• 検索結果がありません。

研究ノート 省 力 化 投 資 の 判 別 基 準の実例

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "研究ノート 省 力 化 投 資 の 判 別 基 準の実例"

Copied!
20
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ. 研究ノート 省 力 化 投 資 の 判 別 基 準の実例. 戸. 蹟. 明. 瀬. 小稿は人を機械設備で置換える所謂省力化投資の判別基準を 1 9 7 8 年から 1 9 8 0 年にかけて 行われた我国の販売会社を有するメーカーに対する生産期間,工数に関する標本調査の結 果に求めたものである。この調王室は, 1 9 7 0 年現在で販売会社(所謂総販売会社で,親メー カーの製品の全部又は大部分を扱うか,親メーカーのある製造部門の製品の全部又は大部 分を扱う)を有するメーカーを母集団として,無作為に抽出された標本に対して実施され た。この調査は生産期間,エ数のこの 1 0 年間における変化とその要因(設備投資,生産管 理の進歩,製品の仕様の変更,外注の再編成)を主題とするものであった。工数の変化要 因のうち,工数を低減せしめる大きな婆因に省力化設備投資があることが,これは通常い われていることであるが,確認された。 胃換えれば,置換えられた分だけ直接工数(そのメーカーの生産工程で,製 人を機械で l 品 1単位(物最単位〉あたりに投入された人間労働の愛で,具体的には時間で表わされる) は減少する。したがって,この直接工数×貸率で表わされる人件費(これには通常賃金と 福利厚生認が含まれる)は減少し,その分だけコストは低下する。しかし新たに投入され た機械設備にかかる費用(減価償却費,金利,この機械設備を導入したために必要とされ 1<.等の経費)がコストに算入される。ここに人と機械設備との t I a d eo f fを計量 る電力, 7 する必要が生ずる。以下において,工数は直接工数を意味する。 工数低減要因として設備投資が挙げられる時,設備投資による低減分はそのまま無条件 には製品コストの低下につながらない。これが与えられた生産技術の下でおこなわれる生 産管理の改善進歩による工数低減と大きく異なるところである。しかし,コストを低下さ せ得ない工数低減のための設備投資は行われない。現実にこの設備投資が行われている以.

(2) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑70ー. 6 5 6. 第5 4 巻 第 3号. 上,コスト倍下に寄与している答である。それでは,人を置換える設備投資による工数低 減分のうち,コスト低下に役立っているのはどれだけか?との問に対する回答は本稿では 用意されていない。メーカーの投資実践にあっては,設備への投下資本の可及的速やかな 回収が目指される。. とうすることにより少くとも省力化投資によるコヌトの上昇による. 一一一コヌトが上昇し℃も価格をそれに応じ℃引上げることは出来ないので一一生じ得ペき 損失を回避しようとするのである。本稿はとの速やかな回収の実態を,回答数の少いこと から極めて不十分ではあるが,把録しようとするものである。 回収期間,工数に関する調査は幸い企業の協力を得亡十分な成果をあげることが出来 た。回答数を標本数との比で示すと,表 1‑ 1 の通りである。 表 1‑1 回答標本数/標本数 n. ﹂ 一 芸. 1ててを~\. A. B. 1 0 / 1 2. 4 / 4. 9 / 1 1. 6 /6. 5 / 6. 1 2 / 1 6. C. 計. 2. しかし,人と機械設備の t r a d eo f f の判別基準についての回答は,調査者(筆者〉の問. 2社に過ぎない。 題意識が調査の過程で徐々に綴成されてきたこともあって,極めて少し 1 とれに他標本の 1部である. 2 i L L加えて 1紳士が I間以下の研究材料である。. とれは標本調査とはいえない。したがってこの調査結果を母集団特性の推定に用いること は出来ない。しかし結果からみて,回答に榔があるので. 1つの参考にはなると考えられ. る 。. I I 工数の低減と設備投資 1 . データの性質. f等〉当りに投入された人間労 工数は当該メ ーカーにおいて製品単位(物量単位で台, n l. 働の盛であらわされ,具体的には投入労働時間であらわされる。すなわち直接工数であ る。この蔭接工数としての工数の計測にあたっては,製品単位として実際の出来高が選ば れる場合と能力が選ばれる場合とがある。. 労働省労働生産性統計調査に用いられる労働. データは,売上高クェイト平均の場合は前者の色彩が 生産性は前者に属し,本稿での計測j. (1) 地区販売会社で全国をカグァーしているメ ーカ ーから成る標本から 1社 (5),1 9 7 5 年標本 (6)から 1社 。 J. l.

(3) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑71ー. 省力化投資の判別蕊準の実例. 657. 強く,単純平均の場合は後者の色が濃い。 年 ‑1980 年 5月に実施した販売会社を有するメーカーに対する標本調査によ 筆者が 1978 年土 0,66年前(単純計点)( 表II‑1 ) , れば,調査時点より平均 8,87. 9.32 年土 0 . . 4 2年前. 7 . . 5 2土6 . . 5 5( 表II‑ (売上高クエイト)(表II‑2)を100とした調査時点の工数はそれぞれ 5 . . 0 5( 表II‑4) に低減している。表における層 1は親メーカーがその製品 3),49.68土8. 表II‑1 工数変化,計測期間,年表示. 三三こご←高麗寸 層. 計. 一一一」. A. B. C. 8υ83 9 . 5 0. 7 . .75 9 . . 2 5. 8 . 6 1 9.09. ¥ 1. 計. 8.87土 0.64. 2. 表I Iー 2 工数変化の計測期間,年表示 ( 1 9 7 5年売上高クェイト〉 一 計. ¥¥、 E官 官 ← 議 } ¥一一一一J. A. B. C. 9 9,, 5. 8 . 1 2. 9 . 4 4. 8.84. 970 9.47. 9.32i :O42. 年前を 100とした現在 ( 1 9 7 8 年一 1980年)の工数 8 . . 8 7. 計. L_~. l. B. C. 57.52土6 55 53,63 77,, 50. 69ρ43 46,48. 47.24 44.34. 表II‑4 9,32年前を 100とした現在 ( 1 9 7 8 年一 1980 年〉の工数 ( 1 9 7 5 年売上高クェイト) ζ. 11. 目 前. 五 ごEF1. A. B. 54.47. 74.80 4239. C. 49;68土 8 . . 0 5 72.76. 42.52 4347 ぃ. の全部または大部分を 1つの販売会社に扱わせている層,居 2は親メーカーの事業部また (2) 売上高クェイトをかけていない計算を以後単純計鈴と呼ぶ。.

