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佐藤好孝佐藤好孝

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(1)

原価計算における原価評価の研究

佐 藤 好 孝

(2)

原価評価の概念と問題点

原価計算における原価の構成要素(価格・数量)の一つである価格は︑﹁一定の給付に対する財貨の消費数量単

位に照応する原価計算上の固有の価値を表現すると同時に︑財貨消費のもつ重要性を表わす﹂(拙訳﹁コヂオi

原価計算﹂千倉書一民刊︑九頁参照)ものであるが︑その原価の構成要素の一つである財貨価格をいかに定めるかと

いうことは︑原価計算上の﹁原価の評価﹂

( 回 ︒ 巧

225

門間p w 02 0ロ )

に対して極めて重要な問題を提供する︒わ

れわれはここで原価計算における原価評価の問題を究明しようとするものであるが︑企業の経営過程(調達過程・

生産過程・販売過程)における財貨価値の消費は︑あるものは財務会計上の費用(﹀丘巧ωロ仏)として︑またあるも

のは給付原価計算上の原価(同

gZ

ロ)として把握される︒このようにして把握される財貨価値の消費としての原価

原価計算における原価評価の研究

は最初は各種の計算単位の数量であり︑これがわが国﹁原価計算基準﹂の三﹁原価の本質﹂の規定にみられるよう

に貨幣価値的に表わされたものである︒したがって︑原価は︑一般に︑次のような等式によって測定評価される︒

調盲目母出湾同×湾出菌誌

乙の等式から明らかなように︑原価の測定評価には︑財貨の消費数量の計算とその財貨価格の計算という二つの

問題を含んでいる︒このように︑原価計算上の原価の測定評価は︑これを内容的にみる場合には︑一定の給付に対

する財貨の消賀数量の計算であると乙ろのいわゆる数量計算

( E g m g 自営丘混同

2E

)

とその財貨の消費数

呈にいかなる価格を適用するかといういわゆる価値計算

( t 2 2

Bω0

)

とから構成されている︒

(3)

/¥ 

原価理論上の原価評価とはもちろんここにいう価値計算の問題であるが︑この価値計算は︑実は︑一定の給付に対

する財貨の消費数量単位の価格の計算として行なわれる︒

メレロヴィッツ教授が︑評価することは︑取

も直さず﹁財貨数量が貨幣価値的に表現されることであり︑いうなれば︑価値数字をもって財貨数量を表現するこ

(︿

NW

w 問 ︒

ω

ω

m ‑

P

・ ↓ H

ωω

0

)

とするゆえんのもの

がある︒したがって︑先に引用した原価計算基準の一二﹁原価の本質しの項において︑﹁原価とは︑経営における

定の給付にかかわらせて︑は握された財貨又は用役の消費を︑貨幣価値的に表わしたものである﹂という表現にみ

られる﹁貨幣価値的に表わしたものである﹂という意味が︑乙乙でいう原価の評価に当るものといえる︒

このようにして︑異質の計算単位をもって表現されている財貨数量が貨幣価値を公分母として表現されることに

よって︑その財貨数量は同質化されかつ合計することも可能となる︒すなわち︑その財貨に比較可能性と加算可能

性が附与される口

原価財相互の比較もできれば︑他に代替性のある財貨の場合にはそれとの比較も可

能となり︑数量の大小だけでは示されないその財貨のもつ主要性も知ることができる︒さらには︑上に述べたよう

一定の給付に対する財貨の消費数量部分は合計することが可能となるため︑生産的給付の原価は総括的に一示す

乙とができるので︑給付原価と給付収益とを比較して︑直ちにその成果が計算できる乙とになる︒

きて︑これまで述べてきたように︑もし原価の評価ということがただ単に財貨数量の貨幣価値的表現の問題だけ

に止まるのであれば︑それ程問題はない筈である︒それにもかかわらず︑原価計算において︑なに故にこのように

﹁原価の評価﹂が問題となるのか︒それは︑いうまでもなく︑原価計算上の原価は︑一応市場経済の制約を受けな

がらも︑生産過程という経済社会の市場関係から隔絶した経営の中間過程において計算されるため︑財務会計上の

(4)

