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幼稚園における子育て支援としての預かり保育

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1.幼稚園に期待される子育て支援活動

文科省 (2008) によれば、幼稚園では教育課程に係る教育時間の前後や 休業日などに、当該幼稚園の園児のうち希望者を対象に、いわゆる預か り保育という教育活動を行っている。このような活動は、職業などはも っているが、子どもを幼稚園に通わせたいという保護者に対する必要な 支援策であるとともに、家庭や地域の教育力を補完し、その再生・向上 につながるという意義を持っている。文科省は 1997 年度から私立幼稚 園に対し「預かり保育推進事業」として私学助成を措置するとともに、

2002 年から市町村に対して地方交付税を措置し、幼稚園の教育時間終 了後等に預かり保育を実施する私立幼稚園に助成を行う都道府県に対し て、国がその助成額の 1/2 を補助する、などの施策をとった。このよう に行政主導により預かり保育が私立幼稚園を中心に広がってきた。

また、2007 年には学校教育法が改正され、預かり保育が法律上に位 置づけられるとともに、2008 年には、幼稚園教育要領が改訂され、そ の中で預かり保育が教育活動として適切な活動となるよう具体的な留意 事項が示された。これにより予算面だけでなく、名実ともに預かり保育 が幼稚園の教育活動として位置づけられた。

幼稚園における子育て支援としての預かり保育

―ある自治体での現状と課題―

秦 野 悦 子

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図 1 に預かり保育実施率の推移

(文科省 ,2013)を示した。預かり 保育推進事情を開始した 1997 年 度に実施率は 29.9%であったが、

2012 年の実施率は 81.4% であり、

2.8 倍となった。一方、公立(都道 府県市町村立)と私立(学校法人・

宗教法人・個人立)の実施率の差

は大きく、2012 年度時点で私立の 94.2%が実施し、公立は 59.2% にと どまっている。

文部科学省による学校基本調査によれば、 幼稚園の構成比は私立 61.5%、公立 38.1%、国立 0.4% である。公立幼稚園における預かり保育 の実施率が一貫して低い要因としては、既に述べたように、国の政策に よる預かり保育の推進が私立幼稚園に対する助成金補助の制度化が先行 していることから、公立幼稚園よりも一歩先を進んできたという経緯に よる。一方、公立幼稚園の場合、預かり保育の実施導入は自治体のビジ ョンや財政などにより、その制度化の現状が異なっているというのが実 態である。今後は各自治体における公立幼稚園のあり方や役割なども含 めた総合的観点から、 公立幼稚園における預かり保育の位置づけを明確 にして行くことになろうと思われる。

このような現状の中で、預かり保育実施率 94.2%(2012 年度実績)を 示す、私立幼稚園における都道府県別の預かり保育状況を表1、および 図2に示した。47 都道府県中、 半数が預かり保育実施率 90% 以上であ ったが、一方で、実施率 59%以下の県もあり、実施主体による差が大 きい。地域による実施の状況に差が大きいといえるが、東北、関東、東 海などの地方による実施率の特徴はみいだせなかった。

図 1 預かり保育実施率の推移 ( 文科省 .2013)

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現在、私立幼稚園は私学助成金を得ているが、2015 年 4 月から本格 的にスタートする「子ども・子育て支援新制度」により、預かり保育の 財政的支援も変化する。その内容を表2に整理した。新制度では利用者 負担額は市町村が設置し、国としての一律の基準は設けない。また現状 では利用者負担額は各園に設定に委ねられていることを踏まえると、 私 立については、新制度における一時預かり事業を利用する各園に設定額 を委ねることが想定される。

さて、1997 年に預かり保育推進事業が開始されて 17 年となり、こ れまでいくつかの視点から実践のふりかえりがなされている(恒岡,

2012:2013)。そして次年度から新制度における一時預かり事業が始ま るこの時期に、 現行システムでの預かり保育の実態を見直すために、あ る自治体における預かり保育の現状と課題の調査を行った(藤沢市私立 幼稚園協会研究部,2014)。

