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密教文化 Vol. 1991 No. 177 004岡崎 祐司「社会福祉8法改正と在宅福祉における福祉行政の課題 PL77-L57」

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社 会 福祉8法 改 正 と

在 宅福 祉 にお け る福 祉 行 政 の課 題

岡 崎 祐

1. 社 会 福 祉8法 改 正 の 概 要 1991年6月29日 に 公 布 され た 「老 人 福 祉 法 等 の一 部 を改 正 す る法 律 」(法 律 第58号)は、1980年 代 に か ま び す し く議 論 され て きた い わ ゆ る 「社 会 福 祉 改 革 」 論 の1990年 代 にお け る具体 的 展 開 と して の側 面 を もって い る とい え る だ ろ う。 しか し、同 時 に現 代 の地 域 社 会 の変 化 と生 活 問題 の深 刻 化 に み られ る国 民 生 活 にお け る諸 矛 盾 の 顕 在 化 と、 そ れ らに主 体 的 ・自主 的 に 取 り組 む地 域住 民 の活 動 ・事 業 ・運 動 の 蓄 積 と拡 大 へ の一 定 の対 応 とい う 側 面 を もっ て い る と もい え る。 (1) 「老 人 福 祉 法 等 の一 部 を改 正 す る法 律 」 とは、 老 人 福 祉 法、 身体 障 害 者 福 祉 法、 精 神 薄 弱 者 福 祉 法、 児 童 福 祉 法、 母 子 及 び寡 婦 福 祉 法、 社 会 福 祉 事 業 法、 老 人 保 健 法、 社 会 福 祉 ・医療 事 業 団法 の 一 部 改 正 と附 則 か らな る 一 括 法 で あ り、国 会 上 程 以 後 一 般 的 に は 「社 会 福 祉8法 改 正」 とい わ れ て きた の は周 知 の とお りで あ る。 「法 律 案 提 案 理 由説 明」に よれ ば、「高 齢 者、 身体 障 害 者 等 の福 祉 の一 層 の増 進 を図 る た め、 これ らの 者 の 居 宅 に お け る 生 活 を支 援 す る福 祉 施 策 と施 設 に お け る福 祉 施 策 と を地 域 の実 情 に 応 じて 一 元 的 かつ 計 画 的 に実 施 す る も の と し、 こ の た め、 地 方 公 共 団 体 の 福 祉 の 事 務 の 再 編、 居 宅 生 活 支 援事 業 の社 会 福 祉 事 業 と して の 位 置 付 け、 老 人 保 健 福 祉 計 画 の作 成、 社 会 福 祉 ・医 療 事 業 団 に よ る社 会 福 祉 事 業 助成 の 強 化 共 同 募 金 の 配 分 規 制 の緩 和 等 の措 置 を講 ず る必 要 が あ る。」 と して い る。 社 会 福 祉 八 法 改 正 と 在 宅 福 祉 に お け る 福 祉 行 政 の 課 題

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密 教 文 化 (2) 今 回 の大 な法 改 正 の要 点 を ま とめ る と次 の よ うに な る。 第 一 は、 施 設 福 祉 と在 宅 福 祉 を市 町 村 に お い て一 元 的 に運 営 実 施 す る体 制 の 整 備 で あ る。 そ の 内容 は、(1)老人 福 祉 施 設 へ の入 所 決 定 の事 務 等 を都 道 府 県 か ら市 町 村 に移 譲 す る こ とお よ び、 身 体 障 害 者 施設 へ の 入所 決 定 や 相 談、 更 正訓 練 費 や 更 正 医 療 費、 補 装 具 な どの 支給 の事 務 を都 道 府 県 か ら市 町村 に移 譲 す る こ と、(2)これ らの 変更 に と もな い、 これ ま で数 町 村 に わ た って福 祉 の 相談 ・措 置 を行 って きた都 道 府 県 福 祉 事 務 所 に広 域 の連 絡 調 整 機 能 を もた せ る こ と、(3)町村 は社 会 福 祉 主 事 を設 置(任 意)す る こ と、(4)身体 障 害 者 更 正 相 談 所 に身 体 障 害 者 福 祉 司 を必 ず 置 き、 市 町 村 の 施設 へ の入 所 措 置 調 整 の機 能 を もたせ る こ とで あ る。 第2に 在 宅 福 祉 サー ビス(居 宅 生 活 支 援事 業)の 位 置 付 けで あ る。 ま ず (1)社会 福 祉 各 法 にお け る位 置 付 け と して、 い わ ゆ る在 宅 福 祉 三 本柱 とい わ れ て い るホ ー ムヘ ル プサ ー ビ ス=居 宅 介護 事 業、 シ ョー トス テ イ=短 期 入 所事 業、 デ イ サ ー ビ ス を法 定 化 し、定義、 構 成、 補 助 金 等 の規 定 を お いて い る。 ま た、 日常生 活 用 具 の給 付 ・貸 与、 介 護 支 援 セ ン タ ー運 営 事 業 を法 定 化 して い る。(2)社会 福 祉 事 業 法 に新 た に在 宅 福 祉 サ ー ビ ス を第2種 社 会 福 祉 事 業 と して定 め、 児 童 福 祉、 母 子 及 び寡 婦福 祉、 父 子 福 祉、 老 人 福 祉、 身体 障 害 者 福 祉、 精 神薄 弱 者福 祉 の各 分 野 に わた り17の 事 業 を法 定 化 して い る。(3)在宅 福 祉 サ ー ビス の実 施 の支 援 策 と して 社会 福 祉 ・医 療 事 業 団 に よる長 寿 社 会 福 祉 基 金 を設 置 す る こ と、市 町 村 の 社会 福 祉 協 議 会 と政 令 指 定 都 市 の区 社 会 福 祉 協 議 会 を在 宅 福 祉 サ ー ビス の企 画、 実 施 団体 と し て新 た に位 置 付 け る こ とで あ る。 第 三 に老 人 保 健 福 祉 計 画 の策 定 で あ る。 これ は、 老 人 へ の 保 健 と福 祉 を ー 体 的 ・計 画 的 に提 供 す る とい うと こ ろか ら、都 道 府 県 な らび に市 町 村 が 策 定 す る もの と され て い る。 都 道 府 県 は サ ー ビス供 給 体 制 の整 備等 に関 す る計 画 を策 定 し、 市 町 村 で は、 地 域 の 高 齢者 の現 状、 保 健 ・福 祉 サ ー ビス の 実 施 状 況、 保 健 ・福 祉 サ ー ビス の 実施 目標、 そ の提 供体 制 の確 保 な どの 項 目 を盛 り込 ん だ 計 画 を策 定 す る こ とに な っ て い る。 国 は 計 画 策 定 に関 す

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る技 術 的 な助 言 指 導 と計 画達 成 に必 要 な援 助 を行 う とされ て い る。 第四 に障 害 者 福 祉 の追 加 項 目で あ る。 障 害 者 福 祉 施 設 と して 視 覚障 害 者 の た め の情 報 提 供 施 設 を身 体 障 害 者 更 正 援護 施 設 に加 え る、 精 神 薄 弱 者 通 勤 寮、 精 神 薄 弱 者 福 祉 ホ ー ム を精 神 薄 弱 者 援 護 施 設 に加 え る、 精 神 薄 弱 者 グ ル ー プ ホ ー ム と精 神 薄 弱 者 相 談 員 の法 定 化 が そ の内 容 で あ る。 第 五 に有 料 老 人 ホ ー ム につ い て、 そ の設 置 の 事 前 届 け出 と民 法 法 人 と し て 有 料 老 人 ホ ー ム 協会 の設 立 で あ る。 改 正 法 の施 行 期 日は1991年1月1日 で あ った が、 市 町 村 へ の福 祉 施 設 入 所 措置 等 の 事 務 の移 譲、 福祉 事 務 所 事 務 の再 編、 老 人 保 健 福 祉 計 画 の 策 定 に つ い て は、1993年4月1日 施 行 とな っ て い る。 2. 社 会 福 祉8法 改 正 の 問 題 点 この よ うに市 町 村 の努 力義 務 的 規 定 に と どま って は い る が、 在 宅 福 祉 サ ー ビス が 第2種 社 会 福 祉 事 業 と して 法 に明 確 化 され た こ とや 国 ・自治 体 の 費 用 負 担 を(「 補 助 で き る」で はあ って も)規 定 した こ とは、 今 後 の社 会 福 祉 事 業 の公 的 責 任 を よ り明確 化 して い くこ とに、 一 定 の前 進 を もた ら した も の とい え る。 (3) しか し、 今 回 の 法 改 正 につ い て は、 多 くの 問 題 点 も指 摘 され て い る。 ひ とつ は、 市 町 村 の 財 政 負担 とそ の財 政 力 の 差 か ら社会 福 祉 水 準 の不 均 等 化 が もた ら され る恐 れ が あ る とい う問題 点 で あ る。 市 町 村 が在 宅 福 祉 サ ー ビ ス を実 施 す る に つ い て は、 国 はそ れ に要 す る費 用 の2分 の1以 内、 都 道 府 県 は4分 の1以 内 を 「補 助 す る こ とが で き る」(老 人 福 祉 法 第24条 の2、 第 26条 の2)と され て い る が、 これ は不 確 定 任 意 補 助 と して の 規 定 で あ り、 どれ だ けの 補 助 が な され る か国 の裁 量 に よ る とこ ろ が大 き く、 実 質 的 に 単 独 事 業 と して 在 宅 福 祉 サ ー ビ ス に取 り組 め ない 場 合 に市 町 村 の財 政 的 不 安 は 大 きい。 ま た、 老 人 福 祉 施 設 と身体 障害 者 福 祉 施 設 へ の 入所 措 置 事 務 の移 穣 に よ る影 響 で あ る。 福 祉 事 務 所 未 設 置 の町 村 で も福 祉 施 設 へ の措 置 を とっ た場 社 会 福 祉 八 法 改 正 と 在 宅 福 祉 に お け る 福 祉 行 政 の 課 題

