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横打撃共振法による樹木の材質診断技術の実用化に関する研究
Practical application of non-destructive diagnostic technique for wood qualities inside standing trees using lateral impact vibration method
2014年3月 島根大学総合 理工学部
1 目 次 諸 言 …… ………… ……… ………… ……… ………… ………… 3 横打撃共振法 の原理 ……… ………… ……… ………… ………… 4 第Ⅰ章 横打 撃共振法 による9樹種 大径木の 共振周波数の 検出に及 ぼすハンマ ー質量の影響 1. は じ め に … … … 6 2. 試 験 方 法 … … … 6 3. 試 験 結 果 … … … 8 4. 考 察 … … … 12 5. ま と め … … … 14 第Ⅱ章 横打 撃共振法 によるスギ立 木の心材 色の推定 1.はじめに … …… ……… ………… … ……… ………… … ……… 15 2. 試 験 方 法 … … … 16 2.1 横打撃共振法に よ る測定 … ………… … ……… ………… … ………16 2.2 心材の含水率と 材 色 ……… ………… … ……… ………… … ………16 3. 結 果 … … … 17 4. 考 察 … … … 21 5. ま と め … … … 22 第Ⅲ章 横打 撃共振法 によるヒノキ 根株心材 腐朽病の非破 壊診断 1. は じ め に … … … 24 2. 試 験 方 法 … … … 25 2.1 測定林分 …… … ……… ………… … ……… ………… … ………25 2.2 横打撃共振法に よ る測定 … ………… … ……… ………… … ………25 2.3 3林分での材質 調 査 ……… ………… … ……… ………… … ………26 2.4 検定林の材質調 査 ………… ………… … ……… ………… … ………26 2.5 人工空洞円板の 作 製と測定 ………… … ……… ………… … ………27 2.6 腐朽円板の作製 と 測定 …… ………… … ……… ………… … ………27 3. 結 果 … … … 28 3.1 15 林分の測定 … ……… ………… ……… ………… ………28 3.2 3林分の材質調 査 ………… ………… … ……… ………… … ………30 3.3 検定林の材質調 査 ………… ………… … ……… ………… … ………32 3.4 円板の人工空洞 ・ 腐朽面積率 と測定値 ……… ………… … ………33 4. 考 察 … … … 35 4.1 DFrの 分 布 範 囲 … … … 35 4.2 健全木 の DFrの 林分・個体間での変 動 要因 ……… ………… …………35 4.3 円板の人工空洞 ・ 腐朽面積率 と測定値 の 関係 …… ………… … ………36
2 5. お わ り に … … … 38 6. ま と め … … … 38 第Ⅳ章 横打撃共 振法 によるクロマ ツ樹幹内 部の腐朽・空 洞面積率 の推定 1. は じ め に … … … 39 2. 調 査 方 法 … … … 39 2.1 腐朽・空洞面積 率 の推定方法 ……… … ……… ………… … ………39 2.2 クロマツ 健全木 の DFr ………… …… ……… ………… …………40 2.3 空洞面積率と共 振 周波数の減 少率 … … ……… ………… … ………40 2.4 松江城山公園内 ク ロマツの腐 朽・空洞 面 積率の推定 ……… … ………41 2.5 横打撃共振法に よ る地上高方 向の測定 ……… ………… … ………42 2.6 貫入抵抗法によ る 腐朽・空洞 面積率の 推 定 ……… ………… … ………42 2.7 伐採調査 …… … ……… ………… … ……… ………… … ………43 3. 結 果 … … … 44 3.1 空洞面積率と共 振 周波数の減 少率 … … ……… ………… … ………44 3.2 クロマツ 健全木 の DFrと 公園内ク ロマ ツの腐朽・空 洞面積率 ………44 3.3 横打撃共振法に よ る地上高方 向の測定 ……… ………… … ………46 3.4 横打撃共振法と 貫 入抵抗法の 推定面積 率 および実測 面積率の 比 較 …47 3.5 共振周波数の特 定 ………… ………… … ……… ………… … ………49 4. 考 察 … … … 50 5. ま と め … … … 51 総 括 ………… … ……… ………… … ……… ………… … …………53 引用文献 ………… … ……… ………… … ……… ………… … …………55 謝 辞 ………… … ……… ………… … ……… ………… … …………57 関連論文 ………… … ……… ………… … ……… ………… … …………58
3 諸 言 立木の幹内部 の材質を 非破壊的に診 断する手 法が従来から 研究・開 発されてい る。γ線透過 量,貫入 抵抗,応力波 ・超音波 伝播速度,エ ックス線 CT(渡部, 2000)を利用 したもの が開発されて いる。し かし,これら 手法は計 測機器が重 厚で高価であ る,計測 時に時間がか かるとい った問題があ る。また ,センサー を差し込む, あるいは ドリルを貫入 させるな どの完全な非 破壊とは 言えないも のもある。 これに対して 横打撃共 振法(小玉ら ,1999;釜口ら,2000)は木製 ハンマー などで樹幹を 打撃し, そのときの樹 幹の振動 ・音の共振周 波数から 樹幹内部を 診断する手法 である。 本法では幹を 打撃すれ ば、速やかに 診断指標 となる共振 周波数が得ら れことか ら,測定が短 時間で行 える。また, 測定に必 要な機器は FFTア ナ ラ イ ザ ー と 加 速 度 ピ ッ ク ア ッ プ あ る い は マ イ ク ロ フ ォ ン の 計 2 点 の み であるため, 装置が軽 量であり安価 に構築で きる。さらに 幹に直接 傷を付けな い非破壊診断 法である 。したがって ,一定の 精度が得られ れば、本 法は立木の 材質診断法と して実用 化され、広く 普及する 見込みが高い と考えら れる。そこ で,本研究で は横打撃 共振法の実用 化を目指 したつぎの研 究を行っ た。 1)樹幹を打 撃した場 合,本法で診 断指標と なる横打撃共 振周波数 以外にも 複数の周波数 ピークが 含まれる。こ のため, 横打撃共振周 波数を顕 著に出現さ せる必要があ る。また ,大径木では 横打撃共 振周波数を特 定しにく いことが経 験的に知られ ている。 そこで,打撃 に使用す る木製ハンマ ーの質量 に着目し, 大径木におい て横打撃 共振周波数の 検出に及 ぼすハンマー 質量の影 響を調査し た。 2)スギの心 材色は赤 色系~黒色系 まで変化 に富んでおり ,心材色 は材価に 影響を及ぼす 重要な因 子である。横 打撃共振 法によってス ギ心材含 水率を推定 することが可 能であり ,またスギ心 材色は心 材含水率と関 連がある ことが知ら れている。そ こで,こ の関係に基づ いてスギ 立木の心材色 を本法に よって推定 できるか検討 した。 3)腐朽診断 に向けた 予備研究とし て,ヒノ キ健全木にお いて横打 撃共振法 による測定値 の分布を 明らかにした 。腐朽・ 空洞円盤を用 いて,そ の大きさと 本法による測 定値との 関係を明らか にした。 これらの研究 によって ,本法によ る腐朽・空洞 の診断の 可能性を検討 した。 4)横打撃共振 法を用 いてクロマツ 立木240本について腐 朽・空洞 面積率を推 定した。この うち数本 を伐採し,実 際の腐朽 ・空洞面積と 本法によ る推定値を 比較し,本法 の精度を 検証した。
4 横打撃共振法 の原理 樹幹を木製ハ ンマーで 打撃すると ,樹幹 は固 有の共振周波 数で振動 する(Fig. 1)。 こ のう ち , 本 法の 診 断指 標 と なる 横 打 撃 共 振周 波 数Frは ,樹 幹 断 面方 向 の 伸縮振動のう ち1次共 振周波数であ る( 釜口 ら,2000)。なお ,こ の振動のモー ド形状は樹幹 断面の円 周に4点の節 と腹を有 している(Fig. 2)。通 常,打撃部 の樹幹直径が 概ね20㎝以上の場合,0~25H zのピークを 除き,顕 著に出現した 周波数ピーク のうち、 最も低周波の ものが横 打撃共振周波 数となる ことが経験 的に知られて いる(Fig. 3)。
Fig. 1. Lateral impact vibration method.
横打撃共振周 波数 Frと樹幹直 径 Dの積 DFrには次 式 が 成 り 立 つ( 小 玉 ら ,1999; 釜口ら,2000)。
(1)
ここで,D:樹幹直径(cm),Fr:横打撃共振 周波数(Hz),E:樹幹 横断面方向の ヤ ング率(Pa),ρ :見 かけの密度(g/cm3),k:形状係数。
5 一般的に密度 が大きく なればヤング 率も大き くなることか ら(北 原 ,1967), 材質の劣化・ 欠点のな い健全木であ れば,E/ρはある一定 の範囲に 分布する。 こ のた め ,( 1 ) 式か らDFrは 同 一 樹種 の 健 全 木で あ れ ば 一定 の 範 囲 に分 布 す る と考えられる 。これに 対して,心材 の含水率 が高い木では 密度ρが 高く,(1) 式 か らDFrは 低 く な る こ と か ら ,DFrを 指 標 と す れ ば 心 材 含 水 率 の 推 定 が 可 能 で ある(釜口 ら,2000;釜口ら,2001)。また ,心材部が 腐朽・空洞 した木ではDFr が無空洞の値 よりも低 くなることが 実験的に 示唆されてお り(小玉 ら1999,釜 口1999),DFrを指標と すれば腐朽・ 空洞の有 無を判定でき る可能性 がある。
Fig. 2. Vibration mode of lateral-impact resonance frequency.