費用のととく支出価値

25 mg

)

に基づいて一義的に決定されないで︑原価計算目的との関連において︑

あらゆる価値範障の価格がその評価に使用され︑しかもその評価にいかなる価格が適用されるかによって︑その計

算の性格・内容が大きく変えられるという関係にあるところに︑原価理論上の原価評価の問題が発生するゆえんの

ものがあるといえる︒だが︑原価理論上の原価評価は︑メレロヴィッツ教授の指摘されるように(︿包・N

・ 回 ・ ロ

2 ω

F0

p m y o m

・ 一 吋

ω・)︑ただ単に給付生産のために消費される財貨数量にいかなる価格を適用するかという財貨

評価の問題を明らかにするに止まらず︑企業における経営管理者達の行なう経営上の管理活動に対する評価の基礎

を作り出すものでなければならぬところに︑ζの原価評価が問題となるいま一つの論拠を求めることができよう︒

さらに︑経営運営上の諸施策に対する正しい経済的な決定は︑正しい評価を通じてのみ得られるから︑経営上の

選択過程における正確な価値判断の基礎をなす評価は合理的な経済行為を意味するものといえる︒かかる意味にお

いて︑評価は経営政策(財務政策・原価政策・価格政策・販売政策・購買政策・その他)の基礎となると同時に︑

原価計算における原価評価の研究

この経営政策が正確な正しい評価基礎に基づいて実施せられてはじめて実現せられるというところに︑

( ︿m ‑

‑ N '

σω

m w w ω 巳 ﹃

・ 州 w

c ‑ w ω

・ 一

0・ )

原価理論上の原価評価のもっさらにいま一つの問題点があるといえよう︒

以上のように︑原価評価は︑原価計算上の諸問題を理解する上にも︑また原価計算に課せられた経営上の経済的

諸問題の解決という課題に対しても極めて重要な役割を演ずる︒かくして︑われわれが︑いまもし誤って不適切な

原価評価を行なったとすれば︑原価計算上の諸問題の理解はもちろんのこと︑また原価計算に課せられた経済的諸

問題の解決という課題も果すことができないばかりか︑経営を誤った方向に導くという関係にあるところに︑乙の

原価評価のもつ原価理論上の重要性が求められるものといえよう︒

(5)

O O 原価評価と原価計算目的

企業における生産活動に対する経済的行為の合理性(技術的・物量的合理性と経済的・金額的合理性)は︑多く

の場合︑経営計算制度とくに原価計算を通じて行なわれる評価と比較という一連の計算的行為に基づいて進められ

ているといえる︒メレロヴィッツ教授の指摘されるように︑(︿包・ロωω

m

m‑ ω o

・コω・)経済する乙とは

(

Eg )

を行なうことであり︑選択することは比較

( ︿

O

m ‑ o 向 ︒

F

ロ ) O

を行なう乙とであり︑比較する乙と

計算することは評価(回ω

2Z

ロ)を行なう乙とである︒このように︑

企業における利潤獲得のために経済することの本質が選択行為に求められるとすれば︑その前提をなす比較と計算

(

σ

)

(評価)との必要性は︑経済の本質からきているものといえる︒経済することの本質である企栄における選択は︑

常に︑正確な理論的な価値判断に基づいて行なわれる必要があるという怠味では︑この価値判断を可能にする評価

は選択目的に適合するように行なわれる必要がある︒

企業における選択過程には︑いうまでもなく各種の選択の必要性が生ずる︒そのため︑この選択を可能にするた

めに各種の計算と比較を行なう計算的行為が必要となるが︑企業における経済的行為の合理性は︑

乙の選

択を行なうためになされる各種の計算行為を通じて実現せしめられているという関係にある︒

もちろん︑この企業におけるこの経済的行為の合理性実現のために行なわれる選択は︑繰り返し述べるように︑

人間の本能的なものではなく︑理論的な価値判断に基づくものでなければならない乙とはいうまでもない︒乙の理

(6)

