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ALC パネルの各種強度性状に及ぼす加熱の影響

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ALC パネルの各種強度性状に及ぼす加熱の影響

遠 藤 利 二

2010 年 3 月

首都大学東京

(2)
(3)

目 次

第1章 序 論

第1節 研究の背景と目的及び概要 ・・・・・・・・・・1

第2節 ALC パネルの火害診断の現状と重要性 ・・・・・・・・・・4

第3節 既往の研究 ・・・・・・・・・・7

[参考文献] 第2章 ALC 母材の強度性状に及ぼす加熱の影響 第1節 概 説 ・・・・・・・・・・14

第2節 加熱された ALC 母材の劣化状況の外観観察 ・・・・・・・・・・16

第3節 加熱された ALC 母材の X 線回折結果 ・・・・・・・・・・23

第4節 加熱された ALC 母材の針貫入試験結果 ・・・・・・・・・・27

第5節 加熱された ALC 母材の曲げ強度 ・・・・・・・・・・31

第6節 加熱された ALC 母材の圧縮強度 ・・・・・・・・・・34

第7節 加熱された ALC 母材の接着強さ ・・・・・・・・・・40

第8節 本章のまとめ ・・・・・・・・・・46

[参考文献] 第3章 ALC パネルの曲げ強さに及ぼす加熱の影響 第1節 概 説 ・・・・・・・・・・49

第2節 加熱された ALC パネルの劣化状況の観察、そり変形及び重量 変化等の測定 ・・・・50

第3節 加熱された ALC パネルの曲げ強さ及び X 線回折による曲げ 性状の検討 ・・・・60

第4節 加熱された ALC パネルの曲げ性状の定式化及びその適用方法 ・・・・73

第5節 本章のまとめ ・・・・84

[参考文献] 第 4 章 加熱された ALC パネルから切り出した各種構成材料の機械的性質 第1節 概 説 ・・・・・・・・・・86

第2節 加熱された ALC パネル母材の圧縮強度及び接着強さ並びに 針貫入試験による各種強度性状の検討 ・・・・・・・・・・87

第3節 加熱された ALC パネル内部の補強筋の引張り強度の検討 ・・・・97

第4節 本章のまとめ ・・・・・・・・・ 103

[参考文献]

(4)

第5章 加熱の影響を受けた ALC パネルの曲げ変形特性の推定方法の検討

第1節 概 説 ・・・・・・・・・・105 第2節 加熱時間の異なる ALC パネルの曲げ変形過程の検討及び

劣化域を考慮した曲げたわみ計算値と実験値との比較検討 ・・・・106 第3節 本章のまとめ ・・・・・・・・・・120

[参考文献]

第6章 加熱の影響を受けた ALC パネルの各種塗布材による強度回復効果の検証

第1節 概 説 ・・・・・・・・・・121 第2節 ALC パネルの加熱面の接着強さ及び母材の圧縮強度並びに

曲げ強さの回復効果 ・・・・・・・・・・122 第3節 本章のまとめ ・・・・・・・・・・136

[参考文献]

第7章 結 論 ・・・・・・・・・・137 論文要旨 ・・・・・・・・・・144 研究業績一覧 ・・・・・・・・・・146

(5)

第1章

序 論

(6)

第1章 序論

第1節 研究の背景と目的及び概要

ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)は、1960 年代初頭に日本国内に技術 導入されてから、経済産業省窯業建材統計の ALC 年度別出荷量を合計すれば、2008 年度ま でに約 9700 万 m3もの ALC が製造・出荷されてきたこととなる1)

ALC パネルは住宅、工場、事務所等の建築物の壁、屋根及び床に広く用いられているが、

その大半は帳壁(非耐力壁)2)である。このように ALC パネルが帳壁として広く用いられ る理由の一つに、建築基準法に基づく例示仕様に規定される程の耐火性能がある。

法令による耐火性能とは、『通常の火災が終了するまでの間、当該火災による建物の倒 壊及び延焼を防止するため当該建築物の部分に必要とされる性能』であり、帳壁には 30 分あるいは 1 時間の耐火性能が必要とされている。これら耐火性能とは火災後も再使用で きる火災継続時間を示すものではない。しかしながら、消防白書によれば一般の火災では 消火活動の進歩もあり、火災初期で消火されている場合が多い 3)。特に、隣家の火災によ る被災では比較的軽度の場合が多いものと推察される。このような場合、補修・改修コス トの低減を図るため、ALC パネルの再使用が求められ、その可否判断が必要とされる。こ の際に調査及びその調査の結果に基づく判定を行うことが、一般的に「火害診断」4)と呼 ばれるものである。

火災による熱影響を受けた ALC パネルの強度性状を明らかにすることは、国内に数多く ある ALC 建築物の維持、保全の点から今後重要になるものと考えられる。しかし現実には、

火災による熱影響を受けた ALC パネルの再使用を目的とした強度性状に関する研究は少な く5)6)、よって、その調査・判定方法も確立されてはいない。調査・判定方法が明確でなけ れば、火害に遭った ALC パネルの再使用の可否及び補修・補強方法やその程度を定めるこ とが出来ず、パネルの再使用においては強度的・耐久性的に不安を残すこととなる。

一方、調査・判定方法が明確でないことから、火災による被災(以後、火害とする)の 程度が軽度の場合であっても、ALC パネルの残存強度に関わらず、新品のパネルへ取り替 えるとなれば、補修・改修コストは著しく高いものとなる。

現在、火害を受けた ALC パネルの強度性状を明らかにし、その火害診断の確立が強く求 められている。この社会的な要望に応えるべく、本研究において、火災を想定した加熱に よる ALC 母材及びパネルの各種強度性状を明らかにし、再使用の可能性を検討すると共に、

その強度性状の変化(劣化の程度)を計る手法、推定する計算式及び評価方法並びに補修・

補強方法の適用効果について研究するものある。

(7)

本論文の研究の概要を次に示す。

(1)序論

(2)ALC 母材の強度性状に及ぼす加熱の影響

(3)ALC パネルの曲げ強さに及ぼす加熱の影響

(4)加熱された ALC パネルから切り出した各種構成材料の機械的性質

(5)加熱の影響を受けた ALC パネルの曲げ変形特性の推定方法の検討

(6)加熱の影響を受けた ALC パネルの各種塗布材による強度回復効果の検証

(7)結論

尚、本論文の概要は、図 1.1.1 に示す通りである。第1章「序論」は、本研究の目的と 背景及び研究の範囲を示し、更に、ALC パネルの火害診断の現状と重要性及び既往の研究 について述べる。第2章「ALC 母材の強度性状に及ぼす加熱の影響」では、加熱された ALC 母材の劣化状況の外観観察、加熱の影響の程度を確認するための手段としての X 線回折及 び針貫入試験結果、加熱後の ALC 母材の曲げ強度、圧縮強度及び接着強さの試験結果につ いて述べる。第3章「ALC パネルの曲げ強さに及ぼす加熱の影響」では、加熱された ALC パネルについて、劣化状況の観察、そり変形及び重量変化等の測定結果、曲げ強さ及び X 線回折による曲げ性状の分析、更に、曲げ性状の定式化及びその適用方法について述べる。

