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― ― 熊谷市子どもの生活実態

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(1)

Ⅰ 家で子どもが話す学校の出来事 1 .学校の話をする頻度

 表Ⅰ- 1 は,保護者に対して,子どもが学校のことをどのくらい話してくれるかを尋ねた 結果である。小学 1・2 年生ともに,「たくさん話してくれる」と「それほど多くはないが話 してくれる」とで約90%と多くを占めた。なお,「全く話してくれない」と捉えている回答は 1 %に満たなかった。一方,表Ⅰ- 2 は,児童に対して,家族に学校のことをどのくらい話 すかを尋ねた結果である。こちらも,「たくさん話す」と「それほど多くはないが話す」とで 約85%と多くを占め,「まったく話さない」という回答は約 2 %あった。保護者の認識と児童 の認識にはほとんど違いはないようである。

 内閣府(1999)は,小・中学生の保護者を対象とした調査において,子どもが学校や友達 のことを話すかを尋ねている。その結果,「時々ある」が約90%,「ほとんどない」が約10%

表Ⅰ- 1  子どもが学校のことをどのくらい話 してくれるか

小学 1 年生 小学 2 年生

度数 % 度数 %

たくさん 568 39.7% 513 37.9%

それほど 743 52.0% 694 51.3%

あまり 109 7.6% 141 10.4%

全く 9 0.6% 6 0.4%

表Ⅰ- 2  家族に学校のことをどのくらい話 すか

小学 1 年生 小学 2 年生

度数 % 度数 %

たくさん 628 45.1% 491 37.3%

それほど 559 40.2% 592 45.0%

あまり 184 13.2% 207 15.7%

全く 21 1.5% 26 2.0%

*  立正大学社会福祉学部子ども教育福祉学科

** 立正大学社会福祉学部社会福祉学科

***立正大学名誉教授

キーワード:小学生・中学生,生活実態調査,成育環境づくり(まちづくり)調査,全数調査,

子どもの居場所

熊谷市子どもの生活実態

―子どもの「居場所」に視点を当てて―

Children Actual Life Situation in Kumagaya City:

Focussing on Children’s Ibasho

石井富美子

***

・篠崎祐介

・白井健次

**

・ 野澤義隆

**

・矢澤圭介

***

TomikoIshii,YusukeShinozaki,KenjiShirai,

YositakaNozawa,KeisukeYazawa

(2)

であった。また,原田他(2007)による熊谷市での調査結果によれば,子どもと話すかとい う質問において,小学生の母親では「とてもよく」「よく」「ときどき」が約99%,「まれに」

「ない」が約 1 %であり,小学生の父親では「とてもよく」「よく」「ときどき」が約92%,

「まれに」「ない」が約 9 %であった(pp.93-95)。全国調査や過去の熊谷市の調査と今回の 熊谷市の児童・保護者を対象にした調査とは,対象の属性範囲や回答項目が微妙に異なるも のの,同様の傾向が示されておりこれまでと大きな変化がないことが伺える。

2 .学校の話をしない理由

 表Ⅰ- 1 の質問において「あまり話してくれない」または「全く話してくれない」と回答 した保護者に対して,子どもが学校のことを話してくれないと思う理由を尋ねた結果が表Ⅰ

- 3 である。一方,表Ⅰ- 2 の質問において「あまり話さない」または「全く話さない」と 回答した児童に対して,学校のことを家族に話さない理由を尋ねた結果が表Ⅰ- 4 である。

 子どもが学校のことを話さないと保護者が思う理由で最も多かったのが「話すことを面倒 くさがる」であった。児童も,学校のことを家族に話さない理由として「話すことが面倒く さい」を最も多くあげた。

 続いて,保護者は子どもが話さない理由に「じっくりと話を聞いていない」ことをあげ,

「学校の様子を知られるのを嫌う」と「つい文句を言ってしまう」とはそれぞれ10%に満たな かった。一方,児童は「話してもよく聞いてくれない」より「学校であったことを知られた くない」ことを理由として多くあげており,「話してもいろいろと文句を言われる」も約11%

表Ⅰ- 4  学校のことを家族に話さないのはなぜか

小学 1 年生 小学 2 年生

度数 % 度数 %

話すことが面倒くさい 102 35.2% 114 34.4%

話してもよく聞いてくれない 47 16.2% 44 13.3%

学校であったことを知られたくない 55 19.0% 72 21.8%

話してもいろいろと文句を言われる 32 11.0% 38 11.5%

その他 54 18.6% 63 19.0%

表Ⅰ- 3  学校のことを話してくれないのはなぜだと思うか 小学 1 年生 小学 2 年生

度数 % 度数 %

話すことを面倒くさがるから 63 41.2% 72 38.5%

じっくりと話を聞いてあげないから 36 23.5% 52 27.8%

学校の様子を知られるのを嫌うから 12 7.8% 9 4.8%

つい文句を言ってしまうから 5 3.3% 11 5.9%

その他 37 24.2% 43 23.0%

(3)

の回答があった。

 学校の話をしない理由については,話を するのが面倒であると考えていることが最 も多い点では,保護者と児童とで認識に大 きな違いはない。一方で,子どもが学校の 様子を知られたくなかったり,文句を言わ れたりすると思っていることについては,

過小に評価する傾向が見られた。ただし,

保護者がじっくりと話を聞こうとしないこ とが,子どもが学校の様子を知られたくな かったり,文句を言われたりすると思うこ とに起因していると捉えている可能性もあ る。こうした意識を詳細に捉えるためには,

今後質的な調査が行われなければならない だろう。

3 .学校のことをよく聞いてくれる相手  表Ⅰ- 5 は,保護者に対して,「家族で学 校のことをよく聞いてあげるのは誰か」を 複数回答可で尋ねた結果である。小 1 ・小 2 ともに同様の傾向がみられ,母が42~

43%程度,父が23~24%程度であり,祖母 が12~13%程度,姉が 6 ~ 7 %程度と続い た。一方,表Ⅰ- 6 は,表Ⅰ- 2 の質問に おいて「たくさん話す」または「それほど 多くはないが話す」と回答した児童に対し て, 「家族で学校のことをよく聞いてくれる のは誰か」を複数回答可で尋ねた結果であ る。母が35%程度,父が26%であり,祖母 が12%程度と続いた。保護者への質問の結 果と似た傾向がみられた。

4 .困ったときの相談相手

 児童に対して困ったときの相談相手を尋 ねた結果が表Ⅰ- 7 である。小 1 ・小 2 と

表Ⅰ- 5  家族で学校のことをよく聞いてあげ るのは誰か

小学 1 年生 小学 2 年生

度数 % 度数 %

母 1372 43.0% 1270 42.5%

父 740 23.2% 725 24.2%

姉 219 6.9% 178 6.0%

兄 175 5.5% 150 5.0%

妹 43 1.3% 58 1.9%

弟 37 1.2% 47 1.6%

祖母 398 12.5% 381 12.7%

祖父 164 5.1% 159 5.3%

その他 39 1.2% 23 0.8%

表Ⅰ- 6  家族で学校のことをよく聞いてくれ るのは誰か

小学 1 年生 小学 2 年生

度数 % 度数 %

母 1156 34.8% 1065 35.4%

父 864 26.0% 785 26.1%

姉 253 7.6% 196 6.5%

兄 233 7.0% 204 6.8%

妹 81 2.4% 95 3.2%

弟 85 2.6% 93 3.1%

祖母 389 11.7% 360 12.0%

祖父 224 6.7% 183 6.1%

その他 34 1.0% 25 0.8%

表Ⅰ- 7  困ったときにまず相談するのは誰か 小学 1 年生 小学 2 年生

度数 % 度数 %

母 1142 85.2% 1077 84.9%

父 80 6.0% 68 5.4%

姉 23 1.7% 27 2.1%

兄 16 1.2% 10 0.8%

妹 2 0.1% 2 0.2%

弟 2 0.1% 1 0.1%

祖母 28 2.1% 35 2.8%

祖父 4 0.3% 7 0.6%

いない 18 1.3% 17 1.3%

その他 26 1.9% 24 1.9%

(4)

