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木 村

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Academic year: 2021

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(1)OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ. 確率の概念とベイズの定理. 1 .. 木村. 等*. 石川. 浩料. 序 説. 確率論は不規則現象を解析するために用いられる理論であり,科学の方法論 之して重要な道具であることは論を待たない。本論文は,現代に要請される確 率論的なものの考え方の本質を充分に理解しておくことの必要性を鑑みて,確 率の基本的概念について様々の観点から詳しく論じ,併せて近時ますますその. B a y e s 'T h e o r e m )を応用する場合の考: 重要度を増してきているベイズの定理 ( え方について論じるものである。 さて,確率をどのように考えるかということについては,現在いくつかの異. f 室率 なった考え方が存在する。この点について触れるに先立って,まず初めにt の古典的な考え方について理解を深めておく必要がある。すなわち,確率の古 典的定義は,. r 同様に確からしい. ( e q u a l l yl i k e l y )Jという考え方に基礎を置く. ものである o 例えば,硬貨を投げたとき,表が出ることと,裏が出ることは, いづれも同様に確からしい。そこで,表が出るということは,この同様に般か. / 2を表が出 らしい 2つの場合のうちの 1つの場合であるから,場合の数の比 1 るということに対する確率であると定義するのである。このよラに定義するも のとすれば,確率を定義するための前提である「同様に確からしい Jという ことをどのように規定するかが重要な問題となる。との点、についてラプラス. ( L a p l a c e )は ,. *. r1つのことが他のことと相異なる確からしさをもっと考える. 香川大学経済学部(守 7 6 0高松市幸町 2 ‑1) 料香川大学商業短期大学部(宇7 6 0高松市幸町 2‑1).

(2) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑ 2. 第5 3 巻 第 1号. ー. 2. 何の理由もないときに,両者は同様に確からしい j と規定している。このよう な考え方が. P r i n c i p l eo fI n s u f f i c i e n tR e a s o n " と呼ばれるものである。しか. しながら,このよラに「無知」を基礎にとることは矛盾を招来する危険を伴う. e r t r a n d ことになりがちである。このことを示す一例として,以下に述べる B のパラドックスが古来有名である。すなわち, l~ 、ま,床の上に II 本の平行線が等間隔にひかれているものとする。. 1 本の. 針を床の上に落としたとき,その主. jがこれらの平行線の 1っと交わる確率を求. u f f o nの針の問題込あるが, めよ。」というのが B. この問題の解としての確率. がラプラスの立場をとった場合には一義的には求まらない。このことがパラド ックスと言われる所以である。 さて,この問題を解くに当たって,簡単のため平行線の数仰は. 1l= 5である. とし,また平行線の長さは無限であるとする。すなわち長さの方向には何ら制 限を考えない。さらに,針の中点が左端の平行線より左になった場合,および, 右端の平行線より右になった場合は勘定に入れないこととする。平行線の間隔 を σ,針の長さを fとし , 1 く. G. とする。したがって,針・は 2本以上の平行線と. 同時に交わることは決してない。 ここで,図 1に示すように,平行線と直角な方向に. z軌をとり,また平行線. のラちで左端のものを y軸にとって座標を導入する。このとさ,床の上の針の 位置および向ぎを示す方法として,以下に示す CASElおよび CASE2の相異 なる 2通りが考えられ,それぞれの場合についてラプラスの立場から問題とな y. い. X2' ) ' 2). │偏/存。. イ '(x, y ) ( X l, ) ' l l l 、 ,~l vv. 。. α. I. 2 α. 3 α. 図1.床上の針の位置表示. 4 今脚 x. α.

(3) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ. 3. 確率の概念とベイズの定理. ‑3‑. る確率を計算してみよう。. CASE1 . 針の中点 (x,y) および,針が Z 有j Iとなす角。を用いて針の位 の方向には何の制限も 置および向ぎを示す場合を考える。この場合には,y事b ないから,平行線と針の交差の関係は Z と Oのろえによって定まる。そこで,点 (x, ())の存在する範囲について考えれば,これは zについての条件および Oの. 定義によって,. O亘x亘 4a). (1). ー互く()5:.~ 2 = 2 〆j ~ ~. として求められる。点 (x,めについて,. この領域の特定の部分が特‑に起こり. やすいと主張すべき根拠は何も知らないから,どの点の起こり方も同様に確か らしい。針が x=0の直線と交わる条件は,. O計 三J c o s o. (2‑a). であり ,x=ma (ただし , 1 1 1 = 1,丸 3 ) と交わる条件は,. 叶三郎白壬附三. COS( ). (2‑b ). である。また右端の一直線 x=4aと交わる条件は,. 4d‑jcM4巳 4a. (2‑c). である。これらを図示すれば,図 2のようになる。図 2の斜線の部分に点 ( x,. 9 π 2. O. Z. 7 r. 2 図2 . 針が平行線と交わる領域 (CASE1 ).

(4) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 3 巻. ‑4‑. 4. 第 1号. めがあるとま,針はそれぞれの平行線と交わる。 したがって, 求める確率は 斜線の部分の面積を全領域の函積 47taで割ればよい。. z j c o s oと 直 線 炉 Oとで囲まれる部分の面積は, 曲線 z e. 一. 3I41J. ︐ ︐ 一 一 12. ‑ ‑. 12. AO ・ ︑n. a u r i ‑ ‑ ︑ t l一 2 一 一AO. FO. Ju. aU. opu. ⁝. EZ. ' ' e一qb. r111J. Ez. であるから,求める確率を Pとすれば,. P一 8 l一 ‑2 l. 一 4παπα. (3). を得る。. CASE2 . 次に第 2の場合として,針の位置および向きは,針の左端 Y1)および右端 (X2, Y2). (X1,. によって定まるといラ考え方をとる。 y軸の方向には. 制限がないので, この場合 y座標は無視してよい。先づ. X1とれの聞には,. (4). X1L X2. という関係が成り立つ。 また,針の中点の X~ 標は O と 4a との間にある。す なわち, X1十 X2 Q4 L ←一一~L4a. 2 一. したがって, ‑X1壬 X2 壬 ‑X1十. 8a. が成り立つ。 また針の長さは Jであるから,. (5) X2‑X1壬 J すなわち,. X2L X1十 f. (6). " " (6)を同時に満足する範囲は が成立する必要がある。 これらの条件式(4) 図 3の実線で示した矩形の周および内部である。 ここで・,点. (X1,X2). について, 特に起こりやすい,. あるいは起こりにくい. という理由は何もないから, この領域点はいづれも同様に確からしい。 この領域の面積は,.

(5) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 5. ‑5‑. 確率の概念とベイズの定理. α. 2 α. 3 α. 4 α. Xl. 図3 . 針が平行線と交わる領域 (CASE2). ν ・ 玄 4a・ 古 = 4al. (7). である。 きて,針が y軸と交わるのは,. 0. (8‑a). X 'l L. の場合であり"直線 X'=ma (ただし. m =1,2,3 ) と交わるのは, 二. (8‑ b). x1Lma 壬X2. となる場合である。また,直線 y=4aと交わるのは,. 4a 五位. (8‑c). となる場合である。すなわち,図 3の斜線の部分の点 (Xl,X2) に対応する針 は平行線の 1っと必ず、交わる。斜線の部分は の半分の三角形 2つでできているから,面積け、, 12. 4Xす =2f 2. 1辺 fの直角三角形 3っと,そ.

(6) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑ 6. 第5 3 巻 第1 号. ー. 6. である。したがって求める確率は,. p=‑ ' l ‑ l と 4al. (9). 2a. となる。 上に示したように. 1つの事象に対して,考え方によって相異なる 2つの確. 率が得られた。乙れを B e r t r a n d のパラドックスという。この 2つの考え方の 関連について考えてみよう。 れl U ドド 戸門土 … ヱ 1 吋ナニす. ( 1 0 ). 十 す レcosJf J. x れ2士 寸 z. であるから, CASE1のように (X,f J ) について同様に確からしいと考えるな X l,X z ) は点によって確率密度が異なり,同様に確からしいとはいえな らば, (. い。すなわち, CASE1と CASE2とで、は,. その基礎となる同様に確からしい. こと自体が異なっているのであるから,当然結果としての確率は相異なるわけ である。このよラに,反対のことを主張する理由を何も知らない場合に,同様. r i n c i p l eo fI n s u f f i c i e n tRea~on を基礎にとることは場 に確からしいとする P 合によっては危険であるということがわかる。なお, B u f f o nの針の問題につ いては, W olfによる実際の実験がなされている。. W o l fは α=45mm,1=36. mmにとって,実際に 5 0 0 0回針を落として, 2 5 3 2回針が平行線と交わることを 観測した。この場合, CASE2の考え方に従えば,P=0.4となって,実際の実 験結果とはかなりのへだたりがある。一方,. CASE1の考え方をとると. P=. 0 . 5 0 9 2となり,実験結果の 2532/5000=0.5064とよい一致を示している。そこ で,ちなみに 21 7 2 =: ̲ ‑=0.5064 πa 4 5 π. から円周率 π を求めてみると, 庁三. となる。. 3 . 1 5 9 . . ...