論的な価値判断に基づく選れ過程には︑

け原価と原価︑口原価と効用︑国効用と効用との計算(評価)と

比較という三つの計算可能性が考えられる(︿包

N

ω85

ω p o

)

原価と原価との計算と比較

これは︑以価引下げ(問︒丘

g z

M

)

の目的をもって行なわれる計算的行為である︒給付生産が経済的に実施

されるということは︑給付が所与の経営関係のもとで安い原価で製造されることを意味する︒したがって︑安い原

原価の正しい選択とその構成ならびに節約によって達成されることはいうまでもない︒工企業における経済

的行為は総て乙れが給付生産に関連をもち︑この原価相互の計算と比較を通じ終局的には原価に関係するから︑

て ︑

理論的な価値判断︑経済的行為の合理性の実現を計らんとするものである︒原価管理にみられる標準・実際比

較︑白経白内で行なわれる期間比較

経営相互間で行なわれる経営比較

(NO

ω ︿

21

0

)

としての原価比較︑

(

2

2m F

)

生産方法・販売万法などの万法比較

( ︿

O

ω

日 目 ︒ ロ

ωJ

1O

Hm

m

w目 ︒

町 )

原価計算における原価評価の研究

他などの計算的行為がこれに属する︒

原価と効用との計算と比較

これは︑生産活動に対する成果確定の目的をもって行なう計算的行為である︒生産活動が継続的に実施せられる

そこで︑例えば生産ためには︑原則的には︑その給付原価が市場価格によって補償されていることが必要である︒

あるいは価格が暴落したためその給付生産が引続き行なわれるべきかどうかを知りた活動の成果を知りたいとか︑

いとか︑さらに入札・請負・注文などの問題が発生しこれを引受けるべきかどうかを判断しなければならぬような

事態に直面した場合︑それを判断するために行なわれる計算的行為である︒したがって︑

財貨計算に基

(7)

づいた給付原価計算上の成果計算すなわち製品別利益計算

( ω g o W 2 r ‑ m ω

)

ならびに期間的給付成果計

算(同2Zgm

2Z

2 r o F O E S m ω o z o

m )

︑供給価格計算(獲得可能価格計算・その他)︑需要価格計

算(価格下限計算・その他)などの計算的行為がこれに属する︒

効用と効用との計算と比較

乙れは︑企業収益を高める目的をもって行なう計算的行為である︒企業収益を高めるためには︑利益を生む給付

の確定が必要であると同時に資本や労働の経済的な利用が必要となる︒これは︑正しい経営計画が実施されて初め

て達成される口経営計画は一般に基本計画(個別計画)と業務計画(期間計画)とに区分されるが︑わが国﹁原価

計算基準﹂の一の四ならびに五の規定にみられるように︑経営の給付目的たる製品︑経営立地︑生産設備など経営

構造に関する基本的事実について︑経営意思を決定し︑経営構造を合理的に組成するといういわゆる基木計画のた

めに行なわれる特殊原価調査とか︑製品組合せの決定︑部品を自製するか外注するかの決定など個々の選れ事項に

関する意思決定を含めた意味での業務計画のための予算編成︑直接原価計算なざの計算的行為がこれに属する︒

乙れら三つの計算可能性は︑いづれも上の考察から明らかなように︑

計算と比較という計算的行為

機詣をもっ原価計算によって実現せられているといえる︒そのため︑理論的な価値判断を行なうに当って︑選択過

程で考えられる先に述べた三つの計算可能性のいづれかの施時に属する原価計算のもつ計算的行為機能を︑企業に

対する利害関係集団(経営管理者a出資者・債権者・その他)の要請にかかわらせて︑集約的向具体的に表現した

ものが原価計算目的であるといえる︒わが国﹁原価計算基準﹂の規定にみられるように︑原価計算目的には︑

次のような計算目的が附与されている︒

(8)

j

財務諸表作成に必要な原価資料を提供する︒

ω 

価格計算に必要な原価資料を提供する︒

(

原価管理に必要な原価資料を提供する︒

担)