Fig. 3. Frequency spectrum.
Black triangle indicates lateral-impact resonance frequency.
6 第Ⅰ章 横打撃共振法 による9 樹種大径木の 共振周波 数の検出に及 ぼすハン マー質量の 影響 1 .はじめに 前 述 し た よ う に 横 打 撃 共 振 周 波 数 Fr は 打 撃 時 に 発 生 す る 樹 幹 断 面 方 向 の 伸 縮振動の1次 共振周波 数である。し かし,打 撃された樹幹 の振動・ 音には本法 で診断指標と する Fr以外にも,通常複数 の 周波数が発生 している ため,Frがほ かの周波数ピ ークと比 べて小さいと ,Frを同定できない可 能性があ る。とくに, 大径木で は Frを特定 しにくいこと が多いこ とから(陶 山 2011),Frを確実に検 出する手法を 開発する ことが重要な 課題とな っている。 本法において 樹幹を打 撃する際には 木製ハン マーや樹脂製 ハンマー を使用す るが,これら のハンマ ーの材質,形 状あるい は質量が打撃 された樹 幹の振動・ 音に及ぼす影 響につい て詳細に検討 された例 はない。そこ で,本研 究ではハン マー質量に着 目し,大 径木において ハンマー 質量が横打撃 共振周波 数 Frの検出 に及ぼす影響 を明らか にすることを 目的とし た。大径 木の9樹 種 21 本に対して 質量の異なる 8種類の 木製ハンマー で打撃し ,マイクロフ ォンを使 用してその 時の樹幹の音 の周波数 スペクトルを 計測した 。そして、各ハン マー におけるFr の検出の検出 力を算出 して,Frを検出しやす いハンマー質 量を明ら かにした。 さらに,ハンマ ーの軽 量性と Frの検出力 の 両面を考慮し た実用的 なハンマー質 量について考 察した。 2.試験方法 2011 年 8 月上旬~2012 年 3 月下旬 ,島根 県 内の各調査地 において 供試木を設 定 し , 横 打 撃 共 振 法 に よ る 測 定 を 行 っ た ( Table 1)。 供 試 木 は 9 樹 種 の 計 21 本で,胸高 直径が 57.5~107.0cm の大径木で ある。供試 樹種はク ロ マツ(Pinus
thunbergii), モ ミ (Abies firma), ス ギ (Cryptomeria japonica), ヒ ノ キ
(Chamaecyparis obtusa), ケ ヤ キ (Zelkova serrata), タ ブ ノ キ (Machilus
thunbergii),ソメ イヨ シノ(Prunus×yedoensis),セ ンダン(Melia azedarach),
クロガネモチ (Ilex rotunda)である。 地上高 1.2mにおいて 各供試木の樹 幹を質量 の異なる8種 類の木製 ハンマー で打撃した 。この 時の 打撃音をマイ クロフォ ン(小野 測器製 ,MI-1431)が接続 された携帯型 の FFT アナライザー(同社 製,CF-1200)で計測し た。打撃方向と樹 幹に向けたマ イクロフ ォンの方向は 互い に 90°とし,マイクロ フ ォンは樹幹か ら 10cm 離して計 測し た。各供試木に ついて 樹幹の同一位 置におい て,同一の力 となるよう留 意して3 回打撃し,FFT アナラ イザーで算出 された周 波数スペク
7 Species Locationb) 1 Pinus thunbergii A 67.4 21.9 475 32.0 2 A 78.2 25.3 188 14.7 3 A 83.2 25.9 350 29.1 4 Abies firma C 72.5 30.7 155 11.2 5 C 74.0 22.7 345 25.5 6 B 81.8 24.1 265 21.7 7 Cryptomeria japonica C 69.5 27.0 320 22.2 8 B 76.3 22.2 320 24.4 9 C 97.8 33.4 210 20.5 10 Chamaecyparis obtusa D 58.3 26.8 610 35.6 11 D 62.5 29.1 500 31.3 12 Zelkova serrata E 91.5 27.9 270 24.7 13 Machilus thunbergii A 71.1 15.5 588 41.8 14 A 105.4 17.9 175 18.4 15 Prunus×yedoensis A 57.5 9.5 525 30.2 16 A 75.5 8.4 525 25.4 17 F 84.5 7.7 300 25.4 18 Melia azedarach G 107.0 16.4 65 7.0 19 Ilex rotunda A 76.5 16.2 360 27.5 20 A 94.0 18.4 330 31.0 21 A 103.7 19.6 115 11.9 a)
The sample trees were arranged according to species and stem diameter d. b)All locations are in Shimane prefecture. A: Tonomachi, Matsue city (Matsue Jozan Park). B:Tamayu, Tamayu town, Matsue city. C: Nishi-kawatsuchou, Matsue city (Rakuzan Park). D: Shimo-kizima, Inan town. E: Kaga, Shimane town, Matsue city. F: Minami-tamachi, Matsue city.
c)
measured at breast height. d)d・f is the index of the degree of decay or hollowness inside a tree trunk.
Table 1. Sample trees. Tree numbera) Stem diameter dc) (cm) Height (m) Resonance frequency f (Hz) d・fe) (cm・kHz) トルを記録し た。3回 の平均スペク トルを求 めて解析に供 した。本 法の診断指 標となる横打 撃共振周 波数 Frをこの平均 ス ペクトルにお いて同定 した。 FFT の解析条件 は原則 ,サンプルデ ータ数:1024,周波数 レンジ:1~2000Hz (本機器にお いて,こ の設定では分 解能:5 Hz,サンプ リング間隔:195μsec., サンプリング 時間:200msec.となる。)に 設 定した。ただ し,クロ マツ,モチノ キおよびソメ イヨシノ では打撃音の 減衰が大 きく,前述の 解析条件 では共振周 波数のピーク が明瞭に 出現しなかっ たことか ら,クロマツ とタブノ キでは周波 数レンジ:5kHz(分 解能:12.5Hz,サンプ リング間隔:78μsec.,サンプリン
8 グ時間:100msec.), ソメイヨシノ では周波 数レンジ:10kHz(分 解能:20Hz, サンプリング 間隔:40μsec.,サンプリング 時間:50msec.)とし ,サンプリン グ間隔・時間を短 くし た。また,センダンで は横打撃共振 周波 数Frが 100Hz を 下回ったため ,周波数 レンジ:1~1000Hz に 設定し,分解 能を 2.5Hz と高めた。 木製ハンマー は市販の 8種類を使用 し,No.1~7 は(有) 堂内製( 兵庫県三 木市),No.8 は浅香工 業(株)製( 大阪府堺 市)である。 材種はい ずれもカシ 類製である。 各ハンマ ーは打撃点が 一点とな るよう,ハン マー頭部 片側の打撃 面を切削して 球面に加 工した。これ らの加工 後,No.1~8 の各ハン マーの質量 はそれぞ れ 101,208,256,449,710,837,1442,3250g であっ た。 横打撃共振周 波数 Frの検出力を評 価するた め,評価指 標として比 率 Rfを設定 した。Rfは測定された 周波数スペク トル(ス ペクトル関数)の電圧 の総合計(mV) に対する Fr(Hz)にお ける電圧 Vf(mV)の比 率として,次式によ っ て算出した。 Rf = Vf/Σg(k) ここで,g(k):スペク トル関数(mV)。k=5,10,・・・2000(Hz),ただ し,クロ マツとタブノ キで は k=12.5,25,・・・5000(Hz),ソメ イヨシノ では k=20,40,・・・ 10000(Hz),センダン では k=2.5,5,・・・1000(Hz)。 比率 Rfが小さい場 合,周波数スペク トルに対 して横打撃共 振周波 数 Frは相対 的に小さいた め Frは 検出しにくい ことを意 味する。一方 ,Rfが大 きい場合 ,同 スペクトルに 対し て Frは相対的に大 きいた め,検出しや すいと言 える。 実際の診断現 場におい て使用するハ ンマーは ,周波数スペ クトル上 で横打撃 共振周波 数 Frを確実 に認識できる と同時に ,携帯する上で 軽量で あることが好 ましい。そこ で,実用 的なハンマー 質量の条 件として,供 試したハ ンマーの中 で「周波数スペ クトル 上で Fr(Hz)を1番目 あるいは2番 目に大き い電圧とし て検出できる もののう ち,最も軽量 であるハ ンマー」と設 定した。 各供試木に ついてこの条 件を満た すハンマー質 量を求め ,樹幹直 径DFrおよび DFrに対応す る実用的なハ ンマー質 量を検討した 。 3.試験結果 同一供試木を 同一ハン マーで打撃し た場合, 3回の周波数 スペクト ルにほと んど差はなか った(Fig. 4)。 全供試木 にお いて横打撃共 振周波 数 Frの検出が 可能であった (Table 1)。供 試木の DFrは 7.0~41.8cm・kHz に及んだ。DFr が 15cm・kHz 未満と比較的低い個体 が4本あ った。供試木 のうちモ ミとセンダ ンの周波数ス ペクトル を Fig. 5 に示す。 モ ミにおける Frはいず れの木製ハン マーにおいて も共通し て 265Hz に発生してい た。しかし, 質量の小 さいハンマ
9 ーでは 500Hz 以上の周波数帯のピー クが大き い傾向で,質 量の大き いハンマー になるにつ れ 500Hz 以下の周波数帯 のピーク が大きくなる 傾向であ った。とく に質量の小さ いハンマ ーでは Frの電圧は 極 めて小さかっ たが,質 量の大きいハ ンマーになる ほど大き くなる傾向で あった 。センダンにお ける f は 65Hz に共通 して発生して いたが, 質量の小さい ハンマー では微小であ った。ほ かの8樹種 供試木 19 本にお いて も同様で,質量 の小さ いハンマーで は高周波 側の,質量の 大きいハンマ ーでは低 周波側の周波 数ピーク が発生する傾 向であっ た。 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0 500 1000 1500 2000 V ol t ag e (m V ) Frequency (Hz) First impact Second impact Third impact