(7) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ. 7. 確率の概念とベイズの定理. 7‑. 上述したように,同様に確からしいということを,その反対のことを主張す べき根拠をもたないというととによって規定する P r i n c i p l eo fI n s u f f i c i e n t. Reasonの立場は時に矛盾を招来する場合があることがわかった。そこで,. r 同. 様に確からしいと言いうるためには,むしろ積極的に同様に確からしいことを 主張するに足る充分な根拠が必要である。 Jという v onK r i e s等の立場が現れ ることになる:この立場を. P r i n c i p l eo fS u f f i c i e n tR e a s o n " といラ。しかし. ながら具体的な問題,例えば硬貨を投げる場合を考えても,裏と表は模様が 異なる等の相違があり,同様に確からしいとはいえそうにない。またサイコロ について,同様に確からしいといえるためには,正六面体としての形状的な中 心と,その重心とが一致しているということを要求してもよいように思われる が,現実にはそのことを確かめる具体的実行可能な手段が見つかりそうにもな い。このように,この P r i n c i p l eo fS u f f i c i e n tReason という立場は,一見も っともなように思われるが,実際問題への適用においてはしばしば困難が伴 うO 以上明らかなように,いづれの立場に立脚するにしても,同様に確からしい ということに基礎を置いて確率を定義する古典的な確率論の考え方は不適当で あることがわかる。したがって,近代確率論は同様に確からしいということに 基礎を置く立場をとってはいない。 近代確率論において,確率論をどのように構成するかということに関して は,いろいろな考え方がある。ここでは,代表的な 3つの考え方について述べ. olmogorov によって展開され ることとする。第 1は公理論的な理論であり, K た測度論的確率論と!lfばれる理論である。そこでは,他の理論においては定理 として託明される所の加法定理を公理としてとり上げている。この公理的方法 によって確率論の体系が構成できるのであるから,別の理論を考えるときに は,この理論における公理が成り立つことだけを示しておけば,確率論の体系 ができあがることになる。そういう意味も含めてここに取り上げることとし た 。 第 2の理論の体系は頻度論 ( F 町田町 T h e o r y ) とよばれるもので点;.

(8) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑ 8. 第5 3 巻 第 1号. ー. 8. この理論では,サイコロをふったとき 1の日の出る確率が 1 / 6であるというこ とは,実際にサイコロをふって. 1の目がふった回数の大体 1 / 6出るというこ. とであると考える。したがって,繰り返しの可能なものでなければ確率は考え られないことになる。 (11)‑(14). 第 3の体系としては,個人確率の理論を取り上げる。個人確率の理論もいろ いろあるが,ここでは,個人は. 2つの事象 A および Bについて, そのどち. らが起こりやすいかを,直観的に判断できるということを前提とする O このよ うに直観的に付けられた事象の聞の順序を質的個人確率という。さらにこの順 序に一致し,かつ確率の計算規則にしたがうような数量を導入し,これを量的 個人確率とよぶ。本論文では,このような確率を利用することを考えるのが一 つの目的である。. 2 .. 浪. I J度論的確率論. 2 . 1 確率空間の公理 基本事象,確率事象,および確率を無定義元素としてとる。いま,基本事象 の集合言r:Sとする。 Sの部分集合の族 F を考えたとき ,F に つ い て 次 の 条 件 l " " " M・ 5が成り立つものとする。 M・. M・ 1 Fは集合体(*)である。 M.2 SEF M・ 3 Fの任意の要素 A に対して, O壬P(A) を満足する実数 P(A)が対応する。. M・ 4 P(S)=l. M・ 5 A および Bが互いに素あるいは排反であるならば,すなわち, A日B=φ (*) 集合の集合を集合族という。いま 1つの集会族に含まれる任意の 2つの集合 A,B について ,AUB,AnB,A‑Bのいづれもが,また,この集合族に含まれるとき,. との集合族を集合体という。.

(9) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ. 確率の概念とベイズの定理. 9. ‑ 9ー. であるならば,. P(AUB)=P(A)十 P ( B ) が成り立つ。 上記の 5つの条件 M・ l‑M・ 5を満足するとき ,Fと Pの組 (F ,P ) を確率. p r o b a b i l i t yf i e l d ),Sを確率空間 ( p r o b a b i l i t ys p a c e ) といい,上の 5 集合体 ( つの命題を確率空間の公理という o また,Fの要素である Sの部分集合を確率. ( A )を確率事象 A あるいは簡単に事象 A 事象といい,とれに対応する実数 P の起こる確率という。 以下においては,確率空間の公理から導出されるニ,三の基本的事項につい て説明を加える。. ( a ) 確率のとりうる値の範囲. C,すなわち, さて ,Aの余事象 A AC=S‑A は,公理 M'l,M ・ 2から F に含まれる。 A日A C=ゆ. であるカミら. P ( A )+ P ( A C )=P(AUA')= P ( S )= 1 したがって,. P ( A C )=. 1‑ P(A). が成り立つ。公理 M ・ 3から. 1‑ P(A)= P ( A C )注 O したがって,. P ( A )亘 1 が成り立つ。すなわち,確率は,. O孟 P ( A )豆 1. ( 1 1 ). を満足する実数である。 ( h ) 加法定理. … … ,A. 任意の nについて,事象A l,A 2,. η. のどの 2つをとっても互いに排.

(10) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ. 10. 巻 第 1号 3 第5. ‑10ー. 反,つまり. キj i AinAj=や, であるとき. 12) ( ,. 〕 A6 P〔UIAt〕=ZP〔 が成り立つ。. 5と数学的 帰納法に よって容 易に証明 で この定理が成り立つことは公理 M・. きる。この性質を有限加法性という O. ) 条件付き確率の定義 c ( P(A)>0である場合, ̲P(AハB). ) 3 1 (. A)一 P(BI P(AJ. A) はまた BI を,条件 A のもとで事象 Bの起こる条件付き確率という。 P( PA(B) と書くこともある。. ) 乗法定理 d ( 任意の nに対して,. ・ PAIA2…A ‑1(A 川 PAIAZ(A3)… )・ PA1(A2 )・ … nAJ=P(Al …. P(AlnAzn. 1 l. l l. 1) l. ) 14 (. が成り立つ。これを確率の乗法定理という。 【証明】 n=2の場合 )= P(AzlA1. P(AJnAzJ 一一一一 P(Al). から直ちに,. ・. ・. ) ) PA1(A2 Al)=P(AJ fAzI =P(AJ) P 2J P(AlnA. ) が成り立つことは容易に示すこ 4 1 をラる。ついで数学的帰納法によって式 ( Al日Az) の意味で、ある。それゆえ, とができる。ここで, PALU(A3)は P(A3I (A3) と書:くべきであるが,表現を簡単にするためにこの記法 4z n. 詳しくは PAl を用いることとした。以下,同じ型式のものについても同様である。.

(11) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 確率の概念とベイズの定理. 1 1. ‑11‑. ( e ) 条件付き確率の性質 いま ,P(A)キ Oを満足する事象 A を考え,条件 A のもとでの条件付き確率 PCBI A)について考える O p[AnB) P(BI A)=一一一一一一三三 0, P(A) PCSIA)=. p(AnSJ P(A)一 一一一一一 一←ーc‑ 1 P(AJ ‑P(AJ. であり, また BnC=φ ならば, (AnB)n(AηC)=AnBnC=φ であるから, PCBUCI A)= 里[旦旦 (BU 空2J_=~((旦丘町ーリ~(illlf21 P(A) P(A) PCAnB)十 P(AれC ) P(A) p(AnB) , p(AnCJ 一 一 一 一 一 一 P(AJ P(A) コ. P(BIA)十 PCCIA). ( 1 5 ). が成り立つ。すなわち,条件 A のもとでの条件付き確率 PCBI A) は , 公理. M・ 3,M・ 4,M・ 5を満足している。また, 条件付き確率を考える事象 Bの集合 としては, Fそのままにとってよいから,当然,公理 M ・ 1,M ・ 2を満足してい A) は,確率空間の公理 M ・ l~M ・ 5 のす る 。 このよラに,条件付き確率 P(BI. べてを満足する。確率 PCBJについて成立する定理は, 公理 M ・ l~M ・ 5 から導. A ) につい 出されるものであるから, 同じ公理を満足する条件付き確率 PCBI ても成立することがわかる。 ( f ) 独立性. いま, P(AJ>0のとき,.

(12) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑12ー. 第5 3 巻 第 1号. P(BI AJ=PCB). 1 2. (16‑a). が成り立つ場合に,Bは A と独立であるという。 P(AnB) P(BI A)一 一 ← 一 一 一 一 P(A). であるから ,Bが A と独立であるならば, p(AnB) P(A). ー 一 一 一 ← 一 口P (B). すなわち,. ・. ( 1 7 ). P(AnB) P(A) P(B) 出. が成り立つ。また逆に,これが成り立つならば,P(A)キ Oのとき, p(AnB)/p(A)=P(B). すなわち,Bが A と独立であることは容易にわかる。 p(AnB) P(A)・ P( B) 口. において,. P ( B)キ Oならば,この両辺を P(B)で割れば,. P(A)ニ. P(A旦 里L=P(AI B J P(B). ( 1 6‑b). が成り立ち ,A は B と独立であることがわかる O こ の よ う に, P(A)キ 0, P(B)持 Oのとき ,Bが A と独立ならば,A と Bは独立である。したがって,. A と Bは互いに独立であるという。特に,P(A)=0の場合は,. ・. P(AnB)= 0,P(A) P(B)= 0. であり,. ・. P(AnB)=P(A) P(B). が成り立つことから,任意の事象 B と独立であると考えることとする。. 2 . 2 連続性の公理 M・ 6 F の要素 Ai( i=1, 2, ……) について AlコA2コA3コ ・・・…つ A ηつ ・ . . …. であって,かつ.

