• 検索結果がありません。

全国の学生まちづくり団体の活動場所に関する研究 [ PDF

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "全国の学生まちづくり団体の活動場所に関する研究 [ PDF"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)全国の学生まちづくり団体の活動場所に関する研究. 山口 浩介 1.はじめに. から学生まちづくりの課題を明らかにした山田ら1)の. 1-1 研究の背景. 論文がある。また、アクションリサーチ型の研究、学. 近年、大学の役割として“地域貢献”や“地域連. 生団体の組織構成の変遷や組織構成を類型化し課題を. 携”が認識されるようになっている。地域連携セン. 考察した研究、大学と地域の中間調整機関の役割につ. ターのような中間調整機関が相次いで設立されるな. いて明らかにした研究2)、地域-大学連携まちづくりに. ど、大学側の整備も進んでいる。また、学生による活. おけるプロセスを示した研究がある。しかし、まちづ. 動も全国各地で学生まちづくりに関するフォーラムが. くりの視点から学生団体の活動場所を論じた研究は見. 開催されるなど注目を集めており、学生自身もサーク. られない。. ル活動や研究室の活動を通して、「地域-大学連携の. 2.全国の学生まちづくり抽出と整理. まちづくり」の一躍を担っている。. 2-1 全国の学生まちづくり団体の抽出. 1-2 研究の目的. 全国の学生まちづくり団体のうち、対外的に表彰を. 本研究では、学生による地域貢献活動や地域内活動. 受けた経歴のある団体3)4)や検索サイト等で紹介されて. ボランティア活動を学生まちづくり活動とし、学生ま. いる団体5)など、142団体に調査票をメールで送付し、. ちづくりの活動場所を中心に活動実態について明らか. そのうち45団体(32%)から回答を得た(表1)。本研究で. にする。また、ケーススタディとして福岡市を対象に. はこれらの団体を調査対象とした。. 「地域-大学連携まちづくり」における学生まちづく. 2-2 団体および構成員の属性. りの課題を明らかにする。. アンケートを返答した45団体のうち、大学公認の. 1-3 研究の方法. サークルが15団体、任意団体が21団体であった(図. まず、全国の学生まちづくり団体に対するアンケー. 2)。また、授業の一環としての活動も見られた。構成. ト調査から、活動場所を中心とした実態把握を行う。. 員は学生のみの団体が34団体(84%)あり、組織内に学. 次に、学生まちづくりにおける活動と場所の関係性を. 生以外の構成員を巻き込んでいる団体は少ない(図3)。. 俯瞰的に把握し特徴を捉える。さらに、多くの大学を. 2-3 重要度の高い連携団体と支援内容. 有する福岡市を対象に、全国の学生まちづくり団体と. 学生まちづくりを通して連携を取る団体のうち特に 重要な3団体とその支援内容について集計を行った(表. の比較検証から、学生まちづくりの福岡市における特. 表 1 アンケート調査の対象及び回答団体. 徴を分析する。最後に、行政や地域側から見た連携実 態・意見等を基に考察を行う(図1)。 1-4 既往研究 これまでの学生まちづくりに関する研究では、全国 の学生まちづくり団体を対象に活動内容や学生の専攻 分野、他団体との連携実態. 0. 20. 40. 60. 80. 100(%). 表 2 重要度の高い連携団体と連携内容の関係 ( 全国 ). その他 株式会社 NPO 法人 任意団体 大学公認 サークル. 図 2 団体の属性 学生のみ 学生、OB 学生、地域住民 学生、民間企業 学生、民間企業 地域住民 学 生、 行 政、 民 間 企業、地域住民. 図 1 研究のフロー. 図 3 団体構成員の属性. 23-1.

