• 検索結果がありません。

社会事象に求める価値観を明らかにする

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "社会事象に求める価値観を明らかにする"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

社 会 科

社会認識を広げ、

社会事象に求める価値観を明らかにする

子どもは、家庭や地域、学校など、身近な社会の中で、さまざまな人、もの、こととっながり合って 生活している。そして、自分を取り巻く身近な人、もの、ことと直接接する中で、自分の生活に求める 価値観を築いている。子どもにとって、自分の生活に求める健康、安全、便利さ、快適さは、当たり前 のように目の前にあるため、日常生活の中で強く意識することはほとんどない。しかし、そこには、そ うした生活を実現させるための、多くの人々の願いや工夫、努力、歴史がある。さまざまな人々のさま ざまな価値観が混在する社会事象は、本質的に矛盾や問題をかかえている。こうした矛盾や問題が垣間 見える社会事象と出会った子どもは、「もっとこうなればいいのに」「どうしてそうならないのか」と疑 問をいだき、これまで築いてきた自分の価値観で社会事象を意味づけようとする。一方で、「こうなら ない」「そうできない」現実の生活も子どもの中にあるため、社会事象の矛盾や問題は、子ども自身の 矛盾や問題となっていく。安定したものとして映っていた社会事象に不安定さを感じた子どもは、そこ

に携わる人、もの、ことの調査に動き出していく。

調査の中で、子どもは自分の生活が多くの人、もの、こととっながって支えられていること、そして、

そこにある社会事象がかかえる問題が思った以上に大きなものとなっている事実に出会う。これまで社 会事象がもたらす利益を当たり前のように享受してきた子どもは、「必ずしも利益ばかりではない」と、

社会事象の不安定さをより強く意識するようになる。そして、「問題の原因がどこにあるのか」と更に 調査を進めていく中で、問題を改善していくために工夫や努力を重ねている人の存在に注目していく。

子どもは、「みんながこうしていけば社会はもっとよくなる」と、その取り組みに期待をいだく一方で、

「そんな問題があることにも気付いていなかった」「今の生活は変えられない」という、自分とは異なる 立場からの声が気になってくる。こうした声に反発をいださながらも、問題の解決を望む自分自身の中 にも「そうできない」現実の生活があることを感じてしまうからだ。さまざまな人、もの、ことと自分 とのつながりを感じ、社会事象がかかえる矛盾や問題の実情に踏み込んでいけばいくほど、子どもは、

それがそのまま自分自身の中にある矛盾や問題であることを感じていく。社会はこれからどうなってい くのか。どうしていくことが、自分や他者にとっての よりよい社会を創る ことになると言えるのか。

子どもの中に生まれた社会事象に対する疑問は大きなものとなり、切実感を帯びたものとなっていく。

自他が社会事象に求める価値観は、簡単に変えられるものではない。健康でありたい、便利でありた いといった思いは、誰もがもち合わせているものだからだ。しかし、問題を改善していくための工夫や 努力を重ねている人々の取り組みとその成果にふれてきた子どもには、互いの求める価値観を認め合っ た上で踏み出していくことで、社会をよりよい方向に変えていける可能性が見えている。社会事象はそ こに生活する自分自身が創り上げていくものだということを強く感じる子どもは、自分自身が社会事象 に求めてきた価値観を問うていく。

そんな子どもに、教師は「社会事象をどうしていきたいのか」と関わる。求める社会事象の姿を語る 時、子どもは社会事象に求めていこうとする価値観を語ることになる。自分は、社会事象を自分とのつ ながりの中でどう意味づけ、どんな価値観を求めていくのか。それが自分や他者、社会生活全体にどん な影響を与えることになるのか。社会事象に求めてきた価値観を問い直す中で、子どもは、自分のため、

そしてよりよい社会の実現のために、求めていこうとする価値観を明らかにする。自分が求める価値を 明らかにした子どもは、確かな意図をもって社会事象に働きかけていこうとする。こうして社会認識を 広げながら、自分はその中でどう生きるのかを見っめ、新たな一歩を踏み出そうとしていくことで、子 どもは社会に生きる確かなひとりの人となっていく。

社会認識を広げ、社会事象に求める価値観を明らかにすることが、社会科における学びである。

−21−

参照

関連したドキュメント

と言っても、事例ごとに意味がかなり異なるのは、子どもの性格が異なることと同じである。その

「欲求とはけっしてある特定のモノへの欲求で はなくて、差異への欲求(社会的な意味への 欲望)であることを認めるなら、完全な満足な どというものは存在しない

口文字」は患者さんと介護者以外に道具など不要。家で も外 出先でもどんなときでも会話をするようにコミュニケー ションを

 ファミリーホームとは家庭に問題がある子ど

◯また、家庭で虐待を受けている子どものみならず、貧困家庭の子ども、障害のある子どもや医療的ケアを必

里親委託…里親とは、さまざまな事情で家庭で育てられない子どもを、自分の家庭に

   遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば

Q7