(13) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 確率の概念とベイズの定理. 1 3. ‑13ー. nAn=φ. nロ 1. であるとき,. l i mP(An)=0. n‑ ∞. が成り立つ。. 上記 M ・ 6の命題を連続性の公理という。 F が有限個の篠率事象のみからなる ときは,kが存在して,. Ak=Ak+l=…… =nAn=φ n=l. となるから,当然,. limP(An)=P(φ)=0 が成り立つ。すなわち,公理 M ・ 6は公理 M ・ 1‑M・ 5と独立ではない。しかし 6は他の公 ながら, 8が無限集合であり ,F が無限個の事象を含むときは, M ・. 理と独立であることが証明でまる。 公理的確率論における全事象 8,あるいは確率事象 A というものは前述の公 理系を満足する抽象的な存在である。しかしながら, 8が有限集合である場合 は,例えば,サイコロをふったとき. 1の目が出るという事象. 2の目が出る. という事象,……のように現実問題の中に対応するものを見つけることができ る。一方, 8が無限集合である場合は,我々の経験の中に対応するものを見つ けることができない一層抽象的な概念である。しかしながら,このような抽象 的なものを考えることもまた有用であるということから,このようなものを考 えるわけである。. ( a ) 完全加法定理. ‑ ‑. Al,Az, …… , A川……が F の要素であり, G. F. A. 開. ならば,. A1 UP. A. AnAj=φ,i キj. (18‑a).

(14) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑14‑. 第5 3 巻 第 1号. P(AJ=I;P(A7IJ. 1 4. ( 18‑b). が成り立つ。 【証明]. Rn=UAm. m ) n と置くと, 日R l I=や. AinRII=qJ, 五 Jt が成り立つ。したがって,加法定理から,. P(A)=P(Al)十 PCA2J十 … … 十 P(AnJ十 P ( R I I J. limP(RI l )= 0 1 1→∞. であるから. P(AJ= l i mI ;PC A i J= I ;P(A; J が成り立つ。 この定理が成り立っとき,確率は完全加法的であるという。 ( b ) 定義ボレル族. Sの部分集合族 Dが,公理 M'l,M・ 2を満足し, さらに, 可付番無限個の D の要素の和集合がまた D に含まれるとき ,Dをボレノレ族という。 AiE D 2から, ならば,公理 M ・ 1および M ・. A;εD したがって. UAiE三 D =( nAi)"=(UAD' nAi となることから,.

(15) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 5. ‑15ー. 確率の概念とベイズの定理. 日A iε D. が成り立つ。このように,ボレ lレ族 D は,可付番無限個の D の要素の積集合 を含むことがわかる。 いま,確率集合体. (F,P) が与えられたとき FcDとなるボレ Jレ族 D を F. の σ一拡大という。 F のあらゆる σ一拡大の共通部分,すなわち,最小の σ一拡 大を . Fのボレノレ拡大といい.B(F)と書く。証明はここではあげないが,こ のB(F)については次の定理が成り立つ。. ( c ) Caratheodoryの定理 確率空間 Sが連続性の公理 M ・ 6を満たすならば.B(F)の各要素に,. (i ) A E Fならば.PCAJはもとの確率に等しい。 ( i i ) 0三PCAJ五 1 . AεB(F) ( i i i ) A;EB(F) ( i己 1 , 2,……) かつ,これらが互いに排反ならば,. P CU A, JニI;PCA;) の 3つの条件を満足する確率を定義することができる。しかも,その仕方はた だ一通りである。. 2 . 3 確率変数 Sから実数空間 R への一価関数 X( めを考える。任意の実数 Z に対して,. {XIX 壬x }の段、像 {SI X(S)玉 川 が F の要素であるとき ,Xを確率変数とい 7。 【例】. いま,サイコロをふって. 1の目が出れば 1 0 0 0円. 2の 目 が 出 れ ば. 2 0 0 0円,……, 6の目が出れば 6 0 0 0円とれるようなかけを考える。サイコロを ふった場合の基本事象は. 1の目が出ること. 2の目が出ること,……, 6の. … , 6と表すことにすれば 目が出ること,であるから,これを. 1,2, て , S={l,2,3,4 .5,6 }. Sとし.

(16) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 3 巻 第 1号. 16‑. 1 6. をとればよい。 F は,Sの部分集合の全体であり, P(AJとしては,例えば,. P(l, 2 J=1/6+1/6=1/3 というように定めればよい。ここで,確率変数は. 1に対して 1 0 0 0を. 0 0 0を,……, 6に対して 6 0 0 0を対応させる関係である。いま, して 2. 2に対. 例えば,. X壬1 0 0を満足する X は存在しない。すなわち , {XIX壬100}=ゆであり,そ の原像 {SI X(S)五1 0 0 }はやであるから ,F の要素である。 {XIX壬2500}=. 0 0 0 }の原像は {SI X(S)壬2 5 0 0} ={ 1,2 }であるから F の要素である。 { 1 0 0 0,2 このようにして,上で定義した関数 X は,確率変数であることがわかる。 関数 X(S)によって, Sの部分集合は R の部分集合に写される。 X(S)によ って写される F の要素の像からなる R の部分集合族を Fω と書く。. F(x)が. Jの型のすべての区聞を含むとき,定義からわかるように, Xは確率 (ー∞, x ノレ族であるときは,F ω もまたポレノレ族である。このと 変数である。 F がボ ν )を含むことから,これらの和,積,補集 き, F(x)は,すべての区間(ー∞ ,x. 合を繰り返し作ることによって得られる集合,すなわち,ボレノレ集会はすべて. Fω の要素となる。 次に確率変数と確率の関係を考える。 F( ♂〉ョ A '. ならば,. X ‑ l ( A ' )=A EF であるから. P(A つ=PCAJ とするのは自然である。このようにして ,Fω のすべての要素に対して確率が 定義でまる。 Fω がボレ J レ族である場合には,すべてのボレノレ集合に対して確 率が定義できる。. 2 . 4 分布関数と確率密度関数 F(x)=P(XE(ー∞, x J )=P(X 三x J. によって,ー∞く Zく∞の任意の zに対して関数 F( めを定義し, 関数と呼ぶ。定義から,. ( 1 9 ) これを分布.

(17) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ. 1 7. 確率の概念とベイズの定理. F (ー∞)=0,F (∞)ニ 1. ‑17‑. ( 2 0 ). が成り立つことは容易にわかる。また,. P(XE(a,b J J P(XE(ー∞, b J J‑P(Xε(一∞, α ) J 口. =F(b)‑F( α ). ( 2 1 ). が成り立つ。したがって, Gく. b. ならば,. P(XE(a, b J J孟 O であるから. F ( α〉壬F ( b ) (ただし. aく. b ). ( 2 2 ). が成り立つ O すなわち ,F(めは増加関数である。. b l > b2>・ ・ ・ ・ ・ ・ >b n→α. (23‑a). とすれば, n(a, bn)ニ ゆ. (23‑b). F ( b, , )‑ F( α )=P(XE( a, b " J J. (23‑c). である。. l i m{ F ( b ,, ) ‑F(α)} 二 PCXEn(a, b " J J=PCXEφJ= 0 (23‑d) が成り立つことから ,F(めは右側連続であることがわかる。 F(x)が微分可能である場合 dF(x). 7 瓦一 =f(J.〉 : ・ を. ( 2 4 ). xにおける確率密度という O また, f(x)を zの関数と考えるとぎには,. 確率密度関数,あるいは,簡単に密度関数と L寸. o. 任意の αに対して, F(a)=. J ~J(X) dx. が成り立っとき,任意のボレノレ集合 A に対して. ( 2 5 ).

(18) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 3 巻第1 号. ‑18‑. P明. = L 川. 1 8. ( 2 6 ). dx. と書ける。このような場合,xの分布は連続であるといラ。. 2.5 確率変数の期待値および分散 次に,確率変数 X の期待値 E(XJを ,. E[XJ=lim: E k入 ・ P[ l ? 入 手X三 ( k十1)入〕. Jノ. Jft. 入 ︑ ︑' R ︑ ︑ F. J. ¥}ノ. 入. ︐ ︑ ︑. 斗a. ーi. /'l. /f. ︐ わ 比 日. F ︑ ︑ ︑. 入 'R. 一戸文ノ白}一. 一. AK. ∞ J. n‑ ・ ・ 1A I. ( 2 7 ). として定義する。第 2行は S t i l t j e s積分の定義にほかならない,すなわち,. (28‑a). E(XJニ J==xdF(x) となる。したがって F(x)が微分可能のときは,. E[XJ=. J : 〆. F(x). 二. r :=x!(x)dX. (28‑b). と書ける。 【例】. . 3節のサイコロの例について,期待値を計算する。まず, F(x) 第2. は ,. xく 1 0 0 0. F(x)=0. 0 0 0 1 0 0 0壬Zく 2. F(x)= 1/6. 2 0 0 0三xく 3 0 0 0. F(x)=1/3. 3 0 0 0 壬zく 4 0 0 0. F(v)=1/2. 0 0 0 4 0 0 0 五xく 5. F(x)= 2/3. 5 0 0 0手 広 く 6 0 0 0. F(x)= 5/6. 6 0 0 0壬x. F(x)= 1. である。 入口. 1にとれば, SI= : E k{F(k十 1)‑F(k)}.