(2) 2)。重要視される内容は、他の学生団体からの「人材. る。次に学外を選んだ理由として「周りの目がある. 交流・人材支援」であった。次に、商店会や自治会、. 事」「地域に出たい」「中心市街地」「商店街活性化. 町内会、行政機関との連携を取っている団体も多い。. のため」等が挙げられ、内的活動を地域の中で行う団. これらとの連携は資金面から場所の提供など、広範囲. 体も見られる。. に亘って支援を受けている。支援内容において、多く. 3-2 外的活動場所の実態. の団体が重要視している項目は「活動場所の提供」で. 外的活動の場所は「大学の関連施設」「役場や公民. あり、学生まちづくりにおいて、活動場所の確保は大. 館等の公共施設」「商店街」「商業施設」が多い(図. きな課題となっている。. 7)。活動内容との実施場所の関係を見てみると、公共. 3. 活動場所に関する分析. 施設は様々な活動に対して利用されていることがわか. 学生の活動は会議やイベントに向けた企画検討、資. る。大学関連施設は自主イベントの開催において重要. 料作成など団体内部の活動と、イベントや地域住民と. な場所であると伺える。活動場所に関する要望として. の交流を行う活動がある。本研究では前者を“内的活. は「集まりやすい」「地域の人が来やすい、目につき. 動”、後者を“外的活動”として分析を行った(図4)。. やすい」という回答が得られた。このことから地域の. 3-1 内的活動場所の実態. 中で人が集まりやすい商店街や公民館等の利用がされ. 内的活動は会議やイベント準備、資料作成等が挙げ. やすいことがわかる。. られ、これらの活動を行う場所について分析を行っ. 3-3 学外活動場所の分類 . た。内的活動場所の立地についてを見てみると、学内. アンケートにより把握できた学外の活動場所は以下. の場所のみで活動している団体が16団体、学外の場所. の通りである(表3)。. のみで活動している団体が13団体、学内と学外の両方. (1)市民センター. で活動している団体が12団体であった(図5)。内的活. 主に市民へのレクリエーションや福祉の提供の為の. 動場所を学内に選ぶ理由は、「利用時間の時間的制約. 複合施設で、会議室や多目的室、音楽室など様々な分. が少ない事」や「アクセス性の良さ」が重視されてい. 野の活動が可能である。他大学の学生や他団体の学生. 図 4 学生活動の概要 16. 0. 20 学内. 13. 40. 60 学外. 12. 80. 100(%). 学内と学外. 図 5 内的活動場所の組み合わせ 表 3 学外活動拠点の分類. 図 6 内的活動場所の詳細. 図 7 まちづくり活動内容と実施場所の関係. 23-2.

