生 徒 指 導
一顧城大学教育学部附属中学校の場合(1993年度)一
小林一仁*・冨山 憲**
(1994年3.月16日受理)
GuidaRce of Students
The Cace of Attached JuRior High School of the Faculty of Education in lbaraki URiversity
Kazuhito KoBAyAsHi and Ken ToM{yAMA (Received March 16,1994)
1 全体的な視野から見た生徒指導
学校教育は児童・生徒あって存在するものゆえに,生徒指導は教育課程のすべて,つまり各教 科・道徳・特別活動の3領域を通して恒常的に組織的・計画的に行われている。このことは生徒の 立場から言えば,自己の人間性の育成に不断に努めているということである。また,学校教育は,
それぞれの児童・生徒の家庭における教育との連携において成り立つ。これは,保護者会やP.T.
A活動と連環している。また直接間接に地域社会の教育(地域の学校教育や社会教育)とも連携し て成り立つ。附属中学校は水戸市に在るゆえに,水戸市教育委員会管内の小・中学校の教育活動と 連環している。生徒指導においても常に連絡を保っている。
本校の生徒指導は,本校の学校経営の方針にのっとるものであるから,始めにこれにつき紹介する。
「基本方針
1.教育基本法,学校教育法に基づき中等普通教育を施し,その充実発展を期するため,本校の特 質および実態を踏まえ,現代社会の動向を直視しながら意欲的創造的な実践に努める。
2.大学学部との連携を図りながら中学校教育の理論および実際に関する研究を行うとともに,県 内外の教育諸機関との緊密な連携のもとに,研究実践の交流と充実に努める。
3。 (略。教育実習に関するもの) 」 このような基本方針の下に教育目標を次のように設定している。
*茨城大学教育学部(i 310茨城県水戸市文京2丁目1−1).
**
?城大学教育学部附属中学校(rs 310茨城県水戸市文京1丁目3−32).
20 茨城大学教育学部教育研究所紀要第27号(1994)
「教育目標
1.多様な情報に柔軟に対応し,基礎的・基本的なカを確かに身につけ,学力の向上と個性の伸長 を図りながら,主体的に自分の行動を選択できる能力を養い,将来の進路を開拓できるようにす
る。
2.自分の生活行動を厳しく反省しながら,困難に耐え粘り強く努力する根気と強靱な体力の育成 を目指し,それを基盤にたくましく実践する態度を養う。
3.集団における自分の立場や役割を自覚し,他の人々に対する敬愛の心を持ち,協力してともに 向上する態度と自分の言動に責任を持つ態度を養う。
4.諸活動に臨む心構えや目的意識をしっかり持たせ,活動の過程を通して,充実感を味わいつつ,
豊かな情操や感性の育成に努める。 」 これら4項目は,民主主義の下に基本的人権尊重の思想に立脚した人間性の育成を目指すもので ある。このような基本方針,教育目標を踏まえて具体的な生徒指導に臨むこととなる。
このような学校経営の基本方針,教育目標とともに学校経営のための組織を編成することとなる。
その組織図(概要)を下に揚げる。
校長一丸校長一教務主任
〈会議〉
企画会 校務会
生徒指導委員会 進路指導委員会 研究推進委員会 学校保健委員会 など
教科教育 道徳
特別活動(学級活動,生徒会活動,クラブ活動等)
研 究 部 図書館教育 統計教育 教育工学 同和教育 生活指導 校外指導 生徒指導部 教育相談 進路指導
保健指導・安全指導
事務部一[麟PTA,騰教礪教育研騰)
生徒指導に直接かかわるのは生徒指導部である。年度頭初に年間指導計画を立案することに始ま り,年間を通して随時,学校行事等に即して指導の徹底を図る。
学年学級経営は事務的には教務部に組織づけられているが,各学年の学年主任および学級担任等
から成るメンバーで,毎日毎時それこそ密着して休みなく生徒指導に当たっている。生徒が登校し
てきてから下校するまで,目が放せないと言っても過言ではない。具体的な生徒指導は学級担任が
責任を負うこととなるため,最も活動的である。
