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(1)

組織能力とLrV )CRM

0 問題提起

O cRM とは何 か

◎ cRM と組織能力

0 顧客関係の市場マネジメントと組織マネジメント

近藤 公彦

● 小樽高科大学大学院 商学研究科 教授

e 問題提起

CRM ( Cus t omerRel at i ons hi pManage‑

me nt ) は,顧客 との長期的な関係構築 ・維持 を通 じて収益 を高める手法 として I Tベ ンダー によ り 1 9 9 0 年代半 ばに提唱 され,産業界 に急 速 に普 及 して きた。 米 国 I DC 社 に よれ ば , CRM ソルー シ ョンの全世界 の販売高 は 2 00 4 年か ら 2 0 08 年 の間で年 間 8 . 9% の成長が見込

ま れ る とい う ( Raman,Wi t t mann,and Ra us e o2 0 0 6)

0

I DC ジャパ ンの調査では, 日 本 の市場 規模 は 2006 年 で 4, 41 3 億 円 とされ, 2 01 1年 には 5 , 70 5 億 円に達す る と予想 されて い る 1 ) 。研 究 において も ,1 996 年 に CRM の 学術専 門雑誌 Cus t ome rRe l a t i o ns hi pMa n‑

age ment が発行 され, また J our na lo fMa r ‑ ke t i ng 誌が 2 005 年 1 0 月号で CRM の特集 を 組 むな ど,多 くの研究蓄積が なされて きてい

る。

しか し,その一方で CRM が必ず しも期待 通 りの成果 をもた らしていない とい う現状 も 報告 されている。例 えば,米国 CS O 社 による 世界 1 , 3 3 7 社 を対象 とした調査 では ,CRM の

導入 によって大 きな業績 の改善が見 られた企 業 は 25% にす ぎない とい う ( Di cki e2005) 0 顧客 との長期的 な関係 を構築 ・維持す ること

によって競争優位 を確立 し,安定的な収益 を 獲得 しようとす る企業にとって ,CRM がそ う した経営課題 に対す る優 れたアプローチであ るに もかかわ らず,それが必ず しも成功 しな いのはなぜか。 この論文の 目的は ,CRM の構 造 を分析 し,顧客 関係 を成功裏 に管理す る際 の組織能力の重要性 を明 らかにす ることにあ る。

以下で は まず,理論研 究の視点か ら CRM の文献 レビューを行い ,CRM が どのような側 面か ら捉 え られて きたのか を考察す る。次 に,

これ まで明確 にされてこなかった組織能力 と しての CRM を 5 つの次元か ら分析 し ,CRM

‑ の実践的な行動指針 として指摘 されて きた 論点 に関連づ け る。最後 に CRM にお け る 2 つの局面,顧客 関係 の市場マ ネジメ ン トと組 織マネジメ ン トを整理す る。

◎ cRM とは何か

CRM が実体 として どの ような活動 を指すの

か をめ ぐっては, これ まで多 くの議論が なさ

れて きた。そのなかで比較的共通 した顧客 関

(2)

組瀦措巨力 と しての CRM

係の理解 は次のような ものであろう。企業は, ( 1 )効果的に顧客 をセグメ ン ト化 し, ( 2)刺 益 を生む顧客 との長期的な関係 を構築 ・維持 し, ( 3)利益 を生 まない顧客 をいかに扱 うか を決定 し, ( 4)市場への捉供物 と販促努力 を カス タマイズ しなければな らない ( Sr i va s t a ‑ va ,She r va ni ,a ndFa he y1 9 9 9 ) 。 ここか ら明

らかなように ,CRM は優良顧客 との長期的な 関係の維持 ・構築 に関わ り, この点 において 伝統的な リレーシ ョンシップ ・マーケテ イン グ ( r e l a t i o ns hi pma r ke t i ng) と密接 に開通す る 「 古 くて新 しい」 コンセプ トである ( Di bb a ndMe a do ws2 0 0 4) ,そこでまず ,CRM と

リレーシ ョンシップ ・マーケテ イングの関連 を整理することにしよう。

1.CRM とリレーションシップ ・マーケテイング CRM とリレーションシップ ・マーケテイン グとの関連で特徴的な点は,以下の3 点 にま とめ られるO第‑に ,CRM をリレーションシ ップ ・マーケテイングの派生物 として捉 える ことである。例えば ,za bl a h,Be l l e nge r ,a nd J o hns t o n ( 2 0 0 4 ) は ,CRM をリレーションシ

ップ ・マーケテイングと思想的に関連 した派 生物 と見な している。 ここでい う思想的な関 連 とは顧客中心主義 ( cus t ome rc e nt r i c i t y) の発想である。顧客中心主義のマーケテイン グ ( c us t ome r ‑ c e nt r i cma r ke t i ng) とは,顧 客のニーズやウォンツをマス ・カス タマイズ

された提供物 を通 じて個 人 レベ ルで充足 し, より高い顧客満足 を引 き出すマーケテ イング を指す ( Sha t h, e ta l . 2 0 0 6 ; She t h, Si s od i a , a nd Sha r ma2 0 0

0

) .CRM の実践が一方で顧客デ ー タに基づいて よ りニーズに適合 した製品 ・ サー ビスを提供す ることで顧客 に価値 と満足

を提供 し,他方で満足 した顧客が ロイヤルテ ィを生み,その売 り手か ら継続的に製品 ・サ ー ビスを購入す ることで,売 り手に安定的な 利益 とい う価値 をもた らす。 こうした互恵的 な連鎖は , 「 価値の二重の創出 」 ( Bo ul di nge t a l .2 0 0 5 ) として顧客中心主義の思想の中核 を なしている。

第二の特徴 は, この思想か ら生 まれる具体 的な行動 レベルにおいて ,CRM をリレーショ

ンシップ ・マーケテイングの実践あるいはそ の適用領域 として位置づ ける点である。例 え ば ,Pe ppe r s ,Roge r s ,a ndDor f( 1 99 9) は, CRM を顧客情報に基づいて個々に対応するワ

ン ・トウ ・ワン ・マーケテイング ( o ne ‑ t 0 ‑ O ne ma r ke t i ng) や リレー シ ョンシップ ・マーケ テ イングの応用 と見 な してい る。 また Zei ‑ t ha ml( 2 0 0 1 ) によれば ,CRM は組織全体 に わたるリレー シ ョンシップ ・マーケテ イング の実践であ り,優 れた顧客価値,企業 との相 互作用の便宜性 など関係戦略のベ ネフィッ ト を企業にもた らす。

第三の特徴 は ,Rya l sa ndPa yne ( 200 1 ) が CRM を情報 によって可能 となった リレー

ションシップ ・マーケテイング ( i nf o r ma t i o n‑

e na bl e dr e l a t i o ns hi pma r ke t i ng) と捉 えてい るように,行動 レベルにおける価値創 出を実 現可能にす る情報技術 に焦点が当て られるこ とであ る 。CRM で用 い られ る情 報技術 は CRM テクノロジー ( CRM t e c hno l o gy) と呼 ばれ, ビジネスや業務 プロセスに関わるオペ レーショナル CRM ,顧客データの処理 を扱 う アナリテイカル CRM ,そ して顧客接点のマネ ジメ ン トに関わるコラボ レーテ イブ CRM か らなる ( Gr e e nbe r g2 0 01 ; Pa yne2 0 0 6 ) 。