(19) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 9. ‑19‑. f 能率の概念とベイズの定理. =0・ { ( F( 1 )‑ F ( O ) )+…… 1000{F(1001 )‑F(1000)}十 1001 {F(1002)‑F(1001 ) }. 十. ・…十 2 0 0 0 {F(2001 )‑F(2000)} 十 日 ( 1/ 6 )・[ ( 1 0 0 0 ‑ λ〉 十( 2 0 0 0一入)十……十 ( 6 0 0 0一 入 ) ) ぇ ニ1. =. となる。任意の λ に対しても同様に計算でさ, : . 2kλ・{F( ( k十1)λ)‑F(kλ )} E(X)=lim, =. ( 1/ 6 )・ 1 0 0 0十(1/ 6 )・ 2 0 0 0オ……十 ( 1 / 6 )・ 6 0 0 0. が成り立つ。. rIJ. 一 Wd. ω F. さて,. が成り立つ場合, E(X)=lim, : . 2 h{F( ( I ?十1)λ)‑F(kλ)} ド~. / ‑ ". F((k十 1) 入 )‑F(kλ ) て一一一一 ・ i ¥ ,. =liml i m, : . 2 k λ・ A →ON →∞ k=‑N. limlim3vれ. ニ. J → ON→∞ fG=~.N. ェ. ん. .1 血笠泣i¥,入 f ¥ . .. l i ml i m, : . 2 kλ・f(k λ十O λ )・ 入. E →∞え→ o k=‑N. ニ. J 竺j 二 川. ェ. f( f = = x 川. いま ,E(X)= μ と書くことにしよう。しかるときは, σ2=E((X‑E(X))2)=E((X一μ )2 ). 二. =f. ( xー μ)2dF. となって,これを分散という。. 二. σ2=f. ( xー μ)2dF. ( 2 9 ).

(20) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑20‑. 第5 3 巻 第 1号. =. I J. [x‑μ│く 加. J. [ Xー μ│孟 加. 話. ( X ̲ f h ) 2 d F十. 20. ( X ̲ f h ) 2 d F. J. [xー μ│孟 ? I σ. J. [xー μ│孟 加. ( Xー / L ) 2 d F 孟. (k σ) 2 d F. =k2c r2 I dF J [ X‑IL[孟 h σ = ! ? 2 a2 P([X ‑μ│孟 ! ? σ〕 となるから,. P C[Xー μ !設出会. ( 3 0 ). が成り立つ O これをテェピ V エブの不等式という。 以下確率変数,分布関数を用いて議論を進めて確率論の体系を作り上げるわ けである。ここで事象 A に対して確率として実数 P(A)が対応すると定義した のであるが,この確率と現実の相対頻度を結びつけるのは,次の定理である。 定理大数の法則 事象 A の起こる確率を. ρとする。無限回の試行の系列において,最初の1/.. 回までに A の起こった回数を rとすれば,正の任意の. hP〔l‑7‑ρ│く ε〕ニ 1. εに対して, ( 3 1 ). が成り立つ。これを弱大数法員Jj (weakl awo fl a r g en u m b e r s ) という。ある いはまた,. p l ! L T 7サ ). =. 1. ( 3 2 ). が成り立つ O これを強大数法良Jj ( s t r o n gl a wo fl a r g en u m b e r s ) という。. 3 .. 頻度論的確率論. onM i s e sの理論について述べる。 vonM i s e s( r J : . 頻度論的確率論として, v K o l l e k t i v (コレクティブ)によって確率を定義する。 K o l l e k t i v は事象の繰り 返しの系列から抽象会れた概念である。.

(21) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 確率の概念とベイズの定理. 21. ‑21. r. いま, 硬貨投げ」を実行してみる。すなわち, 10円の銅貨を投げて,表が出 たか,裏が出たかを記録する。表が出たことを1,裏が出たことを Oで表せば, 例えば, 1011010101. 0010110100. 1000111011. 0010000101. 1000101101. 0100010101. 1101010001. 0001111101. 0000111000. 1011101101. という系列がえられる。この系列について表の出た相対頻度を求めてみると, 表 1がえられる。ここでう. H は試行回数. m はそのうちで表の出た回数であり,. 1 1 1 / 1 1が相対頻度である。 表1. 硬貨投げで表の出た相対頻度. t 1 11 9 2 1 I1 1 1 1 n 1 1 1 1 1m11 I n11'1 1m 1'1仰 1 z1 9 2 2 11 1 1 1 J I 1 1 2 1 1 t 1 111/ f t 3 11 1 11 .0001112I6 10・ 5 0 0 1 1 3 5 1 17 10.4 鉛 1 1 1 3 0 1 6 8 10 . 5 2 3 1 16 0 0 13 0 0 10.500 21 110・ 5 0 0 1 1131 7f 0・ 5 3 9 1 1 4 0 11 9 10・ 4 7 5 ¥ 1 1 4 0 1 7 4 10 . 5 2 9 1 16 5 0 13 2 7 10.503 31 2 10 . 6 6 7 1 1 141 7 10 . 5 0 0 1 1 4 5 121 10 . 4 6 9 1 11 5 0 1 7 9 10 . 5 2 7 1 17 0 0 13 5 1 10 . 5 0 1 41 3 10 . 7 5 0 1 1 15 1 8 10 . 5 3 3 1 1 5 0 12410 . 4 8 0 1 12 0 0 11 0 8 10 . 5 4 0 1 18 0 0 14 1 4 10.518 6 2 2 4 0 014 6 810 .5 1 1 60128 10 . 4 6 7 1 1 2 5 0 1 1 3 1 10 .5 1 19 .520 1 51 3 10 . 6 0 0 1 1 1 6 1 9 10 6I 410・ 6 6 7 1 1 1 71 9 10 . 5 2 8 1 1 7 0 1 33 10・ 4 7 1 1 13 0 0 11 5 9 1 0・ 5 3 0 ; 1 1 0 0 0 15 1 1 1 0・ 5 1 1 1 7 1 4 10 . 5 7 1 1 1 18 8 0 139 10 . 4 8 8 1 13 5 0 11 8 5 1 0.528 1. 州四. 8 1 5 10 . 6 2 5 1 1 19 11 0 :0 . 5 2 6 1 1 9 0 14210 . 4 6 7 1 14 0 0 12 1 3 :0 . 5 3 2 91 510 . 5 5 6 1 120110 0 . 5 0 0 1 11 0 0 1 49 10 . 4 9 0 1 14 5 0 12 3 5 10 . 5 2 2 0 8 0 0125810 101 6 10 .600 1 125 112 i0 . 4 8 0 1 1 1 1 0 156 10 .5 1 15 . 5 1 6 1 1 1 6 10 . 5 4 5 1 130 116l0 . 5 3 3 1 1 12062 10 . 5 1 6 1 15 5 0 12 7 6 1 0.502. この表 1からわかるように,投げる数を増やせば増やすほど¥表の出る相対 頻度のばらつきは小さくなって相対頻度は 0.5に近づいていくようにみえる。 とのことは,確率事象を特徴づける 1つの性質である。またこれだけでなく, 硬貨を投げる前には,投げた結果一表が出るか,裏が出るかーはあらかじめ知 ることができない,という性質もまた,確率事象を特徴づけるものである。こ の 2つの性質でもって縫率を規定しようとするのが Ko J le k t i vの理論である。.

(22) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑22. 第5 3 巻 第 1号. 22. ,. 3 .1 KolleIt i v 「硬貨投げ」において,表が出ることを 1,裏が出ることを Oと書いたよう に. 1つの事象を記号で表し,この記号を標識と呼ぶ。事象は,基本事象全体. の集合 Sの部分集合であり,標識はそれを表すための記一号で、ある。しかしなが ら,標識 X というときには,この標識によって表現さる事象が考えられてい るのであるから,どちらを用いてもよい場合が多い。ここでは,同じ記号で標 識と,その標識が表している事象を示すこととする。この節では,標識という 言葉の方を多用する。 いま,考慮、の対象となっている事象を表す標識を (A,B,C, ……)とし,この 標識の無限系列を, Jnl, m2,1 1 1 3,•. (K). とする。. . この系列 (K)において,はじめの 条件 1 1( X)/Jlは , n(X)とすれば,相対頻度 I. 1 1項に含まれる標識 X. の数を. 1 1を限りなく大きくしたときに極限を. もっ,すなわち,. ( X ). I l. mヲ. 士P C X J. ( 3 3 ). が成り立つO 第 2の条件を述べるために,選択行為を定義する。 定義選択行為. 1つの標識系列から部分列を構成するのに,. (i)第 1項を部分列の中にとり. 入れるかどラかを,第 1項の標識に関係なく決定する o ( i i )第 i項を部分列の 中にとり入れるかどうかを,第 1項から第 (i‑1)項までの標識の知識は用い てもよいが,第 i項の標識には関係なく決定する。. 上の(i), ( ii ) を満たすよ. うな部分列の構成方法を選択行為と L、 う 。 例えば,奇数項をすべてとるという部分列の構成方法は,すべての標識に無 関係に部分列が構成されるのであるから. 1つの選択行為である。また,標識. として, 1と Oをもつような系列において, ( i ) 第 1項をとる, ( ii )第 2項はと.

(23) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 23ー. 確率の概念とベイズの定理. 2 3. らない, ( i i i ){ 1,O}と続いたあとをとる。という ( i ),( i i )および、 ( i i i )によっ て与えられる部分列の構成方法はまた,選択行為である。この選択行為を用い. o l l e k t i vについての第 2の条件を次のように規定する。 て , K 条件 2 . 任意の選択行為によってえられる部分列について, 同じこと,すなわち,この部分列の最初の. J t '項に含まれる標識. 第 1の条件と. X の個数をが. (X)とすれば, PA. X. 一 一. 附7. m 一. ( 3 4 ). が成り立つ O 第 2の条件では,部分列について,単に相対頻度が収束するととだけでなく, その極限値が,もとの系列における極限値と一致することまで規定している。 以上の 2つの条件を満たす標識系列を K o l l e k t i v と呼び, K o l l e k t i vにおける 相対頻度の極限値 P(X)を事象 X の起こる確率と呼ぶ。この第 2の条件を無 規則性 ( R e g e l l o s i g k e i のあるいは, Randomnessの条件とし、う。すなわち,この 第 2の条件の成り立つような系列を Randomな系列というのであり, Random な系列が K o l l e k t i v である。 いま l l ( X )三 nであるから,当然 O豆P(X)豆 1 となり,前節の公理 M・ 4が 成り立つことがわかる。また,どの事象が起こっても,それは Sが起とったと I( S )=11 である。空事象は起こらない事象であるから, いってよいから , l. 1 I (φ)=0である。したがって,公理. M・ 5が成り立つことがわかる。. このように,確率を K o l l e k t i vによって定義するのであるから,確率という. o l l e k t i vが考えられなければ 言葉が用いられるときには,その基礎に,当然 K ならない。したがって,ここでは,火星に生物のいる依率という言葉は意味を もたない。. 3 . 2 基本的操作 o l l e k t i vにどのような操作が許 確率についての計算法則を求めるために, K されるかというととを規定しておかなければならない。すなわち, K o l l e k t i vに ある操作を施して,なお K o l l e k t i vであるという性質を失わないような操作に.