もに,約85%を占めたのが母親であった。続いて,父親が 5 ~ 6 %,祖母が 2 ~ 3 %であっ た。学校のことを聞いてくれる相手と近い傾向にあった。また,相談相手が「いない」とい う回答も約 1 %あった。

 内閣府(2007)は,小学 4 年生から中学 3 年生までを対象に「困ったことや悩みの相談相 手」を調査している。この調査では,「同性の友達」や「学校の先生」のように家族以外も項 目になっているが,家族だけに限定してみていくと,小学生の回答は,「お母さん」が約74%

であり,「お父さん」が約34%,「きょうだい」が約18%,「おじいさん・おばあさん・親類」

が12%である。また,「だれとも相談しない」が約 5 %である。

 この調査では,調査対象の範囲が異なり,また,複数回答も可となっているため,単純に は比較できないが,熊谷市の結果は全国調査と類似した結果となっている。ただし,姉・兄・

妹・弟を併せると約 3 %であり,祖母・祖父を併せた約 2 ~ 3 %とほとんど差がでなかった。

複数回答が可能であった前項の学校のことをよく聞いてくれる相手を尋ねた質問項目におい ても,姉・兄・妹・弟を併せると約20%であり,祖母・祖父を併せると約17~18%とほとん ど差がない。こうした結果は特徴的だといえるだろう。この結果が,熊谷市において特徴的 なことなのか,全国的な変化が起きていることなのかを明らかにするには,別途調査が必要 となろう。

5 .まとめ

 本節で言及した調査項目においては,次のことが明らかになった。

1 .小学 1 ・ 2 年生の保護者は,子どもが学校のことをどのくらい話してくれるかという質 問に対して,約90%が「たくさん」または「それほど」と回答した。児童は約85%が,家 族に学校のことをどのくらい話すかという質問に対して,「たくさん」または「それほど」

と回答した。保護者と児童との間に,学校の話をする頻度についての認識の差はなかった。

2 .子どもが学校の話をしないと考える理由で最も多かったのは,保護者も児童も話すこと が面倒であるというものであった。一方,子どもが学校の様子を知られたくなかったり,

文句を言われたりすると思っていることについては,保護者は過小に評価する傾向が伺え た。

3 .保護者と児童ともに,家族で学校の話を子どもからよく聞くのは,母であるという回答 が最も多かった。それから,父,祖母と続き,保護者と児童ともに似た結果であった。

4 .熊谷市の児童の約85%は困ったときのまず相談する相手として母親をあげた。児童の家 族における相談相手として母親が大きな役割を担っていることが示された。なお,父親を 挙げたのは 5 ~ 6 %であった。また,相談相手が「いない」という回答も約 1 %あった。

引 用・参 考 文 献

原田壽子・石井富美子・梅澤啓一・大竹智・大平滋・迫田圭子・仲山佳秀・矢澤圭介(2007)

(5)

「熊谷市における子どもの心身の発達の多角的,統合的検証と今後の方策―子育て環境・教 育環境の充実を目指して」『立正大学社会福祉研究所年報』 9 , 1 -116

内閣府(1999)「非行原因に関する総合的研究調査(第 3 回)」

 http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikou3/html/html/mokuji.html#2-2-5 内閣府(2007)「低年齢少年の生活と意識に関する調査」

 http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/teinenrei2/zenbun/index.html

(篠崎 祐介)

(6)

Ⅱ 家での過ごし方・放課後の過ごし方・休日の過ごし方-保護者と子どものとらえ 1 .家での過ごし方-保護者のとらえ

⑴ 友だちのことや勉強のことで困ったことを,真っ先に相談する家族がいるか

 「相談する家族がいる」は2813名(96.2%),「いない」は51名(1.8%)であった。「相談す る家族がいない」は1.8%では低いものの実数では2864名中51名であり,1.2年生の段階で子ど もが困ったことを相談できる家族がいないと,51名の保護者がとらえていることは留意すべ き実数である。

⑵ 真っ先に相談する家族はだれですか

 相談する家族は,母2037名(70.1%),父297名(10.2%),祖母115名(4.0%),きょうだい

(姉33名・兄11名・妹 6 名・弟 1 名)51名(1.7%)であった。母親が最も多く,父親は母親 の 7 分 1 弱であるが,母と父を合わせると93.2%となり,子どもが真っ先に相談する相手は 親であると,ほとんどの保護者が回答している。相談する相手は,親,祖父母,きょうだい いずれにおいても,女性の方が多いという性差がみられた。

⑶ 家族の中での有用感をもたせるような配慮をしていますか

 図Ⅱ- 1 に示すように,配慮している660名(22.7%),まあまあしている1238名(42.6%)

あまりしていない836名(23.8%),全くしていない138名(4.8%)であった。最も多いのは,

まあまあしているが42.6%であり,配慮している22.7%を合わせると,66.1%と過半の保護者 が手伝い等を通して,家族の中で子どもが有用感をもてるように配慮していると回答してい る。

100 2030 4050

図Ⅱ- 1  手伝い等による家族の中での有用感への配慮

⑷ お子さんをほめることがどれくらいあるか

 たくさんある948名(32.6%),それほど多くはないがある1704名(61.8%),あまりない131 名(4.5%)全くない 2 名(0.1%)であった。最も多かったのは,それほど多くはない61.8%

であり,たくさんある32.6%を合わせると95.4%となり,ほとんどの保護者が適宜,子どもを

ほめており,この結果からみるかぎり,肯定感をもてない子どもは少ないものと思われる。

(7)

2 .放課後の過ごし方-保護者のとらえ

⑴ 放課後,子どもが過ごす場所の把握

 よく把握している2370名(81.6%),だいたい把握している484名(16.7%),あまり把握し ていない22名(0.8%),全く把握していない 1 名( 0 %)であった。「よく把握している」と

「だいたい把握している」を合わせて99.2%となり, 1 ・ 2 年生ではほとんどの保護者が放課 後,子どもが過ごす場所を把握している。一方「あまり把握していない」と「全く把握して いない」保護者が23名いる。

⑵ 放課後,子どもが過ごしている場所

 自分の家1867名(64.3%),友達の家607名(20.9%)塾98名(3.4%),習い事をする教室738 名(25.4%),学童保育所983名(33.8%),学校の校庭78名(2.7%),公園・広場など540名

(18.6),図書館23名(0.8%),児童館67名(2.3%),スーパーやコンビニエンスストア23名

(0.8%)であった。図Ⅱ- 2 に示すように,多い 5 位までの場所は,自分の家,学童保育所,

習い事,友達の家,公園等の順で, 1 ・ 2 年生では放課後過半数の子どもは自分の家で過ご しており, 3 割の子どもが学童保育所で過ごしている。また,塾で過ごす子どもが3.4%少な いのに対して,25.4%の子どもが習い事の教室で過ごしている。さらには,公園・広場と校 庭を合わせても21.3%と戸外で過ごすことは少ないものと思われる。