表 2 幼稚園の「預かり保育」への財政支援の変化

表 1 都道府県別預かり保育実施率(文科省 .2014) 図 2 預かり保育実施率による都道府県数

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2.調査対象地域の概要

藤沢市は神奈川県南部中央の相 模湾に接する市(図3)であり、

湘南と呼ばれる地域の中で最大の 人口(約 42 万人)を有し、年間 出生数は約 3,700 人である。藤沢 市内の幼稚園はすべて私立幼稚園

である。従って小学校入学前の幼児教育は私立幼稚園が荷っている。現 在、藤沢市には 35 の幼稚園があり、そのうち 30 園が特定非営利法人藤 沢市私立幼稚園協会に加盟している。

3.調査目的

預かり保育の推進について文科省は「預かり保育とは、職業などはも っているが、子どもを幼稚園に通わせたいという保護者に対する必要な 支援策であるとともに、家庭や地域の教育力を補完し、その再生・向上 につながるという意義を持っている。」と指摘している。本調査では、

藤沢市という地域における預かり保育の実態を明らかにしていくこと で、地域における幼稚園の預かり保育の現状を知り、その活動内容を整 理することで、預かり保育の意義や課題について検討したい。

4.調査方法 4-1.対象

藤沢市の幼稚園における預かり保育の実態を明らかにするために、特 定非営利法人藤沢市私立幼稚園協会加盟 30 園を対象に、郵送無記名に てアンケート調査を実施した。実施期間は平成 26 年5月。回答は 29 園 から得られた(回収率 90.0%)。このうち、2014 年5月時点で幼稚園の

図 3 調査対象地域の地図

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預かり保育を実施していたのは 27 園(実施率は 93.1%)であった。以下、

ここの 27 園の回答を分析の対象とした。

4-2.調査内容

財団法人全日本私立幼稚園幼児教育研究機構で使用した設問項目を基 礎とし、さらに設問を追加修正して作成した。構成としては預かり保育 の実施形態に関する 10 設問、保護者利用に関する 2 設問、保育記録や 評価に関して 2 設問、具体的な保育内容に関する 5 設問、現状における 課題に関して 1 設問という 20 設問から構成された。回答形式は多枝選 択 14、自由記述7であった。

5.調査結果

5-1.預かり保育の実施状況 5-1-1.預かり保育の開設

週3回~週6回の範囲で実施さ れ、週5回実施が最も多く 80.9%だ った。年間では、86 日~ 285 日の 範囲で実施されていた。図 4 に示す ように 100 日未満 5.2%、199 日未満 52.6%、200 日以上 42.1% だった。

実施時間は、早朝実施園が 17.3%

で7時 30 分~8時に受け入れ開始 し、始業時刻までの8時 30 分~9 時の範囲で実施していた。

図5には預かり保育の終了時刻 を示した。保育課業日の教育活動

図 4 預かり保育年間実施数(%)

図5 預かり保育終了時刻 (%) 教育活動後

長期休業期間

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後と長期休業期間では預かり保育終了時刻に違いがみられた。教育活動 後では、16 時 30 分までが 13.0%、17 時までが 34.8%、17 時 30 分まで が 26.1%、18 時までが 21.7%、18 時 30 分までが 4.3% だった。

休日の預かり保育については、土曜日実施の園が 4.3% あったが、日 曜日、祝日、代休日に実施している園はなかった。長期休業中の預か り保育の実施は、夏休みのみ実施園は 21.7%、夏休み・冬休み・春休み も合わせた実施園は 30.4% であり、52.1% の園が長期休業中の実施をし ていた。長期休業期間では , 朝の受け入れは 7 時 30 分~9時の範囲で、

終了時刻は 14 時~ 18 時 30 分の範囲だった。

5-1-2.預かり保育の担当者 図6に示したように、

預かり保育専従に担当す る教職員を雇用している のは 65.2%、園の教職員 から担当者を配置、また は園の教職員が交代で担 当しているのは 34.7% だ った。預かり保育の担当

者は有資格者が 100%であるが、このほかに複数の担当で預かり保育を 実施している場合、幼稚園教諭、または保育士資格のいずれかの資格を 持たない者も 13.0% 含まれていた。資格を持たない者だけで預かり保育 が行われていることはなかった。預かり保育担当者の 73.3%はこれまで に幼稚園・保育所での勤務経験者であった。有資格者であるが、預かり 保育が初めての勤務経験という新人は 11.7% であった。

図 6 預かり保育の担当者 (%)