第4章「加熱された ALC パネルから切出した各種構成材料の機械的性質」では、加熱され た ALC パネル母材の圧縮強度、接着強さ及び針貫入試験による各種強度性状の検討並びに、

加熱された ALC パネル内部の補強筋の引張り強度の検討を行い、加熱の影響を受けた ALC パネルを構成する各材料の機械的な性質を確認している。第5章「加熱の影響を受けた ALC パネルの曲げ変形特性の推定方法の検討」では、第3章及び第4章の検討結果を基に、加 熱時間の異なる ALC パネルの曲げ変形過程の検討及び劣化域を考慮した曲げたわみ計算値 と実験値との比較検討を行う。第6章「加熱の影響を受けた ALC パネルの各種塗布材によ る強度回復効果の検証」では、加熱の影響により各種強度の低下した ALC パネルの強度回 復を目的とし、各種塗布材による、ALC パネルの加熱面の接着強さ及び母材の圧縮強度並 びにパネルの曲げ強さの回復効果の検証を行う。第7章は本論文における研究成果を総括 し、本研究の結論とする。

(8)

参考文献

1)日本建築仕上学会 ALC 解体工法研究委員会:建築物等に使用される ALC パネルの分別 解体施工指針(案)・同解説, 第 1 版,pp.4-5,2003.12

2)日本建築仕上学会 ALC 外壁補修工法研究委員会:ALC 外壁補修工法指針(案)・同解説, p.1, 2000.4

3)総務省消防庁:消防白書, 平成 20 年版

4)日本建築学会:建物の火害診断及び補修・補強方法,第 1 版第 1 刷,p.3, 2006.8 5)Kitsutaka, Y., Hiramatsu, H. and Tamura, M. : Influence of Autoclaved Aerated

Concrete Panel, Proceedings of the International Conference on Concrete Construction’s Sustainable Option, Scotland, UK, Concrete for Fire Engineering, pp.283-289, 2008.7

6)平松宏基, 橘高義典, 田村雅紀:各種建築外装仕上げパネルの耐火性能に関する研究, 日本建築学会大会学術講演梗概集, A-1 材料施工, pp.1013-1014, 2007.8

 

第2章 ALC母材の強度性状に及ぼす加熱の影響

第6章 加熱の影響を受けたALCパネルの各種塗布材による強度回復効果の検証 第1章 序 論

第7章 結 論 加熱影響の確認手段

X線回折 針貫入試験

加熱後のALC母材の各種強度 圧縮強度

曲げ強度 接着強さ

曲げ強さ及びX線回折 劣化状況の観察

曲げ性状の定式化及び適用方法

圧縮強度及び接着強さ並びに針貫入試験 パネル内部の補強筋の引張り強度

曲げ変形過程の検討及び劣化域を考慮した曲げたわみ計算値と実験値との比較検討

接着強さ及び母材の圧縮強度並びに曲げ強さの回復効果 第3章 ALCパネルの曲げ強さに及ぼす加熱の影響

第5章 加熱の影響を受けたALCパネルの曲げ変形特性の推定方法の検討

第4章 加熱されたALCパネルから切出した各種構成材料の機械的性質

図 1.1.1 論文の概要

(9)

第2節 ALC 建築物の火害診断の現状と重要性

建物の火害診断が行われる最も一般的なケースは、火害に遭った建物の火災保険加入者 であるオーナーから、損害保険会社に対して当該建築物の損害保険金の支払い請求が行わ れ、損害保険会社から依頼を受けた第三者(機関)である損害保険登録鑑定人(会社)が 当該建物に対して、損害額算定を行うために実施する場合である。そこで、ALC 建築物の 火害診断を行う場合、実際にどのような調査が行われ、それを基にどう判定されるのかを、

損害保険会社の担当者及び調査機関の損害調査の専門家に聞き取り調査を行った。この調 査の目的は、調査方法の種類や判定の違いなどを確認するものではなく、ALC 建築物の火 害診断の現状を確認し、次章以降の研究の方向性や試験結果の分析方法等の参考とすると ころにある。聞き取り調査は損害保険会社の当該保険業務担当者及び調査機関の調査の専 門家の 2 名から回答を頂いた。以下に、火害診断に関する質問事項及びその回答を示す。

2.1 火害による劣化程度の判定

[質問 No.1]

一般に、火害による建築物の劣化状況及び程度の判定方法には大きく分けると、どの様 なものがありますか。

[回答 No.1 回答者:損害調査の専門家]

1)劣化の影響には火・熱及びその他に消火の際の水(高圧・急冷)の影響がある。

2)現場調査として火元建物の種類(工場・事業所なら業種)により油・化学薬品の汚染 や爆発時の風圧被害などがある。

3)以上の判定方法は一般的に、目視による判定となる。

4)出火後どの程度高温になったかが判定には重要。又、熱の影響としては、鎮火後半日 から1日経っても熱い時があり、そうした状況も考慮する。

5)コンクリートの場合は、火災後のコンクリート表面の状態及び色から推定した受熱温 度および火災の継続時間により判断する。材料毎の受熱温度の推定は、参考となる資 料を基に行う1)

6)火元建物の火害は構造耐力上主要な部分である柱・梁等の劣化を第一に確認する。そ れらへの被害が大きければ、外壁への影響の如何にかかわらず建物としての使用は不 可能であり、柱・梁への被害が小さい時は、一般に外壁への影響も小さい。

[質問 No.2]

火害による劣化状況にランクはありますか。ある場合、ランクの違いはどのような内容 ですか。

[回答 No.2 回答者:損害調査の専門家]

1)劣化の程度の判定は、火災後のスス等の清掃後に行う。

2)劣化状況には等級があり、それに応じて塗装、補修、ハツリ補修、取替え等の対応を

(10)

選択することとなる。

[質問 No.3]

ALC パネルが火災によって被災した場合、劣化状況・程度の判定を行う方法はあります か。ある場合にはその方法と、判定の内容はどのようなものですか。

[回答 No.3 回答者:損害調査の専門家]

1)コンクリートの一つと考えているが、ALC のための特別なものは無い。例えば製造メ ーカー技術者へ確認することもある。又、対象建材のメーカ技術者立会いのもと調査 した経験もある。

2)隣家からの影響の場合には、材料自体のほかに目地部及びそこから内部構造躯体への 影響を判断する。

[質問 No.4]

写真 1.2.1 に示す建物は、隣家の火災により ALC 外壁面に火・熱の影響を受けたもので す。劣化状況・程度の判定はどこにあるのでしょうか。又、隣家の火災により火害を受け た場合、補修・改修のために必要な費用はどの程度保険で支払われるのでしょうか。

[回答 No.4 回答者:損害調査の専門家]

1)外壁は再使用可能。塗料が残っている。この状況から高温にはなっていない。

2)目地はシーリング工事のやり直し。

3)煙による煤汚損は清掃。

4)表面清掃(一部補修)した後に再塗装。

5)タイル張りの建物正面及びコーナー役物パネルへの影響は写真からでは不可。仮に影 響があると高額な補修費用となる。

写真 1.2.1 隣家火災による被災した壁面

被災 ALC 外壁面

(11)

