茨城大学教育学部教育研究所紀要21号(1989)65−78 65
茨城県の学校管理下における体育事故調査
三浦 忠雄 勝田 弘之ee 加我 行夫蘇 岩尾 恭輔罧甚 加藤 直彦罧輝
は じ め に
日本体育・学校健康センターの「災害共済給付に関する業務」に係る学校の管理下における児童,生徒等 の災害共済給付件数は年々増加し,これを実件数(発生件数)でみると,昭和56年度には92万7000件であ ったものが,昭和58年度には100万6000件,昭和60年度には108万6000件と増加している(11。児 童・生徒が学校で活発な教育活動を展開するときには,ある程度の事故災害が発生することもやむを得ない
と言えるかも知れないが,その著しい増加や重災害の発生,事故に伴なう訴訟紛争の頻発をみると,ぜひと も的確な事故防止の手だてを講じる必要がある。
体育関係領域では,スポーツ運動それ自体が危険性を内在させているとともに,プールのように運動する場所 や施設の特性からくる危険性,用具の取り扱いに係る危険性等があり,他の教科に比較して,事故に遭遇す る確率が高い。事実,昭和60年度の統計では,教科授業の中で小学校では78.7%,中学校では88.0%の事 故が体育あるいは保健体育の授業で発生している(2)。それだけに,教科授業やクラブ活動等体育的諸活動の 指導に当っては,十分な注意と配慮が必要であると言える。
本研究は,日本体育・学校健康センター茨城県支部に報告され,災害共済給付対象となった事故実件(具 体的には, 「災害報告書」, 「医療等の状況jの報告書類から事故の状況を調査した)から,学校における 体育的活動の中の事故事例を抽出し,事故の実態を把握し,今後の事故防止の対策を探ることを目的とする
ものである。今回とりあげたのは(1)プール及び附属施設での事故,(2}休憩時間における小学校・体育遊戯施 設での事故,(3)体育的部活動における事故である。
体育・スポーツ活動に係る事故の概要 1,全国の概要
日本体育・学校健康センターの資料(主に「学校の管理下の災害一基本統計一」③および財団法人スポ_
ツ安全協会(主に,「スポーツ等活動中の傷害調査」(4))から,どのような体育事故が,どのような時に発 生するか。その概要をつかむことができる。
今←甚
→e今←今←
甚今←今←今←
島根県大田市立大田小学校 静岡県浜松市立高砂小学校 大分県津久見市立千怒小学校 福島県鹿島町立八沢小学校
66・
(1)どのような場合に 負傷事故が発生して いるか(図1,図2)
② 教科授業中におけ る体育(保健体育)
授業での負傷事故の 発生の割合(図3)
茨城大学教育学部教育研究所紀要21号(1989)
図1 負傷事故はいっ発生するか
通学中
4.5
(小学校)
課夕縁旨導3.5
特溺活動 14.0
者 }詳科
道徳 25.工
体四時澗 52.5
小学校(60年度)
448,475 牛(%)
図2 負傷事故はいっ発生するか
通三掌畦12,5 特別活動
(中学校)
重2.4
各教科 道 徳 24.5
課外指導.