Pa yne ( 2 0 0 6 ) は ,CRM が 情報技術の可能

J AP ANMAR K E T I NGJ OUR N AL1 0 7 ●

(3)

性 とリレー シ ョンシップ ・マーケテ ィング戦 略 を統合 し,利益 を生 む長期的関係 をもた ら す とし,デー タと情報 を利用す る機会 を増や す こ とで顧 客 を理解 し, リ レー シ ョンシ ッ プ ・マーケテ ィング戦略 をよ り良 く実施す る と主張 している。 ここでは情報技術 を通 じた 顧客デー タの収集 ・分析 による顧客行動 の定 量 的把握 が強調 されてい る。 また南 ( 2005) は, さまざまな顧客接点か ら入手で きる顧客 情報 を蓄積 し,活用す るこ とによ り,顧客 と の関係 を深耕 してい くのが CRM とい う経営 手法である, と述べ ている。 この ように顧客 との関係構築 ・維持 において企業 と顧客 を結 びつける紐帯が情報であ り,それ を基盤 とし て顧客 ロイヤルテ ィ ・プログラムをは じめ と する CRM が実践 されるのである。

2.CRM の定義

以上の ように CRM は, ( 1) リレー シ ョン シップ ・マーケテ イングの思想的派生物 , ( 2) リレー シ ョンシップ ・マーケテ イングの実践 あるいはその適用領域,お よび ( 3)価値創 出 を実現可能 にす る情報技術 ,の 3 つの点か ら リレー シ ョンシ ップ ・マーケテ イングと密接 に関連す る。そ こで次 に,代表的な研究者 に よる CRM の定義 に着 目し ,CRM が どの よう な側面か ら理解 されて きたのか を確認 しよう。

Pa ynea ndFr ow ( 2 00 5) は ,CRM には狭 義の捉 え方か ら広義の捉 え方 まで, さまざま な見解があることを指摘 している。彼 らよれ ば CRM は最 も狭義 には , 「 特定のテクノロジ ー ・ソルー シ ョン ・プロジェク トの実施 に関 す る もの」 と定 義 され る。 こ こで CRM は, 情報技術 を通 じて顧客の問題解決 を図る活動

として理解 されている。情報技術 の適用 に焦

点 を当て る研 究 はほか に も ,0' Mal l ey and Mi t us s i s ( 2 002) や Shoemaker( 200 1 )があ る。例 えば ,0' Ma l l e yandMi t us s i s ( 2002) は,成功す る顧客関係 を発展 させ るための能 力 は,組織 が そ の顧 客 ,個 々の好 み ,期待 , ニーズの変化 を理解す る能力 に依存 してお り, その理解 に情報技術 は決定的な役割 を果たす ことを強調 している。

Pa ynea ndPr ow ( 2 0 0 5) が示す CRM の広 が りはさらに , 「 統合 された一連の顧客志向の テクノロジー ・ソルー シ ョンの実施」 とい う 情報技術 による顧客の問題解決活動 を指す 中 間的な捉 え方 を経 て,最 も広義 には 「 株主価 値 の創 出を 目的 に顧客関係 を管理す るための 全体 的なアプローチ」 と位置づ け られ る。 こ こでは優 良顧客 との長期的な関係の維持 ・構 築 に よ り競争優位 を高め,株主価値 に貢献す

るとい う CRM の役割が指摘 されている。

この ように CRM は,顧客 関係 を構 築 ・維 持す る手段 としての情報技術 に焦点 を当てる ものか ら,株主価値 の向上のための全体的な 顧客 関係行動 として理解す る もの まで広が り

を持つ 。CRM の多義性 は研究者の さまざまな 問題意識 に依存す るものであ り,それぞれの 定義 は相互排他的ではな く, また収赦 させ る べ き性質の ものではない。それゆえ ,CRM を 理解す るための生産的な方法 は,そ うした多 義性 を認めた うえで重要 な側面 を浮かび上が

らせ ることである。

このアプローチで CRM の定義 を考察す る と,次 の よ うな 3 つ の側 面 が 明 らか とな る。

すなわち,プロセス としての CRM ,戦略 とし

ての CRM ,そ してこれ らを合わせ持つプロセ

ス ・戦略 としての CRM である ( 図 ‑1 参照) 。

(4)

細題措巨力 と して の CRM

■Ⅰ 司 ‑ 1

CRM の定義

/ \

プロセスとしての

CRM 戦略として のCRM

\ /

プロセス・ 戦略として の CRM ( 1 )プロセスとしての CRM

CRM の第一の側面は,そのプロセスに注 目 した定義である 。Re i na r t z ,Kr a 軌 a ndHo ye r ( 2 0 0 4) によれば ,CRM とは 「 顧客 とのあ ら ゆるコンタク ト・ポイン トにわたって顧客関 係の開始,維持,解消 を管理 し,関係 ポー ト

フォリオの価値 を最大化するための体系的プ ロセスである」 と定義 され,顧客関係の管理 プロセスであることが強調 される。管理 とい う点では ,Hobby ( 1 9 9 9) も同様 に , 「 顧客 との関係 を管理することによって組織が彼 ら を識別 し,引 き付 け,利益の上が る顧客の維 持 を向上 させ る管理 アプローチ」 と捉 えてい る。 また Sr i va s t a va ,She r va ni ,a ndFa hl e y ( 1 9 9 9) は ,CRM を 「 顧客 を識別 し,顧客知 識 を創造 し,顧客関係 を構築 し,そ して組織 とその製品 ( 問題解決) に関す る顧客の認知 を形 成 す る プ ロセ ス で あ る」 と位 置 づ け, CRM プロセスとともに中核的なビジネス ・プ

ロセス として,顧客のニーズや ウォンツの問 題 を解決する製品開発 プロセス,お よびあ ら ゆる物的インプ ッ トの獲得 とそのイ ンプ ッ ト が顧客の問題解決に変換 される効率 と効果 を

含むサプライ ・チェー ン ・マネジメ ン ト・プ ロセスを取 り上げている。

Da ya ndVa nde nBu l t e( 2 0 0 2 ) は , 「 顧客 維持 とマーケテ イング ・イニ シアティブの効 果 を増大 させ るために,最 も価値のある顧客 を個別的に扱い,あ らゆるコンタク トとアク セス ・ポイ ン トにわたって顧客 と継続的な対 話 を達成す るためのクロス ・ファンクショナ ルなプロセスである」 と述べ ,CRM を経営諸 機能 を横 断す るプ ロセス と して捉 えてい る。

このクロス ・ファンクシ ョナルなプロセス と いう視点は Kno xe ta l .( 2 0 0 3 ) で も指摘 され, そこでは 「 情報技術 とリレー ションシップ ・ マーケテ ィング戦略 を統合す ることによって 顧客価値 を促進す るこ とを 目的 と した クロ ス ・ファンクシ ョナルなプロセスである」 と 理解 される

