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設計生産工学科建設コース高西照彦

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(1)

卵形消化槽側壁の地震時応力解析

(昭和63年5月31日 原稿受付)

設計生産工学科建設コース高西照彦

九州共立大学工学部土木工学科小坪清真 設計生産工学科建設コース多田 

日本鉱業KK(元大学院生)田中英紀

Stress Distributions in the Wall of Egg−shaped   Sludge Digester Tank during Earthquake

       by Teruhiko TAKANISHI

      Seima KOTSUBO       Hiroshi TADA       Hidenori TANAKA

Abstract

  Egg_shaped sludge digester tank is subjected to the static pressure of contents and the self−

weight at all times and experiences dynamic water pressures in the cases of impulsive condition and sloshing and inertia force of the tank during earthquake. When each one of the forces was applied to the tank wall, the deformation of and the stress distributions in the tank wall were calculated by two kinds of method. One is a axi−symmetrical finite element method employing shell elements and the other is that employing solid elements. It was revealed that the results obtained by these two kinds of method agreed well each other, although the magnitudes of the deformation of and the stresses in the tank wall obtained by the former method were a little larger than those of the latter.

When the static pressure of the contents and the impulsive dynamic water pressure were applied to the tank wal1, the deformation of and the stresses in the tank wall were relatively large compared to those in the cases of receiving the other forces.

    .      外荷重を受けると消化槽は弾性変形を生じると共に槽側  1.まえがき

       壁に内部応力が発生する。

 著者等は前論1)において,卵形消化槽内容液の地震時    現在までに,卵形消化槽側壁の地震時応力について論 動水圧を容易に求めることができる近似解析法を提案し,  じた論文はその数があまり多くないようである2)〜7)。

この方法に従って卵形消化槽壁面上の動水圧を算出した。  PC卵形消化槽側壁の応力解析を行う場合,通常,消化 そして動水圧の大きさ及びその分布形状について論じ,   槽を軸対称シェル構造物とみなして,シェル要素を用い さらにこの壁面動水圧とその合力の着力点とを簡便に得   た有限要素法による解析がなされている。一般にシェル ることができる計算図表を作製した。      理論においては,曲率半径に比べてシェルの板厚が十分  前論1)においては,卵形消化槽それ自体は剛だと仮定  に小さいという仮定が採用されており,板の垂直せん断

したが,厳密には消化槽はプレストレストコンクリート  応力によるせん断変形についてはこれを無視した解析が から構成された弾性体であり,従ってそれが動水圧等の   なされている。卵形消化槽(図一1参照)についてはそ

(2)

φ4.

99 柔ラ授

0.35

這8

18.26 0.39

N

5

器 4 側壁

\ 3,935

N Φ 膨

⑱ リング基

ト ⑦

寸 底版

o 一

這巡ワ      /二上万、∨ ・

1       ./      τ \

       1  _   ゴ

       i 五、ω・

       ソ

     039       z

       43g35  側壁      図一2 シェル要素解析における        1       全体座標系と変位成分

       リング基礎       の慣性力とをそれぞれ外荷重として消化槽に静的に加え       ることによって槽側壁の断面力を求める。

       前段階の卵形消化槽の地震応答計算については,既に       それは実行されており,計算結果が前論(文献(8))に示       図_1 PC卵形消化槽(単位m)       されているので・本論ではその結果を利用して後段階の       槽側壁の断面力を求め,得られた断面力に関して2,3 れが外荷重を受けた場合,槽側壁とリング基礎との接合   の検討を行うことにした。

部において応力集中が生ずる可能性力ぎあるがこの接合 @3.シェル要素を用、、た解析

部においては側壁の厚さが比較的厚く,それは必ずしも

槽半径に比べて無視できるほど薄いとはいえないようで    本論で採用した軸対称シェル要素を用いた有限要素解 ある。       析法について簡単に述べる9)。

 本論では,まず図一1に示すような卵形消化槽が種々    3.1 全体座標系における変位と外荷重

の外荷重をうけた場合について,槽側壁を軸対称シェル    まず,軸対称シェルを図一2に示すように円錐台要素 要素から構成された構造物にモデル化した場合と軸対称   に分割した。この場合,要素間の境界は円となる。いま ソリッド要素から構成された構造物にモデル化した場合   境界円ゴ上の変位及び外荷重を次のように定義する。