予算編成ならびに統制に必要な原価資料を提供する︒

経営の基本計画設定に必要な原価資料を提供する︒

このようにみてくると︑財務諸表作成に必要な原価資料を提供するといういわゆる財務諸表作成目的と価格計算

に必要な原価資料を提供するといういわゆる価格政策目的とは﹁原価と効用﹂との計算と比較を行なう計算的行為

原価管理に必要な原価資料を提供するといういわゆる原価管理目的は﹁原価と原価﹂との計算と比

較を行なう計算的行為の範時間に属し︑予算編成ならびに統制に必要な原価資料を提供するといういわゆる予算編成

ならびに統制目的と経営の基本計画設定に必要な原価資料を提供するといういわゆる経営計画目的とは﹁効用と効

原価計算における原価評価の研究

用﹂との計算と比較を行なう計算的行為の範的に属するものを集約的・具体的に表現したものといえる︒

こうした意味において︑原価計算内における評価︑いい換えればその経営における選択過程のうちから原価計算

の提供する理論的な価値判断資料に基づいて︑その時の最も経済的ないし合理的なものを決定し得るために原価財

に与えるべき数字的金額︑すなわち価格は選択目的(原価計算目的)に適合したものが選ばれなければならない︒

原価評価と計算価格

O

(9)

O

これまで究明してきたように︑評価することは︑財貨数量が貨幣価値的に表現される乙とであり︑いうなれば価

値数字をもって財貨数量を表現することであるが︑この原価評価のための貨幣価値は原価計算目的(選択目的)に

よって規定せられるという関係にある︒そこで︑いま仮にこれを誤って︑原価計算目的に適合しない貨幣価値がそ

の評価に選ばれたとすれば︑われわれが原価計算を通じて求めようとする経済的行為の正しい合理性は︑これを追

求することができないということになる︒

原価評価には一般的・普遍的な原則というものは存在せ

ず︑常に︑原価の評価は︑計算目的にしたがって行なれるということである︒

先にも述べたように︑経営過程(調達過程・生産過程・販売過程)における財貨価値の消費は︑あるものは財務

会計上の費用として︑またあるものは給付原価計算上の原価として把握される︒だが︑収支過程

Nm

H

Em ωg m防口問

(調達過程・販売過程)上の財貨価値の消費としての賀用の場合には︑その財貨の価格が過去・現在・未来のいず

れかの期間の支出価値に基づいて必然的に与えられるし︑また支出価値に結びつかない財貨価値の消費は︑原則的

ア﹂ふ

これを費用として把握する乙とができない︒これに対して︑給付原価計算上の財貨価値の消費としての原価h a

は︑支出価値と直接的関係をもたないため︑その評価にはその計算目的を達成するに最も相応しい適切な価格が選

れ決定される︒したがって︑

給付原価計算において用いられる計算価格

( ︿σ

m ω

百 円 市 山

mw)

l

は︑市場価格(宮RE

oU

)

の一郡といわず︑また経営価格(悶えユ

$3 2)

の一郡といわず︑あらゆる価値箱崎

のものが用いられる(拙訳︑前掲書︑O頁参照

) o

シュマlレンバッハ教授のいわゆる﹁原価とは︑給

付のために消費される財貨の原価計算上評価された価値である﹂(︿包・ω各自巳

gg

yJ

問 ︒

ω件︒ ロ 円

ω

m g

‑ M B U

H V ︒ ‑ 山 片 山

w w 問 ︒

‑ o

01

ω

品 ︒ ロ ・

sg

ω m

・)と原価を規定せられるゆえんのものがあるといえる︒

(10)