(24) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 3 巻 第 1号. ‑24. 24. は,どのようなものがあるか。またその操作を施すことによって確率がどのよ うに変わるかということをみておかなければならない。このような操作として は,選択,混合,分割,結合の 4つがある。. Stellenauswahl) 選択 ( これは, K o l l e k t i v の第 2の条件を述べたとさに定義した選択行為そのもの である。定義から明らかなように,選択によって確率は変わらない。. schung) 混合(l¥IIi いくつかの標識を 1つの標識にまとめることを混合と名付ける。. 例えば,. {A,B,C}からなる標識系列. C,C,B,B,C,A,B,A,A,C,B,C,… ・ ・ ・ において ,A と B をともに 1つの標識 M で表すならば,. C,C,NI,M ,C,M NI,M,且1 ,C,M ,C, . . . .. ラ. といラ擦識の系列がえられる。これが 1つの混合操作である。ここで,新しい. Aまたは B ) である。いま ,AnB=φ(Aと B 標識に対応する事象は,AUB( が互いに素もしくは排反〕であるならば,最初の n項に含まれる A の数 n ( A ),. Bの数 n(B),および,M の数 l I(M)の聞に,関係. ( A )+ 1 t( B )=n(M). 1 I. ( 3 5 ). が成り立つ。したがって, I(M) 1!~ I(A)+ll(B) P(M)=lim 一つ7一=¥i m 1 "V./' " → ∞ " → ∞ " t(A) ',:~ n(B). =l i m n 十 I i m 一 一 一 , , ‑ ∞ , , ̲ ∞一 1 1一 コ. P(A)+PCB). ( 3 6 ). をうる。これは前節の公理 M ・ 6である。頻度論の立場からは,前提とすべき 公理ではなく,定理として得られるわけであり,これを加法定理という。. T e i l l u n g ) 分割 ( 1つの K o l l e k t i vから,一部の標識のみに着・目して,これらの標識のみから なる部分列を取り出す操作を分割という。.

(25) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑25‑. 確率の概念とベイズの定理. 2 5. 例えば,. ( I ) C,C,B,B,C,A,B,A,A,C,B,C, ・ ・ ・ ・ ・ ・ から,標識 A と Bだけからなる部分列. … …. ( I I ) B,B,A,B,A,A,B,. を取り出すのが分割である。このとま分割によってえられた系列での A の確. I I )の最初のダ項をとる。この n 'に対して,もとの系 率を求める O いま系列 ( 1 )の最初の 列 (. 1 1項をとれば,. その中に含まれる A と B の個数 1 t ( A )十 n(B). が丁度 n 'であるような数 nが少くとも 1つ存在する。この nは 1つのダに対. 1つに決まるとは限らないけれども ,n 'を限りなく大きくすれば,それ. して. 1もまた限りなく大まくなる。また系列 ( I I )の最初のダ項に含ま につれて ,1. れる A の個数. ' ( A )は ,. もとの系列(1)の最初の. l I. 1 1項に含まれる. A の個数. 1 1. ( A )に等しい。そこで, P町A)=limn'~~). l i m, . .~~(型. " ' →聞が. 1 1→∞. n(A)十 n(B). n(A)jn. 日. 一 … 一 一 一 一 ‑ n 叩 ∞ {n(A)+n(B)}/n ~. PI(A) PI(A)+PI(B). ( 3 7 ). をうる。 P I I( A )は,A または Bが起こったという条件の下においての A の起 こる確率であり,条件付き確率という O 結合 (Verbindung) これまでの 3つの操作は. 1つの K o l l e k t i vから 1つの K o l l e k t i vを取り出. すものであったけれど,この結合という操作は. 1つの K o l l e k t i vを作り出すものである。. q υ. ︐. rφ9ιuV. HH. ︐ ︒ o p ︐z η. ワ. e t v ? f. '. A. 1ノ. ︐ ︐. /{¥. lvei. ︐ ︐ z rl J. n 4 f ︐. 1 2 } f. BJ. YBA. 〆f. から. 2つの K o l l e k t i v • ••••. ︑ ︑. ︑ ︑. いま. 2つ以上の K o l l e k t i vから,.

(26) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑26ー. 第5 3 巻 第 1号. 2 6. ( 1 I I ) ( 1 1 1 1,1 1 1 1 ' ),( 1 1 1 2,1 1 1 2 ' ),( m a,m 3 ' ),・・ を作ったとま,この系列 ( I I I )がまた, K o l l e k t i vになるならば, ( I ) と ( I I )は. o l l e k t i v( I I I )は K o l l e k t i v( 1 )と K o l l e k t i v( I I ) の結 結合可能であるといい, K 合によってえられた K o l l e k t i vであるという。このように結合によってえられ. o l l e k t i v においては,標識は,もとの K o l l e k t i v の標識の対になってい るK る 。 例えば. 2つの K o l l e k t i v (1). A,A,C,B,C,A,B,B,A,C,C,B,A,A,C,・・・・・・. ( I I ) B,B,C,A,B,C,C,A,B,A,A,A,C,A,B, ・ から,. ( I I I ) ( A,B ) , ( A,B),( C,C),(B,A),( C,B),・ を作ったとき,系列 ( I Iわがまた K o l l e k t i vで あ る と す る 。 系 列 C I I I )におけ る. ( A,B)の確率を求めよう。系列(I)において,最初の n項に含まれる A. の個数をが ( A ),系列 ( I I I )において,最初の n項に含まれる. (A,B )の個数を. nIlI(A,B)というように,系列の符号を右肩につけて表すものとする。いま, 系列 ( 1 )において A の現れる項と同じ番号をもっ項を系列 ( 1わから抜き出す ならば,. ( 1 V ) B,B,C,B,C,A,• というような系列がえられる。この系列 ( 1 V )の最初のが (A)項に含まれる. β. ( 1 V )の作り方からわかるように,系列 ( I I I )において. の個数 n~V ( B)は,系列. I(A, B)に等しい。そこで, 最初の n項に含まれる (A,B)の個数 l. n(A, B) _l:~tlAIV(B) =jh ‑7 =J22‑F. 〔 A,B〕. pHI. 1V (. 1 tA. B). I(A). } t. 一 一 ; こ 一 n(A)一 一 n 日目. 00. I. ( 3 8 ). マ. 1 V )における Bの相対頻度であり, (I)と をうるが, n~v (B)/が(A)は,系列 ( ( I I )が結合可能であるとき,すなわち, ( I I I )が K o l l e k t i vであるときには,こ の極限が存在するのであるが,とくに,.

(27) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 確率の概念とぺイズの定理. 27. l:~,1tAIV(B) _n~ 1 l円B). …一 一一 門田が (A) → 叩. v. ‑27‑. ( 3 9 ). 一 ‑ 1 l. が,すべての標識の対に対して成り立つとき(I)と ( I I )は独立で、あるといろ. O. したがって, (1)と ( I I )が独立であるときには, l lIl( B ). p I I I〔 A,B〕=ji517. , , ̲nI(A). ・ !fE1J 一. =PIl( B J・ P I ( A J P I Il B J =PI(AJ・. ( 4 0 ). が成り立つO すなわち,乗法定理がえられる O 例えば. 1つの K o l l e k t i v (K). σ,C,B,C,A,C,A,A,B,B,B,B,C,C,A,C,・・・・・・. の奇数項からなる部分系列 ( I ( ' ) C,B,A,A,B,B,C,A, ・ は. 1つの選択行為によってえられたものであるから, K o l l e k t i vである。同. じように偶数項からなる部分系列. (Kつ C,C,C,A,B,B,C,C,…… もまた K o l l e k t i vである。いま、 (K')において標識 A をもっ項と,同じ番号を もっ項を (K")から選んだ系列 ( I ( つはもとの K o l l e k t i v(K)から│奇数項が A であるとき,その を作れば ,(K' 次の項をとる Jという選択行為によってえられた部分系列であるから, (K川) における各標識の相対頻度の極限は ,(K)および (Kつにおけるものと同じ値 をとる。. ( K ' )の他の標識によって,. (I(つから部分系列を選んでも,同じこと. から成り立つのであるから, (I(つと(I(")は独立である。. 3.3 確率分布,確率密度関数および期待値 確率空間 S の上に定義きれた実数空間 R の中への写像が確率変数であった。 いま, Sを有限集合とし ,Rの中の Sの点、の像を. Xl,X2,・・・・白目 ,XN.