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5-1-4.公的助成

預かり保育実施園の 95.6% が預かり保育推進事業による公的助成を受 けていた。一園につき県からの助成金は 40 万円~ 136 万円の範囲だっ た。また、市からの助成金は 40 万円~ 68 万円の範囲であり、総合する と 80 万円~ 204 万円と幅があった。これは利用者実績や実施日数、担 当者雇用状況によっていた。

5-1-5. 保護者の負担額

預かり保育を利用している保護者の負担額は、時間単価(150 円~

500 円)、日単価(300 円~ 1,000 円)、月単価(6,000 円~ 15,000 円)の 範囲であった。長期休業期間中は別途料金や追加料金を定めている園も あった。時間による単価で実施している園は 69.6% で、時間単価ではな く日単価で実施している園は 34.7% だった。時間単価・日単価・月単価 の組み合わせで実施している園が 26.1% だった。

複数の単価を組み合わせている園では、預かり保育の定期利用者向け に月単価、長時間利用者向けに日単価、不定期短時間利用者向けに時間 単価が設けられていた。

5-1-6.預かり保育の申込み

預かり保育の受付方法は 2 つに大別できる。ひとつは、事前申込みを 原則とし、緊急の場合は当日でも電話でも受けるやり方であり、もうひ とつは、当日申込み制であった。また定期利用者、不定期利用者に分け て申込み方を定めている園もあった。ただし、長期休業などの場合は、

担当職員の人数配置などの手配準備のため、事前申込み制がとられてい た。

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5-2.預かり保育の利用ニーズ 実施園が把握している預 かり保育の利用ニーズを図 7 に示した。常勤勤務 56.5

%、 非 常 勤 勤 務 95.6%、

家族の看護 39.1%、保 護 者病気 52.1%、きょうだい の学校行事 95.7%、母親 の私的用事 95.7%、 仲良

しの子と遊ぶ 69.6% であった。その他として自由記述で次のような記載が あった。

①親支援 保護者(母親)が心の悩みで苦しんでいた時期に子どもへの 影響を心配され、預かり保育を利用していた。保護者が育児を苦手と しているため、入園を機に預かり保育もあわせて利用したいという希 望で利用していた。

②子ども支援 ことばの発達が心配で放課後の時間帯も、子ども同士の 関わりを持たせたい。ひとりっこ、家の近所に遊ぶ子がいないなどの 理由で友達作りの機会にさせたい。

③子ども自身が預かり保育にいきたがる。子どもが預かり担当の先生と 遊びたいという希望で利用。

④急な対応(妹や弟が昼寝をしてしまい迎えに出られない。母が体調不良。)

⑤園でのおけいこ教室(バレエ)がありその開始時間までの預かり利用。

課外活動(体操・剣道)がある場合、降園後から課外活動までの時間 が空いてしまうので見てほしい時。

以上より保護者の仕事への支援、家庭生活への支援だけでなく、遊び 場の提供、また子どもの放課後支援としての見守りなどの利用がみられた。

図 7 預かり保育の利用ニーズ (%)

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5-3.預かり保育の計画・記録・評価 図 8 に し め し た よ う

に、預かり保育での指導 計画案策定 17.3%、保育 記録の記載 52.1% 学校 評価などの保育評価は 13.0% で あ っ た。 即 ち、

預かり保育については 78.3% が書類として事前に準備するような形式と しての特別な指導計画案策定を設けていないという結果だった。そこで 次に , このような明示的な問いかけでは抽出できにくい、預かり保育の 活動や幼児の主体性と内容設定の実際を自由記述での回答から検討して いきたい。

5-4.預かり保育と当日の教育時間中の活動

預かり保育と当日の教育時間中の活動への考慮についての自由記述を 表3に整理した。内容的を分類すると、①異年齢との交流の場、②教育 活動との繋がりや一貫性、③生活リズムや活動のバランス、④自由活動 の保障と遊びの充実、⑤心身の健康と安全という 5 つの視点を重視し保 育の配慮がなされていることが明らかになった。このことから教育時間 中の活動内容を考慮しつつ、園をフィールドにした放課後活動としての 自由な活動をひとり一人が楽しめるような環境整備、異年齢との自然発 生的な交流が生じるような配慮をしている実態がみえる。また、在園時 間が長くなることから、子どもの年齢に即した生活リズムや活動のバラ ンスと、何よりも心身の健康と安全に重点が置かれていることがわかっ た。

図8 預かり保育計画・記録・評価 (%)