Za bl a h,Be l l e nge r ,a ndJ o hns t o n ( 2 0 0 4 ) は, CRM を 「 利益 を最大化する顧客関係のポー ト フォリオを構築 ・維持するための市場情報の 開発 と利用 を含む継続的プロセスである」 と 捉 え,顧 客 ・市場情報 に焦点 を当ててい る。

さらにマーケテイングの標準的な教科書 Pr i n‑

c i pl e so fMa r ke t i ng の著者である Ko t l e ra nd Ar ms t r ong ( 20 07) によれば ,CRM は 「 優 れた顧客価値 と満足 を提供す ることによって 利益 を生む顧客関係 を構築 ・碓持す る全体的 なプロセスである」 と定義 される。

これ らの定義に共通する視点は ,CRM を顧 客関係の構築 ・維持 に関わる管理 プロセス と 位置づけていることである。 この管理的側面 か らの CRM プロセスの具体的な内容 につい て Re i na r t z , Kr a f f t , a ndHo ye r( 2 0 0 4 ) は,上 述の ように顧客 との関係 開始 ( r e l a t i ons hi p i ni t i a t i o n) ,関係維持 ( r e l a t i o ns hi pma i nt e ‑

」 AP ANMAR K E T I NGJ OUR N AL1 0 7●

(5)

na nc e ) ,お よび関係解消 ( r e l a t i o ns hi pt e r mi ‑ nat i on)の 3 つの連続的なプロセスを提示 し ている。 この一連のプロセスを組織外部の顧 客 との関係 に関わることか ら,顧客関係 プロ セス と呼ぶ ことに しよう。一方,payneand Fr o w ( 20 05)によるCRM プロセスでは,戟 略 開発 プロセス,価値創 出プ ロセス,マル チ ・チ ャネル統合 プロセス,情報管理プロセ ス,お よび成果の評価 プロセスの 5 つのプロ セスが指摘 されている。 これ らのプロセスは CRM における組織内部の機能 レベルのプロセ スに注 目した ものであ り,組織 プロセス と呼 ぶことがで きる。

この ようにプロセス としての CRM は,組 織外部 に存在する顧客 との境界局面 における 関係の維持 ・構築 に関わる顧客関係 プロセス と組織内部でそのプロセスを効果的 ・効率的 に作動 させ るための組織 プロセスの 2 つの側 面 を持つ。

( 2 )戦略 としての CRM

CRM の第二の視点は,戦略 としての CRM である。例 えば,Zi kmund,McLeod,and Gi l be r t ( 2 00 3)は CRM を次のように定義 し ている 。「 CRM はあ らゆるプロセス と顧客 と のインタラクシ ョンが相互 にベ ネフィッ トを もた らす関係 を維持 ・拡大するのに役立つ よ う,情報技術 を用いて,包括的で,信頼で き, そ して統合的な顧客ベースの視点 を企業 に提 供するビジネス戦略である」。 ここでは顧客ベ ースの視点 に注 目され,それに立脚 した顧客 戦略 に焦点が 当て られてい る。 また Payne

( 2 0 06) や Pa ynea ndPr o w ( 2 00 5) によれば, CRM とは 「 主要な顧客 と顧客セグメン トとの 適切 な関係 を構 築 ・発展 させ る こ とに よ り, 高い株主価値 を創 出す る戦略的アプローチで

ある」。 これは株主価値の向上が CRM による 顧客関係の構築 ・維持 によって達成 されると いう理解であ り ,CRM の戦略的重要性 を示唆 する定義である。

また But t l e ( 2004) は CRM を 「ターゲ ッ ト顧客に利益 を上げて価値 を創造 し提供する ために,組織内のプロセス と機能を外部のネ ッ トワークを統合する中核的なビジネス戦略 であ り,それは高い品質の顧客デー タを基礎 とし,情報技術 によって可能 となる」 と捉 え, 前述の顧客関係 プロセス と組織 プロセスを連 結す る戦略 として理解 してい る。 さ らに南 ( 2 006)は , 「 企業 と顧客に優れた価値 を創 り 出すために,選別 された顧客 を獲得 ・維持 し, パー トナー化す る包括的な戦略である」 と定 義 し ,CRM を価値創造のための顧客戦略 とし て位置づけている。

これ らの定義か ら,顧客関係の構築 ・維持 を図る組織的な戦略 とい う CRM の側面が浮 かび上がる。Rya l s ( 2 00 5) はこのような顧客 戦略を顧客関係戦略 ( cus t ome rr el at i ons hi p s t r at egy) と呼び,その具体的な活動 として, 選択的顧客獲得,選択的顧客維持,資源配分

とサ ー ビス ・レベ ル,価格設定,製 品戦略 , および選択的顧客投資を指摘 している。

( 3)プロセス ・戦略 としての CRM

こうしたプロセス と戦略 はいずれ もCRM において不可欠な側面であ り,対立する捉 え 方ではない。む しろ,プロセスが CRM の組 織 内での管理プロセスにより焦点 を当てるの に対 し,戦略は組織外の顧客関係行動 に注 目 す る もの と位 置づ ける こ とがで きるだろ う。

Pa r va t i ya randShe t h ( 2 0 01 )はCRM がこれ

ら2 つ の側面 を合 わせ持つ とい う理解 か ら,

次の ように定義 している。「 CRM は,企業 と

(6)

細瀦措旨力 と しての CRM

顧客 に とって優 れた価値 を創 造す るため に, 選別 された顧客 を獲得 し,維持 し,彼 らとパ ー トナーを組 む包括的な戦略であ りプロセス である 。CRM は,マーケテイング,販売,顔 客サー ビス,サプライ ・チェー ンの組織の諸 機能の統合 を含み,顧客価値 を提供する際に より大 きな効率 と効果を発揮する」。 ここでの CRM は顧客戦略であ り,それを実行するため のプロセスである。南 ( 2 006) も CRM の こ うした側面 に着 日し,顧客接点か ら得 られた 情報 を電子化 し,企業内で情報 を共有するた めの仕組みづ くりである顧客のインターフェ イス戦略 と,収集 ・蓄積 された顧客情報 をデ ー タ ・マイニ ングなどの手法 を通 じて分析 し, ナ レッジと呼ばれる顧客 に関す る知識や知見 へ と変換 し,マーケテ イングの意思決定に生 かそ うとす る仕組みである顧客ナ レッジ分析 戦略の 2 つを指摘 している。

以上の CRM の定義 をめ ぐる文献 レビュー か ら明 らかなように ,CRM は企業に利益 をも た らす顧客 との長期的な関係構築 ・維持 を担 う顧客関係戦略 と,そ うした戦略 を組織的に 創 出 ・支援する組織管理 プロセスの 2 つの側 面に焦点が当て られてきた。

◎ cRM と組 織 能 力

CRM がプロセス と戦略の 2 つの側面を持つ こ とを前提 とす る と ,CRM と経 営 成果 は,

「 優れた顧客関係戦略を実施 し,優れた組織プ ロセスで管理すれば, より高い経営成果が得 られる」 という因果関係で結ばれる 。CRM に 関す るこれ までの実証研究は,基本的にこう した 関係 をめ ぐっ て行 わ れ て きた ( e. g.

