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(高齢者胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術の検討)

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Academic year: 2021

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(1)

学位授与番号:乙 3227 号 氏 名:藤﨑 宗春 学位の種類:博士(医学)

学位授与日付:平成 30 年 7 月 11 日

学位論文名:

Laparoscopic gastrectomy for gastric cancer in the elderly patients.

(高齢者胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術の検討)

学位論文審査委員長:教授 猿田雅之

学位論文審査委員:教授 柳澤裕之 教授 炭山和毅

東京慈恵会 医科大学 電子署名者 : 東京慈恵会医科大学 DN : cn=東京慈恵会医科大学, o, ou, [email protected], c=JP 日付 : 2018.12.14 16:40:41 +09'00'

(2)

論 文 要 旨

氏 名 藤崎 宗春 指導教授名 矢永 勝彦 主論文

Laparoscopic gastrectomy for gastric cancer in the elderly patients.

(高齢者胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術の検討)

Muneharu Fujisaki, Toshihiko Shinohara, Nobuyoshi Hanyu, Susumu Kawano, Yujirou Tanaka, Atsushi Watanabe, Katsuhiko Yanaga.

Surgical Endoscopy. 2016; 30: 1380-1387

要旨

【緒言】

近年,人口の高齢化と腹腔鏡下手術の発達に伴い高齢者に対し腹腔鏡下胃切除術を施 行する機会が増加している。本研究では高齢者に対する腹腔鏡下胃切除術の安全性や認 容性を評価し、術後合併症の危険因子を検討することを目的とした。

【対象と方法】

2007 年 1 月から 2014 年 7 月まで胃癌に対し腹腔鏡下胃切除術を施行した 193 例を 75 歳以上の高齢者群 70 例と 75 歳未満の非高齢者群 123 例に分けて患者背景因子,手 術成績,術後短期成績につき後ろ向きに検討した。

【結果】

患者背景因子は性別、 BMI、Charlson comorbidity index (以下、CCI) で両群間に有 意差を認めず、ASA スコアのみ高齢者群で有意に高値であった (P = 0.018) 。手術成 績では高齢者群において胃全摘の割合が多かったが (P = 0.045) 、手術時間、出血量、

郭清度で両群間に有意差は認めなかった。術後短期成績では経口摂取開始時期、平均術 後在院日数で両群間に有意差は認めず、 術後合併症 (Clavien-Dindo 分類 grade II 以上) は高齢者群 8 例 (11.4%) 、非高齢者群 10 例 (8.1%) に認めたが両群間に有意差は認め なかった。患者背景因子や手術成績から術後合併症の危険因子に関して単変量解析およ び多変量解析を行ったところ CCI (P = 0.034) 、 ASA スコア (P = 0.019) 、術中出血量

(P = 0.016) が独立した危険因子として同定された。

【結論】

高齢者に対して腹腔鏡下胃切除術は安全に施行可能であった。年齢は術後合併症の

危険因子とならず、患者の全身状態を示す CCI や ASA スコア、また術中出血量が術

後合併症の危険因子となる可能性が示唆された。

(3)

学位論文審査結果の要旨

藤崎宗春氏の学位審査論文は、日本語で「高齢者胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術の検 討」と題し、外科学講座消化器外科の矢永勝彦(やなが かつひこ)教授、羽生信義(は にゅう のぶよし)客員教授、篠原寿彦(しのはら としひこ)先生のご指導による研 究で、 Surgical Endoscopy に 2016 年 7 月に掲載されたものに基づきます。 2016 年の 同誌の impact factor は、3.747 です。

論文の要旨と藤崎宗春氏の略歴は、お手元の iPad の資料をご覧下さい。

本学位審査に際し、平成 30 年 5 月 30 日に、柳澤裕之(やなぎさわ ひろゆき)教授、

炭山和毅(すみやま かずき)教授のご臨席のもと、公開学位論文審査会を開催致しま した。

まず藤崎宗春氏によるプレゼンテーションが行われ、その後、口頭試問が行われまし た。席上、 1)高齢者の定義はどのようにきめたのか? 75 歳で区切っているが、 65 歳 未満の患者数、 65 歳〜 75 歳未満の患者数、 75 歳以上の患者数のそれぞれどれくらい登 録しているのか? 2) 2010 年以前と以後で、術式が少し異なるようだが、成績差など 影響はないのか? 3) 50ml の出血がリスクとされているが、 50ml の出血とは何か意味 があるのか? 4) 今回の結果から今後の手術適応などがかわるのか? 5) 90 歳以上の ような超高齢者の手術に対する考え方も変わるのか?今回の検討には何人くらい入って いるのか?などの多数の質問や指摘がありましたが、藤崎氏は何れに対しても、自身の 実験データや文献による検討結果を交えながら的確に回答しました。

本論文は、高齢者胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術は安全に行えることを示し、さらに 安全に行うためには術前の患者状態を正しく評価することが大切であることを示し、実 臨床に直結する重要な検討であることを示すものとなりました。この点を高く評価し、

慎重な審議の結果、学位請求論文として十分価値のあるものだと認めました。

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