35.6
体憩時間 25.0
中学校(6 0年度)
352,025f牛(%)
図3 教科授業における体育授業での事故の発生の割合(60年度)
O 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(blm)
中 学 校
高等学校
[ =ill==M]
[= = E== ff]
同門学校
体育C保健体育)
(3)特別活動における体育的行事,体育クラブでの負傷事故の発生の割合(図4 (%)
学級指灘 学校行事 児童活動
42.6 37.3 20.1
清 給 そ 保健遠足 動労 学 儀 そ 体育児董 文化 そ
の 体育
I行 的行 生産
芸
式 の クラ会等 クラ の
掃 食 他 事 事 的 的
他 ブ ブ 他
28.5 5.5 8.3 玉7.1 1G.9 3.0 2.7 i.7 1.9 1至.5 5.6 L3 1.7
運動会6.9 続技会3.5
(内訳) 水 鴨 、
j0.9 その他 5.8
その他の教科
,図5)
(%)
学級指導 学 校 行 事 生徒活動
24.0 61.1 14.9
清 そ 体育 旅 学 勤労 保 そ 体育 生徒 そ
の 的行 行 芸 生産 の クラ会学 の
掃 他 事 的
的 安 他 ブ
級会 他
王6.6 7.4 45.9 8.3 2.6 1.7 1.6 1.0 6.9 G.9
球技大会16.6
(内訳) 運動会14.1 (内訳)
競技会 6.7 その他 8.5
球技5.9 格技O.6
その{ta O.6
図4 特別活動の中の体育的活動での事故の割合 図5 特別活動の中の体育的活動での事故の割合 小学校(63,050件) 中学校(43,500件)
(4>課外活動における体育活動,体育部活動での負傷事故の発生の割合(図6,図7)
o 小学校
15,75Gイ母二
申 学 校 le 20 30 40 50 60 70 80 90 100(%) 125,325Vl:
体育活動 72,2
o lo 20 3e 40 s,o 60 70 so go loo(%)
部 活 動 973 響也
禦也
林昆ヒ海 文化活動 38
〈〉内訳
本育藍看重む 96.2
野柔陸ソ292の953
骨 ︶
一
驚物 ケ︸力 ツボ﹇ ト︸ ボル ル内
その他 1.1
里}; 1求12.4
遵 6.2 土 5.4 ソフト 4.6 f本 垂葉 4.4 剣 道 2.8 その他12.1
図6 課外活動の中の体育的活動での事故の割合 図7 課外活動の中の体育的活動での事故の割合
三浦,他:茨城県の学校管理下における体育事故調査 67
小学校では,課外指導の事故件数は少ないが,体育活動が72.2%と最も多く,次いで林間,臨海学校が 11.1%となっている。中学校では,体育部活動がほとんどを占め,これを運動種目別にみると,球技系運 動が全体の60.7%を占めているのが特徴的である(5)。
2.茨城県の概要
日本体育・学校健康センター茨城県支部(水戸市)において集計された,昭和62年度の事故件数は表1,
表2の通りである。
(1)どのような場合に負傷事故が発生しているか。()は61年度
小学校の事故総件数9,616件(9,971件)のうち,休憩時間53.5%(52.9%),各教科243%(24.2%),特別活 動14.2%(15.0%),通学中5.5%(5.エ%),課外指導2,5%(2.6%)の割合1こなっており,全国とほぼ同じ傾向 の割合を示している。
中学校の事故総件数は7,7 4 7{牛(8β19件)で,このうち課外指導40.4%(40,7%),休憩時間17.9%(19.1
%),各教科25.3%(24.5%),特別活動12.9%q2.2%),通学中3.5%(3.5%)の割合となっており,全国の 傾向と比較すると休憩時間が少なく,課外指導がやや多いことがうかがわれる。
② 教科授業中における体育(保健体育)授業での負傷事故の発生の割合。()は61年度
小学校で教科授業中に発生した事故件数は2,332件(2,434件)で,このうち体育の授業中に発生した事故は 1,955件,83.8%(82.5%)で,数字的には全国の割合よりもやや多い数字を示している。
中学校では!,961件(2,041件)で,このうち体育の授業中に発生した事故は!,794件,91,5%(1,880件,92.1
%)である。
⑧ 特別活動における体育的行事,体育クラブでの負傷事故の発生の割合。()は61年度
小学校の事故件数!,3 63件(!,498件)のうち,体育的行事は15.8%q67%),体育クラブは10.6%