(3) との繋がりを持っている団体が選択している。選択す. (6)産官学民が連携するデザインセンター. る団体は継続期間が比較的短く、団体としては初期段. アーバンデザインセンター柏の葉をはじめ、近年増. 階にあると考えられる。また、地域住民や企業との連. えている事例である。民間企業、行政、大学関係者、. 携が少ないといった特徴も見られた。学生同士の連携. 地域住民が協働で運営するデザインセンターを拠点と. を優先した際に選択される場所と言える。. している。多くの活動や情報が集まり、また専門家が. (2)公民館・地域の集会所. 常駐しているなどの特徴がある。幅広い分野の団体と. 地域住民向けの活動支援や情報の提供が行われるた. の連携を撮る団体が多く、他団体との協働が行いやす. め地域住民の活動拠点とも重なるという利点があり、. い環境が作られている。. 普段か活動がアピール出来たり、地域主導の交流事業. 3-4 学外自主運営拠点への言及. の際に協働するなどの機会も生まれやすい。しかし、. 「店舗・コミュニティスペース」で活動を行い、且. 使用時間や内容に制限を受けることがある。. つそれらの場所の自主運営を行っている団体に着目す. (3)企業やNPOが運営する事業所. ると、「活動への地域意見の取り入れ方」や「地域. 市街地のオフィスビル等の中にあり、会議を行う上. 情報の入手方法」等に特徴がみられた(図8,図9)。カ. では十分な設備がある。企業との繋がりが持てること. フェやコミュニティスペースの自主運営を行っている. が大きな強みであり、専門性の高い活動の際に選択さ. 団体は全ての団体が何らかの形で地域の意見を反映さ. れると考えられる。企業の力や市街地に立地する傾向. せた活動を行っている。自主運営を行っていない団体. から広範囲への情報発信力は高い。. では、約25%の団体で地域の意見を取り入れないまま. (4)店舗・コミュニティスペース. 活動を行っている。また、地域情報の収集に関して. 立地としては商店街の中や、地域資源や観光資源に. は、コミュニティスペースにおいて収集する割合が高. 着目した事例がある。来訪者が気軽に立ち寄れる空間. くなる。一方で「情報収集する上で今後必要なもの」. であり、学生が企画や施設運営、建物の改修に携わ. では、運営を行わない団体は「学内および学内の地域. り話題性を持っていること事が多い。学生活動の情報. 交流拠点が必要」としているのに対し、カフェ運営を. 発信も行いやすいため、学生主導の地域交流活動に適. 行う団体ではその様な意見が全く見られなくなる。つ. し、地域情報も取り入れやすいといった利点がある. まり、学生によるカフェ等の自主運営が地域の活性化. が、継続的な運営が課題となる。. と同時に地域意見を取り込むための一つの手段として. (5)まちなか研究室. 有効に働いていると捉えることが出来る。. 研究室または学部等の大学の機関の主導により行わ. 4. 福岡市における学生まちづくり. れ、商店街や中心市街地などの活性化のために対象地. 福岡市内には11の大学があり、人口に対する大学の. に設置される。会議スペースや展示スペースなどを備. 割合が全国第3位の都市である。行政の発行誌や学英. えている。ゼミや授業における調査・分析が中心であ. 団体の集会への参加団体に調査票を送付し、回答が得. り専門性が高いが、住民の利用も可能であるため双方. られたのは九州大学、中村学園大学、福岡大学の3大. の連携も可能である。. 学の学生団体であった。 全てのプロジェクトで 反映せさせている 多くのプロジェクトで 反映させている 一部のプロジェクトには 反映させている 反映させようと思ってい るが、実現出来ていない どちらかと言えば、反映 できていない. 自主運営の 拠点がない 自主運営の 拠点がある 0. 20. . 40. 60. 80. 100(%). 福岡. 自主運営の拠点がある. 地域回覧板や広報誌. 役場や公民館等への訪問 地域内のコミュニティスペース 地域の行事への参加 大学の部署を通しての情報交換 大学敷地内の大学 - 地域連携を 目的とした施設 大学敷地外の大学 - 地域連携を 目的とした施設 他団体が企画する会合・会議. 現状 展望. 情報取集の機会を自主的に設ける 40 . 60 . 80. 100(%) 0 . 20 . 40 . 60 . 80. 2. 4. 6. 8. 図 10 内的活動場所 ( 大分類 ) の比較. 10 ( 校 ). 表 4 重要度の高い連携団体と連携内容の関係 ( 県外/福岡 ). 対象地域の HP や SNS 等の活用. 20 . 学内 + 学外 0. 自治会や協議会の話し合い等への参加. 0 . 学外のみ. 県外. 図 8 自主運営拠点と地域意見の受け入れ状況 自主運営の拠点がない. 学内のみ. 100(%). 図 9 地域意見の収集方法とその展望. 23-3.