(28) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑28ー. 第5 3 巻 第 1号. 28. とする。いま Sの点,すなわち基本事象を,. Al,A2,… … ,AN とすれば, 8が確率空間であるというととは,この A iを要素とする K o l l e k t i v が存在するととを意味する。この K o l l e k t i v(K)を,例えば,次のようなもの であるとする。 (K) As,A2,A5,Al, ・・. いま. Aiを Xiに変換すれば, K o l l e k t i v(K)は次のよラに変換される。 (K') XS;X2,X5,Xl ・ ,. とこで,Xiの起とる確率は,. 1 ・ 1(X )=l 1!̲ n ( A i ) i i m ‑ ' 一 一 一 一 =P(Ai) 1 7 1→∞. m_'.V~'/ n→∞. ( 41 ). として定まる。このように,確率変数の各々の値に対して,その起こる確率を 対応させる対応関係を確率分布という。これを用いれば,前節の分布関数は, F(x)=P(X 壬x )= I : :P(Xi). ・. ( 4 2 ). Xi 三. V. すなわち,累積確率分布として定義できる。 いま, (Kつについて最初の n項の平均値をつくる。すなわち,. Xs十 X2+X5十 Xl十・..... η. n(Xl)・ Xl十 n (X2)・ X2+… … 十 n(XN)・ XN n は,平均 1固について確率変数の値がどのくらいになるかを示すものである。 例えば,この Xiが,あるかけにおいて事象 A iが起こったとま得られる賞金の 金額であるとすれば,上の平均値は 均の賞金金額である。ここで. n回かけを行なったとま. 1回あたり平. 1を大きくすれば,上の平均値は安定した値を. もつであろう o そして,この金額は,とのかけを繰り返し行った場合の 1回あ たり期待できる賞金の額であると解釈でまるから,これを期待値といい ,ECX) と書く。すなわち,. a十 X 2+X5十 Xl十・..... E(X)=limX .~O , .~" ,一一一一一一一. ,,‑田川.

(29) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑29ー. 確率の概念とベイズの定理. 2 9. e(X1) ,v 1:~ n(X2) ,. ,v. 1:~ n(XN). 口 X1 ・ lim~瓦一十 X 2 ・ 11III-r一十……十 XN. Ji m~瓦一. ,(XN) =X1・ P(X1)+X2・ P(X 2)十……十 XN P. ( 4 3 ). を期待値と l 呼ぶわけで、ある。これは前章の期待値と同ーの値をもつものであ る。頻度論の立場からはその意味づけがはっきりしたものとなる。. Sが連続である場合,無限個の Sの点 m からなる K o l l e k t i vが あ た え ら れ ( s ) とする: る。これを ( I. (Ks). l 1 Z I, 1 1 tz 3," ,m. これを確率変数である変換民よって,実数に変換すれば,実数の系列 (K R). Xl,Xz,X3, '. がえられる。ここでは. 1つの実数に着目して,個数をかぞえてろえても,その. (R) について,例えば,区間 ( )を a,b 相対頻度の極根は Oでしかない。この ( I. ) の中にめが含まれていれば 1,含まれていなければ Oとして, a,b 考え , (. (K ,0の系列に変換すれば,例えば, R) を 1 (A) 0,0 ,1,0,1,0,…… ( I. が得られる。ここで. 1の相対頻度の極限,. t( 1). n ‑ E 云一一ニ P(1) a,b o l l e k t i v であ は,確率変数 X が区間 ( u) が K Jに落ちる確率である。(I. [ ( ,1 )は K o l l e k t i vであり,このよラな確率が定義できる。このよ るならば, ( ラにして,任意の区聞に対して,その区聞に落ちる確率が定義でまる。 P(a, b J /. ( b ‑ a )は区間 [ a,b Jにおける平均確率密度と考えられるから, P(a,b J. 三戸 b q J ‑ b. =f( α ). ( 4 4 ). は点 αにおける確率密度である。このようにして,密度関数が定義できる。ま a,b た,区間 [ Jの代わりに,区間(ー∞ ,a)をとれば,. P[(一∞,. a JJ P(XLaJ 二. ( 4 5 ). が任意の点について定義できる。これはすなわち分布関数の定義である。 (R) に現れる実数は,すべて (‑K ,K Jに含まれるとする。このとき, さて , ( I.

(30) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 30ー. 第5 3 巻 第 1号. 30. ( ‑ J ( ,J (J を h等分する:. lく a 2く・・・・・・くak=J ( ‑J(=aoく a. ( I {R) について期待値をつくる。. ιゲー 五一一」. 約 十X 2十・目白・・・. E ( X J=lim. ここで,X iが区間 ( a i,a i+ 1Jに含まれるとき,めを a iでおきかえる。. α (0 , "a l )十 a l・1( a l,a 2 )十 … … 十Gト 1・1 1( a k ̲ l,a k ) 一一一一一一一一. E ( X J孟 l i m ‑ ‑ " ' ‑ " ‑ 一一一一一. M. =ao.P(ao,a l J十 a l・P ( a l,a 2 J十 … … 十 G ト 1 ・ P( a k ‑ l,a k J ここで,. P ( a i, a i + 1 J=f(ai十 ( } i・ J)・ ム ムl=ai+l‑a; であるから,. E ( X J孟aof(ao十 ( } o・ J)J+… … +ak! / ( a k ‑ l十 ( } k ‑ l・ J)J ー. が成り立つ。したがって. E ( X J詮 lim{aof(ao+Bo・J)J十 a!/(al十 (}1・J)J十…...). = J二 げ(x)dx. (46‑a). 同様にして , X iをぬ+1でおきかえれば,. 町 E 〔 ぽ X 幻 閃 〕 壬 J~I< 二ff1Z山!. (46‑b). を得る。すなわち,. J. 〔 一J ( ,. E ( X J= に ? : 二 〉 K J J C f 山 1 1 r . [0が(一∞,∞)となる場合も同様にし'"(,. J 二. E ( X )=. xf(ゆか. (46‑c). (46‑d). を得る o このように,頻度論の立場からもまた確率論の体系を作ることができる。. 4 .. 個人確率の理論. 個人確率とは. 1つの事象に対して個人が直観的にあたえるところの起こり.

(31) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 31ー. 確率の概念とベイズの定理. 3 1. やすさの量,あるいはその事象が起こるといラことに対する信用の度合いとで もいうべきものであえ3 。この理論は,. J .M.Keynesの. AT r e a t i s eonP r o b a .. 1 i t y " にはじまるものと考えられ 57Keynesの考え方を条件付き命題の比較 bi として論じたのが B .O. Koopmanであ て. 2 1・ ( 3た,個人の選択行動から出発し. 2つの事象の比較から確率論を構成したのが S avageの理論である。ここ. では,大体 S avageの考え方に従ラこととするが,行動から始める立場はとら ず,事象の比較についての命題を公理としてとることとする。 個人が 1つの事象の起こりやす 3について直観的に考えることができるとい ラことは. 1つには過去の経験の蓄積の結果に基づくものであろう。もしも経. 験が充分すぎるほどあるというような場合には,これらを整理することによっ て頻度論的確率として捕えることができるものと思われる。したがって,本節 で. いう個人確率として捕えようとするのは,頻度論として捕えうる程には経験. が充分でない場合であり,他からの類推によって,経験の不足を埋めて確から しさを考えうる場合ということになる。また 1つには,頻度とは関係のないも のに対するものである。例えば,火星には水も空気もあるということを知った と色生物がいるということを主張する,その主張の強さ,あるいは生物がい るということに対する信用の度合い,といラものも確率として考えてよいので はないかという考え方である。これは知識の総体と 1つ の 命 題 と の 関 連 と し て,論理的確率の問題と考えることもでまるが,ここでは,あくまでも個人の 意見としての信用の度合いを計る個人確率として考えることとする。最初から 信用の度合いを計る数量を考えることには無理があるので,どちらが起こりや すいと考えるかという比較を出発点にとる。 個人確率の理論においても,全事象を Sとし, Sの部分集合を事象という。 これは,他の理論の場合と全く同じである。以下,事象という言葉と部分集合 という言葉を混用する。その理由は,包含関係等,集合に関する事項は,官官分 集合という言葉の方が考えやすいためである。事象はいずれも Sの部分集合で あるから,集合の包含関係に関して半順序がついている。例えば ,S=( 1,~, 3} とすれば?.

(32) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑32‑. 第5 3 巻 第 1号. 32. φc{ 1}c{ 1 ,2 } c {, 1 2,3 } {2}c{l,2 } 等の関係がある。この関係を示すのが図 4のハッセダイヤグラムである。線分 で結ぼれたものの聞には,包含関係がある。 この包含関係を順序と考えれば, {1}亘{1,. 1 2, . 3:. ¥ 1,2 ¥. 2 ),等の順序がついているわけである。この. 場合 {1 } と {2}との間,あるいは { 1}と {2,3} との聞には順序がついていない。. ( 3 :. こで,個人の直観によって{1}と. そ. { 2,3 }の. 間等にも,‑より確からしい」という関係孟. φ. を持ち込むことによって 1列に並べるのであ. 図 4 ハツセグイヤグラム. る。そしてこの関係孟を質的確率と呼ぶこと. にする。ここで,質的確率の公理をあげておく。 p・1 任意の. A,Bに対して , A孟B または B孟A のいずれかが成り立つ。. p・ 2 A逗B, 官二三C ならば A孟C p・ 3 任意の A に対して A孟ゆ p・ 4 S>φ(notφ孟S) p・ 5 A日C=BnC=φならば,A孟B と AUC 孟BUCは同値である O. 上の 5つの公理 p・ 1‑P・ 5を満足する事象聞の関係三三を質的確率という O. A ; ; ; 三B かっ B孟A であるとま. ( 4 7 ). A~B. と書く。. A二 三B かつ. n o tB主A. であるとき. A>B と書く。 たとえば,前述の例について. ( 4 8 ).

