回帰分析の応用例
(男女間の賃金格差の分析
)2016.05.17
• 賃金水準の分析
• 男女間の賃金格差
• 平均に差はあるか?
1. 平均の差の検定
• 等分散の検定
• 平均の差の検定
2. ダミー変数を利用した回帰分析 wi=α+βDi+εi (i= 1,2,· · ·, n) Di=
{ 1 (iが女性) 0 (iが男性)
αは男性の平均賃金、(α+β)は女性の平均賃金
βの統計的有意性を検定(H0:β= 0, H1:β̸= 0)する。
3. 「αは男性の平均賃金、(α+β)は女性の平均賃金」となることの証明 A:={i;Di= 1}(女性)、B:={i;Di = 0}(男性)とおくと、
A∩B=φ、A∪B=「データ全体」となる。また、#A(#B)をA(B)の要素数とおく。
4. ∑n
i=1ε2i = ∑n
i=1(wi−α−βDi)2=f(α, β)とおき、残差2乗和を最小化
∂f∂α = −2∑n
i=1(wi−α−βDi) = 0 =⇒ ∑
i∈A(wi−α−β) + ∑
i∈B(wi−α) = 0
∂f∂β = −2∑n
i=1(wi−α−βDi)Di = 0 =⇒ ∑
i∈A(wi−α−β) = 0
∑
i∈A(wi−α−β) = 0 =⇒ α+β = #A1 ∑
i∈Awi
∑
i∈B(wi−α) = 0 =⇒ α = #B1 ∑
i∈Bwi
5. 賃金の決定要因は性別のみ?
Jacob Mincer(1974)は、賃金率(wi)が教育年数(si)と労働市場での経験年数(exi)水準によって決まると 考え、次の式(Mincer方程式)を分析した:
logwi=α+βsi+γ1exi+γ2ex2i +εi
賃金の分布は右に歪んでいるので(skewness)、対数をとって分布の歪みを補正している。
6. 教育年数の効果をコントロールして分析 logwi=α+δDi+βsi+εi
を回帰分析し、δの有意性を検定する。教育年数が賃金率に及ぼす影響は男女間で差がないと仮定。
7. 教育年数が賃金率に及ぼす影響は男女間で差がないと仮定してよいか?
logwi=α+δ0Di+ (β+δ1Di)si+εi
logwi=α+δ0Di+βsi+δ1Disi+εi を回帰分析する。
δ1= 0なら、教育年数が賃金に及ぼす影響には男女格差がないことになる。
賃金格差がないという仮定はH0:δ0=δ1= 0、H1:δ0̸= 0 orδ1̸= 0となる。この検定には、F検定を用 いる。
8. 労働経験の効果もコントロールすると・・・ logwi=α+δDi+βsi+γ1exi+γ2ex2i +εi
H0:δ= 0の検定
9. 男女間の賃金格差はどの程度?
10. 教育年数が1年増えると賃金率はどの程度上昇するか?
11. 経験年数の影響はどのようになっているか?
12. sheepskin効果
sheepskinとは卒業証書のこと。Mincer方程式では、教育の効果は年数に比例して上昇すると考えられてい
るが、実際には高卒と大卒の間、大卒と大学院卒の間には格差があること(sheepskin効果)が働いているこ とが観察されている。これをどのようにして検証するか?