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密 教 文 化 市 町 村 老 人保 健 福 祉 計 画 の ス ケ ル トン(案) (出所)村 川浩 一 「老人福祉 法改正 と老人保健 福祉計 画」(「 厚生」1991年10月号)

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合、 費 用 の支 弁 は原 則 と して 国 は2分 の1、 都 道 府 県 は4分 の1、 町 村 は 4分 の1の 負担 とな る。 も し福 祉 事 務 所 を設 置 した場 合 に は、 国 は2分 の 1、 町 村 は2分 の1と な る。 した が って財 政 力 の小 さな市 町 村 や 十 分 に福 祉 行 政 へ の合 意 が な い市 町 村 で は、 在 宅 福 祉 サ ー ビス の未 整 備 や福 祉 施 設 へ の入 所 措 置 の抑 制 とい う問題 が生 じて くる恐 れ が あ る。 ま た、 例 えば 高 齢 者 が老 人 福 祉 施 設 へ 入 所 す る際 に住 民 票 を施 設 へ 移 す 場 合 が あ る が、 そ の市 町 村 内 に福 祉 施 設 が な く他 の市 町 村 の施 設 へ 入所 す る とい うケ ー ス で は、 国 民 健 康 保 険 の財 政 負 担 がそ の市 町 村 に かか って くるた め、 広 域 的 な 調 整 も け っ して ス ムー ズ に行 われ る とは 限 らな い の で あ る 市 町 村 の 財 政 負担 問 題 と地 域 に よ る社 会 福 祉 水 準 の不 均 衡 問 題 につ い て は、 衆 議 院社 会 労働 委 員会 の 「老 人 福 祉 法 等 の一 部 を改 正 す る法 律 案 に対 す る附 帯 決議 」(1990年6月15日)に お い て に、 ー市 町 村 に お け る 実施 体 制 を確 保 す る た め に、 地 方 交 付 税 等 に よる十 分 な措 置 を講 ず る こ と。」とされ て お り、参 議 院 の 附 帯 決議(1990年6月22日)に お い て も同 じ文 に 続 い て 「ま た、 在 宅 福 祉 サ ー ビス の都 道 府 県 ・市 町 村 問 の格 差 の是 正 に 努 め る こ と。」 と され て い る。地 方 交 付 税 は地 域 経 済 の不 均 衡 発 展 に よ る地 方 自治 体 の財 源 の不 均 衡 是 正 と必 要 財 源 の確 保 をね らい と して い る は ず だ が、 しか し 「交 付 総 額 が国 税 の一 定 割 合 と リン ク して い るた め に、 地 方 自治体 に財 (4) 源 を保 障 す る機 能 が十 分 に果 たせ ない 」 とい う限 界 を も っ て い る ま た「地 方 交 付税 を ど う使 うか は地 方 自治 体 の 自 山 に まか され て い る もの で、 地 方 自治尊 重 とい う良 さが あ る とは言 え、 そ れ を本 当 に要 保 障 住 民 の た め に使 わ せ る に は、 そ れ だ け、 そ れ ぞ れ の地 方 自治 体 の な か で の民 主 勢 力 の 力 量 (5) が 問 わ れ る」 こ と にな り、今 後 の社 会 福 祉 の 在 り方 が 地 方 自治 の 中 心 的課 題 の一 つ と して よ り重 要 性 を ます こ とに な って くる。 さ らに マ ンパ ワー、 福 祉 専 門 職 員 の 確 保 と財 源 保 障 の 問 題 で あ る。 例 え ば、 在 宅 福 祉 の 要 とい わ れ るホ ー ムヘ ル パ ー で は、 常 勤 の手 当 は介 護 中心 型 で年 額2525344円、 家 事 中 心 型 で1683562万 円(い ず れ も1991年 度)と い う の が国 の基 準 額 で あ る。 しか し、 ボ ー ナ ス分 を計 算 に 含 め れ ば月10万 円-社 会 福 祉 八 法 改 正 と 在 宅 福 祉 に お け る 福 祉 行 政 の 課 題

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密 教 文 化 18万 円 ぐ らい とな り、社 会 保 険 料、 退 職 手 当 積 み 立 て 金、 税 金 を引 け ば 手 取 りが10万 円 をき る場 合 もで て くる額 で あ る。 しか も、 経 験 者 も未 経 験 者 も同額 で あ り専 門性 へ の 配慮 が欠 け て い る。 した が って 多 くの市 町 村 で は こ の基 準 に大 幅 に上 乗 せ し、ヘ ルパ ー を確 保 しな けれ ば な ら ない。 国、 都 道 府 県、 市 町 村 の 負担 割 合 は2分 の1、4分 の1、4分 の1と な っ て い る が、 実際 に は市 町 村 が60%、80%の 負担 と な るの が 少 な くな い の で あ る。 ま た、 入所 決定 の事 務 の移 譲 に よ る福 祉 専 門 職 員 の 大 幅 な 配 置 も市 町 村 に 必 要 に な っ て き て い る。 こ の よ うに今 回 の 法 改 正 に と もな う社 会 福 祉 行 政 の大 き な変 化 は、 市 町 村 へ の超 過 負 担 の強 制、 財 政 的 力量 に よ る社 会 福 祉 水 準 の 格 差 を生 み 出 す とい う問題 点 をは らん で い る。 ま た社 会 福 祉 行 政 に お い て計 画 とい う手 法 が導 入 され て い る こ と も注 目. され る。 そ の 内容 につ い て は、 厚 生 省 と長 寿 社会 開 発 セ ンタ ー の 協 力 で 「地 方 老 人 福 祉 計画 研 究 班 」 を設 け、 す で にそ の スケ ル トンが 報 告 され て (6) い る(表1)。 こ れ は今 後 の社 会 福 祉 水 準 を住 民 に示 す もの と され て い る が と くに 問題 とな って くる の は 「3.サー ビス の 実施 の 目標 」 で あ ろ う。 こ こ で は在 宅 福 祉 サ ー ビス、 施 設 福 祉 サ ー ビ ス、老 人 保 健 サ ー ビス に か かわ る 実施 目標 を現 況 を ふ ま え て策 定 す る こ とに な る。 そ れ に は、 厚 生 省 が定 め る 「参酌 す べ き標 準」 を ふ ま え る こ とが前 提 と され て お り、 こ の 目標 が社 会 福 祉 へ の 公 的 責任 を具 体 的 に示 した もの で あ る と され る可 能 性 もあ る。 しか も 「4.サー ビス の提 供 体 制 の 確 保」 で は シ ルバ ー サ ー ビ ス な どの民 間 企 業 の サ ー ビ ス供給 を活用 す る 手法 も含 まれ て い る ので あ る。 結 局、 現 状 で は ニ ー ズ は 拡 大 す る→ 現 況 か らみ る と対 応 に は限 界 が あ る→ 目標 達 成 の た め に は 「民 間 活 力 」 を導 入 す る とい う図式 に な る可 能 性 も高 い とい わ ざ る を得 ない。 また、 ど うい う基 本 的 観 点 で 目標 を定 め る の か に よ り、そ の 水 準 が低 く設 定 され る とい う問 題 も起 こ って くる だ ろ う。 しか し、先 程 か ら述 べ て い る社 会 福 祉 水 準 の不 均 衡 を是 正 し、 高 齢 者 や 障 害 者 の要 求 に応 え る た め に は、 生 存 権 保 障 と して の在 宅 福 祉 の 基 本 的理 念 や 社 会 福 祉 に お け る国 民 的 最 低 限 の 保 障 とい う観 点 を 明確 に し、 どの 自