Fig. 4. Frequency spectrum after 3-time-consecutive impact in Abies firma by No.5 hammer. ハンマー質 量と比 率 Rfの関係を 樹種別 に Fig. 6 に示す。 全 供試木におい て も,ハンマー質 量が大 きくなるにつ れ,Rfが大きくなる傾 向だった 。Rfは 1442g または 3250g のハンマ ーで最大とな った。ハ ンマー質量 と Rfにつ いて2次式で 回帰分析した ところ, 回帰曲線の決 定係数 は R2 = 0.54~0.99 であったことか ら,回帰曲線 は両者の データと良く 適合して いることが示 された。 各回帰曲線 について有意 性を検討 したところ(F 検定 ),21 本中 18 本において p < 0.05 で有意性が認 められた 。 各供試木に おける実 用的なハンマ ー質量と ,樹幹直径 D,横打撃 共振周波数 Fr(Hz)および DFrの 関係を Fig. 7 に示す 。Dが大きくな るにつ れ,また Frと DFrが 低 く な る に つ れ , 実 用 的 な ハ ン マ ー 質 量 は 概 ね 指 数 関 数 的 に 大 き く な る 傾 向で あ っ た (R2 = 0.20~ 0.47, 下 記 の 2 本 は除 く )。 な お , 最 も 質量 の 大 き い No.8(3250g)のハ ンマーで も Frの電圧 が最も大きく はならな い供試木が2 本あり,その 樹幹直径 は 91.5,103.7 ㎝と大 きかった。Frの電圧 を2番目以上 に大きくでき る最も軽 量のハンマー は,d が 58~80cm では 208~1442g で,80
10 ~107cm では 256~3250g であった。 0 0.1 0.2 0 0.1 0.2 V o lt ag e ( m V ) 0 0.4 0.8 0 500 1000 1500 2000 Frequency (Hz) 0 0.1 0.2 0 0.1 0.2 0 0.1 0.2 0 0.1 0.2 0 0.1 0.2 0 0.1 0.2 V o lt ag e ( m V ) 0 0.4 0.8 0 0.4 0.8 0 0.4 0.8 0 0.4 0.8 0 0.4 0.8 0 0.4 0.8 0 250 500 750 1000 Frequency (Hz) 0 0.4 0.8 No.8 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7 No.1 No.8 (3250 g) No.2 (208 g) No.3 (256 g) No.4 (449 g) No.5 (710 g) No.6 (837 g) No.7 (1442 g) No.1 (101 g)
A
B
Fig. 5. Frequency spectrum in Abies firma (A) and Melia azedarach (B) upon impact with each hammer (No.1-8).
11 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 0 2000 4000 Rf (1 0 -2) Hammer weight (g) Abies firma 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 0 2000 4000 Rf (1 0 -2) Hammer weight (g) Criptomeria japonica 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 0 2000 4000 Rf (1 0 -2) Hammer weight (g) Ilex rotunda 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 0 2000 4000 Rf (1 0 -2) Hammer weight (g) Machilus thunbergii 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 0 2000 4000 Rf (1 0 -2) Hammer weight (g) Chamaecyparis obtusa 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 0 2000 4000 Rf (1 0 -2) Hammer weight (g) Zelkova serrata 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 0 2000 4000 Rf (1 0 -2) Hammer weight (g) Melia azedarach 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 0 2000 4000 Rf (1 0 -2) Hammer weight (g) Prunus×yedoensis 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 0 2000 4000 Rf (1 0 -2) Hammer weight (g) Pinus thunbergii ○: No.1: y=-2.7・10-7x2+1.1・10-3x+0.87, R2=0.63 ◇: No.2: y=-1.8・10-8x2+4.1・10-4x+0.22, R2=0.92** □: No.3: y=-2.0・10-7x2+1.0・10-3x+0.27, R2=0.98*** ○: No.4: y=-2.0・10-7x2+1.5・10-3x+0.39, R2=0.98*** ◇: No.5: y=-1.0・10-7x2+9.3・10-4x+0.16, R2=0.95*** □: No.6: y=-1.2・10-7x2+9.7・10-4x+0.13, R2=0.97** ○: No.7: y=-1.6・10- 7x2+1.0・10-3x+0.66, R2=0.92** ◇: No.8: y=-1.6・10- 7x2+8.7・10-4x+0.20, R2=0.99*** □: No.9: y=-7.9・10- 8x2+4.6・10-4x+0.24, R2=0.92** ○: No.10: y=-1.2・10- 7x2+6.4・10-4x+0.43, R2=0.97*** ◇: No.11: y=-1.2・10- 7x2+5.4・10-4x+0.99, R2=0.63
○: No.12: y=-7.9・10-8x2+3.9・10- 4x+0.20, R2=0.87* * ○: No.13: y=-2.9・10-8x2+1.2・10-3x+0.40, R2=0.88**
◇: No.14: y=-7.1・10-8x2+4.4・10-4x+0.27, R2=0.85**
○: No.15: y=-1.6・10- 7x2+6.8・10-4x+0.37, R2=0.54
◇: No.16: y=-3.8・10- 7x2+1.9・10-3x+0.12, R2=0.97***
□: No.17: y=-2.3・10- 7x2+1.3・10-3x-0.09, R2=0.97***
○: No.18: y=-3.2・10-8x2+2.7・10- 4x+0.15, R2=0.93* * ○: No.19: y=-1.1・10-7x2+5.6・10-4x+0.39, R2=0.73*
◇: No.20: y=-1.1・10-7x2+5.8・10-4x+0.26, R2=0.84*
□: No.21: y=-1.7・10-8x2+1.1・10-4x+0.09, R2=0.77*
Fig. 6. Relationship between hammer weight and Rf in sample trees.
Note: Rf was calculated as the ratio of the voltage (mV) in f (Hz) to the sum of the voltages (mV) in the whole observed frequency spectrum. Each sample tree was impacted by 8 hammers of differing weights. *: Significant at 5% level, **: Significant at 1% level, ***: Significant at 0.1% level.
12 y = 15e0.045x R² = 0.47 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 0 40 80 120 H am m e r w e ig h t (g ) d (cm) (B) y = 2216e-0.004x R² = 0.45 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 0 250 500 750 H am m e r w e ig h t (g ) f (Hz) (B) y = 36e0.039x R² = 0.30 0 1500 3000 4500 0 40 80 120 H am m e r w e ig h t (g ) d (cm) (A) over 3250 y = 3451e-0.004x R² = 0.39 0 1500 3000 4500 0 250 500 750 H am m e r w e ig h t (g ) f (Hz) (A) over 3250 y = 2495e-0.060x R² = 0.32 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 0 15 30 45 H am m e r w e ig h t (g ) d・f (㎝・kHz) (B) y = 4156e-0.063x R² = 0.30 0 1500 3000 4500 0 15 30 45 H am m e r w e ig h t (g ) d・f (㎝・kHz) (A) over 3250
Fig. 7. Relationship of hammer weight for practical use to stem diameter D, resonance frequency Fr and DFr. The conditions of the hammer weight for practical use are that
the hammer should detect the resonance frequency as the largest (A) or second largest (B) voltage in a spectrum and that it should be the lightest.