計算価格としての市場価格

市場価格には︑すべての経営相互間で取引される財貨の価格が属するが︑しかしこれには自由契約価格ならびに

団体ないし公共的制定価格(最高価格・最低価格@適正価格・料金表価格・定価表価格)︑協定価格︑自主的査定

価格がある︒この市場価格は︑さらに﹁支出価値に基づく市場価格﹂と﹁支出価値に基づかない市場価格﹂とに分

これら両市場価格は︑これを評価時点に基づいて分類すれば次のようになる口

(︿

Rm p m gz

Z

5

2)

支出価値に基づく市場価格│一l現在価格

3 a g J 2 2 4 2 2 )

﹁未来価格

(N

52 G3 2) JJSH凶計算における却価評価の研究

(

m

gd Z ω

ω )

支出価値になづかない市場価格il未来価格

(N

ω )

l平均価格(ロロ

BE

各巳官官己

ω )

だが︑ここでは︑説明の都合上両者を同時に採り上げることにする口

過去価格

lマン教授のいういわゆる﹁工場受渡しの市場価格﹂ここに過去価格とは︑

( 冨 R

E H

) 円 ︒ 日

ωO H0 8

U円 即

日 内 ) を

指す

(H

OF

Bg

p呂 ・

w E o z ι 5 H H 三宮岡山

‑ w

PM

印 ・ ω

l

ー七頁参照)︒したがって︑

(

ω )

とも︑また購入価格

( ﹀

ωの﹃ω

町 内 ロ ロ

m ω

℃ 円 ゆ

mw)

O

(11)

O

もいわれ︑原価財を調達する際に実際支出された︑いうなれば支出価値と実際に結びついた市場価格である︒この

価格によって評価された原価財をもって構成された原価は支出原価(﹀

5 m ω t g w g g D )

財務会計ない

し一般会計と原価計算とが形式的・実質的一元の会計機構をもって有機的に結びついた実際原価計算制度のもとに

おける原価財の評価に適する計算価格であるといえる︒この過去価格には︑例えば︑材料の消費価格の計算に使用

される先入先出法・後入先出法・個別法などの評価計算法による価格が属する︒

しかし︑外部から仕入れた原価財に関する計算価格としての過去価格は︑上に述べたように﹁工場受渡しの市場

価格﹂を指すから︑仕入価格の外に材料副費

( 一 富 山

H2 UF Oσ gw

︒ 旦

ωロ )

が加算される︒したがって︑わが国﹁原

価計算基準﹂の十﹁材料費計算﹂の規定にみられるように︑材料副費である引取費用

( 回

m wN C

m ω 討 ︒

ω件 ︒

ロ )

ならび

に附随費用(巴

D W M g

同省円︒三巴︒ロ)が︑次に示すいずれかの式のように加算される︒

付)

購入代価+引取費用

()

購入代価+引取費用+附随費用

また︑固定資産の場合には︑据付質"組立費・検収費が加算される︒このようにして︑この過去価格は︑これが

確実に入手できるため原価計算の正確性を確保することができ︑さらに支出価値に基づいて必然的に与えられる財

務会計士の費用と損益計算書上の売上原価として売上収益に対応せしめられる原価とが実質的に一元化するため︑

なんら調整計算することなく原価計算が損益計算書に直結するという意味での長所をもっている︒だが︑その反面

(12)

この過去価格は︑価格変動の著しい時には原価の比較性を失わしめるという欠陥をもっと同時に︑またあらゆる評

価客体に適用できないという欠陥をもっている︒例えば︑自家製品の自家消費︑補助部門の経営内部的給付

r.. 