(4) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑72‑. 658. 第5 4 巻 第 3号. は製品によっては 1つの販売会社に全部または大部分を扱わせている扇である。また A, B, Cは1 9 7 0年現在。での資本金規模を表わし, Aは 1億円 ‑10 億円未満, Bは1 0 億円 ‑50. 億円未満, Cは50 億円以上を表わす。ととろで問題は ζ のような工数低減に対する要因と (3). その寄与率である。設備投資の寄与率は 4 4. 41土 7 . 3 5(単純計算)(表Il‑5),21 .5 7土 0 . 8 2 〈売上高ウェイト,以下. ζ の順)(表1I‑6 ),生産管理の進歩の寄与率は. 3 7 . 3 7土 9.26 ( 表. I I ‑ .7 ) , 5 6 . .1 2土 1 6 . 2 4( 表II‑8),生産物の仕様の変更の寄与率は 2 . 1 8土 4 . 9 8( 表II‑ . 2 0土 7 . 9 7( 表 II‑10),外注の再編成の寄与率は 2 . 0 1土1..0 2( 表II‑ll), 1 . .2 9土 9), 0 表II‑5 工数低減に対する設備投資の寄与率,%. f. コ 士 ロ. 一仁社竺」. A. B. 5 5 . 0 0 3 0 . 0 0. 2 7 .,4 5 61 .8 7. C. I44.41土 7.35. 昔. 1 2. 26.42 4 4 . . 5 5. 表I I ‑ ' 6 工数低減に対する設備投資の寄与率,% ( 1 9 7 5 年売上高クェイト). 計. 瓦二主主. f t. A. __..~_I__~一一. 21 .5 7土 0.82 3 3 . 0 3 3 5 . 9 5. 1. 2. 1 7 . 2 8 6 5 . 6 5. 1 3 . 8 5 4 6 . 9 2. 表I I . ‑ 7 工数低減に対する生産管理の寄与率.%. 五¥¥坦」竺 i. 計. A. B. 4 3 . 0 0 4 0 . . 0 0. 3 3 . 1 8 2 9 . 8 0. C. 計. 1 2. 5 7 . 5 2 2 9 . . 5 5. 表 II‑8 工数低減に対する生産管理の寄与率,% ( 1975 年売上高クェイト〉. 日\竺~I 計. 1 2 (3) 9 5 9 ぢ信頼幅。. l弘. 計. A. B. C. 6 5 . 9 7 56.54. 2544 2 6 . 3 8. 7 64 2 2 2 . 7 4. 1 2 : : ! : : 1 6,24.

(5) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 6 5 9. ‑73・ 一. 省力化投資の判別基準の実例. ー. 表I1 ‑ 9 工数低減に対する生産物仕様の変更の寄与率,% ‑二二:一一一石田. 模. " ‑ L .. 層 ¥ ¥ 一 │ 計. I. A. B. C. 2 . 0 0. 0 . 3 0 3 . 3 3. 2 . 1 8土 4 . 9 8. 計. ー5 . .00. 2. 2 . 3 6 1 5 . . 0 0. 表I1‑‑1O 工数侭減に対する生産物仕様の変更の寄与率,%. ( 1 9 7 5年売上高ヲヱイト〉. 百¥王土l. A. 計. C. B. 0 . 2 0土7 . 9 7 1 .0 1 ‑6.40. ‑2.76 4 3 2.. 表I1 ‑11 工数低減に対する外注の再編成の寄与率,. 五¥旦土l. 計. ‑4.30 2 0 . 7 1. 9 ぢ. A. B. C. 0 . 0 2 . 5 0. 1 .8 8 5 . 0 0. 3 . 6 1 1 .8 2. 2 . 0 1土1.0 2. 計. 表11‑12 工数低減に対する外注の再編成の寄与率,% 年度売上高クェイト〉 ( 1 9 7 5. 74 とl 計. 1 2. 計. A. B. C. 0 . 0 3 . 2 0. 1 .6 8 5 . 5 4. 1 .2 4 0 . 4 4. 1 .2 9土1.0 5. 1 .0 5( 表11‑12) である。寄与率の計が 8 5 . 9 7,7 9 . 1 8 と共に 1 0 0に達し℃いないのには理 由がある。その瑳由は調査にあたって一一あるメーカーでは生産管理担当者の経験から, 別のメーカーでは実際のデータから回答を得たのであるが,その際一一必しも寄与率の和. 0 0となるととを要求しなかったことである。 が1 データの性質につき回答を得るにあたり判明したことは,装置工業では装置の能力〈設 霞時の能力に加えられたその後の改善による向上を含む〉での回答と能力は変らないが操 業度の向上による実積の向上による生産性の上昇の両方のケースが含まれ,機械製造業で は,自動車〈乗用車,. トラック)を除いて,当該メーカーの採用している標準エ数で回答.