Mi t ha s ,Kr i s hna n,a ndFo r ne l 12 0 05 ;Rya l s

2 0 0 5 ;Sr i ni va s a na ndMo o r ma n2 0 0 5 ;Ve r ho e f 2 0 0 3) 。 しか し,冒頭に述べたように CRM を 導入 した企業が必ず しも成功 を収めてお らず, む しろ比率的には失敗 した企業の方が多い と いう事実は ,CRM の実践の困難さを示唆 して いる。

CRM をリレーションシップ ・マーケテイン グの思想的かつ実践的な適用領域であると捉 えると ,CRM をめ ぐるこうした問題の背景に は,優れた顧客関係戦略 を実施するだけでな く,それを優れた組織 プロセスで管理する組 織能力が重要な役割 を果た していることがわ かる。

1.競争優位の源泉 としての組織能力

組織能力 ( or ga ni z a t i o na lc a pabi l i t i e s ) は 一般 に,顧客 に価値 を提供す るために知識や スキル, ビジネス ・プロセス,組織学習 を統 合す ることによって資源 を展 開す る能力 を指 し ( Day 1 99 4;Gr ant1 996;Mahoneyand pa nd i a n1 9 9 2 ) ,企業の長期的な競争優位の源 泉 として位置づけられて きた ( e . g.Da y1 9 9 4 , 2 0 0 0 ,2 0 0 3 ) 。組織能力の研究に精力的に取 り 組んで きた Da y は,組織能力 を 3 つのプロセ スに整理 している ( Da y1 9 9 4 ) 0

第一は,組織 の外部 に焦点 を当てたアウ ト サイ ド ・イン ・プロセスであ り,市場セ ンシ ング ( mar kets ens i ng) ,顧 客連結 ( cus ‑ t omerl i nki ng) ,チ ャネル結合 ( channel bondi ng) ,お よび技術 モニ タリング ( t ec h‑

no l o gymo ni t o r i ng) の 4 つを要素 とする。第 二が,組織 内部に注 目したイ ンサイ ド・アウ ト・プロセスであ り,財務管理, コス ト・コ ン トロール,技術 開発,統合 ロジスティクス, 生産 ・変換 プロセス,人的資源管理,お よび

J AP ANMAR K E T I NGJ OUR NAL1 0 7+

(7)

環境の健全 さと安全の 6 つである。そ してこ れ らアウ トサイ ド ・イン ・プロセス とイ ンサ イ ド ・アウ ト・プロセスを結びつける連結 プ ロセス として,顧客注文のフルフィルメン ト, 価格設定,購買,顧客サー ビス ・デ リバ リー, 新製品 ・サー ビス開発 ,そ して戦略開発 の 6 つ の要素 を指摘 す る。 これ らの能力 の うち, 競争優位 を規 定す る最 も重要 な能力 と して, Da y は とくに市場 セ ンシングと顧客連結の 2 つ を取 り上げ,市場 に向けて遂行 される組織 能力の重要性 を強調する。

Da y ( 2 00 0) はさらに企業の市場行動 に焦 点 を当てた市場 関連能力 ( mar ket ‑ r el at ed c a pa bi l i t i e s ) に注 目し,関係志向 ( r e l a t i o n‑

s hi po r i e nt a t i o n) ,知識 とスキル ( kno wl e dge and s ki l l ) ,お よびプ ロセスの競合 と調整

( i nt e gr a t i o na nda l i gnme nto fpr o c e s s ) とい う 3 つの要素 を指摘す る。関係志向は組織の マイン ド ・セ ッ ト,価値,規範のあ らゆる部 分 に広が り,製品 ・サー ビスの販売前,販売 中,そ して販売後 における顧客 とのすべての 相互作用 に影響 を与 える。知識 とスキルは従 業員の蓄積 された経験,デー タベース と取引 ファイル,お よびマネジメン ト・システム と ルーテ ィンなどの要素か らなる。プロセスの 統合 と調整 は企業間,企業内で機能間の境界 を連結 した り,企業 をその顧客 と結びつける プロセスに関わる。

この ように組織能力 は顧客 との関係構築 ・ 維持 に関連する能力,顧客 ・市場情報 を処理 す る能力,そ してそ うした活動 を組織 として 発揮 させ る能力か らなると考えることがで き

る。

2 .CRM における組織能力の次元

Day が指摘 した市場関連能力が CRM と密 接 に関連 していることは明 らかである。む し ろ, こうした能力 は CRM において遂行 され るものであ り ,CRM は顧客関係に関わる組織 能力その ものであるといえる。以下では,組 織能力 としての CRM を CRM 能力 と呼ぼう。

Pl a ko yi a nna kia ndTz o ka s( 2 0 0 2 ) は CRM 能力 として,学習 ・市場志向能力 ( l e a r ni ng a ndma r ke to r i e nt a t i o nc a pa bi l i t i e s ) ,分析能 力 ( a na l yt i c a lc a pa bi l i t i e s ) ,オペ レーション 能力 ( ope r at i ona lca pabi l i t i e s ) ,統合能力

( i nt e gr a t i o nc a pa bi l i t i e s ) ,および方向づけ能 力 ( di r e c t i o nc a pa bi l i t i e s ) という 5 つの次元 を指摘 している。 これ らの能力 を Da y ( 2 0 0 3 ) の市場関連能力の要素 に対応づ ければ,関係 志向は学習 ・市場志向能力 と方向づけ能力 に, 知識 とスキルは分析能力 とオペ レーシ ョン能 力 に,そ してプロセスの統合 と調整 は統合能 力 に, そ れ ぞ れ 結 びつ け る こ とが で きる。

Pl a ko yi a nna kia ndTz o ka s( 2 0 0 2) はこれ ら の能力 を深 く議論 してい るわけで はないが, ここではその類型 を援用 しなが ら CRM 能力 を考察 していこう。

( 1 )方向づけ能力

方向づけ能力 は,組織 と CRM システムが 進むべ き方向性 を示す役割 を担 うものであ り, 企業の長期的なビジ ョンや組織価値 を反映 し, 組織の戦略的スキルに依存す る ( Pl a koyi an‑

na kia ndTz o ka s2 0 0 2 ) 0

どの ような方向づけに基づいて CRM を実

践す るかは,次の 2 つの レベルで捉 えること

がで きる.第‑は ,CRM の顧客中心マーケテ

イングに関係 し ,Ko hl ia ndJ a wo r s ki( 1 9 9 0 )

が市場志向の成果 として指摘する要素 に対応

(8)

細周苗巨 力 と しての CRM

す る。す なわ ち,組織 の戦略 フ ォー カスや明 確 な どジ ョン,従業員 に対す る心理 的 ・社 会 的 なベ ネフ ィッ ト,顧客 の態度や行動 の変化 とい った市場志 向の成果 を CRM を通 じて実 現 す るこ とであ る。 ここで CRM は,市場志 向 とい う方 向づ けの もとでその成果 を実現す る手段 として位置づ け られ る。 第二 に,多 く の研究者が指摘す るように ,CRM は顧客 に対 す る戦術 ・戦略以上 の ものであ り,長期 的 な 関 係 の 構 築 を 通 じて 「二 重 の 価 値 創 造 」 ( Bo ul d i nge ta l .2 0 0 5 ) とい う相互利益 的な関 係 を創 出す る仕組み として捉 え られる。

