この小冊子は、東京学芸大学教育学部A類理科選修・B類理科専攻・ F類自然環境科学専攻に入学された2011年度1年生を対象としていま す。1年生のみなさんに「地学(宇宙地球科学)」という広い領域にまたが る学問分野に少しでも親しみを感じてもらえれば幸いです。 みなさんは3年生になると、それぞれの研究室に配属されて、本格的 に卒業研究に取り組む事になります。A類理科選修・B類理科専攻のうち 「地学」に関する内容で卒業研究を行う方は、最終的には本冊子で紹介 されている研究室から、自分の所属研究室を選ぶことになります。またF 類自然環境科学専攻で地学へ配属される方々は、F類教員の研究室に 加えて、関連分野として本冊子で紹介されている研究室を選択することも 可能になっています。 しかし卒業研究は研究室に配属されていきなり始められるものではあ りません。大学生活の4年間をかけて、卒業研究を完成させるに値した知 識と技術を習得し、学力を備える必要があります。自分に何が必要なの か、何を学ぶべきなのか、この小冊子から何らかのヒントを得るようにし て下さい。 宇宙地球科学分野の紹介はインターネット上でも公開されています。 興味のある方は一度下記URLまでアクセスしてみて下さい。また東京学 芸大学では本学学生が公的に教員の研究室を訪問できる「オフィスア ワー」を設定しています。興味のある研究室があれば「オフィスアワー」の 時間帯を利用して、一度直接訪ねてみては如何でしょう?宇宙地球科学 分野教員のオフィスアワーは下記ホームページでも公開しています。
東京学芸大学宇宙地球科学分野ホームページ
http://astro.u-gakugei.ac.jp
はじめに
(2011年度入学生の場合)
1年生
4月1日 入学式 4月4日 新入生オリエンテーション 4月6日 カリキュラム解説、各教室への配属希望調査(AB類) 4月7日 配属決定(AB類)・指導教員面接(各教室別) 各教室教員との顔合わせ、各研究室紹介、質疑応答など。2年生
1月中旬∼下旬 研究室配属説明会(ABF類) 2月上旬∼中旬 研究室訪問期間(ABF類) 2月上旬∼中旬 卒業研究発表会見学(ABF類) 2月中旬 配属研究室希望書提出(ABF類) 希望研究室とその理由、履修科目名などを明記し、成績 表を添えて提出。3年生
4月初旬 配属研究室決定。卒業研究開始。4年生
11月上旬 卒業研究中間発表会 1月下旬 卒業研究論文提出 2月上旬∼中旬 卒業研究発表会(口頭試問) 3月下旬 卒業式?
卒業研究タイムテーブル
(注)上記のタイムテーブルは多少変更される場合があります。宇宙地球科学分野・研究室
C棟
N棟
S棟
図書館
↑自然科学系研究棟1号館
N
至生協・体育館
至
大
学
正
門
3階
(
赤矢印
は一階の入館口の位置、黒ヌリ部は本分野教員の
研究室の位置、東端[右端]から
N309, N311, … N319)
N309:佐藤な研(気象) N316:中田研(岩石・鉱物) N311:松田研(気象) N318:佐藤た研(地質・古生物) N312:里研(測地・地震) N319:高橋研(地質・古生物) N313:西浦研(天文) N314:土橋研(天文)天文学は文明発祥の時代から存在した歴史の長い学問です。当時は暦を作るための学問 でしたが、今では最先端の観測機器と基礎科学を礎として、遥か彼方に存在する様々な天体 の実体を解き明かす自然科学へと発展しました。 本研究室では系外銀河の形成進化や銀河集団そして銀河系内の暗黒星雲の研究、そして 他大学との共同による2m電波望遠鏡の開発・研究などを行っています。また、各種天文教育 教材の開発・実践や、本学屋上に設置された40cm望遠鏡による観望会を実施しています。 ↓2005年に完成した銀河系全体の暗黒星雲マップ(土橋准教授)
天文学部門
1万kmスケール 地球 銀河系 10万光年スケール 銀河集団 1000万光年スケール 宇宙の階層構造 ↑自然科学研究棟屋上の 40cmカセグレン望遠鏡 小回りを活かして、観望会や天体撮影 の課外授業で威力を発揮します。 ↑「田舎の銀河」と「都会の 銀河」の人生を調査・比較 する。上図は宇宙の「地方 都市」に相当するコンパクト 銀河群HCG61(西浦助教) ↓大阪府立大学と共同で開発、 国立天文台野辺山宇宙電波観 測所内に設置された2mミリ波 望遠鏡。地球物理学部門(気象)
大気中の現象や
大気自身を扱うのが気象学です。
冷夏?猛暑?