4.考察 本研究では胸 高直 径 58~107cm の9樹種 の 大径木 21 本につ いて ,質量 101~ 3250g の8種類の木製 ハンマーで打 撃して, その時の樹幹 打撃音の 周波数スペ クトルを調査 した。全 供試木におい て横打撃 共振周波 数 Frを検出 できた。この ことから,大 径木にお いても DFrを指標とし て本法による 材質の診 断が可能で あることが示 された。 なお,DFrが 15cm・kHz 未満と低い個体 が4 本あった。 健全木の DFrの調査例 ではクロマ ツ 30 本は 28.2~35.5 cm・kHz3),ヒノキ約 100 本は 29.7~42.1cmkHz(陶山ら,2010)に分布すると報告 があるこ とから,ク ロマツ No.2(14.7 ㎝ kHz)は腐朽・空洞が 発生している と考えら れ,この他の 3本について も腐朽・ 空洞が発生し ている可 能性が高いこ とが推察 された。 全供試木にお いて質量 の小さいハン マーでは 高周波側の周 波数ピー クが発生 し,ハンマー 質量が大 きくなるにつ れ低周波 側のピークが 発生する 傾向であっ た。供試木の中 には,質量の小さい ハンマー では横打撃共 振周波 数 Frの電圧が 極めて小さく ,Frの同定が困難な場 合もある ことが分かっ た。横打 撃共振周波 数 Frの検出力を 評価 する比率 Rf を算出し たところ,Rfは 全供試 木においてハ ンマー質量が 大きくな るにつれ,大 きくなる 傾向で(R2 = 0.54~0.99),1442g
13 または 3250g のハンマーで最大とな った。し たがって,本 研究で調 査した範囲 の大径木を診 断する場 合,1442~3250g 程度 の質量の大き いハンマ ーにおいて , 横打撃共振周 波数 Frを最も検出し やすいこ とが示された 。 コンクリート に剛球で 衝撃を与えた 場合,剛 球の質量が大 きいと, 衝撃時の 両者の接触時 間が長く なり,この結 果コンク リートからの 衝撃音に は低周波域 が励起される ことが報 告されている(後藤,2010;岩野ら,1997)。樹幹を木製 ハンマーで打 撃した場 合においても ,ハンマ ー質量が大き くなるに つれ,ハン マーと樹幹の 接触時間 が長くなり, 励起され る周波数域が 低くなる と考えられ る。横打撃共振 周波 数 Frは健全木 の場合,樹 幹直径が大き くなるつ れ低下し(小 玉ら,1999;釜口ら,2000)。含水 率などの 材 質によって変 動する( 釜口ら,2000; 釜口ら,2001;中田・田村,2006;井城ら ,2010)。また ,樹幹 内 部に腐朽・空 洞が発生して いると,Frは健全木 の値よりも 著しく低下す ることが 分かってい る(陶山ら,2012;陶山ら,2010)。す なわ ち,これら要 因によ り Frが低くな った個体にお いて,Frの電圧を顕著 に検出す るには,質量 の大きい ハンマーを 使用して Frが含ま れ る低周波域を 励起する 必要がある。 ハンマーと樹 幹の接触 時間が長くす るこの他 の要因として ,樹皮の 影響が考 えられる。樹 皮が厚く 軟質な場合, ハンマー と樹幹の接触 時間が長 くなり,軽 量のハンマー でも低周 波域が励起さ れやすく なることが考 えられる 。本研究で は伐採調査を 行ってお らず樹皮の厚 さや硬さ を計測するこ とはでき なかったが , 樹皮の影響に ついては 今後の検討課 題である 。また,ハン マーの打 撃部をゴム 製などの軟質 な材料に 変えることに よって, 接触時間を長 くするこ とも可能と 思われる。打 撃部がゴ ム製のハンマ ーであれ ば質量の大き いハンマ ーでも打撃 による樹幹の 付傷に対 して配慮でき る。横打 撃共振法の測 定に適し た材質・質 量・形状のハ ンマーの 開発が求めら れる。 軽 量 性 と 横 打 撃 共 振 周 波 数 Fr の 検 出 力 の 両 面 を 考 慮 し た 実 用 的 な ハ ン マ ー 質量について 検討した ところ,供試 木の樹幹 直径 Dが大 きくなるに つれ,また Frと DFrが低 くなるに つれ,実 用的なハ ンマ ー質量は大き くなる傾 向であった 。 腐朽・空洞な どが生じ て Frある いは DFrが 低い個体であ るかどう かは診断前に は分からない ことから ,はじめて診 断する木 では樹幹直径 によって 適当な質量 のハンマーを 選択する のが良いと考 えられる 。Frの電圧を2番目以 上に大きく できる最も軽 量なハン マーは D が 80cm 未満 では質量 208~1442g のもの,80cm 以上では 256~3250g のものが適し ていた。この質量の範 囲は広く ,ハンマー選 択の明確な基 準とは言 えないが,現 場で診断 する際の一つ の目安に なる。 本研究では大 径木を対 象としたが, 本研究の 結果から推察 すると小 ~中径木 では質量が小 さいある いは中庸のハ ンマーが 適しているこ とが推察 される。今 後はこれら小 ~中径木 についても,横 打撃共 振周波数 Frの検出 に 及ぼすハンマ
14 ー質量の影響 を明らか にする必要が ある。 なお,本法と 同様にハ ンマーで幹を 打撃し, 打撃音を人間 の聴覚で 聞き分け て腐朽・空洞 の発生を 診断する方法 が,打診 法と呼ばれて いる(小 林,2008)。 打診法の判定 基準は共 振周波数が低 い場合, 腐朽・空洞が 発生して いると判断 されることか ら(陶 山 ,2011),打診 法にお いても大径木 では質量 の大きいハン マーで打撃す るなど, 樹幹に応じて 使用する ハンマー質量 を選択す る必要があ ると考えられ る。 5. まとめ 横打撃共振周 波数 Fr の検出に及ぼ すハンマ ー質量の影響 を明らか にするため , 胸高直径 58~107cm の9樹種大径 木 21 本を,質量の異なる 8種類(101~3250g) の木製ハンマ ーで打撃 した。全供試木 におい て Frを同定するこ と ができ,大径 木においても DFrを指 標として材質 の診断が 可能であるこ とが示さ れた。質量 の大きいハン マーでは 低周波側の周 波数ピー クが発生しや すくなる 傾向であっ た。ハンマー質 量と Frの検出力の関 係を検 討したところ,ハンマ ー質量が増加 するにつ れ Frの検出 力が高くなる 傾向であ った(R2 = 0.54~0.99)。このこと から,大径木に おいて は質量の大き いハンマ ーで Frを検出しや す いことが示さ れた。また,軽 量性と Frの検出力 の両面を 考 慮した実用的 なハンマ ー質量につ いて考察した 。
15 第Ⅱ章 横打撃共振法 によるス ギ立木の心材 色の推定 1. はじめに スギの心材は 通常,淡 紅色から赤橙 色であり ,これらは赤 心と呼ば れる。これ に 対して黒褐色 から黒色 を帯びている 場合があ り,黒心 と呼ばれ てい る。赤心 材は化 粧性が高く, 造作材や 板類としての 用途が高 い。直径 30 ㎝未満の 小・中径丸太 は 主として柱材 として利 用されるが,そ の丸太 から製材した 柱材の表 面に心材が現 れ ることは少な い。この ため,同 直径の大 径の 丸太は心材色 によって 価格差が生じ る こ とは 少 な い( 農 林 水 産 省農 林 水 産技 術 会 議 事 務局 , 1997; 駒木 , 1995)。 一方 , 直径 30 ㎝以上の丸太 は構造材や合 板用材と して利用され るほか, 赤心であれば 化 粧性の高い造 作材とし ての用途が加 わる 。こ のため,同直径の 赤心 の丸太は黒心 と 比較して高い 価格で取 引される場合 が多い。さらに,黒心 は含水率 が高いため( 農 林水産省農林 水産技術 会議事務局,1997;森 川ら,1996;藤 原・岩 神,1989;松山 , 1976), 乾燥 に 時 間・ コス ト を 要し , 乾 燥の 仕上 が り のば ら つ きの 原因 に も なる 。 したがって,ス ギを長 期間育成して 化粧性の 高い赤心の良 質材を生 産することを 施 業目標とする 場合,黒 心は価格差の ない小・中径木のうち に選択的 に間伐・利用し, 主伐時に赤心 材を収穫 することは林 業経営上 の意義がある 。 スギ心材の含 水率と材 色には関連が あること が知られてお り,心材 は含水率が 高 くなるにつれ ,L*a*b*表色系の明度 L*が低 くなり黒色を 帯びるこ とが報告され てい る(農林水 産省農林 水 産技術会議事 務局,1997;森川ら,1996;藤原・岩 神 ,1989; 松山 ,1976)。 し たが って , 立 木状 態 で 心材 含水 率 が 推定 で き れば ,推 定 し た心 材 含水率から心 材色を非 破壊的に推定 すること が可能と考え られる。この原理に基 づ いた心材色の 非破壊診 断法として ,電気 伝導 率,超音 波伝播速 度あ るいはγ線透 過 率を 用 い た手 法 が 検討 され て い る( 農 林 水産 省農 林 水 産技 術 会 議事 務局 ,1997)。 しかし,これ ら手法は 測定に際して 幹に傷を 付ける,計測 が長時間 ,精度が不十 分 あるいは計測 機器が高 額といった問 題点から 実用化には課 題が残っ ている。これ に 対し て 横 打撃 共 振 法は 簡易 な 心 材含 水 率 の推 定法 で あ る( 釜 口 ら, 2000;釜 口 ら , 2001)。 そこ で , 1) 本法 に よ って 心 材 含水 率の 推 定 が可 能 で ある ,2 ) 心 材含 水 率が高くなる につれ心 材の明度 L*は低 下し黒 色化する―と いう前提 に基づけば ,本 法によってス ギ立木の 心材色を推定 できる可 能性がある 。しか し,本法による心 材 色の推定が試 みられた 例はない 。そこで ,本 研究では島根 県内のス ギ7林分にお い て横打撃共振 法による 計測と伐採調 査を行い ,本法によって スギ立 木の心材の明 度 L*を推定で きるか検 討 した。そして,実 際の 施業において 本法を用 いて心材色を 推 定する実用上 の意義に ついて考察し た。