(ll.4%)であった。中学校は,999件(1,012件)で,このうち体育的行事では37.3%(36.5%),クラブ活 動では7.5%(6.5%)の事故が発生している。
(4>課外活動における体育活動,体育部活動での負傷事故の発生の割合。()は61年度
小学校の事故件数244件(255件)のうち,体育活動の占める割合は84.0%,205件(88.6%。226件)で,数 字的には全国の場合よりその割合をやや多くしている。中学校は3,133件(3β87件)で,このうち体育的部活 の占める割合は3,059件,97,6%,(3,301件,97.5%)となっている。
茨城県e学校管理下におけるプールでの事故
1.事故発生の概要
本調査では,プール本体ばかりでなく,一連の附属的な施設すなわち,プールサイド,用具庫等(用具庫,
管理室等),附属施設(シャワー,洗体槽,足洗い場,洗眼所等),出入口における事故発生の状況を明ら かにした。ただし,更衣室及び校舎からの通路は除いた。プールでの事故は発生件数は少ない(昭和62年度 茨城支部統計,小学校で106件,1。1%)が,水が介在する特異な施設であり,ひとたび事故が起これば,重 大な結果を招く可能性も大きく,事故防止には特別な配慮が必要とされるのは言うまでもない。
68 茨城大学教育学部教育研究所紀要2エ号G989)
表3 プールでの負傷事故の発生状況(茨城県)
小学校
事故総件数 プール事故数%)
昭和58年 9,124 88(0.96)
59年 9,229 72(0.78)
60年 9,368 86(0.92)
6ユ年 9,971 66(0,66)
62年 9,616 106(1.10)
中学校
昭和60年度の全国統計によると,校舎外での事故
(小学校199,375件,中学校133,975件)のうち,
プールでの事故発生の割合は,小学校3.7%,中学校 (6)
。茨城県の場合は,校外舎の2β%となっている 事故の中でプールの事故の割合は,小学校エ.3%
(61年差,2.2%(62年),中学校1,2%(6ユ年),
1.6%(62年)であり,数字的には.茨城県はプール での事故の発生の割合はやや少ない傾向を示してい
る。
昭和61年 8,319 41(0.49)
62年 7,747 50(0.65)
2.学年別発生の割合
図8,図9は,昭和56年〜60年の5年間に発生したプールでの事故件数の合計から,学年毎の件数の割合を 示したものである。全国の発生状況(昭和58年統計)と比較すると,小学校は全国とほぼ同じ傾向である。
中学校では,全国は中2,中3,中1の順になっている。男女比は,茨城県の場合,男子は女子の約2倍の 発生の多さである。
3,事故発生の場所
活動量や学習内容が増えるに従って,プール内での事故の割合が増加するが,プールの外での事故も相当あ る。附属施設・その他では,出入口,用具庫,階段での事故があり,注意を配る必要がある(図10)。児童・
生徒に対して,プールサイドで走ったり,ふざけたりしないように指導することは勿論だが,最近はプール サイド等で水に濡れても滑らない新素材の活用が工夫されてきており,なお一更きめこまかい事故防止対策 に努めるべきである。
(%)
40
30 20
三〇 6,1
一〇.2 g.1 1 6,2
25,9 3 2.5
0 123456(学年)
茨城県・小学校
図8 プールにおける事故・学年別発生の割合 (昭和56年〜60年)
O iO 20 30 4 C 50 60 70 80 90 100(blnt)
(%)
40
30
20
10
ttt 33.3
3 1.1
小学校低学年
同
ゆ学葎
同
高学隼 中学校
375 畦5、3 17.2
47.4 3G.5 22,三
52.6 33.4 14D
45.4 42.9 1玉.7
66.7 222 11.ユ
n=64 n==95
n==196
n==163
高等学校 n=・45 (プール内) (プールサイド)(附属施設
そのぬう
図10 プール事故e発生の場所(茨城県・昭56〜60年)の事故というのは,すべってころぶ物に足をぶ 0
1 2 3(学壬葬)
な サ な
図9 プールにおける事故・学年別発生の割合 (昭和56年〜60年)
4.事故の原因
事故発生時の行動の態様(図11)と直接の原因
(図12)を示した。水泳の事故で最も重大な事故 となるのはとびこみに関係する事故だが,今回は 発生の割合を示すだけにとどめ,詳細な報告は次 の課題としたい。全体的に「泳ぐjに限らず,多 様な事故原因がみられるのが特徴的である。移動