[回答 No.5 回答者:損害保険会社 保険業務担当者]

失火による隣家への火害(類焼損害)は、不法行為(民法 709 条)による損害賠償責任 の問題であり、基本的には火元が加入する火災保険による補償の対象外である。なお、そ の失火が軽過失(故意および重過失以外)による場合には、「失火の責任に関する法律」1)

により、損害賠償責任が免除される。なお、火元が加入する火災保険に特約を付帯するこ とにより、類焼損害を補償するケ-スがある。

損害額を算定するに当たって、通常は時価(契約条件によっては新価)額基準で算出 し金銭で支払う。損害額または約定する保険金額以上に保険金が支払われることはないが、

約定に基づき別枠で費用保険金が支払われることがある。

※時価額=再取得価額(新価額)-経年減価および損耗

2.2 総括

本節の聞き取り調査結果を総括すれば、次の通りとなる。

現状は、ALC 建築物の火害診断が行われる場合、ALC パネルの調査・判定は、鉄筋コン クリートの火害診断に準じたものとならざるを得ない。その診断の際に最も活用されてい るのが日本建築学会出版の「建物の火害診断及び補修・補強方法」2)である。その調査項 目として、受熱温度の推定を材料の色や状態から推定し、又、各種化学・物理的分析を行 う。但し、基本となる試験データはコンクリートのものである。

ALC 建物に関する火害調査・診断をより現実に即したものとするためには、調査・判定 するめの基本データとして、火災を想定した加熱の影響を受けた ALC の母材及びパネルと しての基本となる物性データを実験で明らかにし、社会的に公正なデータとして提示する ことが必要であると考える。

参考文献

1)日本建築学会 建物の火害診断及び補修・補強方法,第 1 版第 1 刷,p.81, 2006.8 2) 民法第 709 条(不法行為による損害賠償)

(12)

第3節 既往の研究

建物火災において、建物の各部材が火・熱の影響を受けて材質的に劣化(以後、火害と する)した場合、その劣化の程度によっては補修・補強を行って再使用することが求めら れることから、火害建物・部材に対する再使用の可否を明らかにする為の、調査・診断方 法、その結果に応じた回復目標値の設定、回復のための補修・補強方法の選択及び適切な 施工技術が必要とされている。しかしながら、火害部材の再使用の可否判断や調査方法等 は法的に定められているものではなく、又、工学的見地から、火害建物・部材を調査・研 究しようとしても火災の事例や調査結果等は、当該建物所有者の利害に直接関わることで あり、更に法的、社会的にも問題となっている場合があり、その性質上ほとんど公表され てはいない。必然的に火害診断や補修・補強方法の研究・開発を進めるための技術データ の蓄積や整理が進まない理由の一つがここにある。

このような現状にあって、日本国内に導入されてから約 45 年を経た ALC に関しても同様 に、火害における再使用の調査・研究はほとんど進んでいない。物理的な損傷及び耐久性 に関わる劣化調査、研究及び補修方法の開発等 1)2)3)4)が主である。火害の調査・診断に関 しては、主に鉄筋コンクリート構造物のもの5)6)7)が用いられることが多い。建築材料とし ての無機質系部材としての範囲では、火害の調査・診断で適合する部分もあり、又、診断 実績の積み重ねによる安全性の確保も行われているものと考えられる。但し、ALC とセメ ントコンクリートではその化学的強度発現の機構が異なる。ALC 母材の強度発現はケイ酸 質材料がオートクレーブ養生によって生成する結晶(主にトバモライト結晶)構造の形成

8)9)に起因するものであり、セメントコンクリートの場合にはセメントの水和反応によるケ イ酸カルシウム水和物(C-S-H 系化合物)の形成10)11)に起因する強度発現である。更に、

比重や各種強度は大きく異なることから、加熱の影響による材質的な物性変化も異なるも のと推察され12)13)、又、パネル部材としての強度性状も異なるものと考えられる。

ALC に関する火害調査・診断方法がほとんど無い状況において、今後、より現実に即し たものとするためには、調査・診断するための基本データとして、火災を想定した加熱に よる ALC の材質及びパネルとしての基礎的な物性データを実験で明らかにし、社会的に公 正なデータとして提示することが必要であると考える。その第一歩として、これまでに行 われてきた関連する研究論文及び学会の指針等を取りまとめ、整理し、本研究で取り組む べきことを明確にする。そこで、加熱の影響を受けた ALC パネルの強度性状に関する研究 の調査を行うと共に、この分野で研究の進んでいる鉄筋コンクリート造を対象にした、火 害の調査・診断方法の調査を行う。以上をもって既往の研究とし、更に、既往の研究から 得られた、本研究で行う試験の種類や取組む方向を本章の終わりに示す。

(1)加熱を受けた ALC パネルの強度性状の研究に関する既往の調査

ALC パネルは建築基準法に基づく例示仕様に規定されるほどの耐火性能がある。又、建 設省告示第 1399 号においては、非耐力間仕切壁としては 2 時間の耐火性能を有するものと

(13)

して規定されてもいる。2000 年 6 月の建築基準法改正により ALC パネルを含む帳壁に求め られる耐火性能は 1 時間となったものの、その高い耐火性能は変わらない。更に、同基準 法の改正により耐火性能と避難安全性能に関する規定の一部が性能規定化された。この性 能規定化により、主要構造部に一律な耐火構造を求めるのではなく、耐火建築物の主要構 造部に要求する性能が明示された。政令で定める技術的基準に適合するものも耐火建築物 の主要構造部として認められるようになった(建築基準法第 2 条九の二)。このような耐火 建築物に適合することを判断する方法(3 種類あり)によっては、非耐力間仕切壁である ALC パネルにも 2 時間を超え、室内の条件(可燃物の量)によっては 4 時間を越える程の 耐火性能が要求されることもある。西村ら14)は、長時間加熱を受ける ALC パネル壁の耐 火性能を把握することを目的として厚さ 100mm 及び 120mm の ALC パネルに目地部の耐火的 な補強を加えて、厚さ 100mm で約 4 時間、厚さ 120mm で 5 時間の耐火性能を確認している。

このような要求に応えることが可能な ALC パネルは、写真 1.3.1 に示すように、建築基準 法上は同等の耐火性能を持つ他の耐火パネルと比較しても、火害を受けた際の外観上の被 災の程度は明らかに小さく、目視でも分かる程、耐火性能が優れているためでもある。更 に、平成 20 年度の消防白書15)によれば、今日の火災消火活動の進歩により、消防機関が 火災を覚知し、消防隊が出動して放水を行った件数は建物火災の 50.2%(1万 5,693 件)

であるが、消防隊が出動して放水開始までの時間が 10 分以内のものは、放水した建物火災 の 69.4%(1万 888 件)であり、このうち5分以内のものは 15.2%(2,392 件)となって いる。又、放水開始後 30 分以内に鎮火した件数は放水した建物火災の 43.1%(6,767 件)