16 2. 試験方法 2.1 横打撃共 振法によ る測定 2008 年 1~2 月および 2012 年6月,島根 県 内の樹齢 33~56 年生 のスギ7林分 を 調査林分とし て設定し た(Table 2)。調査木 の胸高直径は 12.1~69.5 ㎝で,平均 28.3 ㎝であった。 各 調査林分にお いて 100 本(以下, 測定木と 呼ぶ。) を設定し , 横打撃共振法 による測 定をつぎのよ うにして 行った。調 査木の地上 高 1.2mで樹 幹 の直径 D を計測し,同 地上高で樹幹 を木製ハ ンマーで打撃 した。ハ ンマーは市販 の 小型 木 製 ハン マ ー (( 有) 堂 内 製, 頭 部 径: 4cm, 重 量:180g, カ シ類 製 ) を使 用 し た。 こ の 時の 樹 幹 の 振 動を 同 地 上高 で 加 速 度 セン サ ー (小 野 測 器 製 DP‐ 4120) を用いて検出 し,横打 撃共振周波数 を FFT アナライザー(同 社製 ,CF-1200)によっ て読み取った 。FFT( 高速フーリエ 変換 )の 解析条件はサ ンプル数:256,周 波数レ ンジ 1~2000Hz,分解 能:20Hz に設定した 。打撃方向とセ ンサーの 位置は樹幹に 対 して互い に 90°とし た。 2.2 心材の含水 率と材 色 2008 年 3~4 月および 2012 年6月, 各調 査林分におい て測定木 のうち無作為 に 選抜した8~15 本, 計 74 本(以下,伐採 木と呼ぶ 。)を伐 倒し た。伐倒後, 本法 によって測定 した地上 高の 1.2mで,厚さ5 ㎝の円板を採 取し,島 根県中山間地 域 研究 セ ン ター に 持 ち帰 った 。 円 板は 計 測 時を 除い て ポ リエ チ レ ン製 の袋 に 密 封し , 冷暗所に保管 して乾燥 を防止した。なお,円 板の木口面を 観察した ところ,被圧 に よる枯死 ,スギカ ミキ リの加害ある いは木部 の腐朽が生じ た円板が 4個あり ,これ ら円板を採取 した木は 調査対象の伐 採木から 除外した。 各円板につい て心材含 水率と心材色 を測定し た。測定は円板 の採取 1週間以内 に 行った。円板から 髄を 含むようにし て長径方 向に幅2㎝ ,厚さ 5㎝ のストリップ を 採取 し た 。こ の ス トリ ップ を 心 材と 辺 材 に分 割し た の ち, 長 さ 2cm 間隔 で 切断 し て円板断面方 向に対し て2(幅)×5(厚 さ )×2(長さ)cm の材片を採取し た。 各材片を 105℃で 48 時間,乾燥し たのち各 材片の生材含 水率を全 乾法により算 出 し た 。 各 円 板 の 心 材 の 材 片 の 平 均 含 水 率 を 算 出 し , こ れ を 各 伐 採 木 の 心 材 含 水 率 Mcとした。 心材色はつぎ の方法に よって評価し た。乾燥 後の心材部各 材片の1 柾目面に対 し て 分 光 式 色 彩 計 (Spectro Color Meter SE-2000,日 本 電 色 )を 用 い て ,L*a*b*表 色 系 の各値 L*,a*,b*を測 定した。測定は1 材片 あたり3か所 行い ,そ の平均値を各 材 片の値とした 。心材色 は明度 L*のほか,色 相 b*/a*,彩度(a*2+b*2)0.5についても 算 出した。
3. 結 果
17
測 定 木 と 伐 採 木 の 平 均 DFr は 林 分 に よ っ て 有 意 な 差 が あ っ た ( Tukey's test,
p<0.05)(Table 2)。 全測定木と全 伐採木の 両者において 樹幹直 径 D と DFrに負の 相関がそれぞ れ認めら れた(r = -0.34,p< 0.01; r = -0.42,p< 0.01)。
Misato1 Chihara, Misato-cho 35 16.6-47.5 (26.5)b) 30.2ac) -0.67*** 8 32.3ac) -0.64***
Misato2 Kami-kawado, Misato-cho 33 12.1-28.6 (19.5) 27.8ba) -0.11*** 14 29.0b -0.49*** Misato3 Yukakae, Misato-cho 33 14.0-35.4 (22.6) 27.9ba) -0.25*** 11 27.4b -0.28***
kawamoto1 Inbara, Kawamoto-cho 43 14.7-48.6 (28.5) 27.1ca) -0.32*** 14 28.0b -0.59***
kawamoto2 Inbara, Kawamoto-cho 43 16.1-56.9 (30.3) 25.9da) -0.29*** 8 27.1b -0.30*** Oda Yamaguchi-cho, Oda city 43 18.0-53.5 (32.3) 28.1ba) -0.21*** 10 30.0ab -0.63*** Iinan Shimokizima, Iinan-cho 56 22.4-69.5 (38.5) 24.0ea) -0.05*** 9 23.4c -0.35***
Total 12.1-69.5 (28.3) 27.3ac) -0.34*** 74 28.2 -0.42***
a)One hundred tress were measured in each stand. b)Average diameter at breast height.
c)Values with the same letter are not significantly different at p < 0.05 by Tukey's test. d)Coefficient of correlation between D and DFr. *Significant at p < 0.05; **p < 0.01; ***p < 0.001.
rd) Trees measureda) Average
DFr DBH
Table 2. Measurement values of sample trees in each stand.
rd) Trees cutted n Average DFr Location Stands studied Tree age Fig. 8 に全測定木と 全伐採木の樹 幹直径 D と DFrの分布を 示す 。全伐採木に おけ る D と DFrの回帰 直線 は y = -0.20x + 32.9(r = -0.42,p< 0.01)であり,D が 大きくなるに つれ DFrが低下する傾 向であっ た。また,各 林分の林 齢と平均 DFrの 回帰直線は全 測定木 でy = -0.19x + 35.2(r = -0.81,p < 0.05),全伐採木 で y = -0.24x + 37.9(r = -0.69,p > 0.05)であ り,林齢が高 くなるに つれ DFrが低下 する傾向であ った。 既往の報告で は,心 材 含水率の指標 とし て 1/(DFr)2あるいは 1/DFrが用いられて いる(釜口ら ,2000;仲田・田村,2006;井城ら 2010)。前述 した ように DFrも指 標とすること ができ,これら3つの 指標は同 義である。こ れらの指 標は,心材含 水 率などの材質 が変化し なければ,直 径 Dの大 きさに依らず 一定であ ることを前提 と している 。しかし ,本 調査結果で は Dが大き くなるにつ れ DFrが低下する傾向で あ った。Dと心材含 水率Mcには相関が認め られ なかったこと から(r = 0.11,p > 0.05), 直径 D が大きくなる につれ,Mc以外のな ん らかの材質が 変化して ,DFrが低下し た ものと考えら れる。こ のため,DFrを指標と すれば,D に伴 う DFrの低下を考慮 でき
18 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 0 20 40 60 D Fr (c m kH z) D (cm) Regression line (trees cutted):
y = -0.20x + 32.9, r= -0.42, p< 0.01 +: trees measured ○: trees cutted ず,Mcの推定誤差が 大 きくなる。そこで,こ の D と DFrの関係を考 慮するため ,Fig. 7 の回帰直線を 基準に して各伐採木 の DFrの増減率 R(% )を次式 によって算出 し, Mcを推定す る指標と し た。そして ,R を Mcお よび心材色の 明度,色 相,彩度と 比較 した。 (2) DFr の増減率 R と心 材 含水率 Mcに負の相 関 が認められた (r = -0.71,p < 0.01) (Fig. 9)。Mcと明度 L*に負の相関が 認めら れた(r = -0.70,p < 0.01)(Fig. 10)。 Mc と 彩 度 (a*2+b*2)0.5 に や や 低 い 負 の 相 関が 認 め ら れ た (r = 0.54,p < 0.01)。Mc と色相 b/a に相関は 認められなか った(r = 0.18)。そして ,Fig. 11 に示すよう に,R とL*にやや低 い 正の相関が認 められた (r = 0.53,p < 0.01)。 DFr の増減率 R の階 級 別の心材含水 率 Mcの 出現割合を示 す(Fig. 12)。4つ以 上 のR の階級 で Mcを区 分した場合に は,階級 間で Mc に有意な差の ない組み合わ せが あっ た こ とか ら , 3つ の階 級 に 区分 し た 。そ の結 果 ,R が-50%~-5% の階 級 では Mcが 100~241%と高い個体が約7 割を占め たが,-5~5%と 5~30%の階級では Mc が 52~100%と低い個 体が7,9割を占 めた 。Rの各階 級の平 均 Mcは階級が上が る につれ,高く なる傾向 で,各階級に は有意な 差があった(Tukey's test, p<0.05)。
19 y = -2.3x + 97.6 r = -0.71, p < 0.01 0 40 80 120 160 200 240 280 -50.0 0.0 50.0 Mc (% ) R(%) y = -0.04x + 77.5 r= -0.70, p< 0.01 60 70 80 0 100 200 300 L * Mc(%)
Fig. 9. Relationship between rate R of increase or decrease in DFr and heartwood moisture content Mc.
Fig. 10. Relationship between heartwood moisture content Mc and heartwood brightness L*.
20 y = 0.10x + 73.4 r= 0.53, p < 0.01 60 70 80 -50 0 50 L * R(%) -50 to -5 -5 to 5 5 to 26 R (% ) 52-75 75-100 100-150 150-241 74a 90b 131c Mc (%):
Fig. 11. Relationship between rate R of increase or decrease in DFr and heartwood brightness L*.
Fig. 12. Appearance proportion of heartwood moisture content Mc in each class of the rate R of increase or decrease in DFr.