︒ 円 σ 2z oE

v o

F o ‑ ω

吉口問)としての自家生産の電力・蒸気・工具・その他︑前工程の中間製品︑自主的査定を必

要とするところのいわゆる附加原価としての無償取得の原材料・設備・償却済の機械・自己資本利子・その他など

の原価財を評価する場合などが︑すなわちその適用できない費目の一例である︒だが︑附加原価は一応別として︑

その他の経営内部的給付の評価には︑原則的には︑実際製造原価価格が使用される︒

現在価格

これは一名時価(吋

ω m g

ω )

とも呼ばれ︑原価財の一許価に過去価格としての入帳価格ないし購入価格を無視し

て︑原価財の消費時点で適用されるその時々の価格である︒したがって︑現在価格で問題となるのは︑消費日の時

( p o

2

42 σ5 5} 55 mg )

である︒にが︑消賀日の時価は︑財貨の消費時点と購入時点とが一致している

原価計算における原悩評価の研究

時は︑支出価値に基づく市場価格である現在価格と消費日の時価とが一致する︒このように︑消費日の時価には︑

﹁支出価値に基づく泊賀日の時価﹂と﹁支出価値に基づかない消費日の時価﹂とが含まれている︒

この消費日の時価による評価の計算原則は︑周知のように︑シュマlレンバッハ教授の提唱した財の経営に対し

てもつ価値すなわち経営価値(回己巳各ω君 ︒ ユ )

に基づく原価計算︑いい換えれば経営価値計算(切立ユ各

ω

HM

)

にみられる限界価値法則(の同ωN

83 N)

の適用からきている︒これは︑実践的には︑例えば補助部

門や前工程の経営内部的給付を他の部門ないし工程に引き渡す場合に︑その時々の時価によって計算せんとするも

のである︒したがって︑ここでは︑その原価財に対する時価が判明していることがその前提となる︒そのため︑原

O

(13)

O

価財に時価が適用されることには︑そこに一定の適用範囲の限界がみられる︒すなわち︑例えば附加原価とか︑別

原価(減価償却費・他人資本利子・危険費)とか︑機械製作のごとき完成品工場(吋

2Z M2 Rg

E円 山 口

ω

)

品とかにしばしばみられるように適切な時価の判定に困難を伴なう場合などが︑その一例である︒

このようにして︑時価評価は︑これが確実に入手できないため原価計算の正確性を確保する乙とができないと同

時に︑原価計算上の原価が支出価値から遊離するため原価計算上の原価と財務会計上の費用とが実質的に二元化す

る︒そのため︑この時価評価では︑給付原価計算と財務会計とを調整計算という計算過程を経ないでこれを百接的

に直結することができないという難点がある︒だが︑その反面︑原価財の一評価に時価が適用されることによって︑

ハ円他経営の原価と比較して経営能率の批判ができること︑白経営内部的給付を他部門ないし工程に時価で引き渡す

ことによって︑各部門の成果が別々に部分成果(吋巳芯片岡丘町)として測定できるため︑成果分割(伺え己

m ω

)

による分権的経営管理が可能となり︑経営態様の管理ならびに指導がで︑さること︑白最終生産物の価格設定目的に

役立つことなどの利点が原価計算に附与される︒

これは再調達価格(当目︒号丘g

ω

ω )

ともいわれ︑実質資本維持(円gZ

ωZ SH 2g

Z

)

の目的

に基づいて︑消費した原価財の補充時点において適用される価格である︒乙の再調達価値

( 当 日 ︒

品 ︒

t o ω

HMm凶 町 内 ロ

m ω

官 ︒

ω )

による原価財の評価という計算原則は︑シュマiレンバッハ教授の指摘されるように︑限界価値法則に基づ

く経営価値(消費日の時価)

の計算原則から新規に唱えられるようになったという関係にある評価理論である

(︿

m ‑ ‑ N

g

g

F

W‑w??0L

Uω

ω ω

ωムム・一土岐政蔵訳﹁原価計算と価格政策﹂︑二二頁参照)︒

(14)