となる。建物火災の約半数は火災発生後 10 分以内に消火活動が開始される。

以上のような消火活動の進歩もあり、火災初期で消火され、比較的軽度と思われる被災 の場合には、ALC パネルの再使用を求められることが少なくない。橘高ら 16)17)は、厚さ 35mm、50mm 及び 100mm の ALC パネルに ISO834 の標準加熱温度曲線に従って 10 分及び 20 分の加熱を行った後、それらパネルの曲げ強さ試験を行い、残存する曲げ耐力から、火災 を想定した加熱後の再使用の可能性を検討している。ISO834 の標準加熱温度曲線とは、

写真 1.3.1 火災後の ALC パネル及び他の耐火パネルの状況

ALC パネル 他の耐火パネル

(14)

政令で定められた耐火性能に関する技術的基準(建築基準法施行令第 107 条)に適合する かの性能評価を行うための試験方法において用いられ、加熱温度と時間との関係を示す国 際標準化機構(ISO)の定める基準であり、図 1.3.1 に加熱温度と時間との関係を示す。

ALC の物性については、RILEM(材料と構造物の試験研究機関国際連合)の主催する 1982 年の第 2 回、1992 年の第 3 回の国際シンポウムにおいて、ALC の圧縮強度、熱伝導率、収 縮等が議論された。ALC の加熱による強度的な物性の変化については、1992 年の第 3 回の 国際シンポウムで、S.Aroni ら18)により、ALC は素材として、100℃以上 700℃未満までの 加熱によって圧縮強度が大きくなり、400℃付近で最大 80%程度まで大きくなるが、収縮 ひび割れによって相殺される可能性もあると報告されている。又、加熱温度が 700℃を超 えると圧縮強度は、温度の上昇に伴って急激に低下するとの報告が行われた。但し、例え ば ALC ブロックやパネルとしての実用上の工学的見地からの実験・研究報告等は行われて いない。

(2)鉄筋コンクリート造における火害の調査・診断方法等

日本建築学会出版の「建物の火害診断及び補修・補強方法」7)によれば、鉄筋コンクリ ート造の火害調査は、火害の程度により、予備調査、一時調査及び二次調査の順に、詳細 な調査に進む必要があるとしている。予備調査は消防活動記録、目撃者、新聞記事等から 情報を収集し、火災状況を把握するために行う。一時調査は、目視により外観上の被害状 況を観察し、火害状況を把握した上で、大まかな火害等級分けを行い、調査対象箇所を絞 り込むために行う。二次調査は、一時調査により絞り込まれた調査対象箇所について、簡 単な調査及び/又は詳細な調査を実施するとしている。以上の各調査結果を総合して火害等 級の判定を行い、その等級に応じた補修・改修計画が立てられるとある。図 1.3.2 に鉄筋 コンクリート造における火害診断フローを、表 1.3.1 にコンクリートの変色状況と受熱温

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 加熱時間(分)

温度(℃)

ISO834 標準加熱温度曲線

図 1.3.1 ISO834 の標準加熱温度曲線

(15)

度の関係を、表 1.3.2 に鉄筋コンクリート造における火害等級と状況を、表 1.3.3 にコン クリート造における調査方法一覧を、表 1.3.4 に鉄筋コンクリート構造物の火害診断と補 修・補強の基本を示す。

火災 発生

予備 調査

一次 調査

Ⅰ級

Ⅱ級か?

簡単な調査

調査結果は 妥当か?

Ⅱ級

二次調査

Ⅲ級か?

Ⅲ級

詳細な調査

Ⅳ級か?

Ⅳ級 Ⅴ級

Yes Yes

Yes

Yes Yes

No

No

No

No No

No Yes

(火害等級)

Ⅰ級か?

Ⅴ級か?

変色状況

表面にすす等が付着している状態 ピンク色

灰白色 淡黄色 溶融する

温度範囲(℃)

300未満 300~600 600~950 950~1200

1200以上

図 1.3.2 鉄筋コンクリート造における火害診断フロー(建物の火害診断及び補修・補強方法より)

表 1.3.1 コンクリートの変色状況と受熱温度の関係

(建物の火害診断及び補修・補強方法より)

(16)

火害等級

Ⅰ級

Ⅱ級

Ⅲ級

Ⅳ級

Ⅴ級

無被害の状態で、例えば、

 ①火害全くなし、

 ②仕上げ材料等が残っている

仕上げ部分に被害がある状態で、例えば、

 ①躯体にすす、油煙等の付着

 ②コンクリート表面の受熱温度が300℃以上、

 ③床・梁の剥落わずか。

鉄筋位置へ到達しない被害で、例えば、

 ①コンクリートの変色はピンク色、

 ②微細なひびわれ、

 ③コンクリート表面の銃熱温度が300℃以上、

 ④柱の爆裂わずか。

主筋との付着に支障がある被害で、例えば、

 ①表面に数mm幅のひびわれ、

 ②鉄筋一部露出。

主筋の座屈などの実質的被害がある状態で、例えば、

 ①構造部材としての損傷大、

 ②爆裂広範囲  ③鉄筋露出大、

 ④たわみが目立つ、

 ⑤健全時計算値に対する固有振動数測定値が0.75未満、

 ⑥載荷試験において、試験荷重時最大変形に対する残留変形の割合が   A法で15%、B法で10%を超える。

A 法及び B 法:袋に入れた砂、砂利、セメントや水などの重量物を積載して分布荷重を与える方法と、油圧 ジャッキを用いて集中荷重を与える方法があり、1957 年版 JASS 5 では、前者を A 法、後者を B 法と規定。

調 査 一時調査

二次調査 簡単な調査 詳細な調査

目視による 方法 簡易な方法 力学的試験に よる方法

材料分析によ る方法

計算による 方法

方 法

(1)コンクリートの状況

(2)コンクリート以外の材料の状況

(1)リバウンドハンマーによる反発硬度試験

(2)中性化深さの測定

(1)コンクリートコアの抜取り検査

(2)小径コアの抜取り試験

(3)鉄筋の抜取り試験

(4)振動試験

(5)載荷試験

(1)UVスペクトル法

(2)過マンガン酸カリウムによる酸素消費量の定量分析

(3)マイクロ波特性値の測定

(4)熱ルミネッセンスの測定

(5)超音波伝播速度の測定

(6)超音波スペクトロスコピー法

(7)X線回折

(8)炭酸ガス量及び炭酸ガス再吸着量の測定

(9)遊離石灰量の変化

(10)示差熱天秤分析

(1)火災性状の推定

(2)部材温度の推定

(3)構造耐力の推定

表 1.3.3 鉄筋コンクリート造における調査方法一覧(建物の火害診断及び補修・補強方法より) 表 1.3.2 鉄筋コンクリート造における火害等級と状況(建物の火害診断及び補修・補強方法より)

(17)