0 20 40 60 80

自分の家 友達の家 習い事 学童保育所 公園など

図Ⅱ- 2  放課後,子どもが過ごす場所上位 5 位

⑶ 放課後,子どもにさせたいことは何ですか

 保護者が放課後子どもにさせたいことの上位 5 位を図Ⅱ- 3 に示す。

200 4060 80

図Ⅱ- 3  放課後,子どもにさせたいこと上位 5 位

 勉強する2160名(74.4%),本を読んだり・読み聞かせる1684名(58.0%),おやつや料理を

作る865名(29.8%),昔遊び422名(14.5%),絵やイラストを描く837名(28.8),簡単な実験

や工作をする530名(18.3%),虫取りや花の観察をする905名(31.2%),音楽を聴いたり・楽

(8)

器を演奏する660(22.7%),運動やスポーツをする2175名(74.9%),ボランティア活動をす る160名(5.5%)であった。上位 5 位を図Ⅱ- 3 に示すように, 1 ・ 2 年生では,「勉強をす る」はかなり多くの,「本を読んだり・読み聞かせたりする」は過半の,「虫を取ったり・花 を観察したりする」は 3 割の,保護者が放課後の時間を活用して子どもにさせたいとことと してあげていることは,小学校に入った子どもの学習に対する保護者の関心の高さが現れて いるように思われる。一方, 7 割半の保護者が「運動やスポーツをする」をあげており,こ の時期は体づくりも学習とならんで重要であると考えていることがうかがえる。

⑷ 放課後の居場所を考えるうえで,行政機関に充実させてもらいたいこと

 体験活動のできる環境づくり1981名(68.2%)学習をサポートする環境づくり1507名

(51.9%),外国につながりのある方々との交流ができる環境づくり878名(30.2%),世代を超 えて交流できる環境づくり601名(20.7%)であった。学習への動機づけにつながる体験活動 のできる環境づくりを過半の保護者が,また学習をサポートする環境づくりの充実を半数の 保護者が望んでおり,学校教育の基礎となる 1 ・ 2 年生の時期への保護者の関心の高さの現 れであると思われる。

⑸ 子どもの安心・安全な環境とはいえない事件への対応

 行先を確認している2064名(71.1%),一人での行動はできるだけ避けるように伝えている 2414名(83.1%),いつでも連絡がとれるようにしている417名(14.4%),特に行っていない 61名(2.1%)であった。この結果から,多くの保護者は,子どもを常に監視して,子どもの 自由を束縛することのないように配慮しつつ,事件への対応を行っているものと考えられる。

このことは見方をかえると,保護者は,子どもが放課後を過ごす地域には子どもを見守る大 人の存在があると考えていることが示唆される。

(石井 富美子・矢澤圭介)

3 .家での過ごし方-子どものとらえ

⑴ 子どもの起床時間

 子どもの起床時間を学年別に示す(図Ⅱ- 4 )。小学 1 年生の場合,学校がある日の回答は 5 時台が82名(5.9%),6 時台が1,252名(87.4%),7 時台が61名(4.3%)であった。土曜日 の回答は, 4 時台が 1 名(0.1%), 5 時台が53名(3.8%), 6 時台が360名(25.2%), 7 時台 が751名(52.4%), 8 時台が203名(14.2%), 9 時台が22名(1.6%),10時台が 4 名(0.3%)

であった。日曜日の回答は, 4 時台が 5 名(0.4%), 5 時台が45名(3.4%), 6 時台が308名

(21.5%), 7 時台が764名(53.5%), 8 時台が231名(16.2%), 9 時台が36名(2.5%),10時 台が 3 名(0.2%)であった。

 小学 2 年生の場合,学校がある日の回答は, 5 時台が73名(5.5%), 6 時台が1,185名

(87.4%), 7 時台が62名(4.5%)であった。土曜日の回答は, 4 時台が 4 名(0.2%), 5 時

台が53名(4.0%), 6 時台が375名(27.8%), 7 時台が648名(47.6%), 8 時台が197名

(9)

(14.6%), 9 時台が35名(2.7%),10時台が 4 名(0.3%),11時台が 1 名(0.1%),12時台が 1 名(0.1%)であった。日曜日の回答は, 4 時台が 1 名(0.1%), 5 時台が58名(4.4%),

6 時台が327名(24.3%), 7 時台が656名(48.4%), 8 時台が215名(16.0%), 9 時台が47名

(3.5%),10時台が12名(0.9%),11時台が 1 名(0.1%)であった。

図Ⅱ- 4  子どもの起床時間

⑵ 子どもの就寝時間

 子どもの就寝時間を学年別に示す(図Ⅱ- 5 )。小学 1 年生の場合,学校がある日の回答は 19時台が19名(1.5%),20時台が368名(25.8%),21時台が893名(62.4%),22時台が109名

(7.8%),23時台が 5 名(0.3%),26時台が 1 名(0.1%)であった。土曜日の回答は,19時台 が12名(0.9%),20時台が192名(13.5%),21時台が786名(54.9%),22時台が371名(25.9%),

23時台が32名(2.2%),24時台が 1 名(0.1%)であった。日曜日の回答は,17時台が 1 名

(0.1%),19時台が11名(0.8%),20時台が252名(17.5%),21時台が842名(58.7%),22時台

が264名(18.4%),23時台が21名(1.4%),24時台が 1 名(0.1%),25時台が 1 名(0.1%)で

(10)

あった。

 小学 2 年生の場合,学校がある日の回答は,16時台が 1 名(0.1%),19時台が11名(0.8%),

20時台が237名(17.4%),21時台が892名(65.8%),22時台が169名(12.6%),23時台が 9 名

(0.6%),25時台が 1 名(0.1%)であった。土曜日の回答は,16時台が 1 名(0.1%),19時台 が 2 名(0.2%),20時台が141名(10.2%),21時台が677名(49.8%),22時台が431名(31.9%),

23時台が61名(4.5%),24時台が 5 名(0.4%),25時台が 1 名(0.1%)であった。日曜日の 回答は,16時台が 1 名(0.1%),19時台が 4 名(0.2%),20時台が190名(13.9%),21時台が 786名(58.0%),22時台が292名(21.6%),23時台が40名(2.9%),24時台が 3 名(0.2%),

25時台が 1 名(0.1%)であった。

図Ⅱ- 5  子どもの就寝時間

 学校がある時の起床時間と就寝時間については,ほとんどの子ども(小学 1 年生は93.3%,

2 年生は92.9%)が 6 時台までに起床しており,多くの子どもが(小学 1 年生は88.2%,小学

2 年生83.2%)21時台までに就寝している。

(11)

 ベネッセ「幼児期から小学校 1 年生の家庭教育調査報告書」(ベネッセ,2013)では,小学 校 1 年生では 6 時台までに起床する子どもは59.9%であり,21時までに就寝する子どもは81.6%

である。この調査と比べると,熊谷市の子どもは起床時間が早く,就寝時間は大きな差がな い。

(野澤義隆)

⑶ いつも夕食はだれといっしょにたべるか

 お母さん2634名(90.7%),お父さん1274名(43.9%),きょうだい(姉728名25.1%・兄816 名28.1%・妹673名23.2%・弟696名24.0%)2913名(平均25.1%),おばあちゃん442名(15.2%),