この再調達日時価主義の理論的な論拠は︑原価財の評価に再調達価格を適用することによって白

企業の同業者との競争力を知ろうとするところにその意義を求めようとしている︒

これは︑実践的には︑給付計算をその時々の再調達価格をもって計算せんとするものである︒

では︑その経営が受注に際してヨリ高いかさもなければヨリ安い原価財を買わなければならぬといういわゆる市場

価格変動が前もって予想されていることがその前提となる︒どが︑再調達価格は︑これが客観的に正確に予測する

ことが困難であるので︑たとえ原価財の評価にこの評価基準が採択されたとしても︑それが理論的にも計算技術的

にも妥当すると考えられる場合はとく限られており︑事実上ほとんど不可能といわねばならない︒したがって︑

の評価基準が正確な予測のもとに適用できるのは︑例えば︑

消賀の瞬間に行なわれるとか︑ 受注と原料手配とが同時に行なわれるとか︑再調達︑か

いうならば時価と再調達価格とが一致する場合に限られる︒だが︑この場合といえ

ども︑先に述べた消費日の時価にみられるような難点が残る乙とはいうまでもない︒

実践的には︑販売日

原価計算における原価評価の研究

の時価(︿

R E ω ω

吋 ロ O

g

g m g t

23が比較的確実な計算基礎として与えられるので︑この再調達価格による評価

には通信﹁販売日の時価﹂が使用せられるが︑そこにはこれまで述べたような実務上の困難がある︒

計算価格としての経営価格

経営価格

32 55

5

2 )

には︑すべての経営内部的に決められるいわゆる人工的計算価格(向︒

ZF

5

︿

?

E H

m ω

ω )

ζれには︑固定価格・平均価格・規範価格・計画価格・補償価格・限界価格など

がある︒この経営価格は︑これを決定延準に基づいて分類すれば︑左記に掲げるように︑購入価格を基準として決

O

(15)

O

めるいわゆる﹁市価基準に基づく経営価格﹂と原価額を基準にして決めるいわゆる﹁原価基準に基づく経常価格﹂

とに分けられる︒

市価基準に基づく経営価格

ll

固定価格・平均価格

原価基準に基づく経営価格

ll

規範価格・計画価格・補償価格・限界価格

固定価格・平均価格

固定価格とは︑原価財の購入価格を基準にして︑一定期間通用する価格を原価財の評価基準として人為的に決め

られる計算価格である︒とのような計算価格が使用されることによって︑計算は一種の物量計算佑する︒したがっ

て︑固定価格は︑市場価格が非常に激しく変動し︑そのため財貨の消費数量の増減推移が反映されなくなった場合

とか︑あるいは計算がそのため混乱をきたすような場合︑外部からもたらされる市場経済の影響を排除するため

に使用される︒ここに︑この間定計算価格が原価財の一評価基準として使用される一つの理論的立場が存する︒この

固定価格は︑原則として︑過去の原価財の一定期間の購入価格を基礎として︑その価格の単純平均法ないし加主平

均法によって求められる︒このようにして求められた固定計算価格が原価財の評価に使用されることによって︑原

価計算における原価評価は︑単純化されまた迅速化される︒

規範価格・計画価格・補償価格

これらの借格は︑いずれもその原価額という原価基準に基づいて決定される人為的・人工的な計算価格である︒

したがって︑規範価格は標準原価︑計画価格は計画原価︑補償価格は正常原価といった具合にそれぞれの原価基準

によって決定される︒このようにして決定されるこれらの計算価格は︑特に︑経営態様(回ゆ件門戸

4 w σ ω

ω

)

(16)

管理に役立つところにその特徴がみられる︒

このため︑乙の計算価格は︑いわゆる生産活動の成果(﹀号ω伊

)

職能領域あるいは原価部

職能領域別あるい門における成果を別々に分離して算定されなければならぬような場合に使用される︒すなわち︑

は原価部門別に成果分割(明広三宮ω

‑ g

)