(33) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ. ‑33‑. 確率の概念とベイズの定理. 3 3. 2 }く{3}<{1,3 }く{ 2,3 }く{ 1,2,3 } ( 4 9 ) ゆく{1}く{2} く{ 1, というような順序づけを考えて,これを質的確率の関係とするのである。この 例では, {1}く{2}となっているから,公理 p・ 5によって { 1,3 }く {2,3 }と いう順序が生ずるのであって, {2,3}く {1,3} とはならない。このように包含 関係と矛盾しない順序で、なければならないという考えは自然であろう。 その他,結局,上記の 5つの個人確率の公理は,事象の聞にj 頃序がつけられ るとすれば,いずれも当然成立するものと考えられる命題ばかりである。しか しながら,このままでは順序がつけられるだけであり,演算には不向きである。 そこで,この関係を表現するような数量を導入することを考える。すなわち, 事象 A に対して確率測度 P ( A )を対応させる。. P ( A )は確率測度であるから,. PM・1 0壬P ( A )三 1 PM・ 2 AnB=ゃならば P( AUB )= P( A )十 P ( B ) PM・3 P ( S )=1 を満足するものである。 ここで ,AミBのときr,またそのとさに限って. P ( A )孟P ( B }が成り立っとき,. すなわち. P ( A }孟 P ( B J,i f fA孟 B. ( 5 0 ). のとき,量的確率Pは質的確率孟と一致するという。ここに, i f fという記号は. i fando n l yi f (そのときに限って)"という意味を表すものである。このとさ は ,. A>Bならば P(AJ>P(BJ. ( 5 1 ). が成り立つ。また,逆も成立する。. A, . , B ならば,A三 B であるから,. P ( A )孟 P ( B ) また,A壬B でもあるから,. P ( B )孟P ( A ) したがって,. P ( A )= P ( B ). ( 5 2 ). l.

(34) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ. 第5 3 巻 第 1号. 34‑. を得る。このように,. 3 4. Pの大小関係と孟の関係は全く一致する。. これに対して,. ( 5 3 ). AミB ならば P(AJ孟 P(BJ. が成り立つという条件のみを満足するとき,量的確率 P と質的確率孟は,ほと んど一致する,という O. I‑A>Bならば P(AJ>P(BJJ という命題は. rA 三B ならば P(A)壬p(mJ の裏命題であり,ほとんど一致する確率の場合は成り立つことを保証されてい ない。すなわち,. A>B でありかっ P(A)壬p(m となることがあり得る。. 式( 4 8 )に定義したように,A>Bであれば,A孟B であるから , P(AJ孟 P(BJが成り立つことから,この場合は P(AJ=P(B) が成り立つことになる。 すなわち,ほとんど一致する確率においては, A>B でありながら , P(A)=. P(B)となる場合があるわけである。 国の要素 al,aZ, … 質的確率孟に量的確率を導入することを考える。 Sが有限 1 …,al1 から成る場合を考える。いま ,Sの部分集合に対して,. ゆ ={O,0,0, … ・ ・ ・ , O } {aJ}={, 1 0,0,……, O } {az }={O,1,0,……, O }. { a l, aZ}={ 1,1,0,……, O }. S={al,az, …, a,, }={l,l, ……, 1 }. ( 5 4 ). というベクトノレによる表現を考える。この場合,各事象,すなわち Sの古5 1 分集 合は n次元空間の点あるいはベクトノレに対応すると考えられる。例えば. 2の場合は図 5のようになる O このとさ,. tl=. 原点を通る直線を百│いて, ( 0,0 ),.

(35) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ. 3 5. 確率の概念とベイズの定理. ‑35ー. A. ﹂. ( 1,1). Jノ. η. lj. ︐ ︐. t (ι 1. ︑ ︑ ︐ ︐ ー ハ υ (. ( 1 ,0 ),( 0,1 ),(1,1)がこの直線の. 一一一一 -71. 1α J ,a~. 非負の半平面に存在するようにでを. 1 S る。各点とにの平面との距離を(1, 工. 1 ) からの距離を 1として測る。. こ. 1 ,0 ),d(O,1 ) , d(l, 1 )と れを d( 表すことにすれば,. ' ( l,0)I ( )f. d( 1 ,0 )十 d(O,1 )=d(l,1 ) ニ1. ( 5 5 ) であって,確率測度の公理を満足す 図 5 事象空間 (11=2の場合). ることは容易にわかる。また,. d(l,O ) と d(O,l ) の大さきの関係は,この直線の方向を変えることによって. 自由に変化させることができる。すなわち. J l : =2の場合は,このような方法. によって質的確率と一致する量的確率を定めることがでまる。 さて. tl=2の場合には,質的確率孟に一致する量的確率を定めることがで. きることを示したが,任意の nについて,いつもこのことが可能であるとはか ぎらない。 C h a r l e s .H. K r a f t,J o h n . W. P r a i t および A. S e i d e n b e r gは Jt=. 5の場合に, P'l,P・ 2," ' , P・ 5を満足し,かつパまとんど一致する量的確. 率は定義でぎるが,一致する量的確率は定義でさない部分集合閣の順序,すなわ ち,質的確率を構成している。このように,一致する量的確率を導入し得るた めには, P・ 1,P・ 2, … , P・ 5のみでは不十分であって,このほかにも条件が必要 なのである。ここでは,この問題にはこれ以上立ち入ることはしないでおく。 次に, 8が無限個の基本事象からなる場合,特に直線のように無限に分割で きる場合について述べる。まず,任意の自然数 1 1について,事象 Bを M 倒の 部分集合に分割すること,すなわち, ,. 1. ー一ー. '. う. BinBjニ ニ イ : ' , i キj n. U B ι =B. る= J. ?. ( 5 6 ).

(36) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ. 3 巻 第 l号 第5. ‑36‑. を満足する Biが構成できるものとする。これを Bの ~BJ ( iキj )が成り立つような. 36 1 1分割と呼ぶ。ここで ,B i. Sの n分割が存在することを認めて,. …. P(B; J=1/1 t. ( 5 7 ). (i=1,2, ,n ). とする考え方は,古典的な倍率の定義における e q u a l I yl i k e l y "な場合の取り 扱いと似た考え方である。しかしながら,任意の仰に対してー織な. M 分割が可.. 能であるとすることは,条件としては強すきrると考えられるので, S a v a g eに 従って,ほとんど一様な分割という考え方によって確率制度を導入する。 定 義 ほ と ん ど 一 様 な n分割. Bの n個の部分集合 Bi(i=1,2, ・ " ,. 1 1 ) が次の条件を満足するとき,. ほ. とんど一様な n分割という:. コ ゆ D'l BinB jニ. ( i当j ).. D・ 2 UBi=B D・ 3 B iの任意のか十1)倒の和事象は,任意の r個の和事象よりも,よ り確からしい。すなわち, r+1. γ. UB i ( k )詮 U B i ( l ). k=1. 1=1. を満足する。 今,任意の事象 Cをとって, Cと同様に確からしい B i (すなわち , C~Bi) を 作って行けば,偶然ある nについて. UBi=S =1. " 1. となることもあるであろうが,大抵は,. E=SーしJBi ,(ゆくEくC ) が残るであろう。このとき~, E を Cにとって同様な操作を実行する。このよう. l lとしても上 1 C.定義したほと な操作を繰り返して行けば,遂には, B"UEを B んど一様な n分割となるようにできると考えてもよいで、あろう O あるいは,例 えば ,Aの起こる確率を 1 / 3とする。. Aの起こることをし起こらないことを O.

(37) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 3 7. ‑37ー. 確率の概念とベイズの定理. と書くことにすれば,. 1100 は最初続けて 2回 A が起こり,その後 2困 A が起こらなかったことを表して いる。との試行を無限に繰り返したとき, A の生起の状況は,例えば,. 1100110 111・ ・ ・ ・ ・ ・ として表現される O これを前に小数点をつけて,. 0.1100110111 ・ ・ とするならば,これは O孟 z孟 1を満足する Z の 2進法による表示である。か. A の生起の状況が区間 ( 0,1Jの実数として表現できるから,. くして. 0,1 Jを考えればよい。 合 , 8として (. この場. このとま, 0 . 1 1は最初の 2回 A が起こ. ったという事象であり,. 0 . 1 1 0 0・ ・ ・ ラ0 . 1 1 0 1・ ・ ・ ,0 . 1 1 1 0 ・ ・ の全体であるから,区間 ( 0 . 1 1,1 )に対応すると考えられる。. したがって,こ. の区間に対して, 0 . 1 1が起こる確率 1 / 9を対応させればよい。とのように, 8の 分割. Bl=( 0 . 0 0, 0 . 01 ). B2=( 0 . 0 1, 0 . 1 0 ) BF(0.10, 0 . 1 1 ). B 4 ( 0 . 1 1, 1 ) 二. に対して,. P(( 0 . 0 0, 0 . 01 )J=P(OOJ=4/9 P((0.01, 0.10)J=P(01 J=2/9 P(( 0 . 1 0, 0 . 1 1 )J=P(10J=2/9 P ( ( O .l1,1)J として確率が求められる。. =P(l 1J=1/9 この段階では, B l,B2 3,B 4はほとんどー織な 4 ラ B. 分割ではない。なぜならば, Bl>BaUB 先の条件 4であって ,r=1に対して,. D・ 3が成り立たない。そこで, Cl=Bl,C2=B2,Ca=BaUB l, 4 とすれば,この C. C 2,C 3はほとんど一様な 3分割となる。試行の回数を増やすに従って,各区間.