69 一 70
表1 昭和62年度 場合別e場所別・傷病の種類別傷病発生件数調(小学校)
日本体育・学校健康センター茨城県支部 各 教 科 特 別 活 動 課外指導 休 憩 時 間 通学
児童活動 学級活動 学校行事
場 合
黶@ 所 摯aの種類
図画工作 児童会学級会 体育的クラブ
その他
学校給食その他
体育的行事 遠足的行事 保健安全行事 その他の行事 体育活動 業間休憩時 昼食休憩時 始業前特定時 授業後特定時教 室 5i 2 160 93 28 1 15 37 189 40 11 15 1 9 370 143 113 160 143
体 育 館 1 897 7 20 62 1 21 13 23 23 57 5 78 65 14 120 1,407
廊 下 2 3 3 4 1 1 18 61 2 6 6 1 1 136 69 42 62 418
校 舎 内
昇 降 日 1 1 3 20 3 1 3 37 24 22 44 159
階 段 4 2 1 2 1 1 14 33 4 5 6 2 162 76 37 100 450
そ の 他 1 4 3 5 4 1 2 8 37 1 3 1 1 1 1 39 30 7 15 163
校庭・運動場 18 824 2 3 70 73 1 47 22 141 2 1 41 98 13i589 627 120 464 3,157
鉄 棒 1 79 1 1 1 5 1 3 100 99 13 44 348
ぶ ら んこ 4 1 1 i1 97 72 10 50 236
シ ー ソ ー 26 15 3 10 54
回 旋 塔 2 1 ;33 30 9 17 92
場 所
すべり台 2 ・ 38 26 5 23 94
ジヤングルジム 1 1 37 30 4 10 83
校 舎 外 体育o遊戯施設
雲 て い 13 26 32 2 13 86
登り棒・(網) 14 1 2 32 20 1 15 85
遊動円木 14 18 4 14 50
固定タイヤ 11 1 1 2 46 34 6 19 120
砂 場 1 22 1 1 3 11 10 6 55
そ の 他 6 1 1 1 1 1 59 50 1 34 155
プ ー ル 60 1 1 2 3 9 22 2 2 4 106
そ の 他 5 3 4 1 1 19 3 3 2 6 4 2 27 30 5 36 2 153
道 路 1 6 1 8 7 6 1 ! 165 347 543
校外
そ の 他 3 1 1 2 1 1 25 46 45 11 5 2 12 9 164
骨 折 10 545 1 11 28 39 2 8 83 10 65 11 5 36 45 12 485 ◎425 95 367 36 108 1 2,428 捻 挫 10 853 3 11 34 61 1 15 57 17 57 14 7 29 88 5 444 416 76 333 26 56 2,613
打 撲 3 189 3 13 13 16 3 12 55 10 28 6 4 7 20 5 254 176 45 130 18 31 1 1ρ422
負 傷
挫切裂刺割擦過傷 45 244 150 51 39 21 12 23 178 37 37 21 16 61 40 14 623 369 157 342 76 128 2,684
傷病の種類
脱 臼 3 27 ヱ 3 1 1 2 1 2 4 2 20 39 8 15 4 6 139
熱 水 傷 !0 2 1 8 1 1 10 7 1 1 1 3 1 7 2 1 1 58
その他の負傷 5 60 6 17 10 3 2 4 28 11 13 2 2 9 5 1 90 55 27 49 13 24 436
疾 病 3 35 6 6 6 3 4 2! 3 14 2 2 7 5 1 36 22 9 24 4 3 216
合 計 89 1,955 170 118 134 144 21 77 43! 90 216 57 37 156 205 39 1,959 1,504 418 1,261 177 356 2 9,616
71 v 72
表2 昭和62年度 場合別・場所別・傷病の種類別傷病発生件数調(中学校)
日本体育・学校健康センター茨城県支部
各 教 科 特 別 活 動 課 外 指 導 休 憩 時 間 通学中
生徒活動 学級指導 学校行事 部 活 動
体育的行事 体育 的 部 活動
場 丁
黶@ 所 摯aの種類
技術︒家庭
その他