こ う した方 向づ けは単 に CRM の実践 だけ で な く,それ を支 える長期 的 な ビジ ョンや組 織価値 の点か らもきわめて重要であ る 。CRM が顧客 中心マーケテ イングを標梼 し , 「 二重の 価値創造」 を追求す るのは, リレー シ ョンシ ップ ・マーケテ イングの適用領域 として発展 して きた こ とと密接 に関連 してい る。 リレー シ ョンシ ップ ・マーケテ イングで は,顧客 と の長期 的 な関係 の構築 ・維持 を図 るため に顧 客 に対す るマーケテ イングのみ な らず,組織 内部 の イ ンターナル ・マーケテ イングを通 じ て従業員 な どの人的資源 とその能力 を調整 し, また組織構 造 を顧客戦略 に整合 的 に編成 して い くことが求め られ る ( Ba r ne s2 0 0 4) 。 それ ゆえ ,CRM の実践 には顧客 関係 の管理 に とど まらず ,組織全体 にわたる関与が必要 とされ るのである。

こうした視点の転換 はさらに , 「関係」概念 をベ ース に して構 築 され る リレー シ ョンシ ッ プ ・マーケテ イングを 「 取 引 」 に焦点 を当て て きた従来 のマーケテ イングか らのパ ラダイ ム ・シフ トとして捉 えることに も関わる ( e . g.

Dodge1 9 9 7 ;Gr b nr o o s1 9 9 4 ;She t ha ndPa r ‑

va t i ya r1 99 5b) 。パ ラダイム ・シフ トと して の リレー シ ョンシ ップ ・マー ケテ イングの実 践 領域 であ る CRM を有効 に機 能 させ るには, 組織 に埋 め込 まれた価値 ,規範 ,行動様式 と いった組織 文化 その もの を管理す る能力が不 可欠である。

( 2) 学習 ・市場志 向能力

CRM における学習 ・市場志 向能力 は全体 と して,知識 の獲得 ,知識 の共有 ,お よび知識 の記憶 ・活用 ・制度化 とい う組織学 習の プロ セ ス に従 っ て い る ( Cr os s an eta1 .1 999;

Hube r1 9 91 ; Mi ne ra ndMe z i a s1 9 9 6 ;Ne vi se t a l .1 9 9 5) 。顧客 ・市場 に関す る情報 を収集 し, 顧客 の プロフィールや行動 を学習す るこ とに

よ り,顧 客 に関す る深 い知識 や洞察,す なわ ち カ ス タマ ー ・イ ンサ イ ト ( cust omer i ns i ght ) を獲得す るこ とがで きる。 この カス

タマ ー ・イ ンサ イ トは組 織 全 体 で共 有 され, 解釈 され,活用 され なけれ ばな らない。 なぜ な ら,顧 客サー ビスの改善,革新 的 な製 品開 発 , コス トを削減す る生産,そ して優 れた品 質管理 は カス タマー ・イ ンサ イ トに基づ いて 可 能 となるか らであ る ( Pl akoyi a nna kia nd Tz o ka s2 0 0 2 ) 。組織 は, この カス タマー ・イ

ンサ イ トを追 求 す る こ と に よ り顧 客 価 値 ( c us t o me rva l ue ) を創造す る。 この ように組 織 の学習 は市場 に関す る学習 であ り,それ は 外 部環境 と組織 との相互作 用 を生み 出す市場 志 向 を含 む ( 南 2 0 0 6 ) 。

Sr i ni va s a na ndMo o r ma n ( 2 0 0 5 ) は実証分 析 に際 して ,Kohl ia ndJ a wa r s ki( 1 9 9 0) の 市場志 向の 3 つ の要素 で あ る情報 の創 造 ,情 報 の普及 ,お よび情報へ の反応性 を CRM 能 力 として援用 している。 この視点 は ,CRM 能 力が市場志 向の要素 か ら構 成 され るこ と,す

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(9)

なわち CRM 能力が市場志向その ものである と捉 えていることを示 している。

また Ra ma n,Wi t t ma nn,a ndRa us e o ( 2 00 6) は CRM における組織学習の要素 として,チ ーム志向 ( t eam o r i ent a t i on) ,システム志向 ( s ys t em or i ent at i on) ,学習志向 ( l ear ni ng organi zat i on) ,お よび記憶志 向 ( memor y or i ent at i on) とい う 4 つの志向を挙げている。

チーム志向は真の学習の基礎であ り, ビジ ョ ンと方向性 を共有するプロセスである。 また システム志向は,組織全体の学習 を統合す る 誘 因として役立ち,アクシ ョンの結果が組織 に対 して どの ような影響 を及ぼすか をすべて の参加者が分析す ることを要求す る。学習志 向を通 じて組織 は継続的に環境 を理解 し,新 しいスキル と情報 を学習 し,新 しい知識 を利 用す る。そ して記憶志向では,活動か ら学習 した教訓 を継続的に レビューすることで新 し い知識 を開発する。

顧客情報 を収集 ・共有 ・解釈 し,顧客関係 の継続 的 な改善 を図 る とい う一連 の行動 は, CRM における最 も基本的なプロセスであ り, 組織 の学習 ・市場志 向 は顧 客情報 に基づ く CRM によっては じめて具体性 を持つ。組織が CRM を通 じて学習 ・市場志向を実践するとす れば,それに向けて優 れた資源 とスキルを活 用することは CRM 能力にほかならない。

( 3) 統合能力

CRM における統合は2 つの レベルで捉 える ことがで きる。第一は ,CRM で用い られるマ ーケテ イング ・チ ャネル間の統合である。 こ こでの統合能力の焦点は,最適 なマーケテイ ング ・チ ャネルの組み合 わせ を決定 し,それ らのチ ャネル間で好 ましい顧客経験 を確保 し, そ して顧客 に関す る統合的な見方 を生み出す

ことにある ( Payne2006;PayneandFr ow 2 0 0 5 ;Pl a ko yi a nnakia ndTz o ka s2 0 0 2) 。営業 負,店舗,電話, ダイレク ト・マーケテ イン グ ,e コマース,携帯電話等 による m コマー ス ( m‑ commer ce) など,顧客はさまざまな チ ャネルを通 して売 り手 と接触す る 。Payne ( 2 0 06) はこうした複数のチャネルを統合的に 管理す る様式 をマルチ ・チ ャネル統合 プロセ ス と呼んでいる。 ここで重要な点は,顧客関 係 においてこれ らの異 なったチ ャネルとチ ャ ネル参加者 をどの ように組み合わせ,説得的 なコンタク ト・ポイ ン トを設定 し,最 も効果 的なチ ャネル ・ミックスを達成す るかである。

その際の判断基準 となるのが最大の顧客価値 の提供,す なわち, どの ようなチ ャネル ・ミ ックスが顧客 にとって最 も大 きな価値 を提供 することがで きるのかである。