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治体 で も必 要 な社 会 福 祉 水 準 が 住 民 に提 供 され る よ うで な けれ ば、 公 的 責 任 を担 保 した もの とは い えな い だ ろ う。 3. 在 宅 福 祉 へ の 要 求 の 社 会 的 背 景 この よ うに今 回 の法 改 正 の焦 点 のひ とつ に 楚、 今 後 の在 宅 福 祉 の在 り方 が す え られ て い る。 そ れ は、 国 民 生 活 の 変 化 に と もな い、 施 設 福 祉 だ けで は な く在 宅 福 祉 が社 会 福 祉 の 主要 な柱 と して 社会 的 に要 請 され て きて い る とい う状 況 を反 映 した もの とい え る。 しか し在 宅 福 祉 とは な に か、 今 目そ の基 本 理 念 が十 分 に 明確 化 され て い る とは い え な い の も事 実 で あ る。 そ こ で 在 宅 福 祉 の必 要 性 の背 景 につ い て考 え てみ た い。 在 宅 福 祉 の必 要 性 につ い て は、 国 民 の福 祉 に関 す る ニー ズの 変 化 に着 目 し、「貨 幣 的 ニ ー ズ」 か ら 「非 貨 幣 的 ニ ー ズ 」 へ の ニ ー ズ の変 化 とい う 視 (7) 点 か ら と らえ る 見 方 が 強 調 され て きた。 この 議 論 は、 今 日で は 貧 困 や 生 活 困 難 は社 会 的 に主 要 な 問題 で は な く、社 会 福 祉 以 外 の対 策 とな って い る と い う認 識 を前 提 に して、 貧 困や 生 活 困難 の ニ ー ズ とは別 に多 様 な 「非貨 幣 的 ニー ズ」 が家 族、 個 人 に発 生 して お り、経 済 的給 付 とは別 に 「対 人 サ ー ビス 」 の必 要 性 が生 じて い る とい う内容 に な っ て い る。 そ して ニ ー ズ の 発 生 とそ れ へ のサ ー ビ ス供 給 に よ る充 足 とい う局 面 のみ が、 社 会 福 祉 の在 り 方 と して取 り上 げ られ て い る と こ ろ に特 徴 が 見 い だ され る。 こ う した議 論 は法 改 正 と くに老 人 保 健 福 祉 計 画 に も っ と も特 徴 的 に あ らわ れ て い る。 しか し、 む しろ ここ で は ニ ー ズ の変 化 ・多 様 化、 ニ ー ズ とサ ー ビ ス供 給 とい う限 定 され た視 点 か らの在 宅 福 祉 論 で は な く、生 活、 地 域、 家 族 の変 化 を社 会 的 ・歴 史 的 に把 握 し、今 日の生 活 問題 を と らえ た上 で在 宅 福 祉 論 を検 討 して み た い。 まず、 現 代 の生 活 の変 化 につ い て、 「生 活 の社 会 化」とい う基 本 的 視 点 か ら と らえ て み た い。 生 活 の社 会 化 を一 応 定 義 的 に説 明 す る な らば、 次 の よ うにい え よ う。す な わ ち、 生 活 が大 家 族 と特 定 範 囲 の 地 域 的共 同 体 の な か で 自給 自足 で営 まれ、 閉 鎖 的 で あ っ た状 態 か ら、社 会 発展 に と もな い 家 族 社 会 福 祉 八 法 改 正 と 在 宅 福 祉 に お け る 福 祉 行 政 の 課 題

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密 教 文 化 規模 が縮 小 し、地 域 的共 同体 も解体 し、生 活 が社 会 的 交 流、 社 会 経 済 現 象 との 依 存、 社 会 関 係 を深 め、 家庭 の外 部 で の生 活 手 段 供 給 に た よる程 度 を (8) 高 めて い くこ とで あ る。 生 活 の社 会 化 の 背 景 に は、 資 本主 義 的 生 産 様 式 の も とで 生 産 力 の 発 展 に と も な って 社 会 的 分 業 が ひ ろが り、市 場 が全 国 的(世 界 的)に 結 合 した 資 本 蓄 積 と と もに 生産 の社 会 化==労 働 の社 会 化 が す す ん だ こ とが あ る。 そ の た め に家 族 の 解体 と地 域 的共 同体 の解 体 が促 進 され 生 活 過 程 が強 力 に貨 幣 =商 品 関 係 に の み こ まれ て い った。 生 活 の社 会 化 の 背 景 を も う少 し具 体 的 に さ ぐれ ば、 歴 史 的 に は高 度 経済 成 長 期 に さか の ぼ る こ とが で きる。 戦 後 日本 に お い て 高 度 成 長 を可 能 に し た 条 件 に は、 技 術 革 新 と設 備投 資 や 間 接 金 融 方 式 に よ る大 企 業 へ の資 金調 達 の ほか に、 地 域 間 の ス ク ラ ップ ア ン ドビル ドに よる大 量 の雇 用 労 働 力 流 動 化政 策 が あ る。 こ う した社 会 的状 況 の な かで 生活 の社 会 化 は よ り推 進 さ れ た の で あ り、(1)雇用 労働 者 化 の進 展 と地 域 的共 同体 と家 族 の解 体、(2)生 活 諸 手段 の独 占企 業 に よ る大 量 供 給 つ ま り商 品化 の進 展、(3)労働 者 の都 市 へ の過 密 な集 住 に よ る新 しい都 市 的 生 活 様 式 の強 制 とそ の全 国 的 拡 大 が 背 (9) 景 と して あ げ られ る。 生 活 の社 会 化 は、(1)商品化 に よ る社 会 化、(2)公共 化 に よ る社会 化、(3)協 同 化 に よる社 会 化 の三 つ の側 面 か ら構 成 され て い る。 資 本 主 義 社 会 で あ る 以 上現 代 の消 費 生 活 は商 品 と して の生 活 手 段 の購 入 ・消費 を 中心 と して い る の で、 商 品化 と して の社 会 化 が進 展 す る。 しか し わ れ わ れ の生 活 は 商 品 だ けで 成 立 す る性 格 の もの で は な い。 い わ ゆ る 公 共 サ ー ビス を利 用(消 費)し な けれ ば、 生 活 は成 立 しな い。 た と え ば公 共 交 通 ・通 信 手段、 上 下 水 道、 電 気 ・ガ ス な ど生 活 手段 と して 毎 日利 用 し、 最 終 的 に は個 別 に 消費 す る もの や、 教 育 ・保 健 ・医 療 ・社 会 福 祉 とい った 個 別 の 要 求 に対 応 す る よ うに現 象 して い る が、 社会 的要 求 へ の社 会 的 対 応 と して 共 同 利 用 され る も ので あ る。 これ らは社 会 的 共 同 消 費 手 段、 あ るい は 「共 同 消 費 」 つ ま り 「住 民 の狭 義 の生 活 過 程 一 労 働 力 再 生 産 過 程 に お い