ALC は約 80vol%の気孔と約 20vol%の固相からなり、その内、13%~16vo%が ALC の主 要な結晶体のトバモライトであり、残りの 4%~7%が石英等の未反応物質である19)。この トバモライトに着目し、加熱による ALC への影響の範囲を明らかにするために、パネル加 熱面から裏面方向にトバモライトの加熱による変化を、X 線回折を用いて調査・分析する ことは有効であると考える。又、力学的試験による方法としては、加熱後の ALC パネル自 体の曲げ強さ試験の他に、ALC 母材コアや鉄筋を加熱後に切出して試験することは、加熱 による ALC パネル及びその母材への強度的な影響の程度を明らかにし、再使用の可否判 断・火害診断のための基礎データになるものと考える。

一方、被災現場での迅速で簡易な調査方法としては、鉄筋コンクリート造ではリバウン ドハンマーによる反発硬度試験が提案されているが、パネル両端支持の単純梁とした ALC パネルでは、パネル自体のバウンド等も比較的大きく、く体への取付け構法による差異及 びパネル寸法や内装材の違いによって試験値が異なるものと推察されるために、適さない ものと考える。又、強いアルカリ性を示さない ALC において中性化深さの測定も適してい ないものと考える。そこで、火災現場における迅速で簡易な調査方法としては、これまで 鉄筋コンクリート構造物の火害診断には用いられていないが、土木学会の「軟岩の調査・

試験の指針」20)に定められた針貫入試験法に準じて、細針を加熱後の ALC に貫入し、その 際の抵抗力を測定する方法を試みる。尚、材料分析による方法に、示差熱天秤(重量)分 析があるが、建築基準法に規定される耐火性能試験に準じた加熱として、ISO834 の標準加 熱温度曲線に従えば、加熱時間 10 分で最高温度は約 680℃、20 分では約 780℃となり、熱 分析で重量減少量を測定する 600~800℃と同等であることから、この方法をもって加熱温 度又は、熱影響により劣化した領域の測定に適用するには難しい。

計算による方法については、本研究で得られた実験データを基に検討する。

[参考文献]

1)丸矢一男, 迫英介, 重富正吉:20 年以上経過した ALC パネルの劣化実態調査, 日本 建築学会大会学術講演梗概集, A-1 材料施工, pp.47-48, 1990.10

火害等級

Ⅰ級

Ⅱ級

Ⅲ級

Ⅳ級

Ⅴ級

状 況 無被害の状体

仕上げ部分に被害がある状態 鉄筋位置へ到達しない被害

主筋との付着に支障がある被害 主筋の座屈などの実質的な被害 がある状態

補修・補強の基本

仕上げのみ補修

強度、耐久性が低下している場合は、かぶりコンクリート をはつり落とし、現場打コンクリートまたはモルタルで被 覆すなどの処置をとる

部材耐力が低下しているので、かぶりコンクリートをはつ り落とし、主筋を完全に露出させ、現場打コンクリートで 被覆する。場合により補強も行う

補強、取り替え、増設

表 1.3.4 鉄筋コンクリート構造物の火害診断と補修・補強の基本

(建物の火害診断及び補修・補強方法より)

(18)

2)丸矢一男,重富正吉:20 年以上経過した ALC パネルの劣化実態調査(Ⅲ), 日本建築 学会大会学術講演梗概集, A-1 材料施工, pp.343-344, 1991.9

3)長尾崇史, 久保田英之:38 年経過した ALC のパネルの劣化評価に関する報告, 日本建 築学会大会学術講演梗概集, A-1 材料施工, pp.505-506, 2006.9

4)横山治男,石井啓之,村博,貫井泰,熊谷茂: 経年劣化した ALC 屋根パネルの補強対 策, 日本建築学会大会学術講演梗概集, A-1 材料施工, pp.363-364, 2002.8

5) 小野紘一, 太田義和: 委員会報告「コンクリート構造物の火災安全性研究委員会報告」, コンクリート工学年次論文集, Vol. 24, No.1, 2002

6)小林幸一, 枝広英俊 : 火害を受けたコンクリート構造物に対する非破壊・美破壊試験 の適用に関する研究, 日本建築学会構造系論文集, 第 73 巻, 第 629 号, pp.1027-1034, 2008.7

7)日本建築学会:建物の火害診断及び補修・補強方法,第 1 版第 1 刷,p.3, 2006.8 8)T. Mitsuda, K. Sasaki and H. Ishida, J. AM. Ceram. Soc., 75, pp.1858-1863, 1992 9)光田武:CaO-SiO2-H20 系の熱水反応と出発物質, 岩石鉱物鉱床学会誌 特別号, 3,

p.317, 1982

10)笠井芳雄 他: 新版建築材料学 新版 2 版, 理工図書, p.121, 2003,3

11)山田順治,有泉晶:わかりやすいセメントとコンクリートの知識, 第 8 刷,pp.37‐56, 1985.4

12)川辺伸二, 一瀬賢一, 川口徹, 長尾覚博: 高温加熱を受けた高強度コンクリートの強 度特性に関する研究, コンクリート工学年次論文集, Vol. 25, No.1, 2003

13)原田和典:建物火災のメカニズムと火災安全設計, 財団法人日本建築センター情報事 業部, pp. 160-164, 2007.12

14)西村俊彦, 上村茂男:長時間加熱を受ける ALC パネル壁の耐火性能, 日本建築学会大 会学術講演梗概集, A-2 防火, pp.125-126, 2006.9

15)総務省消防庁:消防白書, 平成 20 年版

16)平松宏基, 橘高義典, 田村雅紀:各種建築外装仕上げパネルの耐火性能に関する研究, 日本建築学会大会学術講演梗概集, A-1 材料施工, pp.1013-1014, 2007.8

17) Kitsutaka, Y., Hiramatsu, H. and Tamura, M. : Influence of Autoclaved Aerated Concrete Panel, Proceedings of the International Conference on Concrete Construction’s Sustainable Option, Scotland, UK, Concrete for Fire Engineering, pp.283-289, 2008.7

18)Aroni S., et al. : RILEM Recommended Practice, Autoclaved Aerated Concrete (Properties, Testing and Design), RILEM Technical Committees 78-MCA and 51-ALC, E & FN Spon, pp.12-46, 1993

19)光田武、セラミックス、23、748-752、1988

20)軟岩の調査・試験の指針、土木学会岩盤力学委員会第 4 分科会、1980.1.17

(19)

第2章

ALC 母材の強度性状に及ぼす加熱の影響

(20)

第2章 ALC 母材の強度性状に及ぼす加熱の影響

第1節 概説

ALC 母材の製造には一般的に、珪石、石灰(主に生石灰)、セメント及び石膏のように不 燃性の材料を原料とし、又、オートクレーブ内で、180℃飽和水蒸気圧で 6 時間前後の高温 高圧蒸気養生(以後、オートクレーブ養生とする)することにより、主にトバモライト1) と呼ばれる結晶構造が形成され強度発現に至る。更に、その内部には多量の気泡を含み、