(6) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑74‑. 660. 第5 4 巻 第 3号. されている。しかし,自動車..(乗用車,. トラァク)について は,労働省労働生産性統計調 i. 査のデータによったため,実績データとなっている。とのようなデータの性質から,単純 計算では総じ℃能力あるいは標準工数が優勢であるが,ただ自動車の売上高クェイトがか なり大きいため,売上高クェイ卜計算では実積値としての色彩が濃厚である。. 2 . 設備投資の寄与 2.1 層と規模による差 工数低減に 対する寄与率では設備投資のそれが高いであろうととは産業界の常識となっ l. ているようにみえる。そしてデータも,単純計算で 4 4 . 4 1: t7.35と生産管理の寄与率 3 7 .. . 2 6 を上まわっている。しかし売上高クヱイトでは設備投資の寄与率 21 . .5 7土 0 . 8 2 3 7土 9 は生産管理の寄与率 5 6 υ 1 2土 1 6 . 2 4の 3 8:ぢにすぎない。とのことは大規模メーカーにおけ る工数低減が生産管理の進歩を中心に進められた ζ とを示している。 ととろで,表II‑5,表II‑6は 2 J 習C規模における設備投資の寄与率が単純計算で. 4 4 . 5 5,売上高クェイトで 4 6 . 9 2といずれも生産管理の寄与率 2 9 . 5 5,22.74の 2倍前後で あるのに対し. 1臆 Cにおける設備投資の寄与率が 2 6 . 4 4 (単純), 1 3 . . 8 5 (売上高クヱイ. ト〉といずれも生産管理の 5 7 . 5 2(単純), 7 6 . 4 2(売上高クェイりにはるかに及ばないと とを示し℃いる。 2層 Cには装置工業メーカーと機械製造業のうちの連続生産型産業に属. j l. するメーカーが多いのに対し, 1層 Cには機械製造業のうち同時 年産をしているメーカ ーが多いことがこの差となってあらわれているのである。 同時化生産している全てのメーカーにおいて. 1層 Cと同じように設備投資の寄与率が. 生産管理の寄与率より低いかというと,そうではない。 2厨 Bに属するある機械製造業に 属するメーカーは向時化生産しているが,工数低減に対する設備投資の寄与率は7 0 : ぢで生 産管理の寄与率の 25%の 3倍弱である。 1屑 Cの同時化生産のメ{カーにあっては設備投 資による工数低減の段階はすでに経過しているとみるべき「である。この 1層 Cでは自動車 メーカーのクヱイトが高いが,その自動車メーカーにおいては設備投資の寄与率が砥く, 生産管理の寄与率が高いのである。 同時化生産しているメーカーにあっても,設備投資による工数の低減は量産のための自 動化,専用機化の進展の段階では大きいのであれとの段階を基礎として,生産管理の進 歩(生産の同時化〉による工数低減へと進むのであろう。. (4) s y n c h r o n i z a t i o n 。これは同期化とも訳されているが,藻利(4Jにしたがい,同時 化と呼んでおく。.

(7) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 6 6 1. 省力化投資の判別基準の実例. ‑75‑. 以下において,工数低減に対する設備投資の寄与率の大きい装鐙工業と機械製造業にお ける工数(装置工業では労働生産性)と設備投資の関速について, (7)に拠りながら,み てみよう。. 2 . . 2 装置工業における労働生産性の向上と設備投資 装置工業においては工数という概念はない。装置ー工業のうち,例えば,製紙,肥料,飼 料,石油,樹脂等では連続生産方式が採られている。また銑鏑一貫,特殊鋼,ステシレヌ 鋼,写真感光材料等のメーカーでは,工程内連続生産,工程別ロット生産が行われている。 装置工業では,機械工業におけるように人が生産性をあげる一一ーあるいは人工数を低減す るーーのではなく(装置の能力が生産性(人数を一定として,生産量の上昇度合〕を決める。 肥料製造においては槽(機械設備)への作業対象の投入量(通過量) Fが生産能力を表 わす。あるメーカーの場合, 1 9 7 1年から 1 9 7 9 年の│習に Fを大きくする一方,作業者数は6 8 %に減少した。結果として,労働生産性を表わす (F/日 / (作業者数/直 X3扇/日)) は1 0 0 から 1 7 3に上昇した。. 9 7 1 年を 1 0 0として, ある製紙メーカーにおいて,労働生産性は 1. 1 9 7 9 年現在でパルプ製. 8 2に,紙繰造部門で 1 5 4に伸びている。これは能力いっばいの生産を前提とし 造部門で 1 た 1人当り生産高の伸びである。能力いっばいの生産はパノレプ部門で1.2 7 倍に,紙部門で. 1倍に伸び,作業者数はパ jレプ部門で 070倍に,紙部門で 0 . 7 2倍に減少している。作 1 .1 業者数減少の要因は,①作業組織の改善(並行する 2つの工程を同一作業者がその閲に立 って受持つ),②給油の機械化,③包装工程の機械化,④製造工程の中に検査機能を入れ込 む ζ とによる選別工程の省略等である。② ④が設備投資と関係している。とのメーカー では人を機械で置換る投資に固有の基準は設けておらず,年間の原材料投入差額〈製品キ ログラム当りの生産効率のことで,じれを使用原材料の価格と投入方法の変化(水消費量, 電力消費蚤)で計る〉を問題とする。原材料投入差額には人の減少のみならず,生産能力 の増大も含まれる。設備投資を 1 0 0万円 ‑1億円未満と 1億円以上の 2つに大きく分けて いる。前者についてはできるだけ早く回収するととを目指している。後者れについては将来 の能力向上のための現在の投資という箇が含まれているとみられる。式については I I I節 で述べられる。 カラ{印画紙においては生産能力は塗布単位であらわされる。. あるメーカーの場合,. 1 9 6 9年を 1 0 0とすると, 1 9 7 9 年には 1 3 8 7である。 との塗布単位の増大は労働生産性の増大 と深くつながっ ている。塗布単位の増大は装置への新投資を必要とするが,作業人員は変 l.