研究部に組織づけられている教科教育・道徳・特別活動は,教育課程の3領域を研究的な視点か らここに位置づけたものであり,いずれにおいても生徒指導を内包している。特に特別活動は学級 活動,生徒会活動,クラブ活動等として具体的な日常活動を行うものであり,生徒自体の活動であ るから,生徒指導と直結している。本校では特別活動において,特に人間関係を円滑化する,集団の 中の自己を認知するなどの目標を達成するためERD活動(Encounter, Recognition, Development の頭文字を採った略語)を行っている。これを学級の特別活動の中で実施している。また,研究部 の中の図書館教育,同和教育等も勿論,生徒指導にかかわる。
なお,事務部における渉外中,PTA活動も学校教育と家庭教育との連携の上で生徒指導を行う ものであり,重要な一翼を担う。大学等との研究の提携,あるいは指導助言を得る意味で,教育研 究所などとの交流は生徒指導上で欠かせない役割を担う。
校内組織は常に円滑に運営される必要があるため,生徒指導に関する具体的な問題は生徒指導部 が担当するが,学校全体の運営を円滑にするためには全体全員による校務会が催される。これらに 加え,生徒指導に関しても全体的な視野からの運営を配慮し,生徒指導委員会(校長,副会長,教 務主任,生徒指導主事(生徒指導部長),学年主任,生徒指導部員等)という特別組織を構成し,
各学年各学級での生徒指導が円滑に行われるようにおよそ月1回の連絡会を持ち,協議を行ってい
る。
このような横断的な特別の委員会はほかにも学校保健委員会,進路指導委員会,研究推進委員会,
防火管理委員会等が構成されている。
2 生徒指導にかかわる各分野
先の学校経営上での基本方針,教育目標を受けて,生徒指導に関しては目指すべき生徒像を想定 して指導に当たっている。その努力点を次に掲げる。
「生徒指導の努力点
1.生徒一人一人が,望ましい学校生活の在り方を自覚し,自主的・協力的に向上,発展を目指す 積極的な生活態度を身につけることができる能力と態度を養う。
2.規律を尊重し,信頼と思いやりのある生活態度を確立し,楽しく,生きがいのある学校生活を つくる実践的創造的な態度を育てる。
3.学校生活の決まりおよび生徒指導の年間計画の内容に即して,基本的実践事項の指導の徹底と 評価に努める。 」 要は学校という一種の集団,組織社会の中において生徒それぞれ,個人がいかに生きるかとい う自覚をうながすものであり,いわば主体性,自主性に目覚めつつ協調性,社会性を身に付けさせ ようとねらうものである。この目指すべき生徒像の下に,生活指導,校外指導,教育相談,保健指 導,安全指導を次のように配慮している。まず生活指導についてのねらいを記す。
「生活指導
1.生徒一人一人が,基本的な生活習慣を身につけ,学校生活の決まりを進んで守ろうとする態度
を育てる。
22 茨城大学教育学部教育研究所紀要第27号(1994)
2.具体的,実際的な学校生活に即しながら,生徒一人一人の自己教育力の育成に努める。
3.生徒一人一人の個性の伸長を図りながら,個別的かつ段階的な教育を推進するとともに,学校 と家庭との連絡を密にして教育の効果を高める。 」 現今,生徒の良さ,特性,個性に配慮してそれを伸ばす教育が唱導されているが,本校では過去 1958年度からの実践研究の歴史をたどってみても,1970(昭和45)年度から3年間のそれは「ひと
りひとりに確かな学力をつける学習指導」,1973(昭和48)年度から3年間のそれは「調和と統一 のある人聞形成を目指す教育課程の研究」等,一貫してここに掲げた生徒の生活の指導のねらいを 含んだ実践研究を続けている。因みに現在は,1993(平成5)年度から3年間, 「自己の良さを自
ら伸ばす学習の創造」の主題で実践研究を進めている。
次に校外指導についてのねらいを記す。
「校外指導
1.通学分団集会などを通して通学途上での規律ある態度を身につけさせ,自律的な態度の育成に 努める。
2。外部団体との連絡を密にするとともに,通学途上の問題を的確に把握し,適切な指導にあたる。
3.学校と家庭との連絡を密にしながら,事故の防止に努める。 」 本校の生徒は水戸市,勝田市を始め通学1時間以内の東茨城郡,西茨城郡,那珂郡の生徒もいる
ため,交通問題,通学上での諸問題が生じる。特にバス通学でのマナー,他校生との接触には気を 使うことが生じる。交通事情の悪化(自動車の増加,渋滞)に伴い自転車通学を出来るだけしない 方針を採っているため,生徒立入はともかく保護者の理解が必要となる。年間,数回に及び保護者
による交通状態,通学状態の点検等の協力があり,その都度,協議も催している。
教育相談については,次のようなねらいのもとに指導している。
「教育相談