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て、 不 特 定 多 数 の人 び とに よ って 共 同 的 ・同時 的 に消 費 され る生 活 条 件 の こ と(10J)とされ て い る。 生 活 が 「共 同 消 費 」 に支 え られ て い る側 面 を 「公 共 化 に よ る社 会 化 」 とい う。 協 同 化 に よ る社 会 化 は生 活協 同 組 合、 共 同 作 業 所、 学 童 保 育 な ど をあ げ る こ とが で き る が、 そ の展 開 は前 二 者 に比 べ て 十 分 とはい え ない。 ま た 前 二 者 に お い て も生 活 の 社 会 化 は個 人 的 消 費 を中 心 に推 し進 め られ て お り・ 公 共 サ ー ビ ス の水 準 はか な り不 十分 な の が 現 状 で あ る。 と こ ろで、 生 活 の社 会 化 は単 な る外 部 化 で は ない。 い わ ゆ る都 市 的 生 活 様 式 の も とで は家 族 の機 能 の うち消 費 以 外 の機 能(生 産 や 生 殖、 家 事、 育 児 な ど)が 弱 ま って い るの は事 実 だ が、 今 日 「公 共 化 に よ る社 会 化 」 が 不 可 欠 な の は、 人 間 と して の 自立 と 自己 実 現 の 要 求、 権 利 保 障 要 求 や 発 達 保 障要 求 の 水 準 が 社 会 的 に高 ま って お り、主 権 者 と して 生 活 して い く うえで 「公 共 化 に よ る社会 化 」 が 不可 欠 の 基盤 とな って い る か らで あ る・ この よ うな生 活 して い る人 間 主 体 の 発 達 の 側 面 を見 落 と して は な らない。 も ち ろ ん現 状 の 「公 共 化 」 が そ れ に対 応 して い る と はい い 難 い が、 社 会 的 共 同 消 費 の充 実 は そ う した 主体 に よる運 動 に よ らな けれ ば可 能 で は ない し・ 事 実 在 宅 福 祉 や 老 人 ホ ー ム な ど社 会 福 祉 の拡 充 は主 体 に よる運 動 の 貢献 が大 き い。 こ の よ うな 「生 活 の社 会 化 」 の な か で、 社 会 福 祉 は 「公 共 化 」 の範 疇 に 位 置 して い る。 しか し、 こ う した 生 活 の在 り方 は、 地 域 共 同体 や 大 家 族 な どの従 来 生活 を支 えて い た 基盤 が 失 な わ れ て い る。 ま た そ うした基 盤 だ け で は 安 定 しな い 生 活 の在 り方 で あ る。 つ ま り、 さ ま ざ ま な生 活 問 題 の発 生 に だ れ もが 直 面 す る生活 とい え る。 わ れ われ の生 活 は な ん の起 伏 も な く、 な ん の 障害 もな く営 まれ る こ とは あ り得 な い。 例 え ば労 働 者 とそ の家 族 に とっ て疾 病 や 傷 害、 身体 と精 神 の 障 害、 妊 娠 と出 産、 失 業、 労 働 災 害、 育 児 ・介護、 死 亡(遺 族)、 さ らに高 齢 とい った 問題 は、決 して偶 然 の一 時 的 ア クシ デ ン トと して は か た づ け られ な い も の で あ る。 な ぜ な ら、 それ は一 時 的 に せ よ長 期 的 にせ よ労働 力 商 品 の 販 売 を中 断 させ る問 題 で あ り、生 活 社 会 福 祉 八 法 改 正 と 在 宅 福 祉 に お け る 福 祉 行 政 の 課 題

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密 教 文 化 を よ り不 安 定 にす る。 そ して、 そ の ま まで は 貧 困 へ の転 落 は 必 然 とな る。 社 会 的 変 化 の中 で こ う した 問 題 は、 大 家 族 や地 域 的共 同体 で の 限定 され た 相 互 扶 助 や 個 人 的 な努 力 で解 決 す る こ とは で きな い。 社 会 福 祉 は こ う した 生 活 問題 へ の 公 ・協 の社 会 的対 応 で あ り、所 得 保 障 と結 びつ き な が ら生 活 障 害 を もつ人 々 へ 援 助 ・保 護 をお こ な うと ころ に 基 本 的 役 割 が あ る とい え る。 公 の 部 分 が 社会 保 障 制 度 の一 環 と して機 能 して い る の で あ り、生 存 権 保 障 と発 達 保 障 を 目的 と して い る。 こ の よ うに われ われ の生 活 は 商 品 化、 公共 化、 協 同化 とい う三 つ の 側 面 か らな りた って お り、生 活 問 題 の 発 生 に対 して は ま ず公 共 化 に よ る対 応 が 第 一 義 的 に な され る こ とを必 要 とす るの で あ る。逆 に言 え ば、 商 品化 に よ る社 会 化 だ け で は極 めて 不 安 定 な生 活 の在 り方 な の で あ る。 4.地 域 共 同 体 の 解 体、 家 族 の 変 化 と在 宅 福 祉 の 確 立 この よ うな生 活 の社 会 化 の な か で、 地 域 社 会 は どの よ うに変 化 した の で あ ろ うか。 歴 史 的 に 見れ ば生 産 力 が低 く農業 生産 が 中心 の 段 階 で は、 生 産 (労 働)と 消 費(生 活)の 場 が 同一 の狭 い 範 囲 に限 定 され て お こ な われ て い た。 そ う した地 域 は ひ とつ の共 同 体 と して 人 間 の生 存 を担 保 す る基 盤 で あ り、 そ の な か で一 定 の規 則 ・規 範 が共 同体 を保持 す る た め存 在 し、人 間 関 係 を縛 り自 由 な行 動 を規 制 して い た。 しか し社 会 発展 に と も な う生産 力 の発 展 につ れ、 そ の よ うな地 域 の 実体 的 統 一 性 は壊 され て い くの で あ る。 先 に も みた よ うに、 自給 自足 経 済 か ら商 品 経済 が拡 大 す る に つ れ、 生 産 の 場 と して の地 域 が解 体 され 生産 手 段 を失 った 勤労 者 家 族 が産 出 され、 従 来 の地 域 共 同 体 の機 能 や 規 制 力 が 弱 ま り失 わ れ て い く。 しか し、 そ れ は 同 時 に封 建 的 人 間 関 係 や 前 近 代 的 な 価 値 観 の束 縛:からの解 放 と、近 代 的 民 主 主 義 的 な人 間 関 係 や 社会 を形成 す る形 式 的 可 能性 を与 え た と もい え るの で あ る。 今 日、高 齢 者 が地 域 社 会 で 安 定 して 生活 して い くこ とが 困難 に な って い る社 会 的 背 景 に は、 こ う した 社会 的変 動 の な か で の地 域 共 同体 の 解体 が あ

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る。 つ ま り、前 近 代 的 な 諸 特 徴 を も って い た とは い え、 親 密 な 近 隣 関 係 や コ ミ ュニ ケ ー シ ョン、 相 互 扶助、 共 同作 業 の管 理 な どの機 能 を備 え た地 域 共 同体 が解 体 した た め、 高齢 者 が よ り個 別 的 な生 活 様 式 を強 制 され る よ う に な り、近 隣 関 係、 コ ミ ュニ ケ ー シ ョン、 助 け合 い な どが希 薄 な状 況 に お かれ る よ うに な っ て き た とい うこ と であ る。 しか し、 だ か ら とい っ て高 齢 者 が 前 近 代 的 な社 会 関 係 の な かで しか生 活 で き ない とい う こ とで は な い し、 地 域 福 祉 の課 題 が 旧来 の地 域共 同体 の再 生 を図 る こ と に あ る とい うわ け で もな い。 む しろ、 こ う した 社会 変 化 に そ って 新 た に 公 共 化 の社 会 的 対 応 をつ く りだ す こ と が重 要 にな って い る の で あ る。 そ こで、 生 活 や 地 域 の 変 化 に と もな い、 人 々 は共 同体 や大 家 族 が も って い た機 能 の うち現 代 の生 活 に お い て も必要 不 可 欠 な もの を、社 会 的 に確 立 す る よ うに な る。 例 え ば 老 人 ホ ー ム は老 人 扶 養 の機 能 を公 的 な財 政 力 に依 存 させ る こ とに よ り、民 主 主 義的 な援 助 原 則 の も と専 門職 と して の福 祉 労 働 者 を確 保 しケ アの 水 準 を確 保 し、必 要 な 高 齢者 が利 用 で き る よ うに制 度 化 した もの で あ る。 今 日、制 度 的 に確 立 され つ つ あ る在 宅 福 祉 につ い て も同様 の歴 史 的 社会 的 性 格 を もつ もの とい え る。 例 え ば ホ ー ム ヘ ル プサ ー ビ ス を考 えて み よ う。高 齢 者 自身 の家 事 遂 行 能 力 が弱 ま った とき、 地 域 の人 々 で 買 い 物 や 調 理、 掃 除、 洗 濯 な どを く ら しに立 ち入 って 行 い 合 うこ とは難 し く、 ま た そ れ が あ る程 度 で き た と して も全 面 的 に他人 の 生 活 を支 援 す る こ とに は 限 界 が あ る。 家 族 規 模 が縮 小 され て い るな か で は 高 齢 者 夫 婦 世 帯 や 一 人 く ら し 老 人 に は、 部 分 的 な相 互 扶 助 で は生 活 を全 面 的 に支 え る こ とは不 可 能 に な って い る。 また、 高 齢 者 自身 の意識 も安 易 に 他 人 が生 活 へ 介 入 す る こ と を 許 さな い もの に な って い る。 そ こで、 公 的 な 財政 力 に依 存 させ 生 活 の場 に 足 を踏 み 入 れ て も安 心 で き る専 門職 と して の ホ ー ムヘ ル パ ー を確 保 し、 高 齢 者 が どの よ うな生 活 障 害 をか か え て も安 定 した最 低 限 の生 活 が保 障 され る た め に確 立 され て き た の が在 宅 福 祉 と して の ホ ー ム ヘ ル プ事 業 で あ り、 社 会 的 に 高齢 者 生 活 を支 え よ うとす る もの で あ る。 さ らに在 宅 福 祉 の 拡充 の 必要 性 の背 景 に は、 高 齢 者 を と りま く家 族 の変 社 会 福 祉 八 法 改 正 と 在 宅 福 祉 に お け る 福 祉 行 政 の 課 題