(8) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑ , 76‑. 第5 4 巻 第 3号. 6 6 2. らないとし℃よい。省力化投資のみならず,広く投資についてのデ ータは得られなかった l. が,生産能力増強のための投資が主力であることは,上の塗布単位の伸びの大きなことか ら十分想像出来る。 樹脂製造工業における設備と人の関係につい‑C,あるメーカーを例にとると,次のとと. 9 7 3年から 1 9 7 9 年の閲に作業人員は L006 倍と殆と増えていないが,反応基は がいえる。 1 0 0 →1 2 4と増加している。結果として,労働生産性 との間 1基増え,生産数量(トン〉は 1 0 0 ‑ 令1 2 3 . 8と増加している。との産業の場合も,生 を表わす 1人当り生産数量(トン〉は 1 産能力の増大のための設備投資ということがいえよう。したがって,人を設備で置換える 投資に固有の判別基準はないであろラ。 以上において考察して来たように,装置工業においては生産能力増大のための投資が主 力を占めるが,しかし省力化投資が意識されないわけではない。次のステンレス鋼メーカ ーの例はその場合である。. 9 6 9年から 1 9 7 9年までの閥に製鋼における連続鋳造による分塊工程の省 このメーカーは 1 略,新鋭センジミア冷閲圧延機の導入によるコイノレピルドアップの省略等の投資を行っ t 来た。これらの投資は生産期間の短縮による生産能力の増大に寄与したほか,歩留の向上 〈工程が少ければ少いほど歩留はよい),表面品質及び形状改善によるユーヂーの信用の獲 得をも狙ったものである。生産体系がとのように一新されると,とれを与えられたものと (5). して,この体系のもとでの省力化が行われる。同じ期聞に生産系従業員(現場作業者〉は. 1 0 0→ 9 8と微減であるが,しかしとれはとの閣の省力化投資による。. すなわち省力化投資. 9 6 9 年現在の生産系従業員を 1 0 0として 2 %の人員が機械設備で置換えられてい により, 1 るのである。しかし,とれはこの閣の生産量の伸びを無視している。省力には,①実際に 現存する要員を減少せしめるととの外に,②同じ要員で増大した生産量を生産する,すな わち増員防止による省力がある。一方における休日増と生産量増は生産系従業員の増大を 要求し,他方における省力化はこれの減少をもたらすのである。 同じ期間における生産量の伸びは大きく,との結果 1人当り生産高/月で表わされる労 働生産性は 3倍近くに上昇している。 1 9 6 9 年と 1 9 7 9 年で 1人当り生産量に変化がないもの. 9 7 9年の労働生産 とすると, 3倍近くの生産系従業員を必要とするのである。この数値は 1 性を 0 . 9 8で除して得られる。との意味で,機械設備によって霞換えられた人員は 1 9 6 9 年の. (5) 生産工程の一部に内製下請化している協力会社従業員を含む。.

(9) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 663. ‑77ー. 省力化投資の判別基準の実例. 3倍近くにのぼるととらえられる。. 2.3 連続生産方式を採る機械製造業における工数の低減と設備投資. nume I i c a lc o n t l o l ) のつい 機械製造業における生産手段としての機械は汎用機, NC( 7)で詳 た汎用機,専用機と量産の程度が高くなるにつれて変化する。量産については ( しく考察したが,とこでは次のことを述べて置かなければならない。品種×当該品種の数 量=選。汎用機は品種が多いが f 置がそれ程出ない段階で用いられる。. NCのついた汎用機. (とれをあるメーカーでは自動機と呼んでおり,一般に自動化はとの段階からはじまると してよいであろう)は 1品種あたりの量がある程度大きくなり,かっ品種×当該品種の数 蚤も大きくなった段階で用いられる。専用機は 1品種あたりの量が大きくなれ少い品種 数で月,年:を通じて稼働できる場合に用いられる。 汎用機. NCのついた汎用機,専用機とも工程の部分にもさを体系にも用いられるが,段 階を追うにつれ,体系的使用(ライン化〉が目指されることになろう。ある建設機械メー カーにおいて,汎用機から NCのついた汎用機への切替で,ある工程におい t作業員は 5 人{→1.5 人に減少した。これには加工対象の流れの研究と設計の変更が必要であった。 では,研削一組立は速続生産であり,作業員 あるベアリングメーカーの蚤産小型物工場1 は 1人で済んでいる。以前は内径・外径寸法iJlIj定(マッチング)に 1人(現在は 1台の機 械),鋼球入れに 1人,保持器,組付に 1人〈現在はとの 2構成品を 1台の機で)の 3人を 要した。このように研削以降は可能な限り自動化され℃いる。この工場では年間を通じて. l 司ーライン同一品種(ベアリングでは型番と呼んでおり,との型番はオープン,乙/ーノレ, N溝と分れる〉が流れている。したがっ℃機械は専用機である。とのメーカーの工数低減. の要因とその寄与率は,①省人化投資,サイクノレタイムを短縮せしめる機能の向上,工程 の菌結化,改善管理5 0 % ' . ②オフライン品の削減,持ち台数増,品質向上(不良率の減少) 等の生産管理1 0 % " ③生産量・増3 5 % ',④品質向上(取代) 5%,と回答されている。設備投 資の工数低減に及ぼす影響に関する限り,専用機化と可能な限りの自動化は,一方におけ (7). る省人投資と他方における生産量増とによっ‑C,工数を低減している。専用機化投資は, 歪産の程 自動化と相倹って,省人投資という形で直ちに工数減効果をあらわすが,将来の f 度の向上(生産量増〉を見込む投資としては必ずしも今直ちに工数低減に結びつくもので. (6) この例について詳しくは瀬戸 C7J第 I I 節参照。 (7) このメ ーカーの工数は 生産個数/((人員×作業時間/直×日数/月)一欠勤時間計十 l. 残業時間計) で算出されている。.