学級会生徒会 クラブ活動 学校給食その他
運動会 批. 兄兄D球技会 その他 その他の行事ノく
撃P
ノ・ミ
Xケット サツカ1 テニス その他 その他の部活動
その他
業間休憩時 昼間休憩時 始業前特定時 授業後特定時登校中 下校中
教 室 1 3 68 7 5 18 80 13 6 1 1 9 3 195 89 24 83 606
実験・実習室 73 7 2 10 ユ ユ 8 2 104
体 育 館 791 2 1 27 19 9 15 24 17 11 9ユ 3 379 469 1 2 63 9 2! 24 3 2 33 36 2 18 2 2,074
校 舎 内
道 場 117 5 1 3 1 1 227 75 11 1 2 2 446
廊 下 1 3 12 24 2 2 1 2 1 1 3 1 4 96 56 6 49 264
8
ク 降 口 8 1 2 2 1 1 ユ2 12 9 20 68
階 段 1 2 1 2 4 17 1 1 1 3 88 41 6 63 231
そ の 他 ユ 3 3 18 1 1 1 3 1 1 1 1 25 21 5 21 107
校庭・運動場 819 1 3 76 40 29 21 113 !07 78 17 11 76 357 45 76 426 132 8 1 9 !24 2 18 36 149 19 76 1 2,870
校 舎 外
体 育 施 設 34i 2 2 1 2 6 3 2 1 1 1 1 1 2 7 1 4 71
プ ル 24 1 1 1 10 12 1 50
そ の 他 2 2 1 12 1 1 2 2 2 1 3 2 2 2 1 9 8 10 38 101
場 所 傷 病 の 種 類
道 躍 3 1 1 7 5 6 5 1 2 2 2 2 1 1 2 2 1 122 139 305
学 校 外
競技場・運動場 6 2 2 5 14 31 41 71 62 11, 3 45 14 28 3 338
そ の 他 11 1 1 3 89 1 2 2 ! 6 1 1 3 112
骨 折 62111 6 29 18 9 38 14 40 43 36 50 38 26 113 92 130 196 25 20 132 34 55 4 12 137 126 19 106 32 53 1 2256
捻 挫 セ688 5 6 44 27 5 33 19 31 56 26 27 49 31 111 280 331 136 55 26 86 48 74 6 13 100 77 17 89 12 27 2,535
打 ,撲 174h1 5 20 5 3 27 5 8 16 14 15 9 10 55 36 62 57 26 14 33 19 24 6 6 90 72 8 56 29 17 エ 933
負 傷
挫切裂刺割擦傷 184 51 56 18 1! 14 76 10 23 21 22 34 7 30 69 34 59 72 35 21 13 16 29 6 15 136 108 30 105 42 34 1 1,382
脱 臼 291 ! 1 5 2 3 1 1 2 6 4 10 9 7 2 4 4 7 2 3 io3
熱 火 傷 6 4 1 4 3 5 23
その他の負傷 58 7 7 3 8 ! 16 7 8 5 11 4 3 23 12 17 17 5 2 6 3 7 1 3 21 20 6 14 7 5 307
疾 病 40 2 3 4 1 9 3 5 4 2 4 4 30 11 14 ヱ2 6 1 5 ! 10 1 1 14 10 7 1 3 208
合 計 1,794 8ヱ 86 118 75 37 207 51 116 /51 /06 138 113 104 407 469 623 499 152 84 282 ユ23 203 24 50 507 420 82 377 123 142 3 7,747
三浦,他:茨城県の学校管理下における体育事故調査
。 lo 20 30 40 so 60 70 so go loo(gS)
24窪 n駆6
19.3 10.2 a嘔9
22.6 12.8 n皿茎
2L9 工4.3
/
Il司
28.1 11.0 1}備4
移 動
遊び
ふ O婆
清掃 と懸隔幕 蒲
はさまれる 夢一︼
人と キべる 接触
さ
@ 踏泳れぶつける つまって むぐる他 不明
20.3 9.4 203 14』
2Ll 10.5 21」
2L9 15.8 26.0
22涯 H,7 19.0
20.0 11,1 20.0
73
瞬集
贋.