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5-5.長期休業中の預かり保育の配慮

長期休業中の預かり保育実施園における配慮内容として記されたもの は以下の通りであった。

・休暇中は、長い時間預かりをする子もいるので、自由遊びの合間にゲーム や制作などの一斉活動を行うような指導計画を立てる。

・天気の良い日は、安全に配慮をしながら近くの公園に出かけることも考え ている。

・夏休みの間、10 日間プールを行っています。外での活動なので水分補給、

表 3 預かり保育と当日の教育時間中の活動への考慮

(11)

事故に気をつけて水に慣れ、友達と仲良く活動ができるようにしている。

・基本的には保育課業日と同じですが、人数が少ない時には”散歩””おやつ の買い物など臨機応変に対応している。

・夏休みの間は、熱中症予防を心がけ暑い中での遊びを工夫している。

・季節を感じられるような活動を考えている。

・夏休みでしたら、水あそび、プールあそび、色水あそびなど行ったりして いる。

・長くなるのでおやつの時間を設ける等して、息抜きの時がもてる様にして いる。

・幼稚園の保育とは違い自由な活動が出来る様外遊びや室内遊び等自由にさ せる。

・長い時間になるので買い物に一緒に行き保育の中では出来ないことをして いる。

・主となる活動内容を決め、一日の生活リズムが整えられるよう休息時間を 配慮。

・子ども達の健康状態を把握し、無理なく安全に過ごせるように考慮している

・通常の預かり保育時間ではできない、園外講師によるイベントを開催する。

以上より、特に夏期の長期休業中の預かり保育については、健康面で も活動面でも暑さ対策が行われていた。また、買物や散歩などの戸外活 動を取り入れたり、おやつの変化をつけるなど 1 日の生活リズムを配慮 した流れが特徴とされた。

5-6.季節の応じた預かり保育の配慮

季節に応じた預かり保育の配慮内容として記された内容は以下の通り であった。

①春

・自然が豊かな春には、ダンゴムシ探しをする年長組の中に、年中・少の子 どもを誘って加わったり、草花を観察するなど、自然に興味を持てるよう

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にしている。

・戸外遊びを中心とした活動、春の生物が芽吹く自然を体で感じるような遊び。

・シャボン玉遊びなど。

・春には団子虫探しや梅ひろいを子どもと楽しんだり、畑の苗の生長を見に 行き、収穫を楽しみに待てるようにする。

②夏

・熱中症予防を考慮する。

・色水遊び、水を使った遊び。水鉄砲、プールあそび、ペットボトル遊び等

・水着や裸足で水遊びを楽しむ。

・熱中症に気をつけ水分補給をし、外遊びをしないようにしている。

・花を使っての色水あそび、夏には水あそび、シャボン玉など。

・夏は戸外遊びの時間を夕方にしている。

・夏は氷菓子をおやつに出している。

③秋

・秋は拾った落ち葉や木の実を新聞紙に貼ってファッションショーごっこ。

・運動会等行事と連動した遊び。体操、リレーごっこなど。

④冬

・冬は雪に色水をつけてかき氷屋さんごっこ。

・寒さの中でも体が温まるような遊び。

・風邪などの体調に気を付けながら体力づくりとなるような運動ゲーム。

⑤季節に合わせた活動

・その時期や行事に合わせた制作活動などを行っている。

・五月人形やひな人形をじっくりみたり、クリスマスの飾りを作ったりする。

・季節に合ったあそびを取り入れている(水遊び、こたつでカルタ。)

・季節感を取り入れたカリキュラムをたてる。

・季節や月ごとに制作をしている。

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・気温が高い場合や低い場合の活動の場所を考慮する。

・外遊び中心なので季節の風を感じて遊ぶ。

・お楽しみおやつを準備する。

・手洗いうがいの励行を勧めている。

・衣服の調整に気をつけている。

・換気と気温により、暖房・冷房に留意している。

・おもちゃの消毒・洗浄。

5-7.預かり保育の活動紹介

各園からあげられた預かり保育における特徴的な活動紹介は以下のよ うな内容であり、既に述べたこれまでの活動と重なる内容も含まれてい た。

①普段の預かり保育の中で、お湯を加え、かき混ぜてつくる簡単なゼリ ーを、みんなでつくっておやつの時間にいただくなど、手作りおやつ の日を設けている。

②いろいろな廃材を使い子ども達に自由に制作させる。例えば「毛糸に 小さく切ったストローを通し、ネックレス、ブレスレット制作」「広 告を使い魔法のスティックを制作」「クリップ、わりばし、磁石を使 い魚釣り制作」等。

