床 人聞の適応と いう

R

鳴 を 理 解 し. 診 心 選 学 断,治療につ い て の 基 調 力 財 枇 酔 首

‑57

(18)

, 

診 断 筏 術

 

治 療 筏 術

異 常 奥常者を対象として.異常行動の発生 ‑ 投影法 ‑指示的ヵウ ンセ 心 理 掌 原 因 やその構造を理解する

α

リング

社 会 ノ・、聞と人間との交渉に闘して.経済活 絵画欲求不満テ ス ‑ 非:rn利有カウン 動.女化活動 . 政治活動などの具体的 ト セリング( 来談

第 心 規 学 活動を通じ て理解する。 者中心療法 )

ノ 、 絡 人絡ふるいは性絡め形成過程を砂

i

究 し ベンダーゲツュタ ‑折衷 的

3

り ウンセ

;1たその分類 . 診断 . 測定などの方法 ルトテスト リング 心 理 念 について理解する。

金留についての一般的理論 . 並びに各 入物倒テス ト 等 ‑心理

1

鼠 j 心 現 金 教 科についての掌留心狸を理解する 。

Psycbodr加')a

, 

‑遊戯療法

グ ル ー プ 集団生活における位会的相互作用のダ

Play 

' I h

era py 

│ 若 ダ

f

ナミックス イナミックな過程について理解する 。

タ 長 結符樺弱児 ,富.ろう児 肢 体 不 自由 内田クレペリン精

~富絵

児 .身体虚 弱児などについて .その原 神検査

FiI;erPaint ing 

教 育 論 因,分類 .処置 などについて理解する

- 集団tC.~療法

児童福 祉法,掌校教育法 . 学 校 保健法

GrOllP ThydlO

関 係 法 規 . 精神衛生法 ,その他閣係法規を知 つ

tnerapy 

ておくとと。

精 神 医 学 精神病 , 神経症,性格異常などその心 ‑ 高度の技術を必要 上記の治療佼術の 第 理構造や発 生原因を研究する。 とする投影法 他

産 雲 雀 産 業 に含まれる心理学的問題 ,例えば ロ ールシャツハテ ‑ 暗示 ・{ 制民療法 労働条件と疲労, 醇故 .労 務管理など スト

心 理 学 の問題を涯解する 。

絵隠統覚検査 犯 罪 犯罪人のtL  哩 に ついて理解する . . 。 ( 

TAT 

心 理 念

同兇室用

(CAT) 

‑ 精神分析

心 捜 学 的 できるだけ有効な方法で信積で きる結 ゾンディテ スト 統 晋 卜法 論を導き出す方

f

去を理解する。 プクキイテス ト [ 管

社 会 社会福祉の理念を理解し.その翠念を

喫現 している 社会福祉について理解す

福 祉 る。

(19)

備 考 理 想 的 に は , 以 上 の よ う な 理 論 及 び 実 際 的 な 技 術 を 習 得 す る と と が 望 ま し い 。 し か し . そ れ ぞれの研修の目的によって,適宜取捨選蛍尺をすればよい。

。 講習会,研究協議会への参加案内

名 称 主 健

'f; 

称 主 { 雀

教育研修講座教育相談課程 東 京 教 育 大 学 教 育 心 理 夏 季 語 包 会 田 中 教 育 研 究 所 教育研修講座特殊教育課程 東 京 教 育 大 学 教 育 評 価 講 包 会 応 用 教 育 研 究 所 ヵウンセリン〈グ講留会 東京ガクンセリングセノタ

精 神 薄 弱 児 教 育 研 修 講 座 女

i

, 

進 路 指 導 研 究 会 女

1

課題研究会教育相談部会 全国教育研究所連盟 諌 題 研 究 会 生 活 指 導 部 会 全国 教育研究所連盟

。 学 会 へ の 参 加 案 内

連 絡 先 名

絡 先

日 本 心 理 学 会 東京大学心理学研究室内 日 本 精 神 分 析 学 会 東京 都 新 宿区百 人 町

3

260

日本教育心理学会 東 京大 学教育心理掌研究所内 日 本 催 眠 学 会 東京教育大学心理全研究室内 日本応用 心理学会 立教大学心理学研究室内 教 育 と 医 学 の 会 九 州 大 学 教 育心 理 研 究 室 内 児重量精神医学会 慶応大掌精神科教室内 日本社会福祉念会 日本社会福祉大学内 小 児精神神経掌会 日本心身障 害 児 協 会 内

‑59

参照

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と言っても、事例ごとに意味がかなり異なるのは、子どもの性格が異なることと同じである。その

目標を、子どもと教師のオリエンテーションでいくつかの文節に分け」、学習課題としている。例

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