しか し,最大の顧客価値の提供 とい う点に 関 して,チ ャネル ・ミックスを最適化す るだ けでは十分ではない。なぜ な ら,顧客価値の 最大化 は単 にマーケテ イング機能だけでな く, 組織全体 にわたるよ り広範 な経営諸機能の統 合 を必要 とす るか らである。 これが第二の統 合 の レベ ルであ る。 こう した認識 は多 くの CRM 研究者において共有 されている。例えば, Day ( 2000) は,市場関連能力の決定的な特 徴 は,企業 間の境界 ,企業 内の機 能 の境界 , 顧客 と企業 との境界 を連結す るプロセスであ

るとし ,CRM の機能の統合 とそれに伴 う組織 構造の配置 を市場 関連能力 として挙 げている。

Pa r va t i yarandShe t h ( 2001 ) は,マーケテ イング,セールス と顧客サー ビス,組織のサ プ ラ イ ・チ ェー ン機 能 の統 合 を取 り上 げ, Boul di ng ( 2005) は ,CRM をマーケテ イン

グ ・アイデア,新 しく入手可能 となったデー

(10)

榔 巨力 と しての CRM

夕,技術,組織形態の継続的な進化 と統合の 結果であると指摘 し,効果的な CRM にはチ ャネル,技術,顧客,従業員の統合が必要で あると述べている。

南 ( 2 0 06) は,デー タ ・ウェアハ ウスを基礎 とす る CRM においてサプライ ・チ ェー ン ・ マネジメン トとマーケテ イングの統合の重要 性 を指摘 し ,Pa yne ( 2 0 0 6) も同様 に ,CRM には情報,技術,アプリケー シ ョンによって 可能 となる従業員,オペ レーシ ョン,プロセ ス,お よびマーケテイングのクロス ・ファン クショナルな統合が必要であると述べている

こうしたクロス ・ファンクシ ョナルなプロ セスや統合 とい う CRM の理解 は,マーケテ イング ・チ ャネルに関 してだけでな く,顧客 に優れた価値 を提供す ることに焦点 を当てた 組織 的 な取 り組 み を必要 とす る ( Day and Va nde nBul t e2 0 0 2 ;Kno ∑e ta l .2 0 0 3 ;Pa yne 2 0 0 6 ; Rya l sa ndKno 又2 0 01 ) 。組織的な取 り組 み とは ,CRM を遂行するためのクロス ・ファ

ンクショナルな資源配分 とそれを可能にす る 能力の開発である。 こうして顧客価値 を最大 化す るマーケテ イング ・チ ャネルを調整 ・統 合 し,必要な経営資源 ・スキルを組織内に最 適 に配分す る能力が CRM の成否 を決定づ け

ることになる。

( 4)オペ レーション能力

CRM におけるオペ レーシ ョンは CRM 実施 ( CRM i mpl e me nt a t i on) に対応づけ られ,そ の能力には顧客関係の構築 ・維持 に関わる局 面 と,それを組織的に支援する局面がある。

Yi m,Ande r s o n,a ndSwa mi na t ha n ( 2 0 0 5 ) は ,CRM 実施の要素 として,主要顧客への焦 点 ,CRM 中心の組織化,知識の管理,および CRM ベース技術 の包含 の 4 つ を挙 げている。

第一 に,主要顧客 に焦点 を当てた組織構造 , 組織文化,経営政策,そ して報酬 システムは CRM の成功に不可欠であ り, これ らは顧客に 最大の価値 を提供す るために組織全体 に浸透

させなければならない。第二に ,CRM 中心の 組織化 においては組織構造 は硬直的であって はな らず,必要な場合 には組織 を再構築 して 顧客価値 を創 出 し,また顧客 に焦点 を当てた クロス ・ファンクシ ョナルなチームの調整 を 図 らなければな らない。第三に,知識の管理 では顧客情報 を顧客知識やマーケテ イング情 報に変換 し,組織全体で共有 しなければな ら ない。そ してデー タベース ・マーケテ イング, データ ・ウェアハウジング,データ ・マイニン グ等の情報技術 を CRM で活用 し,利益の上 がる長期的な顧客関係 を構築 しなければなら ない 。Pa ynea ndFr o w ( 2 0 0 5 ) は CRM 実施 の ため の組織化 に関 して ,CRM 準 備評価 ( CRM r e a di ne s sa s s e s s me nt ) ,CRM 変革マネ ジメン ト ( CRM c ha ngema na ge me nt ),CRM プロジェク ト・マネジメン ト ( CRM pr o j e c t ma na ge me nt ) ,お よび従業員参画 ( empl o y‑

e ee nga ge me nt ) の重要性 を指摘 している。

一方,南 ( 20 06) は CRM 実施 をより情報 技術 に基づいた活動 として捉 え,デー タ統合

を含めたデー タ ・ウェアハ ウスに関す る活動, アナ リテイカル CRM ,お よび顧客データの戦 略的利用か ら構成 されるもの として概念化 し ている。デー タウェア ・ハ ウスでは顧客デー タの個人 レベルの管理,その部門内での共有, そ して部門間にわたる共有が行われ,アナ リ テ イカル CRM では,購買デー タの分析 ,デ ータ ・マイニ ングの実施,デー タの仮説 ・検 証が実施 され,戦略的顧客デー タ利用ではデ ータの経営戦略への利用が推進 される。

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(11)

CRM 実 施 と して の オ ペ レー シ ョ ン は , CRM の捉 え方 によって顧客 関係 をめ ぐる情報 技術 を基盤 とした戦術 レベ ルか ら,組織全体 の戦略 レベ ル まで多様 であ る。 しか しここで 重要 なことは ,CRM をどの程度の広が りで捉 えるにせ よ,その オペ レー シ ョンを実行す る 組織 能力が きわめて大 きな役 割 を担 っている ことである。す なわち ,CRM を効果的かつ効 率 的 に実施す るため には,顧客 関係 に関わ る 戦術 ・戦略 に焦点 を当て るだけで な く,それ を実行可能 にす る優 れた組織 能力 を構 築す る ことが必要 とされるのである。

( 5)分析能力

CRM を通 じて収集 された顧客情報 は,組織 において分析 ・解釈 され,マーケテ イング情 報 に変換 され なければな らない。 このプ ロセ スで は,顧客情報 の収集 ・分析 の ツール とな る CRM テ クノロジー とそれ をマー ケテ イ ン グ情報 とい う実践 的 な知識 に変換す る能力が 重要 となる 。CRM テクノロジーは,顧客 関係 の開始 ・維持 ・解消 とい う一連 の プロセス を 管 理 す るた め に用 い られ る情 報技 術 で あ り,

この技術 が高度であればあるほ ど,高い CRM の成 果 を生 み 出す こ とに な る ( Payneand Fr o w2 0 0 5 ) 0

CRM で行 われる分析 には,市場細分化分析 , ア フイニテ ィ ・グルー ピ ング,チ ヤー ン ・マ ネジメ ン ト,顧客 プロフ ァイ リング,収益性 分析 な どが あ る ( Pa yne2 00 6) 。市場細分化 分析 で は顧客属性 に基づ いて複数 の市場 セ グ

メ ン トに細分化 され, アフ イニテ ィ ・グルー ピング ( a f f i ni t ygr oupi ng) に よ り同時購 入 され る傾 向のあ る関連商 品が識別 され る。 ま たチ ヤー ン ・マ ネジメ ン ト ( c hur nma nage ‑ ment ) で ブ ラ ン ド ・ス イ ッチ を頻繁 に行 う

