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スマートシートベルトバックルによるドライバ呼吸モニタリング

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Academic year: 2021

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愛知県立大学情報科学部 平成30年度 卒業論文要旨

スマートシートベルトバックルによるドライバ呼吸モニタリング

情報科学科 大溪 紘平 指導教員:小栗 宏次

1 はじめに

近年,ドライバの状態に合わせた運転支援システムが開発さ れており,そのためのドライバ状態モニタリングに関する研究 が数多くなされている.様々センサが使用されているが,シー ト座面のセンサから呼吸情報を計測する方法は座るだけで計測 が可能でユーザビリティが高く,直接接触することで安定した 計測を可能にしている

[1]

.本研究では座面のほかにも常にドラ イバに触れているシートベルトに着目し,スマートシートベル トバックルによる呼吸計測について検証し.運転中動作の影響 についても調査する.

2 スマートシートベルトバックル

「スマートシートベルトバックル」はシートベルトのバックル にセンサデバイスを組み込んだシステムであり,バックル内部 の圧力センサにより,ベルトのテンションによって生じるセン サへの圧力を測定する.ドライバがシートベルトを装着してい るとき,呼吸筋の動きにより体幹部の周囲長が変化しそれに伴 いベルトのテンションも変化するため,呼吸を計測することが できる(図

1

).シートベルトを装着するだけで呼吸が計測でき るためユーザビリティが高く,人体に直接触れる部分のため,他 の非接触のセンサより外乱の影響を受けにくいと考えられる.

圧力センサ

バックル タング

バックル

ルト

呼吸による変化 バックルに加わる力

シート背部

1 バックルによる呼吸計測

3 評価実験

3.1

静止状態での評価

静止状態での呼吸計測を検証することを目的として,ドライ ビングシミュレータ

(DS)

での実験を行った

.

被験者は

8

名でバ ンド型の呼吸ピックアップを装着して運転席に座り,シートベ ルトを着けて呼吸ピックアップとシートベルトバックルの信号 を生体信号収録器

PolymateV

で記録した.被験者には実験中ス テアリングを両手で持ち,ペダル操作をしないで前方を見るこ とを指示した.記録したデータから呼吸検出率を算出して静止 状態での呼吸モニタリングを評価する.

3.2

運転時の評価

運転中はステアリングやペダルの操作など様々な動作があり,

体幹部の動きを捉えるシートベルトバックルのセンサはこの影 響を受けると考えられる.運転中の動作の影響の中でどれだけ 呼吸が検出できるのかを調査するため,

DS

での実験を行った.

被験者は

8

名で静止状態と同じくセンサをつけて運転席に座り,

2

つのコースを運転する.ひとつは,大きな動作が表れないと思 われる緩やかなカーブと勾配を含む高速道路で,もうひとつは

信号停止や交差点右左折などのイベントが発生する市街地走行 コースである.呼吸ピックアップから得られたデータとスマー トシートベルトバックルから得られたデータを比較し運転動作 中にどれだけ呼吸が検出できるかを評価し,また,運転動作がど のように影響するのか調査する.

3.3

結果

記録された波形データの

1

つを図

2

に示す.静止状態ではほ とんどの呼吸がバックルのセンサでも計測できていることが確 認できた.実験中の呼吸数とそれに対応するバックルセンサで の呼吸数を表

1

に示す.どの被験者でも高い検出率となった.

2 静止状態 呼吸波形比較 1 静止状態 呼吸検出率

被験者

RespN RespM

検出率

SubA 74 74 1.00

SubB 127 127 1.00

SubC 90 89 0.99

SubD 118 118 1.00

SubE 72 71 0.99

SubF 83 80 0.96

SubG 92 92 1.00

SubH 104 104 1.00

RespN:

呼吸ピックアップ呼吸数

RespM:

バックルセンサ呼吸数 運転中の呼吸計測については,交差点右左折時などの大きな動 作がある区間を除いて呼吸検出ができていることが確認された.

大きなステアリング操作時にはシートベルトが接触している肩 が動くことによって,呼吸が検出できないほどの変動が現れた.

4 おわりに

スマートシートベルトバックルによる呼吸モニタリングはバ ンド型の呼吸ピックアップセンサに比べて体の動きの影響を大 きく受けてしまうものの,静止状態や運転中の動作が緩やかな 区間では十分に呼吸を検出可能であった.運転中の体動の影響 を分離,識別しより正確で安定的な呼吸モニタリングが行える ようにすることが今度の課題である.

参考文献

[1]

栗谷川幸代ら

,

人間工学

, 2013, 49

, Supplement

, p.

S250-S251

参照

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