のそれぞれに対して,有限要素法による解析を行って,     _ _ __

      ば、={叫万 ωεβ,}T       (1)

槽側壁の断面力の大きさ及びその分布形状を求め,両者    _ ____

の糸課を比較して,前者によるモデ,レ化の妥当性にっい  τ・=肌M・蜘丁     (2)

て検討を加えた。さらに種々の外荷重によって生ずる槽    ここに,孤,y は変位と外荷重の鉛直方向成分,瓦,

側壁の断面力の大きさ及びその分布曲線の特徴について   T、は同様に水平面内円周方向成分,葡・,H・は水平面 論じた。      内半径方向成分を表す。また,β、,M・は経線に沿った       断面の〃 軸まわりの回転角とモーメントを表している。

2・槽側壁の地震時応力解析手法    上付添字Tlよ行列の転置の記号である。

 卵形消化槽側壁の地震時における断面力を厳密に求め    軸対称シェルが任意の分布形状を有する外荷重を受け るためには,槽の弾性変形を考慮した卵形消化槽一杭一   る場合が取り扱えるようにするために,境界円上に加わ 地盤系の地震応答を計算しなければならないが,それは   る線荷重を角θのフーリエ級数に展開して表すことにす 非常に繁雑である。そこで本論ではこれを二段階に分け   る。次数ηの荷重項について考えれば,式(2)の外荷重 て計算することにした8)。まず,消化槽を剛だと仮定し  は次式のように書くことができる。

て卵形消化槽一杭一地盤系の地震応答を計算し,消化槽     _  _

      、        z=Cπちπ       (3)

の最大応答加速度と槽内容液が槽壁面に与える衝撃圧及

びスロッシング圧の最大値とその分布形を求める(こご   ここに,

(3)

  _  _ _ _ _       のように表せば,要素座標系と全体座標系との関係は,

  f切=臨丁仇臨脚    

(5) @座駿換マトリクスλを用いてそれぞれ次式のよう1こ

 外荷重が式(3)のように表されれば,式(1)の変位につい   表わすことができる。

てもそれは同様な形で表すことができる。       −

      dl =λ¢1        (13

  d =Cπ〔ちπ      (6)      れ=λ瓦       (1φ

ここに・d詞臨砺砺β仇}τ

@  (7) なお誠ぽについても,それぞれ式(、)及び式(、)と同

 式(3),(6)でη=0とおけば,軸対称荷重問題を取り扱   様な式が成り立つ。

うことができ,η=1とすれば軸逆対称荷重問題を取り   即ち 扱うことができる。

      dz=Cη叱η, dm={μ ητ戊、πω仇β π}T        (15)

 3.2 要素座標系

図一3に示すように,シェル要素の中央面上に要麺  ち=脇・塩=幅塩臨臨}T  ( θ

標(s,θ)を選び,この面上の変位を次式で定義する。    また,図一3(a)を参照すれば,d、は式(8)において       8=0としたときの変位ベクトルμ1。。。と等しい。

  μ={μoωβ}T      (8)

       3.4ひずみと変位の関係

 ここに,μは母線方向の変位成分,oは水平面内円周    円錐台シェル要素の中央面のひずみと変位の関係式は 方向の変位成分,ωは曲面の法線方向の変位成分,β   次式のように表すことができる。

は母線の回転角である。

      ∂μ  全体座標系の場合と同様に,変位成分ベクトルについ     εs=∂8

      句一÷箭+÷(ω・・S・+・si・・)

て   μ=Cημη      (9)

  ・・一』姻・    ・o 』一÷晋+芸一s≒α・

とおく。      ∂2ω  3.3 座標変換マトリクス       κs=一∂82

 要素座標系で表した境界円i上の変位成分ベクトルと        1∂,ω cos.∂u sin、∂ω 外荷重成分ベクトルを,次式       κθ=−7∂θ2+ 〆 −5i「 γ 示

  d由、・、ω、β、}7      ⑪  。__⊥∂2ω+・i・・迦

       γ ∂8∂θ    γ2  ∂θ

  τ・一{y・T・HM・}T       (1カ     1 c。s。∂ sin。c。s。

      +一…「γ否一 γ・ u        lVぷ

(1カ

      T      の関係式を用いて定めた。

  (∋ 要素座標系と変位成分    (b>応力の定義

      ∂ωπ

図一3 シェル要素解析における要素座標系         βπ=百言      (18

    と応力成分

(4)