が行なわれなければならぬような場合に使用される︒そのため︑

れらの計算価格がその評価基準として採択されることによって生ずる部分成果(叶丘ぽ民己肉)は︑いずれの価格が使

用されたかによって︑原価財の消費能率(冨ω

口 問 ︒ ロ

向 ︒ σ ω

)

‑目標利益達成率・原価財の補償率を反映する︒

(

限界価格

限界価格は︑給付の総原価を記帳技術的費用分解法

(V

EH

F E

H H O

問 ︒

ω件 ︒ ロ

ω口 町 目

ωロ ロ

ωB)

ないし数

学的資用分解法

(

FO B

何回片山ωF

O 問 ︒

ω件 ︒ ロ

ωロ 巴

ωロ ロ

mω BE F)

に基づいて︑比例費と固定費とに分解し︑乙の

資用分解によって求められた比例賀を原価計算上の評価価格とする計算価格である︒このように︑乙の計算価格は

原価計算における原価評価の研究

前の規範原価・計画価格・柿償価格の場合と同じく︑原価額という原価基準に基づいて決定される人為的・人工的

計算価格である︒

4 eh '

p  

ここで注意すべきは︑この原価計算上の評価価格としての限界価格は︑価格設定目的

(同M

52

Z

(

2

ω σ ω }

向 ︒ ロ

Z F M N

2 W

)

とかのためにのみ求められるものでない

ということである︒むしろ︑この限界価格は︑生産を増大または縮少した結果が判断されねばならぬような場合に

適用される︒にから︑企業の操業皮調整に役立てられるところにその特徴が求められる︒すなわ

ち︑給付原価(平均原価)と限界原価との差額を求め︑その差額の大きさによって生産量の増減結果の適否を判断

しようとするものである︒この平均原価と限界原価との差額は︑次頁の図表ーからも分るように︑その企業にとっ

(17)

生産量 I総原価 I平均原価限界原価I状!百価変態

1000  20600 

1100  20600  18.73 

1200  20600  17.17 

固 定 1300  21 300  16.38  逓 減

1400  22100  15.71  逓 減 1500  23000  15.33  逓 減

1600  24000  15.00  10  逓 減

1700  25500  15.00  15  比 例 1800  28000  15.55  25  逓 増

1900  31.000  16.32  30  逓 増

2000  360001  18.00  50  逓 増

合 計

4000  2000  2000  50% 

80% 

66% 

57% 

1600  400 

nHU 

H

n J u

U

=

H

u

nHUFhJVFhu

.

1 o c  

一 一

占 山 防 山 九

︑ ︑ や

L

244rt}P4J

て最も有利な最適生産量(一︑七O

O単位)のときは最小(ゼロ)とな

り︑逆にその企業にとって不利な超

過操業(一︑八

OO

単位以上)ない

し不足操業(一︑六

OO

単位以下)

11 

のときにはその差額が次第に大きく

D 500  100  400 

なるという特性を利用して︑当該企

業の操業皮の適正化ないし正常佑を

計らんとするものである︒

だから︑超過操業の場合には受注

を断り︑不足操業の場合には受注す

るといった具合に︑受注の諾否を判

断したり︑またこの限界原価が部門別に定められている場合には︑作業割当の合理化を計るために︑

C 900  300  600 

不足操業とな

っている部門へ受注品の製造を振向けて各部門間の操業皮の調整を計ったり︑さらには利益計画の樹立に役立てら

いま一つ︑右記の図表Eにみられるように︑

には︑その各給付の限界利益率を求め︑

A品 B品

売 上 高 (V) 1. 200  1. 400 

限 界 原 価 1000  600 

限 界 利 益 (p) 200 

限界利益率(与)17% 

当該企業において︑多数の種類の給付が製造されているような場合

これを指票として給付の生産計画の種類とその組合せを行なったり︑また

800 

参照

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