おじいちゃん289名(10.0%)であった。ほとんどの子どもたちがお母さんと夕食を食べてい るのに対して,お父さんとは約半数であった。きょうだいとは平均2.5割,おばあちゃん・お じいちゃんとは平均1.3割で男女差はなかった。

⑷ 家族で買い物や食事にでかけることがあるか

 よくある1730名(59.6%),まあまあある952名(32.8%),あまりない123名(4.2%),まっ たくない 8 名(0.3%)であり,「よくある」と「まあまあ」を合わせるとほとんどの子ども たちが家族と買い物や食事にでかけている。

⑸ 家の中であなたにまかされた仕事があるか

 図Ⅱ- 6 に示すように,よくある634名(21.8%),まあまあしている1144名(39.4%),あ まりしてない702名(24.2%),まったくしてない331名(11.4%)であり,「よくある」と「ま あまあ」を合わせると過半の子どもたちが家の中であなたにまかされた仕事があると回答し ている。

 保護者の「家族の中での有用感をもたせるような配慮をしていますか」と比較すると,「し ていると」「まあまあしている」を合わせると65.3%と過半の保護者が配慮していると回答し ており,子どもの回答とほぼ同じであった。「全くしていない」保護者は(4.8%),子どもは 11.4と,保護者の意識よりも少なく子どもはとらえている。

100 2030 4050

保護者 子ども

図Ⅱ- 6  家の中であなたに任された仕事があるか

(12)

⑹ あなたは,家族にほめられることが多い方だと思うか

 そう思う906名(31.2%),まあそう思う1221名(42.0%),あまりそうは思わない533名

(18.4%),まったくそうは思わない122名(4.2%)であり,そう思うとまあそう思うを合わせ ると7.2割と多く子どもが家族にほめられることが多いと回答している。一方,「あまりない」

と「まったくない」を合わせると2.3割の子どもが家族にほめられることが少ないか,ほめら れないと感じており,自己肯定感を育む 1 ・ 2 年生の時期の課題が示唆されている。

 図Ⅱ- 7 に示すように,家族の「お子さんをほめることがどれくらいあるか」と比較する と,家族の「たくさんある」と「それほど多くはないがほめる」を合わせると94.4%,子ど もは「そう思う」と「まあそう思う」を合わせると73.2%であり,家族と子どもの多くがほ めたり,ほめられたりしていると回答している。家族と子どもの差は,家族の選択肢名が「多 くはないがある」に対して子どものそれは「まあそう思う」という選択肢の命名による違い と考えられる。「全くない」については,家族は 2 名(0.1%),子どもは122名(4.2%)と,

保護者のとらえよりも家族にほめられることが少ないと子どもはとらえている。

100 2030 4050 6070

家族 子ども

図Ⅱ- 7  家族が子どもをほめる・子どもが家族にほめられる

3 .放課後の過ごし方-子どものとらえ

⑴ 放課後,あなたはどんな場所で過ごすことが多いか

 自分の家2135名(73.53%),友達の家511名(17.6%)塾157名(5.4%),習い事をする教室

1057名(36.4%),学童保育所990名(34.1%),学校の校庭82名(2.8%),公園・広場など476

名(16.4),図書館58名(2.0%),児童館113名(3.9%),スーパーやコンビニエンスストア64

名(2.2%)であった。

(13)

200 4060 80

図Ⅱ- 7  放課後過ごす場所 上位 5 位

 図Ⅱ- 7 に示すように,多い 5 位までの場所は,自分の家,習い事の教室,学童保育所,

友達の家,公園等の順で, 1 ・ 2 年生では放課後多くの子どもは自分の家で過ごしており,

3.4割の子どもが学童保育所で過ごしている。また,塾で過ごす子どもが0.5割と少ないのに対 して,3.6割の子どもが習い事の教室で過ごしている。さらには,公園・広場と校庭を合わせ ても1.9割と戸外で過ごすことは少ないことがみてとれる。

 この結果は,神奈川県の調査(2013)の結果と同様である。この報告書では,「塾や習い 事」という回答が 5 割程度にのぼっており,低学年においても同様であることから,子ども の放課後の多忙化を指摘している。熊谷市では,4.1割とやや少ないもののその傾向は顕在化 している。

 図Ⅱ- 8 は,放課後の居場所について保護者と子どもの回答を比較したものである。保護 者と子どものとらえのズレがあるのは自分の家と習い事の教室である。いずれも子どもの方 がそれらの場所で過ごすことが多いと回答している。

100 2030 4050 6070 80

親 子ども

図Ⅱ- 8  放課後の居場所:保護者と子どもの回答の比較

⑵ あなたが自分の家でよくすること

 「勉強をする」1609名(55.4),「本やマンガを読む」884名(30.4),「テレビや DVD を見

る」1609名(55.4%),「音楽を聴いたり,学期を演奏したりする」338名(11.6%),「ゲーム

(14)

やカードゲームで遊ぶ」923名(31.8%),「パソコンでインターネットやメールを見る」77名

(2.7%),「スマホでインターネットやメールをみる」138名(4.8%)であった。

 上位 3 位は,「勉強をする」と「テレビや DVD を見る」は同率 1 位で過半の,「本やマン ガを読む」は 3 割の,子どもが自分の家でよくすることとしてあげている。 1 ・ 2 年生は過 半のこどもが家で勉強するとともに,過半の子どもがテレビや DVD をよくみている。

 神奈川県の調査(2013)では,「インターネットやメールをみる」という低学年の回答は 18%であるのに対して,熊谷市の子どもは2.7~4.8と少ないものの情報化社会の進展を反映し た結果といえるだろう。

⑶ あなたが友だちの家でよくすること

 「勉強をする」139名(4.84),「おしゃべりをする」363名(12.5%)「本やマンガを読む」50 名(1.7%),「テレビや DVD を見る」110名(3.8%),「音楽を聴いたり,楽器を演奏したり する」17名(0.6%),「ゲームやカードゲームで遊ぶ」286名(9.8%),「パソコンでインター ネットやメールを見る」77名(2.7%),「スマホでインターネットやメールをみる」138名

(4.8%)であった。友だちの家でよくすることとして,1.2割の子どもが「おしゃべりをする」

を上げているのが一番多く,特別によく何かをするということはなく友だちの家で過ごして いる。

⑷ 塾でどれくらいの時間を過ごすか

 累積%からみると,0 ~30分が6.9%,~125分が63.9%,~160分が78.2%,~230分が97.0%,

~930分で100%であり,日単位,週単位,月単位のいずれで回答しているか正確に判断する ことができなかった。度数が最もまとまっているのは,94名の100分で累積%59.4ある。

⑸ 習いごととその時間

 ⑷と同様に,日単位,週単位,月単位のいずれで回答しているか正確に判断することがで きないため,種目別に最頻%を目安として,その時間を表Ⅱ- 1 に示す。

表Ⅱ- 1  習い事とその時間

水泳 球技 体操等 武道 ピアノ 英会話 そろばん 習字

最頻% 87.7 24.9 52.6 31.5 52.2 66.4 46.2 55.8

時間(分) 100 100 100 200 30 100 100 100

 武道は200分と最も長く,ピアノは30分と最も短い。残りはすべて100分であった。

 また,武道は最頻%が低く,累積%が84.9の時間は200分であることから,ほとんどの子ど もが200分以内の稽古時間となっている。また,球技については,累積%が82.5となる時間は 230分でありレンジ(範囲)が大きい。