「 移 り気 な」顧客が管理 され,顧客 プロファイ リングか ら顧 客 ニーズ,行動 ,収益性 に基づ いてモ デルが構 築 され,顧客行動 の予測 に用 い られ る。そ して収益性分析 に よって顧客生 涯価値 ( c us t o me rl i f e t i meva l ue ) が評価 さ れ,個客 レベ ルの収益性 が測定 ・管理 され る。

こう した一連 の分析 を通 じて,企業 は顧客 関 係 か ら最大利益 を もた らす市場 セ グメ ン トを 識別 し,そ こへ のマーケテ イング投 資 を集 中 的に行 うことがで きる ( Gr a nta ndSc hl e s i nge r 1 9 95 ;She t ha ndPa r va t i ya r1 9 95 a ;Si s odi a a ndWo l f e2 0 0 0 ) 0

ここで もまた強調 しなければな らないのは, CRM テクノロジー を駆使 した分析 プロセスそ れ 自体 で はな く, この分析 プロセス を円滑 に 進 め,分析 結果 をマーケテ イング情報‑ と変 換 す る能力 の重要性 であ る。高度 な CRM テ クノロジー に よって顧客分析 はか な りの程度 自動化 され,一定 の結果 を導 き出す こ とがで きる。 しか し, どの ような仮 説 を持 って分析 し,分析 結果 を どの ように解釈 し, どの よう

■図‑ 2

CRM 能力とプロセス ・戦略

プロセス 的側面

戦 略 的側面

巨 ∃

/ \

匪 拒

(12)

榔 巨 力としての CRM

なマーケテ イング情報 に変換 し,そ して どの ように CRM 戦略に反映するかは ,CRM 能力 に委ね られる。 この分析能力は,定量的な顧 客情報やデー タか ら顧客像 を立体的に読み取

り, カス タマー ・インサイ トを浮 き彫 りに し, 魅力的な市場セグメン トを識別 し,そ してそ の成果 を評価す るとい う一連の知識やスキル か らなる 。CRM が高い経営成果をもた らすに は,顧客関係のイ ンターフェイスを洞察す る 高い分析能力が必要 とされるのである。

3.CRM 能力への 2 つの視点

CRM 能力の類型は,次の 2 点か らこれまで の議 論 に重 要 な視 点 を提 供 す る。 第 一 に, CRM における戦略 とプロセスとい う 2 つの側 1 表 ‑ 1

面 を CRM 能力か ら構造化す ることがで きる ( 図 ‑ 2 参照)。学習 ・市場志向能力,統合能力, および分析能力は組織のビジネス ・プロセスに おいて発揮 されるものであ り,組織 を学習 ・市 場志向に導 き,顧客情報を分析 し,経営機能や マーケテイング ・チャネルを統合する際に遂行 される。方向づけ能力 とオペ レーション能力は 市場における戦略局面 に関連 してお り ,CRM を通 じて組織が進むべ き方向を設定 し,それを 実現する組織に変革 し,顧客 との関係構築 ・維 持 を図る行動において遂行 される。

第二に,これまで多 くの研究者が指摘 してき た CRM の成功 ・失敗要因を組織能力の視点か ら整理することがで きる ( 表 ‑ 1 参照)。方向 づけ能力では ,CRM によって顧客 と企業の ど

CRM の成功 ・失敗要因と組織能力

能力 Boul ( 2004 di ) ng e

ta

l

.

Day( 2000) ( 2 004 ) KaJ e( 2004) Davi ds( 1999) Ri a n gby, dSc h Re e f t i e chh r( 2 0 el 0 d. 2 )Ra a n m dRa

a

n

,

u W仙n s o( 2 a 0 0 n 6 n )R , ( 2 y 001

a]

sa ) n dP a y n e Za a n dJ b l a o h, h n Be s t o 1 l n e ( n 2 ger 0 0 4 , )

方向づけ能力 ・CRMの実施を成 ・ 顧客ベースおよび ・軽営陣の支持が ・cRMがどのよう ・不十分な投資 ・トップマネジメン

功させるためには, 情報を管理するため ないo ・ベネフィット トの引き受け.賛同

企業は消費者の信頼 の技術資源について,・変革マネジメン かを問題にしないO が理解できないC・変革マネジメント

とプライバシーの問 題を慎重に考慮する 必要がある〇 ・CRM の実施を成 功させるためには, 企業は消費者の公平 さの問題を慎重に考

慮する必要があるo 企業の理解が不十分 であるo トを過小評価する ・自社の戦略を第一 におかない. への焦点 # ンの存在 ・cRMチャンピオ ・ベネフィットの理

学習 .市場

志向能力 ・cRM の実施を成 ・顧客と直接接する ・接衝主導 ・cRM がどのよう ・顧客に求愛するの ・額客志向 功させるためには,

企業は競争に関する 知叢とCRMプロセ スへの競争的反応を

内蔵する必要があるo組桟が存在しないC 理解しない. ョンがない〇 ・ ・顧客生涯価値を 顧客中心のビジ かを問題にしない○ ではなく,つけまわ すo ・長期志向

統合能力 実施には,チャネル, ・ 効果的なCRMの 十分であり,柔軟に ・粗描の分権化が不 的関与を過小評価す よう組投を変革する 資源,および組積 ・必要とされる全社 ・CRMに適合する ・物的箕亀 情報 ・携能の境界 ・携能間の統合 ・組接全体のコミツ 技術,房事,および

従業員の調整が必要

であるo 適応できないo る○ 前に導入する○ 資 ければならない○ 源)を統合しな 一致する報酬構造 トメント ・cRM の考え方と

オベレーシ∃ ・CRMの評価指標 ・インセンティ ブ や ・人的資源管理政策 ・ビジネス.プロ ・適切な場合でもア ・顧客戟鴨を作り出 ・スキルの欠如 ・顧客データの所有 の使用が不適切また 業績評価の欠如して ヽ が採用とスタッフの f ヽ セスに柔軟性がな いO ウトソーシンクしな I 権の特定化 は不十分であると,

コア.リジデイティ

が増殖するリスクに しる〇 対応した変更を行わ 訓練を掛 てしる ・マーケテイングに

時間がかかりすぎる○する.