(10) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 4 巻 第 3号. ‑.78‑. 6 6 4. はない。とのベアリシグメーカーの工場のように,専用機と可能な限りの自動化から成る (8). 工場を新設する,あるいは工場の中のラインを増設する場合には,将来の需要増を見込ん で資本投下するであろう。設備完成後直ちに生産能力いっぽいの稼働が出来ることは期待 出来ない場合もあろう。かかる場合のように省力化は出来るが直ちに資本回収することが 投資の性質(将来のための投資)からいって難しい場合を大きな投資と呼び,ある程度出 来上った生産技術体系の下で例えばマッチシグを人から機械に代えるような投資を小さい 投資と呼んで,資本回収の面から,区別するということはあり得るであろう。 専用機を導入してから量産に入るまでに一定のタイムラグがあるととの 1例を下のよう に挙げることができる。とのメーカーは同時化生産し tいる〈厳密には.これに近付きつ つある)カメラメーカ ーである。同時化生産し℃いるメーカーのうち,自動車(乗用車, l. トラック〉のメーカーにおいてはこの 1 0 年閣の工数低減に及ぼす設備投資の寄与率は会ほ. 一 1U 一 門 下 !l 下 コ 期 一. V14. 一噌 Anonu 一氏. 唱. 戸. b. 1 : 第 4期. 8月 I 1月. 羽お. 9 0. ‑00 3 れ. ‑37 1 1ー2 . 7 9 ,,. 一. 一 一. 一口叫 一 1 21 A 一 言 一組 告 0D5 O O O F b佳 一叫月一札ふふつい L 一プレスを子会社へ 一第三 4 一 一 一 一 群 管 理 加 工 機 効 果 大. h. ガヌ熱処理炉効果 二次加ヱ自動機. ﹁││寸刻バ矧llJ411 一 111111lili‑‑‑ L 一 一 nuqO 一 一組立を子会社へ 一月一仏 L ι 一9一 5 一 一 一 管 理 加 工 機 効 果 大. 前世. ‑33. yll j ‑ 2iJ 一. 考. W 巴 雪 笠 寝 一5 一 一 一 相6 υ 一一月︐︐ 氏υ噌 ム 巧 ︐ 一 d n 一刻一仰山山川山一量産体制基盤確立 一1一一一一一一 一一司 i n v 一 一同一肌叫一専用機化効果大 Illi‑‑i 1111Ill‑ 量産体制丸. 11i. ∞一専用機増勢効果大る︒他方︑改 善投資盛込み. 工一数吏抽出口慈善明一 一変改改改一 加一工作十法定一 一外音工業一 民一一持内設加作不一. 金一工数減要因一. 備. 一. 表1I‑13 あるカメラメーカーのある品種の工数低滅状況,指数表示. (8) ある品質の f 置が伸びる見込のもとに, この品種専用のラインをつくりあげるが,最 のあまり出ない品種については絡めて別のラインで流す,という場合がある。.

(11) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 665. ‑79ー. 省力化投資の判別基準の実例. ど大きくなく生産管理の進歩の寄与率が大きい。しかしこの点は同じように同時化生産し ℃いる産業でも産業によって違いがあるのであれカメラメーカーでは,このメーカーに 限らず,設備投資の寄与率は大きい。 表II‑13 はこのカメラメーカーのある品種の金属加工の工数低滅状況を示している。第. 1期に生践を開始する。第 1期の 9月に量産体制に入り,第 2期の 6月に量産体制の基盤 が確立したのであるが,との閲専用機導入の勢が強かった。しかし,専用機の導入によっ の基盤が確立したととは投入された専用機群の能力いっぱいの稼働が直ちに行 て量産体制j われたととを意味しない。少くとも,第 1期の 9月と第 2期の 6月の閣のタイムラグがあ るのである。それでは,第 1期の 9月と 1 2 月にそれぞれ 9 . 8 9,1 1 . 1 6の工数減が加工法改 善(これには設備投資による生産方法の改善のほかに,生産管理面からの改善も含まれて いるし,また第 1 期 9 月においては図面訂正と改善の寄与~<.が分離され得ない)によるこ. 7月 九 ザ. 1. 7月. l宅. ザ. I. 1 8 . . 2 9 1 2 7 . 1 5 2 0 . 0 2 0 . 1 0 一0 . 0 1 ‑2.61 0 . 3 5 ‑223 ‑0.44 3 ‑0,85 一0 0 . 2 6 ‑2,2 . 7 6 ‑0.28 ‑0.07 ‑0.07 刷 。0 1 0 . 2 2. 工 丙1 F. 7月 │ 宅T P │ 7月 │ 究 明 6 1 5 . 6 7 一0 . 1 5. 1 5 . 2 5 1 00 6 2 . 7 5 1 5 0 . 3 4 ‑01 リ. 9,9 3. 9 . 9 1. ,,. ,,. A機 用. 効果大効 果 大. 副 1 .5 8 ‑0,1 ‑1.4 6 ‑0.14 ‑2.16 ー 3 ‑0.02 一0 . 4 9 ‑0.67 ‑0.19 ‑0.25 2 ‑05 ‑0.86 0 . 0 5 , ,. 会 群 国 均 理. 工 加 次. フ シ. 化 動 自. ス. フ ア. マ. 乙 / シ.

(12) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑80‑. 第54 巻 第 3号. 666. とが示され℃おり,とれらの数値は大きいのであるが,とれは何を意味するか。とれは専 用機が同時に省人イじを伴ったととを意味していると考えられるので・ある。 本例のメーカーが,同じ省力化投資でも,大きな投資と小さな投資に分けて資本回収を 考えているか否かは不明である。たまたま上例では専用機導入により直ちに工数低減効果 (9). が現われており,省人投資となっているといえよう。しかし,同じく省人投資でも将来の 増産のための専用機化の場合と現在の省人化を回的とした場合を区別している例を挙げる ことがでまる。(7)で取上げられたルーム・エア・コンディ乙/ョナメーカーにおいては. 省力化投資は改善投資(合理化投資)と大きな投資に分けられている。前者と後者では資 本回収できる期間が異なる?. I I I 省力化投資の判別基準の実例 資本回収法. L. 4 社中 7社がと 投下資本の利子を考慮に入れる方法と入れない方法の両者を合せると. 1. の方法を採用している。 設備投資額を C,年間省工数をふ回収期閣を百年とする。回収期聞は後に年平均原価 比較法に出てくる機械設備の耐用年数 nとは別である。. v=CjS. (1). (1)式の実例. . 発電機,誘導電動機規模 A 実例 1 1人工を節減 ( S ) するのにある額 (C) の投資で あれば可。 Sを 1人当り年賃金とす. れば、. 3.75=CjS 実例 2. ポ ン プ 規 模 A. Sを 1人当り年賃金とすれば,. 3.51=CjS 実例 3, 工 具 規 模 C. (9) このメーカーの設備投資判別基準につい τは後に I I I節 L で述べられる。 ( 1 0 ) このメ ーカーについては後に I I I節 2 .で再び取上げられる。 l.