 習い事をしている種類別人数は1.2年合わせて,上位 5 位は,水泳(620人),ピアノ(383

人),英会話〈253人〉,体操・ダンス(211人),習字(208)であった。ベネッセ(2013)の

(15)

調査では, 1 年生のみを対象とし,定期的通信教育が 1 位であったが,続く 6 位までは,本 調査と種類,順位ともに同様であった。

⑹ あなたが学童保育所でよくすること

 「サッカー・卓球・一輪車乗りなどの遊び」261名(9.0),「将棋・ウノ・トランプなどの ゲーム遊び」384名(13.2%)「折り紙・紙飛行機などの工作」539名(18.6%),「絵本や本を 読む」673名(23.2%),「宿題を済ませる」937名(32.3%),「おやつ」829名(28.5%),「誕 生会」429名(14.8%),「当番仕事」412名(14.2%)「」昼食づくり(土曜日)」 6 名(0.2%)

であった。

⑺ あなたが図書館でよくすること

 「いろいろな本を読む」86名(3.0%),「アニメ・映画など DVD を見る」12名(0.4%)「勉 強をする」 7 名(0.2%),「パソコンを使って調べる」 6 名(0.2%)であった。1.2年生では,

図書館の主たる機能である「いろいろな本を読む」をよくしている。

⑻ あなたが児童館でよくすること

 「おもちゃなどで遊ぶ」55名(1.9%),「アニメ・映画など DVD を見る」39名(1.3%)「絵 本やマンガをみる」48名(1.7%),「放課後児童クラブに参加する」34名(1.2%)であった。

⑼ あなたは放課後の時間を楽しく過ごしていますか

 「とても楽しく過ごしている」1817名(65.3%), 「まあ楽しく過ごしている」851名(29.3%),

「あまり楽しく過ごしていない」86名(3.0%) 「まったく楽しく過ごしていない」28名(1.0%)

であった。「とても楽しく過ごしている」と「まあ楽しく過ごしている」を合わせると9.6割 とほとんどの子どもが放課後の時間を楽しく過ごしている。一方,「あまり楽しく過ごしてい ない」と「まったく楽しく過ごしていない」を合わせると114名楽しく過ごせていないと回答 していることは,放課後の居場所の改善,またはあらたな居場所づくりの必要を示唆してい ると思われる。

 放課後の感じ方は,神奈川県の調査では楽しいと回答している子どもは93%であり,熊谷 市の結果とほぼ同様であった。

⑽ 放課後にもっとやってみたいと思うこと

 「おやつや料理を作る」1337名(46.0%)「昔遊びをする」665名(22.9%)「絵やイラストを 描く」1138名(39.2%)「簡単な実験や工作をする」1183名(40.7%)「虫を取ったり,花を観 察したりする」1178名(40.6)「音楽を聴いたり,楽器を演奏する」772名(26.6%)「運動や スポーツをする」1512名(52.2%)「お年寄りや障害のある人の手助けをするボランティア活 動に参加する」354名(12.2%)「そうじなどのボランティア活動に参加する」350名(12.2%)

「外国の人との交流」299名(10.3%)であった。

 放課後にもっとやってみたいこと上位 5 を図Ⅱ- 9 に示す。「運動やスポーツをする」「お

やつや料理を作る」「簡単な実験や工作をする」「虫を取ったり,花を観察したりする」「絵や

イラストを描く」の順である。「運動やスポーツをする」は半数の子どもがもっとやってみた

(16)

いことにあげている。

100 2030 4050 60

図Ⅱ- 9  放課後にもっとやりたいこと上位 5 位

 図Ⅱ-10は,子どもが放課後にもっとやりたいことと,保護者が放課後にもっとやらせた いこと(保護者の質問項目のみの「勉強をする」「本を読んだり,読み聞かせを聞いたりす る」は除く),上位 5 位を比較したものである。上位 5 位に,子どものみがあげた項目は「簡 単な実験や工作をする」,保護者のみがあげた項目は「音楽を聴いたり,楽器を演奏したりす る」で, 4 項目は共通していた。「運動やスポーツをする」は,子ども(52.2%)と保護者

(74.9)ともにやりたいたいこと,させたいことの第 1 位である。

0 20 40 60 80

子ども 保護者

図Ⅱ-10 放課後にもっとやりたいこと      放課後にもっとさせたいこと

2 .休日の過ごし方-子どものとらえ

⑴ 休日,あなたはどんな場所で過ごすことが多いですか

 自分の家2542名(87.5%),友達の家277名(9.5%)遊園地・ゲームセンターなどの遊び場 448名(15.4%),塾33名(1.1%)習い事をする教室572名(19.7%),学童保育所48名(1.7%),

公園・広場など1158名(39.9%),図書館275名(9.5%),児童館27名(0.9%)であった。休

日はほとんどの子どもが自分の家で過ごしている。平日の放課後,公園・広場で過ごす子ど

もは16.4%であるのに比べて,休日は39.9%の子どもが戸外で過ごしている。

(17)

⑵ 休日,あなたは地域のお祭りなどの行事に参加しますか

 よく参加する735名(25.3%),時々参加する1234名(42.5%),あまり参加しない528名

(18.2%),全く参加しない281名(9.7%)であった。「よく参加する」と「時々参加する」を あわせると,約 7 割の多くの子どもが地域の行事に参加している。

⑶ あなたは休日を楽しく過ごしていますか

 とても楽しく過ごしている2098名(72.2%),まあ楽しく過ごしている626名(21.6%),

あまり楽しく過ごしていない54名(1.0%),まったく楽しく過ごしていない 9 名(0.3)であっ た。「とても楽しく過ごしている」と「まあ楽しく過ごしている」を合わせる10割近いほとん どの子どもが休日を楽しく過ごしている。一方,休日を楽しく過ごしていない子どもが63名 いることは看過できない実数である。

 平日の放課後,とても楽しく過ごしている子どもが62.6%に対して,休日のそれは72.2%と 楽しく過ごしている割合が多くなっている。

⑷ 休日,あなたが,もっとやってみたいと思うもの

 「おやつや料理を作る」1444名(49.7%)「昔遊びをする」711名(24.5%)「絵やイラストを 描く」1125名(38.7%)「簡単な実験や工作をする」1223名(42.1%)「虫を取ったり,花を観 察したりする」1215名(41.8%)「音楽を聴いたり,楽器を演奏する」777名(26.8%)「運動 やスポーツをする」1656名(57.0%)「お年寄りや障害のある人の手助けをするボランティア 活動に参加する」343名(11.8%) 「そうじなどのボランティア活動に参加する」308名(10.6%)

「外国の人との交流」286名(9.8%)

 図Ⅱ-11に示すとおり,休日と放課後にやってみたいこと上位 5 位には同じものがあげら れ,順位も同じであった。「運動・スポーツをする」と「料理をする」は,休日のほうが放課 後よりもやってみたい子どもが多くみられた。

 幼児・小学生を対象とした「お子さんのお手伝いに関する調査」(2014)によれば,「子ど もが料理に興味を示しているか」については,「とても興味をもっている」と「まあまあ興味 をもっている」を合わせると,91%に及んでいる。また,子どもが最も好きな手伝いに47.1%

の子どもが料理(洗う,切る,炒めるなどの調理)を上げていることからも子どもの料理へ の関心うかがえる。

0 10 20 30 40 50 60

休日 放課後

図Ⅱ-11 休日と放課後にもっとやってみたいこと

(18)