 したがって,要素内変位はα、,α、,…,α、を未定係

数として次式のように表すことができる。

ここに,σ={」V。1V,1V。θM。M,M。θド    ⑳

       Sym.     ん〜/12  0

ここ↓こ, ξ==8/Z        (2◎

      (1一のん、2/12 いま,式(19に要素内の境界円上における変位に関する

境界条件       上式で,Eは縦弾性係数,レはボアソン比,ん、は       シェルの厚さである。

  μ。1ξ.。=dε。

      ¢1)   3.7 要素剛性マトリクスとカの釣合方程式

  凶ξ.1=膨。

       要素の剛性マトリクスは,仮想仕事の原理を用いて,

を適用し,未定係数α。ぽニ1〜8)について解くと,要   要素内における釣合条件式 素内の変位分布が境界円上の変位を用いて,次式のよう

に表される.        ∫㌔臨+脇)dθ一∬T・励・d・(・⑨

  μη=ハ1 ㎡Zn十珊d」η      ⑳

      を導くことによって求めることができる。上式に式⑮,

 ここに,瑚,凡は無次元化座標ξと要素の母線の長   (1θ,㈱,㈱を代入した後,多少の演算を行って整理すれ さZ が与えられれば定まる4×4の行列であり,行列   ば,要素の剛性マトリクスπ.および力の釣合方程式が の各要素はξの高々3次の代数式から成っている。    得られて次のように表すことができる。

 3.6 ひずみと応力の関係式

       γ れπ    d η

 式(8),(9),㈱を式(1カに代入すれば,要素中央面のひず         一κ.       ⑳        γぴ5η    d」η

みが要素座標(8,θ)を用いて表される。

      1【、 κゴ

  ε=&(B d η十B」ば」π)       ㈱     κ.=      β1)

      κ〃 」1もノ

  ここに,ε={ε。ε,ε。θκ。κ。τド      ⑭

sπ=

COSηθ

cOSηθ      O    sinπθ

      COSηθ

o         cOSηθ

sinηθ

      塩一中辺且・dξ

      疏一瓦H∫BrD胴ξ

㈱ 存ψrD島・dξ

 次に,全体座標系を用いて表した要素の剛性マトリク スと力の釣合方程式は,式⑬〜⑯を用いて次式のように  B ,B」は図一3(a)において,要素の形状と大きさを   書くことができる。

表すα、,Z、,ア、,7」と次数π及び無次元化座標ξが与え      _    _       γz zη  _        d仇

られれば定まる6×4の行列である。       _  =κ._      (33       γノ」π    d」π

 要素内の断面力を図一3(b)のように定義すれば,等方

性薄肉シェルに対するひずみと応力の関係は次式のよう    _  1ζ

       κ。= _  _       ⑭ に書くことができる。       κ」 κ〃

σ=Dε       ⑳

(5)

_       の変位ベクトル,σP(8)は槽内壁に働く軸対称な静水圧

 さて次に,式⑬の釣合方程式を各要素について求めて,  と表される。ここにgは重力の加速度である。

それらをすべての要素について重ね合わせれば,全体系   式⑰と式(8),(9),⑫を用いて,∫要素が静水圧を受け

(軸対称シェル構造物)に対するフーリエ展開次数η   た場合について,全体座標系で表した等価境界円上外荷 毎の釣合方程式が,次式のように得られる。       重を算出すると

隠㌶㌫∴_次二隠;:1:蕊1蒜蒜…G9

対する各境界円上の変位ベクトルdを求めることがで  が得られる。ここに,

きる。dが得られれば,これを用いて式⑬から各要素の

境界円上の応力を定めることができる。    α1=晒/15+(rδ」十z 」)/12+4/15

      α2=11ア ゴ之 」/60−3(γ、」十z、5)/20十1/5

銑8 A等価境界円上の外龍

@     一晒/15+(γ 」十Zz∫)/、2+1/、5  ㈲

 卵形消化槽に働く静水圧,槽の自重,槽の慣性力,衝

斑,ス。。シング圧等の外荷重はすべて分布樋であ …一晒/3°一(耐刷6°−1/・・

る。有限要素法を用いた応力解析を行う場合,式㈹ある     γ〃=ぴr ,zu=z/z        ㈲ いは⑬で示したように,外荷重はすべて境界円上の荷重

として与えなければならないので,上記の分布荷重はこ    3.9 槽最下端部における要素の取り扱い方

れを等価な境界円上の荷重に変換することが必要となる。   図一1の卵形消化槽をシェル要素を用いて解析する場 本論ではこの等価境界円上外荷重を「要素が式②で与え  合,図一5(a)に示すように,槽の最下端部を含む要素に