中学校
麟纂
跳,!,1三
!1;}軸三
中学校
n==6tl
n=95
n=一196
1i=]63
n颪45
の て
雌{ 0 10 20 30 40 50 60 7G 80 90 10G(%)
図11 プール事故発生時の行動の態様 一 図12 プール事故の原因
つける事故が多く,泳いでいる時の事故というのは,前を泳いでいる人に顔をけられる,ターンの際に人に ぶつかる等の事故である。
休憩時間における小学校体育・遊戯施設での事故 1.事故発生の概要
小学校の校庭・運動場に設置されている体育・遊戯施設は,上級学校に比べてその種類も多く,また多様 に利用されるだけに,事故も極めて多い。昭和60年度の全国統計では,全国では38,075件発生しており,負 傷事故全体の8.5%を占め,校舎外での事故の19。1%を占めている。種類別をみると,鉄棒が18.8%と最も 多く,次いでブランコIO.5%,雲梯8.6%,すべり台7.7%の順となっている(7>。昭和59年の茨城県の統計で は,体育・遊戯施設の事故は1βユ7件あり,このうち1,ユ59件(88%)が休憩時間に発生している。
(%)
15 表4 休憩時間における体育・遊戯施設での事故(茨城県)
jo
5
0 1 2 3 4 5 6(学年)
図13 体育・遊戯施設事故,学年別,男女別発生の場合 (茨城県・昭和59年,n・・1.159)
図13に示すように,学年があがるに従って事故が少なくなっているが,これは,学年があがると,遊戯施 設から離れて,具体的なスポーツ種目に関心が移っていくことが想像される。また女子の件数が少ないのは,
活動量の違いや,遊び方の違いが現われているのと思われる(図14,剛6)。
2.施設の種類別による事故発生の状況
施設の設置状況,遊び方の態様の違い等があるので,一概に全国の統計や他の県との比較はできないと思 われる。施設の種類によって,男女別,学年別の割合に大きな違いをみせているのは,利用状況の違いから
13.2
〔コ男子
ォ好
ll.6
10、錘
9.1
8」 8.3 8.2
7.2 7.4
6.9
5.7
3.6
74 茨城大学教育学部教育研究所紀要2エ号(1989)
くるものであろう。図16に,最も事故発生の多い鉄棒での事故原因をみると,圧倒的に落下によるものが多 い。紙面の都合で示せなかったが,例えば,回旋塔(69.3%),すべり台(47.5%),ブランコ(27.3%)でもそ の第一原因は落下である。生徒・児童が時に教師側の想像を越える利用の仕方や危険な行為をしていること に配慮しなければならないが,一般的に雲梯等の施設は,体育施設か単なる遊戯施設かの性格づけがあいま いで,利用の頻度の割には,器械直下を砂場にするなど,万一の落下に対する対応が為されていないのが現
状である。 (%)
1玉 10.4
重0 9.7
9 &6
8 〔コ男子
7 吻好 6.7
6.1
6 5b
5 4.9
4 3.8 3.6
3
3.0 3.4
3.1 2,9 33
2.8
a3
2,i 2、2 2.2 2
15 L6 LgL6 L5 L6
1 09
α3 0
鉄
棒
; 團 裏
ζ蒙9
O 10 20 30 40
.平均台シーソー
登り棒
梯
固定タイヤ
遊 砂 築 そ
円 亥 の 木 場 ル 山 他 図14 施設の種類別・事故発生の割合
(茨城県e昭和59年,n・ 1.159)
50 60 70 80 Cj O 100(%)
鉄 榛
ブラ ンコ
回 旋 塔
すべり台
圃短タイヤ
霊 梯
登 り 棒
シー ソ ー
平 均 台
遊動円木
砂
ジヤングル ジム
築 山
そ の 他
図15
18.6 23.5 18.l l3.1 15.8 10.9 n
18.0 202 21,3 19,8 13.7 7.G n
!9.8 9,9 28.8 15B 16.8 8.9 n
2G.2 25.3 222 13.1 1L2 8.0 n
22.0 13,嘆 134 22.0 14.6 14.6 n
凌1.4 243 17,0 重0.0 5.7
n
21B 14.5 16.4 145 16.4 16.4 n
12.o 30.0 24.0 三6.0 1G.0 8.0 n
6.9 20.5 22マ 13.6 22.7 i3,6 n
26 211 18,q 23.7 23.7 1α5 降
5.躊 13.5 1 3.5 1 3.5 13.5 4α6 1義
206 M,7 M.7 147 23.5 1夷.8 n
379 1G.3 17、2 10.3 10.3 三40 n
董9,8 21.6 15.5 董5.5 三47 12.9 n
n==221
n =t83
n司G】
n= CJ 9
n==82
1.4
n=70
n=55
n==50
n==44
n==38
n=37
n==34
n=29
n=116
1年 2年 3年 4年 5年 6年
一 L−m.一一一m.