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-67-密 教 文 化 化 が あ る。 家 族 の 規 模 が縮 小 してお り、高 齢 者 単 独世 帯、 高 齢 者夫 婦 世 帯 な ど高 齢 者 世 帯 が 増 加 して い る。 一 般 的 にい って 家族 規 模 の縮 小 は、 高 齢 者 に とって 生 活 不 安 の要 因 とな りや す い。 家 族 は生 活 の基 礎 集 団 で あ り生 活 の再 生 産 単 位 で あ る。 大 家族 に は生 産 機 能 や 生 殖 機 能、 生 活 の 再 生 産 (消 費)機 能 な どが あ る と され る が、 これ まで み た よ うな社 会 変 動 は生 活 の再 生 産(消 費)機 能 以 外 の機 能 を衰 退 させ て い る。現 代 の家 族 で の中 心 的 な もの とな った 生 活 の再 生 産 機 能 は家 族 員 の 日常生 活 の維 持 や 扶 養、 養 育、 精 神 的 安 定 とな どの働 き を含 んで い る。 高 齢 者 が安 心 して生 活 す る た め に は、 親 密 な人 間 関 係 を もつ 家 族 の役 割 が 重 要 で あ る こ とは い うま で も ない。 しか し、 と くに要 援 護 老 人 へ の介 護 な ど在 宅福 祉 を必 要 とす る生 活 問題 を あ くま で家 族 の 責 任 の範 囲 に押 し込 め る認 識 は 正 し くな い。(し か し家 族 責 任 とい っ て も、 介護 問 題 な どは実 際 に は 家族 の 中 で 女 性 に の み 押 し付 け られ る こ とが多 い の で、 「女 性 の 責任 に押 し込 め る」とい うほ うが 適切 な表 現 か も しれ な い)。 生 活 の社 会 化 の背 景 で み た とお り、今 日の家 族 の 大 きな 変 化 は、 高 度成 長期 以降 の産 業 構 造 の変 化、 労働 力 の流 動 化 に よ る もの で あ る。 農 村 で は 若 干人 口が都 市 へ流 出 し過 疎 に よる生 活 基 盤 の崩 壊、 都 市 で は人 口の過 密 化 と生 活 環 境 の悪 化 が 問 題 とな り、い わ ゆ る核 家 族 化 の な か で 農 村 に 取 り 残 され た高 齢 者 と都 市 部 の 劣悪 な生 活 環 境 にお かれ た 高 齢 者 の 姿 とが あ い ま って、 高 齢 者 問題 を社 会 的課 題 と して取 り上 げ させ る 契機 とな っ た の で あ る。 高齢 者 の扶 養、 と くに介護 な どは 日常 的 に継 続 され 特 別 の配 慮 や 緊 張 を と もな うもの で あ り、家族 構 成、 就 業 者 構 成、 経済 的 条 件、 住 居、 地 域性 な どの諸 条 件 に よ りそ の実 際 は大 き く異 な る とお もわ れ る。 夫 婦 共 働 きな ど家 族 の多 くが働 く勤 労 者 家族 が大 多 数 とな り、家 族 規 模 が 縮 小 して い る た め家 族 の扶 養機 能 は 弱 ま って い る。 した が って、 生活 問 題 に対 す る 責任 を家 族(女 性)に 第 一 義 的 に 負 わせ、 家 族 の機 能 が ど うして も果 た せ な い と きに の み在 宅 福 祉 が そ れ を補 完 す る とい う議論 は、 現 実 性 を欠 い て い る とい え る。

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-66-こ の よ うに生 活、 地 域 社 会 や家 族 の変 化 を ふ ま え る な らば、 客 観 的 に 高 齢 者 が家 族 の も と住 み なれ た地 域 で安 定 した生 活 を して い くに は、 社会 保 障 制度、 社 会 福 祉 制度 だ け で な く、保 健 ・医 療 サ ー ビス、 住 宅 対 策 な ど高 齢 者 とそ の家 族 を支 え援 助 す る社 会 的 な保 障 が ます ます 必 要 に な っ て い る の で あ る。 5.在 宅 福 祉 の 基 本 的 枠 組 み これ ま で の べ て き た よ うな在 宅 福 祉 の社 会 的 背 景 をふ ま え て、 い ま だ試 論 と して で は あ る が、 在 宅 福 祉 につ い て つ ぎ の よ うな基 本 的 枠 組 み を考 え る こ とが で き るの で は な い か とお も う。 在 宅 福 祉 とは地 域福 祉 の 一 環 と して、 〔対 象 〕 …地 域 社 会 で の生 活 問題、 発 達 阻 害 の 問題 を、一 応 高 齢 ・障 害 な どの社 会 階 層 別 に相 対 的 に区 分 し、 〔目的 〕 …高 齢 ・障 害 ・疾 病 な どの ラ イ フ サ イ ク ル上 の生 活 状 況 の変 動 に直 面 した り、社 会 的 事 故 に直 面 した際 に、 地 域 に お い て 安 定 した 生 活 と地 域 に お け る社 会 関 係 が確 保 され、 社 会 的 人 間 と して の 発 達 が 実 現 され る こ と(生 活 保 障 と発 達 保 障)を 目 的 に、 〔主 体 〕 …公 ・協 の 諸機 関 ・諸 団体 が住 民 自治 の 発 展 を基 盤 に主 体 とな り、 〔内容 〕 …生 活 を総 合 的 に支 え る社 会 福 祉 サ ー ビスや 相談 活 動 を保 健 ・ 医 療 や 住 宅 対 策 な どの公 共 的関 連 施 策 と連 携 させ て、 継 続 的 安 定 的 に地 域 に提 供 す る事 業 ・活 動 を さ し、 〔責 任 〕 … 生 活 問 題 へ の社 会 的 対 応 と して ナ シ ョナ ル ・ミニ マ ム(国 民 最低 限)を 確 保 す る社 会 福 祉 制 度 のひ とつ と して公 的 責 任 の も と推 進 され、 〔住 民 〕 …地 域住 民 へ の 広 報、 情 報 公 開、 学 習 機 会 の保 障 を原 則 と し、 地 域 住 民 の主 体 的 参 加 と協 力 を基 礎 に展 開 す る もの で あ る。 社 会 福 祉 八 法 改 正 と 在 宅 福 祉 に お け る 福 祉 行 政 の 課 題