られるような仮想変位を生じたと仮定したとき,等価な   おいてγ加,=0となる。ところが,式⑳のひずみを表す 境界円上の外荷重によってなされる仕事と分布外荷重に  マトリクス民,B」中には1/〆の項がふくまれているの よってなされる仕事とが等しくなる」ように定めた。    で,このため式⑳の要素剛性マトリクスを定めることが  例えば,外荷重が静水圧のような表面力である場合に   不可能となる。これを避けるために,本論では槽最下端

は(図一4参照)      部(図一5(b)の斜線をつけた部分)を切取った。そして,

      このようにしたために生じた開孔部の縁を形成する境界

  ズπ(d∫ 『ア 十〇『:君γ」)dθイπズ・ ・噺d・d・, 肚の変位ベクトル編(式(・))に文寸して

       (・)軸対称荷重が加わるとき(π=0)

       (η=0)  βカ

によって等価境界円上外荷重罷償求めることがで  砺=β・・=°      幽

きる。ここにμ。は式②において次数ηを0としたとき   (i・)軸逆対称荷重が加わるとき(η=1)

百抗。=0,万励=一花励o       (43

Z・「

@ M       の境界条件を課した。

」−M昆@    、㎏〃−1、Lグ1

   z         戊%       m       m

       m+1      1

       倒      (b)

図一4 等価境界円上外荷重と

   槽側壁に働く分布荷重      図一5 槽最下端部におけるシェル要素

(6)

4.ソリッド要素を用いた解析       臨

σ3

@ τsθ

 軸対称構造物のソリッド要素を用いた有限要素法解析      θ 凡_   ζ        じ 

については,前章のシェル要素を用・・たそれと用いる要   ゜幅・ 「

素の違いを除けばその解析手法はまったく同じであるか      肱        、/・・

∵⊇篤㌫灘≧::㌫   ・▲①

方がよいと思われる2,3の事項を挙げるにとどめるこ       竺㌧,ニー       グ   

とにする。       プレニ」

       九,

 4.1座標系,節点及びその変位成分

 ソリッド要素を用いた解析において採用した座標系と      図_7 ソリッド要素に働く応力と断面力 節点及びその変位成分を図一6(a)に示す。またソリッド

要素としては図一(b)に示すような8節点のアイソパラメ

トリ。ク要素を採肌た。      碗一丁(σz十σグ)+丁(一)・・s・・+后・i・2・㈲

 4.2断面力の表示       .

      τ8θ=一τ之θCOS〜o一τグθSln〜o      (46)

 ソリッド要素を用いた有限要素法解析を行った場合,

結果として要素内の応力分布が得られることになる。こ   の関係を用いて算出することができる。また,式⑭中の れを前章のシェル要素解析で得られた結果と比較するた   各式の値を求めるには,ソリッド要素の内挿関数を用い めには,前者の応力分布を用いて要素の断面力を算出し   てその積分計算を実行すればよい。

なければならない。本論ではこれを次式によって求めた。   4.3等価節点荷重

図一7の記号を用いれば       ソリッド要素解析の場合についても,槽側壁上に加わ       る分布外荷重を等価な節点荷重に置換して,これらを要

凡一∫1:二:繊咋∫1:;≧dζ

凡一∬:二:砺dζ・祐一∫1∬:砺ζdζ

輪一一 轤P:二:砺dζ・輪一一∫1:;:砧ζdζ

    素を構成する各節点に節点荷重として加えた。

     等価節点力は既に3.8で示したように,シェル要素解

⑭   析の場合とまったく同じ考え方に従って求めた。

     例えば,外荷重が自重にもとつく慣性力のような物体     力である場合には,図一6を参照して各要素の等価節点     力躍を次式によって求めることができる(慣性力は逆 と表される。図一6(a)において,円柱座標を用いたソ   対称荷重であるから,展開次数ηが1のときを採用す