雲・雨・虹
金星の大気
スタッフ
教授
松田佳久
http://buran.u-gakugei.ac.jp/
海陸風
講師
佐藤尚毅
十勝沖地震,新潟県中越地震,能登半島地震,新潟県中越沖地震,岩手・宮城内陸 地震等と,日本はひっきりなしに大地震に襲われ,その都度大きな被害を受けています. 世界に目を向けても,スマトラ沖地震とそれによる巨大津波や最近のハイチの地震,チリ 中部の地震とそれによる津波・・・と,枚挙にいとまがありません.このように,地震は私た ちの生活にとって大きな脅威ですが,一方で,地震は地球を知るための大事な情報源で もあります.私たち地震研究室では,地震そのものだけでなく,それに関連した様々なこと を研究しています.従って,地震と名の付く研究室ではありますが,扱う領域は多岐にわ たっています. 地震の学生研究室は,自然館4階にあります(CN-407, なおCN-408の気象の学生研究 室と合同) .この部屋は,私たちの活動の中心になっており所属学生は自由に利用できま す.室内にはワークステーション,パソコン,及びプリンター等があり,自由に利用できます. また,地下1階には地震観測室があり,固有周期5秒の速度型地震計(3成分)とディジタ ルデータ収録機(DR-F3,LS7000)によって24時間態勢で地震観測を行っています.
<地震研究室所属学生の最近の卒業論文テーマの例>
・地震と気圧の関係性 ・常時微動H/Vスペクトル比に基づく富山の地盤特性の推定 ・各都道府県の地震防災に対する意識度調査−Webサイト掲載情報に基づく− ・P波エンベロープ形状を用いた震央距離とマグニチュードの推定 ∼東京学芸大学で観測された地震波に基づく∼ ・地震発生の季節性について∼積雪との相関に着目して∼ ・常時微動H/Vスペクトル比を用いた地盤特性の推定 ・フィリピン海プレートの収束速度の空間変化に関するモデル計算 ・東京学芸大学における地震データに基づくマグニチュードの決定 ・新潟県中越地方及び能登半島付近における大地震前後の歪変化の推定 ∼国土地理院のGEONET観測網による∼ ・地震波による地面振動の三次元解析−東京学芸大学で観測されたデータに基づく− ・GEONET観測点の非剛体的変動成分から推定した日本列島の歪分布 ・地震の数密度及びエネルギー密度の時空間分布−最近の日本における余震活動を例として− 地震観測室に設置されている地震計(左)と観測された地震波の例(右)地球物理学部門(地震)
スタッフ: 教授 里 嘉千茂私たちは,岩石や鉱物などの地球を構成する物質に着目し
た研究を行っています.岩石鉱物といっても様々なやり方の研
究がありますが,私たちは,水と岩石や鉱物の相互作用を
キーワードとしています.水の惑星と言われるように水は地球
を特徴づける物質であり,水と岩石の物理的,化学的な相互
作用は,大気や海水などの組成の制御をはじめ,金属などの
資源形成などに大きな役割を果たしています.
風化した鉱物の表面
水の惑星 地球
グローバルスケールの現象
ミクロスケールの
素過程
風化土壌
金鉱脈
岩石鉱物学部門
(菱刈鉱山)
教授 中田 正隆【方針】 地質古生物学研究室では,教員志望以外の人はもちろんのこと,特に教員 を志望する人にも,専門分野の卒業研究をきちんと時間をかけて取り組んでも らいます. これは,貴兄達に卒論の研究をとおして,科学的なものの考え方・見方を養 なってもらうことと,先輩後輩をはじめ様々な人との関わり合いから,社会性や 協調性を身につけていただきたいからです. 【研究内容】 高橋: 地質調査を主体とする.多くを地質調査の時間に費やし,化石は地質 年代を決定するための道具として扱う.扱うのは,やはり微化石の主として放 散虫化石である.研究対象地域は,九州から関東にかけての秩父帯・四万十 帯の分布域である. 佐藤:古生物学、古脊椎動物学。主に中生代の海生爬虫類である鰭竜類(首 長竜、フタバスズキリュウを含む)を対象に、骨学的形態に基づいて爬虫類化 石の記載、分類学、系統学、古生物地理学などの研究を行っている。地質学 に関する知識に加え、比較形態学や進化生物学など、生物学の視点・研究方 法も用いる分野である。 准教授 高橋 修 准教授 佐藤 たまき