③ 預かり保育中におやつ作りを実施する。ホットケーキ、フレンチト ーストのほか、夏場はゼリー、かき氷、冬場はうどん、さつまいもの おやつを作る。年齢に応じてそれぞれできることを喜んで手伝い、楽 しんでいる。

④遊び紹介として、外遊びは、「園庭の遊具、砂場、フラフープ、縄跳び、

ボールでドッヂボールやサッカー等、ぽっくり等」積み木遊びは「巨 大積み木で迷路や家等を作る」その他「ビデオ視聴」「風船遊び」など。

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また預かり保育の部屋では「ままごと、絵本、塗り絵、パズル、ブロ ック、ぬいぐるみ、人形遊び」など。

⑤預かり保育の人数が少ない時は近くの公園に散歩に行く時もある。

⑥部屋いっぱい触れるシャボン玉をつくり、「あわの国」を作り、あそび、

その後雑巾がけをしながら、最後に残っているシャボン玉と「宝探し」

と称してあそぶ。

⑦伝承遊び かるた、お手玉(手作り)、すごろく、ふくわらい(手作り)。

⑧運動会のあとは「うんどう会ごっこ」、おゆうぎ会のあとは「おゆう ぎ会ごっこ」。

⑨おばあちゃんの家に来たようなほっと出来る空間を作るように心がけ ている。

⑩畳の部屋もあり、ひるねも出来る環境を作っている。

以上の内容をみると、各園での特徴的な活動としているものは、料理 などの家庭的要素、伝承的な地域文化的要素を取り入れることだけでな く、預かり保育担当者の得意領域を生かした活動などが展開されていた。

5-8.預かり保育と家庭や地域での幼児の生活への考慮

表4に、預かり保育における家庭生活や地域での幼児の生活への配慮 を整理した。それによれば①家庭生活との連続においては、子育て支援 に重点をおいた配慮が伺える。具体的には園生活と家庭生活のつなぎと しての生活の中でゆっくりと楽しい時間を見つける放課後の位置づけが 特徴的である。②地域での幼児の生活においては、降園後に安全な環境 を保障するという、地域社会資源としての園の位置づけが明確にされた。

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5-9.預かり保育における課題

預かり保育実施園で直面している課題についての自由記述の結果、以 下に示すのように①園児への配慮、②健康への配慮、③特別支援対象児 への対応、④保護者への対応、⑤教職員への対応、⑥施設設備環境など、

多様な問題点が指摘された。

① 園児への配慮

・4月で、まだ園に慣れていない状態での預かり保育に戸惑う子どもたちへ の対応。

・クラスと異なり、毎日メンバーが異なる為安全面に配慮が必要。

・預かり保育の子が一人だった場合、不安になって泣いたりおやつを食べる

表4 預かり保育における家庭生活や地域での幼児の生活への配慮

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ことを嫌がったりすることがあり、預かり保育に馴染めないなど対応に困 ることがある。

・大きな怪我等しないようにというのが願い。

・お昼寝の時間をとってほしいという要望もあるが、休息の時間帯が保育課 業日は遅くなってしまい、お迎えの時間が早い子は必ずしも必要ないこと でもあるので、個人的対応が難しい。

