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紫さつまいもの成育環境がアントシアニン発現量に 及ぼす影響

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Academic year: 2021

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(1)

紫さつまいもの成育環境がアントシアニン発現量に 及ぼす影響

著者 加藤 淳, 高濱 雅幹, 野田 智昭

雑誌名 地域と住民 : コミュニティケア教育研究センター

年報

号 4

ページ 87‑88

発行年 2020‑05‑31

出版者 名寄市立大学コミュニティケア教育研究センター

ISSN 0288‑4917 書誌レコードID AN0001106X 論文ID(NAID) 120006875045

URL http://id.nii.ac.jp/1088/00001859/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

名寄市立大学コミュニティケア教育研究センター 年報 第4号(通巻 38 号)(2020)

*責任著者 E-mail:[email protected]

課題研究要旨

紫さつまいもの生育環境がアントシアニン発現量に及ぼす影響

加藤 淳

1)*

高濱雅幹

2)

野田智昭

3)

1)

名寄市立大学保健福祉学部栄養学科

2)

北海道立総合研究機構道南農業試験場

3)

北海道立総合研究機構花・野菜技術センター

1.はじめに

現在、紫さつまいもの多くは九州地方で生産されているが、これまでに北海道立総合研究機構道南農業試 験場および花・野菜技術センターにおいて、紫さつまいもの栽培予備試験を行った結果、北海道産の紫さつ まいものアントシアニン含有量が、府県産のものに優る可能性を示すデータが得られた。また、道北地域(留 萌管内遠別町)にある企業では、赤キャベツや赤シソからの色素抽出を行っており、紫さつまいもの試験栽 培にも取り組み始めている。

今後、北海道が色素原料用紫さつまいもの産地として発展することにより、色素メーカーから求められて いる安定供給に応えることが可能となる。将来的には、北海道の地域特性を活かした紫さつまいもの産地化 を図ることで、地域産業の支援と地域の活性化につながることが期待される。

そこで本研究では、生育環境が紫さつまいもの色素生産性に及ぼす影響について、具体的なデータを得る ことを目的に検討を行った。

2.研究方法

1)供試品種および栽培地

紫さつまいものアントシアニン発現量の品種間差異の比較については、 「アヤムラサキ」 、 「ムラサキマサ リ」および「アケムラサキ」を供試して、北海道立総合研究機構道南農業試験場(以下、道南農試と略、北 斗市)において、各品種とも 3 反復で栽培を行った。

収穫時期による差異の比較については、 「アケムラサキ」を供試して、道南農試(北斗市)において 3 反 復で栽培し、9 月中旬、10 月上旬(標準収穫期)および 10 月下旬に収穫を行った。

産地間における差異の比較については、 「アケムラサキ」を供試して、北海道立総合研究機構花・野菜技 術センター(滝川市) 、道南農試(北斗市) 、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)九州沖縄農業研 究センター(宮崎県都城市)および留萌管内遠別町において栽培した。

2)アントシアニン色素の抽出および測定

収穫した紫さつまいもは、凍結乾燥または加熱乾燥した後に粉砕し、色素抽出用の供試試料とした。アン トシアニン色素の抽出は、予備試験の結果から、30 倍量の 1%硫酸で 24 時間抽出を行い、遠心分離により 上清を得た。McIlvaine buffer(pH3.0)により上清を 20 倍希釈した後に、OD530nm における吸光度を測定し た。アントシアニン色素の色価E(U)および単位面積当たりの色素収量Yp(kg/10a)は、次式により算出 した。

E(U)= 10×A×F×1/S Yp(kg/10a)=E×Y×D×1/100

A:吸光度(OD530) ,F:希釈倍率,S:試料重量(g) ,Y:収量(t/10a) ,D:乾物率(%)

―87―

(3)

紫さつまいもの生育環境がアントシアニン発現量に及ぼす影響

3.結果および考察

紫さつまいものアントシアニン発現量について品種間で比較した結果では、 「アケムラサキ」>「ムラサ キマサリ」>「アヤムラサキ」の順で高かった。現在、一般栽培されている紫さつまいも品種の中では、

「アケムラサキ」が色価、色素収量ともに高かった(表 1) 。

収穫時期による差異を比較した結果では、収穫時期が遅いほど、芋の収量は高くなり、乾物率は低下す る傾向にあった。色価および色素収量については、標準の収穫時期である 10 月上旬に比べ、10 月下旬の収 穫で、両者ともに高くなった(表 2) 。

産地間差異について比較した結果では、色価は滝川市および遠別町で高く、九州で低かったが、道北の 遠別町では収量が著しく低かったため、色素収量としては滝川市が最も高くなった(表 3) 。今後、気象条 件の影響についても解析する予定である。

栽培地:北斗市(道南農試)

供試品種:アケムラサキ,栽培地:北斗市(道南農試)

供試品種:アケムラサキ

4.研究成果の発表予定

本研究の成果について、日本食品科学工学会または日本土壌肥料学会で発表する予定である。

付記

本稿は、名寄市立大学コミュニティケア教育研究センター2019 年度課題研究の採択を受けたものである。

品種 収量(t/10a) 乾物率(%) ⾊価(U) ⾊素収量(kg/10a)

アヤムラサキ 2.46 31.7 207 160

ムラサキマサリ 2.93 29.9 214 184

アケムラサキ 2.99 32.5 283 272

収穫時期 収量(t/10a) 乾物率(%) ⾊価(U) ⾊素収量(kg/10a)

9⽉中旬 2.61 36.9 281 273

10⽉上旬 3.01 35.7 252 265

10⽉下旬 3.36 34.6 315 369

産地 収量(t/10a) 乾物率(%) ⾊価(U) ⾊素収量(kg/10a)

滝川市 2.51 33.4 373 312

北⽃市 3.31 36.3 228 275

九州 3.27 36.3 159 188

遠別町 1.00 33.4 331 110

表 2 紫さつまいものアントシアニン発現量の収穫時期による差異 表 1 紫さつまいものアントシアニン発現量の品種間差異

表 3 紫さつまいものアントシアニン発現量の産地間差異

―88―

参照

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