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論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

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Academic year: 2021

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論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

報 告 番 号

博(生)甲第215号

氏 名 下尾 浩正

学 位 審 査 委 員

主査 石松 隆和 副査 辻 峰男 副査 山下 敬彦

論文審査の結果の要旨

下尾 浩正 氏は、2001 年

3

月に九州工業大学を卒業した後に、同大学工学研究科の博士前期課 程を修了し、同大学工学研究科の博士後期課程を単位取得退学し、2006 年

4

月から佐世保工業 高等専門学校の助手、2007 年

4

月からは同工業高等専門学校に在籍のまま長崎大学大学院生産 科学研究科博士後期課程に(社会人学生として)入学し、現在に至っている。同氏は、生産科 学研究科に入学以降、システム科学を専攻して所定の単位を修得するとともに、有明湾のよう な浅海域で利用できる水中ロボットの研究に従事し、その研究成果を

2009

12

月に、「小型 海中ロボットの位置同定のための信号処理に関する研究」として完成させ、参考論文として、

学位論文の印刷公表論文5編(すべてが審査付き)を付して、博士(工学)の学位を申請した。

長崎大学大学院生産科学研究科教授会は、

2009

12

16

日の定例教授会において論文内容 等を検討し、本論文を受理して差し支えないものと認め、上記の通り審査委員を選定した。委 員は主査を中心に論文内容を慎重に審査し、公開論文発表会を実施するとともに、最終試験を 行い、論文審査および最終試験の結果を

2010

2

17

日の生産科学研究科教授会に報告した。

提出論文は、浅海域の利用を前提とした小型海中ロボットの位置同定の高精度化について取 り組み、水中音響(超音波)を用い、空中で実現されている高精度測距方式を海中に導入する 事によって、測距精度を数

cm

単位に向上し、かつ高密度なデバイスを用いてコンパクトに実 現できることを明らかにした。さらに、リアルタイム信号処理を行うに当たって有効な

FPGA

を用いる処理方式を提案している。

まず、本研究の背景とこれまでに開発されている海中ロボットについて概観し、本研究の位 置づけを述べ、研究対象とする小型海中ロボットの仕様詳細について示し、推進器に独自の特 長を有し、単一の推進器のみで三次元の航行が可能であることを述べている。

次に本研究で行った海中ロボットの実用性を持たせる取り組みについて述べ、

GPS

、深度セ

ンサ、電子コンパス、衝突防止ソナーから得られるセンサーデータを用いたナビゲーションシ

ステムを開発し、ラジコンプロポを用いての手動遠隔操縦、ノートパソコン上に現在位置を表

(2)

示可能としている。開発したナビゲーションシステムの有効性評価のために、河口における表 層域の環境調査を行い、濁度、塩分濃度、クロロフィル、および水温の分布の海洋環境調査を 実施している。

さらに、小型海中ロボットを狭所やダイバーが移動困難な箇所で有効利用するための高精度 なポジショニングシステムの開発について述べている。空中測距に利用されている複数波長の 超音波を用いる方式を水中測距に導入し、コンパクトなシステムを実現し、小型海中ロボット に搭載し、無響水槽による実験で、高精度なナビゲーションが可能であることを示している。

また、コンパクトな位置同定を行うに当たって必要となる信号処理を高速に処理するための 手法について述べている。信号処理の並列性について着目し、並列処理演算部を複数の

FPGA

で処理するハードウェア設計手法について考察を加え、

C

プログラムのステートメントレベル の並列性を活かしたハードウェアを試作し、複数の演算処理の高速化を実証している。

本内容は、浅海域や表層水域で水中ロボットを効率良く活用するために必要となる各種のセ ンサ群の情報を統合し、操縦者の目的とする作業に応じて効率良くセンサ情報を提示する操縦 者支援システムを開発すると同時に、精度良く位置同定を行う手法を提案しており今後の海洋 資源開発分野で多大の寄与をするものと評価できる。

学位審査委員会は、ロボット工学の分野において極めて有益な成果を得るとともに、海洋に

関わる資源調査技術の進歩発展に貢献するところが大であり、博士(工学)の学位に値するも

のとして合格と判定した。

参照

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