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-65-密 教 文 化 こ こで は地 域 福祉、 在 宅 福 祉 に つ い て、 地 域 にお け る福 祉 問 題(対 象)、 国及 び地 方 自治体 に よ る社 会 福 祉 の水 準(政 策 主体)、 地 域 住 民 の 福 祉 力 (12) (自 治 能 力)の 三 つ の相 互 関 係 か ら発 展 す る もの と考 え て い る。 と こ ろ で実 際 に は、 在 宅 福 祉 が 量 的 に も質 的 に も十 分 に拡 充 して い る と い うわ け で は ない。 また 視 野 を広 げて 実施 主 体 を み る と、 国 の 関 与 す る も ので 地 方 自治 体 が実 施 して い る もの、 地 方 自治 体 の単 独 事 業 と して 実 施 し て い る もの、 公 的 機 関 か ら の委 託 で社 会 福 祉 法 人 な どの民 間 福 祉 団体 が 実 施 して い る も の、 地 域 住 民 で組 織 した 自主 的住 民 組 織 が 実 施 して い る も の また そ の な か に生 活協 同組 合 な ど比 較 的組 織 や 財 政 の規 模 の大 き な もの か ら、 小地 域 を対 象 と した小 さな組 織 ま で あ り、実 に多 様 な 形 態 の主 体 が 存 在 して い る。在 宅福 祉 は そ の 発展 の過 渡 期 に あ る とい え る。 こ うした 状 況 をふ ま え て行 政 と民 間 福 祉 団 体 や 住 民 との 関 係 につ い て 若 干検 討 して お きた い。 ま ず在 宅 福 祉 に か か わ る住 民 参 加 を どの よ うに と らえ るべ き で あ ろ う か。 とい うの も、「民 間 非 営 利 型在 宅 福 祉 サ ー ビス(活 動)」 が い わ ゆ る 「住 民 参 加 型 在 宅 福 祉 サ ー ビス(活 動) 」 と別 称 され、地 域 福 祉 ・在 宅 福 祉 に お け る住 民 参 加 の新 しい 在 り方 と して 注 目 され て き て い る か らで あ る。 在 宅 福 祉 の議 論 に先 鞭 をつ け た 『在 宅 福 祉 サ ー ビス の戦 略 」(1979年)で (13) は、 「公 私 役 割 分担 と住 民 参 加」とい う項 目の な か で、 在 宅 福 祉 サ ー ビス の 推 進 に は住 民 参 加 が不 可 欠 で あ る と して、(1)サー ビス展 開 の 諸 レベ ル で の 意 志 決 定 と、(2)地域 の社 会 福 祉 組 織 の担 い 手 と して の住 民 とい う二 つ の点 で住 民 参 加 を論 じて い る。 また、 在 宅 福祉 サ ー ビス の マ ンパ ワー につ い て は、 「在 宅福 祉 サ ー ビ スが 広範 な ボ ラ ンテ ィアや 住 民 の主 体 的 参 加 に よ っ て 支 え られ て い く もの で あ り、社 会 福 祉 の 密 度 の濃 い情 報 提 供 サ ー ビス、 (14) 市 民 教 育 機 能 をふ く らむ広 義 の福 祉 教 育 活動 の進 展 が図 らね ば な らな い。」 と して、 在 宅 福 祉 サ ー ビス の直 接 的 担 い 手 と して住 民 参 加 に 期 待 す る もの に な って い る。 (15) 全 社 協 に よれ ば、 「住 民 参 加 型在 宅 福 祉 サ ー ビス(活 動)」 と は、 地 域住

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民 の参 加 を基 本 と して公 社 ・事 業 団、 社 会 福 祉 協 議 会、 生 活 協 同組 合、 住 民 自主 組 織 な ど非 営 利 を組 織 理 念 とす る団 体 の行 う家 事 援 助 や ホ ー ムヘ ル プ等 の在 宅 福 祉 サ ー ビス(活 動)を い う と して い る。そ して 全 国 に200以 上 あ る とい わ れ る そ うした組 織 を、「互 助 型 組 織 」 「行 政 関 与 型 」 「社協 運 営 型 」 「協 同組 合 型 」 「施 設 運 営 型 」 な どに類 型 化 して い る。 こ の考 え方 は、 「参 加 」 を 地 域 住 民 が在 宅 福 祉 サ ー ビ ス の直 接 的 担 い手 (マ ンパ ワー)と して サ ー ビス供 給 組 織 に 「参 加 」 す る こ とに限 定 して と ら えて い る。 しか し、「住 民参 加 」は在 宅 福 祉 サ ー ビ ス の担 い 手(マ ンパ ワー確 保 や 労 力提 供)の 問 題 に限 定 して と ら え るべ きで は ない で あ ろ う。そ う した考 え 方 で は、 「住 民 参 加 」と して地 域福 祉 の領 域 か ら自治 の担 い 手 と して の地 域 住 民 を ど う育 て て い くの か、 そ の 道 筋、 過 程(プ ロセ ス)、 条 件、そ の質 に つ い て の考 察 が 欠 落 して い る。 つ ま り 「住 民参 加 」 が マ ンパ ワー と して の担 い 手 や、 行 政 に対 して の合 意 形 成 を前 提 と した 決 定 に 限 定 され た参 加 論 で は、 深 刻 化 す る生 活 問 題 に た いす る公 的責 任 に よる生 活 保 障 の 追及 が 忘 れ られ、 生活 問 題 に対 して 住 民 の相 互 扶 助 や 運 動 論 の欠 け た社 会 的調 和 を基 調 と した 対 応 に住 民 を導 く も の で あ る。 そ れ は か え って、 住 民 の 自主 的組 織 に よ る在 宅 福 祉 サ ー ビス 活 動 の展 開 を積 極 的 に評 価 す る もの に な って い な い の で は な い だ ろ うか。 6. 地 域 住 民 に よ る 在 宅 福 祉 へ の 取 り組 み と 住 民 参 加 の 基 本 的 視 点 そ れ で は、 住 民 参 加 とは な に を意 味 す る もの だ ろ うか。 小 林 弘 和 氏 に よ (16) れ ば、 住 民 参 加 は伝 統 的 で官 治 的 性 格 の強 い地 方 自治 の運 営 に対 して、 そ の 変 革 を迫 る とい う意 義 を もって お り、住 民 参 加 を とお して住 民 が地 方 自 治 の 主 人 公 と して の 自主 性 を確 立 し、地 方 自治 の行 政 運 営 をバ ッ ク ア ッ プ す る こ とに よ り、住 民 に基 礎 をお い た 民 主 的 な行 政 体 制 を確 立 す る こ とに 主 要 な 目的 が あ る の で あ る。住 民 参 加 の 考 え方 は住 民 の主 体 形 成、 つ ま り 社 会 福 祉 八 法 改 正 と 在 宅 福 祉 に お け る 福 祉 行 政 の 課 題

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密 教 文 化 住 民 の統 治 能 力 の発 達 に裏 付 け られ て 始 めて 具 体 性 と実 質 を獲 得 す る もの で あ り、民 主 的 な地 方 自治 の在 り方 を展 望 す る もの で あ る。 さ ら に小 林 氏 は有 償 のサ ー ビス提 供 活 動 へ の 参 加 は、 サ ー ビス供 給 の た め の マ ンパ ワー 提 供 活 動 で あ り、一 般 参 加 論 か らす れ ば 参 加 とい うよ り包 摂 とい うほ うが 適 当 で あ る と指 摘 して い る。 た しか に、 い わ ゆ る 「住 民 参 加 型 在 宅福 祉 サ ー ビス(活 動)」 の 規 定 は、 小 林 氏 の指 摘 す る よ うに参 加 概 念 に大 きな 問題 を含 ん で い る。 ま た 住 民 の 自主 的 な組 織 に よ る在 宅 福 祉 サ ー ビ ス活 動 の 実 際 も発展 の過 渡 期 にあ り、 マ ンパ ワー確 保 と して の参 加 か ら、 自治 の担 い 手 と して の 自己 形 成 へ の発 達 とい う課 題 を残 して い る。 こ う した住 民 参 加 概 念 をふ ま えれ ば、 い わ ゆ る 「住 民 参 加 型 在 宅 福 祉 サ ー ビス(活 動)」 は む しろ、 ー地 域 住 民 の 自主 的 共 同(協 同)組 織 に よ る在 宅 福 祉 事 業 活 動 」 とい うべ きで は ない か と考 え る。 それ で は、 こ うした在 宅 福 祉 サ ー ビス活 動 を どの よ うに み るべ き で あ ろ (17) うか。 在 宅 福 祉 に お け る公 ・私 関 係 の観 点 か らみ て い こ う。 社 会 福 祉 に お い て現 在、 国 ・地 方 自治 体 の施 策 とな って い る もの の多 く は、 歴 史 的 出 発 点 で は ま ず初 め に地 域 の生 活 諸 困 難 に対 して の住 民 の 自主 的努 力 や、 篤 志家 を中 心 と した民 間 団体 に よ る開 拓 的 事 業 が先 行 し て い た。 そ れ らが住 民運 動 を通 じて地 域 の共 通 した福 祉 要 求 と し形 づ く られ、 そ の事 業 の 必 要 性 が社 会 的 に合 意 され、 公 共 的 施 策 に転 化 ・発 展 して い っ たの で あ る。 保 育所 な どはそ の典 型 で あ ろ う。 今 日、在 宅福 祉 サ ー ビ スの 整備 が焦 眉 の問 題 とされ、 国 ・地 方 自治体 に とって もい ちお う重要 な 政 策課 題 と され て い る こ とや、 住 民 の 自主 的共 同 (協 同)組 織 に よ る事 業 が 展 開 され て い る の は、 地 域 生 活 問 題 の拡 大 深 化 に よ り、高 齢 者 問題 や 障 害 者 問題 な ど福 祉 問 題 の解 決 が地 域 住 民 の共 通 課 題 と して 認識 され 共 同 需 要 とな り、そ れ に対 応 す る在 宅 福 祉 サ ー ビス の拡 充 が 地 域 生活 の安 定 に と って 不 可 欠 の もの で あ る と認 識 され て き て い る と 背 景 が あ る か らで あ る。