1。全教官が教育相談の意義とその本質を理解して研修に努め,相談的態度で生徒に接し,相談の 機会を多く持つようにする。
2.教育相談担当教官の相談方法および技術の問題だけでなく,学級担任,教科担任の行う教育相 談が生徒の実践力にどのような役割を持ち,どのように貢献していくのか究明する。
3.生徒たちの内に持つ本質的に伸びようとするものを,正しく引き出し,生徒の個々の行動を理 解するように努める。
4.教育相談室の充実を図るとともに,あらゆる機会をとらえて積極的・計画的に相談室の利用が できるようにする。 」 教育相談は,主として生徒の個人的な悩みなどの解決を図るために行う。したがって,学級担任
や教科担任が比較的直接に行う場合が多い。日々の登校から下校まで,それぞれの生徒の様子や行 動を観察し注意を配ることに始まる。学習上での悩み,友達関係からの悩み,家庭事情からの悩み,
性格上の問題からの悩みなど,さまざまである。学校内での教室や廊下,運動場などでの生徒との 立ち話も相談的である場合も多い。時間を要するものについては特に教育相談室で話を聞き,解決 を図る場合もある。これらを通して,生徒の人格を尊重し,秘密を守ることが必要であると実感す る場面も出てくる。教育相談における指導者(教師)と生徒の関係は人間と人間という関係である。
互いに人格ある存在であり,基本的人権を尊重するという関係において成り立つ,と考えている。
また,今日,一般に保健室が教育相談上で重要な役割を果たしており,養護教諭の存在が生徒に とっていかに大切であるかが確認されているが,本校においては同様であり,母親役のような甘え の相手であるという感じで養護教諭のところに駆け込み,密談を持ちかけている。
保健指導は心身の健康保持に力点があるが,そのねらいを次に記す。
「保健指導
1.自分の健康状態について関心を持たせ,問題点を積極的に解決し,健康の維持増進を図る態度 を養う。
2.身の回りの清潔に努め,整理・整頓をして,環境を整える態度や習慣を養う。
3.自分たちに多い病気や傷害について,その種類や内容を理解させ,それらを予防する態度や習 慣を養う。
4.健康な生活を営むのに必要な,基本的な行動様式を体得させ,実践できる態度や習慣を養う。」
中学生段階は身体的に性的に成熟し,精神的に大人へと成長する段階であるから,不安定になり やすい。そのため,情緒障害を起こし,集団に入れなくなる者,勉強につき不安になる者など,さ まざまな原因で不登校状態になる。…人一一人,別途に対応する必要があり,気長に対策を変えなが ら配慮しなければならない。特に学年担任間での結束,担任とその生徒との間での信頼関係の保持 など,実に手間暇のかかる問題である。
保健指導は,生徒の中に身体状況や精神状態に問題を生じ訴え出てくるのに応じた,その都度の 対応に忙殺されるのであるが,長期的な,また時期的な健康管理についての予防措置も必要である ため,養護教諭が作成する「保健だより」 (B版1枚)は生徒および保護者に役立つ情報となって いる。年間15回程度,発行されている。因みに本年度,第13号は「風邪ひきの現状報告と風邪をひ いた時の対策。教室内の空気の状態についての検査結果と,換気の方法,花粉症への予防と対策」
などがまとめられている。このような健康管理のための情報も,生徒指導の一環として欠かせない。
保健指導とともに日常的に安全指導も必要である。そのねらいを次に記す。
「安全指導
ユ.悪化している交通事情のなかで,通学途上および生活上での危険を防止するためには,一人一 人が自覚して行動しなければならないことを理解させ,事故防止についての認識を深めさせる。
2.通学分団の活動や交通安全指導を通して,…人一人の登下校の安全を確保し,正しい通学方法 の工夫や交通ルールを守る態度や習慣を養う。
3. (略。校内安全点検についてのもの) 」 これについては先に若干,説明してある。
なお,生徒指導の一環として本校では進路指導も含めているので,そのねらいを記す。
「進路指導
1.進路指導の性格・目標を再認識し,教育活動全体を通じて進路指導にあたるように指導計画を 見直し,改善を図る。
2.生徒一人一人が,進路意識を高め,自己理解,自己伸長が図れるよう,資料内容の検討や資料 活用の方法を工夫する。
3.学級活動を中核として,教育活動全体を通じて進路に関する情報を得させる活動,啓発rl勺経験
を得させる活動,進路相談などの場の設定を工夫する。