リッド要素の応力をσ。,σθ,σ。,τ。θ,τ。。,τ。θとすれば,  ればよい。)

咋偏は図一7を参照して

@   隠蠕鋤一ぴ馳之・)一乱

       (γ1=1)     (47)

       ここに,臨及びμ『はそれぞれ節点κ及び要素内任意       点におけるγ,z,θ方向の次数η=1のときの変位ベク        

      4ドξ  トル・ピ蝉位体積当りの側生力で・これらは獄の       617 8       ように書くことができる。Ωは要素の面積である。

      z   ω      dκ={μκuκωκ}T      ㈲

   ぽ欝㌶分…8節点…ド・・   。H。w}・      ㈲

図一6 ソリッド要素解析における全体座標系       q・={_γ,φcosθ0γ.φsinθ}・       (50

    と変位成分および要素座標系

(7)

γ。は要素の密度,φは要素に加わる加速度である。    と表される。そこで,共通節点2におけるシェル要素の 式⑭の演算を行うと       回転角β,として上式の平均値

C−{σ、γ。醐・        6D  島一(β12+β、3)/2        ⑭

とおいて      を採用することにした。式⑭を整理すれば,共通節点2       ..      におけるωとβとの関係式が次式のように得られる。

      結局,回転角β,に,上式で表される条件を加えるこ が得られる。上式で,Nκは節点〃の内挿関数, IJlは   とによって,共通節点2において近似的に両要素の変形 図一6に示す(γ,z)座標系と(ξ,η)座標系との間のヤ   の整合性が保たれるようにした。

コビアンである。      −        6.数値計算

 5.槽側壁とリング基礎との境界における      _

      解析の対象とした卵形消化槽を図一1に不した。槽は,

   変形の整合

       直径0.6m,長さ10.7mのPC杭76本によって支持され  図一1に示すような卵形消化槽の応力解析をシェル要   ている。上層地盤の厚さは10.7mであり,その密度は 素を用いて行う場合,リング基礎についてはこれをソ  1.6t/m3,せん断弾性定数は8000kN/m2である。図一1

リッド要素を用いてモデル化した。したがってこの場合   に示す卵形消化槽一杭一地盤系に対して,入力地震波と には,槽側壁(リング要素)とリング基礎(ソリッド要   してTaft地震波記録を用い,基盤での最大入力加速度 素)との境界において相異なる要素が接していることに   を175Galとして地震応答計算を行った結果,リング基 なる。式(19と式㈲とから明らかなように,シェル要素の   礎部において350Galの最大応答加速度が得られた(文 節点変位ベクトルの構成要素とソリッド要素のそれとは   献(8))。

互いに一対一に対応していないので,このような場合,    槽側壁の応力解析に対する外荷重としては,常時荷重 図一8に示す両要素の共通節点である節点2に対しては,  として槽の自重と静水圧,動的荷重として自重にもとず その変位ベクトルに関して特別な考慮が必要となる。本   く慣性力及び内容液による衝撃圧とスロッシング圧の合 論では,対応する要素をもたない回転角要素βについ  計5種類のものを取り上げた。動液圧の最大値とその分 ては次のように取り扱った。図一8において,線分12  布形は上記の地震応答計算結果を参考にして,図一9に 及び23の変形後の回転角をそれぞれβ12,焼、とすれば,       水圧(んPα)

      20       40        0それは近似的に

::二:二伽   ⑬  ∴

      ,三、1°

        Q −一一一変形前       

     シェル要素1 一変形後      15        ん, 1β2ん

     φ.一一一一2し…歳聴ぱ        ,。

メい勒

φ β・ 2 甲

1

占一

      ト

 ソリッド要素  1      25

−_−

?│一一一一め

//

      O    lOO   200   300

      水圧ぽPα)

      図一9 槽内壁面上に作用する 図一8 シェル要素とソリッド要素の接合部      静水圧及び動水圧分布

(8)

示すものを採用した。既に2.で述べたように,慣性力,     .