引 用・参 考 文 献

神奈川県 生涯学習審議会(第11期)放課後の子どもの居場所づくりに向けた質問紙調査 中 間報告書(2013)

小学館集英社ドラゼミ教育研究所 お子さんのお手伝いに関する調査 2014

ベネッセ教育総合研究所 第 1 回幼児期から小学 1 年生の家庭教育調査報告書 2013

(石井 富美子・矢澤圭介)

(19)

Ⅲ 学校での過ごし方

 以下に示す内容は,児童から得た結果をまとめたものである。

1 .学校生活で楽しみにしている時間があるか

 表Ⅲ- 1 は,学校生活で楽しみにしている時間の有無を尋ねた結果である。「ある」「まあ ある」と回答した児童が全体の90%以上を占め,ほとんどの児童が何らかの楽しみな時間を 期待し登校していることが窺える。

図Ⅲ- 1  学校生活で楽しみにして いる時間があるか(全体)

表Ⅲ- 1  学校生活で楽しみにしている時間があるか

1 年 2 年 全体

度数 % 度数 % 度数 %

ある 1,048 73.1% 951 70.0% 1,999 71.6%

まあある 283 19.7% 289 21.3% 572 20.5%

あまりない 36 2.5% 56 4.1% 92 3.3%

まったくない 17 1.2% 9 0.7% 26 0.9%

回答なし 49 3.4% 53 3.9% 102 3.7%

合計 1,433 100.0% 1,358 100.0% 2,791 100.0%

2 .楽しみにしている時間は何か

 表Ⅲ- 2 は,楽しみにしている時間を具体的に尋ねた結果である。全体的に休み時間を楽

しみにしている児童が70%を超える。休み時間は,ほっとする,くつろげる,ありのままの

自分でいられる,そのような時間なのかも知れない。教科では,図画工作,体育の技能教科

で楽しみを感じている児童が比較的に多い。受け身型の学習よりも,身体を動かす学習の方

が楽しいようである。

(20)

図Ⅲ- 2  楽しみにしている時間は 何か(全体)

表Ⅲ- 2  楽しみにしている時間は何か(複数回答可)

1 年 2 年 全体

教科等 度数 % 度数 % 度数 %

国語 366 25.5% 229 16.9% 595 21.3%

算数 430 30.0% 347 25.6% 777 27.8%

生活 486 33.9% 666 49.0% 1152 41.3%

音楽 585 40.8% 536 39.5% 1121 40.2%

図画工作 783 54.6% 851 62.7% 1634 58.5%

体育 837 58.4% 849 62.5% 1686 60.4%

道徳 288 20.1% 287 21.1% 575 20.6%

学級活動 208 14.5% 303 22.3% 511 18.3%

児童会活動 41 2.9% 42 3.1% 83 3.0%

クラブ活動 22 1.5% 23 1.7% 45 1.6%

給食 729 50.9% 712 52.4% 1441 51.6%

休み時間 1011 70.6% 956 70.4% 1967 70.5%

その他 56 3.9% 43 3.2% 99 3.5%

3 .得意な勉強はあるか

 表Ⅲ- 3 は,得意な勉強の有無を尋ねた結果である。「ある」「まあある」と回答した児童 が全体の90%近くを占める。現代の子どもたちは,自己肯定感,自己有用感が弱いと言われ るが,得意な勉強を持つことは,これらの強化へと繋がる。今回の調査では,多くの児童が 得意な教科があると回答しており,望ましい傾向と言えるのではないだろうか。

図Ⅲ- 3  得意な勉強はあるか

(全体)

表Ⅲ- 3  得意な勉強はあるか

1 年 2 年 全体

度数 % 度数 % 度数 %

ある 937 65.4% 903 66.5% 1,840 65.9%

まあある 297 20.7% 305 22.5% 602 21.6%

あまりない 113 7.9% 73 5.4% 186 6.7%

まったくない 30 2.1% 19 1.4% 49 1.8%

回答なし 56 3.9% 58 4.3% 114 4.1%

合計 1,433 100.0% 1,358 100.0% 2,791 100.0%

4 .得意な勉強は何か

 表Ⅲ- 4 は,具体的な得意教科等を尋ねた結果である。選択肢の中から, 1 つの回答を求

めた。しかし,全体の40%近くの児童が無回答や複数回答であり,中でも特に複数回答の児

童が多かった。集計結果からは,無回答,複数回答を除いてある。20%を超えた教科として,

(21)

体育,図画工作の他,算数があった。

図Ⅲ- 4  得意な勉強は何か(全体)

表Ⅲ- 4  得意な勉強は何か

1 年 2 年 全体

教科等 度数 % 度数 % 度数 %

国語 99 11.7% 58 7.0% 157 9.4%

算数 208 24.6% 179 21.7% 387 23.2%

生活 40 4.7% 38 4.6% 78 4.7%

音楽 76 9.0% 56 6.8% 132 7.9%

図画工作 169 20.0% 231 28.0% 400 23.9%

体育 233 27.5% 236 28.6% 469 28.1%

道徳 14 1.7% 16 1.9% 30 1.8%

学級活動 8 0.9% 10 1.2% 18 1.1%

児童会活動 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0%

クラブ活動 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0%

その他 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0%

合計 847 100.0% 824 100.0% 1,671 100.0%

5 .仲のよい友達がいるか

 表Ⅲ- 5 は,仲のよい友達の有無を尋ねた結果である。「いる」「まあいる」と回答した児 童が全体の80%を占める一方 ,「あまりいない」「まったくいない」と回答した児童が15%近 くいる。

図Ⅲ- 5  仲のよい友達がいるか

(全体)

表Ⅲ- 5  仲のよい友達がいるか

1 年 2 年 全体

度数 % 度数 % 度数 %

いる 809 56.5% 832 61.3% 1,641 58.8%

まあいる 315 22.0% 308 22.7% 623 22.3%

あまりいない 161 11.2% 120 8.8% 281 10.1%

まったくいない 89 6.2% 43 3.2% 132 4.7%

回答なし 59 4.1% 55 4.1% 114 4.1%

合計 1,433 100.0% 1,358 100.0% 2,791 100.0%

6 .相談できる先生はいるか

 表Ⅲ- 6 は,困ったときに相談できる先生の有無を尋ねた結果である。80%以上の児童が

「いる」「まあいる」と回答した一方 ,「あまりいない」「まったくいない」と回答した児童が

15%いる。

(22)

図Ⅲ- 6  相談できる先生はいる か(全体)

表Ⅲ- 6  相談できる先生はいるか

1 年 2 年 全体

度数 % 度数 % 度数 %

いる 846 59.0% 711 52.4% 1,557 55.8%

まあいる 333 23.2% 378 27.8% 711 25.5%

あまりいない 149 10.4% 167 12.3% 316 11.3%

まったくいない 60 4.2% 51 3.8% 111 4.0%

回答なし 45 3.1% 51 3.8% 96 3.4%

合計 1,433 100.0% 1,358 100.0% 2,791 100.0%

7 .課題のある子にどのように接しているか

 表Ⅲ- 7 は,課題のある子への接し方を尋ねた結果である。「優しく接している」「ある程 度優しく接している」と回答した児童が約75%いる一方,「あまり関わりを持たない」「積極 的に関わりを持たない」と回答した児童が20%近くいる。

図Ⅲ- 7  課題のある子にどのよう に接しているか(全体)