比重 0.5 前後と窯業系の建材としては軽量なものとなっている。図 2.1.1 に、一般的な ALC パネルの製造工程を示す。このような ALC 母材及び補強筋からなる ALC パネルは、建築物 の帳壁として建築基準法に基づく例示仕様に規定されるほどの耐火性能を有し、ALC 母材 自体は同法の規定における不燃材料となっている。しかしながら、高い防火・耐火性を持 つ ALC パネルとは言え、火災時の高温下においては強度的な劣化は避けられない。建築基 準法における防火・耐火性能と火・熱に耐える耐熱性能とはその意味合いが異なる。本章 では、建築基準法に規定される通常の火災を想定した、耐火性能試験における加熱曲線(以 後、ISO834 の標準加熱温度曲線とする)に従った加熱を ALC 母材に行い、ALC 母材の強度 性状の変化を把握する。尚、本章における加熱は、ALC の材質への熱影響を確認する材料 試験的なことを主とするため、一般的に耐火性能試験で行われるような、建物への適用寸 法及び仕様のものを試験対象とした大型の縦型耐火炉ではなく、材料試験に適する小型の 水平耐火炉を用いた加熱としている。第2節においては、加熱された ALC 母材の劣化状況 の外観観察を行い、第3節では、加熱された ALC 母材の X 線回折結果を、第4節では加熱 された ALC 母材の針貫入試験結果、第5節では加熱された ALC 母材の曲げ強度、第6節で は加熱された ALC 母材の圧縮強度、第7節では加熱された ALC 母材の接着強さについて検 討している。

参考文献

1)光田武:CaO-SiO2-H20 系の熱水反応と出発物質, 岩石鉱物鉱床学会誌 特別号, 3, p.317, 1982

(21)

図 2.1.1 ALC パネルの製造工程の概要

<ALC協会ホームページより引用>

(22)

第2節 加熱された ALC 母材の劣化状況の外観観察

2.1 概要

本節では、ISO834 の標準加熱温度曲線に従った加熱を ALC 母材に行い、その加熱面の劣 化状況の外観を確認する。尚、ALC 母材の含水率及び加熱時間を変えることによって、加 熱による劣化状況の違いを確認する。

2.2 ALC 母材

加熱用の ALC 母材は、図 2.2.1 に示すブロック状に加工したもの(以後、ALC ブロック とする)とし、表 2.2.1 にその原料の配合及び密度を示す。

2.3 ALC ブロックの含水率の調整

オートクレーブ養生後に質量比で 50%前後の ALC ブロックの含水率を、加熱前に 5%、

10%及び 40%に調整するため、ALC ブロックをボイラーによる温風循環型の乾燥炉内(乾 燥温度 40℃±5℃)で、表 2.2.2 に示す ALC ブロック重量となるまで乾燥した。乾燥後の ALC ブロック重量は、予め測定した ALC ブロックの絶乾状態のかさ密度(486kg/m3)から 算出した。

2.4 加熱方法

加熱方法は、図 2.2.2 及び写真 2.2.1 に示すように ALC ブロックを加熱用水平耐火炉に 取り付け、その周囲をセラミックファイバーブランケットで覆って熱の流出を防ぎ、ISO834 の標準加熱温度曲線に従って、10 分、30 分及び 60 分の加熱を行った。

表 2.2.3 に加熱水準として ALC ブロックの含水率、加熱時間、加熱最高温度を示す。又、

図 2.2.3 には、60 分加熱した場合の ISO834 の標準加熱温度曲線、加熱経過時間に伴う炉

100 600

600

ALCブロ ック

発 泡 方 向 製 造 時 の

含水率 (%/wt) 5 10 40

ブロック重量(kg) 18.37 21.00 24.49

ALC原料の配合比(%)

水セメント比 0.5~0.7

オートクレーブ養生後のALC母材のかさ密度(絶乾状態)

石英砂 40~75

セメント 10~30

生石灰 10~20

 石膏  2~10

アルミニウム粉末 0.1以下

486(kg/m3) 図 2.2.1 ALC ブロックの寸法及び形状

表 2.2.1 ALC 原料の配合比及びかさ密度(絶乾状態)

表 2.2.2 含水率別 ALC ブロック重量

(23)

内温度、ALC ブロック加熱面近傍の温度及び ALC ブロック裏面の温度を示す。尚、これら の温度測定は図 2.2.4 及び写真 2.2.2 に示すような、ALC ブロック加熱面に小さな貫通孔 を設けて熱電対を取り付けた、加熱温度測定用の ALC ブロックで予め測定したものである。

これ以降、各部の温度測定は各種試験に用いる ALC ブロックを傷めないよう図 2.2.5 に示 すように、加熱経過時間に伴う炉内温度及び ALC ブロック裏面の温度のみ測定した。各部 の温度の測定は 5 秒間隔でコンピューターに自動記録した。

以上のように加熱した ALC ブロックは、図 2.2.6 に示すように、乾式切断加工して本節 以降の各種試験に用いた。

600

600

水平耐火

φ5程度

K熱電対 600

100 200 200

100

100

水平断 面

200200

200 600

600

100100

100 200 100

K熱 電 対 8

9 6

7

パ ネ ル 裏 面 4

2 3 1

5 (非 加 熱 面 )

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 加熱時間(分)

温度(℃)

ALCブロック加熱面近傍温度 No.1~9及び炉内温度 ISO834 標準加熱温度曲線

室内温度 加熱No.

1 2 3 4 5 6

含水率

(%)

5 5 5 5 10 40

加熱時間 (分)

0 10 30 60 10 10

加熱最高温度 (℃)

- 678 842 945 678 678

図 2.2.2 加熱用水平耐火炉 写真 2.2.1 加熱用水平耐火炉の外観 表 2.2.3 加熱水準

図 2.2.3 ISO834 の標準加熱温度曲線及び炉内昇温状況 図 2.2.4 熱電対設置位置

炉内 部

60

292.5 510 292.5

(600角 ) ALCブ ロック

(24)

2.5 加熱時の各部温度測定及び加熱後の劣化状況

(1)加熱時間及び含水率の異なる ALC ブロック裏面の温度及び炉内温度

加熱時間及び含水率の異なる ALC ブロック裏面の温度及び炉内温度の測定結果を図 2.2.7 に示す。

加熱時間の増加に伴って、ALC ブロックの裏面温度は高くなる傾向にあり、室内温度を 除いた後の最高温度は含水率 5%で、加熱時間 10 分では 21℃、30 分では 48℃、60 分では

100

600 600

100

1 00

100 2 3 4 400

1

曲げ げ強

強度

圧縮

発 泡 方 向

写真 2.2.2 加熱温度測定用熱電対取り付け状況 加熱面

図 2.2.6 加熱後の試験体切り出し位置

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 加熱時間(分)

温度(℃)

ALCブロック裏面温度 室内温度

炉内温度 ISO834 標準加熱温度曲線

図 2.2.5 加熱時の炉内及び ALC ブロックの昇温測定

熱電対

(25)

59℃となる。含水率が 5%、10%及び 40%で、加熱時間 10 分では同様最高温度が 21℃と 等しく、加熱時間が 10 分では、本節の加熱の限りにおいて含水率の差による ALC ブロック 裏面温度に差は認められない。