24 茨城大学教育学部教育研究所紀要第27号(1994)
4.進路学習の日常化を図るために,進路学習資料コーナーの充実に努める。
5.進路指導に対する保護者の望ましい関心と理解を深めるように努める。
本年度頭初,各学年とも学級において年間に取り組む計画等を次のように立てている。
第1学年では目標「自分の将来の進路への関心を深め,実際に進路の希望や計画をもつようにな るとともに,その実現のために自己理解や自己伸長に努めようとする態度を養う。」を実現するた めに,学級活動として「(第1学期)私の将来。 (第2学期)身近な人々の働く姿。職業と産業。
(第3学期)適性を考える。私の進路計画」について取り上げる。
第2学年では目標「自己認識を更に深め,職業や上級学校に関する進路情報を検討し,活用し,
自分自身でその希望や計画を吟味し,その実現に努めようとする態度を養う。」を実現するために,
学級活動として「(第1学期)いろいろな職業。 (第2学期)自分の長所・短所。進路の吟味。
(第3学期)高等学校の特色。私の将来」について取り上げる。
第3学年では目標「自己の特性と希望する進路について一層これを吟味し,自分にふさわしい職 業や学校を選択できるようにするとともに,その進路において適応,向上を目指して自己実現を図 っていくために必要な能力や態度を養う。」を実現するために,学級活動として「(第1学期)適 性の吟味。個性を生かした人々。進路選択の基準。 (第2学期)働くことの目的と意義。進路計画 の吟味・検討。進路の検討。 (第3学期)受験の心得。大人の役割。私の将来の生活」について取
り上げる。
今年度は第3学年において高校入学者選抜制度の改正があったため,進路指導について特に細心 の注意が払われる。
進路指導は今後も,個性・適性・能力を配慮して,理念的・大局的に展望をもたせるとともに,
具体的に高校をどう選ぶかという現実的な問題とを関連させて推進することとなる。
以上,生徒指導にかかわる各分野について概観した。
3 生徒必携『学校生活のしおり』
どこの学校でも生徒向けに学校生活のための小冊子を作成するが,本校では「学校生活のしお りs (A5版)を用意している。前半には学校生活上の諸注意,制服,特別教室の使用規定,生徒 会関係規約等を掲載してあり,中問に約30ページほどのメモ欄を設け,末尾に学校家庭通信欄(欠 席・遅刻・早退届・諸連絡事項)等を設けてある。
前半の冒頭には「わたしたちのめざす姿」として「より高い価値をめざし,たくましく実践し,
ともに向上する生徒」という目標を掲げてあり,これを敷漏して,
・自分の生き方を常に反省し,より望ましい考え方をとることができるよう努力する。
・欲望や感情にまどわされないで,自分のなすべきことは最後までやりぬくよう努力する。
・他人の気持ちや立場を大事にして,お互いにいたわり合い,励まし合って共に向上しようと努力 する。
と記述してある。説明も付してあるが,自制心のある主体的な生き方,協調性のある生き方を基本
的に求めている。この上で「1.きまりを守って通学しよう。」 「2.清潔で端正な身だしなみを
しよう。」 「3.明るく節度ある生活をしよう。」 「4.整理整頓に心掛けよう。」 「5.公共物 を大切にしよう。」 「6.物を大切にしよう。」 「7.意欲的に学習に取り組もう。」 「8.能率 的に作業しよう。」 「g.生徒会・クラブ活動を積極的に推し進めよう。」 「10.整然とした態度 で有意義な集会をしよう。」 「U.楽しく食事をしよう。」などと,呼び掛けている。これらは学 校全体・学年全体・学級また部活動など,集団生活を秩序あるものとしで快適に営むために体験的
に帰納されて作られた約束である。
生徒指導を上から押しつけるものとしてだけではなく,生徒が自ら進んで秩序づくりをし,主体 的に互いに協力し合うように願っての呼び掛けである。
4 生徒指導委員会での対策等
生徒指導委員会では,先に述べた生徒指導に関するねらいを受けて,本年度も年度頭初に月ごと の目標を設け,生徒に具体的に心構えや実践ができるように提示している。それについて以下,記
しておく。
〔4月〕
○集団における自分の立場や役割を自覚し,進んで皆の役に立とう。
・きちんとした身なりをする。・時刻を守る。・学習に取り組む姿勢を正しくする。
○登下校の安全に留意し,幽幽生としての誇りを持った態度を養おう。
・通学途上の安全を図る。・附中生としての誇りを自覚して通学する。