Right panels indicate average Mc in each class of R; different letters indicate significant differences (Tukey's test, p < 0.05).
21 -50 to -5 -5 to 5 5 to 26 R (% ) 75-77 70-75 65-70 74.4a 73.8b 71.7c L*: DFr の増減率 R の階 級 別の L*の出現割合を 示す(Fig. 13)。4つ の以上の Rの 階 級でL*を区分し た場合 には,階級間 で L*に有 意な差のない 組み合わ せがあったこ と か ら , 3 つ の 階 級 に 区 分 し た 。 そ の 結 果 , -50~ -5% の 階 級 で は 明 度 L*が 66~ 70 と低い個体が 約3割と 多く,ほかの 2つの階 級では 65~70 の個体 はないか,僅 か であった。明 度 L*が 75~75 の個体 は R の 階 級が上がるに つれ多く なる傾向であ っ た。R の各階 級の平 均 L*は階級が 上がるに つ れ,高くな る傾向で ,各階級には有 意 な差があった (Tukey's test, p<0.05)。
Fig. 13. Appearance proportion of heartwood brightness L* in each class of the rate R of increase or decrease in DFr.
Right panels indicate average L* in each class of R; different letters indicate significant differences (Tukey's test, p < 0.05).
4. 考 察 伐採木の DFrの増減 率 Rと心材含水 率 Mcには 負の相関(r = 0.71) が,Mcと明度 L*には負の 相関(r = 0.70)がある ことが確 認された。そ して,R と L*には正の相 関(r =0.54)が認め られた。R とL*の相関 係数はあまり 高くなく ,L*の値その もの を推 定 す るに は 誤 差が 大き い と 考え ら れ る。 しか し ,R の 値 を 3階 級に 分 け ると , Rの低い階級で は L*の 低い個体の出 現率が高 かったのに対 し,R の 高い階級で は L* の高い個体の 出現率が 高くなる傾向 であった 。また,R の各階級 の 平均 L*には有意 な差があった 。したが って,DFrの増減率 R によって心材 の明度 L*を3階級にグル ープ分けする ことは可 能であると考 えられた 。
22 樹幹直径 D ,林齢 と DFrに負の相 関が認め ら れたが,これは 樹幹の 直径成長と林 齢に伴っ て DFrが低下すること意味 している 。このた め,本研究で は心材含水率 を 推定する指標 として DFrの値その ものでは な く,DFrの増減率 R を採用した。し か し,既往 の報告(釜口 ら,2000;釜口 ら,2001;中田・田村 ,2006)では D に伴っ てDFrが低下する傾向 は確認されて いない 。この原因とし ては ,本 研究の調査木 の D は 30 ㎝以上(樹 齢 :33~56 年生)が約 4割を占めた のに対し ,既往の報告 (釜 口ら,2000;釜口ら, 2001;中田・ 田村,2006)ではほと んどの調 査木が 30 ㎝ 未 満(樹齢:20~30 年 生)と小さか ったため と考えられる 。 直径成長 と林 齢に伴 っ て DFr が低下 するこ とが示さ れた が,こ れ は式(1) から 考えると,直径 成長と 林齢に伴って 樹幹横断 面方向のヤン グ率と見 かけの密度の 比 E/ρが低下し たものと 考えられる。直 径成長 と林齢に伴う 材質の変 化を見かけの 密 度とヤング率 に分けて 考えてみる 。見か けの 密度について であるが ,直径成 長と林 齢に伴って辺 材より含 水率の低い心 材の割合 が増える 。このた め,この直径成長 に 伴う見かけの 密度の変 化は DFr を高くする 方 向に働き,DFr を低下 させる要因に な っているとは 考えられ ない。つ ぎにヤン グ率 についてであ る。樹幹 断面方向のヤ ン グ率には放射 方向と接 線方向のヤン グ率が主 として関与す るものと 考えられる。放 射方向と接線 方向のヤ ング率は仮道 管二次膜 中層のミクロ フィブリ ル傾斜角(MFA) が大きくなる につれ ,高くなること が報告さ れている(Qing,H., Mishnaevsky Jr., L., 2010)。 また , MFA は髄 で 最 大で 外 方 へ 向 かう に つ れ小 さ く な る こと が 知 ら れ ている(渡部 ,1967)。したがって ,直径が 小さいうちは MFA が 大きく樹幹断 面方 向のヤング率 が高いが ,直径成長と林 齢に伴 って MFA が小さくなり 同方向のヤン グ 率が低下し ,その結 果 DFrが低下すること が考えられる 。ただ し ,樹幹の 成長や樹 齢に伴っ て DFrが低下する原因につ いては今 後の詳細な検 討が必要 である。 本法を用いれ ばスギ林 を間伐する場 合に ,材 色を考慮した 選木が可 能となる 。さ らに,冒頭で 述べたよ うに,心材含 水率や腐 朽・空洞の発 生の有無 も同時に診断 す ることが可能 である 。ただし,林分の立 木本 数が多い場合 は計測に は相応の労力 が かかる。人工 林の施業 方法のうち,主伐木を あらかじめ決 定し,こ れを長期に育 成 した の ち 収穫 す る 施業 があ る ( 藤森 ,2013)。こ の 施 業で は , 主伐 木は 最 終 的な 大 きな収入にな るため ,その選木には 細心の注 意を払う必要 がある 。外観から形質 の 良いものを見 分けたの ち,本法によっ て樹幹 内部の黒心な どの材色 を含む材質を 判 定した上で主 伐木を決 定することは 林業経営 上,意義があ ると考え られる。 5.まとめ 横打撃共振法 によるス ギ立木の心材 色の推定 が可能である か,次の 前提に基 づいて検討し た。1)樹幹直径 D と 打撃され た樹幹の振動 の共振周 波数 Frの積 DFrが低くなる につれ 心材含水率 Mcは高く なる,2)Mcが高く な るにつれ心材
23 の明度 L*は低くなる 。3)したが って,DF rが低くなるに つれ心 材の明度 L*は 低くなる可能 性がある 。本法によっ て 700 本を測定し,う ち 74 本 を伐採し心材 色を調査した 。伐 採木 のDとDFrの回帰直線 に対する各個 体のDFrの増減率R(%) を算出し,R を L*を推定する指標と した。そ の結果,R と M c(r = 0.71)およ びMcと L*(r = 0.70)に負の相関 が,Rと L*に正の相 関(r = 0.53)が認めら れた。R と L*の相関係 数は高くなか ったが,R によって心材の明 度 L*を3階級 にグループ分 けするこ とが可能であ った。そ して,間伐施 業におい て本法によ る心材色を推 定する意 義について考 察した。
24 第Ⅲ章 横打撃共振法 によるヒ ノキ根株心材 腐朽病の 非破壊診断 1.はじめに 林木の材質を 侵す材質 腐朽病は発病 の有無と 腐朽の程度を 外観から 診断する ことは困難で ある。こ のため,間伐 や主伐に よって林木を 伐倒した 際にはじめ て被害に気付 くことが 多い。腐朽し た材は著 しく軟化して いるため ,収穫した 丸太に腐朽が 発生して いると,その 丸太は歩 留まりが低下 する,あ るいは建築 用材としては 使えなく なる。近年, スギ・ヒ ノキ林では長 伐期施業 に移行する 傾向があるが ,長年育 成しても本病 による腐 朽が拡大して いれば, その損失は 大きい。なか でも,根 株心材腐朽病 はもっと も材積が大き い1番玉 に腐朽が現 れるため,そ の被害が 問題視されて いる。島 根県のスギ・ ヒノキ林 では,被害 率が 20~40%の激害 林もあること を報告さ れている(陶 山ら,2002)。 根株心材腐朽 病の侵入 門戸は根株や 太根にで きた傷,ある いは地下 水位変動 などによる根 の枯死部 である(伊藤 ,1974)。これら侵入 門戸の発 生を人為的 に防ぐことは 困難であ るため,本病を直 接的 に防除するこ とはきわ めて難しい 。 したがって, 本病の被 害を回避する には,被 害木をなんら かの方法 で早期に発 見して,間伐 すること が最善策と考 える。 横打撃共振法 では診断 する木の DFrが健全木 の値より低い 場合に被 害木と判 定するが,健 全木の測 定値はある一 定の範囲 に分布すると 考えられ る。この範 囲が広い場合 ,推定し た腐朽面積の 誤差も大 きくなり,腐 朽がわず かな被害木 では被害を検 出できな くなる。この ため,本 法の実用化を 考えた場 合,健全木 の測定値の範 囲を把握 しておくこと は不可欠 と考える。 また,本法 を用いた腐 朽病診断に関 する既往 の報告(釜 口ら,2001b;小玉ら, 1999)では, 測定値と 外観から判定 した被害 程度の比較に 留まって おり,実際 に伐採して測 定値が樹 幹内部の腐朽 発生を正 しく捉えてい るか確認 されていな い。 そこで,ヒ ノキ根株 心 材腐朽病を対 象にして つぎの試験を 行った 。1)健全木 の測定値の分 布を検討 するため,島 根県内の ヒノキ 16 林分に おい て約 1500 本 を測定した。 そして, 検定林1林分 を含む計 4林分におい て約 120 本を伐倒し て,材質劣化 の有無を 調査し,健全 木の測定 値の範囲を確 認した。 また,心材 率や測定する 樹幹の高 さが測定値に 与える影 響を検討した 。2)空 洞や腐朽の 大きさが DFrに及ぼす 影響を明らか にするた め,人工的に 作製した 空洞円板と 被害木から作 製した腐 朽円板を用い て,円板 の空洞・腐朽 面積率と 測定値との 関係を検討し た。
25 2.試験方法 2.1 測定林分 2004 年8月~2008 年 4 月,島根県東 部の樹 齢 27~68 年生のヒノ キ 15 林分(以 下,15 林分と呼ぶ。)と出雲市内 の 27 年生 の西島根 37 号精 英樹 ヒノキ次代検 定林において (Table 3),横打撃共振 法に よる測定を行 った。15 林分におい て,小面積の 林分で は 27~35 本,大面積 の林分で は 70~165 本,計 1391 本を 測定した。検定 林は 15 家系が3区に 反復さ れて植栽され ており,このうち2区 で測定した。 1区につ き各家系3本 の計 45 本,2区で 計 90 本を 測定した。 測定は地上高 1.2m で 行なった。た だし,15 林分のうち3林分 ( 宍道,下来 島‐1および 小田‐3 )では地 上高 0.5m でも測定を行い ,地 上 高 0.5m と 1.2m で測定値を比 較した。 Ages of stands Site a) Investigation year
Shinzi 32 25 Shinzi-cho, Matsue City 30 2004 A+
Ottachi 64 120 Ottachi-cho, Izumo City 180 2006 A
Kamikizima 30 35 Kamikizima, Inan-cho 350 2006 A
Shimokizima1 33 25 Shimokizima, Inan-cho 420 2004 A+
Shimokizima2 37 80 Shimokizima, Inan-cho 420 2006 A
Shimokizima3 68 126 Shimokizima, Inan-cho 420 2006 A
Shimokizima4 27 110 Shimokizima, Inan-cho 610 2006 A
Oda1 46 25 Oda, Inan-cho 560 2004 A
Oda2 47 165 Oda, Inan-cho 740 2006 A
Oda3 61 100 Oda, Inan-cho 580 2004 A+BE
Oda4 63 90 Oda, Inan-cho 590 2006 A
Oda5 63 70 Oda, Inan-cho 620 2006 A
Yukakae 33 130 Yukakae, Misato-cho 150 2008 A
Chihara 35 100 Chihara, Misato-cho 200 2008 ABC
Yamaguchi 43 100 Yamaguchi-cho, Oda City 320 2008 ABC
test stand 27 90 Funazu-cho, Izumo City 30 2008 ABD
a) All site is in Shimane prefecture.