表Ⅲ- 7  課題のある子にどのように接しているか

1 年 2 年 全体

度数 % 度数 % 度数 %

優しく接している 697 48.6% 577 42.5% 1,274 45.6%

ある程度優しく接している 378 26.4% 446 32.8% 824 29.5%

あまりかかわりを持たない 200 14.0% 220 16.2% 420 15.0%

積極的にかかわりを持たない 50 3.5% 37 2.7% 87 3.1%

回答なし 108 7.5% 78 5.7% 186 6.7%

合計 1,433 100.0% 1,358 100.0% 2,791 100.0%

8 .優しい接し方の具体例(記述で回答)

  7 .で「優しく接している」「ある程度優しく接している」と回答した児童の具体的な接し 方について,記述で回答してもらった。その結果 ,「大丈夫」「がんばれ」と声かけをする,

できるまで待ってあげる,「こうやるんだよ」と丁寧に教える,一緒に遊ぶなどの回答が多く みられた。

9 .まとめ

 住田(2002)は ,「居場所」を実感するのは,①安心感を感じるとき②自分が受容されてい

ると感じるとき③価値観を共有していると感じるとき④自分の役割があると感じるときと述

べている。「Ⅲ 学校での過ごし方について」では,これら 4 つを参考にして児童の「居場

(23)

所」を探る目的で質問項目を設定した。回答の結果から,ほとんどの児童について学校生活 で何らかの居場所を実感していることが読み取れた。一方,どの質問項目にも実感できてい ないと読み取れる児童が一定数いることも分かった。特に友達がいない,相談できる先生も いないと回答した児童への対応を考える必要がある。各学校で今までの取り組みをもう一度 再点検し,全職員一丸の相談体制を築くことが望まれる。

 課題のある児童への接し方についての結果からは ,20%近くの児童が課題のある子どもたち と関わりを持たないようにしていることが分かった。一方,先生の優しく接する姿を見て自 分も優しくしたと回答する例も見受けられた。また,優しい接し方の具体例では ,「大丈夫」

「がんばれ」の声かけが多く,普段の何気ない声かけが共生社会推進の第一歩となっているこ とを強く感じた。

 高齢化社会が進む昨今,年齢,障害の有無等に関係なく安心して暮らせる「共生社会」の 実現は,国挙げての一大事業である。平成19年 4 月 1 日に文部科学省初等中等教育局より全 国のすべての学校に発出された通知「特別支援教育の推進」には ,「特別支援教育は,障害の 有無やその他の個々の違いを認識しつつ様々な人々が生き生きと活躍できる共生社会形成の 基礎となるものであり,我が国の現在及び将来の社会にとって重要な意味を持っている」と ある。すなわち,各学校においては,特別支援教育を共生社会実現に向けての推進役に位置 づけ,優しい気持ちを持つ子どもたちを育成していくことが望まれる。

 最近では特別支援学校との連携を密にする学校も増え,障害の理解啓発授業で特別支援学 校の教員を活用する例も珍しくなくなってきている。また,埼玉県においては支援籍学習を 通し,特別支援学校の子どもたちと接する機会も増えている。今回の調査対象が 1 , 2 年生 であるということを考慮すると,今後学年が進むにつれ,これらの成果が少しずつ浸透し,

課題のある児童へ関心を寄せる児童が増えることも予想されるが,その一方で特別支援学校 との連携を形骸化させない工夫も各学校には求められている。

引 用・参 考 文 献

住田正樹(2002)「子どもたちの居場所と対人関係Ⅱ」『2002年日本教育社会学会大会発表要 旨集録P330-335』

(白井 健次)

(24)

Ⅳ 居場所感 1 .家庭の居場所感

 「家には自分を本当に理解してくれる人がいて,大切にされている」平均3.64標準偏差 .653,

「家では自分らしくいられて,楽しい」平均3.69標準偏差 .637,「家では自分だけの時間が持 て,すきなことができる」平均3.43標準偏差 .818,「家では自分のことについて考え,ボーと することがある」平均2.52標準偏差1.114,「家では何かに夢中になれ,自分に自信がもてる」

平均3.38標準偏差 .826,「家では,他の人のペースにあわせなくて,人を気にしなくていい」

平均2.90標準偏差1.025であった。

 質問項目の構成で上述したとおり,本調査では被受容感,精神的安定,行動の自由,思考・

内省,自己肯定感,他者からの自由の 6 因子に対応する 6 つの質問項目を作成している。図

Ⅳ- 1 に示すとおり,小学 1 ・ 2 年生は被受容感をもっており,精神的に安定し,行動の自 由を感じ,自己肯定感があるのに対して,他者からの自由な感じがやや感じている程度であ るのは,小学1.2年生は他者を志向する発達段階にあることが反映していると考えられる。ま た,自分についての思考・内省できる居場所感が低いことも,小学 1 ・ 2 年生は発達的に自 意識がそれほど明確になっていないことの現れとみることできよう。

0 0.51 1.52 2.53 3.54

平均

図Ⅳ- 1  家庭の居場所感

2 .放課後の居場所感

 「居場所には自分を本当に理解してくれる人がいて,大切にされている」平均3.67標準偏

差 .634,「居場所では自分らしくいられて,楽しい」平均3.73標準偏差 .560,「居場所では自

分だけの時間が持て,すきなことができる」平均3.45標準偏差 .819,「居場所では自分のこと

について考え,ボーとすることがある」平均2.51標準偏差1.133,「居場所では何かに夢中にな

れ,自分に自信がもてる」平均3.46標準偏差 .778,「居場所では,他の人のペースにあわせな

くて,人を気にしなくていい」平均2.91標準偏差1.059であった。

(25)

 図Ⅳ- 2 に示すとおり,放課後の居場所感は 6 つすべての質問項目において,家庭のそれ とはほぼ同様の結果となった。

0.501 1.52 2.53 3.54

図Ⅳ- 2  放課後の居場所感

3 .学校での居場所感

 「学校には自分を本当に理解してくれる人がいて,大切にされている」平均3.36標準偏差 .789,

「学校では自分らしくいられて,楽しい」平均3.47標準偏差 .773,「学校では自分だけの時間 が持て,すきなことができる」平均3.01標準偏差 .993,「学校では自分のことについて考え,

ボーとすることがある」平均2.29標準偏差1.106,「居場所では何かに夢中になれ,自分に自信 がもてる」平均3.27標準偏差 .883,「学校では,他の人のペースにあわせなくて,人を気にし なくていい」平均2.33標準偏差1.082であった。

 図Ⅳ- 3 に示すように,小学 1 ・ 2 年生は,被受容感,精神的な安定,行動の自由,自己 肯定感の面での居場所感を持っているのに対し,思考・内省,他者からの自由の面では居場 所感が低くなっている。

 自分についての思考・内省できる居場所感が低いことは,小学 1 ・ 2 年生は発達的に自意 識がそれほど明確になっていないことの現れとみることできよう。また,「他者からの自由」

の面での居場所の低さは,小学校 1 ・ 2 年生は学校という集団生活へ適応しようとする志向

が反映していると考えられる。

(26)