低 学 年 高 学 年
学年による事故発生の割合(茨城県)
図16 鉄棒事故の原因(茨城県)
状 況 件数 %
落 下 手がすべり oランスをくずし
?やまって ォがはずれ フを支えきれず 閧ェとどかず
67 P8
P5
W53
52.5着地失敗 44 19.9
ぶつ
ッる
支柱に S棒に
16
Q0 16.3 転 倒 10 4.5
人との接触 8 3.6
運動中いためる 5 2.3 そ の 他 2 0.9
計 221 100
三浦,他:茨城県の学校管理下における体育事故調査 75
図7に示した通り,全国統計でも,体育部 活での事故のうち,バスケットボール(192%),
バレーボール(15.2%)の事故が1,2位を占 め,野球(12.4%)は4位を占める多さである。
茨城県の中学校で3ケ月間に発生した部活事 故はバスケットボール308件,バレーボール
224件,野球212件で,それらの学年毎の割 合,男女の割合は図17,図18に示した。バス ケットとバレーで女子の割合が大きいのが目
立つ。
練習中と試合中では,圧倒的に練習中の事 故が多い(図19)。
2.事故発生の原因
事故発生時の行動の態様は各種に及んでい る(図20)。紙面の都合で省略したが,負傷 部位の調査では,バスケット・バレーとも下 肢部の負傷が半数を越えており,負傷の種類
としては捻挫がバスケット53.2%,バレー 474%が多い等の状況をみると,投・捕・打 やジャンプ等の基本的動作での事故が多いと いえる。野球の事故では,多い順に,上肢 43.6%,下肢26.6%.頭部24.8%となって おり,バスケットやバレーと比べて,頭部の 負傷が多く,負傷の種類も打撲27.6%,骨折
26.2%,捻挫24.9%となっている。
種目別の事故の発生原因は図21の通りであ る。バスケット,バレーともに,ジャンプし て着地失敗,つまついたり,転倒したりの事 故が目立っている。全国的な傾向は,財スポ ーツ安全協会の調査にみることができる(表
5 )(8)o
中学校の体育部活動における事故
日本体育・学校健康センター茨城県支部に報告され,災害共済給付対象となった事故実件から,昭和6ユ年 4月〜9月の3ケ月間に,中学校の体育部活動で,バスケットボール(男・女),バレーボール(男・女),
野球(男子)に関して発生した事故(計744件)を抽出し,その実態を調査した。
L 事故発生の概要
o lo izo 30 40 .se 60 70 so gu loocea)
バスケ ノト ボ 一 ル
バレーボール
野 球
227 43B 33.4
17.9 50.0 32.1
29.7 401 302
!{il生 2年生
n==308
n==224
n国212
図17種目別・学年別事故発生の状況
O ]O 20 30 40 SO 60 70 80 90 100〈ea)
バスケッ ト
39.3
ポ 一 ル
バレーーボーtル 263 男 子
60.7
ge, k.3・k
npt3e8
n=224
鋼㍗、し
0
矩 年 年
バスケットボール
図18 男女別・事故発生の状況
lo 2e 30 40 so 60 70 so go looces)
1ii・ [i il一
1匿
890 11.G
8&匡 当
L9
89.3 1α7
97.5 2.5
94.6 5.4
88.9 ︼
t1
100.0
89.4 10.6
64.1 359
練習中 試合中
fi==70
n=135 n=103
n=#:e
n==112
n=72
n==63
nm85
n==64
図19 練習中と試合中の事故の割合
ドリブル4、9
0 10 20 3G 40 50 60 ?0 80 90 10
!ぐ ス
QL8 パスカントリバウンド@9,4 8.1 シュート@13、3
そ の425 他
IOOCes)
n=一,3DB
バレ_ボ_ル レソープ ハス(トス) スハイク フロンク
正B8 且61 174 152 そ2雪4他 D緋224
野 球智蕊}ル〜磁7クA 1.IV 糖 1樵て ㍉宏、他 ・捌2