(2)ALC ブロック加熱面の劣化状況

加熱時間別の ALC ブロック加熱面の劣化状況で、含水率 5%の場合を写真 2.2.2 に、加 熱時間 10 分で含水率 10%及び 40%の場合を写真 2.2.3 に示す。

加熱によって ALC ブロックの加熱面には亀甲状のひび割れが生じ、加熱時間の増加に伴 ってそのひび割れは大きくなる傾向にある。この亀甲状のひび割れは、加熱を受けた ALC 母材部分が収縮するためと考えられる。

ALC の主な結晶体であるトバモライト結晶1)の加熱変化では、100℃~300℃で大きく脱 水し、400℃までの脱水は層間水で、800℃までの脱水は構造水と考えられている 2)。加熱 時間が最小の 10 分であっても、炉内温度は上表 2.3 に示すように約 680℃まで上昇してい る。このことから、ALC ブロックの加熱面表層部から、トバモライトの構造水が脱水して いるものと考えられる。このようなトバモライト等の組成物の加熱による変化が、ALC ブ ロック加熱面の亀甲状のひび割れの原因の一つと推察される。

2.6 総括

本節における加熱された ALC ブロックの劣化状況の外観観察を総括すれば、次の通りで ある。

(1)加熱時間の増加に伴って、ALC ブロックの裏面温度は高くなる傾向にある。又、加 熱時間が 10 分と小さい場合には、含水率が 5%、10%及び 40%と異なっても、室内温 度を除いた ALC ブロック裏面の最高温度に差は認められない。

(2)加熱によって ALC ブロックの加熱面には亀甲状のひび割れが生じ、加熱時間の増加 に伴ってそのひび割れは大きくなる傾向にある。この亀甲状のひび割れは、加熱を受 けた ALC 母材部分が収縮するためと考えられる。

参考文献

1)光田武:CaO-SiO2-H20 系の熱水反応と出発物質, 岩石鉱物鉱床学会誌 特別号, 3, p.317, 1982

2) 浦部和順, 宇田川重和, 井川博之, 伊藤高明:トバモライトの熱収縮機構とその制御, セメント技術年報, vol.37, pp.33-37, 1983

(26)

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 加熱時間(分)

温度(℃)

ALCブロック裏面温度 室内温度

炉内温度

ISO834 標準加熱温度曲線

含水率5%

0 20 40 60 80 100 120

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 加熱時間(分)

温度(℃)

ALCブロック裏面温度 最高温度 42℃

室温との差 21℃

含水率5%

0 20 40 60 80 100 120

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 加熱時間(分)

温度(℃)

ALCブロック裏面温度 最高温度 67℃

室温との差 48℃

含水率5%

0 20 40 60 80 100 120

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 加熱時間(分)

温度(℃)

ALCブロック裏面温度 最高温度 79℃

室温との差 59℃

含水率5%

0 20 40 60 80 100 120

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 加熱時間(分)

温度(℃)

ALCブロック裏面温度 最高温度 36℃

室温との差 21℃

含水率10%

0 20 40 60 80 100 120

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 加熱時間(分)

温度(℃)

ALCブロック裏面温度 最高温度 36℃

室温との差 21℃

含水率40%

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 加熱時間(分)

温度(℃)

ALCブロック裏面温度

室内温度 炉内温度

ISO834 標準加熱温度曲線

含水率5%

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 加熱時間(分)

温度(℃)

ALCブロック裏面温度 室内温度

炉内温度 ISO834 標準加熱温度曲線

含水率5%

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 加熱時間(分)

温度(℃)

ALCブロック裏面温度 室内温度

炉内温度

ISO834 標準加熱温度曲線

含水率10%

ISO834標準加熱温度曲線及び炉内温度等 ALCブロック裏面温度

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 加熱時間(分)

温度(℃)

ALCブロック裏面温度 室内温度

炉内温度

ISO834 標準加熱温度曲線 含水率40%

含水率 5 % 含 水 率 10% 含 水 率 40%

図 2.2.7 加熱時間及び含水率の異なる ALC ブロック裏面の温度及び炉内温度

(27)

ALC ブロック加熱面外観 ALC ブロック加熱面のひび割れ状況 含 水 率

(5%)

未加熱

含 水 率

(5%)

10 分加熱

含 水 率

(5%)

30 分加熱

含 水 率

(5%)

60 分加熱

写真 2.2.2 加熱経過時間別の ALC ブロック加熱面の劣化状況(含水率 5%)

(28)

ALC ブロック加熱面外観 ALC ブロック加熱面詳細 含 水 率

(10%)

10 分加熱

含 水 率

(40%)

10 分加熱

写真 2.2.3 含水率別 10%及び 40%の ALC ブロック加熱面の劣化状況(加熱時間 10 分)

(29)

第3節 加熱された ALC 母材の X 線回折結果

3.1 概説

本節では、加熱時間毎に、ALC 母材の主な結晶体であるトバモライトの加熱による変化 を、粉末 X 線回折装置を用いて測定する。加熱面から ALC ブロックの厚さ方向(加熱裏面 側)に測定することによって、加熱による熱影響の深さを確認する。

3.2 X 線回折によるトバモライト結晶の加熱変化深さの測定

表 2.3.1 に ALC ブロックの加熱水準を示す。加熱時間毎に、ALC 母材の主な結晶体であ るトバモライトの加熱変化を、粉末 X 線回折装置を用いて、回折角(2θ)が 5°~35°の 範囲で測定した。X 線は CuΚα線とした。測定用の試料は図 2.3.1 に示すように、本章の 第2節に示すように ALC ブロックを加熱した後、切削加工した分析用のコアを絶乾状態に したものから、厚さ方向へ 5mm 単位で採取してメノウ乳鉢で粉砕して調整した。

3.3 X 線回折の測定結果及び考察

加熱による ALC 母材の劣化状態を明らかにするために、ALC を構成するケイ酸カルシウ ム水和物の中で、主な結晶体であるトバモライトの変化を、X 線回折を行って確認する。

図 2.3.2 に非加熱 ALC の X 線回折結果を示す。図中には主な回折ピークの同定結果も示す。

一般に、図中の回折角度 7.82°及び 28.99°のトバモライトのピークは、石英等他のピ ークとほぼ重ならないため、これらの回折角に着目してトバモライトの加熱変化を確認す る。

100

100 100

削る 分析

加熱面 5mm単位で

図 2.3.1 粉末 X 線回折用試料の採取方法

図 2.3.2 非加熱 ALC 母材の X 線回折結果

加熱No.