〇 方が良いと考える○ ・ cRM 技 術は多い 門スキルの開発 ・cRM ・適切な業績評価指 の訓練.専

ン能力 さらされ,長期的な 失敗につながる可能 性があるo ずに顧客コンタクト プロセスに集中するO きことを過大に評価 してしまうo ・ ・はじめに着手すべ J J t さく始めない〇 標 ・適切な資金的関与

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(13)

のような関係を目指すのか,それに従って組織 をどのように変革するのかについて, トップ ・ マネジメントによる十分な理解 と支援が不可欠 である ( Ka l e2 0 0 4 ;Da vi ds1 9 9 9 ;Rya l sa nd Pa yne2 0 01 ;Za bl a h,Be l l e nge r ,a ndJ o hns t o n 2 0 0 4) 。学習 ・市場志向能力においては,顧客 志向や長期志向,競争‑の対応が重要であ り, 顧客中心のビジョンを欠いていた り,技術主導 であった りしてはな らない ( Bo ul di nge ta l . 2 0 0 4 ; Ka l e 2 0 0 4 ; Da vi ds 1 9 9 9 ; Za bl a h, Be l l e nge r ,a ndJ o hns t o n2 0 0 4 ) 。統合能力で は,チャネル,技術,顧客,および従業員の調 整や物的資源,情報資源,組織資源の統合,そ して経営機能の統合が重要である ( Boul di ng e ta l .2 0 0 4 ;Ra ma n , Wi t t ma nn,a nd Ra us e o 2 0 0 6 ; Rya l s a nd Pa yne 2 0 01 ; Za bl a h, Be l l e nge r ,a ndJ o hns t o n2 0 0 4 ) 。 オペ レー シ

ョン能力 については ,CRM の知識 とスキル, CRM に適切 な人的資源の配分や業績評価が必 要 とされる ( Bo ul di nge ta l .2 0 0 4 ;Da y2 0 0 0 ; Di bba ndMe a d o w 2 0 0 4 ;Da vi ds1 9 9 9 ;Rya l s a nd Pa yne 2 0 01 ;Za bl a h,Be l l e nge r ,a nd J o hns t o n2 0 0 4) 。そ して分析能力では,デー

タの量や質に問題があった り,その分析スキル を欠いた りすることが問題 となる ( Ka l e2 0 0 4 ; Da vi ds1 9 9 9 ;Rya l sa ndPa yne2 0 01 ;Za bl a h ,

Be l l e nge r ,a ndJ o hns t o n2 0 0 4 ) 。

¢ 顧 客 関 係 の 市 場 マ ネ ジ メ ン ト と組 織 マ ネ ジ メ ン ト

以上の分析か ら, これ まで明確 にされてこ なかった CRM の 2 つの局面 を指摘す ること がで きる ( 図‑3 参照)。第一の局面は顧客関 係 の市場マネジメ ン トと呼びうるものであ り,

■ 図‑ 3 C RM の 2つの局面

顧 客関係 の マネジメント

/ \

市場マネジメント 組織マネジメン ト

組織能力

CRM 研究の系譜において中心的なテーマであ った。そこでは顧客関係 プロセスを通 じて優 良 な顧客 との長期 的 な関係 を構 築 ・維持 し, その関係 をいかにマネジメン トす るかが課題

となる。方向づけ能力 とオペ レーション能力 は, この局面 において遂行 される CRM 能力 である。第二は顧客関係の組織マネジメ ン ト

というべ き局面であ り,組織 プロセスを通 じ て顧客関係の市場マネジメン トを作動 させ る 組織の能力 に関わる。そこでは組織 における 市場 ・学習志向能力,統合能力,分析能力 を いかに効果的に遂行するかが課題 となる。

CRM が高い成果 を生み出すには ,CRM 戦 略 とい う市場マネジメン トの局面 に注 目する だけでは十分ではない 。CRM の成功 ・失敗要 因が組織能力に関連することか らも明 らかな ように,優 れた CRM 戦略 を構築 ・遂行す る 優れた組織能力 にも注意 しなければな らない。

CRM の成否は,いかに優れた CRM 戦略を実

行するか とい う顧客関係の市場マネジメ ン ト

に加 えて,いかに優 れた CRM 能力 を構築す

るか とい う組織マネジメン トに依存 している

のである。

(14)

組織能力 と しての CRM

謝辞

この研 究 は,平成 1 8 年度文部科学省科 学研 究 費基盤 ( C)「サー ビス産業 にお け る CRM 戦 略の実証 的研 究」 ( 筆者 を代表研 究者 とす る小 樽 商科 大 学大学 院商学研 究科松 尾 睦教授 との 共 同研 究) の一部であ る。

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近藤 公彦 ( こん どう きみ ひこ) 同志社大学商学部卒業 ( 1 9 8 4) 。

神戸大学大学 院経営学研 究科博士 後期課 程単位取得 ( 1 9 9 0) 。

岡山商科大学 商学 部助 手,専任 講 師,助教授 ,小樽 商科 大学 商学部助 教授 ,教授 を経 て,現在 , 同大学 院商学研 究科 ア ン トレプ レナー シ ップ専 攻 ( 専 門職 大学 院)教授。

米 国 ノー ス ウェス タ ン大 学 大 学 院 I MC学科 客 員教 授 ( 2 00 5‑ 20 0 6) 。

専攻 は,マー ケテ イング論お よび流通 システム論。

J oumalo fMar k e l t ' ng , Vol . 6 7, NoA, p p. 3 0‑ 4 5.

Yi n,Fr e d e r i c kHong‑ ki t ,Rol p hE.And e r s on,a ndSr i ni ‑ v a s a nswa mi na t ha n ( 2 0 04) , 山 cus t ome rRe l a t l On ‑ s h i pMa na ge me n t :I t sDi me n s i o nsa n dEf f e c tonCu s ‑ t ome rOut c ome s , " Jour nalo fPer s onalSel l i ng &

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マ ー ケ テ ィ ン グ ・ベ ー シ ッ ク ス (第 二 版 ) ‑ 基礎 理 論 か ら そ の応 用 実 践 へ向 け て ‑ (社 ) 日 本 マ ー ケ テ ィ ン グ 協 会 編 マ ー ケ テ ィ ン グ の 理 論 と 実 践 を 橋 渡 し す る ビ ジ ネ ス マ ン 必 読 の 超 基 本 書 。 定 価 三 一 五 〇 円 マ ー ケ テ ィ ン グ ・ レ ビ ュー (社 ) 日 本 マ ー ケ テ ィ ン グ 協 会 監 修 ・ 池 尾 恭 一 編 一 歩 先 へ行 く 人 の 、 マ ー ケ テ ィ ン グ 文 献 案 内 ! 定 価 一 八 九 〇 円

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シ ョ ッ ピ ン グ セ ン タ ー 成 功 の た め の ラ イ フ ス タ イ ル セ ン タ ー の 構 築 六 車 秀 之 著 新 時 代 の 最 適 流 通 業 態 ! そ の 「成 功 の メ カ ニ ズ ム 」 を 理 論 と 実 践 の 両 面 か ら 解 説 す る 。 定 価 一 九 九 五 円

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プ ラ イ シ ン グ ・ サ イ エ ン ス ー 価 格 の 不 思 議 を 探 る ー

杉 田 善 弘 ・ 上 田 隆 穂 ・ 守 口 剛 編 著 適 正 な 価 格 設 定 の た め に 商 品 の

値 の 持 つ 特 性 を 科 学 的 に 解 明 。 定 価 三 六 七 五 円

マ ー ケ テ イ ン グ 辞 典 (改 訂 版 ) 宮 津 永 光 . 亀 井 昭 宏 監 修 定 価 二 九 四 〇 円

TEL03‑3294‑1 801 F AX 03‑3294‑1 807 振替 00100‑8‑42935 ( 価格 は税 込)

同文 舘 出版

〒 1 01 ‑0051 東京都千代 田区神 田神保 町 ト4 1

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