Table 3. Stands studied
A: Measured at 1.2m above the ground, A+: Also measured at 0.5m above the ground, B; Woood quality deterioration, C:
Rate of heart wood, D: Moisture content, E: DFr of decay disks.
Altitude (m) Investigation content The number of stands Stands studied 2.2 横打撃共 振法によ る測定 横打撃共振法 による測 定は次のよう にして行 った。まず,地上 高 1.2m あるい は 0.5m において 樹幹 直径 Dを計測 した。そ して,同じ高さ で FFT アナライザー (CF-1200,小野測器 ,神奈川)に 接続した 加速度センサ ー(NP-4110,小野測 器,神奈川)を 樹幹に 押し当てなが ら,木製 ハンマー(重 量:180g,長さ:30cm,
26 頭部径:4cm)を用い て樹幹を打撃 した。こ の時の樹幹の 振動の周 波数スペク トルが FFT アナライザ ーの画面上に 瞬時に表 示された。こ の画面上 の周波数ス ペクトルには 通常,複 数の共振周波 数が出現 したが,この うち1次 ピーク(最 も低い共振周 波数)を 診断の指標と する横打 撃共振周波 数 Fr とし て記録した 。 横打撃共振周 波数 Frはほとんどの 場合1回 の打撃で計測 できたが ,1次ピーク が明瞭に出現 しない場 合があった。 この場合 は打撃位置を 水平方向 に変えて明 瞭なピークが 出現する まで数回計測 した。 FFT(高速フーリ エ変 換)の解析 条件はサ ン プル数を 256 個,周 波 数レンジは 通常2kHz に設定した が(この場合,周 波数 分解能:20Hz),樹幹 直径が約 20cm 以 下 の 木 で は 共 振 周 波 数 が 2 kHz を 超 え る 場 合 が あ り , 周 波 数 レ ン ジ は 5 kHz に設定した( 周波数分 解能:50Hz)。 2.3 3林分で の材質調 査 15 林分のうち小田 ‐ 3,千原およ び山口の 3林分(以下 ,3林分 と呼ぶ。) において測定 木を伐倒 して材質劣化 の有無を 調査した。各 林分にお いてそれぞ れ 10,11 および 10 本 の計 31 本を伐倒 し,測 定した高さで 厚さ 10cm の円板を採 取した。これ ら円板の 断面上におい て材部の 腐朽・変色, スギカミ キリの加害 およびヒノキ 漏脂病に よる材質の劣 化の有無 を調査した。 これらの 材質の劣化 を認めなかっ たものを 健全木とし,そのDFrの範囲を明ら かにした 。なお,小田 ‐3では根株 心材腐朽 病の被害木の 本数が多 かったため, 本病の病 原菌につい ても調査した 。 千原と山口の 健全木で あった円板に ついて, 材部の直径に 対する心 材部の直 径の割合を心 材率(% )として次式 によって 算出し,心材 率と DFrの関係を検 討した。 心材率=(心 材直径/材部直径)×100(%) ただし,材部 直径:円 板の長径方向 でみた材 部の直径,心 材直径: 同直径上 の心材部の長 さ。 2.4 検定林の 材質調査 検定林では測 定し た 90 本すべてを伐 倒し,測定した地上 高 1.2m で厚さ 10cm の 円板を採取し た。これ ら円板断面上 において ,前項と同様の方 法で 材質劣化の有 無を調査し, 健全木 のDFrの範囲を明らか にした。 このうち 15 本の 円板 については材 部の含水 率を調査した。まず,円板の長径方 向で材部を幅 2cm に 切断した 。これを 年輪 に沿って辺材 ,白 線帯 および心材に 分けた。辺材と心 材の 材片は,さらに年 輪に 沿ってそれぞ れの部位 を約2cm の 長さに適宜分 割した。 各材片の含水 率 u(% )は次式によ って算出 した。 含水率 u=(m-m0)/m0×100(%)。 ただし,m:乾燥前の質 量,m0:105℃,48 時間で乾燥させ た質量。
27 2.5 人工空洞 円板の作 製と測定 島根県飯南町 の 34 年 生ヒノキ1林 分におい て,樹幹 が通直で 断面 がほぼ正円 の健全木3本 を選定し 伐倒した。1 本につき 地上高 1.0~1.5m の範囲で,節な ど欠点を含ま ないよう にして,厚さ 10cm の 円板1個を採 取した。作製した計3 個の円板の直 径は 20~25cm であった。円板 は乾燥防止の ため切削・測定 時以外 はポリエチレ ン製の袋 に密封し,ま た共振周 波数の測定は 伐採後2 日後までに 行った。まず,3個の 円板の共振周 波数 Frを無空洞で,樹皮 の付 いた状態で測 定した。円板 を軽く手 で押さえ,側 面を木製 ハンマーで軽 く打撃し ,その反対 の側面にセン サーを押 し当てて Frを計測 し た。つぎに,円板の断 面中心に円形 , 直径 10mm の空洞を切 削し, Frを測定した。そして,空洞直 径を同 心円状に順次 大きくし,空洞 直径ご とに Frを測定した。空 洞直径は 10,15,20,30,40,50, 75,100 および 150mm とし,これ は円板材 部 の断面積に対 して面積 率 0。2~56% の空洞であっ た。各空 洞円板の DFr値の減少 率(%)を無 空洞円板 の DFrに対 する比率とし て次式に よって算出し た。 DFrの減 少率=(IN-IF)/IN×100(%) ただし,IN:無空洞 円 板の DFr, IF:空洞円 板のDFr。 そして,円板の材 部に おける空洞面 積率 とDFrの関係を 検討した 。 2.6 腐朽円板 の作製と 測定 小田‐3で腐 朽の発生 を認めた3本(No.25,44,45)を林内で1 m 間隔に玉 切り,腐朽が 到達した 範囲の丸太を 当センタ ーに持ち帰っ た。これ ら3本の丸 太は速やか に 10cm 間隔で玉切り, 厚さ 約 10cm の円板に加 工した 。被害木1本 あたり 12~26 個,計 65 個の腐朽円板を 作 製した。腐朽 円板の中 には腐朽部が 脱落して空洞 化した場 合もあった 。円板 は前 項と同様に乾 燥防止の 処置を行い , 伐採後7日後 までに測 定した。各腐朽 円板の 直径 D と共振 周波 数Frを樹皮の付 い た 状 態 で 前 項 と 同 様 に 計 測 し , DFrを 算 出 し た 。 円 板 材 部 と 腐 朽 部 の 外 周 を トレースし, 円板材部 と腐朽部の面 積を計測 して,円板断 面に占め る腐朽面積 率(%)を算 出した。 各腐朽円板の DFrの減 少率(%)を 健全部円 板の DFrに 対する比率と して次式 によって算出 した。 DFr減少 率=(IS-ID)/IS×100(%) ただし,IS:健全部 円板の DFr, ID:腐朽 円板の DFr。 健全部円板は 同じ被害 木で腐朽が到 達してい ない最初の円 板を用い た。そし て,腐朽円板のDFr減 少率と腐朽面 積率の関 係を検討した 。なお,3本のうち1 本 ( No。 45) に つ い て は 円 板 の 断 面 に 対 す る 健 全 部 面 積 率 を 算 出 し て ,DFr減 少率との比較 を行なっ た。
28 3.結果 3.1 15 林分の測定 Fig. 14 に 15 林分の計 1391 本の,地 上高 1.2m で測定したDFrの分布 を示す。 測定木の DFrは 13.2~43.2cm・kHz と広範 に及んだが, 全個体 の 96%は 27~ 40cmkHz の範囲で帯状 に分布した。 一方,こ の帯状の分布 より上に プロットさ れた個体が約 1%,帯 状の分布より 明らかに 下にプロット された個 体が約 3% あった。
Fig. 14. Distribution of DFr of trees studied (measured at 1.2m height ).