1 2 3 4 5 6

含水率

(%)

5 5 5 5 10 40

加熱時間 (分)

0 10 30 60 10 10

加熱最高温度 (℃)

- 678 842 945 678 678

表 2.3.1 ALC ブロックの加熱水準

(30)

図 2.3.3 に、含水率 5%の ALC 母材への加熱時間が 10 分、30 分及び 60 分での X 線回折 結果を、図 2.3.4 に含水率 10%及び 40%で加熱時間 10 分における X 線回折結果を示す。

それぞれ ALC の加熱面から厚さ方向へ 5mm 単位で採取した試料の分析結果を示す。

図 2.3.3 加熱後の X 線回折結果(10 分、30 分及び 60 分加熱-含水率 5%)

図 2.3.4 加熱後の X 線回折結果(10 分加熱-含水率 10%及び 40%)

(31)

図に示す通り、いずれの加熱時間においても、ALC 表面付近では回折角度 7.82°及び 28.99°のトバモライトのピークが消失している。これはトバモライトが加熱変化したこと を示している。加熱によって消失した回折角度 7.82°及び 28.99°のトバモライトのピー クが次に現われ、非加熱のものとほぼ等しくなるところをそれぞれの図中に示す。

図 2.3.5 には、加熱によって消失したトバモライトのピークが非加熱のものとほぼ等し くなる加熱表面からの深さを、トバモライトの加熱変化深さとして加熱時間との関係を示 す。この図から加熱時間の増加に伴ってトバモライトの加熱変化深さは大きくなる傾向に あることが分かる。又、ALC 母材の含水率を 40%とし、10 分間加熱した場合の加熱変化深 さは 5mm となり、含水率 5%で 10 分間加熱した場合の 10mm と比較して 1/2 となっている ことから、含水率が多いことによりトバモライトへの加熱の影響が緩和されたものと推察 する。含水率 10%では同 5%の場合と差は認められなかった。トバモライトの加熱変化深 さと加熱時間との関係を式 2.3.1 に示す。

k=0.8947t + 1.8421 (R2=0.9974) (2.3.1)

ここに、k:トバモライトの加熱変化深さ(mm) t:加熱時間(分)

ALC はその材質として、700℃以上で非加熱の場合と比較して圧縮強度が低下すると報告 されている1)。ISO834 の標準加熱温度曲線に準じた加熱では、加熱時間 10 分で約 700℃に 達し、又、ALC パネルに同上の加熱方法で 10 分及び 20 分加熱すると、パネルの曲げ剛性 が低下することが報告されている2)。加熱による ALC 母材及びパネルの加熱による強度性 状への影響を、ALC の側から、その主要な結晶構造であるトバモライトの加熱変化から推 定できるか等、次節以降の各種強度性状の確認の際に検討することとする。

0 10 20 30 40 50 60 70

0 10 20 30 40 50 60 70

加熱時間(分)

トバモライトの加熱変化深さ(mm)

k = 0.8947t + 1.8421 R2 = 0.9974

100

100 100

分析

加熱面

5mm単

図 2.3.5 加熱時間毎のトバモライトの加熱変化深さ(mm)

(32)

3.3 総括

本節における X 線回折の結果を総括すれば、次の通りである。

(1)ALC 母材の主な結晶体であるトバモライトは、ISO834 の標準加熱温度曲線に準じた 加熱により加熱変化し、加熱時間の増加に伴って大きくなる傾向にある。本章の実験 におけるトバモライトの加熱変化深さと加熱時間との関係は、トバモライトの加熱変 化深さ(mm)をk、加熱時間(分)をtとして下式により表すことが出来る。

k=0.8947t + 1.8421 (R2=0.9974)

(2)加熱時の ALC 母材の含水率を高くすることにより、加熱によるトバモライトの加熱 変化深さは小さくなり、含水率を 5%から 40%とすることにより、加熱変化深さは 1/2 となる。

参考文献

1)Aroni S., et al. : RILEM Recommended Practice, Autoclaved Aerated Concrete (Properties, Testing and Design), RILEM Technical Committees 78-MCA and 51-ALC, E & FN Spon, pp.12-46, 1993

2)Kitsutaka, Y., Hiramatsu, H. and Tamura, M. : Influence of Autoclaved Aerated Concrete Panel, Proceedings of the International Conference on Concrete Construction’s Sustainable Option, Scotland, UK, Concrete for Fire Engineering, pp.283-289, 2008.7

(33)

第4節 加熱された ALC 母材の針貫入試験結果

4.1 概要

本節では、ALC 母材の加熱による影響の程度を、物理的に測定する方法として、針貫入 試験器を適用することを試みる。試験器は土木学会「軟岩の調査・試験の指針」1)に定め られた針貫入試験法に準拠したもので、軟岩、安定処理した固結土等の一軸圧縮強度を、

資料のサンプリング無しに判定できる、携帯タイプの測定器である。但し、本節において この試験機を用いる目的は、ALC 母材の加熱による影響の程度を測定すること及びその方 法の確認にあり、ALC ブロック加熱後に ALC 母材の一軸圧縮強度を求めるものではない。

これは、加熱によって受ける ALC 母材への影響は、加熱面から材の厚さ方向に向けて徐々 に小さく傾斜しているものと考えられるため、針貫入試験が測定対象とする材質として均 一な軟岩等ではないためである。

4.2 針貫入試験器及び測定方法

(1)針貫入試験器

土木学会「軟岩の調査・試験の指針」に定められた 針貫入試験法に準拠した計測器。

商品名:軟岩ペネトロ計(株式会社 丸東製作所製)

試験器を写真 2.4.1 に示す。

(2)測定方法

試験器の先端に装着した細針を ALC ブロックの測定 部に 10mm 垂直に貫入させ、その際の貫入力(N)を 読み取る。貫入力の読み取りは試験器の目盛りから 5N 単位で読み取った。写真 2.4.2 に測定状況を示す。

表 2.4.1 に ALC ブロックの加熱水準を示す。加熱後の ALC ブロックの貫入力測定位置を図 2.4.1 に示す。加熱 時間毎に ALC ブロックの加熱面及び裏面別にそれぞれ 25 箇所測定し、その測定値の平均値を貫入力とした。

写真 2.4.1 軟岩ペネトロ計

写真 2.4.2 貫入力測定状況

加熱No.

1 2 3 4 5 6

含水率

(%)

5 5 5 5 10 40

加熱時間 (分)

0 10 30 60 10 10

加熱最高温度 (℃)

- 678 842 945 678 678

表 2.4.1 ALC ブロックの加熱水準

図 2.1.1  ALC パネルの製造工程の概要
図 2.3.3  加熱後の X 線回折結果(10 分、30 分及び 60 分加熱-含水率 5%)
図 3.2.7  60 分加熱時のパネルのたわみ(パネル厚 80mm、100mm 及び 150mm) 05101520250102030405060708090100加熱時間(分)たわみ(mm)パネルNo.1パネルNo.2パネルNo.3加熱時間:60分パネル厚:150mmALCパ ネル熱 電対 3熱電 対2熱電 対 1裏 面ALCパネ ルALCパネ ルNo.3No.2No.1
表 3.2.6 に、加熱後の ALC パネルの重量を厚さ毎に示す。加熱時間の増加に伴って ALC パネル重量は減少する傾向にあり、加熱時間 60 分以上でのパネル重量の減少は、加熱前に 5%に調整した ALC パネルの含水率の水分量(例えば厚さ 100mm の含水量で約 4kg)を超え ている。ALC パネルの主な結晶体であるトバモライトの加熱変化では、100℃~300℃で大 きく脱水し、400℃までの脱水は層間水で、800℃までの脱水は構造水と考えられている 1) 。 このことから、加熱時間 60 分以上
+6

参照

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