(38) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑38ー. 第5 3 巻 第 1号. 38. に対する確率を近いものにできることから,任意の自然数に対するほとんど一 機な分割が構成できるよラになる。 上のような考え方をすれば,一様な分割がでさない場合でも,ほとんど一様 な分割なら考えてよさそうである。また,ここでは最初から任意の自然数に対 して,. ほとんど一様な分割の存在を認めるのではなし充分大きな nに対し. て,ほとんど一様な分割が存在することを認めるという立場をとる。この方が より自然であろう。 充分大ぎな. M について,ほとんど一様な 1 t分割が存在するならば,これを 2 1 1三 m となる. とする。いま. Bi. mについて考える。. ,m>b詮 O. I t= l I la十 b ; α孟m. が成り立つから, α. ( j 十 1 ) α α 〈η'‑b)+ cα+1)t. 2 a .. C1=UB!,C2=UB付 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ,Cj= U B!,"・ ・ ,Ct= i : : : : l. i = α +1. U Bi,. i=α〈川 ‑bl+( α+J)(t‑1l+1. i=jα+1. というように, Bιの α個によって Csを m‑b個 ,B (十1){自によってc, iの α 1 1分割である。このとさ, C8 の任意の を b個作れば, C8 は Sの 1. r ( r 豆m )個に. , 含まれる B iの個数 uは. a r 三 u五 三α (十 1)r を満足する。また ,( r十1)個の Csに含まれる B iの個数. Uは ,. σ( r十1)豆 u豆 ( a十 1)( r十1 ). を満足する O 従って, U三 α (十. 1) r=ar十f三a r十msar十a=a(r十1)豆u. B iはほとんど一機な分割であるから, v. / " ' + 1. UCScJ)=UB1 ( め豆 UBi(I)=U C S ( h ). )=1. . ' = 1. 1=1. 1 1 = 1. …. が成り立つ。すなわち , C8(s=1,2, ,m)は Sのほとんど一様な m分割である。 このようにして,大きい. M に対して,ほとんど一様な. n分割が構成できるなら. ば,これを基にして小さい mについて,ほとんど一様な m分割が構成できる。 このような論法によヲて. 2より大ぎな任意の自然数に対してほとんど一様な.

(39) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 3 9. ‑39‑. 確率の概念とベイズの定理. n分割を構成することができることを示しうる。 定義. C( r, n). ほとんど一様な n分割 B((i=1,2, … , 1 1 )のうちの r個の和集合を. C(r,n)と書く。. k(B, n). 定義. B孟 C(r,1 1 )を満足する rの最大値を k(B, l I )と書く。すなわち, k(B, n)=max{rI C(r, 1 1 )豆B) ここで問題にしていることは,. ( 5 8 ). ある事象 Bに対して. J 1 .分割. B iを何個押し. 込めうるかということであり ,B (はそれぞれ大きさが違う可能性があるので, 押し込めうる最大値を考えておくわけで ある。. e ( B,Jl) / nが収束することを示すために,二,三の補助定理をあげ ここで,l ておく. O. 補助定理. 2つのほとんど一様な n分割があるとき,一方の r 1 聞の和集. 1. 合よりも他方の. f十. 2個の和集合の方がより確からしい。. (証明は省略する〉 補助定理. 2. ほとんど一様な m分割と. n分割について,ある C(r,m)と. C(s,1 1 )の聞に, C(r, m)<C(s, 1 1 ) が成り立つならば,. / 1 1 1 壬( s十 2) / 1 1十 1 /( 1 1 1 1 1 ) (r‑2) が成り立つ。 【証明】 1 1 1 1分割を作る。これを, いま別に,ほとんど一様な 1. D l壬D2壬 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 壬D. 川 I. とする。 n. 2n. D~= UD(, D;= U D i' , i=l. ι=n+l. … , D; 「. U Db. l=l 1 Ill‑11十 1.

(40) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 40. 第5 3 巻 第 1号. ‑ 40ー. を作れば,これはほとんど一様な m 分割になる。したがって,補助定 理 1から, U‑D;(j)L'C( , ' 1n の. が成り立つ O 次に. 「. DH1= JDz,D;=23Di, i=1. ιに. m+l. ' " Di U " i= n‑m+l. ., D~=. 7 I l. を作れは¥これはほとんど、一様な 8+2. μ 分割である。したがって,. ・a. C(s, n)壬 U D ; ' cわ よ=1. が成り立つ O 本定理の条件から, r‑2 . UD;(j)王手 C(, ' 1. を得る。これは. s+2 ". m)五C(S,lI)壬 UD ; ' C k ) 1つの mn分割の任意の n(r‑2)個の和集合と,. 任意の m(s十 2)個の和集合の間に壬の関係が成立していることを意 味する。したがって,任、とんど一様な分割の定義から,. 1 1 (1'‑2)L'm(s十 2)+1 を得る。それゆえ, ( 1 ' ‑2)/m 五( s十 2) / 1 1十 l/(mn) が成り立つ O 補助定理. 3. I k(~n川山)1~3 つ 一つ「│〈1 7, 73 十. , 1. 十7 i i i J. ( 6 0 ). [証明】. Sのほとんど一様な m 分割および 1分割に対して , kl=k(B,m),. kFl?(B,I I ) とするならば, C(kl,m)~B , C(k2, 1 I )壬 B.

(41) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑ 41ー. 確率の概念とベイズの定理. 4 1 が存在する。. 川 一 ー世 n. C (l~I , m)LB<C (I~2 十 1 , 11). であるから,補助定理 2によって, 十. m. ど 一 一. R ︐. nL. 一. k J __~L ! ? 2 / 2 十. 3 十. 1 < ̲ 3 十一一一十一一‑ .3 .1 1 1 1 1 1 ‑ 1 1 1 1 1 1 1 1 n 1 1 1 1 l mn また,. C ( ! ? 2, n )壬B <C(! ? 1十 1, 1 1 1 ) から,. h 2 1 1. 1 ' 1 ̲3 . 3 . 1 十 m m J / mn. 一一一一ぐ:一一一十. を得るから,. l …山)1~3 , 五1瓦 m 一 ‑ 7 │く可子十, 3 十 を得る。 上の補助定理 3から, m, 1 Iを大きくするとき,. I h(B, m)/m‑h(B, n ) / l lI は 0に収束することがわかる。すなわち , ! ? ( B,l I) /nは. J l を大会くすれば,. 一定の実数に収束する。したがって,この極限値. h(B, n). 二! ! ! 5 1 j ‑. P(BJ. ( 61 ). を B に対する確率測度と定義する。しかるときは, h(B,n )は非負の整数であ るから P (BJは当然非負であって PM・ 1が成り立つ。また h(S,n )=1lで あ る から, P (SJ= 1となって PM・ 3を満足する。 さて, ここで. Bnc=, t であるような 2つの事象 B および C を考える。いま , B l,B2, …… ,BIl を Sの. n分割とし,.

(42) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑42ー. 第5 3 巻 第 1号. 42. k1=k(B,1 1 ),k2=k(C, 1 I ) とする o 1 ? I = k ( B, l I )ということは,ある特定の k 1個の B iについて, k1. UBi三 玉B. が成り立つことを意味する。任意の h1 ー 1個の B iの和集合は, UBiより小さ い。なおここでは,より確かでないことに対して,より小きい,またより確か であることに対しては,より大まい,という表現を用いることとする。したが って,. " 1 ‑ 1 k 1 UB i(j)L.UBi壬B 同様にして, "2‑1. " 2. UBi ( め壬 UB iL .C k = 1 i = 1 また,BηC=φ であるから, k 十k ‑2 1 2. U B i(j)壬BUC. ( 6 2 ). を得る o ~らに,任意の h1 十 1 個の Bi の和はB より大きく , k2+1個の B iの 和は Cより大きい。すなわち, ¥+1. " 2+1. j=l. k=l. Bく UBi(j), Cく UBi向 したがって, " 1+k2+2. BUCく U B i(j). ( 6 3 ). 上記の 2つの不等式 ( 6 2 )および ( 6 3 )から, 十k k l十 k 2ー 2五k(BUC, n )壬 k 2十 2 1. を得る。それゆえ,. m. 十 P昨. すなわち, PM・ 2が成り立つ。. ( 6 4 ).

(43) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 確率の概念とベイズの定理. 4 3. ‑43‑. ところで B亘Cが成り立つならば,. k(B, l I )壬 k(Cゲ 1 1 ) が成り立つから,. k(B, 1 I ) /1>.̲ l ? ( C,1 1 ). P〔 B〕=lim‑1 五 411n‑77‑‑zP〔 C〕. ( 6 5 ). この量的確率 P(B)は質的確率孟にほとんど一致する. が成り立つ。すなわち,. 確率il¥ J I度であることがわかる。質的確率三三と一致する量的確率を導入するため には,先の条件 p ・ l~P ・ 5 だけでは条件が不足であって,例えば次の条件,. P . 6 B<Cが成り立つならば, ある Sの分割UD iが存在して, BリD C jく : が成り立つ。 を認めることが必要となる O これは,数の場合の. bく. C. ならば c‑b>ε>0. となることに対応するものである。 6を認めるにせよ,認めないにせよ,質的確率に対して,少なくと 以上, P・ もほとんど一致する確率測度を構成することができた。この確率測度は,第 2 節の測度論的確率論において論じた有限加法的確率測度であるから,以後は,. i s リ度論的な手法に従って議論を進めて行けばよいことになる。. 5 .. ベイズの定理とその応用. ( i キj ). ︒. f. UBi=S BinBj二 = ( / ,. る す と I lit‑‑‑‑J ︑l ︑ー'〆 t. i ィ. qム. Sの分割を B i( i. このとき ,B iは. ( 6 6 ). を満足する。次に,任意の事象 C をとる。. ( c ns;)什 (C円Bj). 二. cnBinB j =ゆ. η 1 1. C Cns=Cn(UBi)=U(CnBi ) 二. ( 6 7 ) ( 6 8 ).

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