Fig. 15 に林分別 の DFrの分布 を示す。各 林 分の平均 DFrは 29.2~34.8 cmkHz と林分によっ て差があ り(Kruskal-Wallis 検定,p≦0.001),DFrの分布 の幅 は9~26cmkHz と広か った。
地上高 0.5m と 1.2m とを比較する と,前者 が DFrの分 散が大き く (F 検定, p<0.01),平均値が約 3cmkHz と高かった( t 検定,p<0.001)(Fig. 16)。
29 Fig. 15. Distribution of DFr in 15 stands.
⊥: minimum value,Т: maximum value, □: 10-90 percentail, ●: average, -: average of 10-90 percentail.
Fig. 16. Frequent distribution of DFr.
□: 1.2m height,■: 0.5m height.Averagein 1.2m : 33.1cmkHz, Average in 0.5m: 35.9cmkHz,Variance in 1.2 m: 12.4(cm・kHz)2, Variance in 0.5m: 20.2(cm・kHz)2.
30 3.2 3林分の 材質調査 小田‐3,千原 および 山口で計 31 本の 測定 値と材質を比 較した( Fig. 17)。 小田‐3にお いて地上 高 1.2m で健全木 7本 の DFrは 29.7~37.1cm・kHz であっ た。腐朽の 発生を認 め た3本は 13.8~32.6 cm・kHz で,この うち No.44 は 32.6 cmkHz で健全木の範囲 に含まれたが ,腐朽面 積率は 1.0%と低かっ た。地上高 0.5m では健全木6 本 の DFrは 32.3~42.2 cm・kHz であった。こ れに対して, 腐朽の発生を 認めた4 本は 16.8~29.8cm・kHz と低かった。4 本 の腐朽面積率 は 1.2~26.7%で,DFrが低い 木ほど腐 朽面 積率が大きく なる傾向 があった。健 全木6本の DFrは地 上 高 0.5m と 1.2m で差があり(t 検定,p < 0.01),前者 のほうが高か った。 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 D ・ Fr ( cm ・ k H z) O da ‐ 3 ( 1. 2m ) 3.0a 20.0a 1.3 20.8 0.2 1.0 26.7 7.5 3.9 1.2 Stands C hi ha ra ( 1. 2m ) O da ‐ 3 ( 0. 5m ) Y am ag uc hi ( 1. 2m )
Fig. 17. DFr of trees cut in three stands.
○:healthy trees,●: decayed trees. The numbers next to the black circles indicate decay area rates (%). adecay caused by fungal disease.
31 千原と山口で は,DFrが 32.0~42.1cm・kHz の 18 本では,腐朽な ど材質的な 欠陥は認めな かった。 腐朽は 28.5~37.6cm・kHz の3本で 発生し ていた。うち 2本の DFrは 37.6 と 35.5 cm・kHz で相対 的に低くはな かった。 この2本は漏 脂病による被 害木であ り,幹が扁平 し不整形 に腐朽が拡大 していた 。 小田‐3の被 害木4本 のうち3本で は腐朽は 地際から地上 高 0.6~1.5m まで 到達していた が,1本 では 3.0m までと広範 に伸長してい た。被害 木4本の腐朽 部はいずれも 黄白色, 繊維状に軟化 し,腐朽 部が脱落して 空洞化し た場合もあ った。被害木 の近くの 古い伐根には キンイロ アナタケの子 実体の発 生を確認し た(日本大学 阿部恭久 氏同定)。ま た,この 子実体と被害 木の腐朽 部から分離 した培養菌そ うが一致 した。このこ とから, 小田‐3で発 生してい る腐朽被害 の病原菌はキ ンイロア ナタケである と考えら れた。 千原と山口で 健全木で あった 18 本の円 板に ついて,心材率 と DFrを比較した (Fig. 18)。心材率 は 62~90%であった 。千原,山口 とも心材 率が高くなる につれ,DFrが高 くな る傾向があっ た。
Fig. 18. Relationship between heartwood area rate and DFr ○: Chihara,□: Yamaguchi.
:Yamagushi , y = 0.36x + 9.13, R 2= 0.59, :Chihara, y = 0.31x + 11.25, R 2= 0.34.
32 3.3 検定林の 材質調査 Fig. 19 に検定林 で測 定した 90 本の DFrの 分布を示す 。測定木 のDFrは 23.2 ~45.7cmkHz と広範に 及んだ。この うち,81 本は材質的な欠 陥を 認めず,DFr は 31.1~40.8 cmkHz に分布した。健全木 の DFrは系統 によって 差がある傾向 で あった。材質 の劣化を 認めたものは ヒノキ漏 脂病被害木5 本,スギ カミキリ被 害木2本の計 7本であ った。また, 緑葉は残 っていたが, 形成層が 樹幹の全周 にわたって枯 死してい たものが2本 あり,こ れら2本は枯 死木と判 定した。漏 脂病罹病木と スギカミ キリ被害木 は 36.6~45.7cm・kHz で健全木 より DFrが高 くなる傾向で あった。 漏脂病罹病木 の円板は 形成層が部分 的に壊死 し,この部 分から傷害心 材が形成 されていた。 スギカミ キリ被害木は 穿孔のみ で,腐朽は 発生していな かった。 検定林の 15 本の円板 について含水 率を調査 した。各円板 の辺材の 含水率は 152~223(%),白線 帯では 63~136%であ った。心材の含 水率は 31~60%で, 辺材と比較し て著しく 低かった。 20 25 30 35 40 45 50 D ・ F r値 ( cm ・k Hz ) 図‐4 検定林におけるD・Fr値の分布 ●:健全木,□:漏脂病,△:スギカミキリ,×:枯死木 在 来 朝 来 1 号 朝 来 2 号 飯 石 1 号 邑 智 1 号 邑 智 4 号 邑 智 5 号 大 原 1 号 那 賀 1 号 仁 多 1 号 仁 多 4 号 日 野 2 号 日 野 3 号 日 野 5 号 松 江 署 1 号 20 25 30 35 40 45 50 D ・ Fr ( c m・ k Hz ) Z ai r ai A sa g i1 A sa g i2 I sh i1 O ch i1 O ch i4 O ch i5 O ha r a1 N ag a1 N it a1 N it a4 H in o2 H in o3 H in o5 M at s ue s ho 1
Fig. 19. Distribution of DFr in a screening test stand.
33 3.4 円板の人 工空洞・ 腐朽面積率と 測定値 人工空洞円板 における 空洞面積率 と DFr減少 率の関係 を Fig. 20 に 示す。円 板 の 空 洞 面 積 率 が 大 き く な る に つ れ ,DFrは 曲 線 的 に 減 少 す る 傾 向 で , 両 者 に は高い関連性 を認めた 。また,空洞 面積率 が 10%と低率で あっ ても,DFrは約 50%と大幅に 低下した 。
Fig. 20. Relationship between hollow area rates and decreasing rate of DFr
in artificially hollowed disks. ○:No.1, △: No.2, □: No.3
Fig. 21 に小田‐ 3の 被害木円板の 腐朽面積 率と DFrの減少 率との 関係を示 す 。 腐 朽 面 積 率 が 高 く な る に つ れ ,DFrが 低 く な る 傾 向 で あ り , ま た 人 工 空 洞 円板の減少傾 向と近い 位置にプロッ トされた 。ただし,No。45 の腐朽面積率7%
34
以下の円板で は同じ面 積の空洞円板の DFrが あまり低下し ていなか った。腐朽 部の形状は腐 朽面積率 が 13%以上の場合 は,心材のほぼ中 心で円形 に形成され ていた。一方 ,13%未満では心材の 中心付近 に腐朽部が群 状に分布 していた。
Fig. 21. Relationship between decay or hollow area rates and decreasing area rates of DFr in artificially hollowed disks and naturally decayed disks.
○: Naturally decayed tree No.25, △: No.44, □:No.45. ●: Artificially hollowed disk (No.1-3)
Fig. 22 に被害木 No。45(小田‐3 )の地上 高別の健全部 面積率と 円板状態 で計測し た DFrの変化 を示す。腐朽は 地際部 から地上 高 3.0m まで 到達していた 。 健全部面積率 は地上 高 0.5m で 73%と最も 低く,DFrは 地上高 0.5~1.3mで 11.8 ~13.2cm・kHz と低かった。両者は 地上高の 増加に伴って 増加する 傾向で,そ れぞれ地上 高 3.1m,2.9m で最大に達 した。 地上高 3.1m 以上の健 全部では,DF rは地上 高の増加 に伴 い減少する傾 向であっ た。