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初 級 後 期 の 文 型 導 入 に つ い て
I J . I か まき たい じ 中 牧 泰 =
日本語で 日本語 を教え るのは決 して容易な ことではな いが、文型 ・文法事項 ・語句 の導入に際 して、教師がそ れに最 もふ さわ しい場面や例文を用意す ることによって、
学習者 に意味 と使 い方 を把握 させ ることがで きる。 例え ば条件句を導 く助詞 「と」を導入す るのに以下 のよ うに 板書 し、「たす
」
「ひ く」
「なる」
「の こる」の語句を提示 し、学習者 と問答す ることによって、理解 させ定着 を深 めることがで きる。1+2‑3 1
に2
を たす と3
に な ります。5‑3‑2
5か ら 3を ひ くと 2が の こります。留学生 セ ンターでは
、1 0 0
時間程度学習 し、ひらがな ・ かたかな と漢字1 0 0
時程度がで きる人 た ちのために初級 後期 の日本語学習 として文型 ・会話 Ⅲを設定 し、教科書 に 『技術研修者のための日本語』2 (国際協力事業団) を使用 している。 ここでは、 この教科書 を例 に初級後期 の文型導入を試み ることにす る。27課 ・28課か ら授受動詞 「あげる
」
「ーもらう」
「くれる」などを用 いた受給表現 と動作の授受 を表す
「
〜てあげる」「
〜て もらう」「
〜て くれ る」
などを用 いた表現 の導入を 考える。まず、授受動詞 「ぁげる」を導入す る。 教師が学習者 に切手 を見せ、「これ は、日本の切手 です。 ほ しいです か
。 」「はい、 じゃAさんにあげます。」と言い、「あげる」
を導入す る。他の学習者 に r先生 は誰 に切手をあげま し たか
。
」 と問 いか け、「先生 はAさん に切手 をあげ ま し た。」 と答え させ、「そ うです、先生 はAさんに切手 をあ げま した。」 と繰 り返す。そ こで、「(わた しは)′/
/B
さん はAさんに切手 をあげます。」 と板書 し、「あげる」を提示す ることがで きる。 さらに、えんぴっや ノー トなどを 入れた箱を用意 し、学習者同士で
「 A
さんにえんぴっを あげます。 」「 Bさんにノー トをあげます。」 な ど と物 の
受 け渡 しをさせ、「 A
さんに何をあげま したか。 」
「誰 に
ノー トをあげま したか。」などと問答 し定着 させ る。
「も
らう」
は、教師が 「先生 はA
さんに切手 をあげま した。」
「 A
さん は ?」「 A
さんは先生 に切手 を もらいま した。」と自問 自答 し、「あげる」 と同様 に学 習者同士 で物 を受 け渡 しさせ、練習す ることがで きる
。
「くれ る」 は教 師 が学習者 にノー トなどを もらい、「A
さん はノー トを く れま した。」 と導入、他の学習者 に 「あなた は何 を くれ ますか。 」「 Bさんは切手 を くれま した。」 と物 のや りと
りで 「わた しに くれま した。」を定着 させ、同時 に 「A
さんに もらいま した
。 」
「わた しはもらいま した。」 と混 同 しないよ う、授受関係を強調す る必要がある。次に、動作の授受 を表す
「
〜 てあげる」「
〜て もらう」r
〜て くれ る」の導入であるが、黒板 に難 しい漢字 を書 いて 「読んで ごらんなさい。」 と問 いか け、読 め ないの をみて 「じゃ、先生が読んであげます。 」
「みなさんは、この漢字が読 めません。だか ら、先生 に読んで もらいま した。」 と導 く、さらに 「わた しは、 この漢字 が読 め ま せん。 だか ら、先生 に読んで もらいま した。先生 は、わ た しに読 んで くれ ま した。」 と して 、「読 ん であ げる
」
「読んで もらう
」
「読 んで くれ る」を提示す るのである。文型の導入 も初級 の後期 になると既習の文型 ・語句を 使 っての場面設定 もで きる。 さらに、その場面 にふ さわ しい言 い方 を考え させ ることによって、既習の文型 ・語 句の使用範囲を拡大す ることも可能ではないだろ うか。
(外国人留学生指導 センター日本語 コース委嘱講師 ・長 崎 日本語 アカデ ミー教務主任 )