(13) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 6 6 7. ‑ 81‑. 省力化投資の判別基準の実例 投資額. 1ヶ月当工数低減時間 x(福利厚生費も含めた 1人 1ヶ月当の人件費〉ー(投資額の 1ケ 1人 1ヶ月当稼働時間. : 2 0ヶ月. 一一一一一ぐ. 月社内金利〉 との式ででた数値のみで投資が決定されるのではない。その他の要因も含まれる。との 基準で,大きな投資について時系列的にみると,左辺の数値が右辺の 2 0を上まわっている. 0に近付けている。 が,小さい投資(改善投資〉についてはできるだけ 2 実例 4. カメラ. 規模 B. このメーカーからは投資慕準でなく,実例(数値例〉が示されている。工数低減と品質 の安定化を目的として,汎用機を自動供給自動スポァトに更新したい。乙れによって節減 省工数(年) Sは省人工×賃率/分×作業時間/日×作業日. される人工/年が決定される。. 1 .03=CjS. 数/年で示される。. とのメーカーは今 1つの計算をしている。それは Bierman& S midtの「投資の金額 で現金収入の総額を割って得た金額」に当るもので,このメーカーでは収益係数と呼ばれ ている。ただし投下資本の利子を考慮している点は異なる。とれについては後述される。 (1)式の実例はこれで終(J, (2)式に移る。. C=S・ U. (2). (2)式の実例. 実例 L. ゴ ム 履 物 規 模A. U 年で回収することが前提である。. v > 機械投資額. 節減すべきF 工数×単価 x ζ. こで単価とは年賃金を指す。. U として. 2をとる。. 実例 2. ベア Yン グ 規 模 C U 年で回収することが前提される。むとして以前は. 1,現在は 2をとっている。. 式は実. 例 1に同じ。. とζ ろで,これまでの実例では(1)式の実例 3を除いて,投下資本の利子に対する考慮 が払われていない。これは極く短い期間に回収することを基準としていることからその必. ( 1 1 ) ピヤーマシ. E. νュミット. r 2J 1 7 頁 。.

(14) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 4 巻 第 3号. ‑82‑. 6 6 8. 要がないというととであろう。もし投下資本の利子を考慮に入れた資本回収を考えようと すると,機械の耐用年数 nを決めなければならない。. ζ. の耐用年数は物理的耐周年数に陳. 腐化とその機械の再生産価値の低下による経済的減価を加味して測定された経済的耐用年 ( 1 ) ). 数である。こうした経済的減価の測定(予測)は容易でなしとのととが出来るだけ早い 回収を選ばせる理由でもあろう。利子 hと耐用年数 nが与えられれば, S はつぎのよろに 決る。. l. 1 h一. ド. 一 九 リ R︐. 川区. m 十 一l. ω. は一. z. pu. s. (3). 品. (3)式の係数 (1+ k ) n . k / ( (1十 k ) n ‑1)は資本回収係数 (capitairecove!yfactor)と 呼ばれる。つぎに (3)式からその逆数をとれば, JJd. n. 刊一市. 川一九ソ. 一 ‑. S. 什 リ 一 仁. 一 一 C. (4). が求められる。 (4)式の係数((1+k ) n ‑ 1 ) / (1+k) n . kは年金現価係数 (setiespresent ( 1 3 ). worthf a c t o r ) と呼ばれる。. (3)式を資本回収係数による資本回収法と呼べば,. この (3)式の方法は S t=Sとし. た場合の内部収益率法と同等である。以下にこのことな示ナ。 いま,. Cを投下資本額, S tを第七期における節減人工×貸率, n を機械の耐用年数,. k. を投下資本の利子率とすれば, h. ノ ー +. 噌 ム. r ' r '. ︐︐︑︑ ︐. S. ηZ 同. 一 一. pu. (5). となる。毎年の節減人工は同じなので,貸率の変化が無視出来る程の場合にはめ =Sと することが出来よう。そこで (5)式は ムM. ノ ︐ ︑ +. J'. 4 噌. ft. ︑. c u ︐ ︐. =. nZM. C. (6). となる。この (6)式は. C=S(1+ k ) n ‑ l + S(l+ k ) n ‑ 2 + ド十 S (1+ k ) n ‑ t + +S/(1+k) n である。分子は初項 S,公比 1+kの等比級数なので. r. ( 1 2 ) 馬場 1)2 5 8・ 2 5 9 頁 。 ( 1 3 ) (3)式にぺついては (9)1 1・1 2 頁.

(15) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 6 6 9. ‑83ー. 省力化投資の判別基準の実例. C=(S(1+k)n‑S)jk(1+k)n. =手-チ(寸 ~k. ) η. =S.~ 1 +k)n‑ ,1. (7). k (1+k) η. である。(7)式は (4)式に等しい。 (4)式の逆数は (3)式である 6 よって ,S t S とし 詔. た場合,内部収益率法と資本回収係数による資本回収法とは同等である。ただ,前者は C と Sを与えられたものとし,. 後者は C と hを与えられたものとする違いがあるのみであ. る。また,もし. c ' = ‑ ! ‑ ‑ ‑ ! ‑ r ̲ l ̲ .¥ n k k ¥1+kJ におい‑C, Sとhを与えて C 'を決定し, これと C を比絞して, C'>Cを問うとすれば,. n e tp r e s e n tv a l u emethod) となる。 とれは正味現在価値法 ( ところで,式(1)の実例 4のメーカーは式(1)のほかに,収益係数と呼んでいるもの を計算している。との収益係数 Kmは,省人工×賃率/分×作業時間j(ヨ×作業回数/年を Sとし ,n年の資本の利子率を1.0に加えたものを R とすれば,. Km=SxnjCxR である。 今 , Cをしばらく考慮の外に寵けば , SxnjRは;正味現在価値法の C 'に等しい. (Rは式 (6)の分母 (1+k)tに等しいので)。したがってこの収益係数法は C,>Cを C'jC という形で問うていることにほかならないのである。. G'jC という判別基準はある建設機械メーカーでも用いられている。このメーカはこれ を利益現価法と呼んでいる。旋盤の NC 化の実伊j がこのメーカーにより報告されている。 , 3 0 2 ( 千円),年関節減工数 1 , 3 0 0時間,年利子準 15%,耐用年数 3年とすれば 投資金額 4. C'=4, 956( 千円〉である。 C'jC=1 .15でこの投資は可と判断される。 式 (3)を用いた投資計算例をステン νス鏑板メーカ ーにみることができる。 l. カーでは,次のような計算を行う。 現在投資. C. 収益(人員削減) A 費用. B. 見掛収益. S S=A‑B. 〆 、. 〆 、. 年次等価費用. S( ( 3 )式). 残存価額. R R=R(kj(1+k )n‑1). ζ のメー.