〔5月〕
○自主的に自分の行動を選択し,見通しをもって活動していこう。
・係活動を積極的に推進する。・行事に積極的に参加する。
〔6月〕
○相手の人格を尊重し,他と協力して明るい節度ある生活をしよう。
・常時活動の充実(班,係,当番活動)を図る。⑧礼儀正しい生活(挨拶,言葉遣い)をする。
〔7月〕
○諸活動に主体的・積極的に参加し,ねばり強く責任を持って仕事を遂行していこう。
・見通しを持って,最後まで自分の仕事に責任を持って活動する。
○忙中生としての誇りを持って,自律的に生活していこう。
・夏期の保健衛生と安全な生活。・夏休みにおける計画的な生活。
〔9月〕
○自分達の課題を確認し,その解決を目指して,規則正しい生活の中で意欲的に努力しよう。
・集団の中での自分の責任や役割を自覚する。・課題解決:を目指して,協力して活動する。
〔10月差
○自ら学ぶ姿勢を保持しながら,学業の充実を目指して助言し合い,協力し合って意欲的に取り組
もう。
・計画的・継続的な学習ができる生活のリズムを作る。
26 茨城大学教育学部教育研究所紀要第27号(1994)
○諸活動に見通しを持って,より充実した活動を目指して自ら工夫するとともに,共に協力し合っ て取り組もう。
・新しい組織での活動を計画的に展開する。・いばら祭の諸活動を充実させる。
〔11月〕
○積極的に諸活動を推進し,豊かな人間関係を築き上げていこう。
・責任ある係活動を推進する。・分からないことを教え合う。
○学力の充実を目指して,意欲的・計画的に努力していこう。
〔!2月〕
o附中生としての誇りを持って,自律的に生活していこう。
・冬期の保健衛生と安全な生活。・冬休みにおける計画的な生活。
○通学上の諸問題に気づかせ,登下校の安全に留意し,附中生としての誇りを持った態度を養おう。
・通学途上の安全を図る。・附中生としての誇りを自覚して通学する。
〔1月〕
○新たな決意の下にお互いに助け合い,励まし合って,より温かみのある学校生活を送ろう。
・自分に厳しく,周りの人には温かくして,温かみのある生活を送る。
〔2月〕
o先輩が育ててくれた伝統を引き継ぎ,育てていこうとする態度を養おう。
・クラブ活動や生徒会活動への積極的な参加と自主的な奉仕活動。
〔3月遅
01年間を省みて,各自の成長を確かめ合うとともに,新たな課題をつかみ,共に向上していこう と努力する態度を養おう。
以上のような目標を設定している。各学年では,これを受けて折々の生徒指導に当たっている。
生徒指導委員会は,生徒のなまなましい日々の生きざまに即応するものであるから,緊急事態に は校長,副校長,生徒指導主任を中心に対処することとなるが,上記の月ごとの目標の下に生徒の 実態がどう推移しているかにつき毎.月,会議を開催し情報を交換して対策を協議している。
協議は各主任からの報告に基づく。すなわち,各学年の学年主任を始め,生活指導主任,道徳教 育主任,特別活動主任,生徒会活動主任,校外指導主任,教育相談主任,保健指導主任,安全指導 主任,教育実習主任,それぞれの視点からその時点での生徒の実態の報告を求め,特に問題となる ことにつき対策を練ることになる。
幾つかの事例を挙げれば,全体的な問題としては,挨拶の励行,登下校時のバスなどでのマナー,
清掃用具等の公共物の扱い方,夏休み中の生活設計,時間厳守,戸締りの励行などである。個別的 な問題としては,不登校生徒の指導,交通事故,万引き,喫煙,家出などである。個々の問題は保 護者と連絡をとり大事に至らぬように細心の注意を払っててきぱきと処理する必要があり,神経を
使う。
生徒指導は学校の行事等の年間計画に従って全体的に行う必要のあるものは予防的に未然に事故
対策を講じることができ,予測される事故が起こった場合には即座に対応することができるが,個
々の生徒における個人的な問題として起こったものに関しては,同類の事例がある場合には対策も
立てやすい。しかし,例えば不登校生徒に関してはそれぞれの原因,理由等が別であって,その子
なりの問題として対策を検討し,試行錯誤を繰り返しながら気長に回復を待つこととなる。一人に 対し,多大のエネルギーを必要とする。しかも,そのエネルギーを注ぎ込んだわりには,結果が見
えないことも生じる。
生徒指導は,このように全体に対してと個別と,予防的に措置を講ずる場合と臨床的に緊迫した 状況で行う場合と,毎日毎日,きめ細かく行っていて,どうにか何とかなっていくというものであ
る。