0.501 1.52 2.53 3.54

図Ⅳ- 3  学校の居場所感

4 .家庭・放課後・学校の居場所感

 本調査では,被受容感,精神的安定,行動の自由,思考・内省,自己肯定感,他者からの から成る心理尺度を用いて,子どもの家庭・放課後・学校の居場所感を探った。図Ⅳ- 4 に 示すように,「自分を本当に理解してくれる人がいて,大切にされている」被受容感,「自分 らしくいられて楽しい」精神的安定,「自分だけの時間が持て,すきなことができる」行動の 自由,「何かにむちゅうになれ,自分に自信がもてる」自己肯定感は高く,第 1 位が精神的安 定,第 2 位が被受容感であることは,家庭・放課後・学校に共通している。行動の自由は家 庭では第 3 位で,対して放課後と学校は第 4 位であるが,平均値は放課後とほぼ同じ(家庭 3.42,放課後3.45)であるのに比べて,学校は3.01と低い。自己肯定感は家庭で 4 位,対して 放課後と学校は 3 位である。平均値では,家庭(3.38)は放課後(3.46)とやや低く,学校

(3.27)よりも高い。

 「他人のペースに合わせなくて,人を気にしなくていい」他者からの自由は,家庭・放課 後・学校すべて 5 位であるが,平均値からみると家庭(2.9)と放課後(2.91)はこの項目で も居場所感があるが,学校(2.33)は居場所感やないと感じている。また,「自分のことにつ いてよく考え,ボーっとすることがある」思考・内省は家庭・放課後・学校すべて 6 位であ るが,平均値からみると,家庭(2.52)と放課後(2.51)は,この項目では居場所感があると もないともいえない。学校(2.29)では,他者からの自由と同様に居場所感ややないと感じ ている。これらの結果は,小学 1 ・ 2 年生は他者を志向する発達段階にあることが反映して いると考えられ,また,自分についての思考・内省面での居場所感が低いことも,小学 1 ・

2 年生は発達的に自意識がそれほど明確になっていないことの現れとみることできよう。

 被受容感,精神的安定,行動の自由,思考・内省,自己肯定感,他者からの自由 6 項目の

全体的なパターンは,家庭・放課後の居場所・学校に共通している。平均値では,学校と放

課後はほぼ同じであるが,学校は 6 項目すべてが家庭・放課後に比べて低かった。

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家庭 放課後 学校

図Ⅳ- 4  家庭・放課後・学校の居場所感

 学校に通うようになった子どもの成長・発達とって,子どもが過ごす居場所として,家庭・

学校・地域の果たす役割は大きい。居場所とは,物理的なスペースがあり,そこで安心した 心理状態でいられることが前提となる。つまり,スペースという基本的な安全が保証された 上で,他者とのつながりがあり,その中で安心してありのままの自分でいられるとき,人は そこに自分の居場所を見つけることができる。本調査で用いた心理的尺度が,子どもの成長・

発達にともなって構造が変化するのか,また家庭・放課後の居場所・学校によって構造が異 なるのかは,今後の小学 3 年生から中学生の分析によって明らかにしていきたい。

5 .居場所感の学年差と性差

⑴ 「家」の居場所感

  1 年生と 2 年生を比較すると,「家では自分らしくいられて楽しい」(t=3.644,df=2673.408, p<.01)と「家では好きなことができる」(t=3.198,df=2657.820,p<.01)と「家では人を気に しなくていい」(t=2.905, df=2663.415, p<.01),そして 6 項目の合計得点でも(t=2.583, df=2657.336,p<.05),1 年生の方が有意に高い。唯一の例外が「家では自分のことを考える」

(t=-2.380,df=2692,p<.05)で, 2 年生の方が有意に高い。

 これは当然の結果と考えられる。保育園・幼稚園で集団保育を経験していたとしても,「学 校では,先生-生徒という権威に基づく大人-子ども関係が,社会化の 1 つの軸をなすが,

クラスメートとの同輩関係が『子ども社会』とも言える社会関係を形成し,子どもの日常に 強い影響力をもつようになる」(南博文,2002)。正に, 1 年生は学校化という深刻な発達移 行過程にあり,そこでは「家」が学校生活で体験するストレスの「癒しの場」として, 2 年 生と比べ格段の比重をもつためと考えられる。他方,既に先生-生徒,クラスメートとの同 輩関係にある程度の見通しを獲得している 2 年生では,「家」の居場所としての機能が「家で は自分のことを考える」場へと様変わりしているためと解釈される。

 次に「家」の居場所感について,1 年生と 2 年生を込みに,性差が認められるか検討する。

(28)

6 つの項目でもその合計得点でも,全てにおいて 5 %を基準とする有意差はない。

⑵ 「学校」の居場所感

  1 年生と 2 年生を比較すると,「学校では大切にされている」(t=-2.614,df=2499,p<.01)と

「学校では自分のことを考える」(t=-4.199,df=2499,p<.01)で,2 年生の方が有意に高い。こ のことは,先述の「家」の居場所感に関する解釈と整合している。

 次に「学校」の居場所感について, 1 年生と 2 年生を込みに,性差が認められるか検討す る。「学校では大切にされている」(t=2.271,df=2497,p<.05)においてのみ,男児よりも女児 の方が有意に高い。このことは,学校化という発達移行過程においては,女児の方がより適 応的であることを示唆すると考えられる。

⑶ 「放課後」の居場所感

 放課後をどこで過ごすかの回答結果は既に見た。子どもの回答で,「自分の家」が約 7 割 強,「習い事」が約 4 割弱,学童保育所が 3 割強,「友だちの家」と「公園など」がともに 2 割弱であった。本質問紙では「もっとも大事な場所(居場所)」として 1 つ挙げてもらい,そ の場について居場所感の 6 項目に回答してもらった。無回答が24.4%で,回答があった場合 には全てで「自分の家」が挙げられた。われわれが知りたかったのは,例えば「習い事」・

「学童保育所」等と「自分の家」との居場所としての心理的機能の違いであった。「自分の家」

以外の「もっとも大事な場所(居場所)」を挙げてもらうべきであった。ワーディングに回答 協力者への配慮不足があったと悔やまれる。

 その結果として,「放課後」についても「家」の居場所感と同様の学年差,性差が認められ た。すなわち,学年差としては,「放課後の居場所(自分の家)では自分らしくいられて楽し い」(t=4.043,df=2307.662,p<.01),「放課後の居場所(自分の家)では好きなことができる」

(t=2.910, df=2352.515, p<.01),「放課後の居場所(自分の家)では自分に自信がもてる」

(t=2.108,df=2368,p<.05),そして 6 項目の合計得点(t=2.407,df=2337.888,p<.05)で, 1 年 生が 2 年生より優位に高かった。性差については,「放課後の居場所(自分の家)では自分は 大切にされている」(t=-3.265, df=2332.283, p<.01)でのみ,女児の方が男児より有意に高い だけで,残りの 6 項目で性差はなかった。

6 .家庭と学校での親子の行動・経験と居場所感との関連

⑴ 本調査の居場所感尺度について

 本調査で使用した居場所感尺度について改めて説明しておく。 6 項目は杉本希映・庄司一 子(2006)に依拠して,本研究のために作成された。杉本ら(2006)では,小学 5 ,6 年生,

中学 1 ,2 ,3 年生,高校 1 ,2 ,3 年生を調査対象として,予備調査と本調査が実施され,

「居場所」の心理的機能を測定する尺度の開発と,それによる測定内容の発達的変化が検討さ

れている。因子分析の結果として,「被受容感」,「精神的安定」,「行動の自由」,「思考・内

省」,「自己肯定観」,「他者からの自由」の 6 因子が抽出された。30項目・ 6 因子からなる杉

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