(16) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 670. 第54 巻 第 3号. ‑84‑ (R田機器価額 X O . . 1 ) 正味利益. s *伊. 正味利益率. タ*タ. n として法定耐用年数の. =$‑S+R. *=S*/c. 1 / 2が採られ,げ >0.3が投資の判別基準となっている。. 2. 年平均原価比較法 省工数×単価×年数. はこれに代る設備による収益とも解されるが(とれまではこのよ. うに解して来た),設備更新問題における旧設備の原価とも解される。. したがっ‑Z:, 設備. 日設備たる省工数 (x単価×年数〉と新規投資対 更新理論における年平均原価比較法が, I 象たる省力化機械設備の年平均原価の比絞という形で,適用され得る。ただし,この計算 には機械の耐周年数が明示的に入り込むことを要する。. 実例1. 家 庭 電 器 規 模 C. 記号. 単位. 内容. A 設備投資額. ( 阿 〕. B. (円/年〉. 原動費用. C 間接材料費. (円/年). D 修繕費. (円/年〉 (MH*/ 台). E 作業工数〈省力化見合い) F. マシ νート(賃率). ( 円 /MH). G 稼動率. (%). H 出勤率. (%). I 省力化投資益. (円/年〉. I 年間生産台数(設備適用分). (台/年〕. α 設備償却率 K 諸経費 *. MH=ManHoms. I=(E.F.J)+Kl一(A・α+B+C+D+Kz) ここで Klは入手による作業における諸経費〈治工具等)を,Kzは省力化設備のための 諸経費(治工具等)を含む。 α=1/n+ 金利+保険料率+固定資産税率。このメーカーの法 定償却,社内償却ともに定率法によるが,内部管理のための事業部償却は定額法による。. I>Oならば投資可である。このメ ーカーでは n=5である。しかしこれは,省力化投資 l.

(17) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 6 7 1. .‑85‑. 省力化投資の判別基準の実例. の基準であれその他に品質改善,安全衛生上の改善を目的として投資を別途個別に検討 してし、る。. . 製 紙 規 模C 実例 2 判別基準は,. )>0 年間の原材料投入差額一(投資額+これに伴う発生費用(金利等 ) である。このメーカには I I節 2.2で考察したように,装霞産業という性格上,省力化投 別基準はない。注目すべき点は,実例 1と同じように, 1年回収を目指し℃ 資に閤有 φやj しかし,質を考慮に入れなければならないときには,ょの基準を機械 いることである。 f 的には適用しない」と回答されている。. . 時 計 規 模B( 1 9 8 0 年現在 C ) 実例 3 このメーカーの設備投資を①合理化,②新製品製造に伴 h ③修理・改造,④老朽更新 に分けると,全投資の 30%が,ここ数年,合理化投資に充てられている。省力化投資は この合理化投資の主要部分を成す。 nは,合理化投資について, 5,3,1と 3通りに分れ る。時計のライフサイクノレは短いので,ある品種のためのみの設備は 1年で償却したい。 判別基準は実例 1に同じである。. . アノレミサッ乙/ 規模 B ( 1 9 8 0 年現在 C) 実例 4 ~J 別基準は実例 1 に問じである。ただし n の値は不明である。. 実例 5 . 調 理 機 規 模A 判別基準は実例 1に同じである。ただし n=2 で年間の投資総額が予め一一幅はあるが 一一定められている。 次のような場合は資本回収法の適用は難しし年平均原価比較法によらなければならな いであろう。 実例 6 . 陶 磁 器 食 器 規 模A. 1人当り賃金総額(年)の節減を 1人工とし. 1人工以上であれば投資してよい。 この. 基準では,. 1人 1年の賃金>設備投資額 i Jミ. 1人 1年の賃金>減価償却費(含,金利〕 のどちらの式をも考えることが出来る。実際,このメーカーでは, r1人 1年分の賃金総額. r. の節減を 1人工とし, 1人工以上であれば投資する」旨の回答と問時に, 省力化投資では.