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と ころ で社 会 福 祉 サ ー ビス は憲 法25条 に よ り公 的 責任 が 明確 に され て お り、「ナ シ ョナ ル ・ミニ マ ム」 の保 障 とい う理 念 的 到 達 点 を も って い る。し か し、地 域 の福 祉 問 題 が 拡大 深 化 して い る か ら とい って、 ナ シ ョナ ル ・ミ ニ マ ム保 障 と して 明 確 に位 置 付 け られ た公 共 サ ー ビス と して の在 宅 福 祉 が 実 現 して い るわ けで はな い。 実 際 に は民 間 団体(施 設)へ 大 き く依 存 す る か た ち で、 内 容 が 確 保 され、 拡充 され て きた の が 現 実 で あ る。 在 宅 福 祉 サ ー ビ スの公 ・私 関係 の現 状 をみ る と、 国 の在 宅福 祉 サ ー ビス の水 準(事 業 内 容、 基 準額)は、 今 日の 高 齢 者 問 題 な ど生 活 問 題 に対 応 し て ナ シ ョナ ル ・ミニマ ム を保 障 す る水 準 に はな って い ない。 生 活 問 題 の 解 決 とい う点 で 不 充 分 で あ る。 さ らに地 方 自治体 の 在 宅 福 祉 サ ー ビ ス が、 超 過 負担 を と もな い、 また単 独事 業 な ど を含 めて 実 施 され、 国 の水 準 を補 完 して い る が、 そ の展 開 に も制約 が あ る。 さ ら に地 方 自治 体 独 自で は事 業 実 施 の体 制 が取 れ な い 場 合 や 問題 解 決 に不 充 分 な た め に、 民 間 団 体 へ の 委 託 や 住 民 団体 へ の 委 託 ・協 力 が存 在 して い る。 実 際 に在 宅 福 祉 サ ー ビ ス の水 準 は公 ・民 間 団体 ・住 民 との委 託 ・協 力 関 係 をつ う じて は じめて 一 定 の水 準 が維 持 され て い るの で あ る。 つ ま り在 宅 福祉 サ ー ビ ス の実 施 は公 ・民 間 団 体 ・住 民 の 間 で の何 層 か の取 り組 み に よ って い るの で あ る。 7.地 域 住 民 の 在 宅 福 祉 要 求 と 福 祉 行 政 の 課 題 住 民 の 自主 的共 同(協 同)組 織 に よ る在 宅 福 祉 サ ー ビス活 動 の 展 開 は、 た とえ ば行 政 との委 託 ・協 力関 係 が な か った場 合 に して も、 そ れ ぞ れ の地 域 で の運 動 や 地 域 福 祉 活 動 を通 じて地 域 の 高 齢 者 や 障 害 者 の 生 活 実 態 にふ れ、 生 活 問 題 を と らえ福 祉 要 求 を 明 らか に し、 同 時 に運 動 をふ くみ つ つ 自 主 的 に在 宅 福 祉 サ ー ビス活 動 を展 開す る こ とで、 自治 の 担 い 手 のひ とつ の 在 り方 と して社 会 問題 に組 織 的 に対 応 して い る もの とい え る。 そ う した事 業活 動 は、 今 日在 宅 福 祉 サ ー ビス が注 目 され て い る背 景 にあ る地 域 住 民 の 福 祉 要 求 を基 本 に、 協 同へ の発 展 の萌 芽 を 内 包 した、 住 民 の 新 た な結 び付 きに よ り生 み 出 され た ので あ る。 社 会 福 祉 八 法 改 正 と 在 宅 福 祉 に お け る 福 祉 行 政 の 課 題

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密 教 文 化 例 え ば、 神 奈 川 県 社 会 福 祉 協 議 会 の 『民 間非 営 利 ホ ー ムヘ ル プ団 体 に関 (18) す る調 査 研 究 報 告 書 』 に よれ ば、 ー新 しい福 祉 サ ー ビス と して市 民 が 自 ら 組 織 し、担 い 手 と して 参 加 す る参 加 型 の福 祉 供 給 シ ステ ム が 活 動 を開 始 し て い る」 と し、そ れ は地 域 組 織 化 活 動 の主 力 で あ った 自営業 者 層 とは 異 な る意 識 を もつ 「普 遍 主 義 に基 づ く市 民 型 福 祉 意識 」 とい え る もの で、「行政 に対 して 必 要 なサ ー ビ ス の実 施 を権 利 と して 要 求 す る と同時 に、 自発 的 な 福 祉 活 動 へ の参 加 に も強 い 指 向 を持 つ 意 識 態 度 で あ る。」 「これ らの組 織 は 行 政 の下 請 け と か補 完 とい った こ と に と ど ま らず、 問題 解 決 の行 動 と要 求 運 動 を も含 み、 併 せ て、 開 拓 的、 先 駆 的、 実 験 的、 そ して批 判 的 とい った ボ ラ ン タ リー な ど社会 福 祉 活 動 の 用件 に あ て は ま る よ うな活 動 が展 開 しは じめて い るの で あ る。」 と と らえ て い る。 こ う した 経 過 を率 直 に見 るな らば、 い わ ゆ る在 宅 福 祉 の公 ・私 関 係 論 は 機 能 的 な 役 割分 担 の 内 容 に と ど ま る議論 で は、 現 実 に対 応 で き な い で あ ろ う。住 民 の 自治 能 力 の 発 達 を展 望 す る立場 に た つ な らば、 「共(協)」 の発 展 を重 視 す べ きで あ ろ う。地 域生 活 の 安 定 と地 域 発展 の 目的 で組 織 した住 民 の共 同 ・協 同 の 取 り組 み を重視 し、 そ れ を育成 し生 活 の中 に定 着 させ る た め に、 「共(協)」 を行 政 が援助 し、 しか も 「公(国 ・自治 体)」 と「共(一協)」 の民 主 的協 力 関 係 と緊 張 関 係 を保持 す る原 則 を貫 いて い くこ とが重 要 で あ ろ う。そ の こ とに よ り、住 民 の生 活 問題 に対 応 す る条 件 を整 備 し、 自治 体 の民 主 的 な行 政 体 制 を確 立 し、行政 水 準 を高 め、 住 民 生 活 を守 る こ とが、 在 宅 福 祉 の基 本 的 発 展 方 向 とい え るの で は な い だ ろ うか。 実 際 に在 宅福 祉 サ ー ビス活 動 を実 施 して い る こ うした団 体 は、 拠 点、 財 源 な どの点 で 多 くの困 難 を抱 えて い る。 今後 も安定 して継 続 して事 業 を展 開 して い け る か ど うか、 大 きな 不 安 を も って い る。 しか し、 こ うした組 織 の活 動 は 地 域 に 定 着 し実 績 を も ち、在 宅 福 祉 の経 験 の蓄 積 か らそ の ノ ウハ ウを も ち、 行 政 が 対 応 しきれ て い な い 多 くの住 民 へ の要 求 に 自主 的 に応 え て い る もの も少 な くな い。 国 ・地方 自治体 は拠 点 の提 供 や 補 助 金 の交 付 な ど、大 幅 な 援 助 策 の 充 実 を講 ず るべ きで あ り、地 域 にお け る民 主 主 義 の基

