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ハスカップ,アロニアおよびブルーベリーの耐凍性に関する基礎的研究

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2020210

ハスカップ,アロニアおよびブルーベリーの耐凍性に関する基礎的研究

生物資源科学専攻 作物生産生物学講座 園芸学 宮本 大輔

1.はじめに

落葉果樹休眠枝の耐凍性は,秋から冬の低温馴化で上昇し,冬の間一定の水準を保った後,春に 低下することが知られている。この場合,耐凍性は樹種,樹体の部位および季節に応じて異なるも のと予想されるが,複数の樹種についてこれらを同時に調査した事例は少ない。本研究では,北海 道で栽培が多い3種類の小果樹,即ちハスカップ,アロニアおよびブルーベリーの休眠枝を材料に,

イオンリーケージ法を用いて,腋芽および節間枝における耐凍性の季節変動を調査した。同時に,

耐凍性を高める原因の解明を目指し,関連のありそうな諸要因について調査した。

2.方法

耐凍性評価:北大研究農場に栽植してあるハスカップ,アロニアおよびブルーベリーの各3株か ら, 20187,8,10,11および12月,並びに20192および5月に新梢を採取し,腋芽および節間 枝を切り出して材料とした。材料をそれぞれ-5,-10,-20,-30,-40,-60および-80˚C まで5˚C/hの速 度で緩速冷却した。凍結・融解後の組織片を1.3 mLの脱イオン蒸留水とともに1.5 mLエッペンチ ューブに入れ,振とう器(Taiyo, Rotary Shaker R-Ⅱmini)を用いて120 rpm12 時間振とう後,

試料から溶液中に漏出した電解質量を,電気電導度計(Horiba, Twin Cond conductivity meter B-173)

を用いて測定した。その後,生存率を求め,所定温度における試料の生存率からLT50[組織中の50%

の細胞が死滅する凍結温度(˚C)]を算出した。葉抽出溶液の過冷却能の評価:20199月に採取 した各樹種の葉凍結乾燥粉末100㎎を超純水5mLで懸濁,遠心した上清を,5˚C/hで緩速冷却した。

この間,熱電対を用いて凝固熱を測定し,凍結開始温度を求めた。

3.結果と考察

耐凍性:ハスカップ,アロニアおよびブルーベリーの腋芽および節間枝に,耐凍性の季節的な変 化が確認された。ハスカップの腋芽および節間枝のLT50は,10月から急激に低下し,2月に最低値

(各々-80.0および-63.7˚C)を示した。一方,ブルーベリーおよびアロニアのそれは,ハスカッ プより遅い11月から低下を開始し,ハスカップと同様の2月に最低値を示した。耐凍性の強さを 樹種間で比較すると,11月のハスカップの枝は,ブルーベリーおよびアロニアと比較して高い耐凍 性を有しており,厳冬期(2月)の耐凍性も他の2樹と比べて高いことが明らかになった。また,

どの樹種についても,冬季の腋芽の耐凍性は節間枝のそれよりも高いことが判明した。葉抽出溶液 の過冷却能:各抽出液および純水の凍結温度は,ハスカップ,アロニア,ブルーベリーおよび純水 が各々-7.0,-9.9,-11.4 および-21.3˚C で,ハスカップ葉抽出液が最も高い値を示した。こ れは,落葉前のハスカップ葉抽出液に氷核活性物質が多く含まれていたことが原因と考えられる。

4.結論

比較した3樹種の冬枝について,厳冬期の耐凍性および低温馴化の開始時期に違いが確認された。

これは,気温の変化を感知する仕組みや程度に樹種間で違いがあることを示している。また,厳冬 期の耐凍性は,いずれの樹種も高い(LT50が-40˚C 以下と低い)ことから,ブルーベリーの枝など に見られる凍結傷害は,耐凍性が低い初冬や晩冬に発生するものと予想される.ハスカップ葉抽出 液に存在するかもしれない氷核活性物質の凍結挙動について,更なる研究が必要と考えられる。

参照

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