図20 事故発生時の行動の態様
76 茨城大学教育学部教育研究所紀要21号(1989)
表5 スポーツ種目と傷害の発生原因
〔財団法人スポーツ安全協会・1987年より抜すい〕
o le 2Q 30 3e 4e 60 Te so ge leocca,)
バスケγ h ボ 一 ル
n=;308
バレーボール
n−−224
野 球
n扁212
身 体 接 触
2 5.3
t一ルを受け そこな,
取りそこなつ 1 6.6
つまつく 足ひねる もつれ0 153
ノや〆フして VISLb失敗
12T
の 他
3Ul 身体摘触
1 S.2
di 一ル受けそこな 誉ちそこなつ
188
鷺
7.5
S!・一ルが 投球動fig あたる によv
156 l lOS
ノヤ7フして 郡轡失敗
】9諺
郷
108
スライディ 7ク央敗 85
フライング
【ii.]転レノ〜フ 失敗
}25
そ の 他
朔4
姦羨
な§。
つ家つく 足ひねる
80
そ の 他
307
図21種目別・事故の原因
軟式野球 バスケットボール バレーボール
10,GO7例 },899例 17,453例
1 転 倒
i17.0)
転 倒 i25.9)
着地した時
@(22.0>
衝 突 衝 突 転 倒
2
(工6,7) (2α9) (!5.4)
うけそこなう 着地した時 うけそこなう 3
(13.7) (12.8) (11.7)
打 撲 うけそこなう ひねり
遜
(12.4) (12.3) (10.8)
スライディング ひねり 衝 突
5 して
i121) (8.5) (9.5)
打 撲 打 撲
6
(7.4) (9、4)
3。事故後の学校側の対応について ()%
3種目744件の事故報告書から,(!)事故発生時に顧問教師が現場に居たかどうか(図22),(2)応急処置が 施されたかどうか(図23),(3)医師の診察を受けるようにとの指示がなされたかどうか(図24),(4>事故に 遭遇した旨を家庭に連絡したかどうか(図25),(5)負傷者を病院へ連れて行ったかどうか(図26)を調査し た。最近の体育事故訴訟の代表的な判例に湯河原町立小学校サッカー負傷事件(昭和52年2月)について,
事故後の教師の親への通知義務(報告義務)をめぐっての係争に発展し,第二審(昭和58年エ2月12日東京高 裁)で教師の通知義務を認定したが,上告し結局,最高裁(昭和62年2月13日)で上告棄却された事件があ った(9)。本件においては教師の通知義務なしとの判決が下されたが,事故に対する教師側の対応は,被災児 O 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(blp) o lo 20 30 4e so 60 70 so go l oo(dint)
[illlill[1 IIII III ]n==744 [ III III IIIIII IIIIII IIII[llillillll]n=::744
在 不在
図22事故発生時に顧問教師が現場にいたか
。 lo 20 30 4g ,so 60 70 se go loo(%)
有 無
図24 医師の受診の指示の有無
童の年令,判断力,事故の状況,傷害の状況等の諸事 情を総合して判断すべきであることとされ,我々に,
事前的安全回避義務とともに,学校事故裁判での新し い論点としての事故報告義務の存在を提示することと なった⑩。今回示した茨城県のデータは,事故の具体
有 無
図23 応急処置の実施の有無
O 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(%)
[工===}・4[一]n・・744
有 無
図25 家庭への連絡の有無
。 lo 20 30 40 se 60 70 so go loo(as)
[:II n =744
行った 行かない
図26 負傷者を病院へ連れて行ったかどうか 的な諸事情と関連させての調査ではないことをお断わりしておきたいが,事故後の対応の問題は,今後,事 故に関する調査研究の一つの課題となってくるであろう。