・長時間の預かりを前提とした保育園とはカリキュラムの組み方が違うが、

保護者にその感覚がないと園児に負担がかかる。

② 健康への配慮

・預かり保育ではおやつを準備するのですが、最近はアレルギーの子が多い ためおやつに気をつけなければならない(アレルギーのある子は個別に持 参)。

・幼稚園では、お昼寝がないので疲れて、保護者が迎えに来た時、機嫌が悪 くなり、挨拶ができず、声掛けをするが、子どもは親がいるので甘えてし まう。

③特別支援対象児への対応

・支援対象の園児への対応。

・気になる子が預かり保育を希望した場合や午前保育、小学校の行事等で預 かり保育希望者が多数の時は専任教諭だけでは安全がはかれない。

・障害のある子、個別対応が必要な子に対しての職員の増員配置。

④保護者への対応

・預かり保育時間を過ぎても、迎えが遅れ職員勤務延長になる。厳重注意を しているが、状況は変わらない。

⑤教職員への対応

・年少児が多い日は、担当者プラス職員1名が入るようにしているが補助金 は1名分である。この融通はきかないものだろうか。

・預かり保育終了まで、園長・副園長は勿論教員も1名緊急の時対応できるよ うな運営をしている。担当教員の勤務時間超過解消に四苦八苦している。

・園庭開放を同時に行っているため、園庭で遊ぶ預かり保育の子ども達の把 握が少々難題である。保護者に視界を遮らないような立ち位置を常にお願 いしている。

・学校の行事がある時は人数が多く職員を確保するのが大変。

・現在は PM5 時までしているが今後の状況次第では時間延長も課題となる。

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・春休みや冬休みもとの希望もあり今後の課題。

・園児の人数が多い時の職員配置。人数のばらつきと担当職員のやりくり。

・就労している保護者の仕事のシフトが直前にならないとわからなかったり、

預かり保育に対する親からの変更が多く対応に困ることがある。

・通常保育に加えて、交替制で延長保育を担当しているので負担が大きい。

・一人で保育にあたっているので、長期休業中など他に職員がいない時、何 か事故があったらと思うと心配(緊急の連絡体制の徹底)。

・保育者が1名の時、排泄や嘔吐の子に手がかかり、他児への配慮や活動が 止まってしまうこと(ピンチヒッターをたのみ、解消している)。

⑥施設環境

・利用者が増え、今後も保育内容の充実を考えながら行っていきたいが、預 かり保育専用の保育室があればより良いと思うが、現状では無理。

・預かり保育の為に作られた部屋ではないため、子どもの手洗場、トイレ、

家具など、不便な点が多く見受けられる。少しずつ改善しているが、将来 預かり専用の部屋を建て増す予定。

・保育室の安全面について、考慮がいる(地震対策として耐震工事をした)。

4.まとめと今後の課題

幼稚園における預かり保育が、教育課程に係わる教育時間中の活動と はゆるやかな連続性と独自性をもって行われていることが明らかになっ た。ひとり一人の子どもが、個々のペースで好きな活動を充分実現でき るような環境設定や、担当者の配慮が重要であることが指摘された。ま た長期休業期間中の預かり保育は、家庭や地域のとの繋がりを持った活 動が行われていた。幼稚園の預かり保育における課題としては、①特別 支援対象児への対応、②就寝、食事など 1 日の生活リズムと年齢や発達 過程への配慮、③担当職員配置、④緊急な事態への対応、⑤保護者との 協力連携などが指摘された。

2015 年度から、子ども・子育て新制度が始まることで、私学助成に

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よる預かり保育補助と並行して、新制度である一時預かり事業(幼稚園 型)が開始される。

現在でも、預かり保育に対する幼稚園現場で抱える課題は多岐にわた る。子育て支援と幼児の健全育成の双方に目配りした、保育の質の向上 に対する取り組みがさらに必要とされる。

文献:

文部科学省 .2008. 政策評価 重要対象分野に関する評価書―少子化社会 対策に関連する子育て支援サービス―

文部科学省初等中等教育局幼児教育課 .2013. 平成 24 年度 幼児教育実態 調査 .

藤沢市私立幼稚園協会研究部 .2014. 教育課程に係わる教育時間の終了後 等に行う教育活動(いわゆる預かり保育)について . 神奈川県研究協 議会資料 .

恒岡宗司 .2012. 公立幼稚園における「預かり保育」に関する一考察―「預 かり保育」に関する公立幼稚園長への意識調査からー . 奈良文化女子 短期大学紀要 .43,97-113.

恒岡宗司 .2013. 預かり保育の在り方についての一考察 (2)― 我が国の 幼稚園教育史の視点から ―. 奈良文化女子短期大学紀要 .44,57-70.

図 1 に預かり保育実施率の推移 (文科省 ,2013)を示した。預かり 保育推進事情を開始した 1997 年 度に実施率は 29.9%であったが、 2012 年の実施率は 81.4% であり、 2.8 倍となった。一方、公立(都道 府県市町村立)と私立(学校法人・ 宗教法人・個人立)の実施率の差 は大きく、2012 年度時点で私立の 94.2%が実施し、公立は 59.2% にと どまっている。 文部科学省による学校基本調査によれば、 幼稚園の構成比は私立 61.5%、公立 38.1%、国立 0.4% であ

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