       7.計算結果及び考察 衝撃圧,スロッシング圧の3種類の動的な外荷重につい

ては,これらの最大応答値を槽側壁中あるいは槽内壁面    数値計算によつて得られた結果の一例を図一12,13に 上に静的に加えることによって,槽側壁の断面力を算出   示す。

した。      図一12(a),(b)は,消化槽内壁に外荷重として内容液に  数値計算で採用した諸定数値は,消化槽については槽   よる静水圧及び衝撃圧がそれぞれ加わった場合に対する 壁及びリング基礎の縦弾性係数3.185×1010N/m2,ポァ   シェル要素解析の結果とソリッド要素解析の結果とを比

ソン比0.167,密度2.5t/m3,内容液については密度1.05  較したものである。同図から,外荷重が静水圧の場合あ t/m3,水深26.8mである。      るいは動水圧の場合のいずれの場合についても,両者の  解析は,図一1に示す消化槽からスラジボケツト等の   解析結果がよく一致していることがわかる。その絶対値 付属物を取り去って,これを軸対称構造物に理想化した   の最大値についてみると,静水圧の場合は変位において 構造物について,シェル要素解析とソリッド要素解析の

1 3

2通りの解析を行った。数値計算で採用した要素数は,      ① シェル要素解析に対しては図一10に示すように,子午線

に沿って58,ソリッド要素解析に対しては図一11に示す ように子午線に沿って25である。また,リング基礎に対

しては両解析に共通にこれを8個のソリッド要素に分割      4648 した。構造物の支持条件としてはリング基礎底面固定の        κ:節鰭号

条件を採用した。本論中でその解析解を求めることが困        ④:要素番号 難な積分については,ガウスの積分公式を用いて数値積

分を行った。その際,5点法を採用した。

       ヨ へ 1       \13㌘ σ

⑨       ⑳

       ⑳

      \        162        164

κ:節点番号

①:要素番号

図一11 ソリッド要素解析における要素分割

外一一一一ソリソド要素

側      外、

引 張

1、。       賦   ㌍1

⑤45 ヒ      鵬ん=L°5t/㎡  〃

80 @⑧=76       z

   ⑯    97      (∋ 静水圧の場合

      図一12 シェル要素解析とソリッド要素解析 図一10 シエル要素解析における要素分割      の比較

(9)

       ノ

       変位       〃変位  ・、

       〆         \、

       、、

      ノ      へ

      _シェル要素      

外/       、

     眺三㌶1  裂趨三鋼・橿

        変位トー 3mm       \1      ・

      凡         \IWん.1.。5、/。・ 〆N・

      地震力夢=350Gal       一品。      〆

         ㍊一1一  凡       ・

      1      \2

      i      、。,静水圧。場合

      飼衝撃圧の場合       図一13 シェル要素解析    図一12 シェル要素解析とソリッド要素解析

       の比較

       変位/

      / 約2%,円周方向軸力1Vθにおいて約8%だけ,衝撃圧         /

の場合は変位において約3%・N・において約5%だけ   /

      

ここでは示さなかったがこのことは上記以外の外樋   裂1 −−1…kN・・

が作用した場合についても全く同様なことがいえる・   1・位一→・mm

いずれもシェル要素解析の場合の方が大きくなっている。      外/      外

       M卜一一  300kNm/m     I

       ; 本計算例においては,卵形消化槽が静的及び動的外荷        ]      ノ

引 張

重を受けた場合に生ずる槽側壁の変位及び罐断面力に  ㌧   ㌧洗

関して,シェル要素解析の結果はソリッド要素解析の結        ・ 炉25t加、

果に比べて一般にわずかに大きい値を与えるが,両者の 結果はいずれの場合にも互いによく一致しているといえ

る。

       (b)自重の場合  上記のことから,卵形消化槽が静的及び動的外荷重を   、

       図一13 シェル要素解析 受けたときの槽側壁の応力分布を求める場合,槽側壁を

シェル要素に置換して有限要素法解析を適用することの

妥当性が得られたと考えてもよさそうである。       ノ  図一13は外荷重として,内容液による静水圧,槽の自       /変位

重,自重にもとつく慣性力,内容液による衝撃圧,ス         ,

       ヤ

・・シング圧がそれぞれ作用したときの槽側壁の変位及   外      、外

び各種断面力の分布を,シェル要素解析によって求めた       ↑1      、t¶

      張   ∫Vトー一一→1000kN/m  

l張

結果を示したものである。同図から,静水圧及び衝撃圧

       ・仁二酬m/m;