(4) 地域が主体となる連携活動は、公民館や小学校での 4-1 内的活動の実施場所の比較. 活動が多く、公園や商店での活動も見られる(表5)。. 全国の団体は内的活動でも学外で行われている傾向. 活動内容は「サークル活動の発表」が最も多く、「地. が強い(図10)。一方、福岡の団体は学外で内的活動を. 域行事への参加」「小中高生への教育活動」等の活動. 行う団体が少なく、地域へのP Rや認知度を高める上で. も多い。地域の祭事に学生が参加し、同時にサークル. は、学外での活動の頻度をより高める必要がある。. 活動の発表の場にもなる活動が見られる。. 4-2 他団体との連携とその内容に関する考察. 5-3 学生主体で行われる地域活動の実態. 福岡の団体は連携する団体数が全国の団体に比べて. 学生団体が主催する活動の場として認知されている. 少ない(表4)。全国の団体は商店街や町内会、市と連. のは、「大学」「まちなか」「公民館」「地域の集会. 携を取るのに対し、福岡の団体は大学事務局やN P Oと. 所」「商店街」のみであり、事例数も少なく地域側. の繋がりが強い傾向にある。. から知られている活動や場所が限られている(表6)。. 5.大学周辺地域における連携実態と意見. 学生にとって地域住民に対してどのように情報を発信. 福岡市における住民や地域側からの学生まちづくり. し、活動をPRしていくのかが大きな課題と言える。. に対する意見把握と各地域で行われている連携事業や. 5-4 学生まちづくりへの期待と課題. 交流行事について実態把握の為アンケート調査を行っ. 地域が大学・学生に対して期待しているものは、学. た。対象は福岡市内の大学周辺校区の公民館館長と同. 生の斬新なアイデア」や「専門知識や技術の発揮」が. 校区の自治協議会会長である。44校区、88人に対しア. 多く挙げられる(表7,8)。大学と連携に向け今後必要. ンケートを送付し50名からの回答を得た(57%)。. だと感じるものは「意見交換」や「情報共有」が挙げ. 5-1 地域が求める学生まちづくり活動. られ、相互の実態把握が求められている。. 地域側が学生や大学に対して期待している内容とし. 6. おわりに. て、「地域の活性化」であり、次いで「防犯・防災」. 本研究では以下の3点を明らかにした。. であった。学生側の取り組み内容と比較するとイベ. (1)学生団体の内的活動においては学内だけでなく、. ント企画や地域行事への参加が多くの団体で行ってお. 商店街やコミュニティスペース等の学外での活動を. り、地域連携の可能性は高いが、学生による防犯・防. 行っている団体の存在が確認できた。また、外的活動. 災などの活動は少ない。. では学内で行われる活動も多い。. 5-2 地域主体で行う連携. 表 6 学生主導の活動の実施場所. (2)内的活動における学外での活動場所について分類. 活動の実態. し、それらの場所毎に特徴を整理した。団体の組織体. 表 5 地域主導の活動の実施場所. 制や活動分野、連携する団体の分野などが利用施設の 選択に影響していることが示された。 (3)福岡市の学生団体は、商店街や町内会等との連携 が弱く、小学校や公民館での活動が多い。地域側も学 生の活動を知る機会を求めているため、学生のまちづ くり参画の内容に合わせ、相互の情報交流を促し、地. 25. 域と大学が協働で行う拠点をつくる必要性がある。. (人). 20. 謝辞 事前調査にあたり名古屋大学大学院小松尚准教授には、多大なるお力添 えを頂きました。記して心より感謝申し上げます。また、アンケートにご 協力いただきました学生団体の皆様、福岡市内の公民館館長様、自治協議 会会長様に多大なご協力を頂きました。心より感謝申し上げます。. 15 10 5 特にない. 地域行事への 学生の通して. 学生主催のイベント に関わった時. 自治会や協議会の 話し合いの場に 参加する学生から. SNS. 学生の訪問や取材. 地域のコミュニ ティスペース. 大学の地域 連携センター. 大学が発行する 情報誌. 等の Facebook. HP. 研究室・学生団体 の HP. 大学の. 口コミ. 地域の回覧板. 行政機関が発行 する情報誌. 0. 註) 1) 山田裕貴,小松尚:学生主体のまちづくり活動の現状と課題~全国の学 生団体を対象としたアンケート分析から~,日本建築学会学術講演梗概 集,2009年 2) 仲村健,斉尾直子:まちづくり活動を対象とした大学-地域連携に関する 研究~実践的教育・研究を通じた連携事業の意義と課題~日本建築学会学 術講演梗概集,2008年 3) 都市計画家協会機関誌Planners No.57掲載団体、及び都市計画家協会賞 学生まちづくり部門賞受賞団体 4) 【学生まちづくりフォーラム2007、学生まちづくりシンポジウム、第12 回学生まちづくりカレッジin沖縄2012、など】. 図 11 地域側の情報収集方法 (n=50) 表 7 学生への期待 (n=40) 表 8 連携に向け必要なもの (n=31). 23-4.

(5)

参照

関連したドキュメント

問題はとても簡単ですが、分からない 4人います。なお、呼び方は「~先生」.. 出席について =

この設定では、管理サーバ(Control Center)自体に更新された Windows 用の Dr.Web Agent のコンポ ーネントがダウンロードされませんので、当該 Control Center で管理される全ての Dr.Web

jGrants上にご登録されている内容から自動反

【オランダ税関】 EU による ACXIS プロジェクト( AI を活用して、 X 線検査において自動で貨物内を検知するためのプロジェク

関西学院大学には、スポーツ系、文化系のさまざまな課

C :はい。榎本先生、てるちゃんって実践神学を教えていたんだけど、授

学側からより、たくさんの情報 提供してほしいなあと感じて います。講議 まま に関して、うるさ すぎる学生、講議 まま

したがいまして、私の主たる仕事させていただいているときのお客様というのは、ここの足