(18) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑86‑. 第5 4 巻 第 3号. 672. 回収期聞は 2年ないし 3年を目標としている」旨回答されている。 原価比較法は「設備投資のうちでも主に現有設備の廃棄・更新に関する経済計算として ( 1 4 ). 考案されたものであるんこの方法を用いるメーカーが 1 4 社中 6社を数えるのに不思議はな いのである。この方法に対する批判とし亡,耐周年数は前提とされているだけであれと れの決定機構がない点が指摘されどそして,とれの決定機構を内含する 1日 MAPI方 式開発の必然性が一般に諮られる。しかし,この旧 MAPI方式に対する批判が,投下す べき新設備の陳腐化を考慮した耐周年数の確定にあたり,操業劣性が年々一定割合で累加 するという仮定に向けられるのであり,したがって結局耐用年数の測定機構に向けられ る 。 耐用年数は個別の設備毎に決定される性質のものである。しかるによの 6つ の 実 例 で は,省力化設備の耐用年数が何年というように予め定められているのである。 ;メーカーによって 1年から 5年の幅があるが. 5年と定め℃いる. ζ の年数は. 2つのメーカーについて. も小さい投資についてみれば l年という定め方がなされているのであり. 6社を総体的に. みると,速やかな投下資本の回収を目指していることが窺えよう。 省力化設備へのあらゆる投資を通じむその耐周年数が 1つのメーカーでは 1つの数字 に固定しているということは資本回収視点からの耐用年数の決定であるというととができ ょう。. とれをさらに一歩進めて,. ことでの nは資本回収期間自の変形ともみられるので. ある。もしこのように見ることが正しいならば,S>Cjn で表わされる年平均原価比較法 は わ S>Cで表わされる資本回収訟の (2)式の変形というととができょう。 単純には省人数で表わされる節減費用は毎年同一であれしたがって年平均節減分は実 際年間に節減される分に等しいととも年平均原価比較法適用を支持する一要因であろう。 減価償却法については,年平均という性質上,定額法が適用される。. IV 資本の回収期間. 4 社中 1 1社が省人化機械設備への投下資本の回収期間を何等かの形で想定し 前節までで 1 ( 1 4 ) 高橋 r 8)1 2 5 頁 。 ( 1 5 ) r この計鉱方式においては,耐周年数をどう見積るかによってその解答は著しく臭 なるわけであるが,困難な耐周年数の測定の問題は,ここでは単に前提とされている だけであって,未解決のままに残されているのである。 J( C8)) ) その操業劣性の進行の度合を現わす劣性度をどのようにして測定することができ ( 16 るか JC (8J ). r.

(19) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 6 7 3. ‑ 87ー. 省力化投資の判別基準の実例. ているととが分る。 C/Sという形で 4社 , S.vという形で 2社 ,. したがって資本回収法. で 6社である。原価比較法を採っ℃いるが,nを cと同一視する形で. nの値の不明の 1. 5社 , 1 1社である。とれを簡単に個々のケースについて緩めてみよラ。. 社を除いて 資本回収法. C/S法 実例 1 1人工を節減するのに平均賃金の 3 . 7 5倍までなら可なので, 3.75年以内回収。 実例 2. 1人工を節減するのに平均賃金の 3 . 5倍までなら可なので, 3,, 5年以内回収。. 実例 3 社内金利を考慮に入れて. 1人工を節減するのに人件費(福利厚生費を含む)の. L5倍を基準とするので, 1 .5年回収。 実例 4 社内金利を入れて 1年で回収(とれは投資実例からみたもので, L7人工の節減 で回収期間 v=1 .0 3年であったが,と}れを 1人工の節減の場合に換算し℃よいものか一一. 1人工の節減として回収期間1.75年としてよいものかーーという疑問が残るこ. 例えば. とから,実例通りを原員Ijとした)。. S.v法 実例 1. v= 2. 実例 2. v=2. U. は;回収したい年数. 年平均原価比絞法 実例 1 大ぎな投資の耐周年数刊は 5である。しかし同じ省人化投資でも小さなものは 1 年で回収でまるものなら可。事業部によっては 2年で回収できるものなら可。後で行う 1 2 社の平均計算には n=1を用いる。 実例 2 1年回収を可否の尺度としてメリット計算 実例 3 ある製品のみのための設備投資の場合は 1年償却で n=1。設備の機能によって 3年. 5年償却となる。 5年が最長償却である。 5年の場合を大きな投資向とし,ことで. は 3年と 1年の平均 2年:を後の平均計算に採用する。 実例 4 2‑3年の回収を目標とする。すなわち償却期聞は 2‑3年。大きな投資につい ては 6‑7年で, リース金額でトントシになるかを判別基準とする。ことでは 2.5年を後 の平均計. m .に採用する。. 実例 5 人件費の 2年分までなら可。すなわち 2年回収なら可。. 1社について,大きな投資と小さな投資の区別のあるメーカーについては小さな投 以上 1 資を選び,平均と標準偏差を求めれば(単純計算),平均 203ヶ月,標準偏差 0.88ヶ月で.

(20) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑88‑. 第5 4 巻 第 3号. 674. ある。. 参考文献. ( 1 l 馬場克三『経営経済学J税務経理協会,. 1 9 6 6 。. ( 2 ) ピヤーマシ, H./乙ノュミ y , ト s .r 資本予算の決定方法J染谷恭次郎/鎌田信夫訳 ダイヤモシドネ土, 1 9 6 2 。 (3) Gordon,MyronJ . ThepayoffpeIIodandtherateof profitヘThe. 1 o u r n a l. 。 ofB u s i n e s s,October1955,253‑260 (4) 藻利重隆『経蛍管理総論.J ( 第 2新訂版)千倉番房, 1 9 6 5 0 (5) 瀬戸康明「販売会社と地区販売会社 Jr 香川大学経済論議』第 5 1 巻第 5号 ,1 9 7 8,2 1 ー‑ 45。. ( 6 ' ) 瀬戸庚明「経済成長と販売会社一統計的研究ーJ w'香川大学経済論議」第54 巻第 1 号 , 1 9 8 1,84‑160 0 (7) 瀬戸康明「連続生産,ロット生産,同時化生産Jr 香川大学経済学部研究年報.12 1, 1 9 8 1。 (8) 高橋昭三『経営財務論.1 (新訂版)森山書腐, 1 9 7 1。 (9) 山田 保『設備更新の経済計算と理論」日明j 工業新聞社, 1 9 6 6 。.

(21)

参照

関連したドキュメント

では一切触れられない「目的論的判断力」についても,節数は大幅に違うもの

 第 4 図に示したように現在,自動車部品メーカーは Tier1 から Tier3 を併せ るとおよそ 2000-3000 社存在する. Tier1 メーカーのうち,企業数で見ると約 30 %

GIPS

2 1 はじめに

さらに言えば,FFP をどのくらい投与すればどの程度 PT,APTT 値がよくなるか,という問いに対する答え もない.たとえば「FFP5 単位(450m l

宗教法人法は昭和26年4月3日に施行されているが,同日付けの,各

 第 4 図に示したように現在,自動車部品メーカーは Tier1 から Tier3 を併せ るとおよそ 2000-3000 社存在する.Tier1

生産費を最低ならしめるための技術的な最適関係をもとめるという点だけである。