による側壁の変位及び断面力が,他の外荷重によるそれ       ,        ノらと比べてかなり大きいことがわかる。特に静水圧に対      地震力6−350Gal !       M。  一  →   /

しては円周方向の軸力1V,が大きく,その最大値はリン       〃,       凡 N・

誉ぽ爵慮な∵蔑㌫㌫蕊   1

生じている.これはこの部分に大きな静水圧が作用して     1

いることと符合している。衝撃圧に対しては側壁の変位       (c)灘力の場合 が比較的大きいこと,また1V。がリング基礎との接合部         図一13シェル要素解析

(10)

   ・位/       れに応じて槽側壁の変位及び断面力はその符号が時間的

   /      に変化することに注意しなければならない。

  ノ

 /         〉      卵形消化槽には槽側壁とリング基礎との接合部のよう

 び

ll紅鋼。1 :1己:1㌫漂:㌶㌶㌶

      ノ      れる。

 \

       1V81

W当叉%  8・おわりに

         

        1      本論では卵形消化槽が静的及び動的外縫を受けた場

        1

外 側 引 張

      1      合に生ずる槽側壁の変化及び各種断面力を,それぞれ       シェル要素を用いた有限要素法解析とソリッド要素を用    (d)衝撃圧の場合      いた有限要素法解析とによって求めた。得られた結果を 図一13シェル要素解析      まとめると次のようになる。

       (1)シェル要素解析とソリッド要素解析の結果を比べ  変位 ,       ると,一般に前者の方がわずかに大きな値を与えるが       両者の結果はいずれの場合にもよく一致している。

       (2)槽側壁の変位及び断面力は静水圧あるいは衝撃圧       が加えられた場合の方が他の外荷重(自重,自重にもと        勧       つく慣性力,スロッシング圧)が加えられた場合に比べ

  /Vトー一一斗1000kN/m      引

  〃トー」300kNm/m  張      てかなり大きい。

 変位ト   2mm

       (3)底版における変位及び断面力の値は静水圧が加わ    地震力6−350G。1       る場合を除けばいずれの場合も非常に小さい。

        

㍍    批    

(4)槽側壁とリング基礎との接合部では比較的大きな      1       断面力が生ずる。

(e)ス巧シング圧の場合      参考文献

       図一13 シェル要素解析      、

      (1)小坪清真・高西照彦・吉岡民夫・■野清:卵形消化槽中の        内容液による地震時壁面衝撃圧の一解法,土木学会論文集,

で最大値をとること,1Vθはリング基礎の少し上でその    第356号/1−3,1985.4.

符号が変わること等がわかる。      (2)片桐晃 古清孝・山本徹:PC卵形消化タンクの耐震性の

   .      検討,第40回土木学会年次学術講演会1,1985.9.

 曲げモーメントについては・いずれの場合にも子午線   (3)清水勝美・時田秀住・田蔵隆:PC卵形消化槽の動的解析,

方向のそれ(ルfs)の方が円周方向のそれ(M。)より大きく,   清水建設KK技術研究所,1986・3。

これらはいずれもリング基礎との接舗で最大となって (4)の㌶纂鷲‡黒覆議頴講㌘傾

いる。       (5)小坪清真・高西照彦・多田浩・卵形消化槽側壁の地震時応

 静水圧を受ける場合を除けば,いずれの場合について    力解析・土木学会西部支部研究発表会論文集・1988・3・

      (6)清水勝美・田蔵隆・若原敏裕・時田秀住:PC卵形消化槽 も底版部における変位及び各種断面力の値は非常に小さ    の地震応答特性,土木学会第41回年次学術講演会1,1986.11.

い。      (7)吉田作治・山下博・中田穂積・片岡晃・河合宏之:横浜市        における卵形消化タンク(2),下水道協会誌VoL 22, No.250,

 本論では,外荷重はすべて槽側壁に静的に作用するも    1985.3.

のとして,それぞれ外荷重別に槽側壁の変位及び断面力   (8)小坪清真・高西照彦・多田浩・田中英紀:卵形消化槽の地

を求めて図示した.しかし,実際にはこれら外糎のう ㌻㌘解酷土木学会西部支部研究発表会論媒

ち動的なそれは時刻によってその位相が変わるので,そ   (9)川股重也:シェル構造解析,培風館,1974.

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