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盤 の一 つ と して と らえ るべ き で あ る。 しか し、 こ う した 団 体 の側 に も可 能 性 と同 時 に 問 題 点 は あ る。 た と え ば 住 民 に よ る在 宅 福 祉 サ ー ビ ス活 動 の 拡 大 が、 わ ざわ ざ国 ・地 方 自治 体 の 役 割 や 責 任 を追 及 しな くて も、住 民 の 相互 の助 け 合 い で 地 域 の 生 活 問 題 へ 十 分 対応 す る こ とが 可 能 だ と して、 行政 へ の働 きか け を しな くな る とか、 行 政 サ ー ビス は 画 一 的、 硬 直 的 で あ り期 待 で きな い とい う機 械 的 批 判 に 陥 り 公 共 サ ー ビス と公 務 労 働 者 との民 主 的 統 治 とい う視 点 を欠 落 させ て は、 そ の 発 展 を期 待 で きな い。 そ うした プ リミテ ィブ な発 想 に 終止 し、地 域 の 諸 矛 盾 の根 源 に迫 る こ とが で きず、 自己完 結 的 な事 業 に止 ま って しま って は 住 民 参 加 や 自治 を 展望 す る ひ とつ の 回路 と して の役 割 を 失 うこ とに な って しま うだ ろ う。 した が って 「共(協)」 と して の在 宅 福 祉 の 自主 的共 同(共 同)組 織 を発 展 させ る た め に は、 主 体 的 に参 加 し自 ら決 定 す る こ との で き る力 量 を形 成 して い くた め の実 質 的 な過 程(プ ロセ ス)を 保 障 す る取 り組 み と して、 学 轡 の機 会 の確 保 が必 要 で あ る。 今 後 の 在 宅 福 祉 の在 り方 は、 サ ー ビス 供 給 組 織 の多 様 な存 在 と安 価 な サ ー ビ ス の担 い 手 の確 保 を 「参 加 」 とい う名 目で や り繰 りす る こ と で は な い。 高 齢 化 社 会 にお け る在 宅福 祉 へ の住 民 要 求 に対 応 して い こ うとす る な ら ば、 国 ・地 方 自治 体 は実 績 を もつ共 同(協 同)組 織 と して の民 間部 門 の 役 割 を重 視 し、 これ を発 展 させ るた めの 援 助 策 を社 会 福 祉 行政 の課 題 と し て位 置 付 け、 行政 と共 同(協 同)部 門 との協 力 ・協 働 の関 係 を つ く り、在 宅 福 祉 の水 準 を高 めて い くべ きで あ ろ う。在 宅福 祉 の基 本 的 方 向 は、 住 民 自治 の発 展 を図 る 立 場 と一 致 して進 め られ な けれ ばな ら ない。 注 (1)法 改正 の内容、条文 については、厚生省社 会局 ・大臣官房老入保健福祉部 ・児 童家庭局監修 『社会福祉8法 改正のポ イン トー老人福祉法等の一部を改正する 法律 の概 要一』第一法規 出版、1990年、および、福祉士養成講座編集委員 会編 『老人福祉法等の一部を改正す る法律の概 要 社会福祉関係8法 改正の要 点』 中央法規 出版、1990年を参照 した。 (2)森 山幹夫 「21世紀を見据 えた 福祉八法の改 正 につ い て一福祉か ら サー ビスへ 社 会 福 祉 八 法 改 正 と 在 宅 福 祉 に お け る 福 祉 行 政 の 課 題

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密 教 文 化 (上)」、「同(中)」、「(同下)」(週 刊 『社 会 保 障 』N01630-NO1632)参 照。 (3) 上 掛 利博 「『福 祉 八法 』 の改 正 と これか らの高 齢者 福 祉 」(川 口弘、 吉 村久 美 子、 上 掛 『社会 福祉 講 座(2)老人福 祉 を創 る高 齢 者 の福 祉 と発 達 保 障 』 か もが わ 出版、1991年)お よび、 小 川 政 亮 「老 人 福 祉 法等 八 法 改 正 法 の 問 題 点」(『福 祉 のひ ろば 』総 合 社 会 福 祉 研 究所、44号、1990年10月)を 参 照 した。 (4) 磯 村 英 一、 星 野 光 男 編 『地 方 自治 読 本(第6版)』 東 洋 経済 新 報 社、1990年、 180ペ ー ジ。 (5) 小 川 「前 掲」、24ペー ジ。 (6) 老 人 福 祉計 画 につ い て は、 村 川浩 一 「老 人福 祉 計 画 につ いて 」(「老 施 協 』 全 国 社 会 福 祉 協議 会、 第217号、1991年5月)を 参 照。 (7) 例 え ば 『在 宅福 祉 サー ビ スの戦 略 』 全 国社 会 福 祉 協 議 会、1979年。 (8) この 規 定 につ い て は、 相 沢与 一 「戦 後 日本 の 国 民 生 活 の社 会 化」(江 口英 一、 相 沢 編 『現 代 の 生 活 と 「社 会 化」』 労 働 旬報 社、1986年)を 参 考 に した。 (9) 松 村 祥 子 「生 活 の社 会 化 と生 活 構 造 の 変 動」(松 村、 岩 田正 美、宮本 み ち子 『現 代 生 活 論 』有 斐 閣、1988年)、112ペ ー ジ-113ペ ー ジ。 (10) 渡 辺 満 「消費 の 社 会 化 と生 活 管 理 政策 」(渡 辺、 中 原弘 二、 来 島 浩 「現 代社 会 政 策 の基 礎 理 論 』 青 木 書 店、1983年)、154ペ ー ジ。 (11) 真 田是 「現 代 の 生 活 様式 と社 会 保 障 」(真 田、 小 倉裏 二 編 『地 域 の くら しと社 会 保 障 』法 律 文 化 社、1978年)参 照。 (12) 地 域 福祉 を と らえ る基 本 的考 え 方 に つ いて は、 真 田是 「地 域 福 祉 の 基 礎視 覚 一 地 域 社会 ・住 民 運 動 ・地 域 福 祉 一 」(『立 命 館 大学 産業 社 会 論 集 』 第33号、1982 年)、 真 田 「地 域 福 祉」(小 倉 裏 二 編 『老 後 保 障 シ ステ ム論 』 世 界 思 想 社、1986 年)に 拠 る と こ ろが 大 き い。 (13)『 在 宅 福 祉 サ ー ビス の戦 略 』(前 掲)、152ペ ー ジ。 (14)『 在 宅 福 祉 サ ー ビスの 戦 略 」、136ペー ジ。 (15)『 多 様 化 す るホ ー ムヘ ル プ サ ー ビス 住 民 参加 型 在 宅 福祉 サ ー ビス の可 能 性 を さ ぐる』 全 国社 会 福 祉 協 議 会、1989年、70-71ペ ー ジ。 (16) 小 林 弘 和 「地 域 福 祉 と地 方 自治一 最 近 の 地 方 自治 体 に お け る 福祉 行 政 領 域 の 住 民 参 加 批 判 一」(『季 刊 社 会 保 障研 究 』VoL26、Nm321990年)。 (17) 以 下、 在 宅福 祉 につ い て の公 ・私 関 係 の在 り方 につ い ては、 成 瀬 龍 夫 「公共 サ ー ビスの発 展 法 則 と民 間 委託 」(『地 域 と 自治 体 第12集 民 間 委 託 の 争 点』 自治 体 問 題研 究社、1981年)で 展 開 され た 議 論 に負 う とこ ろが 大 き い。 (18)『 民 間非 営 利 ホ ー ムヘ ル プ 団体 に関 す る調 査 研 究 報告 書 』 神 奈 川 県 社 会 福祉 協 議 会、1990年、6ペ ー ジ-7ペ ー ジ。

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<参 考 文 献> 小 林 弘 和 「市 民 自治 と政策 形 成 ・執 行 」(田 中義 政 編『 市 民 参加 と 自治 体 公 務二』 学 陽 書 房1988) 島 田修 一 「地 方 自治 と住民 の主 体 形 成 」(『季刊 科 学 と思 想 』No321, 1979. 4) 井 岡 勉 「地 域 福 祉 時 代 の 社会 福 祉 協 議 会 の 課題 と実 力 」(『社 会 福祉 研 究 』 鉄 道 弘 済 会1990) 池 上 惇 『減 税 と地 域 福 祉 の理 論 」 三 嶺 書 房1984 朝 倉 新 太 郎、 日野 秀 逸 ほ か 『講 座 日本 の 保健 医 療3地 域 と 医療 』 労 働 旬 報 社1990 <キ ー ワ ー ド>在 宅 福 祉、 社 会 福 祉 行 政、 公 私 関係 社 会 福 祉 八 法 改 正 と 在 宅 福 祉 に お け る 福 祉 行 政 の 課 題

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